JP3002974U

JP3002974U - オゾンを包含した焼成塊

Info

Publication number: JP3002974U
Application number: JP1994000706U
Authority: JP
Inventors: 春雄山本
Original assignee: 株式会社ボーゲンファイル
Priority date: 1994-01-20
Filing date: 1994-01-20
Publication date: 1994-10-11
Anticipated expiration: 2000-01-20

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、灰塵、上水汚泥をはじめとする諸種
汚泥の低コスト処理が可能であるとともに灰塵の無害化
が可能であり、環境浄化機能をも備えた新規なオゾンを
包含した焼成塊を提供する。【構成】本考案に係るオゾンを包含した焼成塊１は、焼
却灰或いは飛灰等からなる灰塵２と、上水汚泥をはじめ
とする諸種の汚泥４、ベントナイト３、ガラスカレット
５からなる原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、
電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したも
のである。この構成により、重金属類の溶出が無くなり
無害化が図れ、殺菌、脱臭、除菌の各作用、重金属、悪
臭分子成分の吸着分解作用をも発揮させることができる
オゾンを包含した焼成塊を実現できる。

Description

【考案の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本考案は、オゾンを包含した焼成塊に関し、詳しくは、特に灰塵（焼却灰や飛灰等）、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥の低コスト処理が可能であるとともに灰塵の無害化が可能であり、環境浄化機能をも備えたオゾンを包含した焼成塊に関する。

【従来の技術】

従来、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥、焼却灰や飛灰等の灰塵の処理方法として、最終処分場において地中に埋め立てたり、コンクリートに混ぜて固化したり、更には樹脂を用いて硬化させたり、高温の炉中で溶かす溶融炉法等が実施され又は検討されているのが実情である。一方、従来においては、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥及び灰塵と、ガラスカレット等とを混練し、単に焼成処理して焼成物とするような処理手段が存在する。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥や灰塵を最終処分場において地中に埋め立ることは、過去に行ってきた同様な埋め立て処理による地下水の汚染や環境汚染が顕在しつつあることに鑑み、近々、法規制により不可能になるという状況にある。また、灰塵をコンクリートに混ぜて固化することは、酸性雨や酸度の高い水などでコンクリートが溶解することから灰塵に含まれる重金属の溶出が懸念される。更に、灰塵を樹脂を用いて硬化させることは、樹脂層の亀裂、劣化、崩壊等によりコンクリート固化の場合と同様に溶出汚染が懸念される。また、灰塵を高温の炉中で溶かす溶融炉法の場合には、頑丈で高価な溶融炉を建造し、且つ、焼却灰、飛灰の溶解に摂氏１３００乃至１４００度程度の高温で、しかも、多大な熱エネルギーを必要とすることから、その処理コストの高騰を招くとともに建設費、運転維持管理費が莫大になってしまうという問題がある。更に、前記したように、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥、灰塵及びガラスカレット等を混練し、単に焼成しただけの処理で焼成物とする従来技術が存在するが、このような処理技術においては、この焼成物自体に臭いが残ってしまうという問題とともに、該焼成物に触れた水のＨｐ値がアルカリ側に移行してしまう等の問題があった。そこで、本考案は、このような従来の実情に鑑み開発されたものであり、その目的とするところは、焼成塊自体から臭いを消し、灰塵の低コスト処理が可能であるとともに灰塵の無害化が可能であり、環境浄化機能をも備えた新規なオゾンを包含した焼成塊を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

請求項１記載に係るオゾンを包含した焼成塊は、焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、ベントナイトとを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したものである。請求項２記載に係るオゾンを包含した焼成塊は、焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、ベントナイト、ガラスカレットからなる原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理或いはオゾン処理して塊状に形成したものである。請求項３記載に係るオゾンを包含した焼成塊は、焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、上水汚泥をはじめとする諸種の汚泥、ガラスカレットからなる原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したものである。請求項４記載に係るオゾンを包含した焼成塊は、焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、上水汚泥をはじめとする諸種の汚泥、ベントナイト、ガラスカレットからなる原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したものである。請求項５記載に係るオゾンを包含した焼成塊は、前記オゾンを包含した焼成塊は、粒状、球状、楕円球状、立方体状、直方体状の内のいずれかの形状にしたものである。

【作用】

請求項１乃至４記載のオゾンを包含した焼成塊によれば、灰塵とベントナイト、又は灰塵とベントナイト及びガラスカレットからなる原料、或いは灰塵と上水汚泥をはじめとする諸種の汚泥及びガラスカレットからなる原料、若しくは灰塵とベントナイト、上水汚泥をはじめとする諸種の汚泥及びガラスカレットからなる原料とを、粉砕し、混練処理、焼結焼成処理した後、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したものであるから、前記原料の組成に物理的、化学的変化を生じ、オゾンを組成中の細孔や空洞に最大限包含でき、オゾンによる殺菌、脱臭、除菌の各作用を発揮させることができるとともに、当該オゾンを包含した焼成塊そのものの他、該焼成塊の周囲の悪臭分子成分の吸着分解をも可能とする特性を持たせることができる。請求項５記載のオゾンを包含した焼成塊によれば、前記請求項１乃至４記載のオゾンを包含した焼成塊を、球状等々に形成したので、製品として扱い易い形状となり、取扱いが容易となる。

【実施例】

以下、本考案に係るオゾンを包含した焼成塊のそれぞれの実施例を詳細に説明する。図４に示すオゾンを包含した焼成塊１は、塊状、例えば直径５乃至１５ｍｍ程度の球状に形成されている。このオゾンを包含した焼成塊１は、焼却灰、飛灰等の灰塵２（図１において● 状で示す）と、ベントナイト３（図４において○で示す）、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥４（図４において△で示す）、ガラスカレット５（図４において□ で示す）からなる原料とを、粉砕し、混練・造粒し、更に、焼結焼成処理及び電磁波の照射又はオゾン処理を行って直径５乃至１５ｍｍ程度の球状に形成したものである。図１に示すように、原料としてベントナイト３を用い、灰塵２と、ベントナイト３とを、粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成しても良い。また、図２に示すように、原料としてベントナイト３及びガラスカレット５を用い、灰塵２と、ベントナイト３、ガラスカレット５とを、粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成するようにしても良い。更に、図３に示すように、原料として上水汚泥をはじめとする諸種汚泥４及びガラスカレット５を用い、灰塵２と、上水汚泥をはじめとする諸種汚泥４、ガラスカレット５とを、粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成するようにしても良い。次に、上述したオゾンを包含した焼成塊１の製造工程を図５を参照して詳細に説明する。図５に示すように、先ず、焼却灰、飛灰等の灰塵２を加熱乾燥した後、篩にかけて夾雑物を除去（選別）し、更に、粉砕する。そして、図４の実施例で示す原料としてのベントナイト３、汚泥４、ガラスカレット５も同様に粉砕した後、これらの原料と灰塵２とを混練し、所望の大きさ、例えば直径５乃至１５ｍｍ程度の球状に造粒し素材とし、該素材に対して予備乾燥を行った後、更に燒結焼成を行う。なお、図１乃至図３に示す各実施例における灰塵２と各実施例のそれぞれの原料とをもってオゾンを包含した焼成塊１を得る場合も、上述したと同様の処理工程を施す。この後、上記焼結焼成処理した素材を冷却するとともに、この冷却時点より該素材に対して電磁波の照射又はオゾン雰囲気を通過させるオゾン処理を行い製品としてのオゾンを包含した焼成塊１を得る。前記した焼成塊１の製造工程において燒結焼成処理を行うのは、造粒した素材の無害化を図るとともに、形成された焼成塊１を、土木資材、軽量コンクリート材、透水性タイルやブロック等々として積極的に使用できるようにするためである。原料としてのベントナイト３は、別名モンモリロライトと称され、食品添加物として認められ、また、古くから医薬品原料としても用いられている。このベントナイト２は含水アルミニウムケイ酸塩（粘土鉱物）の一種で理論組成はＡｌ₂ Ｏ₃・４ＳｉＯ₂・ｎＨ₂Ｏで示され、塩基置換量が極めて大きく吸着性に優れている。このベントナイト３は、粉砕されて用いられる。本実施例で用いる原料としてのガラスカレット５は、別名ガラス粉と称され粉状である。上述した製造工程において、灰塵２と前記各原料とを混練し５乃至１５ｍｍ程度の球状に造粒するのは、その後の焼結焼成処理における均一化を図ること、製品として扱い易い形状にすること等の理由による。このような本考案においては、前述の通り、造粒した素材の無害化を図れるとともに、形成された焼成塊１を、土木資材、軽量コンクリート材、透水性タイルやブロック等々として積極的に使用でき、また、摂氏約１１００度の温度範囲内で素材の焼結焼成を行うので、従来における高温の溶融炉法に比べ、省エネルギー化、設備コストの低廉化をも図ることができる。更に、焼結焼成処理した素材を冷却しながら、この素材に対する電磁波の照射を行うことで、又はオゾン雰囲気を通過させるオゾン処理によって、オゾンを組成物中の細孔や空洞に最大限包含させることができ、オゾンによる殺菌、脱臭や除菌の各作用を発揮させることができ、且つ、製品そのものの他、当該製品の周囲の悪臭分子成分の吸着分解をも可能とする特性を持たせることができる。また、当該オゾンを包含した焼成塊１を悪環境に用いることで、環境改善の作用効果をも奏する。以上詳述したように、本考案に係る焼成塊１によれば、重金属類の溶出が無くなって無害化が図れ、殺菌、脱臭、除菌の各作用、重金属、悪臭分子成分の吸着分解作用をも発揮させることが可能になるとともに、摂氏約１１００度の温度範囲内で素材の焼結焼成を行うことができるので、この種の従来の処理手段である高温の溶融炉法に比べ、低コスト処理、省エネルギー化、設備コストの低廉化をも図ることができる。本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

【考案の効果】

以上詳述した本考案のオゾンを包含した焼成塊によれば、以下のそれぞれの効果を奏する。請求項１乃至４記載のそれぞれのオゾンを包含した焼成塊によれば、重金属類の溶出が無くなって無害化が図れ、殺菌、脱臭、除菌の各作用、重金属、悪臭分子成分の吸着分解作用をも発揮させることができ、摂氏１１００度の温度範囲内で素材の焼結焼成を行うことができるので、従来におけるこの種の高温の溶融炉法に比べ、低コスト処理、省エネルギー化、設備コストの低廉化をも図ることができる。請求項５記載のオゾンを包含した焼成塊によれば、前記請求項１乃至４記載のオゾンを包含した焼成塊を、球状等々に形成したので、製品として扱い易い形状となり、取扱いが容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のオゾンを包含した焼成塊の実施例を示
す概略断面図

【図２】本考案のオゾンを包含した焼成塊の別の実施例
を示す概略断面図

【図３】本考案のオゾンを包含した焼成塊の別の実施例
を示す概略断面図

【図４】本考案のオゾンを包含した焼成塊の別の実施例
を示す概略断面図

【図５】本考案のオゾンを包含した焼成塊の製造工程例
を示す工程図

【符号の説明】

１オゾンを包含した焼成塊２灰塵３ベントナイト４汚泥５ガラスカレット

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成６年５月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項５

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、ベン
トナイトとを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波
の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したことを特
徴とするオゾンを包含した焼成塊。
【請求項２】焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、ベン
トナイト、ガラスカレットからなる原料とを粉砕し、混
練処理、焼結焼成処理、電磁波の照射処理又はオゾン処
理して塊状に形成したことを特徴とするオゾンを包含し
た焼成塊。
【請求項３】焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、上水
汚泥をはじめとする諸種の汚泥、ガラスカレットからな
る原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成処理、電磁波の
照射処理又はオゾン処理して塊状に形成したことを特徴
とするオゾンを包含した焼成塊。
【請求項４】焼却灰或いは飛灰等からなる灰塵と、上水
汚泥をはじめとする諸種の汚泥、ベントナイト、ガラス
カレットからなる原料とを粉砕し、混練処理、焼結焼成
処理、電磁波の照射処理又はオゾン処理して塊状に形成
したことを特徴とするオゾンを包含した焼成塊。
【請求項５】前記オゾンを包含した焼成塊は、粒状、球
状、楕円球状、立方体状、直方体状の内のいずれかの形
状である請求項１乃至４記載のオゾンを包含した焼成
塊。