JP3520640B2 - 溶融金属中の非金属介在物除去方法 - Google Patents
溶融金属中の非金属介在物除去方法Info
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Description
る非金属介在物の効果的な除去方法に関するものであ
る。この発明は、溶融金属中に存在する非金属介在物の
除去技術として、溶融金属の種類の如何を問わずいずれ
にも適用可能な技術であるが、以下、その代表例とし
て、溶鋼中に存在する非金属介在物を除去する場合につ
いて述べる。
う)は、最終製品での欠陥発生原因となるため、鋼中か
ら極力分離・除去する必要がある。そのため、製造工程
中、とくにタンディッシュにおいてその分離・除去を促
進し、鋼品質の向上が図られている。かようなタンディ
ッシュにおける介在物の分離・除去方法として、例えば
特開昭53-89828号公報や特開昭63−157745号公報、特開
昭61−111748号公報、特開昭61−111749号公報では、鋼
中へのガス吹込みによって溶鋼に上昇流を付与し、また
気泡と介在物の合体によって介在物の浮上速度を増加さ
せることにより、介在物の分離を促進する方法が提案さ
れている。
の方法について詳述すると、この方法は、連鋳用タンデ
ィッシュの湯当たり部の周囲に、該中心から下記の条件
を満足するl又はl′を半径とする円形又は類似形の不
活性ガス供給物体を設置し、 2.0×D≦l又はl′≦0.85×L ただし D :取鍋ノズルの孔径 L :取鍋からの落下点とタンディッシュノズルとの間
の距離 l :不活性ガス供給物体の半径 l′:不活性ガス供給物体と溶鋼落下点との間の最短距
離 この不活性ガス供給物体から吹き込まれるガスバブルの
カ−テンに溶鋼流を通過させることによって、介在物を
低減するものである。
込み条件如何で介在物の除去効率に大きな差が生じた。
すなわち、効率良く介在物を除去するには、一定のガス
の吹込み条件では駄目で、溶鋼流れや溶鋼中に含まれる
介在物の粒径分布に応じて、適切な吹込み角度、位置、
領域および吹込み量等を決定する必要があった。しか
し、このような制御は極めて難しいため、常に安定して
高能率の下で介在物を除去することはできなかったので
ある。なお、除去効率の悪い吹込み条件で、充分な介在
物の除去を行おうとすると、多量のガスを吹き込まなけ
ればならず、溶鋼湯面の乱れが助長されるだけでなく、
溶鋼の空気酸化や浴面上に存在するスラグやタンディッ
シュフラックスの巻き込みが増大するため、却って鋼中
介在物の増加が余儀なくされる。
の空気酸化、浴面上に存在するスラグやタンディッシュ
フラックスの巻き込みを防止するためのガス吹込み方法
として、注湯ノズル直下の中間保持容器の底部から上方
に向けてガスを吹込む方法が考えられるが、この方法で
は、注入による溶融金属下降流によってガス吹込み口の
耐火物(ポーラスプラグ)が溶損してしまい、長時間に
わたって安定した使用が望めないという問題がある。
題を有利に解決するもので、(1) ガスの吹込み条件や溶
鋼流れ、溶鋼中に含まれる介在物の粒径分布等によって
介在物の除去効率に大きな差異が生ぜず、(2) 溶鋼湯面
を乱さず、従って溶鋼の空気酸化および浴面上に存在す
るスラグやタンディッシュフラックスの巻き込みがな
く、(3) ガス吹込口の溶損が問題にならない、ような介
在物の分離除去方法を提案することを目的とする。
融金属の注入・注出機能をもつ中間保持容器において、
溶融金属の注入を該中間保持容器の上部から注湯ノズル
を介して行うと共に、該注湯ノズル直下の中間保持容器
の底部を中心とした円周上にガス吹込み口を配置し、該
吹込み口から円の中心方向にガスを吹込むことを特徴と
する溶融金属中の非金属介在物除去方法(第1発明)で
ある。
能をもつ中間保持容器において、溶融金属の注入を該中
間保持容器の上部から注湯ノズルを介して行うと共に、
該注湯ノズル直下の中間保持容器の底部を中心とした円
周上にガス吹込み口を配置し、該吹込み口から円の中心
方向に上向き45°以下の吹込み角度でガスを吹込むこと
を特徴とする溶融金属中の非金属介在物除去方法(第2
発明)である。
機能をもつ中間保持容器において、溶融金属の注入を該
中間保持容器の上部から注湯ノズルを介して行うと共
に、該注湯ノズル直下の中間保持容器の底部を中心とし
た円周上に堰を設置し、該堰の内側にガス吹込み口を配
置し、該吹込み口から円の中心方向にガスを吹込むこと
を特徴とする溶融金属の非金属介在物除去方法(第3発
明)である。
ッシュへ注入される溶鋼の流れとガス吹込みによる溶鋼
の流れを対向・衝突させることによって、溶鋼中におけ
る気泡の滞在時間を増加させると同時に、溶鋼の偏流を
低減し、少ないガス吹込み流量で介在物との衝突確率を
増加させることによって、介在物の除去効率を向上さ
せ、さらにはガス吹込み口を注湯ノズルの直下位置から
偏在させることによって、ガス吹込み口の溶損を格段に
低減させることができる。
示すように、注湯ノズル直下の中間保持容器の底部を中
心とした円周上に取付け、円の中心方向すなわち注湯ノ
ズル直下方向にガスを吹込むことによって溶鋼流を作
り、この溶鋼流と注湯による溶鋼流とを衝突させるよう
にする。図1において、番号1は取鍋、2は注湯ノズ
ル、3はタンディッシュ、4はポーラスプラグ、5は注
出口、6は気泡(ガス)である。
と注湯による溶鋼流とを衝突させる方法としては、注湯
ノズル直下のタンディッシュ底部から真上方向にガスを
吹込む方法が考えられるが、この方法では注湯による溶
鋼流が直接ポーラスプラグに当たってしまい、ポーラス
プラグが溶損してしまうという問題がある。そこで、こ
の発明では、注湯ノズル直下から幾分離れた位置にポー
ラスプラグを設けることにより、ポーラスプラグの溶損
なしに、注湯流とガス吹込みによる溶鋼流とを効果的に
衝突させようとするものである。ここに、注湯ノズルか
らの下向き溶鋼流は、タンディッシュの底に達するまで
に、ノズル径の約2倍に拡がる。従って、ガス吹込み口
を配置すべき円周の大きさは少なくともノズル径の2倍
とすることが好ましい。とはいえ、この円周があまりに
大きくなると、気泡が下向き溶鋼流と効果的に衝突しな
くなるので、ノズル径の8倍以下(好ましくは5倍以
下)とすることが望ましい。
とガス吹込みによる溶鋼流とを衝突させるために、図2
に示すように、ポーラスプラグによるガスの吹込み方向
を上向きにしたのである。すなわち、注湯流は噴流によ
る流れの広がりがあるため、上向きに角度を付けてガス
吹込みを行った方がより効果的に注湯流にガ吹込みによ
る溶鋼流を含み込ませることができることが判明した。
そこで、次に、ポーラスプラグの上向きの角度の適正値
について水モデル実験を行ったところ、ガス吹込み量が
20Nl/minの場合、角度が45°を超えたときに水面の波立
ちが起こり、不適切であることが判った。従って、第2
発明では、吹込み角度:45°以下で、ポーラスプラグか
らガスを吹込むことにしたのである。
に、円筒状の堰7をタンディッシュ炉底に設置し、該堰
7の内側からガス6を吹込むようにしたので、堰そのも
のとガス吹きとの相乗効果でより効果的に溶鋼の短絡流
を抑えることができ、かくしてより一層非金属介在物を
低減できるのである。なお、ガス吹込み口の配置位置
は、注湯による溶鋼下降流とガス吹込みによる溶鋼上昇
流とを効果的に衝突させることができるのであれば、必
ずしも円周上とする必要はなく、例えば三角形、四角形
または多角形の各辺に相当する位置などであってもよ
い。
の条件下に実験を行った。100ton 取鍋から溶鋼供給
量:1.8 ton/min で、低炭アルミキルド鋼を10ton タン
ディッシュに注入した。ガス吹込み用ポーラスプラグの
直径は 1800 mmであり、ガス吹込み流量は 20 Nl/minと
した。吹込みガスとしてはArガスを用いた。 鋳造後、
鋳片の介在物量をスライム抽出量で評価した。図4に、
図1に従い水平にガスを吹込んだ場合(第1発明例)、
図2に従い吹込み角度:上向き40°でガスを吹込んだ場
合(第2発明例)および図3に従い堰の内側からガスを
吹込んだ場合(第3発明例)における介在物指数を示
す。なお、図4には、比較のため、ガス吹込みを一切行
わない場合(比較例)と注湯ノズル直下からArガスを 2
0 Nl/min吹込んだ場合(参考例)の調査結果も併せて示
す。
の底からガスを吹込むことによって溶鋼中の非金属介在
物を大幅に低減することができる。しかも、この発明に
従い、ガスの吹込みプラグを円周上に配置した場合に
は、ガス吹込みプラグをノズル直下に配置した場合(参
考例)と比較して、一層の介在物量低減効果があり、特
に第2発明例さらには第3発明例になると、この介在物
低減効果はより一層向上した。
および第3発明例におけるポ−ラスプラグ溶損量指数を
示す。同図より明らかなように、いずれの発明例におい
ても、注湯ノズル直下からガスを吹込んだ場合(参考
例)よりも、ポーラスプラグの溶損量を大幅に低減する
ことができた。
溶鋼下降流と中間容器底部からのガス吹込みによる溶鋼
上昇流とを衝突させることによって、短絡流やスラグ巻
き込み等の発生なしに、溶融金属中の非金属介在物量を
大幅に低減することができ、またガス吹込み部のポーラ
スプラグの溶損も格段に軽減されるので、設備コストの
低減、さらには設備の補修、メンテナンス軽減による生
産性の向上という効果も得られる。
の模式図である。
の模式図である。
の模式図である。
て示したグラフである。
数を比較して示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融金属の注入・注出機能をもつ中間保
持容器において、溶融金属の注入を該中間保持容器の上
部から注湯ノズルを介して行うと共に、該注湯ノズル直
下の中間保持容器の底部を中心とした円周上にガス吹込
み口を配置し、該吹込み口から円の中心方向にガスを吹
込むことを特徴とする溶融金属中の非金属介在物除去方
法。 - 【請求項2】 溶融金属の注入・注出機能をもつ中間保
持容器において、溶融金属の注入を該中間保持容器の上
部から注湯ノズルを介して行うと共に、該注湯ノズル直
下の中間保持容器の底部を中心とした円周上にガス吹込
み口を配置し、該吹込み口から円の中心方向に上向き45
°以下の吹込み角度でガスを吹込むことを特徴とする溶
融金属中の非金属介在物除去方法。 - 【請求項3】 溶融金属の注入・注出機能をもつ中間保
持容器において、溶融金属の注入を該中間保持容器の上
部から注湯ノズルを介して行うと共に、該注湯ノズル直
下の中間保持容器の底部を中心とした円周上に堰を設置
し、該堰の内側にガス吹込み口を配置し、該吹込み口か
ら円の中心方向にガスを吹込むことを特徴とする溶融金
属の非金属介在物除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32701495A JP3520640B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 溶融金属中の非金属介在物除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32701495A JP3520640B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 溶融金属中の非金属介在物除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09164455A JPH09164455A (ja) | 1997-06-24 |
JP3520640B2 true JP3520640B2 (ja) | 2004-04-19 |
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ID=18194356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32701495A Expired - Fee Related JP3520640B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 溶融金属中の非金属介在物除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3520640B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5510047B2 (ja) * | 2010-05-13 | 2014-06-04 | 新日鐵住金株式会社 | 連続鋳造方法および連続鋳造装置 |
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-
1995
- 1995-12-15 JP JP32701495A patent/JP3520640B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09164455A (ja) | 1997-06-24 |
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