JP3598832B2 - 重金属を含む廃棄物の安定化処理法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物を焼却処理することにより発生する焼却飛灰、焼却灰および焼却飛灰のうちの少なくとも一方を減容化のために溶融炉で溶融処理することにより発生する溶融飛灰、さらには、廃棄物を直接溶融炉やガス化溶融炉等により直接溶融することにより発生する直接溶融飛灰といった、重金属を含む廃棄物の安定化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば1991年の1年間において、我が国の一般廃棄物の排出総量は、1日当たり約14万トンであり、年間では5077万トンにも達した。この一般廃棄物のうちの72.7%が焼却施設で焼却処理された。その際、658 万トンの焼却灰および焼却飛灰 (以下、これらを総称して「焼却残渣」という。) が発生し、これらは最終処分場で埋め立てられた。
【0003】
焼却残渣がこのように増加するにともなって、1992年には、廃棄物処理法が改正された。すなわち、焼却残渣中には有害な重金属が高濃度に含まれているため、そのまま埋め立て処分を行うと、不可避的に環境汚染が発生する。そこで、改正された廃棄物処理法では、焼却残渣を特定管理廃棄物に指定して埋め立て処分前の安定化処理を義務付けており、焼却残渣は、安定化処理を施してからでないと最終処分場へ埋め立てることができなくなった。
【0004】
焼却残渣の安定化処理方法は、厚生省告示第194 号第1号により、セメント固化法、薬剤処理法、酸抽出法および溶融法として、分類されている。
【0005】
セメント固化法は、セメント中の酸化物が水と結合して水和物を生成し硬化する際に、重金属類が珪酸カルシウム水和物に表面吸着されて固溶化される原理に基づく処理技術である。このセメント固化法は処理装置が簡単であり、その運転および制御も容易であって、かつエネルギ消費も少ない確立された技術ではあるものの、重金属の包含許容量が低い。そのため、焼却飛灰の安定化には多量のセメントを必要とし、重金属の含有量が高い焼却飛灰の処理には適用できない。さらに、セメントを多量に使用するため、最終的な廃棄物の量が増加し、廃棄物の減容化を図ることもできない。そのため、セメント固化法は、焼却残渣の安定化処理方法としては適当でない。
【0006】
薬剤処理法は、少量の重金属捕集剤、凝集剤、抑制剤などとともに水を加えて混練することにより、不溶性の重金属錯化合物を生じさせる処理技術であり、処理装置が簡単でありその運転も容易であることから、従来から広く用いられている。しかし、薬剤処理法は、薬剤コストが嵩むこと、特に、キレート剤は重金属以外の他の金属イオンとも反応するために焼却灰の組成によっては必要な薬剤量が増加し薬剤コストが著しく嵩むこと、さらには2次薬害が発生する可能性があること等の問題がある。そのため、薬剤処理法も、焼却残渣の安定化処理方法としては適当でない。
【0007】
酸抽出法は、煤塵を水溶液に溶かし、煤塵に含まれる重金属を水溶液側に移行させた後に、水酸化物や硫化物などを生成させて安定化および不溶化し、脱水処理する処理技術であり、煤塵の種類を選ばずに安定化処理を行うことができるという特徴を有する。しかし、処理装置が大型化および複雑化し、処理コストおよび設備維持コストが嵩むことから、現実に酸抽出法を行う処理施設は少ない。
【0008】
これに対し、溶融法は、焼却残渣を加熱して溶融スラグ状態にすることで焼却残渣に含まれている有害な重金属をガラス化したスラグ中へ安定的に閉じ込める処理技術である。溶融法は、前述したセメント固化法、薬剤処理法および酸抽出法に比較すると、運転コストや設備コストが嵩むものの、焼却残渣を完全に無害化することができ、しかも焼却残渣の大幅な減容化が可能であるため、広く用いられつつあり、近年では、既設の焼却施設における焼却残渣の処理技術の主流となっている。
【0009】
一方、溶融法を発展させた新技術として、直接溶融炉やガス化溶融炉を用いて、300 〜1000℃の熱分解帯で廃棄物から可燃性ガスを発生させた後、この可燃性ガスを燃料としてさらに燃焼温度を上昇させることにより、廃棄物を直接溶融する技術も開発されている。
【0010】
しかし、これらの溶融法では、溶融処理を1100〜1500℃の高温で行う必要があるため、蒸気圧の高い物質は容易に揮発し、集塵機には、有害な重金属をもとの焼却灰よりも高濃度に含有する溶融飛灰が捕捉されることになる。また、前述した直接溶融炉やガス化溶融炉においては、廃棄物から可燃性ガスを取り出す際に発生する飛灰とその後の溶融において発生する飛灰とが一緒に排出され (以下、「直接溶融飛灰」という。) 、有害な重金属の濃度が極めて高くなる。このため、溶融飛灰や直接溶融飛灰に対して焼却飛灰と同様の安定化処理を行っても、溶融飛灰または直接溶融飛灰に高濃度に含まれる有害な重金属を安定化することは不可能である。
【0011】
そこで、特開平6−154795号公報には、セメントの代替として、非晶質の高炉水砕スラグの微粉末を固化材の主原料として用い、廃棄物からの重金属の溶出防止を図った発明が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平6−154795号公報により提案された発明は、本発明者らによる確認実験によると、高炉水砕スラグは非晶質であるために、例えばCa(OH)2 等のアルカリ刺激剤を用いて結晶質とさせるが、含有鉱物としては、アケルマナイト(Ca2MgSi2O7)やゲーレナイト(CaAl2SiO7やCa2Al26Mg3Si3O68) であり、焼却飛灰、溶融飛灰さらには直接溶融飛灰に対する重金属の溶出防止効果が小さく、重金属の安定化処理を行うことは難しい。
【0013】
また、この提案にかかる発明は、高価な高炉水砕スラグの微粉末を用いるため、処理コストが嵩んでしまう。そのため、処理コストの面からも、この方法により、焼却飛灰、溶融飛灰さらには直接溶融飛灰の安定化処理を行う可能性は極めて低い。
【0014】
ここに、本発明の目的は、焼却飛灰、溶融飛灰さらには直接溶融飛灰といった、重金属を含む廃棄物を、低コストで確実に安定化処理することができる安定化処理法を提供することである。
【0015】
また、別の面からは、本発明の目的は、安価で少量の固定剤の使用による安定化処理が可能であって、しかも、焼却飛灰だけでなく、有害な重金属を高濃度に含む溶融飛灰や直接溶融飛灰の安定化処理も行うことができる安定化処理法を提供することである。
【0016】
ここに、本発明の要旨とするところは、重金属を含む廃棄物と、カルシウムアルミネート及び/又はカルシウムシリケートを含む製鋼スラグである2次精錬スラグの粉末とを混合し、さらに水を添加した後に引き続いて混練してから、水の存在の下で60℃以上に加温するか、またはオートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧することによって、重金属を固定することを特徴とする重金属を含む廃棄物の安定化処理法である。
また、本発明は、重金属を含む廃棄物と、カルシウムアルミネート及び/又はカルシウムシリケートを含む製鋼スラグである2次精錬スラグの粉末とを混合し、さらに水を添加した後に引き続いて混練してから、水の存在の下でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより80℃以上に加温加圧することによって、重金属を固定することを特徴とする重金属を含む廃棄物の安定化処理法である。
【0018】
また、これらの本発明では、粉末の平均粒径が、150 μm以下であることが、重金属の安定化を確実に行うためには、望ましい。
【0019】
これらの本発明では、廃棄物が、廃棄物を焼却炉で焼却することにより発生する焼却飛灰、廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰および焼却飛灰のうちの少なくとも一方を溶融炉で溶融処理することにより発生する溶融飛灰、または、廃棄物を溶融炉で直接溶融することにより発生する直接溶融飛灰であることが例示される。
【0020】
また、これらの本発明では、廃棄物が焼却飛灰である場合には、焼却飛灰100 重量部に対して、粉末を10〜50重量部添加し、廃棄物が溶融飛灰または直接溶融飛灰である場合には、溶融飛灰または直接溶融飛灰100 重量部に対して、粉末を30〜100 重量部添加することが、重金属の安定化処理を確実に行うとともに処理コストの上昇を抑制するために、望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる重金属を含む廃棄物の安定化処理法の実施形態を、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0024】
図1は、本実施形態における安定化処理法を模式的に示す説明図である。同図に示すように、本実施形態では、カルシウムアルミネートおよびカルシウムシリケートの一方または双方を含み、製鋼工程で得られる結晶質の生成物の粉末2を、固定剤として用い、重金属を含む廃棄物1の安定化処理を行う。そこで、廃棄物1、固定剤2および安定化処理について、順次説明する。
【0025】
[廃棄物1]
本発明により安定化処理が行われる廃棄物1は、(1) 都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物を焼却炉で焼却することにより発生する焼却飛灰1a、(2) 焼却灰および焼却飛灰1aのうちの少なくとも一方を溶融炉により減容化のために溶融処理することにより発生する溶融飛灰1b、(3) 都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物を、直接溶融炉やガス化溶融炉で直接溶融することにより発生する直接溶融飛灰1cの3種である。
【0026】
本発明では、焼却飛灰1aを発生する焼却炉の形式に関しては、何ら限定を要さない。また、中性飛灰、および、塩素ガスの捕集のために消石灰を煙道に吹き込むことにより生じるアルカリ飛灰のいずれをも適用対象とする。
【0027】
また、本発明は、溶融飛灰1bを発生する溶融炉の形式に関しても、何ら限定を要さず、例えば、回転炉または固定炉による表面溶融炉、コークス加熱によるコークスベッド炉等を例示することができる。また、アーク加熱、プラズマ加熱、抵抗加熱または高周波加熱による電気溶解炉を用いることもできる。
【0028】
さらに、直接溶融飛灰1cを発生する溶融炉の形式に関しても、何ら限定を要するものではなく、例えば、直接溶融炉やガス化溶融炉を例示することができる。この場合に、生じる酸性飛灰、中性飛灰、および、塩素ガスの捕集のために消石灰を煙道に吹き込むことにより得られるアルカリ飛灰のいずれもが、本発明の適用対象である。
【0029】
廃棄物の組成は、当然のことながら、例えば発生地域や発生時期等の各種要因により変動し、これにともなって、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bおよび直接溶融飛灰1cの組成もそれぞれ変化する。しかし、焼却飛灰1aおよび溶融飛灰1bの組成に関する従来の報告によると、いずれもが塩素を多量に含んでおり、例えば、焼却飛灰1aでは2.9 〜27重量%の塩素を、溶融飛灰1bでは32〜39重量%の塩素を、さらに直接溶融飛灰1cでは20〜28重量%の塩素を、含有する。また、熱力学計算結果によれば、焼却処理温度および溶融処理温度における重金属塩化物の蒸気圧は高いため、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bおよび直接溶融飛灰1cの中では、重金属は塩化物として安定して存在する。
【0030】
[固定剤]
本発明では、カルシウムアルミネートおよびカルシウムシリケートの一方または双方を含み、製鋼工程で得られる結晶質の生成物の粉末2として、製鋼スラグの粉末、具体的には、2次精錬スラグの粉末2a、溶銑予備処理スラグの粉末2bおよび転炉スラグの粉末2cの1種または2種以上を組み合わせた粉末2を、固定剤として用いる。
【0031】
本発明では、「カルシウムアルミネート」とは、3CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3、またはこれらの水和物を意味する。3CaO・Al2O3 および 12CaO・7Al2O3は、ともに、高温焼成法により容易に合成され、水と反応させることにより種々の水和物が得られる。例えば、3CaO・Al2O3 ・6H2O組成の鉱物としては KatoiteおよびHydrogrossular (ハイドログロシュラー) が知られている。3CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3、またはこれらの水和物のいずれによっても、廃棄物中に存在する重金属を、容易かつ確実に固定化することができる。
【0032】
また、本発明における「カルシウムシリケート」とは、2CaO・SiO2またはその水和物を意味する。2CaO・SiO2も高温焼成法により容易に合成され、水と反応させることにより水和物が得られる。例えば、2CaO・SiO2組成の鉱物として Larnite (ラルナイト) が知られており、2CaO・SiO2・H2O 組成の鉱物として Hillebrandite (ヒレブランダイト) が知られている。2CaO・SiO2またはその水和物のいずれによっても、廃棄物中に存在する重金属を、容易かつ確実に固定化することができる。
【0033】
本発明では、カルシウムアルミネートおよびカルシウムシリケートの一方または双方を含む製鋼スラグの粉末2を用いる。例えば高炉水砕スラグのような非晶質の生成物であると、Ca(OH)2 等のアルカリ刺激剤を用いて結晶質とさせるが、含有鉱物としては、アケルマナイト(Ca2MgSi2O7)やゲーレナイト(CaAl2SiO7やCa2Al26Mg3Si3O68) であり、カルシウムアルミネートおよびカルシウムシリケートといった鉱物は含有されていないために廃棄物との反応性が不足し、重金属の固定化を充分に行うことができないからである。
【0034】
ここで、製鋼スラグとは、製鋼工程により生成されたスラグを意味しており、2次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグ、および転炉スラグの1種または2種以上の組合せを包含する。なお、高炉水砕スラグは包含しない。
【0035】
また、2次精錬スラグとは、真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬等の2次精錬 (炉外精錬) を行われた際に生成されたスラグを意味する。
【0036】
また、溶銑予備処理スラグとは、高炉から出銑された溶銑に対して、取鍋や混銑車等により、脱りんや脱硫、さらには必要に応じて脱けい、脱炭、脱クロム、脱バナジウム、脱チタン、脱窒、脱砒さらには珪素添加等を行われた際に生成されたスラグを意味する。
さらに、転炉スラグとは、転炉を用いた製鋼工程において生成されたスラグを意味する。
【0037】
本発明において固定剤として用いる2次精錬スラグの粉末2a、溶銑予備処理スラグの粉末2bまたは転炉スラグの粉末2cの1種または2種以上からなる粉末2を、例えばX線回折法等の適宜方法により同定すると、2次精錬スラグの粉末2aは3CaO・Al2O3 または 12CaO・7Al2O3が主要鉱物相であり、溶銑予備処理スラグの粉末2bおよび転炉スラグの粉末2cは、いずれも、2CaO・SiO2が主要鉱物相である。
【0038】
本実施形態では、固定剤である粉末2の平均粒径が150 μmを超えると、これらの粉末2と焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cとの反応界面積が減少し、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cに未反応部分が残存して、重金属の固定化が不充分になるおそれがある。そこで、粉末2の平均粒径は150 μm以下であることが望ましく、同様の観点から、30μm以下であることが望ましい。このような観点からは、粉末2の平均粒径の下限は限定を要さないが、10μm未満の平均粒径であると、粉末2の取扱いが面倒になるため10μm以上であることが望ましい。
【0039】
また、固定剤である粉末2の添加量が少ないと、これらの粉末2と焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cとの反応界面積が減少し、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cに未反応部分が残存して、重金属の固定化が不充分になるおそれがある。この傾向は、焼却飛灰1aより重金属の濃度が高い溶融飛灰1bや直接溶融飛灰1cにおいて、よりいっそう顕著なものとなる。一方、粉末2の添加量が多いと、重金属の安定化効果が飽和するとともに、コスト高となって減容化を阻害する。
【0040】
そこで、焼却飛灰1aの安定化処理を行う際には、100 重量部の焼却飛灰1aに対して、粉末2を5〜50重量部、より好適には20〜50重量部添加することが望ましい。また、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cの安定化処理を行う際には、100 重量部の溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cに対して、粉末2を30〜100 重量部、より好適には50〜100 重量部添加することが望ましい。
【0041】
[安定化処理]
本発明では、上述した粉末2を用い、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cの安定化処理を行う。
【0042】
安定化処理としては、焼却飛灰1aの場合には、焼却飛灰1aと粉末2とに水を適量添加し、例えば、混練機や造粒機あるいは混練および造粒の二つの機能を併せ持つ機械3等を用いて、焼却飛灰1aおよび粉末2を混練して所望の形状 (例えば円柱体) の造粒物4とした後に、60℃以上に加温することにより、焼却飛灰中の重金属を固定化する処理である。この際、オートクレーブ5を用いて100 ℃以上に加温加圧することが、固定化を促進させるためには、より望ましい。
【0043】
一方、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cの場合には、安定化処理は、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cと粉末2とに水を適量添加して混練して所望の形状 (例えば円柱体) の造粒物4とした後、水の存在下でオートクレーブ処理または蒸気養生により80℃以上に加温加圧して、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1c中の重金属を固定化する処理である。
【0044】
なお、安定化処理の際に、粉末2と、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cとともに共存させる水は、本発明では、転動造粒、攪拌造粒等により凝集造粒現象を生じさせて造粒物4を形成するために用いられる。そのため、乾燥後の造粒物4に求める強度や硬度等に応じて、水とともに適当な溶媒を用いてもよい。このような溶媒としては、例えば、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、リグニンさらにはベントナイト等を例示することができる。
【0045】
このような安定化処理により、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cに含まれる有害な重金属が固定化される理由を説明する。本発明者らは、3CaO・Al2O3 または 12CaO・7Al2O3を主要鉱物相とする2次精錬スラグの粉末を種々の重金属塩化物MCl2(M=Pb、Zn等) と混合し、オートクレーブ中で120 ℃に保持して3〜12時間反応させ、反応後の鉱物相をX線回折法により同定した。その結果、鉱物相から新たにフリーデル氏塩(3CaO・Al2O3 ・CaCl2 ・10H2O)が存在することが認められるとともに、単体の重金属塩化物MCl2は消失していた。
【0046】
さらに、フリーデル氏塩 (3CaO・Al2O3 ・CaCl2 ・10H2O)の粉末を予め合成しておき、その中に種々の重金属塩化物MCl2の円柱状圧粉体を埋め込んで圧粉してから、オートクレーブ中で120 ℃に保持して3〜12時間反応させた。そして、反応後にフリーデル氏塩 (3CaO・Al2O3 ・CaCl2 ・10H2O)と重金属塩化物MCl2との界面近傍を電子顕微鏡で観察し、各部の組成を微少部X線分析装置で定量した。その結果、界面から約10μmまでのフリーデル氏塩中のCaCl2 のCaとM とが置換され、重金属塩化物MCl2がフリーデル氏塩により安定化することがわかった。
【0047】
カルシウムアルミネートを含有する2次精錬スラグ粉末による、このような重金属塩化物の安定化は、下記▲1▼式および▲2▼式により表される。
【0048】
一方、2CaO・SiO2を主要鉱物相とする溶銑予備処理スラグ粉末を種々の重金属塩化物MCl2と混合し、オートクレーブ中で120 ℃に保持して3〜12時間反応させ、反応後の鉱物相をX線回折法により同定した。その結果、鉱物相から新たに2CaO ・ SiO 2 の水和物が認められるとともに、単体の重金属塩化物MCl2は消失していた。
【0049】
さらに、2CaO ・ SiO 2 の水和物を予め合成しておき、その中に種々の重金属塩化物MCl2の円柱状圧粉体を埋め込んで圧粉してから、オートクレーブ中で120 ℃に保持して3〜12時間反応させた。そして、反応後に2CaO ・ SiO 2 の水和物と重金属塩化物との界面近傍を電子顕微鏡で観察し、各部の組成を微小部X線分析装置で定量した。その結果、界面から約30μmまでの2CaO ・ SiO 2 の水和物中のCaO サイトのCa、O がそれぞれM 、Clと置換することにより、重金属塩化物が安定化することがわかった。
【0050】
カルシウムシリケートを含有する溶銑予備処理スラグによる、このような重金属塩化物の安定化は、下記▲3▼式により表される。
【0051】
本発明によれば、このようにして、カルシウムアルミネートおよび/またはカルシウムシリケートを含む製鋼スラグ、すなわち、2次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグおよび転炉スラグの1種または2種以上の組合せからなる粉末2を、固定剤として用いることにより、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bまたは直接溶融飛灰1cの安定化処理が行われる。
【0053】
このようにして得られた造粒物4’ は、改正された廃棄物処理法により義務付けられた安定化処理の基準を充分に満足するため、廃棄物最終処分場に廃棄することができるとともに、路盤材や埋め戻し材等として土木現場等において有効に用いることができる。
【0054】
このように、本発明によれば、焼却飛灰1a、溶融飛灰1bさらには直接溶融飛灰1cといった、重金属を含む廃棄物を、確実に安定化処理することができる。また、この処理に際して、低コストの製鋼スラグの粉末2を用いるため、処理コストの上昇も確実に抑制できる。
【0055】
また、用いる製鋼スラグの粉末2は、廃棄物に含まれる重金属と効率的かつ優先的に反応するため、粉末2の使用量の増加も抑制される。そのため、この面からも、処理コストの上昇が確実に抑制される。
【0056】
さらに、従来は埋め立て材や路盤材としての用途しか存在しなかった製鋼スラグを、有効に利用する新たな用途を提供することもできた。
さらに、本発明を実施例を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0057】
【実施例】
(実施例1)
実稼働中のストーカ式焼却施設においてバグフィルタ式集塵機で捕集されたアルカリ性焼却飛灰の化学組成を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
この焼却飛灰について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。重金属の溶出量と、埋め立て処分の規制値とを表2に対比しながら示す。
【0060】
【表2】
【0061】
表2の結果から、焼却飛灰からの鉛の溶出量が規制値を超えるため、鉛の固定化処理を行う必要があることが明らかであった。
この焼却飛灰100 重量部に対して、粒度が250 μm以下、150 μm以下、または32μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末または転炉スラグ粉末を50重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、60℃で48時間養生した。
【0062】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出液中の鉛濃度とスラグ粒度との関係を図2にグラフで示す。
図2に示すグラフから、スラグ粒度が150 μm以下であれば、溶出液中の鉛濃度は埋め立ての規制値を下回ることがわかる。
【0063】
(実施例2)
焼却飛灰100 重量部に対して、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、あるいは前記のカルシウムアルミネート粉末を50重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、20℃または60℃ (エアバス中) で48時間または120 ℃ (オートクレーブ中) で3時間養生した。
【0064】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の鉛濃度と養生温度との関係を図3にグラフで示す。
【0065】
養生温度が60℃以上で、溶出液中の鉛濃度は埋め立ての規制値を下回ることがわかる。転炉スラグ粉末およびカルシウムシリケート粉末を用いた場合も同様の傾向であった。
【0066】
(実施例3)
焼却飛灰に、粒度が32μm以下の2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末を添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、60℃で48時間養生した。この際、スラグ重量/焼却飛灰重量比を0.1 〜1.0 の範囲で変化させた。
【0067】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の鉛濃度とスラグ重量/焼却飛灰重量比との関係を図4にグラフで示す。
【0068】
スラグ重量/焼却飛灰重量比が0.5 以上では、2次精錬スラグおよび溶銑予備処理スラグによる鉛溶出の抑制効果は飽和している。転炉スラグ粉末およびカルシウムアルミネート粉末を用いた場合も同様の傾向であった。
【0069】
(実施例4)
焼却飛灰100 重量部に、粒度が32μm以下の2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末、または、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末を50重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、60℃で養生した。
【0070】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の鉛濃度と養生時間との関係を図5にグラフで示す。
【0071】
2次精錬スラグおよび溶銑予備処理スラグによる鉛溶出の抑制効果は飽和している。粒度が32μm以下の2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末を用いた場合、48時間の養生で鉛溶出の抑制効果は飽和している。転炉スラグ粉末、カルシウムアルミネート粉末、または、カルシウムシリケート粉末を用いた場合も同様の傾向であった。
【0072】
以上の実施例1〜実施例4により、2次精錬スラグ、溶銑予備処理スラグおよび転炉スラグの1種または2種以上を組合せて、固定剤として用いることにより、焼却飛灰からの鉛溶出を確実に抑制できることがわかる。
【0073】
(実施例5)
実稼働中の回転式表面溶融炉においてバグフィルタ式集塵機で捕集された酸性溶融飛灰、および、ガス化溶融炉においてバグフィルタ式集塵機で捕集された直後の溶融飛灰の化学組成を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
表3を表1と比較すると、溶融飛灰においてはいずれの重金属濃度も焼却灰より高く、固定化処理がより困難であることが明らかである。また、直接溶融飛灰は、廃棄物から可燃性ガスを取り出す際に発生する飛灰とその後の溶融において発生する飛灰が混合したものであることから、表1の焼却灰と表3の溶融飛灰の中間の組成となっているが、焼却灰より有害重金属濃度は高い。表3から、溶融飛灰中の重金属固定化が可能であれば、直接溶融飛灰中の重金属固定化も充分可能であることがわかる。そこで、以下の実施例においては、より固定化処理が困難な溶融飛灰についての実施例を示す。
【0076】
表3の溶融飛灰について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶融飛灰をそのまま溶出試験したものと、消石灰を添加しpHを上昇させたものについて、重金属の溶出量と埋め立て処分の規制値とを、表4に対比して示す。
【0077】
【表4】
【0078】
表4について、溶融飛灰からの鉛、カドミウムの溶出量は埋め立ての規制値を超える。亜鉛については埋め立ての規制値はないが、海洋に投入する廃棄物の判定基準値5mg/L よりも著しく高い。消石灰を添加してpHを上昇させても、鉛の溶出量は埋め立ての規制値を超える。表4と表2との比較においても、溶融飛灰からの重金属の溶出量は焼却飛灰より高く、これら重金属の固定化処理は困難であろうことが予想される。
【0079】
従来、焼却飛灰の安定化に用いられているセメント固化法およびキレート樹脂Kを用いた薬剤処理法による溶融飛灰を処理し、環境庁告示第13号にしたがって溶出試験を行った。結果を表5に示す。
【0080】
【表5】
【0081】
ここで、セメント固化法ではブレーン比表面積値が1000cm2/g 以上の微粒子セメントを用いて、適量の水と混練し、室温で7日間養生した。また、キレート樹脂Kを用いた実験では、消石灰を添加して溶出液のpHを上昇させた。
【0082】
セメント固化法、薬剤処理法のいずれにおいても、鉛の溶出抑制が困難である。特にセメント固化法では、セメントの添加量を増やすことにより溶出後のpHが上昇するため、鉛の溶出量が上昇している。
【0083】
(実施例6)
焼却飛灰に対して有効であった2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末を溶融飛灰中の重金属の固定化に用いた。
【0084】
溶融飛灰100 重量部に対して、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、転炉スラグ粉末、合成カルシウムアルミネート粉末、あるいは合成カルシウムシリケート粉末を100 重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、60℃ (エアバス中) で48時間、80℃ (エアバス中) で24時間、または120 ℃ (オートクレーブ中) で3時間養生した。
【0085】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の鉛、亜鉛、カドミウム濃度と養生温度との関係を表6に示す。
【0086】
【表6】
【0087】
いずれの固定剤を用いた場合も、養生温度が80℃以上で溶出液中の鉛濃度は、埋め立ての規制値より低くなっている。
【0088】
(実施例7)
溶融飛灰に、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、転炉スラグ粉末、合成カルシウムアルミネート粉末、あるいは合成カルシウムシリケート粉末を添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、120 ℃で3時間養生した。この際、固定剤重量/焼却飛灰重量比を0.1 〜1.0 の範囲で変化させた。
【0089】
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の重金属濃度と固定剤重量/焼却飛灰重量比との関係を表7に示す。
【0090】
【表7】
【0091】
いずれの固定剤を用いた場合も、スラグ重量/焼却飛灰重量比が0.3 以上で、溶出液中の鉛濃度は埋め立ての規制値より低くなっている。
【0092】
(実施例8)
溶融飛灰100 重量部に、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末あるいは転炉スラグ粉末、または、粒度が150 μm以下のカルシウムアルミネート粉末あるいはカルシウムシリケート粉末を100 重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、80℃で養生した。
得られた処理品について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行った。溶出試験における溶出液中の鉛濃度と養生時間との関係を表8に示す。
【0093】
【表8】
【0094】
養生温度80℃では24時間で、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末あるいは転炉スラグ粉末による鉛溶出の抑制効果はほぼ飽和している。また、2次精錬スラグ粉末の粒度が小さいほど、重金属溶出の抑制効果は短時間で現される。
【0100】
実施例5〜実施例8の結果から、2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、転炉スラグ粉末、カルシウムアルミネート粉末、あるいはカルシウムシリケート粉末を固定剤として用いることにより、溶融飛灰からの重金属溶出を確実に抑制できることがわかる。
【0101】
(実施例9)
溶融飛灰100 重量部に、粒度が150 μm以下の2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末あるいは転炉スラグ粉末を添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、80℃で養生することにより、試料1 (本発明例) を得た。
【0102】
これに対し、溶融飛灰100 重量部に、ブレーン比表面積が6000cm2/g 以上の高炉水砕スラグを100 重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、オートクレーブで養生することにより、試料2 (比較例) を得た。
【0103】
さらに、溶融飛灰100 重量部に、ブレーン比表面積が1000cm2/g 以上のセメントを100 重量部添加し、適量の水で混練して円柱体に形成した後、室温で養生することにより、試料3 (従来例) を得た。
【0104】
これらの試料1〜試料3について、環境庁告示第13号で規定された溶出試験を行い、溶出試験における重金属の溶出量を測定した。結果を、表10にまとめて示す。
【0105】
【表10】
【0106】
表10から、本発明によれば、廃棄物に含有される重金属を確実に固定化できることがわかる。
これに対し、試料2は、高炉水砕スラグを固定剤として用いるため、カルシウムアルミネートおよびカルシウムシリケートといった鉱物は含有されていないために重金属の固定化が不充分であり、重金属が溶出してしまった。また、試料3は、セメントを固定剤として用いるため、同様に重金属の固定化が不充分であることがわかる。
【0107】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1〜請求項6の本発明によれば、焼却飛灰、溶融飛灰さらには直接溶融飛灰といった、重金属を含む廃棄物を、確実に安定化処理することができる。また、この処理に際して、低コストの製鋼工程での生成物の粉末を用いるため、処理コストの上昇も確実に抑制できる。
【0108】
また、用いる製鋼工程での生成物の粉末は、廃棄物に含まれる重金属と効率的かつ優先的に反応するため、粉末の使用量の増加も抑制される。そのため、この面からも、処理コストの上昇が確実に抑制される。
【0109】
さらに、従来は埋め立て材や路盤材としての用途しか存在しなかった製鋼スラグを、有効に利用する新たな用途を提供することもできる。
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の安定化処理法を模式的に示す説明図である。
【図2】焼却飛灰を2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、あるいは転炉スラグ粉末で安定化処理した際の、溶出液中の鉛濃度に及ぼすスラグ粒度の影響を示すグラフである。
【図3】焼却飛灰を2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、あるいはカルシウムアルミネート粉末で安定化処理した際の、溶出液中の鉛濃度に及ぼす養生温度の影響を示すグラフである。
【図4】焼却飛灰を2次精錬スラグ粉末、溶銑予備処理スラグ粉末、あるいはカルシウムシリケート粉末で安定化処理した際の、溶出液中の鉛濃度とスラグ重量/焼却灰重量比との関係を示すグラフである。
【図5】焼却飛灰と2次精錬スラグ粉末あるいは溶銑予備処理スラグ粉末を混練し60℃で養生した際の、溶出液中の鉛濃度と養生時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1a 焼却飛灰
1b 溶融飛灰
1c 直接溶融飛灰
2 製鋼スラグの粉末
2a 2次精錬スラグ粉末
2b 溶銑予備処理スラグ粉末
2c 転炉スラグ粉末
3 混練および造粒の二つの機能を併せ持つ機械
4、4’ 造粒物
5 オートクレーブ
Claims (5)
- 重金属を含む廃棄物と、カルシウムアルミネート及び/又はカルシウムシリケートを含む製鋼スラグである2次精錬スラグの粉末とを混合し、さらに水を添加した後に引き続いて混練してから、水の存在の下で60℃以上に加温するか、またはオートクレーブ処理を行って100℃以上に加温加圧することによって、前記重金属を固定することを特徴とする重金属を含む廃棄物の安定化処理法。
- 重金属を含む廃棄物と、カルシウムアルミネート及び/又はカルシウムシリケートを含む製鋼スラグである2次精錬スラグの粉末とを混合し、さらに水を添加した後に引き続いて混練してから、水の存在の下でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことにより80℃以上に加温加圧することによって、前記重金属を固定することを特徴とする重金属を含む廃棄物の安定化処理法。
- 前記粉末の平均粒径は150μm以下である請求項1または請求項2に記載の重金属を含む廃棄物の安定化処理法。
- 前記廃棄物は、廃棄物を焼却炉で焼却することにより発生する焼却飛灰、廃棄物を焼却炉で焼却した際に発生する焼却灰および前記焼却飛灰のうちの少なくとも一方を溶融炉で溶融処理することにより発生する溶融飛灰、または、廃棄物を溶融炉で直接溶融することにより発生する直接溶融飛灰である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の重金属を含む廃棄物の安定化処理法。
- 前記廃棄物が前記焼却飛灰である場合には、当該焼却飛灰100重量部に対して、前記粉末を10〜50重量部添加し、前記廃棄物が前記溶融飛灰または前記直接溶融飛灰である場合には、当該溶融飛灰または当該直接溶融飛灰100重量部に対して、前記粉末を30〜100重量部添加する請求項4に記載の重金属を含む廃棄物の安定化処理法。
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