JP3521065B2 - 半導体用樹脂ペースト及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
半導体用樹脂ペースト及びそれを用いた半導体装置Info
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Description
素子を金属フレーム等に接着する樹脂ペーストに関する
ものである。
工程、いわゆるダイボンディング工程において、樹脂ぺ
一ストを用いる方法では半導体素子を金属フレームにマ
ウント後硬化する必要がある。従来はオーブンによるバ
ッチ方式での硬化が主流であった。ところが近年半導体
素子を金属フレームにマウントするダイボンダーの横に
硬化炉を接続させ、ダイボンディング、硬化、ワイヤー
ボンディングの工程を同一ライン上で一括して行え、生
産性の向上が図れるインライン方式が採用され、今後さ
らに増加する傾向にある。
来のオーブンに比べ非常に高価であリ、同一工場内でイ
ンライン方式とオーブンによるバッチ方式が混在する場
合が多い。このような場合インライン方式用、バッチ方
式用と硬化方式毎に半導体素子接着用樹脂ぺ一ストを使
い分けるのは在庫管理や作業者にとって非常に困難との
ことからどちらの方式でも硬化が可能な半導体素子接着
用樹脂ペーストを求められている。
べ硬化時間の制約があり、例えば硬化時間が従来のバッ
チ方式では150〜200℃で60〜120分であった
が、インライン方式では150〜200℃で15〜12
0秒でなければならない。これらの硬化条件の相違はエ
ポキシ樹脂を用いた半導体素子接着用樹脂ぺ一ストに用
いる硬化剤の反応性に起因する。主に短時間で硬化する
インライン硬化用の半導体素子接着用樹脂ぺ一ストの場
合、オーブン硬化時の接着強度等の性能がインライン硬
化時に比べ非常に劣る。逆にオーブン硬化用の半導体素
子接着用樹脂ペーストでは、インライン方式の制約され
る硬化時間内では硬化が終了しない。
併用は非常に困難な間題であった。更に、インライン硬
化の場合、温度が急激に上昇するため、樹脂ぺ一スト内
に気泡が発生し、半導体素子の傾きや接着強度の低下と
いった間題が発生した。又、硬化性を速くするための弊
害として、常温でも反応が進行し易く、可使時間(ポッ
トライフ)が短くなるといった間題もあった。
いて一般的なインライン硬化方式(ホットプレート硬
化)、バッチ方式(オーブン硬化)両方で硬化が可能
で、充分な接着力、低応力性を有し、ポットライフの長
い樹脂ペーストを提供するものである。
液状エポキシ樹脂からなる(A)エポキシ樹脂、(B)
フェノール硬化剤、(C)潜在性硬化剤、(D)一般式
(2)で示されるシラン化合物、(E)有機ボレート塩
及び(F)無機フィラーからなり、成分(A)100重
量部に対し、成分(B)が20〜60重量部、成分
(C)が0.5〜5重量部であり、かつ成分(A)
(B)(C)の合計100重量部に対し、成分(D)が
10〜60重量部、成分(E)が0.5〜10重量部で
ある半導体用樹脂ペーストである。
2:アルコキシ基、R3:アルキル基又はアルコキシ基)
シ樹脂とエポキシ基を有する反応性希釈剤の重量比が7
0:30〜99:1である(G)エポキシ樹脂、(B)
フェノール硬化剤、(C)潜在性硬化剤、(D)一般式
(2)で示されるシラン化合物、(E)有機ボレート塩
及び(F)無機フィラーからなり、成分(G)100重
量部に対し、成分(B)が20〜60重量部、成分
(C)が0.5〜5重量部であり、かつ成分(G)
(B)(C)の合計100重量部に対し、成分(D)が
10〜60重量部、成分(E)が0.5〜10重量部で
ある半導体用樹脂ペーストである。更に好ましい形態と
しては、上記エポキシ樹脂の一般式(1)で示される液
状エポキシ樹脂とエポキシ基を有する反応性希釈剤の重
量比が80:20〜95:5である半導体用樹脂ペース
トである。また、上記の半導体用樹脂ペーストを用いて
製作された半導体装置である。
る液状エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂(A)、又は
一般式(1)で示される液状エポキシ樹脂とエポキシ基
を有する反応性希釈剤の重量比が70:30〜99:1
であるエポキシ樹脂(G)を用いることができる。半導
体用樹脂ペーストの粘度が高すぎる場合には、エポキシ
基を有する反応性希釈剤を使用したエポキシ樹脂(G)
を用いることによって半導体用樹脂ペーストの粘度を低
くすることが出来る。一般式(1)で示される液状エポ
キシ樹脂は分子量により各種のものがあるが、分子量が
小さく常温で液状のものが、配合するときの作業性及び
配合後の粘度の点から好ましい。
と混合するエポキシ基を有する反応性希釈剤には、例え
ば、n−ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸
グリシジルエステル、スチレンオサイド、エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、
クレジルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジ
ルエーテル等があり、これらの内の1種類あるいは複数
種と併用可能である。式(1)で示される液状エポキシ
樹脂とエポキシ基を有する反応性希釈剤を混合する場合
の重量比は70:30〜99:1であり、好ましくは8
0:20〜95:5である。エポキシ基を有する反応性
希釈剤の割合が30を越えると接着性の点から好ましく
なく、1未満ではエポキシ基を有する反応性希釈剤を使
用しない場合と効果は変わらない。
い。上記エポキシ樹脂と混合する場合の他のエポキシ樹
脂としては,例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、フェノールノボラック、クレゾールノボラック類と
エピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシ
ジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪
族エポキシ、ジグリシジルヒダントイン等の複素環式エ
ポキシ、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロ
ペンタジエンジオキサイド、アリサイクリックジエポキ
シーアジペイトのような脂環式エポキシがあり、これら
の内の1種類あるいは複数種と併用可能である。
エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる。本発明に用い
るフェノール硬化剤はエポキシ基と反応して架橋にあず
かる活性水素基を分子当り2個以上有することが望まし
い。このようなフェノール化合物の例としては、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テ
トラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノ
ールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、o-
ヒドロキシフェノール、m-ヒドロキシフェノール、p-ヒ
ドロキシフェノール、ビフェノール、テトラメチルビフ
ェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデ
ンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフ
ェノール、またフェノール、クレゾール、キシレノール
等の1価フェノール類とホルムアルデヒドとを稀薄水溶
液中強酸性下で反応させることによって得られるフェノ
ールノボラック樹脂、1価フェノール類とアクロレイ
ン、グリオキザール等の多官能アルデヒド類との酸性下
の初期縮合物や、レゾルシン、カテコール、ハイドロキ
ノン等の多価フェノール類とホルムアルデヒドとの酸性
下の初期縮合物などであり、これらは単独でも混合して
用いてもよい。
シ樹脂(A)又はエポキシ樹脂(G)に対し20〜60重量
%使用するのが接着性及び低応力性の点から好ましい。
フェノール硬化剤の配合量が20重量%未満では接着強度
が低下し、60重量%を越えると反り量が大きくなるとい
う問題が生じる。
キシ樹脂の硬化剤として用いられ、例えばアジピン酸ジ
ヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジ
ヒドラジド、P-オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボ
ン酸ジヒドラジドやジシアンジアミド等である。潜在性
硬化剤を用いるとフェノール硬化剤単独で硬化した場合
に比べ著しく熱時接着強度が高くなる。又潜在性硬化剤
はフェノール硬化剤よりも当量が小さいため、併用する
ことにより粘度がそれ程高くなく、又潜在性であるため
保存性にも優れたペーストを得ることができる。潜在性
硬化剤(C)の配合量はエポキシ樹脂(A)又はエポキ
シ樹脂(G)に対し、0.5〜5重量%使用するのが好まし
い。0.5重量%未満では熱時接着強度が弱く、5重量%を
越えると低応力性が低下する。
一般式(2)で示されるもので、希釈剤としての作用及
び接着性を付与するために用いられる。
有する脂肪族又は芳香族官能基であるが、これはペース
トの樹脂成分にエポキシ樹脂を使用しているために、エ
ポキシ基以外の例えばビニル基、アミノ基、メルカプト
基等であると相溶性や保存性に悪影響を与えるが、エポ
キシ基であれば、これらに悪影響を与えない。R2はア
ルコキシ基であることによりペースト硬化後に充分な接
着力が得られ、アルコキシ基以外では充分な接着力が得
られない。R3はアルキル基又はアルコキシ基であれば
よく、アルコキシ基であればより強い接着力が得られ
る。このようなシラン化合物としては、例えばγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、8-(3,4-エポキシ
シク口へキシル)エチルメトキシシラン等がある。シラ
ン化合物(D)の配合量は、エポキシ樹脂(A)又はエ
ポキシ樹脂(G)、フェノール硬化剤(B)、潜在性硬
化剤(C)の総量に対し10〜60重量%とするのが好まし
い。10重量%未満では充分な接着強度が得られず、60重
量%を越えると低応力性が低下する。
化促進剤として用いられ、イミダゾール類、第3級アミ
ン類、ホスホニウム類とテトラフェニルボレートとの塩
として得られるものである。テトラフェニルボレートと
の塩にしないものを硬化促進剤に用いると保存性が極め
て悪く実用性がない。有機ボレート塩を用いた場合は硬
化性を損なわずに保存性にも極めて優れた樹脂ペースト
が得られる。有機ボレート塩としては、例えば1,8-ジア
ザビシク口(5,4,0)ウンデセン-7・テトラフエニルボレ
ート塩、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート塩等が挙げられる。有機ボレート塩(E)の配
合量はエポキシ樹脂(A)又はエポキシ樹脂(G)、フ
ェノール硬化剤(B)、潜在性硬化剤(C)の総量に対
し、0.5〜10重量%使用するのが好ましい。0.5重量%未満
では充分な硬化性が得られず、10重量%を越えると保存
性が低下する。
は銀粉、シリカフィラー等がある。銀粉は導電性を付与
するために用いられ、ハロゲンイオン、アルカリ金属イ
オン等のイオン性不純物の含有量は10ppm以下であるこ
とが好ましい。又銀粉の形状としてはフレーク状、樹脂
状や球状等が用いられる。必要とするペーストの粘度に
より、使用する銀粉の粒径は異なるが、通常平均粒径は
2〜10μm、最大粒径は50μm程度のものが好ましい。
又比較的粗い銀粉と細かい銀粉とを混合して用いること
もでき、形状についても各種のものを適宜混合してもよ
い。
1〜20μmで最大粒径50μm以下のものである。平均粒径
が1μm未満だと粘度が高くなり、20μmを越えると塗
布又は硬化時に樹脂分が流出するのでブリードが発生す
るため好ましくない。最大粒径が50μmを越えるとディ
スペンサーでペーストを塗布するときに、ニードルの出
口を塞ぎ長時間の連続使用ができない。又比較的粗いシ
リカフィラーと細かいシリカフィラーとを混合して用い
ることもでき、形状についても各種のものを適宜混合し
てもよい。
発明以外の無機フィラーを使用してもよい。
より用途に応じた特性を損なわない範囲内で、顔料、染
料、消泡剤、界面活性剤、溶剤等の添加剤を用いること
ができる。本発明の製造法としては、例えば各成分を予
備混合して三本ロール等を用いて、ペーストを得て、真
空下脱泡すること等がある。
作された半導体装置は、速硬化が可能で、熱時接着強度
の低下がなく、大型チップと銅フレーム等の組み合わせ
でも反りがないため、信頼性の高い半導体装置を得るこ
とが出来る。半導体用樹脂ペーストを用いて半導体装置
を製作する方法は公知の方法を用いることが出来る。
の配合割合は重量部とする。
に示した組成の各成分と無機フィラーを配合し、三本ロ
ールで混練して樹脂ペーストを得た。この樹脂ペースト
を真空チャンバーにて2mmHgで30分間脱泡した後、以下
の方法により各種の性能を評価した。評価結果を表1に
示す。
rpmでの値を測定し粘度とした。 弾性率:テフロン(登録商標)シート上にペーストを幅
10mm長さ約150mm厚さ100μmに塗布し、2
00℃オーブン中60分間硬化した後、引っ張り試験機
で試験長100mm、引っ張り速度1mm/分にて測定
し得られた応力−ひずみ曲線の初期勾配より弾性率を算
出した。 接着強度:2×2mmのシリコンチップをペーストを用
いて銅フレームにマウントし、200℃中60秒間ホッ
トプレート上(HP硬化)又はオーブンを使用し200
℃60分(OV硬化)で硬化した。硬化後マウント強度
測定装置でを用い25℃,250℃での熱時ダイシェア
強度を測定した。 反り量:6×15×0.3mmシリコンチップを銅フレ
ーム(200μm厚さ)¨に樹脂ペーストでマウント
し、200℃中60秒間ホットプレート上(HP硬化)
又はオーブンを使用し200℃60分(OV硬化)で硬
化した後、チップの反りを表面粗さ計(測定長13m
m)で測定した。 ポットライフ:25℃の恒温槽内に樹脂ペーストを放置
した時の粘度が初期粘度の1.2倍以上増粘するまでの
日数を測定した。
(低弾性率、低反り量)及びポットライフに優れたペー
ストが得られるが、比較例1はビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を使用したため低応力性が悪く、反り量が大き
くなりチップクラックが発生した。比較例2はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂を使用したため低応力性が悪
く、反り量が大きくなりチップクラックが発生した。比
較例3は反応性希釈剤の配合量が多く、接着強度が著し
く低下した。比較例4はフェノール硬化剤の配合量が少
なく、接着強度が著しく低下した。比較例5はフェノー
ル硬化剤の配合量が多く、反り量が大きくなりチップク
ラックが発生した。比較例6は潜在性硬化剤の配合量が
少なく、接着強度が著しく低下した。比較例7は潜在性
硬化剤の配合量が多く、反り量が大きくなりチップクラ
ックが発生した。比較例8はシラン化合物の配合量が少
なく、接着強度が著しく低下した。比較例9はシラン化
合物の配合量が多く、反り量が大きくなりチップクラッ
クが発生した。比較例10は有機ボレート塩の配合量が
少なく、接着強度が著しく低下した。比較例11は有機
ボレート塩の配合量が多く、ポットライフが著しく短く
なった。
ライン硬化方式(ホットプレート硬化)、バッチ方式
(オーブン硬化)両方で硬化が可能で、充分な接着力、
低応力性を有し、ポットライフの長い半導体樹脂ペース
トを提供することが出来る。また、本発明の半導体樹脂
ペーストを用いて製作した半導体装置は従来の特性を維
持しながら生産性の高い半導体装置である。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1)で示される液状エポキシ樹
脂からなる(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール硬化
剤、(C)潜在性硬化剤、(D)一般式(2)で示され
るシラン化合物、(E)有機ボレート塩及び(F)無機
フィラーからなり、成分(A)100重量部に対し、成
分(B)が20〜60重量部、成分(C)が0.5〜5
重量部であり、かつ成分(A)(B)(C)の合計10
0重量部に対し、成分(D)が10〜60重量部、成分
(E)が0.5〜10重量部であることを特徴とする半
導体用樹脂ペースト。 【化1】 【化2】 (R1:エポキシ基を有する脂肪族又は芳香族官能基、R
2:アルコキシ基、R3:アルキル基又はアルコキシ基) - 【請求項2】 一般式(1)で示される液状エポキシ樹
脂とエポキシ基を有する反応性希釈剤の重量比が70:
30〜99:1である(G)エポキシ樹脂、(B)フェ
ノール硬化剤、(C)潜在性硬化剤、(D)一般式
(2)で示されるシラン化合物、(E)有機ボレート塩
及び(F)無機フィラーからなり、成分(G)100重
量部に対し、成分(B)が20〜60重量部、成分
(C)が0.5〜5重量部であり、かつ成分(G)
(B)(C)の合計100重量部に対し、成分(D)が
10〜60重量部、成分(E)が0.5〜10重量部で
あることを特徴とする半導体用樹脂ペースト。 【化1】 【化2】 (R1:エポキシ基を有する脂肪族又は芳香族官能基、R
2:アルコキシ基、R3:アルキル基又はアルコキシ基) - 【請求項3】 該エポキシ樹脂の一般式(1)で示され
る液状エポキシ樹脂とエポキシ基を有する反応性希釈剤
の重量比が80:20〜95:5である請求項2記載の
半導体用樹脂ペースト。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の半導体用樹
脂ペーストを用いて製作された半導体装置。
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1999
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