JP3527180B2 - 燃焼灰等の固化・安定化方法及び装置 - Google Patents
燃焼灰等の固化・安定化方法及び装置Info
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Description
燃焼灰、電気炉ダスト、汚染土壌等(以下、燃焼灰等と
記す)の固化・安定化方法及び装置に関するものであ
る。本発明により得られた固化体は、安全で高強度であ
り、路盤材などの土木資材などの用途に有効利用するこ
とができる。
ては溶融固化処理、加熱脱塩素化処理等が行われてい
る。溶融固化処理は1300℃以上の高温において溶融
処理する方法である。また、加熱脱塩素化処理は特公平
6−38863号公報に開示されているように、例えば
焼却飛灰を加熱装置に装入し、還元雰囲気(酸素濃度1
〜2%)において250〜400℃で加熱処理する方法
である。加熱脱塩素化処理によれば、350℃、1h の
加熱処理によりダイオキシン類は0.6ng−TEQ /g か
ら0.002ng−TEQ /g まで大幅に減少するとの報告
がある。
解する方法として、アミン化合物又はアンモニウム化合
物と300℃よりも低い温度で接触させることで分解す
るもの(特開平11−207300号公報参照)、焼却
飛灰に水、あるいはアルカリ水などを混合して、飛灰ス
ラリーを調整し、100〜350℃で水熱処理すること
によりダイオキシン類を分解する方法(特開平6−14
2637号公報参照)などがある。燃焼灰等中の重金属
類の安定化には、溶融処理の他にキレート液を燃焼灰に
添加して混練することによる方法(特開平8−2245
60号公報参照)などがある。
属、ダイオキシン類を高濃度に含有しており、処分する
ためには重金属の安定化、ダイオキシン類の分解処理が
必要であり、大型な装置を必要とする溶融処理、加熱脱
塩素化処理、高価なキレート剤添加など高コストな処理
を行った後に処分している。
本発明の目的は、性状の異なる燃焼灰等であっても塩基
度等を調整し、ダイオキシン類分解用添加剤を加え、加
熱処理を行った後に混練、蒸気処理することで、安全性
が確保された高強度な固化体を製造し、土木資材として
の利用を可能とする経済的な燃焼灰等の処理方法及び装
置を提供することにある。
めに、本発明の燃焼灰等の固化・安定化方法は、燃焼灰
等にCaO材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の
塩基度を0.75〜2.2、望ましくは0.75〜2.
0の範囲に調整するとともに、燃焼灰等にダイオキシン
類を分解するための硝酸塩を0.25〜5%添加し、つ
いでこの燃焼灰等を200〜450℃、望ましくは20
0〜400℃の範囲で0.2〜2.0時間攪拌しながら
熱処理した後、熱処理物を水で混練し、ついで混練物を
10〜95℃の蒸気で2〜30時間養生処理するように
構成されている(図1参照)。
材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度を
0.75〜2.2、望ましくは0.75〜2.0の範囲
に調整するとともに、燃焼灰等にダイオキシン類を分解
するための金属粉末を0.1〜5%添加し、ついでこの
燃焼灰等を200〜450℃、望ましくは200〜40
0℃の範囲で0.2〜2.0時間攪拌しながら熱処理し
た後、熱処理物を水で混練し、ついで混練物を10〜9
5℃の蒸気で2〜30時間養生処理することを特徴とし
ている(図1参照)。
材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度を
0.75〜2.2、望ましくは0.75〜2.0の範囲
に調整するとともに、燃焼灰等の溶出液pHが12.2以
下となるように燃焼灰等に酸性物質を添加し、さらに燃
焼灰等にダイオキシン類を分解するための硝酸塩を0.
25〜5%添加し、ついでこの燃焼灰等を200〜45
0℃、望ましくは200〜400℃の範囲で0.2〜
2.0時間攪拌しながら熱処理した後、熱処理物を水で
混練し、ついで混練物を10〜95℃の蒸気で2〜30
時間養生処理することを特徴としている(図2参照)。
び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度を0.7
5〜2.2、望ましくは0.75〜2.0の範囲に調整
するとともに、燃焼灰等の溶出液pHが12.2以下とな
るように燃焼灰等に酸性物質を添加し、さらに燃焼灰等
にダイオキシン類を分解するための金属粉末を0.1〜
5%添加し、ついでこの燃焼灰等を200〜450℃、
望ましくは200〜400℃の範囲で0.2〜2.0時
間攪拌しながら熱処理した後、熱処理物を水で混練し、
ついで混練物を10〜95℃の蒸気で2〜30時間養生
処理することを特徴としている(図2参照)。
酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸鉄等の少なくとも
いずれかが用いられる。また、金属粉末としては鉄、ア
ルミニウム、銅、亜鉛等の少なくともいずれかの粉末が
用いられる。酸性物質としては硫酸、硝酸、硫酸塩、硝
酸塩、酸性白土等の少なくともいずれかが用いられる。
また、燃焼灰等としてはごみ燃焼灰や汚泥燃焼灰、電気
炉ダスト、汚染土壌等の少なくともいずれかが用いられ
る。また、シリカ材として硫酸、塩酸及び硝酸のいずれ
かの20〜98℃の酸性水溶液で0.5〜24時間予め
処理したものを用いる場合がある(図3参照)。
形工程を設け、養生処理工程の後に破砕工程を設ける場
合がある(図1参照)。CaO材としては消石灰、セメ
ント等のCaOが60%以上の材料が用いられ、シリカ
材としては酸性白土、クレー等のSiO2 が60%以上
の材料が用いられる。
燃焼灰等に塩基度を調整するためのCaO材又は/及び
シリカ材、並びにダイオキシン類分解用添加材としての
硝酸塩又は/及び金属粉末を添加し加熱攪拌するための
竪型の加熱攪拌装置と、この加熱攪拌装置からの処理物
を導入し水を加えて混練するための混練機と、この混練
機からの混練物を蒸気養生するための養生装置とを備え
たことを特徴としている(図4参照)。
を調整するためのCaO材又は/及びシリカ材、燃焼灰
の溶出液pHを調整するための酸性物質、並びにダイオキ
シン類分解用添加材としての硝酸塩又は/及び金属粉末
を添加し加熱攪拌するための竪型の加熱攪拌装置と、こ
の加熱攪拌装置からの処理物を導入し水を加えて混練す
るための混練機と、この混練機からの混練物を蒸気養生
するための養生装置とを備えたことを特徴としている
(図5参照)。これらの装置において、混練機と養生装
置との間に成形機を設け、養生装置の後に破砕機を設け
た構成とする場合がある。
の固化・安定化特性を得ることを可能にするため、上記
のように、燃焼灰等の塩基度をCaO材(消石灰、セメ
ント等のCaOが60%以上の材料)とシリカ材(酸性
白土、クレー等のSiO2 が60%以上の材料)を加え
ることで0.75〜2.2、望ましくは0.75〜2.
0に調整する。シリカ材は、予め20〜98℃(20℃
未満の場合は反応速度が遅い、98℃を越える場合は処
理装置が複雑となる)の硫酸、塩酸、硝酸等の酸性水溶
液で、0.5〜24時間(0.5未満の場合は反応が不
十分、24時間を越える場合は処理装置が大きくなる)
処理することにより、活性化され、シリカ材としての効
果が向上する。燃焼灰等の溶出液pHが12.2以下(7
以下では固化反応が阻害され、12.2を越える場合で
は有害重金属の固定が不十分であるため望ましくは7.
0〜12.2)となるよう、酸性物質(硫酸、硝酸、硫
酸塩、硝酸塩、酸性白土等)で調整する。
解するために硝酸塩(硝酸ナトリウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸鉄等)を0.25〜5%添加(少ないと効果が
無く、多いと固化反応が阻害される)、又は金属粉末
(鉄、アルミ、銅、亜鉛等)を0.1〜5%添加(少な
いと効果が無く、多いと固化反応が阻害される)した後
に、200〜450℃、望ましくは200〜400℃
(温度が低いと効果が無く、高いと有害物質が揮発す
る)で0.2〜2.0時間処理する。これらの添加剤に
より酸化雰囲気でもDXN類(ダイオキシン類)が分解
し、同時に固相反応が進行するため、次工程での水和反
応が促進される。加熱には攪拌機付きの加熱装置(竪型
スクリュー型、アニュラー型等)を用いて処理する。装
置を竪型とすること、数mm径のビーズ(金属、セラミッ
ク等)を用いることで伝熱をよくでき、小型化できると
共に、固相反応や分解反応を促進できる。
ル型、ブレード型、ボール型、ロール型等)を用い、水
で混練した後、数mm程度の造粒物とするか、成形機を用
いて成形体とした後、10〜95℃の蒸気で2〜30時
間処理することで、水和反応により安全性が確保された
(有害重金属が土壌環境基準を満足、ダイオキシン類1
ng−TEQ /g 以下)高強度な(圧壊強度2kg(10mm粒
子)以上)固化体が得られ、土木資材としての利用が可
能になる。さらに、必要に応じて破砕処理することで、
修正CBRが20〜60%のより高品質な土木資材や、
排ガスや排水に含まれる有害物吸着材、調湿材への利用
が可能となる。これらの処理により燃焼灰等特性の影響
を受けず、安定性が確保された高強度の固化体の製造が
可能となる。また、本発明は、溶融処理と比較して、低
エネルギーで処理でき、装置の小型化が可能である。
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することができる
ものである。図1は本発明の実施の第1形態による燃焼
灰等の固化・安定化方法の処理フローで、溶出液pHが1
2.2以下で、混練後成形を行う場合を示している。燃
焼灰等にCaO材、シリカ材の両方又は片方を添加し
て、燃焼灰等の塩基度が0.75〜2.2、望ましくは
0.75〜2.0の範囲内になるように調整するととも
に、ダイオキシン類を分解するための硝酸塩又は/及び
金属粉末を添加する。硝酸塩を添加する場合は0.25
〜5%が適正であり、金属粉末を添加する場合は0.1
〜5%が適正である。塩基度調整工程とDXN類分解用
添加剤添加工程との順序は問わず、同時でも逆でもよ
い。
を200〜450℃、望ましくは200〜400℃の範
囲で0.2〜2.0時間攪拌しながら熱処理し、ついで
水を加えて混練した後、混練物を成形し、ついで成形物
を10〜95℃の蒸気存在下で2〜30時間養生処理し
て固化体とする。この固化体を必要に応じて破砕して破
砕固化体を得る。
灰等の固化・安定化方法の処理フローで、溶出液pHが1
2.2を越え、混練時に造粒を行う場合を示している。
燃焼灰等の溶出液のpHが12.2以下となるように、燃
焼灰等に酸性物質及び水が添加される。ついで燃焼灰等
にCaO材、シリカ材の両方又は片方を添加して、燃焼
灰等の塩基度が0.75〜2.2、望ましくは0.75
〜2.0の範囲内になるように調整するとともに、ダイ
オキシン類を分解するための硝酸塩又は/及び金属粉末
を添加する。硝酸塩を添加する場合は0.25〜5%が
適正であり、金属粉末を添加する場合は0.1〜5%が
適正である。塩基度調整工程とDXN類分解用添加剤添
加工程との順序は問わず、同時でも逆でもよい。
を200〜450℃、望ましくは200〜400℃の範
囲で0.2〜2.0時間攪拌しながら熱処理し、ついで
水を加えて混練・造粒した後、混練・造粒物を10〜9
5℃の蒸気存在下で2〜30時間養生処理して固化体と
する。
灰等の固化・安定化方法の処理フローで、溶出液pHが1
2.2以下で、シリカ材を酸処理し、混練時に造粒を行
う場合を示している。シリカ材を予め20〜98℃の硫
酸、塩酸、硝酸等の酸性水溶液で0.5〜24時間処理
する。燃焼灰等にCaO材、上記シリカ材を添加して、
燃焼灰等の塩基度が0.75〜2.2、望ましくは0.
75〜2.0の範囲内になるように調整するとともに、
ダイオキシン類を分解するための硝酸塩又は/及び金属
粉末を添加する。硝酸塩を添加する場合は0.25〜5
%が適正であり、金属粉末を添加する場合は0.1〜5
%が適正である。塩基度調整工程とDXN類分解用添加
剤添加工程との順序は問わず、同時でも逆でもよい。
を200〜450℃、望ましくは200〜400℃の範
囲で0.2〜2.0時間攪拌しながら熱処理し、ついで
水を加えて混練・造粒した後、混練・造粒物を10〜9
5℃の蒸気存在下で2〜30時間養生処理して固化体と
する。なお、実施の第1〜3形態を適宜組み合わせるこ
とも可能である。
灰等の固化・安定化装置を示している。この装置は、溶
出液pHが12.2以下で、混練後に成形を行う場合の装
置である。10は竪形の加熱攪拌装置で、内部に竪形の
攪拌機12を備え、周囲にヒーター14を備え、上部に
燃焼灰等供給手段16、硝酸塩又は/及び金属粉末添加
手段18、CaO材添加手段20、シリカ材添加手段2
2を備えている。
/及び金属粉末、CaO材、シリカ材の混合物はジャケ
ット付きスクリューコンベア等の冷却搬送機24にて、
冷却されながら混練機26に導入され、ここで水が加え
られて混練される。混練物はベルトコンベア28で成形
機30に導入され成形される。成形物は搬送手段、例え
ばバケットコンベア32により養生装置34に導入さ
れ、蒸気(スチーム)が加えられて養生処理される。養
生物は破砕機36に導入されて破砕固化体となる。
灰等の固化・安定化装置を示している。この装置は、溶
出液pHが12.2を越え、混練時に造粒を行う場合の装
置である。10aは竪形の加熱攪拌装置で、内部に竪形
の攪拌機12を備え、周囲にヒーター14を備え、上部
に燃焼灰等供給手段16、硝酸塩又は/及び金属粉末添
加手段18、CaO材添加手段20、シリカ材添加手段
22、酸性物質添加手段38を備えている。
/及び金属粉末、CaO材、シリカ材、酸性物質の混合
物はジャケット付きスクリューコンベア等の冷却搬送機
24にて、冷却されながら造粒機能を有する混練機26
aに導入され、ここで水が加えられて混練・造粒され
る。混練・造粒物は搬送手段、例えばベルトコンベア3
2aにより養生装置34aに導入され、蒸気(スチー
ム)が加えられて養生処理されて固化体となる。なお、
実施の第4、5形態を適宜組み合わせることも可能であ
る。
徴とするところをより一層明確にする。 実施例1 燃焼灰等に対し、溶出液pH調整のための酸性物質を加
え、塩基度調整のためのシリカ材、CaO材と硝酸塩を
添加して加熱処理を行った後、水で混練し蒸気処理をす
ることで固化体を作製した。すなわち、都市ごみ焼却飛
灰A(特性を表1に示す)1000重量部にH2 SO4
を25重量部、水を100重量部加え15分間混練した
後、シリカ材A(特性を表2に示す)100重量部、消
石灰30重量部を加え塩基度を1.5とし、さらに硝酸
ナトリウムを50重量部添加した後、竪型加熱攪拌装置
において空気雰囲気の元で400℃、1.5時間の加熱
処理を実施した後、水を240重量部加えて10分間混
練して混練物を得た。その後、300mm□×100mm高
さに成形し、40℃で24時間の蒸気処理を行った。そ
の結果、破砕固化体のダイオキシン類濃度は0.12ng
−TEQ /g になり、溶出液pHは11.7で有害重金属溶
出は土壌環境基準を満足した。また、破砕固化体の圧壊
強度は15kgf (10mm粒子)であった。
材と硝酸塩を添加して加熱処理を行った後、水で混練し
蒸気処理をすることで固化体を作製した。すなわち、都
市ごみ焼却飛灰B(特性を表3に示す)1000重量部
にシリカ材A100重量部、消石灰30重量部を加え塩
基度を1.5とし、さらに硝酸ナトリウムを50重量部
添加した後、竪型加熱攪拌装置において空気雰囲気の元
で400℃、1.5時間の加熱処理を実施した後、水を
240重量部加えて10分間混練して混練物を得た。そ
の後、300mm□×100mm高さに成形し、40℃で2
4時間の蒸気処理を行った。その結果、破砕固化体のダ
イオキシン類濃度は0.12ng−TEQ /g になり、溶出
液pHは11.7で有害重金属溶出は土壌環境基準を満足
した。また、破砕固化体の圧壊強度は15kgf (10mm
粒子)であった。
材と金属粉末を添加して加熱処理を行った後、水で混練
し蒸気処理をすることで固化体を作製した。すなわち、
焼却飛灰B(表3)1000重量部にシリカ材A50重
量部、消石灰30重量部を添加し塩基度を2.0とし、
さらに金属鉄粉末50重量部を添加して混合の後、竪型
加熱攪拌装置において空気雰囲気の元で300℃、1時
間の加熱処理を実施した後の混合粉体に、水を225重
量部加えて10分間混練して2〜20mmの造粒物を得
た。その後、得られた造粒物を20℃で24時間の蒸気
処理を行った。その結果、固化体のダイオキシン類濃度
は0.61ng−TEQ /g になり、溶出液pHは11.8で
有害重金属溶出量は土壌環境基準を満足した。また、固
化体の圧壊強度は12kgf (10mm粒子)であった。
たシリカ材、CaO材と金属粉末を添加して加熱処理を
行った後、水で混練し蒸気処理をすることで固化体を作
製した。すなわち、焼却飛灰B(表3)1000重量部
に、予め20%硫酸水溶液で95℃2時間の処理を施し
たシリカ材A(表2)50重量部、消石灰30重量部を
添加し塩基度を2.0とし、さらに金属鉄粉末50重量
部を添加して混合の後、竪型加熱攪拌装置において空気
雰囲気の元で300℃、1時間の加熱処理を実施した後
の混合粉体に、水を220重量部加えて10分間混練し
て2〜20mmの造粒物を得た。その後、得られた造粒物
を20℃で24時間の蒸気処理を行った。その結果、固
化体のダイオキシン類濃度は0.26ng−TEQ /gにな
り、溶出液pHは11.4で有害重金属溶出量は土壌環境
基準を満足した。また、固化体の圧壊強度は21kgf
(10mm粒子)であった。
を添加して加熱処理を行った後、水で混練、造粒し蒸気
処理をすることで固化体を作製した。すなわち、焼却飛
灰C(特性を表4に示す)1000重量部に消石灰40
重量部を加え塩基度を1.0とし、さらに硝酸ナトリウ
ムを50重量部添加して混合の後、3mmの金属鉄ビーズ
を充填した竪型加熱攪拌装置において空気雰囲気の元で
350℃、1時間の加熱処理を実施した後の混合粉体
に、水を310重量部加えて15分間混練し造粒物を得
た。その後得られた造粒物を40℃で24時間蒸気処理
した。その結果、固化体のDXN類濃度は0.10ng−
TEQ /g になり、溶出液pHは9.8で、有害重金属溶出
量が土壌環境基準を満足した。また固化体の圧壊強度は
13kgf (10mm粒子)であった。
材のみを添加して加熱処理を行った後、水で混練し蒸気
処理をすることで固化体を作製した。すなわち、焼却飛
灰B(表3)1000重量部に消石灰30重量部、シリ
カ材A(表2)100重量部を添加して塩基度を1.5
とした後、竪型加熱攪拌装置において空気雰囲気の元で
400℃、2時間の加熱処理を実施した混合粉体に、水
を150重量部加えて10分間混練して2〜20mmの造
粒物を得た。その後、造粒物を30℃で24時間蒸気処
理した。得られた固化体のダイオキシン類濃度は28ng
−TEQ /g であり、溶出液pHは11.9で土壌環境基準
を満足した。また、圧壊強度は8kgf (10mm粒子)で
あった。
後、水で混練し蒸気処理をすることで固化体を作製し
た。すなわち、焼却飛灰A(表1)1000重量部に硝
酸ナトリウム50重量部を添加し混合の後、竪型加熱攪
拌装置において空気雰囲気の元で350℃、0.5時間
の加熱処理を実施した後の混合粉体に、水を180重量
部加えて15分間混練し造粒物を得た。その後得られた
造粒物を20℃で24時間蒸気処理した。その結果、固
化体のDXN類濃度は0.25ng−TEQ /g であった
が、溶出液pHは12.5で、有害重金属溶出量が土壌環
境基準を越えた。また固化体の圧壊強度は0.5kgf
(10mm粒子)であった。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 燃焼灰等の塩基度を調整するとともにダイオキ
シン類分解用添加剤を加えて加熱処理することで、ダイ
オキシン類の分解と同時に固相反応が進行するため、水
和反応による有害重金属の安定化、固化が促進され、安
全性が確保された高強度の固化体を得ることができる。 (2) 地域、焼却炉方式、排ガス処理方法等によって
性状の異なる燃焼灰等に対しても、塩基度を調整するこ
とにより適用が可能である。 (3) 加熱処理を酸化雰囲気において実施しても、ダ
イオキシン類の分解を行うことができる。 (4) 竪型の攪拌機付きの装置で加熱を行うことによ
って、燃焼灰等への伝熱が良くなり、装置の小型化が可
能になるとともに、固相反応、分解反応を促進すること
ができる。
・安定化方法の処理フローである。
・安定化方法の処理フローである。
・安定化方法の処理フローである。
・安定化装置の系統的概略構成図である。
・安定化装置の系統的概略構成図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 ごみ燃焼灰、汚泥燃焼灰、電気炉ダスト
及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等にC
aO材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度
を0.75〜2.2の範囲に調整するとともに、燃焼灰
等にダイオキシン類を分解するための硝酸塩を0.25
〜5%添加し、ついでこの燃焼灰等を200〜450℃
の範囲で攪拌しながら熱処理した後、熱処理物を水で混
練し、ついで混練物を10〜95℃の蒸気で養生処理す
ることを特徴とする燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項2】 ごみ燃焼灰、汚泥燃焼灰、電気炉ダスト
及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等にC
aO材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度
を0.75〜2.2の範囲に調整するとともに、燃焼灰
等にダイオキシン類を分解するための金属粉末を0.1
〜5%添加し、ついでこの燃焼灰等を200〜450℃
の範囲で攪拌しながら熱処理した後、熱処理物を水で混
練し、ついで混練物を10〜95℃の蒸気で養生処理す
ることを特徴とする燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項3】 ごみ燃焼灰、汚泥燃焼灰、電気炉ダスト
及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等にC
aO材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度
を0.75〜2.2の範囲に調整するとともに、燃焼灰
等の溶出液pHが12.2以下となるように燃焼灰等に酸
性物質を添加し、さらに燃焼灰等にダイオキシン類を分
解するための硝酸塩を0.25〜5%添加し、ついでこ
の燃焼灰等を200〜450℃の範囲で攪拌しながら熱
処理した後、熱処理物を水で混練し、ついで混練物を1
0〜95℃の蒸気で養生処理することを特徴とする燃焼
灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項4】 ごみ燃焼灰、汚泥燃焼灰、電気炉ダスト
及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等にC
aO材及び/又はシリカ材を添加して燃焼灰等の塩基度
を0.75〜2.2の範囲に調整するとともに、燃焼灰
等の溶出液pHが12.2以下となるように燃焼灰等に酸
性物質を添加し、さらに燃焼灰等にダイオキシン類を分
解するための金属粉末を0.1〜5%添加し、ついでこ
の燃焼灰等を200〜450℃の範囲で攪拌しながら熱
処理した後、熱処理物を水で混練し、ついで混練物を1
0〜95℃の蒸気で養生処理することを特徴とする燃焼
灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項5】 硝酸塩が硝酸ナトリウム、硝酸カルシウ
ム及び硝酸鉄の少なくともいずれかである請求項1又は
3記載の燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項6】 金属粉末が鉄、アルミニウム、銅及び亜
鉛の少なくともいずれかの粉末である請求項2又は4記
載の燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項7】 酸性物質が硫酸、硝酸、硫酸塩、硝酸塩
及び酸性白土の少なくともいずれかである請求項3又は
4記載の燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項8】 シリカ材として硫酸、塩酸及び硝酸のい
ずれかの20〜98℃の酸性水溶液で予め処理したもの
を用いる請求項1〜7のいずれかに記載の燃焼灰等の固
化・安定化方法。 - 【請求項9】 混練工程と養生処理工程との間に成形工
程を設け、養生処理工程の後に破砕工程を設ける請求項
1〜8のいずれかに記載の燃焼灰等の固化・安定化方
法。 - 【請求項10】 CaO材が消石灰、セメント等のCa
Oが60%以上の材料である請求項1〜9のいずれかに
記載の燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項11】 シリカ材が酸性白土、クレー等のSi
O2 が60%以上の材料である請求項1〜10のいずれ
かに記載の燃焼灰等の固化・安定化方法。 - 【請求項12】 ごみ燃焼灰、汚泥燃焼灰、電気炉ダス
ト及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等に
塩基度を調整するためのCaO材又は/及びシリカ材、
並びにダイオキシン類分解用添加材としての硝酸塩又は
/及び金属粉末を添加し加熱攪拌するための竪型の加熱
攪拌装置と、この加熱攪拌装置からの処理物を導入し水
を加えて混練するための混練機と、この混練機からの混
練物を蒸気養生するための養生装置とを備えたことを特
徴とする燃焼灰等の固化・安定化装置。 - 【請求項13】 ごみ燃焼灰や汚泥燃焼灰、電気炉ダス
ト及び汚染土壌の少なくともいずれかである燃焼灰等に
塩基度を調整するためのCaO材又は/及びシリカ材、
燃焼灰の溶出液pHを調整するための酸性物質、並びにダ
イオキシン類分解用添加材としての硝酸塩又は/及び金
属粉末を添加し加熱攪拌するための竪型の加熱攪拌装置
と、 この加熱攪拌装置からの処理物を導入し水を加えて混練
するための混練機と、 この混練機からの混練物を蒸気養生するための養生装置
とを備えたことを特徴とする燃焼灰等の固化・安定化装
置。 - 【請求項14】 混練機と養生装置との間に成形機を設
け、養生装置の後に破砕機を設けた請求項12又は13
記載の燃焼灰等の固化・安定化装置。
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