JP3521306B2 - サンドイッチ発泡体の製造方法および製造装置 - Google Patents

サンドイッチ発泡体の製造方法および製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱シリンダバレ
ルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸方向とに駆
動可能に設けられているスクリュとからなる主射出ユニ
ットと、同様に加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバ
レル内に回転方向と軸方向に駆動可能に設けられている
スクリュとからなる副射出ユニットとを使用して、表面
に未発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に微細なセ
ルを有する発泡体を得る、サンドイッチ発泡体の製造方
法およびこの方法の実施に使用される製造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】先に表面のスキン層用溶融樹脂を射出
し、射出したスキン層用溶融樹脂につづいてにコア層用
溶融樹脂を射出して得られる、いわゆる異種樹脂のスキ
ン層とコア層とからなるサンドイッチ成形品は、材料の
組み合わせにより特色のある成形品が得られるので、1
970年代の初めより当発明の属する技術分野で実施さ
れている。このサンドイッチ成形方法の実施に使用され
るサンドイッチ成形装置は、図6に示されているよう
に、スキン層射出ユニット50と、コア層射出ユニット
60の2頭の射出ユニットと、金型70とから構成され
ている。スキン層射出ユニット50は、概略的には加熱
シリンダバレル51と、この加熱シリンダバレル51の
内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられている
スクリュ52とからなっている。コア層射出ユニット6
0も加熱シリンダバレル61と、この加熱シリンダバレ
ル61の内部に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けら
れているスクリュ62とからなっている。そして、これ
らの加熱シリンダバレル51、61の外周部には個々に
発熱温度が制御されるヒータ53、63が設けられてい
る。したがって、スキン層射出ユニット50のスクリュ
52を回転駆動してホッパ54からペレット状の材料を
供給すると、材料はスクリュ52の回転による摩擦抵抗
等により生じる熱、ヒータ53から加えられる熱等によ
り溶融し、加熱シリンダバレル51の前方の計量室に所
定量のスキン層用の溶融樹脂がが貯えられる。同様にし
てコア層射出ユニット60でも所定量のコア層用の溶融
樹脂が計量される。そこで、切替えバルブ55を図6に
示されているポジションに切り替え、そして型締された
金型70のキャビテイ71に、初めにスキン層射出ユニ
ット50のスクリュ52を軸方向に駆動してスキン層用
の溶融樹脂を射出し、次いで切替えバルブ55を切り替
え、そしてコア層射出ユニット60のスクリュ62を軸
方向に駆動してコア層用の溶融樹脂を射出すると、従来
周知のサンドイッチ成形品を得ることができる。また、
成形品の表面をスキン層で完全に覆うために、最後にス
キン層用溶融樹脂を射出することも行われている。この
サンドイッチ成形方法により、目的に応じた成形品例え
ばスキン層が光沢のある樹脂で覆われた外観に優れた成
形品、コア層が強度の大きい樹脂で成形された高強度の
成形品、コア層にリサイクル樹脂を使用した安価な成形
品等、1種の材料では得ることのできない特徴のある成
形品が得られる。
【0003】また、上記した従来のサンドイッチ成形装
置によってスキン層が未発泡のサンドイッチ発泡体を得
ることもできる。すなわち、コア層射出ユニット60に
より計量する材料に、化学発泡剤例えば成形温度で分解
してガスを発生する低分子量の有機発泡剤を混合して計
量し、そして先に射出されているスキン層用溶融樹脂に
つづいてコア層用溶融樹脂を射出すると、化学発泡剤が
スキン層の内側で発泡して、表面に未発泡のスキン層を
有するサンドイッチ発泡体を得ることができる。
【0004】また、物理的な発泡剤すなわち不活性ガス
の一種である二酸化炭素ガスを使用した熱可塑性樹脂発
泡体の成形方法も、例えば特開平10−230528号
により知られている。この成形方法の実施に使用される
成形装置は、概略的には加熱シリンダとスクリュとから
なる連続可塑化装置と、プランジャーからなる射出装置
の、2つの別装置から構成されている。したがって、ス
クリュを定位置で回転駆動してペレット状の材料を溶融
し、二酸化炭素ガスを供給すると、二酸化炭素ガスは溶
融材料中に溶解する。二酸化炭素ガスが溶解した溶融材
料は押し出されて、プランジャーからなる射出装置に供
給され、射出プランジャーを駆動し、金型のキャビテイ
へ射出すると、キャビテイ内で発泡し、同様にして熱可
塑性樹脂発泡成形体が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】化学発泡剤を使用する
と、上記のように従来のサンドイッチ成形装置により表
面が未発泡のサンドイッチ発泡体を得ることができる利
点はある。しかしながら、化学発泡剤は高価で、成形品
のコスト高を招く欠点がある。また、発泡体の中に残存
する化学発泡剤の分解残留物が、製品である発泡体を変
色させたり、発泡体の臭気の原因になることがあり、製
品としても、また食品衛生上も好ましいものではない。
さらには、異種材質の発泡剤が混入されているので、リ
サイクルに制約を受けることもある。以上のような理由
により、物理的な発泡剤の方が優れているといえる。し
かしながら、従来のサンドイッチ成形装置では、次のよ
うな理由により物理的な発泡剤の使用は困難である。す
なわち、上記サンドイッチ成形装置のコア層射出ユニッ
トに不活性ガス供給装置を取り付け、そして単に不活性
ガスを注入するだけでは、加熱シリンダバレル内を超臨
界圧力を維持することが困難であるからである。圧力が
低下すると、加熱シリンダバレル内で発泡が始まり、加
熱シリンダバレルの加熱温度により泡が大きく成長し、
微細なセル構造を有する発泡体は得られなくなる。セル
構造が大きいと、強度は落ちることになる。そこで、計
量時に超臨界圧力以上となるような背圧例えば不活性ガ
スが二酸化炭素ガスの場合、二酸化炭素ガスの超臨界状
態は、臨界圧力7.38MPa、臨界温度が31°
Cで以上であるので、この圧力に相当する溶融樹脂圧力
の7.5MPa以上の背圧をかけて計量することによ
り、計量中は発泡を抑えることができる。しかしなが
ら、計量が終了すると、スクリュウの回転も停止するの
で、背圧は0となり、発泡が始まり、上記したような問
題点は解消されない。また、スクリュは、可塑化能力お
よび混練能力を重視した設計となっているので、超臨界
状態の二酸化炭素液体が可塑化された溶融樹脂に充分に
注入、溶解されないという問題もある。また、特開平1
0−230528号に示されている連続可塑化装置と、
プランジャーとからなる成形装置によると、金型のキャ
ビテイにカウンタープレッシュシャーをかけて射出し、
表面が冷却して未発泡層が形成されてから、一気にカウ
ンタープレッシュシャーを開放することにより内部を発
泡させ、表面に未発泡層を有する発泡体を得ることはで
きる。しかしながら、未発泡層が金型からの冷却により
形成されているので、未発泡層の厚さのコントロールが
困難で、所望の厚さの未発泡のスキン層が得られ難い欠
点がある。したがって、本発明は、化学発泡剤に比較し
て、価格の点においても、製品の変色、臭気、食品衛生
等の安全性の点においても、さらにはリサイクルの点に
おいても有利な物理的な発泡剤を使用するにも拘わら
ず、表面に未発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に
微細なセル構造を有する発泡体を得ることができる、サ
ンドイッチ発泡体の製造方法およびこの製造方法の実施
に使用される製造装置を提供することを提供することを
目的としている。また、表面の転写性が良く、美麗で軽
量であり、軽量で強度のあるサンドイッチ発泡体、具体
的には自動車用としてはバンパー、インスツルメントパ
ネル、建築、レジャー用としてはバスタブ、レジャーボ
ート等の大型の発泡体を得ることができるサンドイッチ
発泡体の製造方法および製造装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、サ
ンドイッチ成形装置のように、副射出ユニットすなわち
スキン層射出ユニットと、主射出ユニットすなわちコア
層射出ユニットの2頭の射出ユニットを使用し、初めに
スキン層射出ユニットにより溶融樹脂に物理的な発泡剤
を溶解、分散させてコア層用発泡原料を得て、このスキ
ン層射出ユニットにより得られたコア層用発泡原料をコ
ア層射出ユニットに蓄え、その後スキン層射出ユニット
によりスキン層用溶融樹脂を計量するように構成するこ
とにより達成される。すなわち、請求項1に記載の発明
は上記目的を達成するために、加熱シリンダバレルと該
加熱シリンダバレル内に回転方向と軸方向とに駆動可能
に設けられているスクリュとからなる主射出ユニット
と、同様に加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバレル
内に回転方向と軸方向に駆動可能に設けられているスク
リュとからなる副射出ユニットとを使用して、前記副射
出ユニットにより材料を可塑化すると共に超臨界状態の
不活性ガスを注入、溶解、浸透させてコア層用発泡溶融
樹脂を得て、これを前記主射出ユニットに背圧をかけな
がら蓄えるコア層用発泡溶融樹脂製造工程と、その後前
記副射出ユニットにより材料を可塑化してスキン層用溶
融樹脂を計量するスキン層用溶融樹脂製造工程と、前記
副射出ユニットによりスキン層用溶融樹脂を金型のキャ
ビテイに射出するスキン層用溶融樹脂射出工程と、前記
主射出ユニットにより、スキン層用溶融樹脂が射出され
ている金型のキャビテイに、コア層用発泡溶融樹脂を射
出するコア層用発泡溶融樹脂射出工程とから、表面に未
発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に微細なセルを
有する発泡体を得るように構成される。請求項2に記載
の発明は、加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバレル
内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているス
クリュとからなる主射出ユニットと、同様に加熱シリン
ダバレルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸方向
に駆動可能に設けられているスクリュとからなる副射出
ユニットとを使用して、前記副射出ユニットにより材料
を可塑化すると共に超臨界状態の不活性ガスを注入、溶
解、浸透させてコア層用発泡溶融樹脂を得て、これを前
記主射出ユニットに背圧をかけながら蓄え前記主射出ユ
ニットのスクリュを比較的低速で回転駆動して溶融樹脂
中に溶解された超臨界状態の不活性ガスの浸透、拡散を
促進させるコア層用発泡溶融樹脂製造工程と、その後前
記副射出ユニットにより材料を可塑化してスキン層用溶
融樹脂を計量するスキン層用溶融樹脂製造工程と、前記
副射出ユニットによりスキン層用溶融樹脂を金型のキャ
ビテイに射出するスキン層用溶融樹脂射出工程と、前記
主射出ユニットにより、スキン層用溶融樹脂が射出され
ている金型のキャビテイに、コア層用発泡溶融樹脂を射
出するコア層用発泡溶融樹脂射出工程とから、表面に未
発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に微細なセルを
有する発泡体を得るように構成される。請求項3に記載
の発明は、 請求項1または2に記載のコア層用発泡溶
融樹脂射出工程の終了後に副射出ユニットにより二次の
スキン層用溶融樹脂を射出するように、請求項4に記載
の発明は、 請求項1〜3のいずれかの項に記載の超臨
界状態の不活性ガスが、二酸化炭素の流体であるよう
に、請求項5に記載の発明は、 請求項1〜4のいずれ
かの項に記載の金型のキャビテイに、ガスによるカウン
タープレッシャーをかけておき、副射出ユニットによる
スキン層用溶融樹脂の射出後、もしくは主射出ユニット
によるコア層用発泡溶融樹脂の射出完了直前にカウンタ
ープレッシャーを開放するように、請求項6に記載の発
明は、請求項5に記載のガスが不活性ガスであり、その
プレッシャーは超臨界圧力以上であるように、請求項7
に記載の発明は、 請求項5に記載のガスがエアーであ
り、そのプレッシャーは3.0MPa以下であるよう
に、そして請求項8に記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかの項に記載の金型の型開き動作を、副射出ユニッ
トによるスキン層用溶融樹脂の射出後、もしくは主射出
ユニットによるコア層用発泡溶融樹脂の射出動作に追従
して、得られる成形品の厚さに相当する所定位置で型開
き動作を停止するように構成される。請求項9に記載の
発明は、加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバレル内
に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられているスク
リュとからなる主射出ユニットと、同様に加熱シリンダ
バレルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸方向に
駆動可能に設けられているスクリュとからなる副射出ユ
ニットと、成形品を得るためのキャビテイが形成されて
いる金型と、不活性ガス供給装置とからなり、前記副射
出ユニットには、前記不活性ガス供給装置で得られる超
臨界状態の不活性ガスが供給され、それによってコア層
用発泡溶融樹脂が製造された後、スキン層用溶融樹脂が
製造され、前記副射出ユニットにより製造されるコア層
用発泡溶融樹脂は、前記主射出ユニットから前記金型の
キャビテイに射出されるようになっている。請求項10
に記載の発明は、請求項9に記載の金型には、そのキャ
ビテイにカウンタープレッシャーをかけるカウンタープ
レッシャー付加装置が設けられ、そして請求項11に記
載の発明は、請求項9または10に記載の主射出ユニッ
トのスクリュの先端部には、複数本のピン状の突起物が
設けられている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1の(イ)は、全体を模式的に示す断面図であ
るが、同図に示されているように本実施の形態に係わる
サンドイッチ発泡体の製造装置は、副射出ユニットすな
わちスキン層射出ユニット1と、主射出ユニットすなわ
ちコア層射出ユニット10の2頭の射出ユニットを備え
ている。そして、スキン層射出ユニット1の方に超臨界
状態の不活性ガス供給装置30が設けられており、スク
リュ3の回転と共に不活性ガスの供給が開始される。
【0008】スキン層射出ユニット1は、比較的容量の
小さい加熱シリンダバレル2を備えている。そして、こ
の加熱シリンダバレル2の内部にスクリュ3が設けられ
ている。このスクリュ3は、回転方向と軸方向とに駆動
されると共に、フローモールド機能も備えている。この
ように、フローモールド機能を備えているので、小径の
スクリュ3で、後述するコア層用発泡材料を多量に製造
できる。また、スクリュ3が小径であるので、回転数を
上げて発熱量を高め、材料の混練、溶融を促進すること
ができると共に、二酸化炭素ガスの混合、溶解の促進に
もなる。また、フローモールド動作のため、スクリュ3
は最前進位置で停止して回転するので、注入された不活
性ガスがスクリュフライト間を同距離移動することにな
るので、安定した溶解度が得られる。加熱シリンダバレ
ル2の外周部には、発熱温度が個々に設定される複数個
のヒータ4、4、…が設けられている。また、加熱シリ
ンダバレル2の先端部近傍には、この加熱シリンダバレ
ル2の内部に達する、不活性ガス供給口5が設けられて
いる。なお、不活性ガス供給口5の後方端部すなわち上
流側には材料供給用のホッパが設けられているが、この
ホッパも図1の(イ)には示されていない。
【0009】スキン層射出ユニット1で可塑化された発
泡溶融樹脂は、フローモールド機能によりスクリュは最
前進した位置で回転し、可塑化してコア層射出ユニット
10の方へ流出され計量される。この計量完了信号によ
り不活性ガスの注入が停止する。その後、切替バルブ2
2が図2の(ロ)の状態となり、スキン層用樹脂の可塑
化が開始されスクリュ3は、回転しながら後退し、定位
置まで計量される。なお、スキン層用溶融樹脂を金型へ
射出するために、本実施の形態では、略直角に曲がった
第1の加熱ブロック6が設けられている。この第1の加
熱ブロック6の内部には溶融樹脂通路7が形成され、こ
の溶融樹脂通路7の始端部は、加熱シリンダバレル2の
先端部のスクリュシリンダ部に通じている。また、第1
の加熱ブロック6の終端部は、詳しくは後述する、コア
層射出ユニット10に接続されている第2の加熱ブロッ
ク16の略中間部に接続されている。この第1の加熱ブ
ロック6の外周部にも、発熱温度が制御される複数個の
ヒータ8、8、…が設けられている。なお、参照数字9
は、第1の加熱ブロック6の溶融樹脂通路7を形成する
ために明けられた孔を塞いでいる栓を示している。
【0010】不活性ガス供給装置30は、本実施の形態
では二酸化炭素ガスが充填されているガスボンベ31
と、二酸化炭素ガスを超臨界状態の臨界圧力7.38M
Pa、超臨界温度31.1°C、以上に昇圧する昇
圧ポンプ32、圧力制御弁33等からなり、これらが管
路34で順に接続されている。そして、管路34の終端
部が加熱シリンダバレル2の不活性ガス供給口5に接続
されている。図示の実施の形態では、二酸化炭素ガスを
超臨界温度以上に加熱する加熱装置は設けられていな
い。したがって、超臨界状態以上の圧力で供給される二
酸化炭素ガスは、加熱シリンダバレル2内で加熱され、
超臨界状態の二酸化炭素液体になる。このように、二酸
化炭素ガスで供給することもできるし、加熱装置をさら
に設けて超臨界状態の二酸化炭素液体にして供給するこ
ともできるので、「超臨界状態の不活性ガス」という表
現の中には温度は超臨界温度に達していない不活性ガス
も含まれることになる。
【0011】コア層射出ユニット10も、本実施の形態
では、比較的容量の大きい加熱シリンダバレル12を有
する。そして、この加熱シリンダバレル12の内部にス
クリュ13が設けられているが、このスクリュ13も、
本実施の形態では回転方向と軸方向とに駆動される。こ
のように、スクリュ13を駆動する駆動装置も、図1の
(イ)には示されていないが、加熱シリンダバレル12
の後端部に設けられている。加熱シリンダバレル12の
外周部にも、発熱温度が設定される複数個のヒータ1
4、14、…が設けられている。加熱シリンダバレル1
2の先端部は、プランジャー室15の一部を構成してい
るが、スクリュウ13の先端部の、プランジャー室15
に対応した外周部分には、複数個のピン状の突起物1
1、11、…が設けられている。コア層用溶融樹脂の計
量が完了し、前記切替バルブ22が図2の(ロ)の状態
に切換えると共に、コア層用射出ユニット1のスクリュ
13が回転駆動されると、プランジャー室15に貯えら
れるコア層用発泡溶融樹脂は、スクリュ背圧をかけ前記
超臨界状態の樹脂圧力を維持しながら低速回転し、突起
物11、11、…により攪拌され、二酸化炭素液体はさ
らに溶解されることになる。したがって、前記スキン層
用射出ユニット1およびコア層射出ユニット10は、電
動サーボモータによる駆動方式の電動射出成形装置から
構成されていることが最適である。このコア層射出ユニ
ット10には、本実施の形態では材料供給用のホッパは
不要となる。すなわち、コア層射出ユニット10は、プ
ランジャーの作用をすると共に、二酸化炭素液体の溶解
促進作用を奏するように選定されている。しかしなが
ら、フライトが形成されているスクリュ13を備えてい
るので、可塑化することはできるし、スクリュ駆動装置
のプログラムを変更するだけで、通常のサンドイッチ成
形をすることができる。また、スキン層射出ユニット1
とコア層射出ユニット10と、2台の射出ユニットが独
立しているので、プランジャー室15に貯えられるコア
層用発泡溶融樹脂の加熱温度をスキン層射出ユニット1
の温度より20〜30°C低めに設定することによ
り、一層の不活性ガスの溶融樹脂への浸透が計れる。
【0012】コア層射出ユニット10の加熱シリンダバ
レル12の先端部に、第2の加熱ブロック16が接続さ
れている。この第2の加熱ブロック16の内部にも、軸
方向に溶融樹脂通路17が形成されているが、この溶融
樹脂通路17の加熱シリンダバレル12側は拡径されて
加熱シリンダバレル12のプランジャー室15に連なっ
ている。したがって、プランジャー室15は、溶融樹脂
通路17の拡径された部分と、加熱シリンダバレル12
の前方部分とから構成されていることになる。第2の加
熱ブロック16の先端部に、従来周知の形状をした射出
ノズル20が取り付けられている。この射出ノズル20
のノズル孔21は、溶融樹脂通路17に連通している。
このような溶融樹脂通路17の略中間部に切替バルブ2
2が設けられている。この切替バルブ22を切換えるこ
とにより、図1の(イ)に示されているように第1、2
の加熱ブロック6、16の溶融樹脂通路7、17のみが
連通する状態、図1の(ロ)に示されているように溶融
樹脂通路7、17の3方が連通する状態、図3の(イ)
に示されているように溶融樹脂通路7、17の3方が閉
鎖される状態等を採ることができる。
【0013】金型は、従来周知であるので、詳しい説明
はしないが模式的に図3の(ロ)に示されているよう
に、固定金型23と可動金型24とからなり、そしてこ
れらの金型23、24のパーティングラインPに沿って
キャビテイ25が形成されている。キャビテイ25にカ
ウンタープレッシャーを付加するカウンタープレッシャ
ー付加装置26は、二酸化炭素ガスが充填されているガ
スボンベ27、超臨界圧力以上に昇圧する加圧器、圧力
制御弁28等からなり、これらを接続している管路29
がパーティングラインPに開口している。
【0014】次に、上記サンドイッチ発泡体の製造装置
を使用した成形例を、図5の作動タイミングチャートを
参照しながら説明する。なお、本製造装置は、制御装置
により自動成形も、また手動的にも成形することができ
るが、以下便宜上半自動的に成形する例について説明す
る。加熱シリンダバレル2、12と第1、2の加熱ブロ
ック6、16の外周部に設けられているヒータ4、4、
14、14、8、8、18、18の発熱温度を設定す
る。コア用射出ユニット10の加熱シリンダバレル12
のヒータ14、14、…の発熱温度は、スキン層射出ユ
ニット1の加熱シリンダバレル2のヒータ4、4、…の
発熱温度よりも20〜30°C低めに設定する。さ
らには、コア層用発泡溶融樹脂およびスキン層用溶融樹
脂の可塑化量を設定する。図1の(ロ)は、スキン層用
溶融樹脂と、コア用発泡溶融樹脂を射出し終えた状態を
示す図であるが、切替バルブ22を、この状態から図2
の(イ)に示されているように、第1、2の加熱ブロッ
ク6、16の溶融樹脂通路7、17が連通するように切
換える。
【0015】そうして、スキン層射出ユニット1のスク
リュ3を回転駆動する。また、ホッパから熱可塑性の材
料を加熱シリンダバレル2に供給する。そうすると、材
料は、加熱シリンダバレル2の外周部に設けられている
ヒータ4、4、…から加えられる熱と、スクリュ3を回
転駆動し先方へ送る過程で生じる摩擦作用、剪断作用等
により発生する熱とにより溶融する。不活性ガス供給装
置30から超臨界状態の二酸化炭素ガスを注入する。注
入された二酸化炭素の流体は、溶融熱可塑性樹脂中に溶
解され浸透し均一に、拡散される。このようにして、二
酸化炭素液体が均一に浸透、溶解された飽和状態のコア
層用発泡溶融樹脂CHJは、第1、2の加熱ブロック
6、16を通って、コア用射出ユニット10のプランジ
ャー室15に蓄積される。このとき、コア用射出ユニッ
ト10のスクリュ13には、溶解された二酸化炭素が超
臨界状態を保てるよう、樹脂圧力が7.5MPa以上に
なるように背圧をかけておく。蓄積されている状態が図
2の(イ)に示されている。なお、このとき、スキン層
射出ユニット1はフローモールド機能を備えているの
で、スクリュ3は先端部の所定位置で回転駆動されるだ
けで、軸方向に後退はしない。したがって、不活性ガス
供給口5からスクリュ3の先端部までの距離が一定とな
り、不活性ガスは常に安定して溶融樹脂へ溶解される。
【0016】蓄積されるとき、コア用射出ユニット10
のスクリュ13には超臨界状態を保つため溶解樹脂圧力
が7.5MPa以上の背圧がかけられているので、発泡
はしない。また、コア用射出ユニット10の加熱シリン
ダバレル12の温度は20〜30°C低いので、二
酸化炭素液体は一層拡散、浸透される。さらには、所定
量蓄積されたらスクリュ13をスクリュ背圧を維持しな
がら低速で回転駆動することにより、スクリュ13の突
起物11、11、…により、プランジャー室15に貯え
られるコア層用発泡原料CHJは、突起物11、11、
…により攪拌され、二酸化炭素の流体はさらに溶解、分
散される。
【0017】所定量のコア層用発泡溶融樹脂CHJを得
たら、二酸化炭素ガスの注入を停止すると共に、切換バ
ルブ22も図2の(ロ)の状態に切換えと同時に、二酸
化炭素ガスの注入が停止する。これ以降はスキン層用溶
融樹脂SJがスクリュ3が回転しながら後退し、可塑化
される。スクリュ背圧も通常の可塑化状態に戻り、計量
されることになる。コア層用発泡溶融樹脂CHJの後方
に、スキン層用溶融樹脂SJの一部が既に可塑化されて
いる状態が、図2の(ロ)に示されている。切換バルブ
22が図2の(ロ)の状態に切り換わると共に、不活性
ガスの注入が停止されるので、急激な圧力低下が起こ
り、コア層用発泡溶融樹脂CHJ内の二酸化炭素の流体
は発泡し、ガスが分離し通常の溶融樹脂となり、引き続
いてスキン層射出ユニット1のスクリュ3は、後退して
スキン層用溶融樹脂SJが計量される。この状態が図3
の(イ)に示されている。
【0018】スキン層用溶融樹脂SJの計量が終わる
と、金型に射出することになる。金型のキャビテイ25
に、二酸化炭素が超臨界状態の臨界圧力例えば7.4〜
10MPa以上、臨界温度31.1°C以上の二酸
化炭素ガスを封入し、カウンタープレッシャーをかけ
る。切替バルブ22を切換えて、第1の加熱ブロック6
の溶融樹脂通路7と射出ノズル20のノズル孔21とを
連通させるべく、図1の(ロ)に示されている位置へ切
換える。次いで、スキン層射出ユニット1のスクリュ3
を軸方向に駆動してスキン層用溶融樹脂SJを金型のキ
ャビテイ25へ射出する。所定量の射出を終わってキャ
ビテイ25に所定容積の未充填空間が残っている状態
が、図3の(ロ)の1stステップに示されている。な
お、キャビテイ25の表面積に対するスキン層用溶融樹
脂SJの量により、サンドイッチ発泡体のスキン層の厚
さを決めることができる。
【0019】この状態で、スキン層用溶融樹脂SJの射
出完了直前に、切替バルブ22を図1の(ロ)に示され
ている位置へ切換えて、コア用射出ユニット10のスク
リュ13を軸方向に駆動して、コア層用発泡溶融樹脂C
HJの射出を開始する。このとき、第1の加熱ブロック
6の溶融樹脂通路7は、スキン層用溶融樹脂SJで満た
されているので、溶融樹脂通路7の方へは逆流しない。
コア層用発泡溶融樹脂CHJの射出開始後、所定時間経
過したら可動金型24の、僅かの開動作を開始する。コ
ア層用発泡溶融樹脂CHJの射出を続行する。そして、
コア層用発泡溶融樹脂CHJの射出終了直前にキャビテ
イ25のカウンタープレッシャーを開放する。これによ
り、コア層用発泡溶融樹脂CHJは、一気に発泡する。
一気に発泡するので、発泡は均一で、微細なセル構造が
得られ、ソリッド成形品に比較しても強度の落ちないサ
ンドイッチ発泡体が得られる。なお、前記動作は、直前
に切換える方法の他、材料によりスキン層用溶融樹脂の
射出完了後、図1の(ロ)に示されている位置へ切換え
ても良い。
【0020】コア層用発泡溶融樹脂CHJの射出開始に
追従して可動金型24の型開きが行なわれると共に、定
位置まで後退後動作を停止し、その位置に保持する。発
泡が終わった状態が、図3の(ロ)の2stステップで
示されている。引き続き、スキン層射出ユニット1のス
クリュ3を軸方向に駆動してスキン層用溶融樹脂SJを
射出し、保圧する。これにより、発泡体の表面が未発泡
のスキン層で覆われたサンドイッチ発泡体Sが得られ
る。この得られた状態が、図3の(ロ)の3stステッ
プで示されている。スキン層用溶融樹脂SJを射出する
ことにより、表面に光沢のあるサンドイッチ発泡体Sと
なり、また発泡体に顕著に現れるフローマーク、スワー
ルマーク、ウエルトライン等が裏に隠れ、見栄えのする
成形品となる。冷却固化を待って可動金型24を開いて
サンドイッチ発泡体Sを取り出す。以下同様にして、成
形する。なお、前記金型は射出圧縮用喰い切り金型であ
り、カウンタープレッシャー用シール機構のある金型が
最適である。また、前記2回目のスキン層用溶融樹脂S
Jの射出工程は、成形品によってはなくても良い。ま
た。この場合の保圧は、内部発泡による保圧作用もある
ので、極わずかで良い。
【0021】図4に本発明の他の実施の形態が示されて
いる。前述した実施の形態と同じ構成要素には同じ参照
数字を付けて、同じような構成要素には同じ数字にダッ
シュ「’」を付けて重複説明はしないが、本実施の形態
によると、第1の加熱ブロック6’の溶融樹脂通路7’
にスタチックミキサーMが設けられ、この上流側に不活
性ガス供給口5’が設けられている。本実施の形態によ
っても、スキン層射出ユニット1でのフローモールド射
出中、超臨界状態の二酸化炭素ガスを注入、溶解させて
コア層用発泡溶融樹脂CHJを得て、プランジャー室1
5に蓄え、そしてスクリュ13を回転駆動して、スクリ
ュ13の突起物11、11、…により攪拌し、二酸化炭
素ガスをさらに拡散、浸透させことができることは明ら
かである。また、前述したようにしてサンドイッチ発泡
体を得ることができることも明らかである。
【0022】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく色々な形に変形可能である。例えば、物理的発泡
剤は二酸化炭素ガス以外の窒素ガス、アルゴンガスで実
施できることは明らかである。また、カウンタープレッ
シャー用ガスも、二酸化炭素ガス以外の窒素ガス、アル
ゴンガス等でも実施できる。窒素ガスで実施すると、ス
キン層用溶融樹脂の流動性が向上し、安定した肉厚のサ
ンドイッチ発泡体を得ることがで、樹脂焼けも防止でき
る。また、樹脂の種類によっては、安価な空気を使用す
ることができることも判明した。この時の空気圧は、
2.5〜3.0MPaで良好であった。
【0023】上記実施の形態では、コア層用発泡溶融樹
脂の射出完了後に、再びスキン層用溶融樹脂を射出する
ようになっているが、コア層用発泡溶融樹脂の射出完了
直前から射出を開始し、ヘジテーションマークの発生を
抑えることもできる。また、射出圧縮機能を型締装置あ
るいは金型にもたせることにより、コア層用発泡溶融樹
脂の射出後、型開き動作信号により僅かに可動型を開い
て圧力を抜き、一気に発泡させることもできる。さらに
は、キャビテイにスキン層用溶融樹脂を充填直後、カウ
ンタープレッシャーを開放して発泡できる圧力状態にし
て、コア層用発泡溶融樹脂の発泡に追従して型開きする
ことにより、肉厚のサンドイッチ発泡体を得ることもで
きる。また、コア層用発泡溶融樹脂の発泡後に可動金型
を型閉じ方向に作用させ圧縮することにより、強度、転
写性等を向上させることもできる。以上のようにして、
自動車部品としてはドアートリム、シート部材、インス
ツルメントパネル、バンパー、産業製品としてはコンテ
ナーボックス、ボート、テーブル、その他家具類、園芸
用品等様々なサンドイッチ発泡体を得ることができる。
【0024】なお、発泡剤としては、物理的発泡剤に限
らず化学発泡剤でも相当な効果は得られる。また、厚肉
のスキン層の強度のある発泡構造体を得るためには、先
にコア層用射出ユニットからスキン層用溶融樹脂を射出
し、続いてスキン層用射出ユニットから発泡樹脂のコア
層用溶融樹脂を射出しても良い。これにより、スキン層
が厚く、剛性がある、ヒケのない発泡構造体が得られ
る。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、主副射
出ユニットを使用して副射出ユニットにより材料を可塑
化すると共に超臨界状態の不活性ガスを注入、浸透、溶
解させてコア層用発泡溶融樹脂を得て、これを前記主射
出ユニットに背圧をかけながら蓄えるコア層用発泡溶融
樹脂製造工程と、その後前記副射出ユニットにより材料
を可塑化してスキン層用溶融樹脂を計量するスキン層用
溶融樹脂製造工程と、前記副射出ユニットによりスキン
層用溶融樹脂を金型のキャビテイに射出するスキン層用
溶融樹脂射出工程と、前記主射出ユニットにより、スキ
ン層用溶融樹脂が射出されている金型のキャビテイに、
コア層用発泡溶融樹脂を射出するコア層用発泡溶融樹脂
射出工程とから、表面に未発泡の所定厚さのスキン層を
有し、内部に微細なセルを有する発泡体を得るように構
成されているので、換言すると、1つの副射出ユニット
により、超臨界状態の不活性ガスが溶解されたコア層用
発泡溶融樹脂と、単なるスキン層用溶融樹脂とが製造さ
れ、そして主射出ユニットによりコア層用発泡溶融樹脂
が射出されるように、機能が独立しているので、可塑
化、溶融樹脂への超臨界状態の不活性ガスの浸透、溶解
等が容易にコントロールできるという、本発明に特有の
効果が得られる。したがって、本発明によると微細なセ
ル構造をもつサンドイッチ発泡体を得ることができる。
また、主副射出ユニットを使用して、副射出ユニットに
よりスキン層用溶融樹脂を得るので、スキン層の厚さを
自由に選定できる。したがって、スキン層の厚肉による
強度のある発泡構造体が得られる。また、発泡体に生じ
やすいウエルドライン、スワールマーク等をスキン層で
容易に覆うことができ、美麗で表面転写性を向上させる
こともできる。また、主射出ユニットに蓄えられるコア
層用発泡溶融樹脂を、主射出ユニットのスクリュを比較
的低速で回転駆動する発明によると、超臨界状態の不活
性ガスの分散、浸透をさらに促進させることができる効
果が付加される。また、金型の型開き動作を、副射出ユ
ニットによるスキン層用溶融樹脂の射出後、もしくは主
射出ユニットによるコア層用発泡溶融樹脂の射出開始と
共に、追従して型開きして、得られる成形品の厚さに相
当する所定位置で型開き動作を停止する発明によると、
比較的肉厚のサンドイッチ発泡体が得られる効果がさら
に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる製造装置を一部断
面にして模式的に示す図で、その(イ)は、その正面
図、その(ロ)は射出が終わった状態で示す正面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態に係わる製造装置の一部を
断面にして成形工程を模式的に示す図で、その(イ)は
コア層用発泡溶融樹脂を製造している状態を、その
(ロ)はスキン層用溶融樹脂の製造が始まっている状態
を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる製造装置の一部を
断面にして成形工程を模式的に示す図で、その(イ)は
スキン層用溶融樹脂の製造が終わった状態を、そ(ロ)
は金型へ射出している各段階を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる製造装置を一部断
面にして模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の製造工程を示す作動タイミングチャー
トである。
【図6】従来のサンドイッチ成形品の製造装置を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
1 スキン層射出ユニット 2 スクリ
ュ 3 加熱シリンダバレル 10 コア層
射出ユニット 11 突起物 12 加熱
シリンダバレル 13 スクリュ 15 プラ
ンジャー室 22 3方弁 26 カウンタープレッシャー付加装置 30 不活性ガス供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 9:00 B29L 9:00 (56)参考文献 特開 平10−230528(JP,A) 特開 平8−340594(JP,A) 特開 昭53−121056(JP,A) 特開 平1−206012(JP,A) 特開 平10−166391(JP,A) 特表 平6−506724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/16 B29C 45/00 B29C 45/13 B29C 45/60

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバ
    レル内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられてい
    るスクリュとからなる主射出ユニットと、同様に加熱シ
    リンダバレルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸
    方向に駆動可能に設けられているスクリュとからなる副
    射出ユニットとを使用して、 前記副射出ユニットにより材料を可塑化すると共に超臨
    界状態の不活性ガスを注入、溶解、浸透させてコア層用
    発泡溶融樹脂を得て、これを前記主射出ユニットに背圧
    をかけながら蓄えるコア層用発泡溶融樹脂製造工程と、 その後前記副射出ユニットにより材料を可塑化してスキ
    ン層用溶融樹脂を計量するスキン層用溶融樹脂製造工程
    と、 前記副射出ユニットによりスキン層用溶融樹脂を金型の
    キャビテイに射出するスキン層用溶融樹脂射出工程と、 前記主射出ユニットにより、スキン層用溶融樹脂が射出
    されている金型のキャビテイに、コア層用発泡溶融樹脂
    を射出するコア層用発泡溶融樹脂射出工程とから、表面
    に未発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に微細なセ
    ルを有する発泡体を得る、サンドイッチ発泡体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバ
    レル内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられてい
    るスクリュとからなる主射出ユニットと、同様に加熱シ
    リンダバレルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸
    方向に駆動可能に設けられているスクリュとからなる副
    射出ユニットとを使用して、 前記副射出ユニットにより材料を可塑化すると共に超臨
    界状態の不活性ガスを注入、溶解、浸透させてコア層用
    発泡溶融樹脂を得て、これを前記主射出ユニットに背圧
    をかけながら蓄え前記主射出ユニットのスクリュを比較
    的低速で回転駆動して溶融樹脂中に溶解された超臨界状
    態の不活性ガスの浸透、拡散を促進させるコア層用発泡
    溶融樹脂製造工程と、 その後前記副射出ユニットにより材料を可塑化してスキ
    ン層用溶融樹脂を計量するスキン層用溶融樹脂製造工程
    と、 前記副射出ユニットによりスキン層用溶融樹脂を金型の
    キャビテイに射出するスキン層用溶融樹脂射出工程と、 前記主射出ユニットにより、スキン層用溶融樹脂が射出
    されている金型のキャビテイに、コア層用発泡溶融樹脂
    を射出するコア層用発泡溶融樹脂射出工程とから、表面
    に未発泡の所定厚さのスキン層を有し、内部に微細なセ
    ルを有する発泡体を得る、サンドイッチ発泡体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のコア層用発泡
    溶融樹脂射出工程の終了後に副射出ユニットにより二次
    のスキン層用溶融樹脂を射出する、サンドイッチ発泡体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載の超
    臨界状態の不活性ガスが、二酸化炭素の流体である、サ
    ンドイッチ発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の金
    型のキャビテイに、ガスによるカウンタープレッシャー
    をかけておき、副射出ユニットによるスキン層用溶融樹
    脂の射出後、もしくは主射出ユニットによるコア層用発
    泡溶融樹脂の射出完了直前にカウンタープレッシャーを
    開放する、サンドイッチ発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のガスが不活性ガスであ
    り、そのプレッシャーは超臨界圧力以上である、サンド
    イッチ発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のガスがエアーであり、
    そのプレッシャーは3.0MPa以下である、サンドイ
    ッチ発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の金
    型の型開き動作を、副射出ユニットによるスキン層用溶
    融樹脂の射出後、もしくは主射出ユニットによるコア層
    用発泡溶融樹脂の射出動作に追従して、得られる成形品
    の厚さに相当する所定位置で型開き動作を停止する、サ
    ンドイッチ発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】加熱シリンダバレルと該加熱シリンダバレ
    ル内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられている
    スクリュとからなる主射出ユニットと、同様に加熱シリ
    ンダバレルと該加熱シリンダバレル内に回転方向と軸方
    向に駆動可能に設けられているスクリュとからなる副射
    出ユニットと、成形品を得るためのキャビテイが形成さ
    れている金型と、不活性ガス供給装置とからなり、 前記副射出ユニットには、前記不活性ガス供給装置で得
    られる超臨界状態の不活性ガスが供給され、それによっ
    てコア層用発泡溶融樹脂が製造された後、スキン層用溶
    融樹脂が製造され、前記副射出ユニットにより製造され
    るコア層用発泡溶融樹脂は、前記主射出ユニットから前
    記金型のキャビテイに射出されるようになっていること
    を特徴とする、サンドイッチ発泡体の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の金型には、そのキャ
    ビテイにカウンタープレッシャーをかけるカウンタープ
    レッシャー付加装置が設けられている、サンドイッチ発
    泡体の製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の主射出ユ
    ニットのスクリュの先端部には、複数本のピン状の突起
    物が設けられている、サンドイッチ発泡体の製造装置。
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