JP3521917B2 - 自動車のオープンルーフ構造 - Google Patents

自動車のオープンルーフ構造

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JP3521917B2
JP3521917B2 JP02559692A JP2559692A JP3521917B2 JP 3521917 B2 JP3521917 B2 JP 3521917B2 JP 02559692 A JP02559692 A JP 02559692A JP 2559692 A JP2559692 A JP 2559692A JP 3521917 B2 JP3521917 B2 JP 3521917B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は自動車のオープンルーフ
構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のオープンルーフ構造としては、例
えば特公平3−65285号公報に示されているよう
に、車体ルーフの前部に部分的にルーフ開口部を形成
し、このルーフ開口部にルーフ後部の内側に沿ってスラ
イド移動自在なスライドルーフを配設したものが知られ
ている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ルーフ開口部が車体ル
ーフの前部に部分的に設けられていて、このルーフ開口
部をスライドルーフで閉塞,開放する構造であるため、
スライドルーフを全開してもルーフ開口部面積が小さ
く、開放感に乏しい。 【0004】そこで、本発明はルーフ開口面積を大きく
とれて開放感を高められると共に、ルーフ開放時に後方
視界を些かも遮ることがない自動車のオープンルーフ構
造を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】車体ルーフにその前縁部
から車体のリヤウエスト部に亘ってルーフ開口部を形成
し、このルーフ開口部の略後半部に、下端部がリヤウエ
スト部に連結されて、該連結部を中心としてルーフ開口
部の略後半部に配置される閉蓋位置と、車室内に配置さ
れる格納位置とに回動自在なバックドアを配設する一
方、ルーフ開口部の略前半部に、該ルーフ開口部の略前
半部に配置されて車体ルーフおよびバックドアと面一に
整合する閉蓋位置から、前記バックドアの上面側に重
合,移載される全開位置に亘ってスライド移動自在なス
ライドルーフを配設し、スライドルーフを前記全開位置
にスライド移動しバックドアの上面側に重合させた状態
で、バックドアを前記格納位置に回動させることによっ
て、スライドルーフとバックドアとが一体となって車室
内に格納される。 【0006】 【作用】ルーフ開口部を半開にする場合、スライドルー
フをバックドアの上面側に重合,移載される全開位置に
スライド移動すれば、ルーフ開口部の前半部が開放され
る。 【0007】ルーフ開口部を全開にする場合は、スライ
ドルーフを前記全開位置にスライド移動した後、バック
ドアを前記格納位置に回動すれば、スライドルーフがこ
のバックドアと一体に車室内に入り込んで格納され、ル
ーフ開口部が全開となる。 【0008】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に詳述す
る。 【0009】図1〜13において、車体本体1の車体ル
ーフ2には、その前縁部からリヤウエスト部3に亘って
車体開口部10を形成してある。 【0010】11は車体開口部10の略後半部に配置し
たバックドアで、ドアフレーム12の周縁部上にウイン
ドウパネル13を接着固定してあると共に、該ウインド
ウパネル13の周縁部にウエザーストリップ14を嵌合
接着してある。ドアフレーム12の外周部には全周に亘
ってドリップ溝15を形成してあり、かつ、該ドリップ
溝15の下辺部両側には、集流した雨水,洗車水等を排
水するドレーン部16を設けてある。このドリップ溝1
5の立設フランジ15aにはウエザストリップ15bが
取り付けてある。 【0011】このバックドア11はドアフレーム12の
下辺部をドアヒンジ17によりリヤウエスト部3の下面
に連結して、車室内側に回動可能に取り付けてあると共
に、ドアフレーム12の両側辺部と、車体フロア5とに
跨って油圧シリンダ18を取り付けて、該油圧シリンダ
18により前記ルーフ開口部10の略後半部に配置され
る閉蓋位置と、車室内に配置される格納位置とに回動さ
れるようになっている。 【0012】また、ドリップ溝15の両側辺部の溝底に
は、後述するスライドルーフ32のリヤブラケット40
をスライドガイドするリヤレールユニット19を配設し
てある。リヤレールユニット19は、ドリップ溝15の
溝底に固定したリヤレール20と、ガイドリンク21と
を備えている。ガイドリンク21はリヤレール20の第
1ガイド溝20aに摺動自在に係合したガイド22と、
このガイド22の前端部にピン連結したリンク23とか
らなっていて、リンク23にはその中央部に軸支されて
リヤレール20の第2ガイド溝20bに係合するロアロ
ーラ24と、リンク23の前端部に軸支されてリヤレー
ル20上を転動するアッパローラ25とを備えている。
前記ガイド22にはモータ26により進退作動されるギ
ヤードワイヤ27を連結してあって、これらモータ2
6,ギヤードワイヤ27の作動によりリヤレール20に
沿って摺動するようになっている。 【0013】ルーフ開口部10の略前半部の周縁部に
は、該周縁部に沿って平面略コ字形のドリップチャンネ
ル30を取り付けてある。このドリップチャンネル30
の両側辺部の後端は、前記ドアフレーム12のドリップ
溝15の両側辺部の上端部上方にラップして延出し、雨
水,洗車水等をドリップチャンネル30からドリップ溝
15に流下できるようにしてある。また、ドリップチャ
ンネル30の前端部の両側コーナー部には、ドリップチ
ャンネル30の前方に集流する水を排出するドレーン部
31を設けてある。また、ドリップチャンネル30の立
設フランジ30aにはウエザストリップ30bが取り付
けられている。 【0014】32は前記ルーフ開口部10の略前半部に
配置したスライドルーフで、このスライドルーフ32は
周縁部にウエザーストリップ33を取り付けてあると共
に、前端部の両側下面にドリップチャンネル30の両側
辺部の底部に配設したフロントレール34に係合して、
該フロントレール34に沿ってガイドされるフロントブ
ラケット35と、スライドルーフ32の後端部の両側下
面にリヤレールユニット19のリンク23に連結され
て、リヤレール20に沿ってガイドされるリヤブラケッ
ト40とを備え、ルーフ開口部10の略前半部に配置さ
れる閉蓋位置から、バックドア11の上面側に重合,移
載される全開位置に亘ってスライド移動自在に配設され
ている。WSは、ウエザストリップ15bに設けられ
て、スライドルーフ32とバックドア11とドリップチ
ャンネル30との間に形成される三角形状の空間を埋め
るためのシールゴムである。 【0015】フロントレール34およびリヤレール20
の各前端部は下方に向けて曲折成形され、フロントブラ
ケット35,リヤブラケット40が、これら対応するフ
ロントレール34,リヤレール20の前端部に位置する
スライドルーフ32の閉蓋位置では、該スライドルーフ
32が車体ルーフ2およびバックドア11と面一に整合
し、そして、この閉蓋位置からスライドルーフ32が後
方に向けて開動される時には、これらフロントレール3
4,リヤレール20の各前端部の傾斜により、スライド
ルーフ32がリフトアップされるようになっている。 【0016】また、前記フロントレール34は図13に
も示すように、ドリップチャンネル30の底部に固設し
たフロント部34aと、このフロント部34aの延長上
でバックドア11のドリップ溝15両側辺部の内周側の
側壁に固設したリヤ部34bとに分割されていて、バッ
クドア11の閉蓋位置で、フロント部34aとリヤ部3
4bとが連続状態となって、フロントブラケット35が
フロント部34aからリヤ部34bに乗り移ることによ
って、スライドルーフ32は、バックドア11の上面に
完全に重合した状態のスライドルーフ32の全開位置と
なり、その後、該スライドルーフ32をバックドア11
と一体にバックドア11の格納位置、即ち車室内側に回
動し得るようになっている。 【0017】フロントブラケット35は図14に示すよ
うに、スライドルーフ32に固設した固定ブラケット3
6と、該固定ブラケット36に回動自在にピン38連結
した可動ブラケット37とを備えると共に、該可動ブラ
ケット37の下端にフロントレール34に係合する前後
一対のガイドローラ38を軸支してある。スライドルー
フ32の閉蓋位置では、図14の実線で示すように可動
ブラケット37が回動して、スライドルーフ32とフロ
ントレール34との間でフロントブラケット35が折り
込まれ、該閉蓋位置からスライドルーフ32が開動され
るのに伴って、フロントブラケット35が同図鎖線で示
すように伸張し、フロントレール34前端部の曲げ率を
増幅して所要のリフトアップ量が得られるようにしてあ
って、このようにフロントブラケット35に屈伸機能を
付与することによって、スライドルーフ32のある一定
のリフト量を得る場合に、フロントレール34前端部の
曲げ率の増大化を抑え、車室内のヘッドクリアランスの
確保を図っている。 【0018】リヤブラケット40はリヤレールユニット
19のリンク23前端部のアッパローラ25の支軸端に
連結されている。このリヤブラケット40の後縁部に
は、図15,16に示すように側面ウエッジ状のキック
アップ部41を形成してあり、スライドルーフ32が閉
蓋位置から開動される時に、該スライドルーフ32のリ
フトアップ作動に伴ってキックアップ部41により、バ
ックドア11のウインドウパネル13側縁より張り出し
てルーフサイド部4上に密接するウエザーストリップ1
4を上方にめくり上げて、該ウエザーストリップ14を
巻き込むことなくスムーズに後方移動できるようにして
ある。 【0019】42はバックドア11のロック装置で、車
体本体1のピラー8の室内側上端部に設けたラッチ機構
43と、ドアフレーム12の上端部側面に取り付けられ
て、ラッチ機構43と係脱するストライカ44とを備
え、オートクロージャー45の操作により自動的に引き
込まれてロック、または解除される。 【0020】図3中、6はフロントシート、7はリヤシ
ートを示す。 【0021】次に以上の実施例構造の作用について説明
する。 【0022】まず、ルーフ開口部10の前半部を開放す
る場合には、モータ26をスライドルーフ32の開動側
に作動することにより、スライドルーフ32はフロント
レール34,リヤレール20各前端部の傾斜により車体
ルーフ2面およびバックドア11面よりも上方にリフト
アップされて後退移動、つまり、開動してバックドア1
1の上面側に重合,移載される。これにより、ルーフ開
口部10の前半部が開放される。 【0023】次に、ルーフ開口部10を全開にする場合
には、スライドルーフ32をスライドルーフ32の全開
位置(即ち、スライドルーフ32がバックドア11の上
面に完全に重合した位置)にして、バックドア11の上
面側に重合,移載した状態から、リヤシート7のシート
バック7aを前に倒して格納状態にしてロック装置42
をロック解除した後、油圧シリンダ18を作動してバッ
クドア11を格納位置に車室内側へ回動すれば、スライ
ドルーフ32はこのバックドア11に重合した状態で一
体に車室内側に回動され、ルーフ開口部10が全開とな
る。このルーフ開口部10の全開状態では、前述のよう
にスライドルーフ32がバックドア11の上面側に重合
した状態で一体となって車室内に格納,定置されるた
め、後方視界を些かも狭めることはない。 【0024】逆に、ルーフ開口部10全開時から閉じる
ときは、油圧シリンダ18を作動させてバックドア11
を閉蓋位置にする。このとき、バックドア11のストラ
イカ44がラッチ機構43に対してハーフラッチ状態で
あっても、オートクロージャー45により自動的にスト
ライカ44は引き込まれてフルラッチ位置にされる。そ
の後、モータ26が作動してスライドルーフ32が前進
移動して、ルーフ開口部10を閉じる。 【0025】更に、図示していないが、スライドルーフ
32の全開位置検知スイッチを例えばリアレール20の
後部あるいはフロントレール34のリア部34bに設け
てスライドルーフ32のリアブラケット40あるいはフ
ロントブラケット35の位置を検知するようにして、リ
ヤシート7にシートバック7aの格納位置検知スイッチ
等を設けてシートバック7aの格納状態を検知するよう
にして、スライドルーフ32が全開位置にあり、シート
バック7aが格納位置にあるときに、はじめてロック装
置42が解除されるように、また、ロック装置42のハ
ーフラッチ状態では、スライドルーフ32が移動できな
いように、ラッチ機構43内にラッチ状態検知スイッチ
を設け、これにモータ26が連動するような制御機構を
設けてもよい。 【0026】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、ルーフ開
口部を車体ルーフの前縁部から車体のリヤウエスト部に
亘って形成してあって、該ルーフ開口部の略後半部に配
置されるバックドアを、リヤウエスト部との連結部を支
点として車室内の格納位置に回動できるようにしてある
と共に、ルーフ開口部の略前半部に配置されるスライド
ルーフを、このバックドアの上面側に重合,移載される
全開位置までスライド移動して、該バックドアと一体に
車室内の格納位置に回動できるようにしてあるため、ル
ーフ開口部を全開にした場合には、車体ルーフの前縁部
から車体のリヤウエスト部に亘って大きく開放できて、
開放感を格段に向上することができる。しかも、この全
開状態ではスライドルーフ,バックドア共に、車室内の
格納位置に重合状態で定置できるため、後方視界を些か
も狭めることはないという実用上多大な効果を有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。 【図2】同実施例のルーフ全開状態を示す斜視図。 【図3】同実施例の略示的側面説明図。 【図4】図3のF範囲部の拡大断面図。 【図5】同実施例のバックドアの分解斜視図。 【図6】同実施例のスライドルーフの分解斜視図。 【図7】図1のA−A線に沿う断面図。 【図8】図1のB−B線に沿う断面図。 【図9】図1のC−C線に沿う断面図。 【図10】スライドルーフを開動した場合の図1のC−
C線に沿う断面図。 【図11】図1のD−D線に沿う断面図。 【図12】図1のE−E線に沿う断面図。 【図13】フロントレールとリヤレールとの関係を模式
的に示す平面図。 【図14】フロントブラケットの説明図。 【図15】リヤブラケットとウエザーストリップとの関
係を示す斜視図。 【図16】同リヤブラケットとウエザーストリップとの
スライドルーフ開動時における状態を示す斜視図。 【符号の説明】 1…車体本体、2…車体ルーフ、3…リヤウエスト部、
10…ルーフ開口部、11…バックドア、32…スライ
ドルーフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老原 栄 神奈川県横浜市金沢区幸浦1丁目10番地 高田工業株式会社内 (72)発明者 松田 淳一 神奈川県横浜市金沢区幸浦1丁目10番地 高田工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平1−165716(JP,U) 実開 昭60−32122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 7/02 B60J 5/10 B60J 7/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車体ルーフにその前縁部から車体のリヤ
    ウエスト部に亘ってルーフ開口部を形成し、このルーフ
    開口部の略後半部に、下端部がリヤウエスト部に連結さ
    れて、該連結部を中心としてルーフ開口部の略後半部に
    配置される閉蓋位置と、車室内に配置される格納位置と
    に回動自在なバックドアを配設する一方、ルーフ開口部
    の略前半部に、該ルーフ開口部の略前半部に配置されて
    車体ルーフおよびバックドアと面一に整合する閉蓋位置
    から、前記バックドアの上面側に重合,移載される全開
    位置に亘ってスライド移動自在なスライドルーフを配設
    スライドルーフを前記全開位置にスライド移動しバック
    ドアの上面側に重合させた状態で、バックドアを前記格
    納位置に回動させることによって、スライドルーフとバ
    ックドアとが一体となって車室内に格納されることを特
    徴とする自動車のオープンルーフ構造。
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