JP3526438B2 - 試料のエッチング処理方法 - Google Patents
試料のエッチング処理方法Info
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Description
方法に係り、特に磁気ヘッド製造工程の上部磁極メッキ
フレームの微細加工や、半導体製造工程の低誘電率素子
絶縁膜の微細加工など、炭素系樹脂材料のドライエッチ
ング方法に関するものである。
来方法は、用いられるガス系として O2およびHe O2 ,He,SO2 O2 Cl2 O2 Cl2,Ar O2 N2 O2 N2 Ar N2 H2 NH3 等が知られている。(たとえば、J. Vac. Sci. Technol.
B 13(6), Nov/Dec 1995,p2366,“Plasam development
of a silylated bilayer resist: Effects ofetch chem
istry on critical dimension control and feature pr
ofiles"に記載されている。)
し、微細で深い溝あるいはホールをエッチング加工する
場合を考える。たとえば、図6に示すように、開口部パ
ターン寸法Bが0.4〜0.1μm、加工深さEが1〜5
μmであり、完成加工溝あるいはホールのアスペクト比
(E/B)が、5〜15と大きい場合を考える。この場
合、炭素系樹脂材料は、絶縁物であるため、被加工中の
溝あるいはホールの側壁が、垂直形状より膨らんだ形と
なる、いわゆるボーイング形状となり、垂直加工が難し
いという問題があった。
いずれかでおこると考えられている。
る。ドライエッチングでは、一般にウエハを載置するス
テージに高周波バイアスをかけて、加速イオンと電子を
交互にウエハに引き込むことにより、エッチングする。
溝あるいはホールのアスペクト比が大きくなると、電子
は、ウエハの溝あるいはホール内に侵入しにくくなり、
溝あるいはホールの底部が、正イオンでチャージアップ
するようになるいわゆる電子シェイディング現象が起こ
る。この結果、プラズマシース部で加速されたイオン
は、底部のチャージアップの影響で、入射イオンの一部
分が溝あるいはホール内で直進せず、わずかに軌道が曲
げられて、溝あるいはホールの側壁に衝突し、側壁のエ
ッチングが生じるため、ボーイングが起こると考えられ
る。
ハードマスクのエッジに衝突したイオンがその軌道を曲
げられて、溝あるいはホールの側壁に衝突すると考えら
れる。一般に炭素系樹脂材料をエッチングするには、あ
らかじめパターニングした、Al2O3薄膜あるいはSi
O2 薄膜が用いられる。このハードマスクはエッチング
の進行に伴って、エッジ部がイオンにたたかれて、ファ
セットと呼ばれる傾斜形状となり、そこにイオンが入射
すると、図8に示したようなイオンの散乱が起こる。
性のガスをエッチャント性ガス(この場合酸素)に同時
に混合して側壁保護性の皮膜をエッチング中に形成する
方法がとられる。上記の従来技術〜における、ガス
Cl2,N2,SO2,NH3は、その目的であり、エッチ
ング途中に炭素系樹脂から出てくるCを含む反応生成物
CO,CH等と化合して、CHCl,CN,CS等の結
合を側壁表面で形成し、側壁保護膜を形成し、ボーイン
グを防ごうとするものである。
では、開口幅が狭まり、溝あるいはホールのアスペクト
比が大きくなってくると、ボーイングは抑えきれなくな
る。図9にその一例を示すように、側壁保護性のガス成
分比を増加させると、確かにボーイングの度合いは減少
していくが、溝あるいはホールの底の寸法がせまくなる
傾向が同時に起こり、極端な場合は、エッチングガスト
ップして非開口にいたってしまう。
さ3.5μm のレジスト樹脂を、Al2O30.2μm 厚
のハードマスクで、O2/N2/He(希釈ガス)のガス
系でエッチングしたときの実験結果である。圧力は0.
5Paとしている。
溝上部から、1〜2μmのあたり(アスペクト比で2〜
4あたり)で顕著に起こり、それより下の部分では、ボ
ーイングの勢いが飽和する傾向がある。これは、イオン
が側壁のちょうどアスペクト比2〜4あたりによくあた
るように、散乱イオン分布が決まるせいであると考えら
れる。
壁保護性ガスによる側壁保護膜の強度が十分でないた
め、側壁にあたったイオンによる側壁エッチングを防ぎ
きれていないことと、側壁保護膜がエッチング中の側壁
の底部にも形成され、かつ、側壁底部は壁にあたる非直
進散乱イオンの数が少なくなるため、ボーイング傾向が
弱まると同時に、過剰側壁保護の結果、加工形状がテー
パー傾向となり、寸法の細りが起こってしまうという課
題があった。
膜のエッチングにおいても、非直進散乱イオンから側壁
エッチングを十分に保護し、かつ溝あるいはホール底部
の寸法細りを起こさない試料のエッチング処理方法を提
供することにある。
に、本発明の特徴は、酸素およびBCl3 ガスとの混合
ガスのプラズマによって試料をエッチング処理する方法
にある。
理方法において、炭素を主体とする樹脂は、フォトレジ
スト樹脂である。あるいは炭素を主体とする樹脂は、L
ow−k材料(SILK,FLARE等の炭素とSiを
主成分とする低誘電率絶縁膜)である。
理方法において、エッチングは2つのステップに分か
れ、第1のステップは、酸素のみを含み、BCl3 を含
まないガスプラズマにてエッチングし、第2のステップ
は酸素および、BCl3 を含む混合ガスのプラズマによ
って試料をエッチング処理することにある。
理方法において、エッチングは2つのステップに分か
れ、第1のステップは、BCl3 の混合比を次の第2の
ステップとは異なった条件のガスプラズマにてエッチン
グし、第2のステップは酸素および、BCl3を含む混
合ガスのプラズマによって試料をエッチング処理するこ
とにある。
理方法において、エッチングガスは酸素および、BCl
3以外に、HeあるいはAr等の、不活性ガスを希釈ガ
スとして含むガスプラズマを用いることにある。
理方法において、炭素を主体とする樹脂の膜は、その上
部にエッチング加工のマスクとして、パターニングされ
た、Al2O3あるいは、SiO2 膜を有することにあ
る。
ガスとの混合ガスに加えて、N2,NH3 ,Cl2 ,S
O2 等の側壁保護性添加ガスを混合して試料をエッチン
グ処理することにある。
側壁にあたるイオンでサイドエッチングが起こらない程
度の十分に強固な側壁保護膜が形成できる添加ガス系が
望ましい。また同時に、パターン底部での寸法細りを起
こさないためには、底部には側壁保護性のガスが届きに
くくすることが望ましい。このためには、側壁保護性の
化合物はプラズマ中で形成され、かつその化合物の、被
エッチング材料表面への付着確率が、相対的に高く、側
壁上部に選択的に付着し、側壁下部には届きにくい性質
のガス系がよい。
々ガス系について鋭意実験を重ね、その結果、従来の酸
素系ガスに、BCl3 を混合することにより、ボーイン
グを軽減でき、かつパターン底部寸法細りを回避できる
ガス系を見出した。
図2により説明する。
た被エッチング膜が構成されるウエハの断面状態を示す
一実施例である。サンプルは図1(a)に示すように、
基板上に、炭素系樹脂であるフォトレジスト樹脂膜(P
R)を3.3μm 形成し、その上にAl2O3膜、さらに
その上にパターンニングされたフォトレジスト膜で成る
三層構造となっている。図1(b)(c)(d)は、順
にサンプルの初期形状,Al2O3膜エッチング後の形
状,フォトレジスト樹脂膜エッチング後の形状である。
図1(d)のフォトレジストエッチング完の状態におい
て、パターン入り口寸法は、BCl3 によるデポのた
め、0.43μm と、初期のマスクパターン寸法0.4
8μm(図1(c)参照)より細るが、その後のエッチ
ング形状は、溝中部で、マスクパターン寸法0.48μ
m に対し約6%増加、溝底部でマスクパターン寸法0.
48μm に対し約4%増加とほぼ垂直形状が得られて
いることがわかる。
のエッチング処理装置としては、試料を減圧下でプラズ
マを利用してエッチング処理する装置が用いられる。電
子サイクロトロン共鳴(ECR)型のマイクロ波プラズ
マエッチング装置,誘導結合プラズマエッチング装置,
容量結合型エッチング装置,ヘリコン波結合型エッチン
グ装置等が採用される。
全体の概略構成を示し、図3は図2の真空部分の断面を
示す。これらの図において、試料の処理装置は、エッチ
ング処理装置1,真空搬送装置2,ロードロック室3,
アンロードロック室4,大気搬送装置5,大気ローダ7
およびカセット8を備えている。
エッチング装置を例にとって説明する。
す。図4において、エッチング処理装置1は、アルミナ
セラミックスあるいは石英製のベルジャ10で構成され
るエッチング処理室11,試料台12,処理ガス導入部
13,真空排気部14,誘導コイル(例えば13MH
z,2KW)15を備え、試料台12には、被処理物1
8が載せられて加工される。また、試料台12には、高
周波装置16(例えば800kHz,200W)が接続
される。
レジスト樹脂をAl2O3をマスクにエッチングを行っ
た。希釈ガスとしてHeを用い、O2 ガス=20ccm に
対し、BCl3 ガスを加えていくと、図5に示すような
特性が得られた。すなわちBCl3 ガスなしの条件にて
は、側壁保護が弱く、側壁中部にあたるイオンに対する
防護ができず、ボーイングが大きいが、BCl3 添加量
を増加させるに従い、ボーイングは低減できていく。B
Cl3/(BCl3+O2)比10%にて、パターン底部の
寸法は、マスクの寸法と同程度となり、垂直形状が得ら
れることがわかる。
が0.5Pa 、誘導コイルパワーが、750〜1000
W、試料台に印加する高周波パワーは100〜150W
という範囲で特に有効であった。また、不活性希釈ガス
としてHeを用い、He,O2 ,BCl3 をあわせた全
ガス流量が1000ccmとなるようにした。
ぎることによる、不具合が生じる場合がある。これは、
パターン溝部でなく、パターン疎部に針状残渣の生じる
現象である。これは、エッチングを2ステップに分け、
第1ステップとして、酸素と希釈不活性ガスのみでエッ
チングし、1μmほどエッチングし、しかる後に、第2
ステップとして、上記のガス系にBCl3 を添加した。
これによって、残渣がなく、かつボーイングを低減した
エッチング形状が得られた。
合、次の機構によって針状残渣が生じたものと考えられ
る。すなわち、本レジストエッチングに先立って、Al
2O3ハードマスクを、塩素+BCl3 系のガスによっ
て、エッチングしているが、このときにレジスト表面状
態が変化し、引き続くBCl3+O2ガス系でのレジスト
エッチング時に、針状残渣の核が生じたと考えられる。
第1ステップとして酸素系のみでエッチングし、レジス
トの初期表面をブレークスルーすれば、針状残渣が生じ
ることはない。
は、チャージアップあるいは、ハードマスクファセット
によるイオン軌道の散乱が起こりにくいので、ボーイン
グは見られない。したがって、その後第2ステップとし
てBCl3 を添加したガス系で、エッチングを続行すれ
ばボーイングを低減すると同時に、針状残渣は発生しな
い様に出来る。
て、BCl3 の(O2+BCl3)に対する混合比を、2
0%以上と、第2ステップの10%よりも、大幅に大き
くすることによっても、針状残渣の発生を防ぐことが出
来た。これも、Al2O3エッチ後の変化したレジスト表
面状態を、BCl3 混合比の大きい状態で、ブレークス
ルーすることによって、針状残渣の核が除去されたもの
と考えられる。
加する例を示したが、他の側壁保護性添加ガスたとえ
ば、N2,SO2,Cl2,NH3等のガスと本BCl3 な
らびにO2 を組み合わせて使っても良い。
フォトレジスト樹脂やLow−k材料などの炭素を主体
とする樹脂を、ボーイングおよび先細りなくエッチング
することができる。
エッチング後の断面写真を示す説明図である。
示す説明図である。
示す説明図である。
処理室の断面構造を示す説明図である。
およびボトム開口比の、実験データを示す説明図であ
る。
グにおいて、ボーイング形状を説明する図である。
である。
である。
イング比およびボトム開口比の、実験データを示す説明
図である。
ドロック室、4…アンロードロック室、5…大気搬送装
置、7…大気ローダ、8…カセット、11…エッチング
処理室、12…試料台、13…処理ガス導入部、14…
真空排気部、15…誘導コイル、18…被処理物、16
…高周波装置。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素を主体とする樹脂の膜を、酸素およ
びBCl3ガスとの混合ガスのプラズマによってエッチ
ング処理するドライエッチング方法において、 エッチングは2つのステップに分かれ、第1のステップ
は、酸素のみを含み、BCl 3を含まないガスプラズマ
にてエッチングし、第2のステップは酸素および、BC
l 3を含む混合ガスのプラズマによってエッチング処理
する ことを特徴とするドライエッチング方法。 - 【請求項2】 炭素を主体とする樹脂の膜を、酸素およ
びBCl 3ガスとの混合ガスのプラズマによってエッチ
ング処理するドライエッチング方法において、エッチングは2つのステップに分かれ、第1のステップ
は、BCl 3の混合比を次の第2のステップとは異なっ
た条件のガスプラズマにてエッチングし、第2のステッ
プは酸素および、BCl 3を含む混合ガスのプラズマに
よってエッチング処理することを 特徴とするドライエッ
チング方法。
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