JPH10128272A - 焼却灰の固化方法 - Google Patents

焼却灰の固化方法

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JPH10128272A
JPH10128272A JP8291503A JP29150396A JPH10128272A JP H10128272 A JPH10128272 A JP H10128272A JP 8291503 A JP8291503 A JP 8291503A JP 29150396 A JP29150396 A JP 29150396A JP H10128272 A JPH10128272 A JP H10128272A
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incineration ashes
ash
incineration
incinerated ash
solidifying
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JP8291503A
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Yohei Hisada
陽平 久田
Shigeru Yamazaki
茂 山崎
Kunitoshi Suzuki
邦利 鈴木
Yasuhiko Hatake
康彦 畠
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な薬品を用いることなしに、土木材料等
のリサイクル材として十分な強度の固化体を得るように
する。 【解決手段】 焼却灰を固化剤と混練して固化する焼却
灰の固化方法において、前処理として焼却灰に水分を添
加し、この焼却灰の含水率が5〜35重量%で、かつ4
0℃以上の状態で15分以上加熱する。その後、セメン
ト等の固化剤と混練して成形固化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物焼却プラン
ト等の焼却炉にて発生する燃えがらである焼却灰や集じ
ん飛灰(ばいじん)等の焼却灰を固化するための焼却灰
の固化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や都市ゴミを焼却する際に発
生する焼却灰や電気集じん機等にて集じんされた煤じん
等の焼却残渣にはカドニウム(Cd)や鉛(Pb)等の
有害な重金属が含まれていることが多く、これらのう
ち、特に有害物質の溶出量が基準値以上のものに関して
は、埋め立て処分する場合にはセメントで固化する等、
含有する重金属が溶出しないように処理してから処分し
なければならないことが法律で定められている。
【0003】そしてこの焼却灰を固化する手段として、
キレート等の薬剤や様々なセメント系の固化剤が提案さ
れ、かつこの固化剤を用いて焼却灰を固化する方法が種
々提案されている。
【0004】一方、現在、産業廃棄物や都市ゴミを焼却
した際に発生する上記焼却灰は管理型最終処分場に埋め
立て処分されているが、一般都市ゴミの焼却灰だけで
も、その量は膨大で、全国で年間500〜600万トン
ともいわれており、処分場不足が問題となっており、そ
の解決案の1つとして焼却灰を固化剤にて固化して土木
材料へリサイクル利用する要望が高まっている。
【0005】ところで、上記焼却灰をセメント等の水を
含む硬化剤にて硬化した場合、焼却灰に含まれる未反応
アルミニウムやアルミニウム化合物等の物質が、水酸化
カルシウムや水等と反応して、水素ガス等のガスを発生
し、上記固化の阻害や強度低下をもたらすので高強度の
ものはできない。
【0006】また焼却灰にはタンニン酸やフミン酸等の
有機不純物を含有するものがある。有機不純物を含有す
る焼却灰をセメントにて固化した場合、未水和粒子の周
辺に無定形物質が生成し、これらの物質が極性によりセ
メント粒子の表面に吸着されるか、またはCa++と結
合して被膜を形成し、セメントの水和反応を阻害して固
化後の強度低下をもたらすので高強度のものはできなか
った。
【0007】これに対して、焼却灰の高強度のセメント
固化体を得るために、固化剤との混練する前の焼却灰を
あらかじめ前処理するようにした従来技術が特開平5−
317830号公報及び特公昭58−49319号公報
にて知られている。
【0008】上記従来技術の前者(特開平5−3178
30号公報)のものは、焼却灰を400℃以上で1分以
上加熱し、または焼却灰に対して5〜15重量%の水を
加えて混練した後、冷却するようにしている。これは、
所定温度以上の加熱により、焼却灰中の発熱物質が発熱
しない物質に転換されるという作用が、また、所定量の
水を添加して発熱、放冷することで、発熱反応を予め終
了させて固化時の発熱を抑えるという作用をさせてい
る。そしてこれによってセメント固化時の発熱及び発熱
による割れの発生が防止され、高強度の固化体が得られ
るという効果が得られるようになっている。
【0009】また後者(特公昭58−49319号公
報)のものは、焼却灰に水と苛性アルカリを加えて加圧
接触反応させることで100℃以上の温度を発生する水
熱反応を起こし、それによってスラリー化し膨脹するこ
とで焼却灰中に含まれるセメント固形化に障害となる成
分(主に水素、一酸化炭素)を排出して不活性化するよ
うにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のう
ち、前者にあっては、この従来の発明方法により焼却灰
を処理することにより高強度の固化体を得ることができ
るとしているが、その強度はたかだか80kg/cm
であり、この固化体を土木材料等に利用する場合に、い
まだ、その強度が不十分であり、用途が少ないという問
題があった。
【0011】また、従来の技術の後者にあっては、加熱
のために水と苛性アルカリを用いているため、この苛性
アルカリの取り扱いがやっかいであり、危険性もあっ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明は上
記のことにかんがみなされたもので、固化した際に十分
な一軸圧縮強度を得ることができ、しかも苛性アルカリ
等の薬品を用いることなく安全に作業できるようにした
焼却灰の固化方法を提供しようとするもので、請求項1
記載の発明方法は、焼却灰を固化剤と混練して固化する
焼却灰の固化方法において、前処理として焼却灰に水分
を添加し、この焼却灰の含水率が5〜35重量%で、か
つ40℃以上の状態で15分以上加熱するようにしてい
る。
【0013】また、請求項2記載の発明方法は、焼却灰
を固化剤と混練して固化する焼却灰の固化方法におい
て、前処理として焼却灰に水分を添加し、この焼却灰の
初期含水率を5〜35重量%とし、湿度50%以上で、
かつ40℃以上の状態で15分以上加熱するようにして
いる。
【0014】また請求項3記載の発明方法は、請求項2
記載の発明方法における焼却灰の初期含水率を10〜2
0%にし、また請求項4記載の発明方法は、上記請求項
2または3記載の発明方法における湿度を85〜100
%にし、さらに請求項5記載の発明方法は、請求項1〜
3または4記載の発明方法における加熱温度を60〜1
00℃にし、請求項6記載の発明方法は、請求項1〜4
または5記載の発明方法における加熱時間を2〜4時間
にする。
【0015】そして請求項1〜5または6記載の発明方
法にて焼却灰を処理することにより、焼却灰中の活性シ
リカの水和反応(ポゾラン反応)が促進され、焼却灰自
体の粒度増加、及び骨材としての強度が増加される。そ
してこのときの反応物質の表面に酸化被膜を作って反応
させなくしたり、焼却灰とアルカリのガス発生反応を促
進して完了させたりする。
【0016】そして上記のように前処理した焼却灰の固
化方法によれば、焼却灰をセメント等の固化材と混練し
て成形して所定時間養生して得られる固化体は、一軸圧
縮強度が100kg/cm以上となり、特別な薬品を
用いることなしに、土木材料等のリサイクル材として充
分な強度の固化体が得られる。
【0017】また請求項7記載の発明方法は、請求項1
〜5または6記載の発明方法における処理の前に焼却灰
を250℃以上で15分以上加熱する。
【0018】また請求項8記載の発明方法は、上記請求
項7記載の発明方法における処理の前に焼却灰を加熱す
る温度を250〜900℃にし、請求項9記載の発明方
法は、上記請求項8記載の発明方法における処理の前に
焼却灰を加熱する加熱時間を2〜4時間にした。
【0019】上記請求項7,8または9記載の発明方法
において、請求項1〜5または6記載の処理の前に焼却
灰を加熱することにより、焼却灰中の有機不純物が分解
等により除去される。
【0020】これらの各請求項に記載された発明方法に
て焼却灰を前処理してから、この焼却灰にセメントと水
を混合して固化することにより、有機不純物を含有する
焼却灰であっても、特に薬品を用いることなしに、土木
材料等のリサイクル材として、充分強度を有する固化体
を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すもので、
これは未処理のまま焼却灰10kgに対して、1.4k
gのセメントと2.3kgの水を混練して固化した場
合、5kg/cmの一軸圧縮強度(28日養生)しか
ないストーカ炉焼却灰(主灰)を用い、これをホッパ1
に投入してグリズリフィーダ2にかけてから1次磁選機
3にて空き缶などの大きな金属を除去する。
【0022】ついで2次磁選機4にて小さな金属を除去
してからアルミセパレータ5にて非鉄金属を除去し、4
mmふるい6を通して粒度を調整する。ついでこれが冷
えてから、水分調整機7にて水を添加し、これの水分が
含水率10%になるように調整をする。
【0023】その後、回転式の蒸気処理機8にて、温度
100℃、湿度98%の蒸気雰囲気にて2時間攪拌す
る。ついで、この蒸気処理された焼却灰を混練機9に
て、焼却灰10kg、セメント1.4kg、水2.3k
gの割合にして混練し、これを成形機10にかけて、面
圧100kg/cmで圧縮成形して、固化体11を得
る。この固化体11は28日養生後、一軸圧縮強度を測
定したところ、130kg/cmであった。この固化
体11は図に示すように円柱状のもの、あるいは図示し
ない矩形状のものがある。
【0024】図2は本発明の第2の実施の形態を示すも
ので、これは、有機不純物を含んでいるために、上記第
1の実施の形態による処理、すなわち、蒸気処理してか
らセメント固化しても、5kg/cm以下の一軸圧縮
強度(28日養生)しかでないストーカ炉焼却灰を、以
下のように前処理してからセメント固化した。なおこの
第2の実施の形態の説明において、図1に示す第1の実
施の形態と同一部分は同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0025】上記焼却灰(原灰)をホッパ1に投入して
グリズリフィーダ2にかけてから1次磁選機3にて大き
な金属を除去してから回転式の加熱処理機12にて焼却
灰を400℃で2時間加熱する。
【0026】その後、2次磁選機4にて小さな金属を除
去してからアルミセパレータ5にて非鉄金属を除去し、
4mmふるい6を通して粒度を調整する。ついでこれが
冷えてから、水分調整機7にて水を添加し、焼却灰の水
分が含水率10%になるように調整する。
【0027】その後、回転式の蒸気処理機8にて、温度
100℃、湿度98%の蒸気雰囲気にて2時間攪拌す
る。ついで、この蒸気処理された焼却灰を混練機9に
て、焼却灰10kg、セメント1.4kg、水2.3k
gの割合にして混練し、これを成形機10にかけて、面
圧100kg/cmで圧縮成形して固化体11を得
る。この固化体11は28日養生後、一軸圧縮強度を測
定したところ、136kg/cmであった。この固化
体11は円柱状以外に矩形状でもよい。
【0028】上記両実施の形態においての、回転式の蒸
気処理機8内での焼却灰の反応メカニズムは必ずしも明
らかでないが、以下の反応が主体であろうと考えられ
る。(1)CaO+SiO+HO→xCaO・yS
iO・HO等の水和反応(ポゾラン反応)により、
焼却灰の骨材としての強度を向上させる。(2)2Al
+6HO→2Al(OH)+3H↑等の反応によ
り活性成分の表面に酸化被膜を作って不活性化し、ガス
の発生を防止する。(3)2Al+2NaOH+2H
O→2NaAlO+3H↑等のガス反応を促進して
固化剤との混練前に完了させる。
【0029】また第2の実施の形態における回転式の加
熱処理装置12での加熱処理における反応はCxHyO
z→xCO+y/2HOが行われ、有機不純物(C
xHyOz)が酸化分解されていると考えられる。
【0030】以下に、ストーカ炉焼却灰を加熱処理し、
水分調整した後に蒸気処理した第2の実施の形態におけ
る処理の各種条件下における成形後の固化体の強度を調
べた結果を示す。なお、以下において条件範囲とは固化
体の一軸圧縮強度が100kg/cm以上得られる範
囲を、また実験的に好ましい範囲とは最も高強度が得ら
れる範囲をいう。
【0031】図3は、蒸気処理時の初期含水率に対する
強度を示すもので、ストーカ炉焼却灰を400℃で2時
間加熱処理した後、水分調整機7にて水分調整して、蒸
気処理時の初期含水率が5,10,20,35%の各焼
却灰を100℃、2時間、湿度98%の蒸気処理した
後、それぞれの焼却灰10kgに、セメント1.4k
g、水2.3kgを混練して成形して得られる固化体の
一軸圧縮強度(28日養生)kg/cmを示す。この
図からわかるように、蒸気処理時の初期含水率は5〜3
5%が条件範囲であり、実験的に好ましい範囲としては
10〜20%である。
【0032】図4は、蒸気処理温度に対する強度を示す
もので、焼却灰を400℃で2時間加熱処理した後、1
0%の含水率に調整し、蒸気温度を20,40,60,
85,100℃にしてそれぞれ2時間、湿度98%で蒸
気処理した場合の固化体の強度を示す。この図からわか
るように、蒸気処理時における蒸気の温度の条件範囲は
40℃以上、実験的に好ましい範囲は60〜100℃で
ある。
【0033】図5は、蒸気処理湿度に対する強度を示す
もので、焼却灰を400℃で2時間加熱処理した後、含
水率10%に調整し、その後、温度が85℃で、湿度が
30,50,85,98%の蒸気でそれぞれ2時間処理
した場合の固化体の強度を示す。この図からわかるよう
に、蒸気雰囲気の湿度の条件範囲は50%以上であり、
実験的に好ましい範囲は85〜100%である。
【0034】図6は、蒸気処理時間に対する強度を示す
もので、焼却灰を400℃で2時間加熱処理し、これの
含水率を10%に調整し、その後、温度100℃、湿度
98%の蒸気で、10分、15分、2時間、4時間でそ
れぞれ処理した場合の各固化体の強度を示す。この図か
らわかるように、蒸気の処理間の条件範囲は15分以上
であり、実験的に好ましい範囲は2〜4時間である。
【0035】図7は、上記加熱処理温度に対する強度を
示すもので、これは未処理及び加熱温度が200,25
0,400,600,800,900℃でそれぞれ2時
間処理した場合のそれぞれの焼却灰を初期含水率10
%,100℃、2時間、湿度98%で蒸気処理した場合
の固化体の一軸圧縮強度を示すもので、この図から条件
範囲は250℃以上、実験的に好ましい範囲は250〜
900℃であることがわかった。
【0036】図8は、加熱処理時間に対する強度を示す
もので、焼却灰を400℃で、15分、2時間、4時間
でそれぞれ加熱処理し、それぞれの焼却灰を初期含水率
10%、100℃、2時間、湿度98%で蒸気処理した
場合の固化体の強度を示す。この図からわかるように、
加熱処理時間の条件範囲は15分以上、実験的に好まし
い範囲は2〜4時間である。
【0037】また次に、請求項1記載の発明の実施の形
態について示す。表1は蒸気処理時の加熱温度と、灰の
含水率が5〜35%の範囲内にある時間を変化させて処
理した場合の強度を示すものである。焼却灰を30℃、
38℃、40℃、45℃、50℃、80℃、100℃
で、この焼却灰の含水率が5〜35%の範囲にある時間
が10分、15分、30分、2時間、4時間でそれぞれ
処理した後、焼却灰10kg,セメント1.4kg、水
2.3kgの割合で混練し、100kg/cmの面圧
で圧縮成型した際の固化体の強度を示している。
【0038】また図9は、表1に示したデータをグラフ
上にプロットしたものである。そして表1及びこの図9
において、強度が100kg/cm以上のデータを
○、100kg/cm未満を×で示す。
【0039】飽和水蒸気量以下の雰囲気において、一般
に加熱に従い焼却灰の含水率は低下していく。ここでは
焼却灰の含水率が35%以下になった時間から5%未満
になるまでの時間を「焼却灰の含水率が5〜35%の範
囲にある時間」としている。
【0040】図10は「焼却灰の含水率が5〜35%の
範囲にある時間」を説明するために、例として表1のN
o.11,12,24,28,34のデータについて、
加熱時間に対する焼却灰の含水率変化を示したものであ
る。
【0041】このうち一例として、No.11,12の
データについて詳しく説明する。No.12(例2)
は、焼却灰に水分を添加して焼却灰の初期含水率を7%
に調整し、40℃の状態で加熱したときのデータであ
る。5分ごとに焼却灰の含水率変化を測定した結果を図
10中▲印で示す。このとき、水分は徐々に蒸発してい
き、その過程で15分のあいだ、含水率が5〜35%の
範囲にあった。処理後の焼却灰を、灰10kg、セメン
ト1.4kg、水2.3kgで混練して成形して得られ
た固化体の一軸圧縮強度(28日養生)は、101kg
/cmであった。
【0042】No.11は、焼却灰に水分を添加して焼
却灰の初期含水率を6%に調整し、40℃の状態で加熱
したときのデータである。5分ごとに焼却灰の含水率変
化を測定した結果を図10中○印で示す。このとき、水
分は徐々に蒸発していき、その過程で含水率が5〜35
%の範囲に10分間しかなかった。処理後の焼却灰を成
形して得られた固化体の一軸圧縮強度(28日養生)
は、39kg/cmであった。表1および図10から
わかるように蒸気処理の条件範囲は、焼却灰の含水率が
5〜35%の範囲にある時間が15分以上、かつ処理温
度が40℃以上の場合である。本条件を満足していれ
ば、その前後の処理条件は関係しない。
【0043】
【表1】
【0044】上記各実施の形態において蒸気処理、及び
加熱処理と蒸気処理した焼却灰等の焼却残渣を成形する
際に,焼却灰10kgに固化剤としてセメントを1.4
kg、水2.3kg添加して混練機9にて混練してから
成形機10にて成形する例を示したが、上記固化剤はセ
メントに限るものではない。
【0045】すなわち、焼却灰や煤塵等の焼却残渣に含
まれるCdやPb等の重金属の溶出量は固化物のpHに
大きく依存することが知られており、溶液中における固
化物のpHと上記重金属の溶解度との関係の一例を示す
と図11のようになる。図中aはCd、bはPbのpH
に対する溶解度の関係を示すもので、この図より、pH
が9.5〜11.5の範囲でのPbの溶解度は小さい
が、これの前後で大きく、特にpHが約12を越えたア
ルカリ側での溶解度は著しく大きくなる。
【0046】セメント系の固化剤で焼却残渣を固化する
場合、固化物の溶液は一般的に強アルカリを示すため、
Pb等の両性重金属の溶出が主に問題となるが、pHを
低く抑えながら機械的強度を発現する固化剤が存在する
ならば上記機械的強度と溶出防止性の双方を両立させる
ことができる。
【0047】高炉スラグ、フライアッシュ、ポゾラン等
の潜在水硬性、あるいはポゾラン活性を示す混和材は水
添加による硬化に際して水酸化イオン(OH)を減少
させる作用があることから、水硬性のセメントとこれら
の混和材を焼却残渣に対してある比率で配合して適当量
の水を加えて混練後、押出し成形や圧縮成形等の成形法
にて常温で成形することにより、CdやPb等の溶出防
止性と機械的強度が両立した土木材料等にリサイクル使
用できる固化品を得ることができる。
【0048】この場合の固化剤としては、セメント:
0.1〜29wt%、潜在水硬性、あるいはポゾラン活
性を示す混和剤:71〜99.9wt%に配合したも
の、あるいは、潜在水硬性、あるいはポゾラン活性を示
す混和材を含む混合セメント:0.1〜97wt%、潜
在水硬性、あるいはポゾラン活性を示す混和材:3〜9
9.9wt%に配合したものがあり、これらの固化剤
は、焼却残渣:30〜90wt%に対して10〜70w
t%配合すると共に必要量の水を加えて混練し、成形す
る。
【0049】このような実施例によっては、成形後の2
8日養生後の強度は土木材料として使用に耐えられる強
度(一軸圧縮強度100kg/cm)となり、また特
に、CaやPb等の重金属が溶出することがないように
固化することができ、環境庁告示第46号法で定められ
ている土壌環境基準(鉛の溶出量0.01mg/l)以
下におさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す説明図であ
る。
【図3】蒸気処理時の初期含水率に対する強度を示す線
図である。
【図4】蒸気処理温度に対する強度を示す線図である。
【図5】蒸気処理湿度に対する強度を示す線図である。
【図6】蒸気処理時間に対する強度を示す線図である。
【図7】加熱処理温度に対する強度を示す線図である。
【図8】加熱処理時間に対する強度を示す線図である。
【図9】表1に示したデータをプロットした線図であ
る。
【図10】加熱時間に対する焼却灰の含水率の変化を示
す線図である。
【図11】pHと重金属の溶解度の関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1…ホッパ 2…グリズリフィーダ 3,4…磁選機 5…アルミセパレータ 6…ふるい 7…水分調整機 8…蒸気処理機 9…混練機 10…成形機 11…固化体 12…加熱処理機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 康彦 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰を固化剤と混練して固化する焼却
    灰の固化方法において、 前処理として焼却灰に水分を添加し、この焼却灰の含水
    率が5〜35重量%で、かつ40℃以上の状態で15分
    以上加熱することを特徴とする焼却灰の固化方法。
  2. 【請求項2】 焼却灰を固化剤と混練して固化する焼却
    灰の固化方法において、 前処理として焼却灰に水分を添加し、この焼却灰の初期
    含水率を5〜35重量%とし、湿度50%以上で、かつ
    40℃以上の状態で15分以上加熱することを特徴とす
    る焼却灰の固化方法。
  3. 【請求項3】 焼却灰の初期含水率が10〜20重量%
    であることを特徴とする請求項2記載の焼却灰の固化方
    法。
  4. 【請求項4】 湿度が85〜100%であることを特徴
    とする請求項2または3記載の焼却灰の固化方法。
  5. 【請求項5】 加熱温度が60〜100℃であることを
    特徴とする請求項1,2,3または4記載の焼却灰の固
    化方法。
  6. 【請求項6】 加熱時間が2〜4時間であることを特徴
    とする請求項1,2,3,4または5記載の焼却灰の固
    化方法。
  7. 【請求項7】 前処理の前に焼却灰を250℃以上で1
    5分以上加熱することを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5または6記載の焼却灰の固化方法。
  8. 【請求項8】 前処理の前に焼却灰を加熱する温度が2
    50〜900℃であることを特徴とする請求項7記載の
    焼却灰の固化方法。
  9. 【請求項9】 前処理の前に焼却灰を加熱する加熱時間
    が2〜4時間であることを特徴とする請求項8記載の焼
    却灰の固化方法。
JP8291503A 1996-11-01 1996-11-01 焼却灰の固化方法 Pending JPH10128272A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008272598A (ja) * 2007-03-19 2008-11-13 Okayama Univ 廃棄物の処理方法
JP2015178060A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 住友大阪セメント株式会社 排ガス処理方法及び処理装置

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