JP2005279521A - 飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法 - Google Patents

飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素と、例えば鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素とをいずれも確実に単一の処理工程で固定する。
【解決手段】フッ素元素及び重金属元素を含む飛灰100質量部に、平均粒径が250μm 以下の高炉徐冷スラグの粉末、高炉水砕スラグの粉末又は高炉風砕スラグの粉末の1種又は2種以上を組合せた粉末100質量部以上400質量部以下を添加して混合した後に造粒物を形成することによって、CaO−Al2O3−SiO2―H2O−F系化合物又はゲル、CaO−Al2O3―SiO2―H2O−MeO系化合物又はゲル、及び、CaO−Al2O3―SiO2―H2O−F−MeO系化合物又はゲルを、いずれも生成することによって、フッ素元素及び重金属元素をいずれも固定する。

Description

本発明は、例えばシュレッダーダストを焼却処理した際に発生する飛灰等の、フッ素元素及び重金属元素を高濃度で含む飛灰のフッ素元素及び重金属元素の固定方法に関する。
世界的な環境問題の高まりを背景に、廃棄物の低減やリサイクルを推進することによって、これまで以上に環境に配慮した社会システムを構築することが全世界的な急務となっている。
廃自動車や廃家電品を破砕して有価金属を回収した後に残るシュレッダーダストの発生量は、現在、我が国内だけでも年間約120万トンに達する。このシュレッダーダストは、プラスチック樹脂やゴムさらには繊維類等を主体として金属等の不燃物も含んだ混合物である。このため、シュレッダーダストに通常の焼却処理を行っても適正に処理することが難しいことから、従来は、発生したシュレッダーダストのほぼ全量が、そのまま埋め立て処分を行っても環境保全上問題のないものを埋め立て処分する安定型最終処分場に埋め立て処分されてきた。しかし、この安定型最終処分場の周辺の地下水の汚染を防止することを目的として平成8年4月に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され、シュレッダーダストは、遮水構造や浸出液処理設備等を備えた管理型最終処分場に埋め立て処分することが義務付けられるようになった。
しかしながら、プラスチック樹脂が占める容積割合が約50%程度にも達するシュレッダーダストはそもそもかさばるものであるとともに、このような管理型最終処分場は建設費が高価であることからその絶対数が根本的に不足している。このため、管理型最終処分場への埋め立て処分費の高騰が顕在化してきており、シュレッダーダストを減容化しながら処理できる新たな処理技術の確立が強く望まれている。
そこで、近年、シュレッダーダスト等の廃棄物の新たな処理技術として、処理対象である廃棄物を直接溶融炉に装入して高温で直接溶融処理する廃棄物直接溶融技術が注目されている。この廃棄物直接溶融技術は、廃棄物の減容化及び有価金属の回収をともに可能とすることから、シュレッダーダストの処理技術として最も有効なものの一つであると考えられる。しかしながら、この廃棄物直接溶融技術によりシュレッダーダストを直接溶融処理すると、フッ素元素や、鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素といった有害な元素を高濃度に含有する飛灰(以下、本明細書では「シュレッダー飛灰」という)が不可避的に発生する。このため、上述した廃棄物直接溶融技術によりシュレッダーダストの減容化を図るためには、シュレッダー飛灰に含まれるこれらの有害な元素を確実に固定する技術を確立することが不可欠である。
これまでにも、フッ素元素を固定するための発明や重金属元素を固定するための発明は、多数開示されている。
例えば、特許文献1、2には、フッ素含有廃水に、石灰や高炉スラグ等といったカルシウム供給源物質を添加することによって廃水のカルシウムイオン濃度を高め、これにより、カルシウムイオンとフッ素イオンとを反応させて安定なフッ化カルシウムを沈殿させることによって、フッ素元素を固定する発明が開示されている。
一方、特許文献3には、焼却灰に、CaO:Al2O3のモル比が0.5〜3.0であるアルミナセメント5〜20質量部、あるいはこのアルミナセメント及びポゾランからなる混合セメント8〜10質量部と、硫酸アルミニウム等の無機塩類と、水とを添加して固化処理することにより、重金属元素を固定する発明が開示されている。
これらの発明以外にも、重金属元素を高濃度に含む飛灰に薬剤を添加して混ぜ合わせて重金属元素の安定化合物を生成する薬剤混練法を利用したり、重金属元素を高濃度に含む飛灰を高温焼結してタイル化したり、あるいは、重金属元素を高濃度に含む飛灰を溶融することによって、重金属元素を固定する発明が知られている。
さらに、特許文献4には、溶融炉で発生する溶融飛灰100質量部に、ブレーン比表面積値が4000cm2/g以上の高炉水砕スラグの微粉末5〜50質量部、セメント2〜30質量部及び水10〜50質量部を添加することによって、溶融飛灰に含まれる重金属元素を固定する発明が開示されている。
特開昭59−120285号公報 特開平7−251183号公報 特開平9−10727号公報 特開平9−227181号公報
本発明者らは、多数の実験を行うことにより、これらの発明が有するフッ素元素固定能及び重金属元素固定能を詳細に確認した。その結果、これらの発明によれば、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素又は重金属元素のいずれか一方をある程度固定することは確かに可能ではあるものの、これらのいずれの発明によっても、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の両方を確実に単一の処理工程で固定することができないことがわかった。
すなわち、特許文献1、2により開示された発明は、フッ素元素を高濃度に含む溶液に、カルシウム供給源である石灰や高炉スラグ等を添加してフッ化カルシウムを生成することによりフッ素元素を固定するものである。このため、この溶液に鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素が含まれていても、供給されるカルシウムはフッ化カルシウムの生成にのみ作用するので、これらの重金属元素を固定することはできない。なお、特許文献1、2に記載された発明では、溶液のフッ素濃度が低下するに伴って溶液中におけるフッ化カルシウムの生成反応は進行し難くなるため、水環境基準の要監視項目の指針値である 0.8 mg/L 以下にフッ素濃度を低減することは技術的に不可能である。このため、フッ素元素の固定能も現在要求されるレベルに達しているとはいえない。
また、特許文献3、4に記載された発明、薬剤混練法を利用する発明、さらには飛灰を高温焼結してタイル化する発明等の重金属元素を固定する発明では、重金属元素のみが固定され、飛灰に含まれるフッ素元素を固定することはできない。なお、これらの発明の重金属元素固定能は、廃棄物判定基準をクリアすることは可能であるものの土壌環境基準をクリアすることはできない程度であり、重金属元素固定能も現在要求されるレベルに達しているとはいえない。
なお、特許文献4に記載された発明は、溶融飛灰に、高炉水砕スラグの微粉末だけではなくセメントをも添加することにより固化処理するものである。このため、固化処理された処理体の容積が大きくなることから、廃棄物の減容化に関しても改善の余地がある。
したがって、これらの発明により直接溶融技術を適用してシュレッダーダストの減容化を図ろうとしても、少なくとも、フッ素元素を除去する工程、及び重金属元素を除去する工程をそれぞれ個別に行う必要があるとともに、フッ素元素固定能及び重金属元素固定能をさらに向上させる必要があり、シュレッダー飛灰に含まれる有害な元素であるフッ素元素及び重金属元素をいずれも確実に単一の処理工程で固定することは到底できないという課題があった。
本発明の目的は、例えばシュレッダー飛灰といった飛灰に含まれるフッ素元素と、例えば鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素とをいずれも確実に単一の処理工程で固定することができる方法を提供することであり、これにより、シュレッダーダスト等の、フッ素元素及び重金属元素を含む廃棄物の減容化を現に図るものである。
上述した特許文献4等により開示された発明では、高炉スラグを重金属元素の固定に用いている。ここで、高炉スラグは40〜50質量%CaO−35〜40質量%SiO2−15〜20質量%Al2O3であり、その鉱物相は2CaO・SiO2・Al2O3や、メリライト(4CaO・Al2O3・MgO・3SiO2、8CaO・Al2O3・3MgO・7SiO2、8CaO・3Al2O3・MgO・5SiO2を代表組成とするCaO−Al2O3−MgO−SiO2系鉱物相)であることから水和反応速度が小さく、重金属を取り込む水和物生成反応速度が小さい。よって、高炉スラグ自体が有する重金属元素固定能は決して優れたものではなく、このことは当業者にはよく知られている。しかしながら、特許文献4にも開示されているように、高炉スラグ単独ではなく、水和反応性に優れたセメントとともにシュレッダー飛灰に複合添加すれば、十分ではないものの、重金属元素を一応固定することは可能である。このため、特許文献4により開示された発明では、高炉スラグをセメントと併用することによって、土壌環境基準(Pb≦0.01mg/L)を何とかクリアしている。しかし、本発明者らの検討によれば、溶融飛灰100質量部に対して高炉水砕スラグの微粉末5〜50質量部、セメント又は消石灰あるいはこれらの混合物を2〜30質量部添加しただけでは、廃棄物処理判定基準(Pb≦0.3mg/L)をクリアすることができても、土壌環境基準(Pb≦0.01mg/L)をクリアすることは、到底不可能であった。
しかも、上述したように、特許文献4により開示された発明のフッ素元素固定能は殆ど認められないため、特許文献4に記載された発明にしたがって高炉スラグをセメントとともに飛灰に添加した固化体からのフッ素の溶出を防止することはできない。
本発明者らは、上述した当業者の技術常識にとらわれることなく様々な観点から、シュレッダー飛灰に多量に含まれるフッ素元素及び重金属元素をいずれも確実に単一の処理工程で固定するための検討をに鋭意重ねた結果、高炉スラグの粉末をこれまでには検討されていない程に多量に、具体的にはシュレッダー飛灰100質量部に対して高炉スラグの粉末を100質量部以上400質量部以下添加することによって、シュレッダー飛灰に含まれる重金属元素だけではなくフッ素元素をも確実に固定することができ、これにより、単一の処理工程で水質環境基準(土壌環境基準)を十分にクリアできるようになるとの新規かつ重要な知見を得ることができ、この新たな知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、フッ素元素及び重金属元素を含む飛灰100質量部に、平均粒径が250μm 以下の高炉スラグの粉末100〜400質量部を添加して混合した後に造粒物を形成することによって、フッ素元素及び重金属元素をいずれも固定することを特徴とする飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法である。この本発明により、水質環境基準(土壌環境基準)をクリアして、フッ素元素及び重金属元素をいずれも確実に単一の処理工程で固定することができる。
この本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、フッ素元素及び重金属元素が、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F系化合物又はゲル、及び、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−MeO系化合物又はゲル、及び、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F−MeO系化合物又はゲルを、いずれも生成することによって固定されることが例示される。ここで、Meは重金属元素を示す。
これらの本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、高炉スラグの粉末が、高炉徐冷スラグの粉末、高炉水砕スラグの粉末又は高炉風砕スラグの粉末の1種又は2種以上の組合せであることが例示される。
これらの本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、飛灰と高炉スラグの粉末との混合が、水を加えて混練することによって行われるとともに、造粒物の形成が、(i)飛灰と高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後に室温で放置して凝結体とすること、(ii)飛灰と高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後に80℃以上に加温すること、(iii)飛灰と高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後にオートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧すること、又は、(iv)飛灰と高炉スラグの粉末の混練物を密閉圧力容器に封入して一軸方向に加圧しながら100℃以上に加温加圧することによって行われることが例示される。
一方、上述した本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、飛灰と高炉スラグの粉末との混合が、乾燥状態で混合することによって行われるとともに、造粒物の形成が、飛灰と高炉スラグの粉末の混合物を所定の形状に加圧成形した後に水に浸漬して吸水させた後に、(i)室温で乾燥すること、(ii)80℃以上に加温すること、又は、(iii)オートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧することによって行われることが例示される。
これらの本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、飛灰100質量部に、固定化反応促進剤として石膏10〜40質量部を添加すること、及び/又は、凝結補助剤としてセメントを高炉スラグの粉末の20質量部以下添加することが、望ましい。
さらに、これらの本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法では、飛灰が、シュレッダーダストを焼却処理した際に発生する飛灰であることが例示される。
本発明により、例えばシュレッダー飛灰といった飛灰に含まれるフッ素元素と、例えば鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素とをいずれも確実に単一の処理工程で固定することができる。これにより、直接溶融技術によるシュレッダーダスト等のフッ素元素及び重金属元素を含む廃棄物の減容化を現に図ることができるとともに、水質環境基準(土壌環境基準)を十分にクリアすることができる。
以下、本発明に係る飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法を実施するための最良の形態を、詳細に説明する。なお、以降の説明では、フッ素元素及び重金属元素を含む飛灰がシュレッダー飛灰である場合を例にとるが、本発明はシュレッダー飛灰にのみ限定されるものではなく、シュレッダー飛灰以外であってもフッ素元素及び重金属元素を含む飛灰であれば同様に適用可能である。
本実施形態では、フッ素元素及び重金属元素を含むシュレッダー飛灰100質量部に、平均粒径が250μm 以下の高炉スラグの粉末100質量部以上400質量部以下を固定剤として添加して混合した後に造粒物を形成することによって、フッ素元素及び重金属元素をいずれも固定する。そこで、以下、シュレッダー飛灰、固定剤及び固定処理について、順次説明する。
[シュレッダーダストを焼却処理した際に発生するシュレッダー飛灰]
本実施の形態では、処理されるシュレッダー飛灰は、廃自動車や廃家電品を破砕して有価金属を回収した後に残るシュレッダーダストを、直接溶融炉に装入して高温で直接溶融処理する際に発生する飛灰である。具体的には、例えば直接溶融炉、ストーカー炉又は流動床炉等の公知の焼却炉によってシュレッダーダストが焼却処理された際にこれら焼却炉に設けられた集塵装置(バグフィルタ)により捕捉される飛灰を意味する。
シュレッダー飛灰は粉状をなす。シュレッダー飛灰の組成は、例えば、シュレッダーダストの生因や焼却操業法等の各種要因により変動する。しかし、シュレッダー飛灰は、一般的に、フッ素元素及び重金属元素を含んでいる。一般的に、シュレッダー飛灰におけるフッ素量は0.05〜0.3質量%程度であり、重金属量はトータルで0.9〜10質量%程度である。
[固定剤]
本実施の形態では、高炉スラグの粉末を固定剤として用いる。
本実施の形態において「高炉スラグの粉末」とは、高炉徐冷スラグの粉末、高炉水砕スラグの粉末又は高炉風砕スラグの粉末の1種又は2種以上を混合した粉末を意味する。
高炉徐冷スラグとは、高炉操業において出滓されたスラグを徐冷することにより得られるスラグを意味する。高炉徐冷スラグには、2CaO・SiO2・Al2O3やメリライト(4CaO・Al2O3・MgO・3SiO2、8CaO・Al2O3・3MgO・7SiO2、8CaO・3Al2O3・MgO・5SiO2を代表組成とするCaO−Al2O3?MgO−SiO2系鉱物相)が鉱物相として含まれている。
高炉水砕スラグとは、高炉操業において出滓されたスラグを水力によって急冷したスラグを意味し、一方、高炉風砕スラグとは、高炉操業において出滓されたスラグを風力によって急冷したスラグを意味する。高炉水砕スラグ及び高炉風砕スラグは、いずれも通常はアモルファス化しており、鉱物相は存在しない。
本実施形態では、これらの高炉スラグの粉末を用いるが、この粉末の平均粒径が250μm を超えると、飛灰との反応界面積が減少するため、水存在下においてフッ素元素及び重金属元素を十分に固定することができなくなるおそれがある。そこで、本実施の形態では、高炉スラグの粉末の平均粒径は250μm 以下とする。このような観点からは高炉スラグの粉末の平均粒径の下限を規定する必要はないが、平均粒径が5μm を下回ると粉末の製造コストが上昇するため、5μm 以上の平均粒径を有することが望ましい。
また、固定剤である高炉スラグの粉末の添加量が、シュレッダー飛灰100質量部に対して100質量部未満であると、これら高炉スラグの粉末とシュレッダー飛灰との反応界面積が十分ではなくなり、水存在下においてフッ素元素及び重金属の固定反応が不十分になるおそれがある。これらの傾向は、フッ素濃度及び/又は重金属濃度の高いシュレッダー飛灰においてよりいっそう顕著になる。一方、高炉スラグの粉末の添加量が、シュレッダー飛灰100質量部に対して400質量部を超えると、フッ素元素及び重金属元素の固定効果は飽和しそれ以上の向上は望めないとともにコスト高となって減容化を阻害する。
そこで、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定を確実に行って水質環境基準(土壌環境基準)を十分にクリアする造粒物を得るために、本実施の形態では、シュレッダー飛灰100質量部に対して高炉スラグの粉末を100質量部以上400質量部以下添加する。
[固定処理]
本発明では、上述した高炉スラグの粉末を用い、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素を固定する。
シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素は、これら飛灰に高炉スラグの粉末を適量添加した後に十分混合し、さらに、水の存在下で混練した後に所定の形状の造粒物に成形した後に室温で放置して凝結させて凝結体とすることにより、シュレッダー飛灰と高炉スラグの粉末を水和反応させることにより、固定される。この際、混合時にアルカリ刺激剤として、強アルカリ性を有する物質(例えば、水酸化カルシウム、転炉スラグ)を高炉スラグに対して5質量%程度添加することは、凝結体の強度向上のために望ましい。
また、この場合、所定の形状の造粒物に成形した後に、室温で放置するのではなく、この造粒物を80℃以上に加温することにより、シュレッダー飛灰と高炉スラグの粉末との間の水和反応を促進でき、飛灰中のフッ素元素及び重金属元素の固定を促進できる。造粒物を80℃以上に加熱する際には、蒸気養生装置を用いてこの造粒物を80℃以上に加温加湿することが、飛灰中のフッ素元素及び重金属元素の固定化を促進させるためには、より望ましい。
さらに、所定の形状の造粒物に成形した後に、室温で放置したり80℃以上に加熱するのではなく、オートクレーブを用いてオートクレーブ処理を行うことによって100℃以上に加温加圧することが、飛灰中のフッ素元素及び重金属元素の固定化を促進するためには望ましい。
また、シュレッダー飛灰に高炉スラグの粉末を上述した量添加した後に十分混合し、さらに水の存在下で混練した後、密閉式の加圧成形容器に装入し、油圧等を利用した一軸加圧装置で加圧しながら密閉圧力容器を100℃以上に加温することにより造粒物とすれば、シュレッダー飛灰と高炉スラグの粉末の密着性が向上し、シュレッダー飛灰中のフッ素元素及び重金属元素の固定化を促進できるために望ましい。
また、このように水の存在下でシュレッダー飛灰と高炉スラグの粉末とを混合するのではなく、シュレッダー飛灰に高炉スラグの粉末を適量添加した後に十分混合し、乾燥状態で所定の形状の造粒物に加圧成形することによって飛灰と高炉スラグの粉末との密着性を高めた後に、水に浸漬して吸水させた後に、(i)室温で乾燥すること、(ii)80℃以上に加温すること、又は、(iii)オートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧することによれば、飛灰と高炉スラグの粉末との間の水和反応を促進でき、飛灰中のフッ素元素及び重金属元素を確実に固定することができる。
なお、この際に、造粒物に求める強度や硬度等に応じて、ポルトランドセメントや高炉セメントを併用してもよく、これらのセメントは飛灰中のフッ素元素及び重金属元素の固定にも有利に作用する。
[固定の作用]
本実施の形態により、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素が固定化される機構を、以下に説明する。
本発明者らの検討結果によれば、CaO−Al2O3系化合物は、水共存下でフッ素イオンと反応してCaO−Al2O3−H2O−F系化合物を生成することによりフッ素イオンを固定する。また、CaO−SiO2系化合物は、水共存下でフッ素イオンと反応してCaO−SiO2−H2O−F系化合物又はゲルを生成することによりフッ素イオンを固定する。しかし、CaO−SiO2−H2O−F系化合物又はゲルのフッ素イオンの固定能は、CaO−Al2O3−H2O−F系化合物よりも低い。
一方、CaO−Al2O3系化合物は、水共存下で重金属イオンと反応してCaO−Al2O3−H2O−MeO(Meは重金属元素)系化合物を生成することにより重金属元素を固定する。また、CaO−SiO2系化合物は、水共存下で重金属イオンと反応してCaO−SiO2−H2O−MeO系化合物又はゲルを生成することにより重金属元素を固定する。
しかしながら、本実施の形態で用いる固定化剤は高炉スラグの粉末であり、高炉スラグとして高炉徐冷スラグを用いた場合、高炉徐冷スラグにはCaO−Al2O3−SiO2系化合物及びCaO−Al2O3−SiO2−MgO系化合物が含まれるため、本実施の形態の固定の機構は、CaO−Al2O3系化合物及びCaO−SiO2系化合物の上述した反応機構では説明できない。本実施の形態では、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F系化合物又はゲルと、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−MeO系化合物又はゲルと、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F−MeO系化合物又はゲルが生成することにより、フッ素イオン及び重金属イオンが固定化されるものと考えられる。
また、高炉スラグとして高炉水砕スラグや高炉風砕スラグを用いた場合、これらはアモルファスであるから鉱物相が存在しないが、水の存在下で高炉水砕スラグや高炉風砕スラグからはCaイオン、Siイオン、Alイオンが同時に溶出することから、この場合の水和反応生成物はCaO−Al2O3−SiO2−H2O系化合物(またはゲル)であり、CaO−Al2O3−H2O系化合物又はCaO−SiO2−H2O−MeO系ゲルとは異なる。
本実施の形態では、飛灰100質量部に、固定化反応促進剤として石膏10〜40質量部を添加することが望ましい。高炉スラグの粉末による重金属元素の固定能は、さらに石膏を添加して硫酸イオンを供給することにより向上するからである。
例えば、CaO−Al2O3系化合物と石膏とを水共存下で反応させた場合、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)が生成することにより、重金属が固定化されることは良く知られている。しかし、このエトリンガイトの生成反応は急激に進行するためにCaO−Al2O3−H2O−F系化合物の生成が阻害され、フッ素元素の固定は進行しない。また、CaO−SiO2系化合物と石膏とを水共存下で反応させた場合、CaO−SiO2−H2O−SO4−MeO系化合物又はゲルが生成することにより、重金属元素が固定化されるが、この生成反応は徐々に進行するため、重金属元素の固定速度は小さい。また、CaO−SiO2−H2O−SO4−MeO系化合物又はゲルとともに、CaO−SiO2−H2O−SO4−F系化合物が並列して生成するため、フッ素元素の固定が同時に進行する。これらの知見を本発明に適用すると、高炉スラグを石膏とともに水和させた場合の反応生成物は、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−SO4−F系化合物又はゲルと、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−SO4−MeO系化合物又はゲルと、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−SO4−MeO−F系化合物又はゲルであることから、フッ素元素と重金属元素の固定化が同時に進行する。
さらに、高炉スラグは、低塩基度(CaO/SiO2重量比=1.1〜1.4)であることから、3CaO・Al2O3、12CaO・Al2O3といった高CaO濃度のCaO−Al2O3系化合物や、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2といった高CaO濃度のCaO−SiO2系化合物と比較して、水和反応は、急激ではなく徐々に進行する。つまり、本発明によれば、フッ素元素及び重金属元素の固定効果が長期間持続することになる。このCaO−Al2O3−SiO2−H2O系化合物又はゲルは、CaO−Al2O3−H2O系化合物又はCaO−SiO2−H2O系化合物に比較すると、フッ素元素及び重金属元素の固定能が低いため、フッ素元素及び重金属元素をともに十分に固定するためには、シュレッダー飛灰に対して同量以上の高炉スラグが必要である。
なお、シュレッダー飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定処理に際しては、凝結補助剤としてセメントを高炉スラグの粉末の20質量部以下複合添加することが望ましい。セメントを高炉スラグ粉末とともに複合添加することにより、造粒物の周囲に、コンクリートの緻密組織を生成することができ、高炉スラグの粉末によるフッ素元素及び重金属元素の固定処理をさらに完全なものとすることができるからである。コンクリートの緻密性を確保するためには、ブレーン比表面積値が1000 cm2/g以上の微粒子セメントを用いることが望ましい。
また、セメントの凝結の際に生成するエトリンガイトは、重金属元素の固定能を有するため、重金属元素の化学的な固定にも寄与することになる。
このようにして得られた造粒物は、水環境基準の要監視項目の指針値を十分に満足するものであるため、路盤材や埋め戻し材等として土木現場において有効に用いることができる。このため、本発明によれば、管理型最終処分場の埋め立ての負荷を低減できる。
このように、本発明によれば、例えばシュレッダー飛灰といった飛灰に含まれるフッ素元素と、例えば鉛、亜鉛、カドニウム、クロム、銅、モリブデンさらにはニッケル等の重金属元素とをいずれも確実に単一の処理工程で固定することができるようになる。これにより、直接溶融技術によるシュレッダーダスト等のフッ素元素及び重金属元素を含む廃棄物の減容化を現に図ることができるとともに、水質環境基準(土壌環境基準)を十分にクリアすることができる。
さらに、本発明を実施例を参照しながらより詳細に説明する。
環境庁告示第13号の溶出試験では、試料の粒径は2mm以下と規定されている。しかし、固定反応が十分進行したことを確認するために、本実施例では、世界一厳しい溶出試験法として知られているオランダのAvailability Testに準じて、試料の粒径を0.1mm以下とした。
シュレッダーダストを焼却処理する直接溶融炉において、この直接溶融炉の排気系に装着されたバグフィルターから採取されたシュレッダー飛灰A、Bの化学組成(濃度%)を表1に示す。なお、通常のシュレッダー飛灰の組成は、F: 0.05〜0.3質量%、Pb:0.01〜0.4質量%、Zn:0.3〜7質量%、Cd:0.0004〜0.003質量%、全Cr:0.01〜0.2質量%、Cu:0.05〜1.7質量%、Mo:0.02〜0.07質量%、Ni:0.01〜0.2質量%、S:0.03〜2質量%、CaO:2〜6質量%、SiO2:4〜17質量%、Al2O3:0.6〜3質量%である。
Figure 2005279521
これらのシュレッダー飛灰について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。フッ素元素及び重金属元素の溶出量と、水環境基準の指針値とを対比して表2に示す。
Figure 2005279521
表2に示す結果から、シュレッダー飛灰A、Bからのフッ素元素及び重金属元素の溶出量が水環境基準の指針値を超えるため、明らかに、フッ素元素及び重金属元素の固定処理を行う必要がある。
これらのシュレッダー飛灰A、Bのうち、シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が355μm以下、250μm 以下、100μm 以下、又は、10μm 以下の高炉水砕スラグの粉末を100質量部添加し、適量の水を加えて混練した。これを円柱状容器に流し込んで所定の形状に成形して造粒物とした後、室温で放置して凝結させて造粒体とした。
得られた造粒体を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素元素及び重金属元素の濃度と高炉水砕スラグの粉末の粒度との関係を表3に示す。
Figure 2005279521
表3から、高炉スラグ粒度が250μm以下であれば、溶出液中のフッ素元素及び重金属元素を固定することができ、フッ素濃度及び重金属濃度をいずれも水環境基準指針値を下回る値とすることができた。
シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が100μm 以下の高炉風砕スラグの粉末を80、100、300、400、500質量部添加し、適量の水を加えて混練した。これを円柱状容器に流し込み、室温で放置して凝結させた。
このようにして得られた処理品を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素元素及び重金属元素の濃度と、高炉風砕スラグの粉末の量との関係を表4に示す。
Figure 2005279521
表4において、シュレッダー飛灰100質量部に対して高炉スラグの粉末が80質量部以上では、溶出液中の重金属の濃度は水環境基準指針値を下回るものの、フッ素濃度は水環境基準指針値をクリアできない。シュレッダー飛灰100質量部に対して高炉スラグの粉末が100質量部以上400質量部以下であれば、溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度は、いずれも、水環境基準の要監視項目の指針値を下回ることがわかる。
シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が100μm 以下の高炉水砕スラグの粉末を100質量部添加し、乾燥状態で十分混合した。この混合物を円柱状に加圧成型した後に水に浸漬し、加圧成型体が十分吸水した後に水から取り出して、室温で乾燥した。
また、加圧成型体が十分吸水した後に水から取り出して、オートクレーブ中で120℃、3時間加温加圧した。
得られた処理品を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度と、処理条件との関係を表5に示す。
Figure 2005279521
表3との比較から、プレスによりシュレッダー飛灰と高炉スラグの粉末との密着性を改善し、その後に水を供給すれば、フッ素元素及び重金属元素をより十分に固定できることがわかる。また、水熱処理によりフッ素元素及び重金属元素の固定を促進できることもわかる。
シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が100μm 以下の高炉水砕スラグの粉末を100質量部添加し、適量の水を加えて混練した。これを円柱状容器に流し込み、室温で放置して凝結させた。得られた凝結品を容器中に装入し、少量の水を添加した後に密閉して、加温器中で80℃に加温するか、又はオートクレーブ中で120℃、3時間加温加圧した。
または、水の存在下で混練した後に密閉式の加圧成形容器に装入し、油圧等を利用した一軸加圧装置で50kg/cm2で加圧しながら密閉圧力容器を100℃で3時間加温した。
得られた処理品を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度と、水熱処理条件との関係を表6に示す。
Figure 2005279521
いずれの水熱処理を行った場合も、溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度は、いずれも、水環境基準の要監視項目の指針値を大きく下回ることがわかる。また、上述した表3に示す結果と比較することにより、水熱処理によりフッ素元素及び重金属元素の固定を促進できることもわかる。
シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が100μm以下 の高炉徐冷スラグの粉末を200質量部、石膏を0、10又は40質量部添加して混合し、さらに適量の水を加えて混練した。これを円柱状容器に流し込み、室温で放置して凝結させた。
得られた処理品を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度と、水熱処理条件との関係を表7に示す。
Figure 2005279521
表7に示すように、石膏10又は40質量部添加することにより、溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度がいずれも低下することから、シュレッダー飛灰の安定化には石膏を添加することが有効である。
シュレッダー飛灰A 100質量部に対して、粒度が250μm 以下の高炉徐冷スラグの粉末を200質量部、ポルトランドセメントを20質量部添加して混合し、さらに適量の水を加えて混練した。これを円柱状容器に流し込み、室温で放置して凝結させた。
得られた処理品を0.1mm以下に粉砕し、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。6時間振盪後の溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度と、処理条件との関係を表8に示す。
Figure 2005279521
ポルトランドセメントの添加により溶出液中のフッ素濃度及び重金属濃度がわずかに低下しており、ポルトランドセメントによるフッ素元素及び重金属元素の固定化が僅かに進行したものと考えられる。しかし、ポルトランドセメント添加の効果はむしろ凝結された造粒物の硬度を上昇させる点にあり、わずかなポルトランドセメントの添加にもかかわらず、造粒物の強度は大きく向上した。

Claims (8)

  1. フッ素元素及び重金属元素を含む飛灰100質量部に、平均粒径が250μm 以下の高炉スラグの粉末100〜400質量部を添加して混合した後に造粒物を形成することによって、前記フッ素元素及び重金属元素をいずれも固定することを特徴とする飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  2. 前記フッ素元素及び重金属元素は、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F系化合物又はゲル、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−MeO系化合物又はゲル、及び、CaO−Al2O3−SiO2−H2O−F−MeO系化合物又はゲルを、いずれも生成することによって固定される請求項1に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。ただし、Meは重金属元素を示す。
  3. 前記高炉スラグの粉末は、高炉徐冷スラグの粉末、高炉水砕スラグの粉末又は高炉風砕スラグの粉末の1種又は2種以上の組合せである請求項1又は請求項2に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  4. 前記飛灰と前記高炉スラグの粉末との混合は、水を加えて混練することによって行われるとともに、前記造粒物の形成は、
    該飛灰と該高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後に室温で放置して凝結体とすること、
    該飛灰と該高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後に80℃以上に加温すること、
    該飛灰と該高炉スラグの粉末の混練物を所定の形状に成形した後にオートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧すること、又は、
    該飛灰と該高炉スラグの粉末の混練物を密閉圧力容器に封入して一軸方向に加圧しながら100℃以上に加温加圧すること
    によって行われる請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  5. 前記飛灰と前記高炉スラグの粉末との混合は、乾燥状態で混合することによって行われるとともに、前記造粒物の形成は、該飛灰と該高炉スラグの粉末の混合物を所定の形状に加圧成形した後に水に浸漬して吸水させた後に、室温で乾燥すること、80℃以上に加温すること、又は、オートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧することによって行われる請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  6. 前記飛灰100質量部に、前記高炉スラグの粉末100〜400質量部とともに、固定化反応促進剤として石膏10〜40質量部を添加する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  7. 凝結補助剤としてセメントを、前記高炉スラグの粉末の20質量部以下添加する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
  8. 前記飛灰は、シュレッダーダストを焼却処理した際に発生する飛灰である請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された飛灰に含まれるフッ素元素及び重金属元素の固定方法。
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