JP3527360B2 - ペリメータゾーンの空調方法及びペリメータゾーン用空調装置 - Google Patents

ペリメータゾーンの空調方法及びペリメータゾーン用空調装置

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JP3527360B2 JP17427996A JP17427996A JP3527360B2 JP 3527360 B2 JP3527360 B2 JP 3527360B2 JP 17427996 A JP17427996 A JP 17427996A JP 17427996 A JP17427996 A JP 17427996A JP 3527360 B2 JP3527360 B2 JP 3527360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペリメータゾーン
の空調方法、及び当該方法を実施するためのペリメータ
ゾーン用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日のOA機器の普及や一定温度雰囲気
を必要とするコンピュータの設置などにより、オフィス
の冬期においては、ペリメータゾーンで暖房を行うと共
に、同時にインテリアゾーンで冷房が行うことが多く見
られる。この場合、図10に示したように、ペリメータ
ゾーンPにおけるファンコイルユニット101からの吹
出暖気WAがインテリアゾーンIに達し、インテリアゾ
ーンPで冷房負荷となってしまう。なお図10中、10
2はファンコイルユニット101の上面に設けられた吹
出口であり、103は室内側側面に設けられた吸込口で
ある。また104はインテリアゾーンIの天井面に設け
られた吹出ユニットであり、105は同じく天井面に設
けられた吸込ユニット、106は窓面である。
【0003】一方、インテリアゾーンIでの吹出冷気C
AがペリメータゾーンPに達し、この冷気は暖房負荷と
なる。その結果、暖房・冷房のためのエネルギー消費量
が増大する。
【0004】この現象は、室内混合損失と呼ばれるもの
であり、従来からその改善のための手法が数多く研究・
開発されてきている。従来の改善手法の根拠となる気流
性状・温度分布形成の物理的現象の理解としては、ペリ
メータゾーンPにおける吹出暖気WAによる上部正圧、
インテリアゾーンIの吹出冷気CAによる吸込口103
近傍負圧の圧力分布が生じることにより、暖気はインテ
リアゾーンIへ流れ込み、逆にインテリアゾーンIの下
部の低温空気がペリメータゾーンPへ流れ込む、という
ものであった。
【0005】かかる理解に基づいて混合損失を改善する
手法として、ペリメータゾーンPでの空調設定空気温度
をインテリアゾーンIに比較し、2℃程度低くするとい
う手法がよく採られている。これは設定温度を低くする
ことで吹出暖気温度を低く抑え、この結果上下圧力差を
小さくして、混合損失の原因となる両ゾーン間で生じる
流れを抑制しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の方法では、当然インテリアゾーンでの熱的快適性(空
気温度)が損なわれるため、別途放射暖房装置を設け、
放射環境を調整することで熱的快適性(空気温度+放射
温度)を保障することが必要となる。この結果、設備の
イニシャルコスト、並びにエネルギー消費量も増加して
しまう。もちろんファンコイルユニット101の温度設
定を高くしたり、吹出気流を増速させると、混合損失が
増大する。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、まず混合損失に至る物理現象を3次元気流解手法
により詳細に解析・検討した上で、従前とは異なる現象
理解を基礎に新たに構築したペリメータゾーンの空調方
法、及び当該方法を実施するためのペリメータゾーン用
空調装置を提供して、前記した室内混合損失の問題を解
決しようとするものである。
【0008】即ち、従来の解析では、実験・シミュレー
ションともに2次元的な解析が主流であり、現象を理解
するために対象空間の中心垂直断面での測定・計算結果
に基づき評価することが殆どであった。この場合、まず
従来の殆どのペリメータゾーンでの空調を担っているフ
ァンコイルユニットに着目すると、その吹出口の長さは
解析対象空間、即ちペリメータゾーンの壁面の半分程度
の長さであり、垂直断面でも吹出口を含む断面、含まな
い断面で当然気流・温度分布性状は異なる。
【0009】従って、従来行われてきた、吹出口を含む
中心垂直断面を代表断面として捉え物理現象を解析・評
価する手法では、吹出口を含まない断面での挙動、特に
窓面からのコールドドラフトの挙動とそれが室内温度場
形成に及ぼす影響、即ち混合損失への影響度を無視して
きたといえる。
【0010】そこで発明者らは、3次元的気流解析手法
に基づいて詳細な解析を行った。その結果、吹出口を含
まない断面でのコールドドラフトの影響は無視し得ない
ことが明らかになった。
【0011】これを図に基づいて説明すると、図11に
示したように、中心断面部に限って見れば、確かに従来
からの現象が見て取れ、この上下温度差による圧力分布
と上下での逆行する流れ現象が発生している。
【0012】しかし一方で、吹出口102を含まない窓
面106、即ち吹出口102の両側外方に対応する窓面
R、SでのコールドドラフトCDが明解に観測されてお
り、このコールドドラフトCDは床面まで降下したのち
床面を這うように放射状に流れるが、インテリアゾーン
I部に近づくとそこでの気流に押さえ込まれており、全
体に中心断面の窓面106方向に巻くように流れる。従
ってファンコイルユニット101の吸込口103には、
インテリアゾーンIからの気流ばかりではなく、このコ
ールドドラフトCDも吸い込まれている。したがって当
然、ペリメータゾーンPのうち、吹出口102でカバー
されていないエリアでの温度環境はかなり劣悪となって
いる。
【0013】以上の解析結果からわかるのは、従来の混
合損失現象の理解とは異なる理解である。つまりファン
コイルユニット101吸込温度が低温となるのは、吹出
暖気WAによっては処理しきれずに降下して吸い込まれ
たコールドドラフトCDが存在するためである。したが
ってこのレタン温度を設定値通りとなるよう吹出温度を
高温に制御する手法は、吹出近傍の温度環境を高温化さ
せることでコールドドラフトCD周囲の温度を高めドラ
フト温度を高めることを行っていると理解できる。換言
すれば、直接処理できない窓面負荷をエリア全体の温度
レベルを上昇させることで処理するという、かなり効率
の悪い方式であると判断せざるを得ない。
【0014】従って、例えば従来のような、吹出気流の
温度制御を行うにあたって、単に吹出温度を設定した
り、ファンコイルユニット11のレタン温度を測定して
レタン温度が一定になるようにしたのでは、前記混合損
失を増大させるので好ましくない。また吹出方向につい
ても、従来のように吹出口102の両側外方に対応する
窓面106などの負荷面からのコールドドラフトCDを
考慮していない状況では、単純に上方に吹き出させるだ
けでは、インテリアゾーンでの熱的快適性が向上しな
い。
【0015】以上のようなことから、本発明では、例え
ば冬期にペリメータゾーンの暖房を行うにあたり、前記
したような混合損失の問題を解決すると共に、同時にイ
ンテリアゾーンでの熱的快適性を向上させることがで
き、しかもイニシャルコスト、エネルギー消費量とも低
く抑えることのできる、ペリメータゾーンの空調方法、
及び当該空調方法を好適に実施することができるペリメ
ータゾーン用空調装置を提供するものである。
【0016】請求項1のペリメータゾーンの空調方法
は、ペリメータゾーンにおける室側の負荷面下方に設置
され、その上面に空調空気の吹出口を有し、室側に面し
た側面に吸込口を有する空調機器を用い、ペリメータゾ
ーンで暖房を行うにあたり、前記吹出口を前記負荷面と
平行に設定すると共に、この吹出口の長さを負荷面の横
方向の長さとほぼ同一に設定し、ペリメータゾーン内の
天井近傍の温度が、前記ペリメータゾーンが存在する室
内設定温度になるように、吹出口からの暖気の温度を制
すると共に、負荷面の温度又は負荷面からの日射量に
基づいて吹出口からの暖気の吹出角度を制御して、前記
吹出口から暖気を吹き出させることを特徴とするもので
ある。
【0017】なお本願各請求項でいうペリメータゾーン
の室側に面する負荷面とは、窓面、窓を有する壁面、並
びに外壁からの熱影響を室側に伝える窓のない壁面をい
う。
【0018】この請求項1のペリメータゾーンの空調方
法は、ペリメータゾーンにおける室側の負荷面の幅全体
に吹出暖気の気流を形成するものであり、例えば窓面で
のコールドドラフトを完全に包み込み処理することがで
きる。従って、コールドドラフトは室内に侵入しないの
で、室内の混合損失の問題のみを考慮すればよく、結局
ペリメータゾーン内の天井近傍の温度が、前記ペリメー
タゾーンが存在する室内設定温度になるように制御する
ことで、混合損失のない適切な暖房が行える。
【0019】
【0020】このようにさらに負荷面の温度又は負荷面
からの日射量に基づいて、吹出口からの暖気の吹出角度
を制御するようにしたので、例えば負荷面の温度が低か
ったり、日射量が少なかったりすると、吹出角度を負荷
面側に向けることで、コールドドラフトによって暖気が
室側に押されるのを防止し、吹出暖気で効果的に抑え込
むことができる。なお負荷面がガラス窓などの場合、結
露の際には、日射量に基づいて制御する方が測定誤差が
少ない。
【0021】
【0022】なお負荷面の温度又は負荷面に対する日射
量に基づいて吹出口からの暖気の吹出風速を制御するよ
うにしてもよい。かかる場合も、例えば負荷面の温度が
低かったり、日射量が少ない場合に、吹出風速を上げて
暖気の到達点を高くし、コールドドラフトを完全に抑え
込むことができる。
【0023】
【0024】
【0025】また請求項のペリメータゾーン用空調
は、ペリメータゾーンにおける室側の負荷面下方に設
置され、その上面に空調空気の吹出口を有し、室側に面
した側面に吸込口を有する空調機において、吹出口の長
さが負荷面の横方向の長さとほぼ同一であり、ペリメー
タゾーン内の天井近傍の温度を検出する温度検出器と、
ペリメータゾーンの負荷面の温度又は負荷面に対する日
射量を計測する計測装置と、前記温度検出器が検出する
温度が室内設定温度と同一になるように、吹出口から吹
き出させる暖気の温度を制御する第1の制御装置と、吹
出口から吹き出させる暖気の吹出角度を調整するための
吹出角度調整機構と、前記計測装置が計測したデータに
基づいて、前記吹出角度調整機構を制御する第2の制御
装置とを備えているので、請求項のペリメータゾーン
の空調方法を好適に実施することができる。もちろん第
1の制御装置と第2の制御装置は、装置構成として1つ
の制御装置で構成してもよい。
【0026】かかる構成のペリメータゾーン用空調機に
おける吹出角度調整機構は、請求項6に記載したよう
に、吹出口に沿って吹出口の上流側に設けられた、断面
が略円弧状の気流ガイドと、この気流ガイドとの間に間
隔を持って垂直に設けられる案内板とによって構成し、
さらにこの記気流ガイドを負荷面、例えば窓面などの方
向に回動自在としてもよい。
【0027】吹出角度調整機構をこのように構成すれ
ば、例えば空調機内の送風機によって送風される暖気
が、気流ガイドと案内板との間を通って吹出口から吹き
出されるが、コアンダ効果によって暖気は気流ガイドの
円周方向に沿って吹き出される。この場合、コアンダ効
果を適切に発揮させるためには、気流ガイドの弧の部分
の表面が十分に滑らかであることが好ましい。従って、
気流ガイドを回動させることにより、任意の吹出角度を
得ることができる。この場合、吹出口に設けるグリルな
どの整流羽根については、気流方向を乱さないように、
負荷面に対して垂直な模様とするのが好ましい。なお日
射量を計測する計測装置としては、例えば既存のいわゆ
る日射計を用いることができる。
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の発
明の実施の形態について説明する。図1は、ペリメータ
ゾーンPとインテリアゾーンIを有する室Rに対して本
実施形態にかかる空調機であるファンコイルユニット1
を用いて、本実施形態にかかる空調方法を実施している
様子を示しており、ペリメータゾーンPの空調を担うフ
ァンコイルユニット1は、窓2aを有する負荷面2の下
面に設置されており、その横方向の長さWは、この負荷
面2の横方向の長さと同一である。そしてファンコイル
ユニット1の吹出口3は、ファンコイルユニット1の上
面に設けられており、その長さLは負荷面2の横方向の
長さとほぼ同一である。またファンコイルユニット1の
前面、即ち室側に面した側面の下方には、レタンを吸い
込むための吸込口4が設けられている。
【0031】ファンコイルユニット1は、図2に示した
ような内部構成を有しており、ファンコイルユニット1
のケーシング1a内には、熱交換器11と、送風機12
が設置されており、送風機12によって吸込口4から吸
い込んだ空気(レタン)を、熱交換器11によって熱交
換して、例えば暖気として吹出口3から吹き出すように
構成されている。
【0032】熱交換器11は、往管13によって供給さ
れる熱源水と、吸込口4から吸い込んだ空気との間で熱
交換し、熱交換後の前記熱源水は、還管14によって戻
されるようになっている。そして往管13には、弁15
が介装されており、その開度を調節することにより、熱
交換器11を通過した暖気の温度調整ができるようにな
っている。
【0033】熱交換器11と吹出口3との間には、送風
路16が形成されており、この送風路16の室側には、
垂直な案内板17が負荷面2と平行に配置され、この案
内板17と対向する位置には、図3に示したように適当
な間隔dを隔てて、吹出角度調整機構を構成する気流ガ
イド18が設けられている。
【0034】この気流ガイド18は、吹出口3の長手方
向の長さと実質的に同一の長さを有しており、かつその
断面は四半分円弧形状の形態であって、弧に相当する湾
曲面18aの表面は滑らかに成形されている。このよう
に断面が四半分円弧形状の形態を有する気流ガイド18
によれば、後述のコアンダ効果による吹出角度調整の
際、無駄がない。
【0035】また気流ガイド18の基部には、モータや
減速機構などによって構成された駆動機構19が設けら
れており、この駆動機構19の作動により、気流ガイド
18は、前記基部を中心として負荷面2側に回動自在で
ある。本実施形態においては、図3、図4に示したよう
に、回動して2つの位置に停止自在である。即ち、図3
に示したように、平面18bが垂直になって、湾曲面1
8aが吹出口3に向けられる位置と、図3の位置から9
0゜下方に回動して、図4に示したように、平面18b
が水平になって、湾曲面18aが吹出口3に向かない位
置とに各々停止自在となっている。
【0036】このような気流ガイド18の回動制御は、
ケーシング1a内に設けられた制御装置21によって行
われる。以下、この制御装置21の機能について説明す
ると、まず、負荷面2の窓2aには、この窓2aのガラ
ス表面の温度を検出する温度検出装置22が設けられて
おり、この温度検出装置22からの温度検出信号は、制
御装置21に伝送される。制御装置21では、予め設定
された基準温度と比較し、ガラス表面の温度がこの基準
温度よりも低い場合には、気流ガイド18を図3に示し
た位置まで回動させるように、駆動機構19に制御信号
を出力する。一方逆にガラス表面の温度が基準温度より
も高い場合には、図4に示した位置まで気流ガイド18
を回動させるように制御する。
【0037】さらに前記制御装置21は、前出往管13
に介装されている弁15の開度調整も行うようになって
いる。即ち、ペリメータゾーンP内の天井23には、ペ
リメータゾーンP内の天井近傍の温度を検出する温度検
出装置24が設けられており、この温度検出装置24か
らの温度検出信号は、制御装置21に伝送される。制御
装置22では、予め設定された室内設定温度と比較し、
フィードバック動作に基づいて、ペリメータゾーンP内
の天井近傍の温度が室内設定温度になるように、弁15
の開度調整を制御する。
【0038】また吹出口3には、整流機能を有する羽根
31が設けられているが、この羽根は、吹出口3から吹
き出される気流を乱さないように、平面からみて全て負
荷面2と垂直な方向に向けられている。
【0039】なおファンコイルユニット1のケーシング
1a内における熱交換器11の下部には、ドレンパン3
2が設置されており、このドレンパン32に溜まった凝
縮水等は、ドレン管33を通じて室外に排出されるよう
になっている。
【0040】またファンコイルユニット1が設置されて
いる室Rの天井面には、別途装備されている空調機器
(図示せず)からの空調空気が吹き出される吹出ユニッ
ト34と吸込ユニット35が設けられている。
【0041】次に本実施形態にかかるファンコイルユニ
ット1の作用、並びにこのファンコイルユニット1を用
いた冬期におけるペリメータゾーンPの暖房状況につい
て説明すると、まずファンコイルユニット1の吹出口3
の長さLは負荷面2の横方向の長さとほぼ同一であるか
ら、図1に示したようにペリメータゾーンPの室側に面
する負荷面2の横方向の長さいっぱいに渡って、暖気W
Aを上方に吹き出させることができる。
【0042】これにより、負荷面2を介する外壁からの
熱影響、例えばコールドドラフトを完全に包み込むこと
ができ、ペリメータゾーンPの温度環境を従来より改善
することができる。仮にインテリアゾーンIにおいて冷
房を同時に実施するため、吹出ユニット34から冷気が
インテリアゾーンIの床面に向けて吹き出している場合
でも、コールドドラフトが巻き込むようにして吸込口4
に吸い込まれることはない。
【0043】さらにそのようにコールドドラフトが室内
に侵入しなくなったため、このファンコイルユニット1
では、ペリメータゾーンP内の天井23近傍の温度が、
室Rの設定温度になるように、弁15の開度を制御する
ことで、混合損失のない適切な暖房が行える。従って無
駄がなく、効率のよい空調を実施することが可能であ
る。
【0044】また負荷面2にある窓2aのガラス表面の
温度を検出し、その表面温度に基づいて、気流ガイド1
8が図3、図4に示した位置に回動するように制御され
るから、例えば窓2aのガラス表面の温度が基準温度よ
りも高く、そこから発生するコールドドラフトCDもそ
れほど強くない場合には、図4に示した位置に気流ガイ
ド18が設定され、暖気WAは真上に吹き出され、それ
によって図5に示したようにコールドドラフトCDの室
内への侵入が防止されている。
【0045】しかしながら窓2aのガラス表面の温度が
基準温度よりも低い場合には、発生するコールドドラフ
トCDが強くなり、暖気WAを真上に吹き出したので
は、その上方で暖気WAがコールドドラフトCDによっ
て抑えこまれ、低温気流が室内に侵入するおそれがあ
る。
【0046】従ってかかる場合には、制御装置21によ
って気流ガイド18は図3に示した位置に設定され、そ
れによって暖気WAは、負荷面2、即ち窓2a側に吹き
出されるようになる。従って、暖気WAがコールドドラ
フトCDに抑え込まれることはなく、図7に示したよう
に暖気WAはコールドドラフトCDの室内への侵入を防
止することができるのである。
【0047】従って、本実施形態にかかるファンコイル
ユニット1によれば、制御装置21の作用により、混合
損失を生じさせずに効率のよい適切な暖房が行えると共
に、負荷面2の温度に応じて、暖気WAのコールドドラ
フトCDの室内への侵入を確実に防止することができ、
ペリメータゾーンPの温度環境を常に快適に保つことが
できる。
【0048】なお前記実施形態にかかるファンコイルユ
ニット1においては、暖気WAの吹出角度を気流ガイド
18によって調整するにあたり、温度検出装置22によ
って検出した負荷面2の温度、即ち窓2aのガラス表面
の温度に基づいて制御するようにしていたが、これに代
えて、例えば窓2aから入射する日射量を計測して、こ
の日射量に基づいて気流ガイド18の角度を調整するよ
うにしてもよい。
【0049】また吹出角度調整機構として、2つの位置
に設定自在でコアンダ効果を利用した気流ガイド18を
用いていたが、もちろん連続可変として構成してもよ
い。なお前記実施形態のように、断面が四半分円弧の気
流ガイド18を用いれば、湾曲面表面を流れる気流が表
面から剥離するのが、鞍点(原点)から計測して90゜
直前であるから、このような四半分円弧の気流ガイド1
8は、無駄がない形態となっており、コンパクト化に資
するものである。なお断面が円弧状の気流ガイド18に
代えて、もちろん適宜のガイドベーンを用いてもよい。
【0050】また前記実施形態にかかるファンコイルユ
ニット1においては、負荷面2の温度変化に伴うコール
ドドラフトCDの勢いに対処するために、気流ガイド1
8の角度調整による暖気WAの吹出角度を調整するよう
にしていたが、これに代えて温度検出装置22が検出す
る温度に基づいて、送風機12の回転数を制御し、そり
によって暖気WAの吹出風速を調整するようにしてもよ
い。かかる方法によれば、暖気WAの吹出風速を高める
ことで暖気WAの到達点を天井23にもっていくことが
でき、それによってコールドドラフトCDの室内への侵
入を防止することが可能になる。
【0051】なおそのような暖気WAの吹出風速の調整
は、他に、吹出口3の幅を調整することによっても可能
である。例えば吹出口3に、図8、図9に示したよう
に、図中の往復矢印A方向に摺動自在なスライド式のシ
ャッター41を設け、吹出口3の幅を連続的に調整でき
るように構成してもよい。図8に示した吹出口3の幅D
1は大きく、図9に示したときの幅D2は小さい。即ち、
D1>D2である。
【0052】このように構成すれば、図8に示した場合
には吹出口3の幅が大きいので、暖気WAの吹出風速は
相対的に低く、図9に示した場合には、暖気WAの吹出
風速は高くなる。これによって、負荷面2の温度等に応
じて、暖気WAの吹き出し風速を調整して、コールドド
ラフトCDの侵入を効果的に防止することが可能にな
る。
【0053】
【発明の効果】本発明のペリメータゾーンの空調方法に
よれば、ペリメータゾーンにおける室側の負荷面幅全体
に吹出暖気の気流を形成することができるので、例えば
窓面でのコールドドラフトを完全に包み込み処理するこ
とができる。従って、ペリメータゾーンでの温度環境を
改善することが可能であり、また室内混合損失の問題を
解消することができる。従って、インテリアゾーンに別
途放射暖房装置を設ける必要もない。そのうえ過剰なエ
ネルギー消費もない。また負荷面の温度や日射量に基づ
いて吹出角度を制御するようにしたので、より効果的に
コールドドラフトの室内への侵入防止を図ることが可能
である。
【0054】また本発明のペリメータゾーン用空調装置
によれば、本発明のペリメータゾーンの空調方法を好適
に実施することができる。特に請求項のペリメータゾ
ーン用空調装置においては、気流ガイドの回動によって
コアンダ効果に基づいた吹出角度の調整ができ、より効
率よくかつ適切な吹出角度の調整が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるファンコイルユニ
ットを用いてペリメータゾーンで暖房を実施している様
子を示す説明図である。
【図2】図1のファンコイルユニットの内部の構造を示
す斜視図である。
【図3】図1のファンコイルユニットにおける気流ガイ
ドで暖気を負荷面側に吹き出させる時の様子を示す説明
図である。
【図4】図1のファンコイルユニットにおける気流ガイ
ドで暖気を真上に吹き出させる時の様子を示す説明図で
ある。
【図5】図1のファンコイルユニットを用いて暖気を真
上に吹き出させてコールドドラフトの室内への侵入を防
止している様子を示す説明図である。
【図6】図1のファンコイルユニットを用いて暖気を真
上に吹き出させているが、上部がコールドドラフトによ
って抑え込まれている様子を示す説明図である。
【図7】図1のファンコイルユニットを用いて暖気を負
荷面側に吹き出させコールドドラフトの室内への侵入を
防止している様子を示す説明図である。
【図8】ファンコイルユニットの吹出口に設けたスライ
ド式のシャッターの開度が大きい場合の平面説明図であ
る。
【図9】ファンコイルユニットの吹出口に設けたスライ
ド式のシャッターの開度が小さい場合の平面説明図であ
る。
【図10】従来技術にかかる空調方法を実施している様
子を示す側面からの説明図である。
【図11】従来技術にかかる空調方法を実施している様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ファンコイルユニット 1a ケーシング 2 負荷面 2a 窓 3 吹出口 4 吸込口 11 熱交換器 12 送風機 13 往管 14 還管 15 弁 17 案内板 18 気流ガイド 21 制御装置 22、24 温度検出装置 23 天井 I インテリアゾーン P ペリメータゾーン CD コールドドラフト WA 暖気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−33441(JP,A) 特開 昭60−30926(JP,A) 特開 平5−322232(JP,A) 特開 平8−94148(JP,A) 特開 平7−110155(JP,A) 特開 平8−94160(JP,A) 特開 平6−337158(JP,A) 特開 昭63−226551(JP,A) 実開 平4−8022(JP,U) 実開 平3−539(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリメータゾーンにおける室側の負荷面
    下方に設置され、その上面に空調空気の吹出口を有し、
    室側に面した側面に吸込口を有する空調機器を用い、ペ
    リメータゾーンで暖房を行うにあたり、 前記吹出口を前記負荷面と平行に設定すると共に、この
    吹出口の長さを負荷面の横方向の長さとほぼ同一に設定
    し、 ペリメータゾーン内の天井近傍の温度が、前記ペリメー
    タゾーンが存在する室内設定温度になるように、吹出口
    からの暖気の温度を制御すると共に、 負荷面の温度又は負荷面からの日射量に基づいて吹出口
    からの暖気の吹出角度を制御して、前記吹出口から暖気
    吹き出させることを特徴とする、ペリメータゾーンの
    空調方法。
  2. 【請求項2】 ペリメータゾーンにおける室側の負荷面
    下方に設置され、その上面に空調空気の吹出口を有し、
    室側に面した側面に吸込口を有する空調装置において、 吹出口の長さが負荷面の横方向の長さとほぼ同一であ
    り、 ペリメータゾーン内の天井近傍の温度を検出する温度検
    出器と、 ペリメータゾーンの負荷面の温度又は負荷面からの日射
    量を計測する計測装置と、 前記温度検出器が検出する温度が室内設定温度と同一に
    なるように、吹出口から吹き出させる暖気の温度を制御
    する第1の制御装置と、 吹出口から吹き出させる暖気の吹出角度を調整するため
    の吹出角度調整機構と、 前記計測装置が計測したデータに基づいて、前記吹出角
    度調整機構を制御する第2の制御装置とを備えたことを
    特徴とする、ペリメータゾーン用空調装置。
  3. 【請求項3】 吹出角度調整機構は、吹出口に沿って吹
    出口の上流側に設けられた、断面が略円弧状の気流ガイ
    ドと、この気流ガイドとの間に間隔を持って垂直に設け
    られる案内板とによって構成され、さらに前記気流ガイ
    ドは、負荷面側に回動自在であることを特徴とする、請
    求項2に記載のペリメータゾーン用空調装置。
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