JP3575378B2 - デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばマイクロ波〜ミリ波帯の通信機において帯域フィルタとして用いられるデュアルモード・バンドパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高周波領域で用いられるバンドパスフィルタとして、デュアルモード・バンドパスフィルタが種々提案されている(MINIATURE DUAL MODE MICROSTRIP FILTERS, J.A. Curtis and S.J. Fiedziuszko, 1991 IEEE MTT−S Digestなど)。
【0003】
図12及び図13は、従来のデュアルモード・バンドパスフィルタを説明するための各模式的平面図である。
図12に示すバンドパスフィルタ200では、誘電体基板(図示せず)上に円形の導電膜201が形成されている。この導電膜201に、互いに90°の角度をなすように、入出力結合回路202及び入出力結合回路203が結合されている。そして、上記入出力結合回路203が配置されている部分に対して中心角45°の角度をなす位置に、先端開放スタブ204が形成されている。これによって共振周波数が異なる2つの共振モードが結合され、バンドパスフィルタ200は、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作するように構成されている。
【0004】
また、図13に示すデュアルモード・バンドパスフィルタ210では、誘電体基板上に略正方形の導電膜211が形成されている。この導電膜211に、互いに90°の角度をなすように、入出力結合回路212,213が結合されている。また、入出力結合回路213に対して135°の位置のコーナー部が欠落されている。欠落部分211aを設けることにより、2つの共振モードの共振周波数が異ならされており、該2つのモードの共振が結合されて、バンドパスフィルタ210は、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作する。
【0005】
他方、円形の導電膜に代えて、円環状の導電膜を用いたデュアルモードフィルタも提案されている(特開平9−139612号公報、特開平9−162610号公報など)。すなわち、円環状のリング伝送路を用い、図12に示したデュアルモード・バンドパスフィルタと同様に、中心角90°の角度をなすように入出力結合回路を配置し、かつリング状伝送路の一部に先端開放スタブを設けてなるデュアルモードフィルタが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図12及び図13に示した従来のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、1つの導電膜パターンを形成することにより2段のバンドパスフィルタを構成することができ、従ってバンドパスフィルタの小型化を図り得る。
【0007】
しかしながら、円形や正方形の導電膜パターンにおいて、上記特定の角度を隔てて入出力結合回路を結合する構成を有するため、結合度を大きくすることができず、広い通過帯域を得ることができないという欠点があった。
【0008】
また、図12に示されているバンドパスフィルタでは、導電膜201が円形であり、図12に示すバンドパスフィルタでは、導電膜211がほぼ正方形と形状が限定されている。従って、設計の自由度が低いという問題もあった。
【0009】
また、上記バンドパスフィルタでは、円形や正方形の導電膜の寸法などにより周波数帯域が決定され、帯域を調整することが困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、小型化を図り得るだけでなく、結合度を大きくすることができ、さらに結合度や帯域の調整が容易であり、広い通過帯域を容易に実現することができ、さらに設計の自由度に優れたデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、誘電体基板と、誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成された金属膜と、前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極とを備え、2つの共振モードを結合させるために前記金属膜に少なくとも1つの貫通孔が形成されており、前記金属膜と結合された入出力結合回路をさらに備えるデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法であって、前記入出力結合回路が前記金属膜の外周縁とギャップを隔てられて容量結合により結合されている結合部と、該結合部に連ねられた入出力部とを有し、前記結合部の金属膜に対する位置を固定し、前記入出力部の前記結合部に連ねられている位置を金属膜の外周縁に沿う方向に移動させることを特徴とする、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法である。
【0012】
第2の発明は、誘電体基板と、誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成された金属膜と、前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極とを備え、2つの共振モードを結合させるために前記金属膜に少なくとも1つの貫通孔が形成されており、前記金属膜と結合された入出力結合回路をさらに備えるデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法であって、前記金属膜と入出力結合回路との間に配置された誘電体層をさらに備え、前記入出力結合回路が該誘電体層を介して金属膜と重なり合うように配置されており、それによって入出力結合回路が金属膜に容量結合されており、前記入出力結合回路が、前記金属膜に容量結合されている結合部と、結合部に連ねられた入出力部とを有し、前記結合部の金属膜に対する位置を固定し、前記入出力部の前記結合部に連ねられている位置を金属膜の外周縁に沿う方向に移動させることを特徴とする、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタを説明するための模式的平面図であり、図2は、その斜視図である。
デュアルモード・バンドパスフィルタ1は、矩形板状の誘電体基板2を有する。誘電体基板2は、本実施例では、誘電率εr=2.58のフッ素樹脂からなる。もっとも、本実施例及び以下の実施例において、誘電体基板を構成する誘電体材料については、フッ素樹脂に限らず、BAS材などの適宜の誘電体材料を用いることができる。
【0016】
上記誘電体基板2の厚みは特に限定されないが、本実施例では350μmとされている。
誘電体基板2の上面2aには、共振器を構成するための金属膜3が形成されている。金属膜3は、誘電体基板2上において部分的に形成されており、かつ該金属膜3は本実施例では菱形の形状を有する。また、金属膜3には、貫通孔3aが形成されている。貫通孔3aは長方形の平面形状を有し、その長さ方向が、金属膜3の長い方の対角線方向と平行とされている。
【0017】
本実施例では、金属膜3は一辺の長さが15mm、長い方の対角線の長さが24mm、短い方の対角線の長さが18mmの菱形の形状を有する。貫通孔3aは、長辺が9mm、短辺が0.2mmとされており、貫通孔3aの中心が金属膜3の中心と一致するように貫通孔3aが形成されている。もっとも、金属膜3及び貫通孔3aの大きさ並びに貫通孔3aの位置については、上記に限定されず、所望とする中心周波数と帯域幅に応じて適宜変更し得る。
【0018】
他方、誘電体基板2の下面には、全面にグラウンド電極4が形成されている。上記金属膜3には、大きい方の一方の内角を挟む一対の辺3b,3cと所定のギャップを隔てて入出力結合回路5,6が配置されている。入出力結合回路5,6は、金属膜3と同じ金属からなる膜を誘電体基板2上に形成することにより構成されている。入出力結合回路5,6は、それぞれ、結合部5a,6aと、入出力部5b,6bとを有する。結合部5a,6aは、図1では平行四辺形の形状を有するが、金属膜3の辺3b,3cと平行な端縁5c,6cを有する限り適宜の形状とされている。結合部5a,6aの辺5c,6cが、金属膜3の辺3b,3cと所定のギャップgを隔てて対向されており、それによって結合部5a,6aが金属膜3と容量結合されている。
【0019】
入出力部5b,6bは、結合部5a,6aに連ねられており、外部と電気的に接続される。
本実施例では、入出力結合回路5,6の一方とグラウンド電極4との間に入力電圧を印加することにより、入出力結合回路5,6の他方とグラウンド電極4との間で出力が取り出される。この場合、金属膜3が菱形の形状を有し、上記貫通孔3aが形成されているので、発生する2つのモードの共振が結合されてデュアルモード・バンドパスフィルタとして動作する。
【0020】
すなわち、入出力結合回路5,6の結合部5a,6aの中心間を結ぶ仮想直線方向の共振モードと、該仮想直線と直交する方向のモードの共振が生じるが、上記仮想直線と直交する方向の共振電流は、貫通孔3aで妨げられ、コイル装荷効果が発生し、該仮想直線と直交する方向の共振周波数が低周波側へ移動する。この貫通孔3aの大きさを調整することにより、低周波側への移動量をコンロールすることにより、2つのモードの共振を結合させることができる。
【0021】
本実施例のバンドパスフィルタの周波数特性の一例を図3に示す。図3において、実線Aは反射特性を、破線Bは通過特性を示す。なお、図4以降のデュアルモード・バンドパスフィルタの周波数特性においても、同様に反射特性を実線Aで、通過特性を破線Bで示すこととする。
【0022】
図3から明らかなように、矢印Cで示す帯域が通過帯域であるバンドパスフィルタの構成されていることがわかる。すなわち、本実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタ1では、上記金属膜3に貫通孔3aを形成することにより、2つのモードの共振が結合されて、デュアルモード・バンドパスフィルタとしての特性を得ることができる。
【0023】
本実施例の減衰極の周波数調整方法では、上記デュアルモード・バンドパスフィルタ1において、入出力部5b,6bが結合部5a,6aに対して結合されている部分の位置を、金属膜3の辺3b,3cに沿って移動させることにより、減衰極の周波数調整が行われる。これを、図4及び図5を参照して説明する。
【0024】
なお、図3〜図5に示す周波数特性を得たデュアルモード・バンドパスフィルタでは、結合部5a,6aは同じように構成されている。すなわち、結合部5a,6aは、辺3b,3cと0.1mmのギャップgを隔てた端縁5c,6cを有し、端縁5c,6cは、頂点3dとギャップgを隔てられた端部5c1 ,6c1 から辺3b,3cと平行に13mmの長さを有する。また、入出力部5b,6bを結ぶ仮想線Xが辺3b,3cと交差する位置X1 ,X2 が、頂点3dから5mm隔てられるように、入出力部5b,6bと結合部5a,6aとの結合点Y1 ,Y2 が選ばれている。
【0025】
図4及び図5に示した周波数特性は、それぞれ、頂点3dから辺3b,3cに沿って7mm及び9mm隔てられた位置に仮想線が位置するように入出力部5b,6bの結合点が選ばれている。
【0026】
図3〜図5を比較すれば明らかなように、上記のように入出力部5b,6bの位置をずらせることにより、より具体的には、入出力部5b,6bの結合部5a,6aとの結合点を菱形の金属膜3の辺3b,3c方向に沿って移動させた場合であっても、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作させることができることがわかる。また、上記結合点の位置を移動させることにより、減衰極の周波数を変え得ることがわかる。
【0027】
すなわち、本実施例の減衰極の周波数調整方法では、上記のように結合部5a,6aに対する入出力部5b,6bの結合点の位置を変化させることにより、デュアルモード・バンドパスフィルタ1の減衰極の周波数調整を行い得ることがわかる。
【0028】
よって、誘電体基板上に同じ寸法の菱形の金属膜3及び貫通孔3aを形成した後に、上記結合部5a,6aと入出力部5b,6bとの結合点Y1 ,Y2 の位置をずらせるようにしてこれらを形成することにより、所望とする周波数に減衰極を有するデュアルモード・バンドパスフィルタ1の得られることがわかる。従って、本実施例によれば、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整を容易に行い得る。
【0029】
図6は、本発明には含まれない第1の参考例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図である。図6では、デュアルモード・バンドパスフィルタの誘電体基板(図示せず)上に形成された金属膜及び入出力結合回路のみが図示されており、第1の実施例の図1に相当する図が示されている。
【0030】
なお、誘電体基板及び誘電体基板の下面に形成されたグラウンド電極については第1の実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタ1と同様に構成されているため、第1の実施例の説明を援用することとする。
【0031】
本参考例では、金属膜3及び貫通孔3aは、第1の実施例と同様に構成されている。異なるところは、入出力結合回路15,16がコイルで構成されており、入出力結合回路15,16が直接金属膜3の辺3b,3cに電気的に接続されている。
【0032】
誘電体基板、金属膜3及び貫通孔3aを第1の実施例と同じ寸法及び同じ材料で構成した。次に、上記入出力結合回路15,16の金属膜3の辺3b,3cに対する接続点、すなわち結合点を、頂点3dから5mm、7mm及び9mmの位置にそれぞれ設定し、3種類のデュアルモード・バンドパスフィルタ1を作製した。これらのデュアルモード・バンドパスフィルタの周波数特性を図7〜図9に示す。
【0033】
図7〜図9から明らかなように、コイルから入出力結合回路15,16を直接金属膜3の辺3b,3cに接続し、結合させることによっても、デュアルモード・バンドパスフィルタとして動作させ得ることがわかる。また、この入出力結合回路15,16の結合点の位置を辺3b,3cに沿って移動させることにより、減衰極の周波数を変えることができ、従って減衰極の周波数調整を容易に行い得ることがわかる。
【0034】
第1の実施例では、結合部5a,6aの位置を固定し、入出力部5b,6bの位置を変更することにより、第1の参考例では、金属膜3の辺3b,3cに直接コイルからなる入出力結合回路15,16を結合し、該結合点の位置を変更することにより減衰極の周波数調整が図られていた。
【0035】
しかしながら、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法は第1の実施例や第1の参考例の方法に限定されるものではなく、入出力結合回路の構成及び結合方法によって、様々に変形することができる。
【0036】
図10(a)及び(b)は、本発明の第2の実施例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図及び部分切欠正面断面図である。
【0037】
デュアルモード・バンドパスフィルタ21では、金属膜3が、誘電体基板22内に埋設されている。そして、誘電体基板22の上面22a上に、入出力結合回路25,26が形成されている。入出力結合回路25,26の結合部25a,26aは、誘電体基板層を介して金属膜3と重なり合うように配置されている。すなわち、第1の実施例では、金属膜3と同一平面上に入出力結合回路が形成されており、結合部5a,6aが金属膜3に容量結合されていたが、図10に示すように、入出力結合回路25,26は金属膜3と異なる位置に形成されていてもよい。この場合においては、誘電体基板層を介して結合部25a,26aが金属膜3と容量結合されている。
【0039】
また、第1の実施例では、結合部5a,6aを固定し、入出力部5b,6bの位置をずらしたが、結合部5a,6aの位置を辺3b,3cに沿って移動させることにより減衰極の周波数調整を行うこともでき、両者を併用してもよい。同様に、第2の実施例においても、入出力結合回路25,26の結合部25a,26aの位置を異ならせることにより、及び/または結合部25a,26aに対する入出力部の結合位置をずらせることにより、減衰極の周波数調整を行い得る。
【0040】
また、第2の実施例から明らかなように、本発明におけるデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法が用いられ得るデュアルモード・バンドパスフィルタでは、金属膜は誘電体基板の内部に埋設されていてもよい。また、入出力結合回路の位置についても、誘電体基板の上面に形成する必要は必ずしもなく、誘電体基板内に形成されていてもよい。さらに、特に図示はしないが、第1の実施例で示したグラウンド電極4についても、誘電体基板の下面に形成する必要は必ずしもなく、誘電体基板内に形成されていてもよい。
【0041】
図11(a)及び(b)は、第2の参考例に係る減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図及び部分切欠正面断面図である。
本参考例では、金属膜3が誘電体基板2内に埋設されており、誘電体基板4上にコイルからなる入出力結合回路35,36が形成されている。入出力結合回路35,36は、ビアホール電極35a,36aを介して金属膜3に直接電気的に接続されている。
【0042】
すなわち、第1の参考例では、コイルからなる入出力結合回路15,16が金属膜3と同一平面上において接続されていたが、第2の参考例のように、入出力結合回路35,36は金属膜3と異なる高さ位置に形成されていてもよい。第2の参考例においても、ビアホール電極35a,36aの位置を異ならせることにより、すなわち金属膜3に対する入出力結合回路35,36の結合点の位置を変えることにより、第1の参考例と同様に減衰極の周波数を変化させ得る。
【0043】
なお、第1,第2の実施例では、いずれも菱形の形状の金属膜3を用いたが、本発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法では、金属膜3の平面形状は菱形に限らず、正方形、長方形、三角形、他の多角形あるいはアトランダムな外周縁を有する形状など任意である。
【0044】
【発明の効果】
第1,第2の発明によれば、誘電体基板に共振器を構成するための金属膜が形成されており、2つの共振モードが結合するように金属膜に少なくとも1つの貫通孔が形成されているので、入出力結合回路の結合点の位置が限定されることなく、2つの共振モードを結合させてデュアルモード・バンドパスフィルタとしての帯域特性を得ることができる。
【0045】
そして、第1の発明では、入出力結合回路が金属膜と容量結合により結合されている結合部と入出力部とを有し、入出力部を金属膜の外周縁とギャップを隔てて対向されている該外周縁に沿う方向に移動させることにより、容易に減衰極の周波数調整を行うことができる。
【0047】
第2の発明では、金属膜と入出力結合回路との間に誘電体層が配置されており、入出力結合回路が誘電体層を介して金属膜と重なり合うように配置されて、入出力結合回路が金属膜に容量結合されている構造において、入出力部を上記誘電体層上において金属膜の外周縁に沿って移動させることにより、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数を容易に調整することができる。
【0049】
従来のデュアルモード・バンドパスフィルタでは、共振器を構成する金属膜の形状に制約があったり、入出力結合回路の結合点の位置に制約があったのに対し、第1,第2の発明に係るデュアルモード・バンドパスフィルタでは、このような制約がないため、デュアルモード・バンドパスフィルタの設計の自由度を大幅に高めることができる。しかも、金属膜の寸法や貫通孔の寸法を異ならせることに加えて、本発明のように入出力部の位置を異ならせることにより、減衰極の周波数を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図。
【図2】第1の実施例で用いられるデュアルモード・バンドパスフィルタの斜視図。
【図3】第1の実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
【図4】第1の実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタにおいて入出力部の位置をずらした場合の周波数特性を示す図。
【図5】第1の実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタにおいて入出力部の結合部に対する結合点の位置をさらにずらした場合の周波数特性を示す図。
【図6】本発明の第1の参考例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図。
【図7】第1の参考例のデュアルモード・バンドパスフィルタの周波数特性を示す図。
【図8】第1の参考例のデュアルモード・バンドパスフィルタにおいて入出力部の位置をずらした場合の周波数特性を示す図。
【図9】第1の参考例のデュアルモード・バンドパスフィルタにおいて入出力部の結合部に対する結合点の位置をさらにずらした場合の周波数特性を示す図。
【図10】(a)及び(b)は、第2の実施例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図及び部分切欠正面断面図。
【図11】(a)及び(b)は、第2の参考例に係るデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法を説明するための模式的平面図及び部分切欠正面断面図。
【図12】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタの一例を説明するための模式的平面図。
【図13】従来のデュアルモード・バンドパスフィルタの他の例を説明するための模式的平面図。
【符号の説明】
1…デュアルモード・バンドパスフィルタ
2…誘電体基板
3…金属膜
3a…貫通孔
3b,3c…辺(外周縁)
3d…頂点
4…グラウンド電極
5,6…入出力結合回路
5a,6a…結合部
5b,6b…入出力部
11…デュアルモード・バンドパスフィルタ
15,16…入出力結合回路
21…デュアルモード・バンドパスフィルタ
25,26…入出力結合回路
25a,26a…結合部
25b,26b…入出力部
31…デュアルモード・バンドパスフィルタ
35,36…入出力結合回路
35a,36a…ビアホール電極
Claims (2)
- 誘電体基板と、
誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成された金属膜と、
前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極とを備え、
2つの共振モードを結合させるために前記金属膜に少なくとも1つの貫通孔が形成されており、
前記金属膜と結合された入出力結合回路をさらに備えるデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法であって、
前記入出力結合回路が前記金属膜の外周縁とギャップを隔てられて容量結合により結合されている結合部と、該結合部に連ねられた入出力部とを有し、
前記結合部の金属膜に対する位置を固定し、前記入出力部の前記結合部に連ねられている位置を金属膜の外周縁に沿う方向に移動させることを特徴とする、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法。 - 誘電体基板と、
誘電体基板の一方面または誘電体基板内に形成された金属膜と、
前記金属膜と誘電体基板の少なくとも一部を介して厚み方向に重なり合うように配置されたグラウンド電極とを備え、
2つの共振モードを結合させるために前記金属膜に少なくとも1つの貫通孔が形成されており、
前記金属膜と結合された入出力結合回路をさらに備えるデュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法であって、
前記金属膜と入出力結合回路との間に配置された誘電体層をさらに備え、前記入出力結合回路が該誘電体層を介して金属膜と重なり合うように配置されており、それによって入出力結合回路が金属膜に容量結合されており、
前記入出力結合回路が、前記金属膜に容量結合されている結合部と、結合部に連ねられた入出力部とを有し、
前記結合部の金属膜に対する位置を固定し、前記入出力部の前記結合部に連ねられている位置を金属膜の外周縁に沿う方向に移動させることを特徴とする、デュアルモード・バンドパスフィルタの減衰極の周波数調整方法。
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