JP3525006B2 - 下水処理場の水質制御装置 - Google Patents

下水処理場の水質制御装置

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JP3525006B2 JP05865296A JP5865296A JP3525006B2 JP 3525006 B2 JP3525006 B2 JP 3525006B2 JP 05865296 A JP05865296 A JP 05865296A JP 5865296 A JP5865296 A JP 5865296A JP 3525006 B2 JP3525006 B2 JP 3525006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱窒槽と硝化槽を
有する生物反応タンクを備えた下水処理場において、硝
化脱窒反応を促進させて下水中の窒素を除去する下水処
理場の水質制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の下水処理場の水質制御方法を、図
11乃至図13により説明する。このうち図11は嫌気
好気非循環法でDO一定制御する場合を示し、図12は
嫌気好気非循環法で返送汚泥率一定制御する場合を示
し、図13は回分式活性汚泥法でのシークエンス制御の
場合を示す。
【0003】嫌気好気非循環法に基づく下水処理場にお
けるDO一定制御方法は、図11に示すフローとなる。
まず、流入下水1が管2を介して、生物反応タンク3内
の脱窒槽4に流入する。この脱窒槽4内には攪拌機5が
設けられ、続いてこの脱窒槽4を通過した水は硝化槽6
に供給され、この硝化槽6内では、ブロア7から開閉弁
8を有する管9と散気管10を介して窒素が供給され
る。この場合、空気11中の酸素により、流入下水1中
のアンモニア性窒素(以下NH4 −Nと略す)が亜硝酸
性窒素(以下NO2 −Nと略す)に酸化され、さらにこ
のNO2 −Nが硝酸性窒素(以下NO3 −N)に酸化さ
れる。硝化槽6内における反応式を式(1)に、反応条
件を表1に示す。
【0004】NO3 −Nに変換された水は、管12を介
して第2沈殿池13内に供給され、この第2沈殿池13
で汚泥懸濁液14と処理水18とに固液分離される。汚
泥懸濁液14の一部はポンプ15を有する返送汚泥管1
6を介して脱窒槽4の前段に返送される。汚泥懸濁液1
4中に含有するNO3 −Nは脱窒槽4内で流入下水1中
のC源(BOD成分)を使って、式(2)、表2の条件
で窒素ガス(以下N2と略す)に変換される。
【0005】最終的に、NH4 −NからN2 に変換され
て窒素分が減少した処理水18は、管17を介して外方
へ放流される。
【0006】
【数1】 ここで、硝化槽6内にはDO計19が設けられており、
このDO計19はDO一定制御装置20に電気的に連結
され、このDO一定制御装置20はDOの設定値SV1
(例えば2.0mg/L)を決定するためのDO調節器
21に連結されている。さらに、DO一定制御装置20
のDO設定値SV1=2.0mg/Lは風量制御装置2
2に出力されるようになっている。この風量制御装置2
2では、DO設定値SV1を風量設定値SV2に変換し
ブロア7の弁8の開度を調節して、DO計19のDOを
3.0mg/Lになるように制御する。
【0007】また、嫌気好気非循環法の下水処理場にお
ける返送汚泥率一定制御は、図12に示すフローとな
る。図11の場合と同様に、流入下水1は管2および1
2により生物反応タンク3および第2沈殿池13に順次
流入する。管2および返送汚泥管16には、流量計2
3,24が設けられ、流量計23は流量分配装置25に
連結され、この流量分配装置25は返送汚泥量制御手段
26に連結され、この返送汚泥量制御手段26は返送汚
泥率調節手段27および返送汚泥ポンプ制御手段28に
連結されている。またこの返送汚泥ポンプ制御手段28
はポンプ15と流量計24に各々電気的に連結されてい
る。
【0008】図12において、返送汚泥率調節手段27
に予め返送汚泥率の設定値SVr、例えば0.3を入力
しておく。この値は返送汚泥量制御手段26に入力さ
れ、ここで流量計23で測定した流入下水1の流量PV
(Q1)を用い、式(3)に基づいて返送汚泥量の設定
値SV(Q2)が算出される。この設定値は返送汚泥ポ
ンプ制御手段28に送られて、ポンプ15を駆動させ、
所望量の返送汚泥が生物反応タンク3の前段に返送され
る。
【0009】 SVr=SV(Q2)/PV(Q1) ……式(3) また、回分式活性汚泥法のシークエンス制御は、図13
および図14に示すフローとなる。図13において流入
下水1はポンプ28aを有する管2を介して反応槽29
内に流入する。反応槽29内には散気管6が設けられ、
散気管6は開閉弁8を介してブロア7に連結されてい
る。この反応槽29内には攪拌機30が水没するように
配設されており、反応槽29の出口側の管17にはポン
プ31が配設されている。また開閉弁8、ポンプ28
a、ポンプ31、攪拌機30は、タイマを具備する制御
装置32と電気的に接続されている。
【0010】この制御装置32は、図14に示すように
まず開閉弁8をONにしてブロア7から空気を反応槽3
0内に2〜8時間供給させて硝化反応を起こし、次に開
閉弁8をOFFにして反応槽30内を静置させて汚泥を
沈殿させる。続いてポンプ31を一定時間駆動させて、
反応槽30内の上澄水を処理水18として系外へ排出さ
せる。次にポンプ31を停止させポンプ28aを駆動さ
せて流入下水1を反応槽30内に供給させる。さらにこ
のポンプ28aを停止させて攪拌機31を駆動させて反
応槽内を嫌気状態に維持し脱窒反応を起こさせる。これ
ら一連の動作は制御装置33に記憶させて、シークエン
ス制御で行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図11〜図14に示し
た従来の下水処理場の水質制御方法では、以下の問題点
が発生した。
【0012】まず、図11で示した従来のDO制御方法
では、硝化反応が活性化されるとされているDOの設定
値、例えばSV1=2.0mg/Lで制御しても以下の
原因で硝化反応が起こらなかった。すなわち、活性汚泥
中に硝化細菌(亜硝酸菌と硝酸菌)があまり存在せず、
DOの条件を満たしていても、硝化反応が起こらなかっ
た。この場合、さらにDOの設定値を上げて硝化細菌の
活性化を促進する必要がある。
【0013】次に、図12で示した従来の返送汚泥量制
御方法では、硝化反応が完全に促進している場合、返送
汚泥率を従来の標準活性汚泥法の約0.3よりも高い
値、例えば0.5に高く設定しても、脱窒率が高くなら
ず、窒素除去率が低い場合がある。この原因の1つとし
て、脱窒槽内のDOもしくはORPが高くなり、脱窒反
応の最適値をオーバーしていることがあげられる。例え
ば、脱窒反応の最適値は、DOが0.0mg/L、OR
Pが−300〜−100mVであるが、DOもしくはO
RPがその最適値を越えているのが原因である。また、
硝化率100%でも返送汚泥率の設定値SVr=0.5
では、理論的に式(4)〜式(6)に示すように、有機
物除去によるN取り込みの全窒素除去率cRTN=約25
%(BODin=100mg/L、TNin=20mg/
L)となり、硝化脱窒反応による全窒素除去率nRTN
33%と低くなる。このためトータルの全窒素除去率t
TNは約50%と低い値となる。したがって、トータル
の全窒素除去率tRTNを高くするためには、さらにSV
rを高く設定する必要がある。しかしながら、式(4)
〜式(6)は暫定的な式であるので、実際の下水処理場
の運転においては、実際の処理水の全窒素濃度等を測定
して、硝化・脱窒反応の状態を正確に把握する必要があ
る。
【0014】 cRTN=100×0.05×(BODin)/(TNin) ……式(4) nRTN=100×SVr(1+SVr) ……式(5) tRTN=(100−cRTN)×nRTN+cRTN ……式(6) さらに、図13〜図14で示した従来の回分式活性汚泥
法のシークエンス制御では、予め硝化工程や脱窒工程の
時間、ブロア7の風量等を設定しなければならない。こ
の場合にも、硝化工程や脱窒工程の時間が少なく硝化反
応、脱窒反応がうまく進行しないという問題が発生し
た。また、反応槽29内の汚泥濃度が高くなり硝化工程
でのDOが不足し硝化反応が進行しなかったり、硝化工
程でのDOが高くなって脱窒反応が進行しなかったりす
る等の問題も発生した。
【0015】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、硝化窒化反応を確実に促進させて下水中の
窒素を有効に除去することができる下水処理場の水質制
御装置を提供することを目的とする。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、脱窒槽と硝化
槽とを有する生物反応タンクと、硝化槽内に設けられた
散気装置およびDO計と、散気装置に連結されたブロア
とを備えた下水処理場の水質制御装置において、前記生
物反応タンクの入口側および出口側に設けられた一対の
全窒素計と、この一対の全窒素計により計測した全窒素
濃度に基づいて、生物反応タンク内の全窒素除去率を求
める全窒素除去率演算手段と、全窒素除去率演算手段か
らの全窒素除去率に基づいて、硝化槽内の最適DO設定
値を求めるDO調節手段と、DO調節手段からのDO設
定値およびDO計の計測値に基づいて、前記ブロアの風
量を制御するDO制御手段と、を備えたことを特徴とす
る下水処理場の水質制御装置である。
【0018】
【0019】本発明は、脱窒槽と硝化槽とを有する生物
反応タンクと、この生物反応タンクの下流側に設けられ
た沈殿池と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に
設けられた返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設
けられた第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送
汚泥ポンプ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水
処理場の水質制御装置において、前記生物反応タンクの
入口側および出口側に設けられた一対のアンモニア性窒
素計またはアンモニアイオン計と、この一対のアンモニ
ア性窒素計またはアンモニアイオン計により計測したア
ンモニア性窒素濃度に基づいて、生物反応タンク内の硝
化率を求める硝化率演算手段と、硝化率演算手段からの
硝化率に基づいて、生物反応タンクへの最適返送汚泥率
設定値を求める返送汚泥率調節手段と、第1流量計から
の計測値と返送汚泥率調節手段からの返送汚泥率設定値
から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥量制御手段と、
返送汚泥量制御手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度
計および前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記
返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手
段と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御
装置である。
【0020】本発明は、脱窒槽と硝化槽とを有する生物
反応タンクと、この生物反応タンクの下流側に設けられ
た沈殿池と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に
設けられた返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設
けられた第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送
汚泥ポンプ、濃度計および第2流量計とを備えた下水処
理場の水質制御装置において、前記生物反応タンクの入
口側および出口側に設けられた一対の全窒素計と、この
一対の全窒素計により計測した全窒素濃度に基づいて、
生物反応タンク内の全窒素除去率を求める全窒素除去率
演算手段と、全窒素除去率演算手段からの全窒素除去率
に基づいて、生物反応タンクへの最適返送汚泥率設定値
を求める返送汚泥率調節手段と、第1流量計からの計測
値と返送汚泥率調節手段からの返送汚泥率設定値から返
送汚泥量設定値を求める返送汚泥量制御手段と、返送汚
泥量調節手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度計およ
び前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記返送汚
泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手段と、
を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御装置で
ある。
【0021】本発明は、脱窒槽と硝化槽とを有する生物
反応タンクと、この生物反応タンクの下流側に設けられ
た沈殿池と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に
設けられた返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設
けられた第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送
汚泥ポンプ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水
処理場の水質制御装置において、生物反応タンクの出口
側に設けられた硝酸性窒素濃度計または硝酸性イオン計
と、この硝酸性窒素濃度計または硝酸性イオン計により
計測した計測値に基づいて、生物反応タンク内の硝化率
を算出する硝化率演算手段と、硝化率演算手段からの硝
化率に基づいて、生物反応槽への最適返送汚泥率設定値
を求める返送汚泥率調節手段と、第1流量計からの計測
値と返送汚泥率調節手段からの返送汚泥率設定値から返
送汚泥量設定値を求める返送汚泥量制御手段と、返送汚
泥量調節手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度計およ
び前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記返送汚
泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手段と、
を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御装置で
ある。
【0022】本発明は、脱窒槽と硝化槽とを有する生物
反応タンクと、この生物反応タンクの下流側に設けられ
た沈殿池と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に
設けられた返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設
けられた第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送
汚泥ポンプ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水
処理場の水質制御装置において、前記生物反応タンク内
に配設されたORP計またはDO計と、ORP計または
DO計からの計測値に基づいて、生物反応タンクへの最
適返送汚泥率設定値を求める返送汚泥率調節手段と、第
1流量計からの計測値と返送汚泥率調節手段からの返送
汚泥率設定値から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥量
制御手段と、返送汚泥量制御手段からの返送汚泥量設定
値、前記濃度計および前記第2流量計からの計測値に基
づいて、前記返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥
ポンプ制御手段と、を備えたことを特徴とする下水処理
場の水質制御装置である。
【0023】
【0024】本発明によれば、生物反応タンクの入口側
および出口側の全窒素濃度に基づいて全窒素除去率演算
手段により、硝化槽DOの設定値を求め、DO制御手段
により変更したDOの設定が一定になるようにDOが制
御される。
【0025】
【0026】本発明によれば、生物反応タンクの入口側
および出口側のアンモニア性窒素濃度により硝化率演算
手段によって硝化率を算出し、この硝化率から返送汚泥
率調節手段によって返送汚泥率の設定値を求め、その設
定値に基づいて返送汚泥量制御手段により返送汚泥量が
求められ、返送汚泥量が一定に制御される。
【0027】本発明によれば、生物反応タンクの入口側
および出口側の全窒素濃度に基づいて全窒素除去率を求
め、返送汚泥率調節手段によって返送汚泥率の設定値を
求め、その設定値に基づいて返送汚泥量制御手段により
返送汚泥量が求められ、返送汚泥量が一定に制御され
る。
【0028】本発明によれば、硝化率演算手段によって
計測した処理水硝酸性窒素濃度から硝化率を算出し、こ
の硝化率から返送汚泥率調節手段によって返送汚泥率の
設定値を求め、この設定値に基づいて返送汚泥量制御手
段により返送汚泥量が求められ、返送汚泥率が一定に制
御される。
【0029】本発明によれば、脱窒槽のDOもしくはO
RPを計測し、返送汚泥率調節手段によってDOもしく
はORPのデータから返送汚泥率の設定値を決定し、そ
の設定値に基づいて返送汚泥量制御手段により返送汚泥
量が求められ、返送汚泥量が一定に制御される。
【0030】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1は本発明による下水処理場の水質制御装置の
第1の実施の形態を示す図である。
【0031】まず図1により下水処理場について説明す
る。図1に示すように、下水処理場は脱窒槽4と硝化槽
6とを有する生物反応タンク3を備え、この生物反応タ
ンク3の脱窒槽4に攪拌機5が設置されるとともに、硝
化槽6内にDO計19が設置されている。
【0032】また硝化槽6内に散気管10が設けられ、
この散気管10は開閉弁8を有する空気管9によってブ
ロア7に接続されている。さらに生物反応タンク3の入
口側および出口側には、各々管2および12が連結され
ている。
【0033】また、図1に示すように、生物反応タンク
3の入口側および出口側の管2,12には、各々アンモ
ニア性窒素計40,41が取付けられており、このアン
モニア性窒素計40,41は、アンモニア性窒素濃度に
基づいて生物反応タンク3内の硝化率を求める硝化率演
算手段42に各々接続されている。
【0034】また硝化率演算手段42は、硝化率に基づ
いて硝化槽6内の最適DO設定値を求めるDO調節手段
21に接続されている。このDO調節手段21はDO値
を一定に調整するDO一定制御手段20と、開閉弁8を
調整してブロア7からの風量を制御する風量制御手段2
2に順次接続されている。
【0035】このうちDO一定制御手段20と風量制御
手段22によって、DO制御手段が構成されている。
【0036】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず管2から流入下水1が生物反
応タンク3の脱窒槽4内に流入する。流入下水1は、そ
の後脱窒槽4および硝化槽6内で処理された後、管12
から外方へ排出される。また、ブロア7から空気11が
開閉弁8を経て硝化槽6内に入り、硝化槽6内をばっ気
する。
【0037】この間、アンモニア性窒素計40,41に
よって生物反応タンク3の入口側および出口側のアンモ
ニア性窒素濃度が計測され、計測されたアンモニア性窒
素濃度の値は硝化率演算手段42へ送られる。
【0038】硝化率演算手段42では、式(7)に基づ
いて入口側アンモニア性窒素濃度PV(CNH-in )と出
口側アンモニア性窒素濃度PV(CNH-out)から硝化率
のプロセス値PV(RNH)を算出する。次にDO調節手
段21によって、硝化率のプロセス値PV(RNH)と目
標値SV(RNH)との差分を取り、この差分より式
(8)〜式(10)に基づいてDOの設定変更値dSV
(DONH)により最適DO設定値SV(DONH)を求め
る。このように求めた設定値SV(DONH)に基づい
て、DO一定制御手段20と風量制御手段22により、
ブロア7の開閉弁8の弁開度を制御する。
【0039】このように最適設定値を定めてDO一定制
御のモードを変更し、むだ時間を経て硝化率のプロセス
値PV(RNH)が目標値SV(RNH)に等しいかまたは
高くなり硝化率が回復した場合、硝化槽6のDO値の初
期値に戻して、DO設定値を一定に定めて運転をする。
【0040】次に図2の時系列データを用いて具体的に
説明する。すなわち、硝化槽6のDOの設定値SV(D
NH)を2.0mg/L、硝化率の目標値SV(RNH
を80%とし、t1時において硝化率のプロセス値PV
(RNH)が40%と低下した場合を考える。この場合、
式(8)でKNH=0.025とすると、DOの設定変更
値dSV(DONH)=1.0mg/Lとなり、DOの設
定値SV(DONH)は式(9)により3.0mg/Lと
なる。t2時に、この設定値で運転を開始し、(t3−
t2)のむだ時間後、硝化率のプロセス値PV(D
NH)は3.0mg/Lに制御される。その後、(t4
−t3)のむだ時間後、硝化率のプロセス値PV
(RNH)が応答しはじめ、t5時には硝化率のプロセス
値PV(RNH)が80%と回復する。その後、予め(t
6−t5)の時間を設定しておき、その時間内で硝化率
のプロセス値PV(RNH)<80%でなければ硝化槽D
Oの初期設定値SV(DONH)を元の2.0mg/Lに
戻す。
【0041】 PV(RNH)=PV(CNH-in )−PV(CNH-out) ……式(7) dSV(DONH)=KNH{SV(RNH)−PV(RNH)} ……式(8) SV(DONH)=SV(DONH)1+dSV(DONH) ……式(9) SV(QG )=KDO{SV(DONH)−PV(DONH)} ……式(10) SV(DONH):硝化槽DOの設定値 SV(DONH)1:硝化槽DOの初期設定値 dSV(DONH):硝化槽DOの設定の変更値 SV(RNH):硝化率の目標値 SV(QG ):風量の設定値 PV(CNH-in ):入口側アンモニア性窒素濃度 PV(CNH-out):出口側アンモニア性窒素濃度 PV(RNH):硝化率のプロセス値 PV(DONH):硝化槽DOのプロセス値 KNH:硝化率一定制御のゲイン KDO:DO一定制御のゲイン 本実施の形態によれば、容易かつ簡単に、比例制御によ
って硝化率を高く維持するDO一定制御が可能となる。
【0042】なお本実施の形態において比例(P)動作
のフィードバック制御のみならず、I(積分)動作、D
(微分)動作および、PI動作、PID動作を使用する
ことが可能である。また、下水流量をパラメータとした
フィードフォワード制御を組み合わせることもできる。
また、DO設定値の変更量の選定に、ニューロ、AI、
ファジイ等の制御技術を適用することも可能である。
【0043】さらに、アンモニア性窒素計40,41を
管2,12に配設したが、生物反応タンク3の下流側に
設けられた沈殿地内部に設けてもよく、それ以降の配管
系に使用してもよく、さらにその設置台数は複数個使用
できる。さらに、OFF−LINEでアンモニア性窒素
濃度を入力してもよい。また、アンモニア性窒素計の代
わりにアンモニアイオン計を用いることもできる。
【0044】また、プロセスは嫌気好気非循環法のみな
らず、硝化液を脱窒槽に循環する嫌気好気循環法および
他の窒素除去プロセスにも適用できる。
【0045】第2の実施の形態 次に図3により第2の実施の形態について説明する。
【0046】図3に示す第2の実施の形態は、生物反応
タンク3の入口側に設けられたアンモニア性窒素計40
を取除くとともに、生物反応タンク3の出口側に硝酸性
窒素濃度計43を設け、この硝酸性窒素濃度計43に予
め求められた硝化性窒素濃度と硝化率との関係(後述の
式(11))から生物反応タンク3の硝化率を求める硝
化率演算手段44を接続したものであり、他は図1およ
び図2に示す第1の実施の形態と略同様である。図3に
おいて、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一
部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】図3において、生物反応タンク3の出口側
に設けられた硝酸性窒素濃度計43により硝酸性窒素濃
度PV(CNH-out)が計測され、この値から硝化率演算
手段44により式(11)に基づいて硝化率のプロセス
値PV(RNH)が算出される。式(11)においてPV
(CNH-in )は、流入下水のアンモニア性窒素濃度の推
定値であり、その下水処理場でほぼ決まった値を示して
おり、定数とする。
【0048】次にこの硝化率のプロセス値PV(RNH
により、DO調節手段21によりDO設定値が求めら
れ、このDO設定値に基づいて、DO一定制御手段20
および風量制御手段22により、硝化槽6内のDO一定
制御が行われる。
【0049】 PV(RNH)=PV(CNH-out)/{PV(CNH-in )} ……式(11) 本実施の形態によれば、生物反応タンク3入口側の流入
下水のアンモニア性窒素を測定することなく、生物反応
タンク3出口側の硝酸性窒素濃度のみを計測することに
より、硝化槽6内のDO制御が行われるので、制御がシ
ンプルかつ安定化する。
【0050】なお、硝酸性窒素濃度計43を用いた例を
示したが、硝酸性窒素濃度計43の代わりに硝酸性イオ
ン計を用いることもできる。さらに、硝酸性窒素濃度計
43の個数、配置は図3に限定されない。また、プロセ
スは嫌気好気非循環法のみならず、硝化液を脱窒槽に循
環する嫌気好気循環法および他の窒素除去プロセスにも
適用できる。
【0051】第3の実施の形態 次に図4により本発明の第3の実施の形態について説明
する。図4に示す第3の実施の形態は、生物反応タンク
3の入口側および出口側に、全窒素計45,46を設け
るとともに、これら全窒素計45,46により計測した
全窒素濃度に基づいて生物反応タンク3内の全窒素除去
率を求める全窒素除去率演算手段47を設けたものであ
り、他は図1および図2に示す第1の実施の形態と略同
一である。
【0052】本実施の形態において、図1および図2に
示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して
詳細な説明は省略する。
【0053】図4において、全窒素濃度計45,46に
より、全窒素濃度が求められ、全窒素濃度計45,46
によって求められた全窒素濃度に基づいて、全窒素除去
率演算手段において、式(12)に基づいて、全窒素除
去率のプロセス値PV(RTN)が求められ、このプロセ
ス値によりDO調節手段21において式(13)を用い
て硝化槽DOの設定の変更値dSV(DOTN)が算出さ
れて最適DO設定値が求められ、DO調節手段21によ
り求めたDO設定値により、DO一定制御手段20およ
び風量制御手段22により、硝化槽6内のDO一定制御
が行われる。
【0054】 PV(RTN)=PV(CTN-in )−PV(CTN-out) ……式(12) dSV(DOTN)=KNH{SV(RTN)−PV(RTN)} ……式(13) dSV(DOTN):硝化槽DOの設定の変更値 SV(RTN):全窒素除去率の目標値 PV(CTN-in ):入口側全窒素濃度 PV(CTN-out):出口側全窒素濃度 PV(RTN):全窒素除去率のプロセス値 KNH:全窒素率一定制御のゲイン 本実施の形態によれば、比例(P)動作のみで全窒素除
去率を高く維持するDO一定制御が可能となる。
【0055】なお、全窒素濃度計45と46の各々の個
数、配置は図3に限定されない。さらに、プロセスは嫌
気好気非循環法に限定されず、他の窒素除去プロセスに
も適用可能である。
【0056】第4の実施の形態 次に図5により本発明の第5の実施の形態について説明
する。図5に示すように、下水処理場は、第1流量計2
3を有する管2が連結されるとともに、脱窒槽4と硝化
槽6とを有する生物反応タンク3と、生物反応タンク3
の下流側に管12を介して設けられた第2沈殿池13
と、第2沈殿池13と生物反応タンク3の上流との間に
連結された返送汚泥管16とを備え、この返送汚泥管1
6に返送汚泥ポンプ15と、第2流量計24と、濃度計
24aとが取付けられている。
【0057】また第2沈殿池13の出口側には、管17
が連結され、また脱窒槽4内には攪拌機5が設置されて
いる。
【0058】また、脱窒槽4内にはORP計50が設置
されており、このORP計50には脱窒槽4への最適返
送汚泥率設定値を求める返送汚泥率調節手段27が接続
され、この返送汚泥率調節手段27には、返送汚泥量制
御手段26および返送汚泥ポンプ制御手段28とが順次
接続されている。
【0059】このうち、返送汚泥量制御手段26には、
第1流量計23に接続された流量分配装置25が接続さ
れ、第1流量計23の計測値が入力されるようになって
いる。そして返送汚泥量制御手段26は、第1流量計2
3からの計測値と返送汚泥率に基づいて返送汚泥量を求
めるようになっている。また返送汚泥ポンプ制御手段2
8は、第2流量計24および濃度計24aからの計測値
に基づいて、返送汚泥量が一定となるよう返送汚泥ポン
プ15を制御するようになっている。
【0060】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。管2からの流入下水は、脱窒
槽4および硝化槽6内で順次処理された後、第2沈殿池
に入り、その後管17から処理水18として放流され
る。また、第2沈殿池13内の汚泥懸濁液14は、返送
汚泥ポンプ15によって脱窒槽4の入口側へ戻される。
【0061】この間、ORP計50によって脱窒槽4の
ORPが計測され、この計測値は返送汚泥率調節手段2
7に入力される。
【0062】返送汚泥率調節手段27内にはORPと返
送汚泥率との関係式が予め、例えば表3のように入力さ
れ、ORP計50からのプロセスデータにより返送汚泥
率SV値が決定される。この返送汚泥率の信号は返送汚
泥量制御手段26に伝送され、この返送汚泥量制御手段
26は流量分配装置25から送られてくる第1流量計2
3の計測値と返送汚泥率SV値とによって、返送汚泥量
MV値を決定する。
【0063】
【表1】 次に返送汚泥ポンプ制御手段28が、返送汚泥量一定制
御手段26からの返送汚泥量MV値、第2流量計24お
よび濃度計24aからの計測値に基づいて、返送汚泥量
が一定となるよう返送汚泥ポンプ15を制御する。
【0064】本実施の形態によればORP計50により
返送汚泥率を求めたので、脱窒反応の正確な制御が可能
となる。また、この場合、ORPと返送汚泥率との関係
式を表3のように単純化したので、返送汚泥率調節器内
のロジックが簡単で制御しやすくなる。
【0065】なお、本実施の形態において、ORP計を
用いたが、DO計を用いてもよい。また、ORP計およ
びDO計のセンサの配置、個数等は限定されない。
【0066】また、ORP計の計測値と返送汚泥率との
関係を表3のようにしたが、ファジイを用いた関係式を
用いることもでき、かつ計測値と返送汚泥率の値をニュ
ーロで補正することも可能である。さらに、プロセスは
嫌気好気非循環法に限定されず、他の窒素除去プロセス
にも適用可能である。
【0067】第5の実施の形態 次に本発明の第5の実施の形態について、図6により説
明する。図6に示す第5の実施の形態は、管2および1
7にアンモニア性窒素計40,41を設けるとともに、
このアンモニア性窒素計40,41に硝化率を求める硝
化率演算手段42を接続し、返送汚泥率調節手段27に
おいて硝化率から脱窒槽4内への最適返送汚泥率を求め
たものであり、他は図5に示す第4の実施の形態と略同
一である。
【0068】図6において、図5に示す第4の実施の形
態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0069】図6に示すように、硝化率演算手段42に
おいて、アンモニア性窒素計40の計測値からアンモニ
ア性窒素計41の計測値を差し引いた値から硝化率を演
算し、この硝化率に基づいて返送汚泥率調節手段27に
おいて返送汚泥率を決定する。この返送汚泥率のSV値
から返送汚泥量制御手段26によって返送汚泥量のMV
値が決定され、返送汚泥量制御手段26と返送汚泥ポン
プ制御手段28によって返送汚泥量一定制御が行われ
る。
【0070】なおアンモニア性窒素計40,41の配
置、個数および制御方式は図6に示すものに限定されな
い。
【0071】さらに、プロセスは嫌気好気非循環法に限
定されず、他の窒素除去プロセスにも適用可能てある。
【0072】第6の実施の形態 次に本発明の第6の実施の形態について、図7により説
明する。図7に示す実施の形態は管17に硝酸性窒素濃
度計43を設けるとともに、この硝酸性窒素濃度計43
に硝酸性窒素濃度計43からの計測値に基づいて硝化率
を求める硝化率演算手段44を接続したものであり、他
は図5に示す第4の実施の形態と略同一である。
【0073】図7において、図5に示す第4の実施の形
態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0074】図7において、硝酸性窒素濃度計43から
の計測値に基づいて、硝化率演算手段44において予め
定められた硝化性窒素濃度と硝化率との関係から硝化率
が求められる。次に返送汚泥率調節手段27において返
送汚泥率が求められ、その後返送汚泥量制御手段26と
返送汚泥ポンプ制御手段28によって返送汚泥量一定制
御が行われる。
【0075】なお、硝酸性窒素濃度計43を用いたが、
その代わりに硝酸性イオン計を用いることもできる。さ
らに、同濃度計43の個数、配置は図7のものに限定さ
れない。また、プロセスは嫌気好気非循環法に限定され
ない。
【0076】第7の実施の形態 次に本発明の第7の実施の形態について、図8により説
明する。図8に示す実施の形態は、管2および17に各
々全窒素濃度計45,46を設けるとともに、この全窒
素濃度計45,46に全窒素濃度計45,46からの計
測値に基づいて全窒素除去率を求める全窒素除去率演算
手段47を接続したものであり、他は図5に示す第4の
実施の形態と略同一である。
【0077】図8において、図5に示す第4の実施の形
態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0078】図8に示すように、全窒素濃度計45,4
6からの計測値が全窒素除去率演算手段47に入力さ
れ、この全窒素除去率演算手段47において、図4に示
す第3の実施例と同様にして全窒素除去率が求められる
(式(12)参照)。
【0079】次に全窒素除去率演算手段で求められた全
窒素除去率は、返送汚泥率調節手段27に入力され、こ
の返送汚泥率調節手段27において最適返送汚泥率が求
められる(式(13)参照)。
【0080】その後、返送汚泥量一定制御手段26と返
送汚泥ポンプ制御手段28によって返送汚泥量一定制御
が行われる。
【0081】第8の実施の形態 次に図9および図10により第8の実施の形態について
説明する。
【0082】図9に示すように、下水処理場は入口側お
よび出口側に各々管2,17が取付けられた反応槽30
を備え、この反応槽30内に散気管6、DO計60およ
び攪拌機31が各々設けられている。また管2,17に
は、各々ポンプ29,32が設置されており、さらに散
気管6には、開閉弁8を有する空気管9を介してブロア
7が連結されている。
【0083】またDO計60には、DO最適値積算時間
演算器61および制御装置62が、順次接続されてい
る。
【0084】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。まず図10に示すように予
め、DO最適値を硝化工程においては2.0mg/L、
脱窒工程においては0.0mg/Lと設定し、かつその
最適値の積算時間の設定値を硝化工程では6h、脱窒工
程では3hとなるようDO最適値積算時間演算器61に
入力しておく。
【0085】硝化工程では、開閉弁8を開くことにより
ブロア7から空気管9および散気管6を順次介して反応
槽30内に空気11が供給される。この空気11が反応
槽30内の液に溶解し、DOが0.0mg/Lから徐々
に上昇する。約1.5h後にDOが最適値の2.0mg
/Lを超え、硝化工程におけるDO最適値積算時間TNH
がDO最適値積算時間演算器61でカウントされ始め
る。反応槽30内の硝化細菌はこの時間からDOを用い
て流入下水1中のアンモニア性窒素を酸化して硝酸性窒
素に変換する。TNH=5.0hに達したら、制御装置6
2により開閉弁8を閉じて空気の供給を止め、硝化工程
を終了する。なお、反応槽30内のDOはDO計60に
より計測され、DO最適値積算時間演算器61に送られ
る。
【0086】硝化工程後、従来例の図14と同様に、静
置工程で汚泥を沈降分離し、排水工程でポンプ32を駆
動して上澄水を処理水18として排出し、続いて投入工
程でポンプ29を駆動して流入下水1を反応槽30内に
供給する。その後、脱窒工程に入る。
【0087】脱窒工程では、空気の供給を停止した状態
で、制御装置62が攪拌機31を回転し、嫌気雰囲気に
する。図10で示すように、DOプロセス値は約2.8
mg/Lから低下しはじめ、t=9.5h、脱窒工程開
始後1.0hでDOプロセス値が0.0mg/Lとな
る。この時点でDO最適値積算時間TNOがDO最適値積
算時間演算器61でカウントされ始める。この時間から
前工程で投入された流入下水1中のC源(水素供与体)
を用いて反応槽30内の脱窒細菌は、前工程の硝化工程
で変換された硝酸性窒素を還元して窒素ガスに変換す
る。TNO=3.0hに達したら、制御装置62が攪拌機
31を停止して、脱窒工程を終了する。
【0088】さらに、硝化工程に戻って、前記硝化工
程、静置工程、排水工程、投入工程、脱窒工程を順次繰
り返す。
【0089】本実施の形態によると、DO最適値および
その積算時間を予め設定しておいたので、シークエンス
制御を用いて単純な制御が行われ、かつ硝化反応と脱窒
反応が効率的に進行する。また、それらの設定値の変更
も容易である。
【0090】なおこの実施例では、DO計60を用いた
が、ORP計を用いることも可能である。
【0091】また、センサの最適値とその積算時間の設
定値は、図9と図10の値に限定されない。また、さら
に、この設定値の変更を他の制御で実施することも可能
である。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、生物反応タンクの入口
側と出口側のアンモニア性窒素濃度差によって硝化率を
算出するので、プロセスの硝化状態を正確に把握でき
る。その結果、硝化率をDO一定制御に使用することが
できるので、プロセスの硝化反応を促進し、流入下水中
の窒素を効率的に除去する水質制御が可能となる。
【0093】また、生物反応タンクの入口側と出口側の
全窒素濃度差によって全窒素除去率を算出するので、プ
ロセスの窒素除去状態を正確に把握できる。その結果を
DO一定制御に使用でき、窒素除去制御運転が可能とな
る。
【0094】また、処理水の硝酸性窒素濃度のみで硝化
率を算出でき、プロセスの硝化状態を迅速に把握でき
る。その結果をDO一定制御に使用でき、窒素除去制御
運転が可能となる。
【0095】また、生物反応タンクの入口側と出口側の
アンモニア性窒素濃度差によって硝化率を算出するの
で、プロセスの硝化状態を正確に把握できる。その結
果、硝化率を返送汚泥率一定制御に使用することができ
るので、プロセスの硝化反応を促進し、流入下水中の窒
素を効率的に除去する水質制御が可能となる。
【0096】また、生物反応タンクの入口側と出口側の
全窒素濃度差によって全窒素除去率を算出するので、プ
ロセスの窒素除去状態を正確に把握できる。その結果を
返送汚泥率一定制御に使用でき、窒素除去制御運転が可
能となる。
【0097】また、処理水の硝酸性窒素濃度のみで硝化
率を算出でき、プロセスの硝化状態を迅速に把握でき
る。その結果を返送汚泥率一定制御に使用でき、窒素除
去制御運転が可能となる。
【0098】また、脱窒槽のDOもしくはORPによっ
て、プロセスの脱窒状態を迅速に把握できる。その結果
を返送汚泥率一定制御に使用でき、窒素除去制御運転が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による下水処理場の水質制御装置の第1
の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明による下水処理場の水質制御装置の第1
の実施の形態の作用を示す図。
【図3】本発明による下水処理場の水質制御装置の第2
の実施の形態を示す構成図。
【図4】本発明による下水処理場の水質制御装置の第3
の実施の形態を示す構成図。
【図5】本発明による下水処理場の水質制御装置の第4
の実施の形態を示す構成図。
【図6】本発明による下水処理場の水質制御装置の第5
の実施の形態を示す構成図。
【図7】本発明による下水処理場の水質制御装置の第6
の実施の形態を示す構成図。
【図8】本発明による下水処理場の水質制御装置の第7
の実施の形態を示す構成図。
【図9】本発明による下水処理場の水質制御装置の第8
の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明による下水処理場の水質制御装置の第
8の実施の形態の作用を示す図。
【図11】従来のDO一定制御を示す構成図。
【図12】従来の返送汚泥率一定制御を示す構成図。
【図13】従来の回分式活性汚泥法の制御を示す構成
図。
【図14】従来の回分式活性汚泥法の制御の作用を示す
構成図。
【符号の説明】
3 生物反応タンク 4 脱窒槽 5 攪拌機 6 硝化槽 7 ブロア 10 散気管 13 第2沈殿池 15 返送汚泥ポンプ 16 返送汚泥管 19,60 DO計 20 DO一定制御手段 21 DO調節手段 22 風量制御手段 26 返送汚泥量制御手段 27 返送汚泥率調節手段 28 返送汚泥ポンプ制御手段 40,41 アンモニア性窒素計 42,44 硝化率演算手段 43 硝酸性窒素濃度計 45,46 全窒素濃度計 47 全窒素除去率演算手段 50 ORP計 61 DO最適値積算時間演算器 62 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−136687(JP,A) 特開 昭56−130299(JP,A) 特開 昭61−212395(JP,A) 特開 平6−91292(JP,A) 特開 平8−224594(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34 C02F 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱窒槽と硝化槽とを有する生物反応タンク
    と、 硝化槽内に設けられた散気装置およびDO計と、散気装
    置に連結されたブロアとを備えた下水処理場の水質制御
    装置において、 前記生物反応タンクの入口側および出口側に設けられた
    一対の全窒素計と、 この一対の全窒素計により計測した全窒素濃度に基づい
    て、生物反応タンク内の全窒素除去率を求める全窒素除
    去率演算手段と、 全窒素除去率演算手段からの全窒素除去率に基づいて、
    硝化槽内の最適DO設定値を求めるDO調節手段と、 DO調節手段からのDO設定値およびDO計の計測値に
    基づいて、前記ブロアの風量を制御するDO制御手段
    と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御装
    置。
  2. 【請求項2】脱窒槽と硝化槽とを有する生物反応タンク
    と、この生物反応タンクの下流側に設けられた沈殿池
    と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に設けられ
    た返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設けられた
    第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送汚泥ポン
    プ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水処理場の
    水質制御装置において、 前記生物反応タンクの入口側および出口側に設けられた
    一対のアンモニア性窒素計またはアンモニアイオン計
    と、 この一対のアンモニア性窒素計またはアンモニアイオン
    計により計測したアンモニア性窒素濃度に基づいて、生
    物反応タンク内の硝化率を求める硝化率演算手段と、 硝化率演算手段からの硝化率に基づいて、生物反応タン
    クへの最適返送汚泥率設定値を求める返送汚泥率調節手
    段と、 第1流量計からの計測値と返送汚泥率調節手段からの返
    送汚泥率設定値から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥
    量制御手段と、 返送汚泥量制御手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度
    計および前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記
    返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手
    段と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御
    装置。
  3. 【請求項3】脱窒槽と硝化槽とを有する生物反応タンク
    と、この生物反応タンクの下流側に設けられた沈殿池
    と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に設けられ
    た返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設けられた
    第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送汚泥ポン
    プ、濃度計および第2流量計とを備えた下水処理場の水
    質制御装置において、 前記生物反応タンクの入口側および出口側に設けられた
    一対の全窒素計と、 この一対の全窒素計により計測した全窒素濃度に基づい
    て、生物反応タンク内の全窒素除去率を求める全窒素除
    去率演算手段と、 全窒素除去率演算手段からの全窒素除去率に基づいて、
    生物反応タンクへの最適返送汚泥率設定値を求める返送
    汚泥率調節手段と、 第1流量計からの計測値と返送汚泥率調節手段からの返
    送汚泥率設定値から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥
    量制御手段と、 返送汚泥量調節手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度
    計および前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記
    返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手
    段と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御
    装置。
  4. 【請求項4】脱窒槽と硝化槽とを有する生物反応タンク
    と、この生物反応タンクの下流側に設けられた沈殿池
    と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に設けられ
    た返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設けられた
    第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送汚泥ポン
    プ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水処理場の
    水質制御装置において、 生物反応タンクの出口側に設けられた硝酸性窒素濃度計
    または硝酸性イオン計と、 この硝酸性窒素濃度計または硝酸性イオン計により計測
    した計測値に基づいて、生物反応タンク内の硝化率を算
    出する硝化率演算手段と、 硝化率演算手段からの硝化率に基づいて、生物反応槽へ
    の最適返送汚泥率設定値を求める返送汚泥率調節手段
    と、 第1流量計からの計測値と返送汚泥率調節手段からの返
    送汚泥率設定値から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥
    量制御手段と、 返送汚泥量調節手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度
    計および前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記
    返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手
    段と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御
    装置。
  5. 【請求項5】脱窒槽と硝化槽とを有する生物反応タンク
    と、この生物反応タンクの下流側に設けられた沈殿池
    と、この沈殿池と前記生物反応タンクとの間に設けられ
    た返送汚泥管と、生物反応タンクの入口側に設けられた
    第1流量計と、返送汚泥管に取付けられた返送汚泥ポン
    プ、濃度計および第2流量計と、を備えた下水処理場の
    水質制御装置において、 前記生物反応タンク内に配設されたORP計またはDO
    計と、 ORP計またはDO計からの計測値に基づいて、生物反
    応タンクへの最適返送汚泥率設定値を求める返送汚泥率
    調節手段と、 第1流量計からの計測値と返送汚泥率調節手段からの返
    送汚泥率設定値から返送汚泥量設定値を求める返送汚泥
    量制御手段と、 返送汚泥量制御手段からの返送汚泥量設定値、前記濃度
    計および前記第2流量計からの計測値に基づいて、前記
    返送汚泥ポンプの流量を制御する返送汚泥ポンプ制御手
    段と、を備えたことを特徴とする下水処理場の水質制御
    装置。
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