JP3522363B2 - ポリイソプレンエポキシドの製造方法 - Google Patents

ポリイソプレンエポキシドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリイソプレンエポ
キシドの製造方法に関する。さらに詳しくは、この発明
はポリイソプレンに無水の過カルボン酸を反応させてポ
リイソプレンエポキシドを製造する方法に関する。本発
明により得られるポリイソプレンエポキシドは、高分子
安定剤、可塑剤、接着剤、塗料の原料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】一般にポリイソプレンのエポキシ化の方
法としては、 (1)予め過酸化水素と蟻酸、酢酸などの低級カルボン
酸とを反応させ過カルボン酸を製造し、この過カルボン
酸を反応系にエポキシ化剤として加え、溶剤の存在
たは非存在下にエポキシ化反応を行う方法、 (2)オスミウムの塩、タングステン酸などの触媒及び
溶媒の存在下で過酸化水素によりエポキシ化する方法、
などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、エポ
キシ化反応後または前後において系内に水が存在し、オ
キシラン酸素の開環とそれに伴う粘度上昇の危険性があ
る。また低粘度のポリイソプレンエポキシドの製造方法
としては、特開昭52ー57283号公報に記載されて
いるが、ポリイソプレンの数平均分子量を1,000以
下に制限している。更に特開平4ー261402号公報
には、エポキシ化によるポリイソプレンの分解を防ぐた
め、モリブデン触媒と第3ブチルヒドロペルオキシドを
使用する方法が記載されている。
【0004】従って、オキシラン酸素の開環を防ぎ、エ
ポキシ化物の酸価を抑えることにより粘度の上昇を抑え
るポリイソプレンエポキシドの製造方法の開発が熱望さ
れている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリイソ
プレンオキシドの製造に関する技術の現状に鑑み、鋭意
検討した結果、弱酸のアルカリ金属塩を共存させた反応
系において、無水の過カルボン酸をエポキシ化剤として
使用することにより過カルボン酸の自己分解反応を防止
し、酸価の上昇を防ぐことが可能であることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、弱酸のアルカリ金属塩
を共存させた反応系において、ポリイソプレンに無水の
過カルボン酸液を反応させることを特徴とするポリイソ
プレンエポキシドの製造方法を提供するものである。ま
た、ポリイソプレンの数平均分子量が5,000〜10
0,000の範囲内にあることを特徴とする前記ポリイ
ソプレンエポキシドの製造方法を提供するものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
【0007】本発明の製造方法において出発原料として
用いられるポリイソプレンは、平均分子量が5,000
〜100,000範囲、特に5,000〜70,000
の範囲にあることが好ましい。ポリイソプレンの内部結
合は、どのようなものでもよい。分子量が5,000未
満の場合は、エポキシ化後に得られるエポキシ化ポリイ
ソプレンを接着剤や可塑剤として使用する場合に、特に
可塑剤の場合ではブリードアウトなどによりその接着強
度が不十分となる傾向にある。一方、分子量が100,
000を越える場合は、エポキシ化反応の際の反応系の
粘度が大きくなりすぎて反応が進行しにくくなる。さら
に、最終的に得られるエポキシ化物の粘度が高くなりす
ぎて、その取扱またはその使用の際に不都合になる。
【0008】過カルボン酸としては、過蟻酸、過酢酸、
過プロピオン酸などを例示することができる。これらの
過カルボン酸類の溶媒としては、ヘキサンなどの炭化水
素類、酢酸エチルなどの有機酸エステル類、トルエンな
どの芳香族炭化水素などを例示することができる。これ
らの溶媒における過カルボン酸の溶液濃度は、通常10
〜90重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲であ
る。
【0009】本発明により得られるポリイソプレンエポ
キシドのオキシラン酸素濃度は、エポキシ化剤の反応割
合を適宜変えることにより調節することが可能である。
【0010】本発明の方法においては、過カルボン酸の
自己分解を防ぐ目的で反応系に弱酸のアルカリ金属塩を
共存させることが必須である。この塩を形成するアルカ
リ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどが挙げられる。弱酸としては、PK値(解離定数
の逆数の対数)3以上をもつ鉱酸、有機酸であればいず
れでもよい。鉱酸としては、例えば、リン酸、ポリリン
酸、炭酸などが挙げられる。また有機酸としては、例え
ば、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸などの一価の脂
肪酸、マロン酸、クエン酸などの多価の脂肪酸、さらに
はクロトン酸、オレイン酸などの分子内に不飽和結合を
有する脂肪酸などが挙げられる。
【0011】弱酸のアルカリ金属塩としては、前記アル
カリ金属と弱酸との多くの組み合わせがあるが、例えば
ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、炭酸ナト
リウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸
ナトリウム、プロピオン酸カリウムなどが好適に使われ
る。この場合、弱酸のアルカリ金属塩の代わりに強酸の
アルカリ金属塩、例えば硫酸ナトリウムなどを用いて
も、全く過カルボン酸の自己分解防止効果を示さない。
これらのアルカリ金属塩は、過カルボン酸(純分)に対
して0.005から5.0重量%使用することが必須で
あるが、特に0.01から1.0重量%使用することが
好ましい。弱酸のアルカリ金属塩の使用量が0.005
重量%未満の場合は、過カルボン酸の自己分解を防止す
る効果が不十分であり、過カルボン酸の選択率を低下さ
せることになる。逆に、5.0重量%以上使用しても
カルボン酸の自己分解を防止する効果はほとんど変わら
ず過剰な分は、無駄になるのでいずれも好ましくない。
このように前記塩は過カルボン酸(純分)に対して極少
量添加するだけでよいが、用いる過カルボン酸溶液中に
混在する強酸、金属イオンなどの不純物の種類、量など
によって、添加量を若干増す必要がある場合もある。ま
た、これらのアルカリ金属塩は、均一系、不均一系のい
ずれの場合でも使用できる。
【0012】本発明においては、反応温度は20℃から
80℃が適当であり、特に30℃から60℃が好まし
い。また、反応圧力は大気圧下で十分であるが、やや減
圧またはやや加圧にしても差し支えない。反応温度が2
0℃未満の場合は、反応速度が小さくなり実用的でな
い。逆に80℃以上になると過酸化物の自己分解が著し
くなり、好ましくない。
【0013】ポリイソプレンと過酸化物純分の反応モル
比は、1.0から2.0が適当であり、特に1.1から
1.3が好ましい。反応時間は反応速度によっても変わ
るが通常、1〜5時間程度である。反応時間が1時間未
満の場合には、ポリイソプレンの転化率が低く実用的で
ない。一方、5時間以上になると、例えば、過酸化物と
して過酢酸を用いた場合、ポリイソプレンエポキシドと
酢酸の付加反応が増大し、収率低下の原因となり好まし
くない。
【0014】本発明の方法によって得られる反応生成液
中には、目的物であるポリイソプレンエポキシドのほか
に副生成物や、酢酸、溶媒などが含まれているので、例
えば、抽出などの通常の方法によってポリイソプレンエ
ポキシドを分離する。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0016】(実施例1)温度計、攪拌機、及び還流冷
却器を備えた内容積1,000mlの4つ口丸底フラス
コに数平均分子量17,300のポリイソプレン250
g、溶媒として酢酸エチル125g、プロピオン酸カリ
ウム0.34gを取り、よく混合した。これを50℃に
加温した。これに濃度30%の過酢酸酢酸エチル溶液6
15gを滴下ロートを用いて約3時間で滴下反応させ、
更に反応温度50℃で1時間熟成した。熟成終了後、反
応液の2重量倍の水で4回水洗し、過酢酸から由来する
酢酸を除去した。さらに、ポリイソプレンエポキシド酢
酸エチル溶液である水洗上層水を減圧下に蒸留し、ポリ
イソプレンエポキシドを得た。性状の測定結果を表−1
に示す。
【0017】(比較例1) 温度計、撹拌機、及び還流冷却器を備えた内容積1,0
00mlの4つ口丸底フラスコに数平均分子量17,3
00のポリイソプレン250g、溶媒として酢酸エチル
125gを取り、よく混合した。これを50℃に加温し
た。これに濃度28%の過酢酸酢酸エチル溶液659g
を滴下ロートを用いて約3時間で滴下反応させ、更に反
応温度50℃で1時間熟成した。熟成終了後、反応液の
2重量倍の水で4回水洗し、過酢酸から由来する酢酸を
除去した。さらに、ポリイソプレンエポキシド酢酸エチ
ル溶液である水洗上層水を減圧下に蒸留し、ポリイソプ
レンエポキシドを得た。性状の測定結果を表−1に示
す。表−1から明らかなように、得られたポリイソプレ
ンエポキシドの酸価はやや上昇したが、粘度上昇は小さ
かった。
【0018】(比較例) 温度計、撹拌機、及び還流冷却器を備えた内容積1,0
00mlの4つ口丸底フラスコに、数平均分子量17,
300のポリイソプレン250g、溶媒として酢酸エチ
ル125g、プロピオン酸カリウム0.34g、90%
蟻酸97gを取り、よく混合した。これを50℃に加温
した。これに純度30%の過酸化水素水180gを滴下
ロートを用いて約2時間で滴下した。仕込みを行ったあ
と約3時間で滴下反応させ、更に反応温度50℃で1時
間熟成した。熟成終了後、反応液の2重量倍の水で4回
水洗し、過酢酸から由来する酢酸を除去した。さらに、
ポリイソプレンエポキシド酢酸エチル溶液である水洗上
層水を減圧下に蒸留し、ポリイソプレンエポキシドを得
た。過酸化水素とカルボン酸から誘導される過カルボン
酸を使用した場合には、オキシラン酸素濃度上がらず、
粘度が高くなった。結果を表−1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、反応系に水が存在しな
いためポリイソプレンエポキシドの開環反応、過カルボ
ン酸の分解反応などを抑えることができる。また、反応
温度を低くできるため、副反応、例えばポリイソプレン
エポキシドの開環反応、過カルボン酸の分解反応、およ
びポリイソプレン、ポリイソプレンエポキシドの重合反
応などを抑えることができ、高選択率でポリイソプレン
エポキシドを得ることができる。また、エチルベンゼン
ハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物を用いてエ
ポキシ化したときのような高沸点の相当するアルコール
化合物を含有しないため、生成系は比較的簡単なものと
することができ、精製も容易である。本発明により得ら
れるポリイソプレンエポキシドは、塩化ビニルの安定剤
や樹脂改質などに使用される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弱酸のアルカリ金属塩を共存させた反応
    系において、ポリイソプレンに無水の過カルボン酸を反
    応させることを特徴とするポリイソプレンエポキシドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリイソプレンの数平均分子量が5,0
    00〜100,000の範囲内にあることを特徴とする
    請求項1記載のポリイソプレンエポキシドの製造方法。
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