JP3528583B2 - 荷電粒子ビーム照射装置および磁界発生装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム照射装置および磁界発生装置

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JP3528583B2 JP08990698A JP8990698A JP3528583B2 JP 3528583 B2 JP3528583 B2 JP 3528583B2 JP 08990698 A JP08990698 A JP 08990698A JP 8990698 A JP8990698 A JP 8990698A JP 3528583 B2 JP3528583 B2 JP 3528583B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H7/00Details of devices of the types covered by groups H05H9/00, H05H11/00, H05H13/00
    • H05H7/04Magnet systems, e.g. undulators, wigglers; Energisation thereof
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K5/00Irradiation devices

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、所定の磁界を発
生する磁界発生装置およびこの磁界発生装置を用いた荷
電粒子ビーム照射装置に関するものである。更に詳しく
は、固定された筒状のリターンヨーク内に位置する磁極
対を移動させる磁界発生装置、およびこの磁界発生装置
を用いた荷電粒子ビーム照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の荷電粒子ビーム照射装置
を説明するための図であり、詳しくは米国のW.T.C
huらによるReview of Scientifi
c Instruments 1993年巻64のN
o.8第2055ページから第2122ページに掲載さ
れた総説論文の中で紹介された荷電粒子ビーム照射装置
を説明するための図である。
【0003】図において、35は荷電粒子ビームを発生
する荷電粒子ビーム発生装置であり、ここでは荷電粒子
ビーム発生装置として例えば加速器を用いている。37
は加速器35により発生した荷電粒子ビームを輸送する
荷電粒子ビーム輸送装置であり、ここでは荷電粒子ビー
ム輸送装置37として例えば電磁石を有するものを用い
て加速器35より発生した荷電粒子ビームを輸送する。
39は荷電粒子ビーム輸送装置37により輸送された荷
電粒子ビームを偏向する荷電粒子ビーム偏向装置であ
り、荷電粒子ビーム偏向装置39として例えば電磁石を
用いて荷電粒子ビームを偏向する。33は荷電粒子ビー
ム偏向装置39により偏向された荷電粒子ビームであ
る。
【0004】10は所定の磁界空間を発生させるための
磁界発生装置である。荷電粒子ビーム33は磁界発生装
置により発生する磁界空間を通過する。3a、3bは第
1の磁極に対応する磁極であり、磁極3aと磁極3bと
により一対の磁極対を形成する。1aは磁極3aに巻き
付けたコイル、1bは磁極3bに巻き付けたコイルであ
る。コイル1aとコイル1bは電源(図示せず)に接続
されており、この電源に電流を流すことにより磁極3a
と磁極3bとの間に磁界が形成されることにより、所定
の磁界空間が発生する。5はリターンヨークであり、リ
ターンヨーク5は磁極3aと磁極3bとを有する磁極対
の外側に設けられており、リターンヨーク5と磁極3a
と磁極3bとは一体化形成されている。
【0005】21は歯車であり、磁界発生装置10は歯
車21に固定されている。22は歯車であり、歯車21
と歯車22とは互いにかみ合うように構成している。1
1は歯車22を回転駆動するための駆動装置であり、駆
動装置として、例えばモータを用いている。モータ11
を回転することにより、歯車22が回転し、これにより
歯車21が回転する。歯車21が回転するため歯車21
に固定された磁界発生装置10もこれに応じて回転す
る。
【0006】荷電粒子ビーム偏向装置39は、荷電粒子
ビーム33が歯車21の回転軸29上を進行するよう偏
向を行っている。荷電粒子ビーム33は、歯車22の回
転軸に沿って進行するとともに、磁界発生装置を通過す
る。このとき、磁極3aと磁極3bとの間には、コイル
1aとコイル1bに流れる電流に応じた磁界が発生して
おり、荷電粒子ビーム33は磁極3aと磁極3bとの間
を通過する。磁極3aと磁極3bとの間を通過する荷電
粒子ビームは、磁極3aと磁極3bとの間に発生する磁
界および荷電粒子の速度のベクトル積に応じた力(ロー
レンツ力)を受けるため、磁界発生装置10を通過した
後、その進行方向が変化する(つまり偏向する)。
【0007】15は荷電粒子ビームを受ける被照射体で
ある。荷電粒子ビーム照射装置を例えば人間の腫瘍を治
療するための治療装置に適用するとき、被照射体15は
人間になる。磁界発生装置10により荷電粒子ビームが
偏向を受けないとき、荷電粒子ビーム33は歯車22の
回転軸と被照射体15とが交差する位置に照射される。
磁界発生装置10による偏向を受けたとき、磁極3aと
磁極3bとの間に発生する磁界に垂直な方向の直線上の
所定の位置に照射される位置が移動する。この移動する
向きはコイル1aとコイル1bとに流す電流の向きに応
じて変化し、移動する量はコイル1aとコイル1bとに
流す電流の大きさに応じて変化する。
【0008】つまり、コイル1aとコイル1bとに流す
電流を制御することにより、被照射体15に照射される
荷電粒子ビームの照射位置を所定の直線方向に沿って振
動するように構成することが可能となる(以後このよう
な動作をスキャニング照射と称す)。更に、歯車21を
回転させることにより、上述した所定の直線が歯車21
の回転軸29を中心にして回転するため、スキャニング
照射の方向が回転し、結果として被照射体15上の所定
の円19内に荷電粒子ビームを照射させることが可能と
なる。このとき、上述した所定の円の半径の大きさはコ
イル1aとコイル1bとに流す電流の大きさに応じて変
化させることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の荷電粒子ビーム
照射装置は上述のような構成をしているため以下に説明
するような問題がある。磁界発生装置10において、磁
極3aと磁極3bとリターンヨーク5とが一体形成され
ているため、スキャニング照射される向きを変える場
合、磁極3aと磁極3bとリターンヨーク5とを全て回
転させなければならない。また、上述の荷電粒子ビーム
照射装置を深部腫瘍治療を行うための治療装置として適
用する場合、エネルギーの高い(250MeV)陽子ビ
ームまたは、炭素ビームなど重い荷電粒子ビームを照射
する必要があり、この場合磁界発生装置10の総重量は
数トンにもなる。つまり従来の構成において、磁極3
a、磁極3bを有する磁極対を回転させる場合、磁極対
を固定するリターンヨーク5をも回転させる必要がある
ため、モータ11にかかる負荷が大きくなるばかりか、
モータ11に大きな駆動力が必要とされるため、磁極3
a、磁極3bを有する磁極対を高精度かつ高速に回転さ
せることが困難であるばかりか、上述した所定の円19
内の全域を照射するのに要する時間が長くなるといった
問題があった。
【0010】この発明は、上述のような問題を解決する
ためになされたものであり、モータの駆動力が小さく、
磁極対を高速かつ高精度に変化させる磁界発生装置およ
び所定の領域内を照射するのに要する時間が短い荷電粒
子ビーム照射装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る磁界発生
装置は、第1のリターンヨークと、その第1のリターン
ヨークの内側空間に、互いに磁極面が対向し、各々にコ
イルを巻き回して形成された一対の磁極部とを備えた荷
電粒子ビーム照射用の電磁石において、入射する荷電粒
子ビームに対向する平面上で、前記第1のリターンヨー
クに対する前記一対の磁極部の相対位置を可変にした
とを特徴とするものである。
【0012】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークの内側空間の内面は円筒の側面形状を有
し、一対の磁極部を、前記第1のリターンヨークの内面
円周に沿って、回転移動させることができるように構成
したことにより、前記第1のリターンヨークに対する前
記一対の磁極部の相対位置を可変にしたことを特徴とす
るものである
【0013】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークと一対の磁極部との間に、円筒外形を有
し、且つ内側に空間を有する第2のリターンヨークを配
置し、前記第2のリターンヨークの内側空間で、前記一
対の磁極部を前記第2のリターンヨークに固定するとと
もに、前記第1のリターンヨークの内面円周に沿って、
前記第2のリターンヨークを回転移動させることができ
ように構成したことを特徴とする
【0014】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークと第2のリターンヨークとの間にベアリン
グを設けたことを特徴とするものである。
【0015】この発明に係る磁界発生装置は、ベアリン
グは磁性体または磁性流体であることを特徴としたもの
である。
【0016】この発明に係る磁界発生装置は、第1の
ターンヨークの内側空間の内面は四角柱状の側面形状を
有し、一対の磁極部を入射する荷電粒子ビームに対向
する平面上で、前記第1のリターンヨークの内側空間の
対向する内面に沿って、平行移動させることができるよ
うに構成したことを特徴としたものである。
【0017】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークの外側に配置した固定フレーム、その一
部が前記固定フレームに取り付けられた駆動用フレーム
一対の磁極部を前記駆動用フレームに支持する支持
部材とを備え、前記駆動用フレームを所定の方向に移動
させることにより、前記一対の磁極の位置を平行移動
させるように構成したことを特徴とするものである。
【0018】この発明に係る磁界発生装置は、対向する
磁極面の間に非磁性の部材を設けたことを特徴とするも
のである。
【0019】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークに対する一対の磁極部の相対位置を変える
とき、前記磁極に巻き回されたコイルに流す電流を低減
させるように構成したことを特徴とするものである。
【0020】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークに対する一対の磁極部の相対位置を変える
とき、前記磁極部の停止位置までの回転角が所定角度よ
りも大きくなるように磁極部を回転移動させることを特
徴とするものである。
【0021】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークに対して回転移動可能な一対の磁極部を、
それぞれに備えた第1の磁界発生装置と、第2の磁界発
生装置とを、荷電粒子ビームの入射方向に対して直列に
配置し、前記第1の磁界発生装置の磁極部の磁極面と前
記第2の磁界発生装置の磁極部の磁極面とを平行に配置
すると共に、各磁極部を同一周期で回転移動させ、且つ
第1の磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す
電流と第2の磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイル
に流す電流とを連動して調節するようにしたことを特徴
とするものである。
【0022】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨークに対して回転移動可能な一対の磁極部を有
する第1の磁界発生装置と、第1のリターンヨークに対
して磁極面に平行移動可能な一対の磁極部を有する第2
の磁界発生装置とを備え、荷電粒子ビームの入射方向に
対して前記第1の磁界発生装置を前段に、前記第2の磁
界発生装置を後段に直列に配置すると共に、前記第1の
磁界発生装置の磁極部と前記第2の磁界発生装置の磁極
部の各磁極面を平行に配置すると共に、各一対の磁極部
を同一周期で回転移動させ、且つ前記第1の磁界発生装
置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流と前記第2の
磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流と
を連動して調節すると共に、前記第1の磁界発生装置の
磁極部に巻き回したコイルに流す電流に対応して前記第
2の磁界発生装置の一対の磁極部をその第1のリターン
ヨーク内側空間内で当該磁極面に対して平行移動を行う
ようにしたことを特徴とするものである。
【0023】この発明に係る磁界発生装置は、第1のリ
ターンヨーク内側空間内で、第1のリターンヨークに対
する一対の磁極部の相対位置を、荷電粒子ビームの入射
する方向に、更に可変にしたことを特徴とするものであ
る。
【0024】この発明に係る荷電粒子ビーム照射装置
は、荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビーム発生装置
と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発生した荷電粒
子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装置と、前記荷
電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷電粒子ビーム
を偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前記荷電粒子ビ
ーム偏向装置により偏向されて入射してくる荷電粒子ビ
ームに対して、スキャニング照射及び磁極部の回転移動
により、前記荷電粒子ビームによる照射野を二次元的に
拡大する磁界発生装置とを備えたものである。
【0025】この発明に係る荷電粒子ビーム照射装置
は、荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビーム発生装置
と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発生した荷電粒
子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装置と、前記荷
電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷電粒子ビーム
を偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前記荷電粒子ビ
ーム偏向装置により偏向されて入射してくる荷電粒子ビ
ームに対して、スキャニング照射及び磁極部の平行移動
によりこの出射荷電粒子ビームによる照射野を二次元的
に拡大する磁界発生装置とを備えたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1は実施の形態1の荷電粒子ビーム照射装置を示す斜
視図である。図2は荷電粒子ビーム照射装置を示す図で
あり、詳しくは荷電粒子ビーム照射装置において、荷電
粒子偏向装置により偏向された荷電粒子の進行方向から
磁界発生装置を見たときの図である。図において、従来
と同一の符号を付したものは従来と同一、またはこれに
相当するものである。
【0027】100は所定の磁界空間を発生させるため
の磁界発生装置である。荷電粒子ビーム33は磁界発生
装置により発生する磁界空間を通過する。3a、3bは
磁極であり、磁極3aと磁極3bとにより一対の磁極対
を形成する。1aは磁極3aに巻き付けたコイル、1b
は磁極3bに巻き付けたコイルである。コイル1aとコ
イル1bは電源(図示せず)に接続されており、この電
源に電流を流すことにより磁極3aと磁極3bとの間に
磁界が発生する。
【0028】50は第1のリターンヨークに対応するリ
ターンヨークであり、リターンヨーク50は磁極3aと
磁極3bとを有する磁極対の外側に設けられており、リ
ターンヨーク50と磁極3aと磁極3bとは別体のもの
である。リターンヨーク50はその形状が筒状である。
ここで筒状とはその内部に中空の空間が形成されたもの
を指すものである。ここでは、リターンヨーク50が円
筒状のものを例に説明を行う。
【0029】6は第2のリターンヨークに対応するリタ
ーンヨークであり、リターンヨーク6は円筒状であり、
かつその厚さはリターンヨーク50のそれに比べ十分薄
いものである。このため、リターンヨーク6の重量はリ
ターンヨーク50のそれに比べ十分軽くなる。リターン
ヨーク6はリターンヨーク50の内側の空間に設けられ
ている。リターンヨーク6の上部と下部とには、リター
ンヨーク6の位置ずれ(特に紙面上下方向の位置ずれ)
を防止するためのストッパ(図示せず)が設けられてあ
る。リターンヨーク6の内面に磁極3a、磁極3bが互
いに対向するように取り付けられている。
【0030】リターンヨーク6の外径はリターンヨーク
50の内径よりも若干小さいものであり、リターンヨー
ク6とリターンヨーク50との間には空隙17が形成さ
れている。リターンヨーク6は、端部の側面に凹凸が一
定間隔で形成されており、これが第1の歯車に対応する
歯車21を構成する。29は回転軸である。リターンヨ
ーク50の中心軸と、リターンヨーク6の中心軸とが回
転軸29に一致するようにリターンヨーク50とリター
ンヨーク6とを配置している。
【0031】25はリターンヨーク50を固定するため
の固定部材である。固定部材25により、リターンヨー
ク50はその位置が固定される。第2の歯車に対応する
歯車22と第1の歯車21とは互いにかみ合うように構
成されている。歯車22は駆動装置であるモータ11を
駆動することにより回転する。このため、歯車22の回
転に応じてリターンヨーク6は、回転軸29(第1(ま
たは第2)のリターンヨークの中心軸)を中心にして第
1のリターンヨークの内面に沿って回転移動する。よっ
て、磁極対はリターンヨーク50の内側の空間内を回転
軸29を回転中心にして回転移動する。
【0032】磁界発生装置100は、リターンヨークを
リターンヨーク50とリターンヨーク6とに分割すると
ともに、重量の大きな(例えば数トン程度)リターンヨ
ーク50を固定し、リターンヨーク6とリターンヨーク
6に磁極3a、3bを有する磁極対を固定しているた
め、磁極3a、磁極3b、リターンヨーク6などの回転
させる部材の重量を百キロ程度までに低減できる。従っ
て、磁極対を回転軸29を回転中心として回転させると
き、モータ11にかかる負荷が小さくなるため、磁極対
を高速かつ高精度に回転させることができる。更に、モ
ータ11の負荷を低減できるので、モータ11の駆動力
を小さくすることができ、モータ11の小型化、更には
モータ11の低コスト化が可能となる。
【0033】従って、この磁界発生装置100を用いて
荷電粒子ビーム照射装置を構成したとき、所定の領域
(ここでは円)内の全域を照射するのに要する時間がよ
り短くなる。この実施の形態では、リターンヨーク50
の形状を円筒形としたが、リターンヨーク50の内面が
円筒形であれば同等の効果を奏するので、外面の形状は
どのような形状であっても良い。例えばリターンヨーク
50の外面の形状を多角柱状であり、下面から上面に向
けて貫通する円筒状の穴を有する形状(例えばナットの
ような形状)にしたとき、固定部材25とリターンヨー
ク50の外面とが接触する接触面積を大きくすることが
できるため、より頑丈にリターンヨーク50を固定する
ことが可能となる。
【0034】また、実施の形態1では磁極3a、3bの
回転を例に説明をしたが、実は、リターンヨーク50の
回転軸29に沿う長さを十分に長くすれば、磁極3a、
3bをモータ11で回転駆動すると他に、回転軸29に
沿ってリターンヨーク50の内側で上下または前後に動
かす手段(図示せず)を設ければ、磁極対自体を回転軸
に沿って平行移動することができるため、磁界が形成さ
れている位置を変えることが可能となる。また、この実
施の形態では歯車21、22とモータ11とを用いリタ
ーンヨーク6を回転させような構成にしたものを例に説
明したがこれに限定される必要はなく、リターンヨーク
6をリターンヨーク50の内面に沿って回転移動できる
ように構成したものであればどのような構成であっても
よい。
【0035】更に、実施の形態1では磁極3a、3bを
有する磁極対をリターンヨーク6に取り付けた構成を開
示したが、これに限定される必要はない。例えば図3に
示すように、磁極3aを支持する支持部材41と、磁極
3bを支持する支持部材42と、これら支持部材41、
42に連結するリング状の歯車40をリターンヨーク5
0の外側に設け、この歯車を回転させることにより、磁
極対を回転移動させるような構成にしても良い。このよ
うな構成にしたときリターンヨーク6が不用になる。つ
まり、リターンヨーク50の内側の空間に位置する磁極
対を回転移動させることができるような構成であればど
のような構成であっても良い。
【0036】また、まずコイル1a、1bに流れる電流
を減少させてから、磁極3a、3bを回転駆動し、回転
駆動後にコイル1a、1bの電流を増大させることによ
り、回転駆動時におけるモータ11の負荷を更に低減す
ることができる。コイル1a、1bの回転駆動時には、
磁極3a、3bとリターンヨーク50との相互作用およ
びリターンヨーク6とリターンヨーク50との相互作用
が、モータ11の負荷となっている。このため、モータ
11による回転駆動時に、電源からコイル1a、1bに
供給される電流を低減し、あるいはオフすることによ
り、磁極対3a、3bの形成する磁場を弱め、あるいは
消滅させて、モータ11の負荷をより低減することがで
きる。
【0037】実施の形態2. 図4は実施の形態2の荷電粒子ビーム照射装置の一例を
示す図であり、詳しくは荷電粒子ビーム照射装置におい
て、荷電粒子偏向装置により偏向された荷電粒子の進行
方向から磁界発生装置を見たときの図である。図におい
て、図1から図3に付した符号と同一のものは同一また
はこれに相当するものである。
【0038】図において、7は磁極3aと磁極3bとを
支持する支持体である。支持体7は磁極3aと磁極3b
とが互いに対向する面の両端部に取り付けられている。
支持体7は磁極3aと磁極3bとのギャップ間に発生す
る電磁力を支持するためのものである。支持体7は例え
ばステンレスなどの非磁性の性質を有する部材である。
実施の形態2の荷電粒子ビーム照射装置は、対向する磁
極を支持するために、非磁性の支持体7を設けたので、
磁極3aと磁極3bとの間に発生する磁界空間に何ら影
響を与えることなく、磁極3a、磁極3bの変位または
変形を防止することができる。
【0039】実施の形態3. 図5は本発明の荷電粒子ビーム照射装置における磁界発
生装置の回転動作の一例を示した説明図であり、具体的
には荷電粒子偏向装置により偏向された荷電粒子の進行
方向から磁界発生装置を見たときの図である。図におい
て、図1から図4に付した符号と同一のものは同一また
はこれに相当するものである。図中のL1〜L7は、磁
極3a、3bを回転駆動させ、磁極3aを停止させたい
位置である。L1−L2間、 L3−L4間、L5−L
6間の回転軸29に関する角度φSは小さく、 L1−
L3間、 L3−L5間、L5−L7間の回転軸29に
関する角度φLは角度φSよりも大きい。
【0040】磁極3a、3bを回転駆動させる場合に、
1度に回転させる角度が小さければ、回転を停止させる
ためのブレーキング期間が短くなる等の理由により、一
般に、停止位置の精度が低下する。このため、磁極3
a、3bを位置L1〜L7へ順に移動させた場合、位置
L2、L4、L6における制御精度が低下する。そこ
で、磁極対3a、3bを両方向に回転駆動可能とし、磁
極3a、3bをL1→L3→L5→L7と左回りに駆動
制御した後、 L7→L6→L4→L2と右回りに駆動
制御すれば、1度に回転させる角度を大きくすることが
できる。この場合、前進スキャンと後退スキャンの2回
のスキャン動作により、所望のスキャンを実現すること
になる。
【0041】この様にして、隣接する停止位置の回転角
が所定の回転角よりも小さい場合には、所定の回転角度
以上離れた停止位置まで回転駆動させた後、後退スキャ
ンすることにより、回転駆動制御の精度を向上させるこ
とができる。なお、本実施の形態では、2回のスキャン
動作を例に説明したが、前進スキャンと後退スキャンを
3回以上交互に繰り返す動作とすることもできる。ま
た、後退スキャンさせることなく、磁極対3a、3bを
1回転させて、2回目の前進スキャンを行う動作とする
こともできる。
【0042】実施の形態4. 図6は実施の形態4の荷電粒子ビーム照射装置の他の例
を示す図であり、詳しくは荷電粒子ビーム照射装置にお
いて、荷電粒子偏向装置により偏向された荷電粒子ビー
ムの進行方向から磁界発生装置を見たときの図である。
図において、図1から図5に付した符号と同一のものは
同一またはこれに相当するものである。図において、1
8はリターンヨーク50とリターンヨーク6との間の摩
擦を軽減するためのベアリングである。
【0043】リターンヨーク50の内面に沿ってリター
ンヨーク6が回転するとき、リターンヨーク50の内面
とリターンヨーク6の外面との間に生じる摩擦力が軽減
するため、リターンヨーク6が滑らかに回転するため、
駆動装置であるモータ11の駆動力を大きくすること無
く、リターンヨーク6をより高速かつ高精度に回転させ
ることができる。従って、リターンヨーク6に取り付け
た磁極3aと磁極3bとを有する磁極対を高速かつ高精
度に回転させることができるようになり、被照射体15
の所定の領域全体に荷電粒子ビームを照射するのに要す
る時間を短くすることができる。 また、ベアリング1
8を磁性体もしくは磁性流体とすることにより、磁極3
aとリターンヨーク50との間の磁気抵抗、磁極3bと
リターンヨーク50との間の磁気抵抗をより小さくする
ことができる。
【0044】実施の形態5. 図7は実施の形態5の磁界発生装置を示す図であり、詳
しくは荷電粒子ビーム照射装置において、荷電粒子偏向
装置により偏向された荷電粒子の進行方向から磁界発生
装置を見たときの図である。図において図1から図6に
付した符号と同一のものは同一またはこれに相当するも
のである。図において、500は第1のリターンヨーク
に対応するリターンヨークであり、リターンヨーク50
0は、その内部が中空である四角柱状の部材である。2
3a、23bは側端面に一定の間隔で凹凸が形成された
駆動用フレームである。231aはその両端に駆動用フ
レーム23aと磁極3aとを連結する連結部材である。
231bはその両端に駆動用フレーム23bと磁極3b
とを連結する連結部材である。また、磁極3aと磁極3
bとの間には支持体7が設けてある。
【0045】駆動用フレーム23aの側端面に設けた凹
凸は歯車22にかみ合うような形状になされている。歯
車22が回転することにより、駆動用フレーム23a、
23bは移動する。 駆動用フレーム23a、23bが
移動するのに応じて、磁極3a、3bは所定の直線に平
行な方向(ここではスキャニング照射の方向)に沿って
移動する。従って、コイル1a、コイル1bに流す電流
の大きさを大きくすることなく、被照射体上に照射でき
るスキャニングの長さを長くすることができる。
【0046】この実施の形態では磁極3aと磁極3bと
の間に支持体7を設けたものを例に説明したが、支持体
7が無い場合、駆動用フレーム23aに歯車(図示せ
ず)をかみ合わせるとともに、この歯車をモータなどの
駆動装置を用いて回転させることにより支持体7が無い
場合にも同等の効果を奏することが可能となる。
【0047】実施の形態6. 図8は実施の形態6の荷電粒子ビーム照射装置を示す図
である。図において図1〜図7に付した符号と同一のも
のは同一、またはこれに相当するものである。実施の形
態5の磁界発生装置は荷電粒子ビームの進行方向に2つ
の磁界発生装置を設けるとともに、それぞれの磁界発生
装置により偏向される向きが逆向きとなるように構成し
たことを特徴とするものである。
【0048】図において、1000は第1の磁界発生装
置に対応する磁界発生装置、1001は第2の磁界発生
装置に対応する磁界発生装置である。1a、1bは第1
のコイルに対応するコイルである。30a、30bは第
1の磁極に対応する磁極である。磁極30aにはコイル
1aが巻き付けられている。磁極30bにはコイル1b
が巻き付けられている。50は第1のリターンヨークに
対応するリターンヨークである。リターンヨーク50は
その形状が円筒状である。
【0049】60は第2のリターンヨークに対応するリ
ターンヨークである。リターンヨーク60は円筒状であ
り、かつその厚さはリターンヨーク50のそれに比べ十
分薄いものである。これにより、リターンヨーク60の
重さはリターンヨーク50のそれに比べ十分軽くなる。
リターンヨーク60の外径はリターンヨーク50の内径
よりも若干小さいものであり、リターンヨーク50とリ
ターンヨーク60との間には空隙17aが形成されてい
る。リターンヨーク50の内側の第1の空間にリターン
ヨーク60が設けられている。リターンヨーク60の内
面に磁極30a、磁極30bが互いに対向するように取
り付けられている。第1の磁界発生装置はリターンヨー
ク50、リターンヨーク60、磁極30a、磁極30
b、コイル1a、コイル1bを有する。
【0050】31a、31bは第2の磁極に対応する磁
極である。111a、111bは第2のコイルに対応す
るコイルである。磁極31aにはコイル111aが巻き
付けられている。磁極31bにはコイル111bが巻き
付けられている。51は第3のリターンヨークに対応す
るリターンヨークである。リターンヨーク51はその形
状が円筒状である。
【0051】61は第4のリターンヨークに対応するリ
ターンヨークであり、リターンヨーク61は円筒状であ
り、かつその厚さはリターンヨーク51のそれに比べ十
分薄いものである。これによりリターンヨーク61の重
さはリターンヨーク51のそれに比べ十分軽いものであ
る。リターンヨーク61はリターンヨーク51の内側の
第2の空間に設けられている。リターンヨーク61の外
径は第1のリターンヨーク51の内径よりも若干小さい
ものでありリターンヨーク51とリターンヨーク61と
の間には空隙17bが形成されている。リターンヨーク
61の内面に磁極31a、磁極31bが互いに対向する
ように取り付けられている。第2の磁界発生装置は第1
のリターンヨーク51、リターンヨーク61、磁極31
a、磁極31b、コイル111a、コイル111bを有
する。
【0052】230は磁極30aと磁極31aを連結
し、支持するとともに、磁極30bと磁極31bとを連
結し、支持する第1の連結支持部材である。これによ
り、磁極30aと磁極30bとの間に発生する磁界の向
きと、磁極31aと磁極31bとの間に発生する磁界の
向きとが常に固定される(ここでは発生する磁界の向き
が互いに逆向きであり、かつ平行となるような例を示し
ている)。
【0053】232はリターンヨーク50とリターンヨ
ーク51とを連結し、支持する第2の連結支持部材23
2である。第1の連結支持部材230、第2の連結支持
部材232によりリターンヨーク50、51、60、6
1の中心軸を回転軸29に一致するように配置すること
ができる。25はリターンヨーク51を固定するための
固定部材である。固定部材によりリターンヨーク51が
固定されているため、第2の連結支持部材232により
リターンヨーク51に連結されたリターンヨーク50も
またその位置が固定される。
【0054】211は歯車であり、歯車211は例えば
リング状であり、その内径は荷電粒子ビームの進行を妨
げない程度の大きさを有する。歯車211と第1の連結
支持部材230とは固着されている。回転駆動装置であ
るモータ11を駆動することにより、歯車22が回転
し、この歯車22と噛み合う歯車211が回転し、これ
に応じて磁極30a、磁極30bを取り付けたリターン
ヨーク60および磁極31a、磁極31bを取り付けた
リターンヨーク61が連動して回転する。これにより、
磁極30a、30bを有する磁極対がリターンコイル5
0の内側の空間内を回転軸29を回転中心にして回転移
動するとともに、磁極31a、31bを有する磁極対が
リターンコイル51の内側の空間内を回転軸29を回転
中心にして回転移動する。また、これらの磁極対の回転
移動は連動して回転するものである。
【0055】重量の重いリターンヨーク50、51が固
定されているので、モータにかかる負荷が低減し、磁極
30a、30bを有する磁極対、磁極31a、31bを
有する磁極対を高速かつ高精度に回転させることができ
るため、被照射体15上の所定の領域19(ここでは
円)内全域を照射するのに要する時間が短くなる。磁極
30aと磁極30bとの間に発生する磁界、磁極31a
と磁極31bとの間に発生する磁界は互いにその向きが
逆向きで大きさが等しくなるように設計している。ま
た、磁界発生装置1000と磁界発生装置1001によ
り偏向される荷電粒子ビームの偏向される向きが互いに
逆向きであり、その大きさが等しくなるように設計して
いる。
【0056】また、磁極30aと磁極30bとの間に発
生する磁界により偏向される荷電粒子ビームの偏向角、
磁極31aと磁極31bとの間に発生する磁界により偏
向される荷電粒子ビームの偏向角の大きさが等しくなる
ように設計している。上述の機能を実現するために例え
ば、コイル1aとコイル111aとに流す電流の向きを
互いに逆向きにするとともに、その大きさを等しくし、
かつコイル1bとコイル111bとに流す電流の向きを
互いに逆向きにするとともにその大きさを等しくなるよ
うに設計している。更には磁極30a、30bの厚さ
(紙面上下方向の長さ)、磁極31a、31bの厚さが
等しくなるように設計している。
【0057】コイル1a、1b、コイル111a、11
1bに流す電流を連動して調節するとともに、磁極30
a、30bおよび磁極31a、31bの厚さを等しくす
ることにより、荷電粒子ビーム33は磁界発生装置10
00、磁界発生装置1001により偏向を受けたとして
も、荷電粒子ビーム偏向装置39により偏向された荷電
粒子ビーム33の方向と、磁界発生装置1001を通過
した荷電粒子ビームの方向とは常に平行になる。
【0058】このように構成することにより、この荷電
粒子ビーム照射装置を腫瘍を治療するための治療装置に
適用したとき、皮膚の表面より照射される荷電粒子ビー
ムの単位面積当たりの線量を低減することができるた
め、荷電粒子ビームを受ける患者の皮膚表面被曝線量を
従来よりも低減できる効果を有する。とともに、磁界発
生装置1001を通過した荷電粒子ビームの位置を計算
すれば、被照射体に照射される荷電粒子ビームの位置が
分かるため、荷電粒子ビームの照射位置の計算が容易に
なる。更に被照射体に照射される荷電粒子ビームの向き
が常に一定であるため、荷電粒子ビームが被照射体に与
える効果の計算をするのが容易になる。
【0059】図9は荷電粒子ビームの入射角と患者の皮
膚表面被曝線量との関係を説明するための模式図であ
る。図9(a)は、荷電粒子ビームを単一の磁界発生装
置において偏向させ、皮膚表面に対し偏向角に応じた入
射角で照射している場合の様子を示しており、図9
(b)は、荷電粒子ビームを2つの磁界発生装置におい
て偏向させ、常に皮膚表面に対しほぼ垂直になるように
照射している場合の様子示している。
【0060】同一の大きさの患部に対して同一の荷電粒
子ビームを照射する場合に、図9(a)では、荷電粒子
ビームが皮膚表面Sの狭い領域S10を通過しているの
に対し、図9(b)では、より広い領域S20を通過し
ており、しかも単位面積当たりの線量がほぼ均一になっ
ている。一般に、皮膚表面は荷電粒子ビームに対して敏
感であるため、皮膚表面における荷電粒子ビームの単位
面積当たりの線量を低減することにより、皮膚表面への
影響を抑制することができる。
【0061】また、図9(a)の場合には、皮膚への深
さに応じて、荷電粒子ビームの密度が小さくなってい
る。すなわち、皮膚表面S付近における密度が最も高
く、荷電粒子ビームの最終到達位置である患部S11に
おける密度が最も小さくなっている。ここで、荷電粒子
ビームを照射する患部が深さ方向(すなわち、皮膚から
遠ざかる方向)に幅を有しているならば、荷電粒子に与
えるエネルギーを制御しその最終到達位置を変化させる
ことにより、深さ方向にスキャンさせて患部である領域
を均一に照射すればよい。
【0062】ところが、皮膚Sから遠い部分への照射を
行う際には、荷電粒子ビームの通過経路となるより皮膚
Sに近い部分においてもエネルギーが失われており、こ
の皮膚Sに近い部分における荷電粒子ビームの密度が、
皮膚Sから遠い部分よりも大きければ、皮膚Sに近い領
域への照射線量が多くなり過ぎて、患部を均一に照射す
ることが困難になる。すなわち、皮膚Sから遠い領域の
照射線量を増やそうとすれば、皮膚Sに近い領域への照
射線量がさらに増えることになるために、深さ方向に幅
を有している患部領域に均一な照射を行うことが困難に
なる。
【0063】一方、図9(b)の場合には、皮膚へ入射
した荷電粒子の密度が、皮膚への深さに関わらずほぼ一
定になるため、深さ方向に幅を有している患部領域に対
して均一な照射を行うことが容易になる。
【0064】さらに、コイル111aに流す電流をコイ
ル1aに流す電流よりも大きくし、コイル111bに流
す電流をコイル1bに流す電流よりも大きくするように
連動して調節することにより、磁極3aと磁極30bと
の間に発生する磁界、磁極31aと磁極31bとの間に
発生する磁界とを制御し、荷電粒子ビームを照射できる
範囲内の所定の領域に集中して荷電粒子ビームを照射す
ることができる。
【0065】このように構成することにより、この荷電
粒子ビーム照射装置を腫瘍を治療するための治療装置に
適用したとき、皮膚の表面よりも深い位置にある腫瘍の
部分に荷電粒子ビームが収束するように照射することが
可能となり、荷電粒子ビームを受ける患者の皮膚表面被
曝線量を従来よりも低減できる。
【0066】またコイル1a、1bに接続する電源、コ
イル111a、111bに接続する電源は同一の電源に
接続するような構成にしても、別体の電源に接続するよ
うな構成にしてもよい。つまり、コイル1a、1bに流
す電流、コイル111a、111bに流す電流を連動し
て調節できるような構成にすればコイル1a、1b、コ
イル111a、111bに接続する電源の構成はどのよ
うなものであってもよい。
【0067】実施の形態7. 図8に示した荷電粒子ビーム照射装置の場合、第1の磁
界発生装置1000における偏向角に応じて、第2の磁
界発生装置1001への荷電粒子ビームの入射位置が変
化する。このため、第2の磁界発生装置1001におい
て所望の偏向角だけ荷電粒子ビームの偏向を行うには、
偏向角と入射位置とを考慮してコイルへ流す電流の大き
さを決定する必要がある。
【0068】図8に示した荷電粒子ビーム照射装置の場
合、第2の磁界発生装置において、荷電粒子ビームの偏
向を行うためには、磁極31a、31bの間を通過する
ように構成しなければならない。従って、スキャニング
の幅または範囲を広くするためには、磁極31a、31
bのスキャニング方向の長さを長くしなければならな
い。磁極31a、31bのスキャニング方向の長さを長
くした場合、それに伴い磁極の重さも重くなり、磁極3
1a、31bを動かすのに要する駆動装置の負荷が大き
くなる。実施の形態7の荷電粒子ビーム照射装置は、駆
動装置にかかる負荷を大きくすることなく、スキャニン
グの長さを大きくできる荷電粒子ビーム照射装置を得る
ことを目的とする。
【0069】図10は、本発明の実施の形態7である荷
電粒子ビーム照射装置の要部を示した図であり、具体的
には図7に示した磁界発生装置を含む2つの磁界発生装
置を用いて、荷電粒子ビームを2回偏向する様子を模式
的に示している。図において、図1から9に付した符号
と同一のものは同一またはこれに相当するものである。
この荷電粒子ビーム照射装置は、第1の磁界発生装置1
000及び第2の磁界発生装置1001を備えて構成さ
れ、第1の磁界発生装置1000には従来の磁界発生装
置又は実施の形態1から5における磁界発生装置が使用
され、第2の磁界発生装置1001には、例えば図7に
示した磁界発生装置が使用される。
【0070】第1の磁界発生装置1000及び第2の磁
界発生装置1001は、実施の形態7と同様、荷電粒子
ビームに対し逆方向で偏向角の等しい偏向を行って、第
2の磁界発生装置1001から出射される荷電粒子ビー
ムの方向が一定またはほぼ一定となるようにする。
【0071】第1の磁界発生装置1000により偏向さ
れた荷電粒子ビームが第2の磁界発生装置通過する位置
を予め計算しておき、この位置に磁極31a、31bが
位置するように駆動装置を用いて磁極31a、31bを
直線移動させる。このようにすることにより、磁極31
a、31bの幅が、被照射体上に照射できるスキャニン
グの長さの最大長よりも短くすることができる。したが
って、磁極31a、31bをより軽量にすることができ
るため、駆動装置の負荷が軽減するとともに、スキャニ
ングの長さを大きくできる。
【0072】また、第2の磁界発生装置の磁極の幅に比
べて、被照射体上に照射できるスキャニングの長さを長
くすることができる。実施の形態6の場合と同様にし
て、図10に示した磁界発生装置1000、1001を
荷電粒子ビームの経路を中心として回転移動させれば、
所定の照射領域(例えば円形の領域)内の全域について
スキャニングを行うことができる。このとき、第1の磁
界発生装置1000については、リターンコイルを固定
して磁極対のみを回転させれば、駆動用モータの負荷を
軽減することができる。
【0073】また、これまでの実施の形態では荷電粒子
ビーム照射装置は、固定の照射ポートを仮定して説明を
したが、それに限定されるものではなく、任意の角度か
ら患者の腫瘍部を照射できるいわゆる回転ガントリ照射
装置のノズル部(図示せず)に組み込んでも良い。ま
た、これまでの実施の形態で述べた荷電粒子ビーム照射
装置は治療装置に限るものではなく、半導体分野と材料
分野など荷電粒子線照射または注入を必要とする分野に
も応用できる。
【0074】
【発明の効果】この発明に係る磁界発生装置によれば、
第1のリターンヨークと、その第1のリターンヨークの
内側空間に、互いに磁極面が対向し、各々にコイルを巻
き回して形成された一対の磁極部とを備えた荷電粒子ビ
ーム照射用の電磁石において、入射する荷電粒子ビーム
に対向する平面上で、前記第1のリターンヨークに対す
る前記一対の磁極部の相対位置を可変にしたので、磁極
部を移動させるための駆動力が軽減するとともに、磁極
対を高速かつ高精度に回転移動させることが可能とな
り、所定の領域全域に荷電粒子ビームを照射するのに要
する時間が短くなる。
【0075】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨークの内側空間の内面は円筒の側面形状
を有し、一対の磁極部を、前記第1のリターンヨークの
内面円周に沿って、回転移動させることができるように
構成したことにより、前記第1のリターンヨークに対す
る前記一対の磁極部の相対位置を可変にしたので、磁極
部を移動させるための駆動力が軽減するとともに、磁極
対を高速かつ高精度に回転移動させることが可能とな
り、被照射体の所定の領域全域に荷電粒子ビームを照射
するのに要する時間が短くなる。
【0076】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨークと一対の磁極部との間に、円筒外形
を有し、且つ内側に空間を有する第2のリターンヨーク
を配置し、前記第2のリターンヨークの内側空間で、前
記一対の磁極部を前記第2のリターンヨークに固定する
とともに、前記第1のリターンヨークの内面円周に沿っ
て、前記第2のリターンヨークを回転移動させることが
できるように構成したので、磁極対を高速かつ高精度に
回転移動させることが可能となり、被照射体の所定の領
域全域に荷電粒子ビームを照射するのに要する時間が短
くなる。
【0077】この発明に係る磁界発生装置によれば、磁
界発生装置は、第1のリターンヨークと第2のリターン
ヨークとの間にベアリングを設けたので、第1のリター
ンヨークと第2のリターンヨークとの間の摩擦力を低減
できる。
【0078】この発明に係る磁界発生装置によれば、ベ
アリングは磁性体または磁性流体としたので、磁極と第
1のリターンヨークとの間の磁気抵抗を下げることがで
きる。
【0079】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
のリターンヨークの内側空間の内面は四角柱状の側面
形状を有し、一対の磁極部を入射する荷電粒子ビーム
に対向する平面上で、前記第1のリターンヨークの内側
空間の対向する内面に沿って、平行移動させることがで
きるように構成したので、磁極部の幅を小さくしても、
所定の方向に照射できる荷電粒子ビームの照射範囲を大
きくすることができる。
【0080】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨークの外側に配置した固定フレーム
その一部が前記固定フレームに取り付けられた駆動用フ
レーム一対の磁極部を前記駆動用フレームに支持す
る支持部材とを備え、前記駆動用フレームを所定の方向
に移動させることにより、前記一対の磁極の位置を平
行移動させるように構成したので、磁極の幅を小さくし
ても、所定の方向に照射できる荷電粒子ビームの照射範
囲を大きくすることができる。
【0081】この発明に係る磁界発生装置によれば、対
向する磁極の間に非磁性の部材を設けたので、一対の
極の間に発生する磁界に影響を与えること無く、磁極の
変形もしくは変位を抑制することができる
【0082】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨークに対する一対の磁極部の相対位置を
変えるとき、前記磁極に巻き回されたコイルに流す電流
を低減させるように構成したので、駆動装置の負荷を低
減することが可能となる。
【0083】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨークに対する一対の磁極部の相対位置
変えるとき、前記磁極部の停止位置までの回転角が所定
角度よりも大きくなるように磁極部を回転移動させるの
で、磁極を所望する位置に精度をよく停止させること
ができる。
【0084】この発明に係る磁界発生装置によれば、
1のリターンヨークに対して回転移動可能な一対の磁極
部を、それぞれに備えた第1の磁界発生装置と、第2の
磁界発生装置とを、荷電粒子ビームの入射方向に対して
直列に配置し、前記第1の磁界発生装置の磁極部の磁極
面と前記第2の磁界発生装置の磁極部の磁極面とを平行
に配置すると共に、同一周期で回転移動を行い、第1の
磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流と
第2の磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す
電流とを連動して調節するようにしたので、被照射体に
照射する荷電粒子ビームの方向を常に一定にしたり、荷
電粒子ビームを所定の位置に収束するように構成するこ
とができる。
【0085】この発明に係る磁界発生装置によれば、
1のリターンヨークに対して回転移動可能な一対の磁極
部を有する第1の磁界発生装置と、第1のリターンヨー
クに対して磁極面に平行移動可能な一対の磁極部を有す
第2の磁界発生装置とを備え、荷電粒子ビームの入射
方向に対して前記第1の磁界発生装置を前段に、前記第
2の磁界発生装置を後段に直列に配置すると共に、前記
第1の磁界発生装置の磁極部と前記第2の磁界発生装置
の磁極部の各磁極面を平行に配置すると共に、各一対の
磁極部を同一周期で回転移動させ、且つ前記第1の磁界
発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流と前記
第2の磁界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す
電流とを連動して調節すると共に、前記第1の磁界発生
装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流に対応して
前記第2の磁界発生装置の一対の磁極部を、その第1の
リターンヨーク内側空間内で当該磁極面に対して平行移
動を行うようにしたので、より広い範囲の照射を可能に
すると共に、照射方向を常に一定にしたり、荷電粒子ビ
ームを所定の位置に収束するように構成することができ
る。
【0086】この発明に係る磁界発生装置によれば、第
1のリターンヨーク内側空間内で、第1のリターンヨー
クに対する一対の磁極部の相対位置を、荷電粒子ビーム
の入射する方向に、更に可変にしたので、磁界形成位置
を変えることが可能となる。
【0087】この発明に係る荷電粒子ビーム照射装置に
よれば、荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビーム発生
装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発生した荷
電粒子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装置と、前
記荷電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷電粒子ビ
ームを偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前記荷電粒
子ビーム偏向装置により偏向されて入射してくる荷電粒
子ビームに対して、スキャニング照射及び磁極部の回転
移動により、前記荷電粒子ビームによる照射野を二次元
的に拡大する磁界発生装置とを備えたので、磁極部を移
動させるための駆動力が軽減するとともに、磁極対を高
速かつ高精度に回転移動させることが可能となり、被照
射体の所定の領域全域に荷電粒子ビームを照射するのに
要する時間が短くなる。
【0088】この発明に係る荷電粒子ビーム照射装置に
よれば、荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビーム発生
装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発生した荷
電粒子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装置と、前
記荷電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷電粒子ビ
ームを偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前記荷電粒
子ビーム偏向装置により偏向されて入射してくる荷電粒
子ビームに対して、スキャニング照射及び磁極部の平行
移動によりこの出射荷電粒子ビームによる照射野を二次
元的に拡大する磁界発生装置とを備えたので、小さな磁
極部で大きな照射幅を実現できるために装置重量の軽量
化を図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図2】 実施の形態1の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図3】 実施の形態1の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図4】 実施の形態2の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図5】 実施の形態3の荷電粒子ビーム照射装置の磁
界発生装置の動作を示す図である。
【図6】 実施の形態4の荷電粒子ビーム照射装置の動
作を示す図である。
【図7】 実施の形態5の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図8】 実施の形態6の荷電粒子ビーム照射装置を示
す図である。
【図9】 実施の形態6の荷電粒子ビーム照射装置にお
いて、荷電粒子ビームが被照射体に照射される様子を示
す図である。
【図10】 実施の形態7の荷電粒子ビーム照射装置を
示す図である。
【図11】 従来の荷電粒子ビーム照射装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
1a、1b、111a、111b:コイル 3a、3b、30a、30b、31a、31b:磁極 5、50、51:リターンヨーク 6、60、61:リターンヨーク 10、100、1000、1001:磁界発生装置 11:駆動装置 15:被照射体 19:領域 29:回転軸 33:荷電粒子ビーム 35:荷電粒子ビーム発生装置 37:荷電粒子ビーム輸送装置 39:荷電粒子ビーム偏向装置

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のリターンヨークと、その第1のリタ
    ーンヨークの内側空間に、互いに磁極面が対向し、各々
    にコイルを巻き回して形成された一対の磁極部とを備え
    た荷電粒子ビーム照射用の電磁石において、入射する荷
    電粒子ビームに対向する平面上で、前記第1のリターン
    ヨークに対する前記一対の磁極部の相対位置を可変にし
    た磁界発生装置。
  2. 【請求項2】 第1のリターンヨークの内側空間の内面
    は円筒の側面形状を有し、一対の磁極部を、前記第1の
    リターンヨークの内面円周に沿って、回転移動させるこ
    とができるように構成したことにより、前記第1のリタ
    ーンヨークに対する前記一対の磁極部の相対位置を可変
    にしたことを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装
    置。
  3. 【請求項3】 第1のリターンヨークと一対の磁極部と
    の間に、円筒外形を有し、且つ内側に空間を有する第2
    のリターンヨークを配置し、前記第2のリターンヨーク
    の内側空間で、前記一対の磁極部を前記第2のリターン
    ヨークに固定するとともに、前記第1のリターンヨーク
    の内面円周に沿って、前記第2のリターンヨークを回転
    移動させることができるように構成したことを特徴とす
    る請求項2に記載の磁界発生装置
  4. 【請求項4】 第1のリターンヨークと第2のリターン
    ヨークとの間にベアリングを設けたことを特徴とする請
    求項に記載の磁界発生装置
  5. 【請求項5】 ベアリングは磁性体または磁性流体であ
    ることを特徴とする請求項に記載の磁界発生装置
  6. 【請求項6】 第1のリターンヨークの内側空間の内面
    は四角柱状の側面形状を有し、一対の磁極部を入射す
    荷電粒子ビームに対向する平面上で、前記第1のリタ
    ーンヨークの内側空間の対向する内面に沿って、平行移
    動させることができるように構成したことを特徴とする
    請求項1に記載の磁界発生装置。
  7. 【請求項7】 第1のリターンヨークの外側に配置した
    固定フレーム、その一部が前記固定フレームに取り付
    けられた駆動用フレーム一対の磁極部を前記駆動用
    フレームに支持する支持部材とを備え、前記駆動用フレ
    ームを所定の方向に移動させることにより、前記一対の
    磁極の位置を平行移動させるように構成したことを特
    徴とする請求項6に記載の磁界発生装置
  8. 【請求項8】 対向する磁極面の間に非磁性の部材を設
    けたことを特徴とする請求項1乃至請求項何れか
    記載の磁界発生装置
  9. 【請求項9】 第1のリターンヨークに対する一対の磁
    極部の相対位置を変えるとき、前記磁極に巻き回された
    コイルに流す電流を低減させるように構成したことを特
    徴とする請求項1乃至何れかに記載の磁界発生装
  10. 【請求項10】 第1のリターンヨークに対する一対の
    磁極部の相対位置を変えるとき、前記磁極部の停止位置
    までの回転角が所定角度よりも大きくなるように磁極部
    を回転移動させることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の磁界発生装置
  11. 【請求項11】 請求項2乃至5又は請求項8乃至10
    の何れかに記載の磁界発生装置である第1の磁界発生装
    置と、請求項2乃至5又は請求項8乃至10の何れかに
    記載の磁界発生装置である第2の磁界発生装置とを、荷
    電粒子ビームの入射方向に対して直列に配置し、前記第
    1の磁界発生装置の磁極部の磁極面と前記第2の磁界発
    生装置の磁極部の磁極面とを平行に配置すると共に、各
    磁極部を同一周期で回転移動させ、且つ第1の磁界発生
    装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流と第2の磁
    界発生装置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流とを
    連動して調節するようにしたことを特徴とする磁界発生
    装置
  12. 【請求項12】 請求項2乃至5又は請求項8乃至10
    の何れかに記載の磁界発生装置である第1の磁界発生装
    置と、請求項6又は7の何れかに記載の第2の磁界発生
    装置とを備え、荷電粒子ビームの入射方向に対して前記
    第1の磁界発生装置を前段に、前記第2の磁界発生装置
    を後段に直列に配置すると共に、前記第1の磁界発生装
    置の磁極部と前記第2の磁界発生装置の磁極部の各磁極
    面を平行に配置すると共に、各一対の磁極部を同一周期
    で回転移動させ、且つ前記第1の磁界発生装置の磁極部
    に巻き回したコイルに流す電流と前記第2の磁界発生装
    置の磁極部に巻き回したコイルに流す電流とを連動して
    調節すると共に、前記第1の磁界発生装置の磁極部に巻
    き回したコイルに流す電流に対応して前記第2の磁界発
    生装置の一対の磁極部をその第1のリターンヨーク内側
    空間内で当該磁極面に対して平行移動を行うようにした
    ことを特徴とする磁界発生装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の何れかに記載の磁
    界発生装置に対して、第1のリターンヨーク内側空間内
    で、第1のリターンヨークに対する一対の磁極部の相対
    位置を、荷電粒子ビームの入射する方向に、更に可変に
    したことを特徴とする磁界発生装置
  14. 【請求項14】 荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビ
    ーム発生装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発
    生した荷電粒子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装
    置と、前記荷電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷
    電粒子ビームを偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前
    記荷電粒子ビーム偏向装置により偏向されて入射してく
    る荷電粒子ビームに対して、スキャニング照射及び磁極
    部の回転移動により、前記荷電粒子ビームによる照射野
    を二次元的に拡大する請求項1乃至5または請求項8乃
    至11の何れかに記載の磁界発生装置とを備えた荷電粒
    子ビーム照射装置。
  15. 【請求項15】 荷電粒子ビームを発生する荷電粒子ビ
    ーム発生装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置により発
    生した荷電粒子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送装
    置と、前記荷電粒子ビーム輸送装置により輸送された荷
    電粒子ビームを偏向する荷電粒子ビーム偏向装置と、前
    記荷電粒子ビーム偏向装置により偏向されて入射してく
    る荷電粒子ビームに対して、スキャニング照射及び磁極
    部の平行移動によりこの出射荷電粒子ビームによる照射
    野を二次元的に拡大する請求項12に記載の磁界発生装
    置とを備えた荷電粒子ビーム照射装置。
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