JP3525395B2 - 耐熱性にすぐれた水洗トイレット用芳香洗浄剤組成物 - Google Patents

耐熱性にすぐれた水洗トイレット用芳香洗浄剤組成物

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JP3525395B2
JP3525395B2 JP11502893A JP11502893A JP3525395B2 JP 3525395 B2 JP3525395 B2 JP 3525395B2 JP 11502893 A JP11502893 A JP 11502893A JP 11502893 A JP11502893 A JP 11502893A JP 3525395 B2 JP3525395 B2 JP 3525395B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は耐熱性にすぐれた水洗ト
イレット用芳香洗浄剤組成物に関する。さらに詳しく
は、その成形体の溶解消失時間が長い耐熱性にすぐれた
水洗トイレット用芳香洗浄剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】水洗トイレット用芳香洗浄剤は、一般に
固形状であり、容器に収納して、またはそのままの状態
で水洗トイレットの貯水タンク内に直接投入したり、貯
水タンクの手洗い部に取付けたりすることにより、タン
ク内の貯留水にその組成物を徐々に溶解または分散さ
せ、水洗時の流水とともにトイレット便器などを洗浄
し、かつ芳香を漂わせ、トイレット内をさわやかに保つ
ための薬剤として用いられている。 【0003】前記水洗トイレット用芳香洗浄剤には、芳
香成分および洗浄成分のほかに基剤が配合されている。
この基剤は、芳香成分や洗浄成分を固形化するためのバ
インダーとしての役割のほか、流水や貯水への配合成分
の溶解速度をコントロールして適度な芳香性と洗浄性を
適度な期間持続させる役割を担っている。 【0004】こうした基剤としては、ポリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールの片末端もしくは両末
端の水酸基をアルキル基などの疎水性基で置換してエー
テルまたはエステルとしたもの(以下、ポリエチレング
リコールタイプという)、プロピレンオキシドとエチレ
ンオキシドのみからなる両末端が水素原子のもの(以
下、共重合体タイプという)などが用いられている(特
開昭51-39705号、同53-31709 号、同55-131098 号、同5
7-179298 号公報など参照)。 【0005】しかしながら、これらの従来の水洗トイレ
ット用芳香洗浄剤の基剤には、以下のような問題があ
る。 【0006】ポリエチレングリコールは、水溶性が大き
すぎるため持続性に劣り、また水溶性が水温によって左
右される点で基本的な問題点がある。すなわち、水溶性
が大きすぎると芳香成分や洗浄成分などの配合成分の溶
出速度が大きくなり、短時間で効果が失われるという問
題点がある。そこで、溶出速度を小さくするために、分
子量を大きくしたばあいには、確かにある程度溶出速度
を小さくすることができるとはいうものの、その高分子
量化に長時間を要するため生産効率がわるく、高価とな
る。 【0007】また共重合体タイプのものは、持続性がポ
リエチレングリコールよりもよいとはいうものの、不充
分である。 【0008】さらにこれらの芳香洗浄剤成型物は、耐熱
性がよくないため、とくに夏場では成型物保管中におい
て形が崩れ、商品としての価値を損なうばあいがしばし
ば発生する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて芳香成分や洗浄成分などの配
合成分の溶解消失時間が長い、すなわち配合成分の徐放
性にすぐれた水洗トイレット用芳香洗浄剤組成物を開発
するべく鋭意研究を重ねた結果、かかる性質にすぐれ、
かつ、耐熱性にすぐれた芳香洗浄剤を見出し、本発明を
完成するにいたった。 【0010】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は(A)
一般式(I) : 【0011】 【化3】 【0012】(式中、R1 は、1〜8個の活性水素原子
を有する有機化合物と、炭素数3のエポキシド0〜98重
量%および炭素数4〜40のエポキシド2〜100 重量%か
らなるエポキシドとを重合してなる重量平均分子量500
〜12000 の重合体の残基、R2は水素原子およびメチル
基の少なくとも一種であって、R2 の少なくとも75モル
%は水素原子、pは1〜8の整数、nは 【0013】 【化4】 【0014】を満足する整数を示す)で表わされる重量
平均分子量5000〜50000 の化合物と炭素数4〜40のエポ
キシドとを開環重合してなるポリエーテル化合物、およ
び(B) 前記一般式(I) で表わされる化合物と炭素数8〜
30の脂肪酸とのエステル化合物の少なくとも一種からな
る化合物100 重量部と融点70℃以上のろうであるモンタ
ンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス
およびライスワックスの1種以上1〜100 重量部を基剤
として含有したことを特徴とする耐熱性にすぐれた水洗
トイレット用芳香洗浄剤組成物に関する。 【0015】 【作用および実施例】本発明の水洗トイレット用芳香洗
浄剤組成物は、前記したように、(A) 一般式(I) : 【0016】 【化5】 【0017】(式中、R1 は、1〜8個の活性水素原子
を有する有機化合物と、炭素数3のエポキシド0〜98重
量%および炭素数4〜40のエポキシド2〜100 重量%か
らなるエポキシドとを重合させてえられた重量平均分子
量500 〜12000 の重合体の残基、R2 は水素原子および
メチル基の少なくとも一種であって、R2 の少なくとも
75モル%は水素原子、pは1〜8の整数、nは 【0018】 【化6】 【0019】を満足する整数を示す)で表わされる重量
平均分子量5000〜50000 の化合物と炭素数4〜40のエポ
キシドとを開環重合してなるポリエーテル化合物、およ
び(B) 前記一般式(I) で表わされる化合物と炭素数8〜
30の脂肪酸とのエステル化合物の少なくとも一種からな
る化合物100 重量部と融点70℃以上のろうであるモンタ
ンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス
およびライスワックスの1種以上1〜100 重量部を基剤
として含有したことを特徴とする耐熱性にすぐれた水洗
トイレット用芳香洗浄剤組成物に関する。 【0020】前記一般式(I) で表わされる1〜8個の活
性水素原子を有する有機化合物において、活性水素原子
の数は1〜8であるが、好ましくは1〜4である。前記
1〜8個の活性水素原子を有する有機化合物としては、
たとえば高級脂肪族アルコール、直鎖または分岐鎖のア
ルキル基を有するアルキルフェノール、(ポリ)エチレ
ングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポ
リ)ブチレングリコール、ビスフェノールA、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ソ
ルビトール、脂肪族アミンなどがあげられるが、本発明
はかかる例示のみに限定されるものではない。なお、こ
れらの1〜8個の活性水素原子を有する有機化合物のな
かでは、高級脂肪族アルコール、アルキルフェノール、
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリ
コール、ビスフェノールAなどは、入手しやすく、かつ
高温時の品質安定性にすぐれたものであるのでとくに好
適に使用しうるものである。 【0021】前記炭素数3のエポキシドは、具体的には
1,2-エポキシプロパンである。 【0022】前記炭素数4〜40のエポキシドとしては、
たとえばアルキレンオキシド、α-オレフィンエポキシ
ド、スチレンオキシドなどがあげられるが、本発明はか
かる例示のみに限定されるものではない。なお、かかる
エポキシドの炭素数は、水溶性の点から15〜35、なかん
づく20〜30であることが好ましい。 【0023】本発明に用いられるエポキシドは、前記炭
素数3のエポキシドと炭素数4〜40のエポキシドから構
成されるが、前記炭素数3のエポキシドの割合が98重量
%をこえるばあい、すなわち前記炭素数4〜40のエポキ
シドの割合が2重量%未満であるばあい、えられる基剤
の水に対する溶解速度が大きくなり、持続性が低下する
ようになるため、前記炭素数3のエポキシドの割合は0
〜98重量%、また前記炭素数4〜40のエポキシドの割合
は2〜100 重量%となるように調製される。なお、本発
明においては、さらに適度な溶解性を付与するために
は、前記炭素数3のエポキシドの割合は40〜98重量%、
また前記炭素数4〜40のエポキシドの割合は2〜60重量
%とすることが好ましい。 【0024】前記1〜8個の活性水素原子を有する有機
化合物と、前記エポキシドとを重合させることにより、
重量平均分子量500 〜12000 の重合体がえられるが、前
記1〜8個の活性水素原子を有する有機化合物と前記エ
ポキシドのモル比についてとくに限定がなく、目的とす
る水溶性に応じて適宜調製すればよい。 【0025】前記重合体の重量平均分子量は、500 未満
であるばあいには、えられる基剤の水に対する溶解速度
が大きくなりすぎ、また12000 をこえるばあにいは、粘
度が大きくなりすぎて該重合体のエトキシレート化、プ
ロポキシレート化が困難となるので、本発明においては
500 〜12000 、好ましくは1000〜5000とされる。前記重
合体には前記1〜8個の活性水素原子を有する有機化合
物に由来して活性水素が含まれており、かかる活性水素
を除いた部分を本明細書では重合体の残基という。 【0026】前記一般式(I) において、式(II): 【0027】 【化7】 【0028】で表わされる基のR2 は水素原子およびメ
チル基の少なくとも一種であり、pは1〜8の整数、n
は 【0029】 【化8】 【0030】を満足する整数である。 【0031】前記R2 は、その少なくとも75モル%が水
素原子である。水素原子の割合が75モル%よりも小さい
ばあいには、えられる基剤の融点が低くなりすぎて洗浄
剤への成形性がわるくなる。 【0032】なお、前記一般式(I) で表わされる化合物
において、 【0033】 【化9】 【0034】が5/95よりも小さいばあいには、えられ
る基剤の水に対する溶解速度が大きくなりすぎて配合成
分の持続性が小さくなり、また50/50をこえるばあいに
は、えられる基剤の融点が低くなり、洗浄剤への成形性
がわるくなるので、かかる重量比を満足するようにnが
選ばれる。なお、前記重量比は、5/95〜30/70である
ことが好ましい。 【0035】前記一般式(I) で表わされる化合物は、公
知の方法、たとえば以下に示す方法によって容易に合成
される。 【0036】まず、前記活性水素原子1〜8個を有する
有機化合物に苛性ソーダなどの塩基性触媒を添加し、チ
ッ素ガス置換して100 ℃程度まで昇温し、所定量の前記
エポキシドを添加して反応させる。つぎにえられた生成
物に所定量のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシ
ドの少なくとも一種を重合反応させることにより、前記
一般式(I) で表わされる化合物がえられる。かかる化合
物の重量平均分子量は、えられる基剤の水に対する溶解
性、洗浄剤への成形性を考慮して5000〜50000、なかん
づく10000 〜20000 であることが好ましい。 【0037】前記一般式(I) で表わされる化合物は、芳
香洗浄剤組成物において基剤として用いることができる
有用なものであるが、本発明においては、以下に示すよ
うにポリエーテル化合物、エステル化合物として用いら
れる。これらの化合物は、前記一般式(I) で表わされる
化合物と比べて、えられる基剤の水に対する溶解速度を
小さくさせ、配合成分の持続性をより大きくするはたら
きを有する。 【0038】前記ポリエーテル化合物は、前記一般式
(I) で表わされる化合物と炭素数4〜40のエポキシドと
を開環重合することによりえられる。 【0039】前記炭素数4〜40のエポキシドの具体例と
しては、たとえばアルキレンオキシド、α- オレフィン
オキシド、スチレンオキシドなどがあげられるが、本発
明はかかる例示のみに限定されるものではない。なお、
かかるエポキシドの炭素数は、水溶性の点から15〜35、
なかんづく20〜30であることが好ましい。 【0040】前記炭素数4〜40のエポキシドの反応に供
する配合量は、えられる芳香洗浄剤の水溶性、水中にお
ける崩解性、高温時における形状安定性などを考慮して
適宜調製すればよい。 【0041】前記一般式(I) で表わされる化合物と炭素
数4〜40のエポキシドとを開環重合させる方法は、とく
に限定がなく、一般に採用されている方法であればよ
い。 【0042】前記ポリエーテル化合物の重平均分子量
は、あまりにも大きすぎるばあいには、粘度が大きくな
りすぎて芳香洗浄剤の生産効率がわるくなり、またあま
りにも小さすぎるばあいには、融点が低くなりすぎてえ
られた芳香洗浄剤が高温時に変形するようになるので、
10000 〜22000 程度であることが好ましい。 【0043】前記エステル化合物は、前記一般式(I) で
表わされる化合物と炭素数8〜30の脂肪酸とを反応させ
ることによりえられる。 【0044】前記炭素数8〜30の脂肪酸の具体例として
は、たとえばカプソル酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、セロチン酸、メリシン酸、それらの酸ハ
ライド、酸無水物などがあげられるが、本発明はこれら
例示のみに限定されるものではない。 【0045】前記炭素数8〜30の脂肪酸の反応に供する
配合量は、通常前記一般式(I) で表わされる化合物のOH
基1当量に対してCOOH基の化学量論量、好ましくは1〜
1.4当量となるように調製される。 【0046】前記一般式(I) で表わされる化合物と炭素
数8〜30の脂肪酸とのエステル化反応の方法としては、
たとえば通常の減圧加熱下にてエステル化する方法など
があげられるが、本発明はかかる方法によって限定され
るものではない。 【0047】前記ポリエーテル化合物およびエステル化
合物の少なくとも一種からなる化合物100 重量部と融点
70℃以上のろう(モンタンワックス、カルナバワック
ス、キャンデリラワックス、ライスワックス)1〜100
重量部の混合物は芳香洗浄剤組成物において、基剤とし
て用いられるものであり、また、各々の化合物は単独ま
たは二種以上を混合して用いてもよい。 【0048】芳香洗浄剤組成物に配合する基剤の量は、
配合成分の種類、えられる洗浄剤の形態などにより異な
るので一概には決定することができないが、通常、芳香
洗浄剤組成物中50〜75重量%含有されるように調製され
る。 【0049】耐熱性を向上させるための融点70℃以上の
ろう成分の配合量は、前記ポリエーテル化合物およびエ
ステル化合物の少なくとも一種からなる化合物100 重量
部に対し1〜100 重量部である。このろう成分の配合量
が1重量部未満のばあいは、耐熱性効果がえられず、10
0 重量部以上ではポリエーテル化合物およびエステル化
合物自体の物性が変化し、好ましい結果がえられない。 【0050】また、ろう成分の配合がなぜ耐熱性向上を
もたらしたかについては明らかでないが、ろう成分と前
記ポリエーテル化合物およびエステル化合物の相溶性が
きわめてよいために、網目状に均一に分散し、その結果
として耐熱性が向上するものと考えられる。使用するろ
としては、前述のごとく、モンタンワックス、カルナ
バワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスが
あげられ、混合物に耐熱性を付与するためには融点70℃
以上であることが必要である。 【0051】前記芳香洗浄剤組成物に配合される配合成
分としては、たとえば調合香料に代表される芳香成分、
リンゴ酸、グリオキザールなどの消臭成分、エーテル型
非イオン系界面活性剤、α- オレフィン系炭化水素化合
物、アルキルエーテル硫酸塩などの一般に芳香洗浄剤に
用いられている洗浄成分をはじめ、たとえばトイレット
流水に清潔感を付与しうる各種着色剤、油性成分の乳化
可溶化剤、各種殺菌剤、各種キレート化剤、芒硝やグル
コースなどの増量剤、ポリエチレングリコールおよびそ
の誘導体などの溶解性調節剤などの添加剤などがあげら
れ、これらの配合割合は、えられる芳香洗浄剤の形態な
どに応じて適宜決定される。その一例としては、たとえ
ば芳香洗浄剤組成物に対して芳香成分または消臭成分1
〜30重量%、洗浄成分3〜50重量%、その他の添加剤0
〜50重量%があげられる。 【0052】なお、本発明の芳香洗浄剤組成物を用いて
芳香洗浄剤を形成する方法についてはとくに限定はない
が、その一例としては、たとえば基剤を加熱溶融したの
ち撹拌しながら配合成分を混合し、ついで基剤の凝固点
付近まで徐冷したのち、成形型内に注入し、冷却して固
化する方法、基剤および配合成分を微粉末にして均一に
混合したのち、圧縮成形する方法などがあげられる。 【0053】つぎに本発明の水洗トイレット用芳香洗浄
剤組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。 【0054】製造例1 ポリエーテル化合物Aの製造 オートクレーブ内にプロピレングリコール1部(重量
部、以下同様)を入れ、ついで塩基性触媒としてKOH 0.
05部を添加したのち、オートクレーブ内をチッ素ガス置
換した。つぎに、ブチレンオキシド13部を添加し、100
℃まで昇温して反応を完了した。つぎにプロピレンオキ
シド33部を添加して重合させ、えられた重合体の重量平
均分子量を調べたところ、2560であった。 【0055】つぎに、オートクレーブ内にエチレンオキ
シド185 部を添加し、130 ℃に温度を維持しながら反応
を完了した。えられた化合物Aに含まれる一般式(I) に
おけるR1 基の含有量を調べたところ、20重量%であっ
た。 【0056】さらに、オートクレーブ内に分子量380 の
1,2-エポキシアルカン(α- オレフィンエポキシド)8
部を添加し、130 ℃で撹拌して開環重合を行ない、重量
平均分子量が12500 のポリエーテル化合物A240 部をえ
た。 【0057】製造例2 ポリエーテル化合物Bの製造 オートクレーブ内にグリセリン1部を入れ、ついでその
内部をチッ素ガス置換した。つぎに、分子量380 の1,2-
エポキシアルカン(α- オレフィンエポキシド)6部を
添加し、100 ℃まで昇温し、撹拌をつづけ、さらにプロ
ピレンオキシド45部およびブチレンオキシド5部の混合
物を添加して100 ℃に温度を維持しながら撹拌をつづ
け、反応を完了した。重合体の重量平均分子量を調べた
ところ、4800であった。 【0058】つぎに、オートクレーブ内にエチレンオキ
シド250 部を添加し、130 ℃に温度を維持しながら撹拌
をつづけ、化合物Bをえた。えられた化合物Bに含まれ
る一般式(I) におけるR1 の含有量を製造例1と同様に
して調べたところ、19重量%であった。 【0059】さらに、オートクレーブ内に分子量200 の
1,2-エポキシアルカン(α- オレフィンエポキシド)5
部を添加し、130 ℃で撹拌しながら開環重合を行ない、
重量平均分子量が23000 のポリエーテル化合物B312 部
をえた。 【0060】製造例3 エステル化合物Aの製造 製造例2でえられた化合物B307 部をチッ素置換された
フラスコ内に入れ、ついでパルミチン酸クロライド5.5
部を添加し、約200 ℃に温度を保ちながら5時間撹拌を
つづけてエステル化反応を行ない、エステル化合物A31
2.5 部をえた。 【0061】実験例1 製造例1〜3でえられた化合物A、化合物B、ポリエー
テル化合物A、ポリエーテル化合物Bおよびエステル化
合物Aならびにこれらにろうを配合した混合物と、比較
実験として従来から基剤に用いられているポリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールジステアレート、
ポリプロピレングリコールのエチレンオキシド付加重合
物の水に対する溶解性および耐熱性を以下の方法で調べ
た。その結果を表1に示す。 【0062】(水に対する溶解性測定法)芳香洗浄剤組
成物基剤を直径16mm、長さ700mm の円柱形状に成型し、
25℃の水5リットル中に静置浸漬して成型物の溶解状態
を観察し、完全に溶解するのに要する時間(溶解消失所
要時間A)を測定した。 【0063】(耐熱性測定法)芳香洗浄剤組成物基剤を
直径20mmの底円、高さ40mmの円錐型に成型し、この成型
物を70℃の恒温オーブン中に放置する。放置2時間後に
円錐型の高さを測定する。高さがオーブンへ入れる前の
値に近いほど耐熱性がよいと判断する。 【0064】つぎに溶解所要時間Aが1500分以上の化合
物または混合物については、各化合物または混合物に分
子量20000 のポリエチレングリコールが50重量%含有さ
れるように調製し、前記水に対する溶解性測定法に用い
たのと同様の成型物を作成し、同様にして成形物が完全
に溶解するのに要する時間(溶解消失所要時間B)を測
定した。 【0065】 【表1】 【0066】表1に示した結果から明らかなように、本
発明に用いられる基剤は、水に対する溶解性が小さく、
かつ、耐熱性が良好で芳香洗浄剤組成物に好適に使用し
うるものであることがわかる。 【0067】実施例1 つぎの成分のうち、基剤である製造例1でえられたポリ
エーテル化合物Aを加熱溶融したのち、撹拌下で残りの
成分を加えて混合し、凝固点付近まで徐冷したのち成形
型に入れ、固化して水洗トイレット用芳香洗浄剤を作製
した。 【0068】 (成 分) (重量部) ポリエーテル化合物A 58 モンタンワックス 7 香 料 20 洗浄剤成分(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル) 5 着色剤 10 実施例2 製造例2でえられたポリエーテル化合物Bを用い、実施
例1と同様に混合、固化して水洗トイレット用芳香洗浄
剤を作製した。 【0069】 (成 分) (重量部) ポリエーテル化合物B 54 カルナバワックス 6 香 料 20 洗浄剤成分(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル) 5 着色剤 10 中性無水芒硝 5 実施例3 製造例3でえられたエステル化合物Aを用い、実施例1
と同様に混合、固化して水洗トイレット用芳香洗浄剤を
作製した。 【0070】 (成 分) (重量部) エステル化合物A 57 キャンデリラワックス 8 香 料 20 洗浄剤成分(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル) 5 着色剤 10 比較例1 実施例1において、基剤として分子量が6000のポリエチ
レングリコールを用いたほかは実施例1と同様にして比
較用の水洗トイレット用芳香洗浄剤を作製した。 【0071】実験例2 図1に示すように、頂部に入水開口部1を有し、側部に
4個の出水孔2を有する蓋3と直径40mmで高さ70mmの円
筒状本体4とからなる容器に、実施例1〜3および比較
例1の芳香洗浄剤5を各々50gずつ充填したのち冷却固
化した。 【0072】これらの容器を家庭用水洗トイレットのロ
ータンク(貯水量:11リットル、東陶機器(株)製のTO
TO S-670)内に設置し、使用可能回数および便器内流水
の平均吸光度(630nm )を(株)島津製作所の分光光度
計(UV-265FW)を用いて測定した。なお、ロータンク内
の水および注入水の温度は30℃または5℃に維持し、そ
れぞれ1時間に1回自動的にフラッシュ(流水)するよ
うに設定した。使用可能回数とは、上記条件下に便器内
流水の平均吸光度がゼロになるまでの回数をいう。その
結果を表2に示す。 【0073】 【表2】 【0074】表2に示した結果から明らかなように、本
発明に用いられる基剤は、水に対する溶解性が小さく、
したがって適度な使用可能回数および便器内の流水の平
均吸光度(630nm )がえられ、芳香洗浄剤組成物に好適
に使用しうるものであることがわかる。 【0075】 【発明の効果】本発明の水洗トイレット用芳香洗浄組成
物は、ポリエチレングリコールタイプのものを基剤とす
る芳香洗浄剤組成物に比して、水に対する溶解速度が適
度に遅く、適切な配合成分の持続性を有するので、芳香
洗浄剤の基剤として好適に使用しうるものである。 【0076】また、耐熱性を向上させたために、トイレ
ット用芳香洗浄剤を作るに際し、原料の溶融均一化から
固化成型の工程中の固化成型が容易となる。この随伴効
果は、トイレット用芳香洗浄剤の製造にとってきわめて
有利なことである。
【図面の簡単な説明】 【図1】実験例2で用いた水洗トイレット用芳香洗浄剤
充填用容器の概略斜視図である。 【符号の説明】 5 芳香洗浄剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 3:50) (72)発明者 芝田 美穂 京都市中京区壬生馬場町19−3 デトム ワン二条城南301 (72)発明者 松本 純一良 滋賀県大津市衣川二丁目21−29 (56)参考文献 特開 平5−59398(JP,A) 特開 昭62−224354(JP,A) 特開 平4−82560(JP,A) 特開 平2−43298(JP,A) 特開 平2−97597(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11D 3/60 G11D 17/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A) 一般式(I) : 【化1】 (式中、R1は、1〜8個の活性水素原子を有する有機
    化合物と、炭素数3のエポキシド0〜98重量%および炭
    素数4〜40のエポキシド2〜100 重量%からなるエポキ
    シドとを重合してなる重量平均分子量500 〜12000 の重
    合体の残基、R2は水素原子およびメチル基の少なくと
    も一種であって、R2の少なくとも75モル%は水素原
    子、pは1〜8の整数、nは 【化2】 を満足する整数を示す)で表わされる重量平均分子量50
    00〜50000 の化合物と炭素数4〜40のエポキシドとを開
    環重合してなるポリエーテル化合物、および(B) 前記一
    般式(I) で表わされる化合物と炭素数8〜30の脂肪酸と
    のエステル化合物の少なくとも一種からなる化合物100
    重量部と融点70℃以上のろうであるモンタンワックス、
    カルナバワックス、キャンデリラワックスおよびライス
    ワックスの1種以上1〜100 重量部を基剤として含有し
    たことを特徴とする耐熱性にすぐれた水洗トイレット用
    芳香洗浄剤組成物。
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