JP3525649B2 - 廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法 - Google Patents
廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法Info
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- JP3525649B2 JP3525649B2 JP27831396A JP27831396A JP3525649B2 JP 3525649 B2 JP3525649 B2 JP 3525649B2 JP 27831396 A JP27831396 A JP 27831396A JP 27831396 A JP27831396 A JP 27831396A JP 3525649 B2 JP3525649 B2 JP 3525649B2
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物の処理により
発生するガスの処理技術に関する。
発生するガスの処理技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、次のような処理がなされている。
（１）廃棄物を焼却炉で焼却し発生した排ガスのエネル
ギをボイラーで回収した後減温塔で冷却し、バグフィル
ターで除塵して、大気に放出している。 （２）廃棄物を低温ガス化炉（乾留炉）で乾留させ、発
生する可燃性ガス及び細かく破砕された灰分を旋回溶融
炉に導き、灰分を溶融排出すると共に、この溶融炉から
の排ガスのエネルギをボイラーで回収した後減温塔で冷
却し、バグフィルターで除塵して、大気に放出してい
る。 （３）廃棄物を高温ガス化炉でガス化し、発生する可燃
性ガスを二次燃焼炉で燃焼させ、ボイラーで熱回収して
から、その排ガスを減温塔で冷却し、バグフィルターで
除塵して、大気に放出している。
ギをボイラーで回収した後減温塔で冷却し、バグフィル
ターで除塵して、大気に放出している。 （２）廃棄物を低温ガス化炉（乾留炉）で乾留させ、発
生する可燃性ガス及び細かく破砕された灰分を旋回溶融
炉に導き、灰分を溶融排出すると共に、この溶融炉から
の排ガスのエネルギをボイラーで回収した後減温塔で冷
却し、バグフィルターで除塵して、大気に放出してい
る。 （３）廃棄物を高温ガス化炉でガス化し、発生する可燃
性ガスを二次燃焼炉で燃焼させ、ボイラーで熱回収して
から、その排ガスを減温塔で冷却し、バグフィルターで
除塵して、大気に放出している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法のそれぞれ
には、次のような問題点がある。 （１）の方法では、燃焼空気と未燃焼ガスの完全な混合
が難しく、完全燃焼が容易でない。また、ダイオキシン
の生成に対し触媒となるＣｕＣｌ２などが焼却炉から飛
散し、ボイラーやバグフィルターなどでダイオキシンを
再合成するためダイオキシンの発生量を０．５ｎｇ／ｍ
３Ｎ以下にすることが困難である。 （２）の方法では、未燃焼ガスの完全な燃焼がかなりの
程度可能であるが、廃棄物中のＣｌ分についてはかなり
量が旋回溶融炉に投入され、ＨＣｌ、あるいはアルカリ
金属塩、例えばＣｕＣｌ ２ などとなり下流側に流れるた
め、ダイオキシンが再生される。 （３）の方法でも、上記（２）の方法と同様な問題があ
る。この発明は上記のような問題点を解消できるように
した廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法を提供することを
課題とするものである。
には、次のような問題点がある。 （１）の方法では、燃焼空気と未燃焼ガスの完全な混合
が難しく、完全燃焼が容易でない。また、ダイオキシン
の生成に対し触媒となるＣｕＣｌ２などが焼却炉から飛
散し、ボイラーやバグフィルターなどでダイオキシンを
再合成するためダイオキシンの発生量を０．５ｎｇ／ｍ
３Ｎ以下にすることが困難である。 （２）の方法では、未燃焼ガスの完全な燃焼がかなりの
程度可能であるが、廃棄物中のＣｌ分についてはかなり
量が旋回溶融炉に投入され、ＨＣｌ、あるいはアルカリ
金属塩、例えばＣｕＣｌ ２ などとなり下流側に流れるた
め、ダイオキシンが再生される。 （３）の方法でも、上記（２）の方法と同様な問題があ
る。この発明は上記のような問題点を解消できるように
した廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法を提供することを
課題とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物ガス化炉
の排ガス処理方法は、廃棄物を乾留あるいは不完全燃焼
することにより得られた還元性の可燃ガスを高温で所定
時間滞留させ、前記可燃ガス中のタールを分解した後、
冷却して低沸点金属塩を固化し除塵して、さらに消石灰
を噴霧してＨＣｌを除去し、こうして処理された可燃ガ
スを二次燃焼炉内に高温で所定時間滞留させて燃焼する
ことを特徴とするものである。
の排ガス処理方法は、廃棄物を乾留あるいは不完全燃焼
することにより得られた還元性の可燃ガスを高温で所定
時間滞留させ、前記可燃ガス中のタールを分解した後、
冷却して低沸点金属塩を固化し除塵して、さらに消石灰
を噴霧してＨＣｌを除去し、こうして処理された可燃ガ
スを二次燃焼炉内に高温で所定時間滞留させて燃焼する
ことを特徴とするものである。
【０００５】そして、具体的には、空気、あるいは空気
及び酸素を供給して還元性の可燃ガスを８００℃以上
で、２秒以上滞留させることを特徴とするものである。
この場合、ダイオキシンは還元雰囲気では生成しにく
く、またタールも８００℃以上の高温の還元雰囲気では
低級の炭化水素に分解される。こうして、後段のバグフ
ィルターにより除塵が可能となる。
及び酸素を供給して還元性の可燃ガスを８００℃以上
で、２秒以上滞留させることを特徴とするものである。
この場合、ダイオキシンは還元雰囲気では生成しにく
く、またタールも８００℃以上の高温の還元雰囲気では
低級の炭化水素に分解される。こうして、後段のバグフ
ィルターにより除塵が可能となる。
【０００６】また、還元性の可燃ガスをバグフィルター
に入る前に３５０℃以下に冷却することを特徴とするも
のである。こうして、温度を下げることによりダイオキ
シン類の触媒物質を含む低沸点金属塩（塩化物が多い）
を固化できバグフィルターで除去できる。
に入る前に３５０℃以下に冷却することを特徴とするも
のである。こうして、温度を下げることによりダイオキ
シン類の触媒物質を含む低沸点金属塩（塩化物が多い）
を固化できバグフィルターで除去できる。
【０００７】例えば、ダイオキシン生成の触媒となるら
しいＣｕＣｌ２の融点は４３０℃である。また、消石灰
を用いてＨＣｌを除去することにより、ダイオキシンの
再合成の原料となるものを除去することが可能となる。
また、ガスは還元性雰囲気のため、酸化雰囲気では再合
成温度となる２００℃〜４５０℃の状態にあってもダイ
オキシンは生成しない。
しいＣｕＣｌ２の融点は４３０℃である。また、消石灰
を用いてＨＣｌを除去することにより、ダイオキシンの
再合成の原料となるものを除去することが可能となる。
また、ガスは還元性雰囲気のため、酸化雰囲気では再合
成温度となる２００℃〜４５０℃の状態にあってもダイ
オキシンは生成しない。
【０００８】更に、処理された可燃ガスを二次燃焼炉内
において空気あるいは可燃ガスの発熱量が低い場合には
空気及び酸素を供給して、８００℃以上で、２秒以上滞
留させて燃焼することを特徴とするものである。こうし
て、高温で二次燃焼させることにより、ダイオキシン、
炭化水素の完全分解が可能となる。そして、完全燃焼し
ている上に、ダイオキシン再合成の触媒物質やＣｌ分を
既に除去しているため、ほとんど再合成されない。
において空気あるいは可燃ガスの発熱量が低い場合には
空気及び酸素を供給して、８００℃以上で、２秒以上滞
留させて燃焼することを特徴とするものである。こうし
て、高温で二次燃焼させることにより、ダイオキシン、
炭化水素の完全分解が可能となる。そして、完全燃焼し
ている上に、ダイオキシン再合成の触媒物質やＣｌ分を
既に除去しているため、ほとんど再合成されない。
【０００９】また、除塵し、ＨＣｌを除去して、高温腐
食の問題を回避することにより、通常の焼却炉のボイラ
ーよりも蒸気圧、蒸気温度を高くでき、発電効率が上昇
する。
食の問題を回避することにより、通常の焼却炉のボイラ
ーよりも蒸気圧、蒸気温度を高くでき、発電効率が上昇
する。
【００１０】また、可燃ガスを燃焼させることにより、
ストーカー式の焼却で一般に必要とされる１．８程度の
空気比を１．３程度の低空気比にすることにより、排ガ
ス量を減らし、煙突から逃げる熱量を少なくすることに
より、発電効率を高めることができる。
ストーカー式の焼却で一般に必要とされる１．８程度の
空気比を１．３程度の低空気比にすることにより、排ガ
ス量を減らし、煙突から逃げる熱量を少なくすることに
より、発電効率を高めることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例を、図１に示す本発明方法を実施するための設備構成
の一例を示す説明図により説明する。乾留炉と高温化炉
を一体化したガス化炉に、廃棄物を投入し、不完全燃焼
あるいは乾留させ、発生した可燃性ガスに空気および必
要により酸素を供給し、温度を８００℃以上の状態に、
２秒以上保つ。この場合の可燃ガスとは発熱量を１００
ｋｃａｌ／ｍ3 Ｎ以上と定義する。
例を、図１に示す本発明方法を実施するための設備構成
の一例を示す説明図により説明する。乾留炉と高温化炉
を一体化したガス化炉に、廃棄物を投入し、不完全燃焼
あるいは乾留させ、発生した可燃性ガスに空気および必
要により酸素を供給し、温度を８００℃以上の状態に、
２秒以上保つ。この場合の可燃ガスとは発熱量を１００
ｋｃａｌ／ｍ3 Ｎ以上と定義する。
【００１２】こうして得られた可燃ガスをボイラーに送
給して、熱回収を図り、温度を低下させてから、更に減
温塔で、例えば工業用水により２５０〜３００℃までに
温度降下させる。
給して、熱回収を図り、温度を低下させてから、更に減
温塔で、例えば工業用水により２５０〜３００℃までに
温度降下させる。
【００１３】ついで、消石灰を噴霧し、ガス中のＨＣｌ
を除去する。こうして、２００℃程度にまで温度降下さ
れたガスをバグフィルターにより除塵する。
を除去する。こうして、２００℃程度にまで温度降下さ
れたガスをバグフィルターにより除塵する。
【００１４】除塵後のガスを二次燃焼炉に導き、燃焼空
気を供給し、ガスの発熱量が低い場合には酸素を添加し
て、８００℃以上で２秒以上滞留させて完全燃焼し、ボ
イラーで熱回収を図る。
気を供給し、ガスの発熱量が低い場合には酸素を添加し
て、８００℃以上で２秒以上滞留させて完全燃焼し、ボ
イラーで熱回収を図る。
【００１５】最後に触媒を入れた脱硝塔に導き、ＮＯX
を除去してから、煙突から大気に放出する。このフロー
シートに従って処理した場合の、煙突出口排ガス中のＣ
Ｏ濃度とダイオキシン濃度との関係を、従来の（１）の
方法の場合と対比して図２に示す。
を除去してから、煙突から大気に放出する。このフロー
シートに従って処理した場合の、煙突出口排ガス中のＣ
Ｏ濃度とダイオキシン濃度との関係を、従来の（１）の
方法の場合と対比して図２に示す。
【００１６】本方式の場合は、ＣＯ濃度及びダイオキシ
ン濃度とも従来に比べ格段と低下している。次に、高温
化炉出口温度とタール濃度との関係を、滞留時間を変化
させた場合について比較して図３に示す。２秒以上滞留
させることにより、基準値以下に減少させることができ
る。
ン濃度とも従来に比べ格段と低下している。次に、高温
化炉出口温度とタール濃度との関係を、滞留時間を変化
させた場合について比較して図３に示す。２秒以上滞留
させることにより、基準値以下に減少させることができ
る。
【００１７】
【発明の効果】この発明は上記のようなもので、排ガス
中のダイオキシン濃度を低下させることができる。
中のダイオキシン濃度を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明方法を実施するための設備構成の一例を
示す説明図。
示す説明図。
【図２】煙突出口排ガス中のＣＯ濃度とダイオキシン濃
度との関係を示す説明図。
度との関係を示す説明図。
【図３】高温化炉出口ガス温度とタール濃度との関係
を、滞留時間を変化させた場合について比較した説明
図。
を、滞留時間を変化させた場合について比較した説明
図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 山川 裕一
東京都千代田区丸の内一丁目１番２号
日本鋼管株式会社内
(72)発明者 鈴木 康夫
東京都千代田区丸の内一丁目１番２号
日本鋼管株式会社内
(56)参考文献 特開 平７−71731（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−346218（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−263009（ＪＰ，Ａ)
特開 昭51−134376（ＪＰ，Ａ)
特開 平８−94041（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−324716（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F23G 5/027 ZAB
C10J 3/00
F23G 7/06
Claims (4)
- 【請求項１】 廃棄物を乾留あるいは不完全燃焼するこ
とにより得られた還元性の可燃ガスを高温で所定時間滞
留させ、前記可燃ガス中のタールを分解した後、冷却し
て低沸点金属塩を固化し除塵して、さらに消石灰を噴霧
してＨＣｌを除去し、こうして処理された可燃ガスを二
次燃焼炉内に高温で所定時間滞留させて燃焼することを
特徴とする廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法。 - 【請求項２】 空気、あるいは空気及び酸素を供給して
還元性の可燃ガスを８００℃以上で、２秒以上滞留させ
ることを特徴とする請求項１に記載の廃棄物ガス化炉の
排ガス処理方法。 - 【請求項３】 還元性の可燃ガスをバグフィルターに入
る前に３５０℃以下に冷却することを特徴とする請求項
１に記載の廃棄物ガス化炉の処理方法。 - 【請求項４】 処理された可燃ガスを二次燃焼炉内にお
いて空気あるいは可燃ガスの発熱量が低い場合には空気
及び酸素を供給して、８００℃以上で、２秒以上滞留さ
せて燃焼することを特徴とする請求項１に記載の廃棄物
ガス化炉の排ガス処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27831396A JP3525649B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27831396A JP3525649B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10122527A JPH10122527A (ja) | 1998-05-15 |
| JP3525649B2 true JP3525649B2 (ja) | 2004-05-10 |
Family
ID=17595605
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27831396A Expired - Fee Related JP3525649B2 (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 廃棄物ガス化炉の排ガス処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3525649B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105387473A (zh) * | 2015-12-15 | 2016-03-09 | 威海鲁源科技环保设备有限公司 | 一种带烟气燃烧室的净化处理系统 |
-
1996
- 1996-10-21 JP JP27831396A patent/JP3525649B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10122527A (ja) | 1998-05-15 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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