JP3520321B2 - 脂肪族含酸素化合物の製造方法 - Google Patents
脂肪族含酸素化合物の製造方法Info
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- JP3520321B2 JP3520321B2 JP2000051207A JP2000051207A JP3520321B2 JP 3520321 B2 JP3520321 B2 JP 3520321B2 JP 2000051207 A JP2000051207 A JP 2000051207A JP 2000051207 A JP2000051207 A JP 2000051207A JP 3520321 B2 JP3520321 B2 JP 3520321B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/49—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
-
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族炭化水素化
合物と一酸化炭素とを直接反応させ、アルデヒドやアル
コールなどの有用な含酸素脂肪族化合物を効率よく製造
する方法に関するものである。
合物と一酸化炭素とを直接反応させ、アルデヒドやアル
コールなどの有用な含酸素脂肪族化合物を効率よく製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脂肪族炭化水素類をカルボニル化反応を
経由して、アルデヒド、アルコール、ケトンなどの含酸
素脂肪族化合物へ変換させることは、原理的に可能であ
ることが知られている。しかしながら、脂肪族炭化水素
類は、一般に炭素−水素結合エネルギーが大きいため
に、その炭素−水素結合をカルボニル化反応を生起させ
るに十分な程度まで活性化させることは極めて困難であ
る。したがって、脂肪族炭化水素類を、アルデヒド、ア
ルコール、ケトンなどの有用な含酸素脂肪族化合物に変
換させるには、一般に、まずハロゲン化、酸化、脱水素
などによって活性化された化合物に変換したのち、所望
の構造の活性化化合物を分離し、次いで、この分離され
た活性化化合物を原料とし、これに一酸化炭素を、水素
源や求核試薬の存在下で反応させる間接的な方法によら
なければならないが、このような間接的な方法は、直接
的にカルボニル化する方法に比べて、工程数が多くな
り、省資源、省エネルギーの面から好ましくないことは
当然である。そのほか、強酸を用いるカルボニル化法が
知られているが、安全性、装置の腐食などに実用上問題
がある。
経由して、アルデヒド、アルコール、ケトンなどの含酸
素脂肪族化合物へ変換させることは、原理的に可能であ
ることが知られている。しかしながら、脂肪族炭化水素
類は、一般に炭素−水素結合エネルギーが大きいため
に、その炭素−水素結合をカルボニル化反応を生起させ
るに十分な程度まで活性化させることは極めて困難であ
る。したがって、脂肪族炭化水素類を、アルデヒド、ア
ルコール、ケトンなどの有用な含酸素脂肪族化合物に変
換させるには、一般に、まずハロゲン化、酸化、脱水素
などによって活性化された化合物に変換したのち、所望
の構造の活性化化合物を分離し、次いで、この分離され
た活性化化合物を原料とし、これに一酸化炭素を、水素
源や求核試薬の存在下で反応させる間接的な方法によら
なければならないが、このような間接的な方法は、直接
的にカルボニル化する方法に比べて、工程数が多くな
り、省資源、省エネルギーの面から好ましくないことは
当然である。そのほか、強酸を用いるカルボニル化法が
知られているが、安全性、装置の腐食などに実用上問題
がある。
【0003】一方、近年、錯体触媒の研究に伴い、錯体
触媒に活性化手段を組み合わせた方法が注目され、この
方法を反応面に利用する研究が積極的になされている。
特に、光による活性化手段を取り入れたいわゆる光触媒
反応についての研究が活発化しつつある。実際、遷移金
属錯体触媒と光照射とを組み合わせた炭素−水素結合の
新しい活性化方法に基づき、炭化水素と一酸化炭素とを
室温付近の温和な条件で反応させ、種々の有用化合物を
得る方法が提案又は報告されている[日本特許第179
1827号、第1875550号、第1822594
号、第1986757号、米国特許第4,900,41
3号明細書、同第5,104,504号明細書、英国特
許第2,195,117号明細書、仏国特許第2,60
3,885号明細書、「アメリカ化学会誌」,第112
巻,第7221ページ(1990年)など]。
触媒に活性化手段を組み合わせた方法が注目され、この
方法を反応面に利用する研究が積極的になされている。
特に、光による活性化手段を取り入れたいわゆる光触媒
反応についての研究が活発化しつつある。実際、遷移金
属錯体触媒と光照射とを組み合わせた炭素−水素結合の
新しい活性化方法に基づき、炭化水素と一酸化炭素とを
室温付近の温和な条件で反応させ、種々の有用化合物を
得る方法が提案又は報告されている[日本特許第179
1827号、第1875550号、第1822594
号、第1986757号、米国特許第4,900,41
3号明細書、同第5,104,504号明細書、英国特
許第2,195,117号明細書、仏国特許第2,60
3,885号明細書、「アメリカ化学会誌」,第112
巻,第7221ページ(1990年)など]。
【0004】しかしながら、この光触媒反応系における
炭化水素の変換方法においては、通常、原料である炭化
水素類自体が溶媒としての役割を兼ねるような液相反応
の形態で実施されるため、大量の基質を必要とする上、
ガス状の炭化水素や高融点の炭化水素類には適用しにく
いという欠点がある。したがって、このような場合に
は、適当な溶媒を使用することが望まれるが、通常考え
られる溶媒は、錯体触媒の存在下での光照射反応によっ
て、それ自体が原料の炭化水素類と同様に種々の変換反
応を受け、多くの副生物を生成し、目的とする炭化水素
類の変換反応が阻害されるのを免れない。
炭化水素の変換方法においては、通常、原料である炭化
水素類自体が溶媒としての役割を兼ねるような液相反応
の形態で実施されるため、大量の基質を必要とする上、
ガス状の炭化水素や高融点の炭化水素類には適用しにく
いという欠点がある。したがって、このような場合に
は、適当な溶媒を使用することが望まれるが、通常考え
られる溶媒は、錯体触媒の存在下での光照射反応によっ
て、それ自体が原料の炭化水素類と同様に種々の変換反
応を受け、多くの副生物を生成し、目的とする炭化水素
類の変換反応が阻害されるのを免れない。
【0005】そして、このような錯体触媒による炭化水
素類の活性化反応用の溶媒としては、これまで、パーフ
ルオロアルカン[「アメリカ化学会誌」,第105巻,
第7190ページ(1983年)]、液化キセノン
[「アメリカ化学会誌」,第111巻,第6841ペー
ジ(1989年)]、複数のtert‐ブチル基を有す
る炭化水素[「日本化学会速報誌」,第1990巻,第
585ページ]、トリフルオロ酢酸[「有機合成化学協
会誌」,第52巻,第809ページ(1994年)]、
水[「アメリカ化学会誌」,第118巻,第4574ペ
ージ(1996年)]などが知られている。
素類の活性化反応用の溶媒としては、これまで、パーフ
ルオロアルカン[「アメリカ化学会誌」,第105巻,
第7190ページ(1983年)]、液化キセノン
[「アメリカ化学会誌」,第111巻,第6841ペー
ジ(1989年)]、複数のtert‐ブチル基を有す
る炭化水素[「日本化学会速報誌」,第1990巻,第
585ページ]、トリフルオロ酢酸[「有機合成化学協
会誌」,第52巻,第809ページ(1994年)]、
水[「アメリカ化学会誌」,第118巻,第4574ペ
ージ(1996年)]などが知られている。
【0006】しかしながら、これらの溶媒は、高価であ
ったり、取り扱いが煩雑であったり、金属錯体や原料の
炭化水素類の溶解度が不十分であるなどの問題を有し、
工業的に十分に満足しうるものではなかった。したがっ
て、反応の効率を高め、広範囲の原料の適用が可能で、
かつ工業的に有利な方法の開発が望まれていた。
ったり、取り扱いが煩雑であったり、金属錯体や原料の
炭化水素類の溶解度が不十分であるなどの問題を有し、
工業的に十分に満足しうるものではなかった。したがっ
て、反応の効率を高め、広範囲の原料の適用が可能で、
かつ工業的に有利な方法の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、脂肪族炭化
水素を直接カルボニル化することにより、アルデヒド化
合物やアルコール化合物などの有用な含酸素脂肪族化合
物を効率よく、かつ工業的に有利に製造する方法を提供
することを目的とする。
水素を直接カルボニル化することにより、アルデヒド化
合物やアルコール化合物などの有用な含酸素脂肪族化合
物を効率よく、かつ工業的に有利に製造する方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、脂肪族炭
化水素化合物の一酸化炭素による直接カルボニル化につ
いて鋭意研究を重ねた結果、溶媒として、超臨界二酸化
炭素又は液化二酸化炭素を用いることにより、このもの
は錯体触媒と均一相を形成するとともに、原料の脂肪族
炭化水素化合物及び一酸化炭素を高濃度で溶解し、前記
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
化水素化合物の一酸化炭素による直接カルボニル化につ
いて鋭意研究を重ねた結果、溶媒として、超臨界二酸化
炭素又は液化二酸化炭素を用いることにより、このもの
は錯体触媒と均一相を形成するとともに、原料の脂肪族
炭化水素化合物及び一酸化炭素を高濃度で溶解し、前記
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、(1)脂肪族炭化水素
化合物と一酸化炭素とを反応させて含酸素脂肪族化合物
を製造するに当り、溶媒として超臨界二酸化炭素又は液
化二酸化炭素を用い、配位子の少なくとも1個がホスフ
ィン化合物である遷移金属錯体の存在下で光照射するこ
とを特徴とする含酸素脂肪族化合物の製造方法、(2)
遷移金属錯体がロジウム、イリジウム、ルテニウム、
鉄、ニッケル又はコバルトの錯体であることを特徴とす
る(1)項記載の方法、(3)遷移金属錯体がロジウ
ム、イリジウム又はルテニウムの錯体であることを特徴
とする(1)項記載の方法、(4)遷移金属錯体がロジ
ウムの錯体であることを特徴とする(1)項記載の方
法、及び(5)含酸素脂肪族化合物が、脂肪族アルデヒ
ド化合物又は脂肪族アルコール化合物であることを特徴
とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法を提
供するものである。
化合物と一酸化炭素とを反応させて含酸素脂肪族化合物
を製造するに当り、溶媒として超臨界二酸化炭素又は液
化二酸化炭素を用い、配位子の少なくとも1個がホスフ
ィン化合物である遷移金属錯体の存在下で光照射するこ
とを特徴とする含酸素脂肪族化合物の製造方法、(2)
遷移金属錯体がロジウム、イリジウム、ルテニウム、
鉄、ニッケル又はコバルトの錯体であることを特徴とす
る(1)項記載の方法、(3)遷移金属錯体がロジウ
ム、イリジウム又はルテニウムの錯体であることを特徴
とする(1)項記載の方法、(4)遷移金属錯体がロジ
ウムの錯体であることを特徴とする(1)項記載の方
法、及び(5)含酸素脂肪族化合物が、脂肪族アルデヒ
ド化合物又は脂肪族アルコール化合物であることを特徴
とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法を提
供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法において、原料として
用いられる脂肪族炭化水素化合物としては、炭素数1〜
50のもの、特に1〜20のものが好ましい。この脂肪
族炭化水素化合物は、カルボニル化反応に不活性な基、
例えばアルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ビス
(ヒドロカルビル)アミノ基、ビス(ヒドロカルビル)
アミノカルボニル基、ハロゲン原子などで置換されてい
てもよい。
用いられる脂肪族炭化水素化合物としては、炭素数1〜
50のもの、特に1〜20のものが好ましい。この脂肪
族炭化水素化合物は、カルボニル化反応に不活性な基、
例えばアルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ビス
(ヒドロカルビル)アミノ基、ビス(ヒドロカルビル)
アミノカルボニル基、ハロゲン原子などで置換されてい
てもよい。
【0011】このような脂肪族炭化水素化合物の例とし
ては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキ
サン、デカン、エイコサンなどが挙げられる。
ては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロヘキ
サン、デカン、エイコサンなどが挙げられる。
【0012】本発明方法においては、触媒として、配位
子の少なくとも1個がホスフィン化合物である遷移金属
錯体が用いられる。この遷移金属錯体における遷移金属
成分としては、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、
鉄、ニッケル、コバルトなどが好ましく挙げられるが、
これらの中でロジウム、イリジウム及びルテニウム、特
にロジウムが好適である。
子の少なくとも1個がホスフィン化合物である遷移金属
錯体が用いられる。この遷移金属錯体における遷移金属
成分としては、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、
鉄、ニッケル、コバルトなどが好ましく挙げられるが、
これらの中でロジウム、イリジウム及びルテニウム、特
にロジウムが好適である。
【0013】この遷移金属錯体において、配位子として
用いられるホスフィン化合物としては、例えば、一般式
R1R2R3P (I) (式中のR1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、ア
リール基、アラルキル基又はシクロアルキル基であり、
それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていて
もよい)で表わされるモノホスフィン化合物や、 一般式 R4R5P-A-PR6R7 (II) (式中のR4、R5、R6及びR7は、それぞれアルキル
基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基で
あり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっ
ていてもよく、Aはアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基、アラルキレン基又はフェロセニレン
基である)で表わされるビスホスフィン化合物を挙げる
ことができる。
用いられるホスフィン化合物としては、例えば、一般式
R1R2R3P (I) (式中のR1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、ア
リール基、アラルキル基又はシクロアルキル基であり、
それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていて
もよい)で表わされるモノホスフィン化合物や、 一般式 R4R5P-A-PR6R7 (II) (式中のR4、R5、R6及びR7は、それぞれアルキル
基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基で
あり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっ
ていてもよく、Aはアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基、アラルキレン基又はフェロセニレン
基である)で表わされるビスホスフィン化合物を挙げる
ことができる。
【0014】前記一般式(I)及び(II)におけるR1
〜R7で示される各基の炭素数は特に制限はないが、通
常は20以下である。また、このR1〜R7は、アリール
基やアラルキル基の芳香族炭化水素基よりも、アルキル
基やシクロアルキル基の脂肪族炭化水素基の方が、触媒
性能の点から好ましい。
〜R7で示される各基の炭素数は特に制限はないが、通
常は20以下である。また、このR1〜R7は、アリール
基やアラルキル基の芳香族炭化水素基よりも、アルキル
基やシクロアルキル基の脂肪族炭化水素基の方が、触媒
性能の点から好ましい。
【0015】前記一般式(I)、(II)で表わされるホ
スフィン化合物の例としては、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオ
クチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ト
リベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフ
ェニルメチルホスフィン、トリ(p‐トリル)ホスフィ
ン、トリ(p‐アニシル)ホスフィン、1,2‐ビス
(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3‐ビス(ジメチ
ルホスフィノ)プロパン、1,4‐ビス(ジメチルホス
フィノ)ブタン、1,2‐ビス(ジブチルホスフィノ)
エタン、1,2‐ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)
エタン、α,α′‐ビス(ジメチルホスフィノ)‐o‐
キシレン、1,2‐ビス(ジメチルホスフィノ)シクロ
ヘキサン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、
1,1′‐ビス(ジメチルホスフィノ)フェロセン、
1,2‐ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンなどが挙
げられる。
スフィン化合物の例としては、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオ
クチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ト
リベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフ
ェニルメチルホスフィン、トリ(p‐トリル)ホスフィ
ン、トリ(p‐アニシル)ホスフィン、1,2‐ビス
(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3‐ビス(ジメチ
ルホスフィノ)プロパン、1,4‐ビス(ジメチルホス
フィノ)ブタン、1,2‐ビス(ジブチルホスフィノ)
エタン、1,2‐ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)
エタン、α,α′‐ビス(ジメチルホスフィノ)‐o‐
キシレン、1,2‐ビス(ジメチルホスフィノ)シクロ
ヘキサン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、
1,1′‐ビス(ジメチルホスフィノ)フェロセン、
1,2‐ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンなどが挙
げられる。
【0016】本発明方法において、触媒として用いられ
る遷移金属錯体は、配位子として前記ホスフィン化合物
を少なくとも1個有するものであればよく、特に制限は
ない。
る遷移金属錯体は、配位子として前記ホスフィン化合物
を少なくとも1個有するものであればよく、特に制限は
ない。
【0017】このような遷移金属錯体としては、例えば
RhX(R1R2R3P)3、RhX(CO)(R1R2R3
P)2、HRh(CO)(R1R2R3P)3、RhX(C
O)2(R1R2R3P)、[Rh(R1R2R3P)4]Y、
[Rh(R1R2R3P)2(CNR)2]Y、RhX(C
O)R4R5P-A-PR6R7)、IrX(R1R2R
3P) 3、IrX(CO)(R1R2R3P)2、IrH
5(R1R2R3P)2、IrH3(CO)(R1R2R
3P)2、IrX(CO)(R4R5P−A−PR6R7)、
Cp′RhH2(R1R2R3P)、Cp′IrH2(R1R
2R3P)、Co2(CO)6(R1R2R3P)2、CpCo
X2(R1R2R3P)、CoX2(R1R2R3P)2、Co
X(R1R2R3P)3、CoH(N2)(R1R2R
3P)3、CoH3(R1R2R3P)3、CpCo(R1R2
R3P)2、AcCo(CO)3(R1R2R3P)、Fe
(CO)3(R1R2R3P)2、Ru(CO)3(R1R2R
3P)2などが挙げられる。
RhX(R1R2R3P)3、RhX(CO)(R1R2R3
P)2、HRh(CO)(R1R2R3P)3、RhX(C
O)2(R1R2R3P)、[Rh(R1R2R3P)4]Y、
[Rh(R1R2R3P)2(CNR)2]Y、RhX(C
O)R4R5P-A-PR6R7)、IrX(R1R2R
3P) 3、IrX(CO)(R1R2R3P)2、IrH
5(R1R2R3P)2、IrH3(CO)(R1R2R
3P)2、IrX(CO)(R4R5P−A−PR6R7)、
Cp′RhH2(R1R2R3P)、Cp′IrH2(R1R
2R3P)、Co2(CO)6(R1R2R3P)2、CpCo
X2(R1R2R3P)、CoX2(R1R2R3P)2、Co
X(R1R2R3P)3、CoH(N2)(R1R2R
3P)3、CoH3(R1R2R3P)3、CpCo(R1R2
R3P)2、AcCo(CO)3(R1R2R3P)、Fe
(CO)3(R1R2R3P)2、Ru(CO)3(R1R2R
3P)2などが挙げられる。
【0018】なお、上記式において、Xは水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、カルボ
キシラト基又はチオシアナト基、YはPF6、B(C6H
5)4、BF4、ClO4又は上記X、CNはイソニトリル
基、Rはアルキル基又はアリール基、Cpはシクロペン
タジエニル基、Cp′はペンタメチルシクロペンタジエ
ニル基、Acはアセチル基を示し、R1〜R7及びAは前
記と同じ意味をもつ。
ロゲン原子、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、カルボ
キシラト基又はチオシアナト基、YはPF6、B(C6H
5)4、BF4、ClO4又は上記X、CNはイソニトリル
基、Rはアルキル基又はアリール基、Cpはシクロペン
タジエニル基、Cp′はペンタメチルシクロペンタジエ
ニル基、Acはアセチル基を示し、R1〜R7及びAは前
記と同じ意味をもつ。
【0019】本発明方法においては、これらの遷移金属
錯体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、該遷移金属錯体は、予め調製して
使用する必要はなく、前記ホスフィン化合物と適当な遷
移金属化合物とを反応系に共存させ、系中(in si
tu)において所望の遷移金属錯体を形成させてもよ
い。
錯体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、該遷移金属錯体は、予め調製して
使用する必要はなく、前記ホスフィン化合物と適当な遷
移金属化合物とを反応系に共存させ、系中(in si
tu)において所望の遷移金属錯体を形成させてもよ
い。
【0020】このような目的に用いられる遷移金属化合
物としては特に制限はないが、遷移金属がロジウムの場
合について例を示せば、RhX3、Rh(acac)
(CO)2、[RhX(CO)2]2、[RhX(D
E)]2、[RhX(EN)2]2、RhX(CO)(R1
R2R3P)2などが挙げられる。なお、上記式におい
て、acacはアセチルアセトナト基、DEはノルボル
ナジエン、1,5‐シクロオクタジエン又は1,5‐ヘ
キサジエン、ENはエチレン又はシクロオクテンを示
し、X及びR1〜R3は前記と同じ意味をもつ。
物としては特に制限はないが、遷移金属がロジウムの場
合について例を示せば、RhX3、Rh(acac)
(CO)2、[RhX(CO)2]2、[RhX(D
E)]2、[RhX(EN)2]2、RhX(CO)(R1
R2R3P)2などが挙げられる。なお、上記式におい
て、acacはアセチルアセトナト基、DEはノルボル
ナジエン、1,5‐シクロオクタジエン又は1,5‐ヘ
キサジエン、ENはエチレン又はシクロオクテンを示
し、X及びR1〜R3は前記と同じ意味をもつ。
【0021】本発明方法においては、溶媒として超臨界
二酸化炭素又は液化二酸化炭素を用い、前記遷移金属錯
体の存在下に、光を照射しながら、脂肪族炭化水素化合
物と一酸化炭素を反応させることにより、直接カルボニ
ル化することができる。この光照射に用いられる光は、
その波長領域が紫外ないし可視光領域であればよく、光
源としては、例えば水銀灯、キセノンランプ、太陽など
が好ましく挙げられる。照射する光としては、200〜
800nmの領域の光を一部又は全部含むものが好まし
い。例えば、フィルターやモノクロメーターなどを使用
して波長範囲を制御したり、さらには単色光として使用
することも可能である。
二酸化炭素又は液化二酸化炭素を用い、前記遷移金属錯
体の存在下に、光を照射しながら、脂肪族炭化水素化合
物と一酸化炭素を反応させることにより、直接カルボニ
ル化することができる。この光照射に用いられる光は、
その波長領域が紫外ないし可視光領域であればよく、光
源としては、例えば水銀灯、キセノンランプ、太陽など
が好ましく挙げられる。照射する光としては、200〜
800nmの領域の光を一部又は全部含むものが好まし
い。例えば、フィルターやモノクロメーターなどを使用
して波長範囲を制御したり、さらには単色光として使用
することも可能である。
【0022】本発明方法においては、遷移金属錯体の使
用量は特に制限はなく、任意に選ぶことができるが、原
料の脂肪族炭化水素化合物に対して、遷移金属換算で
0.001〜5モル%の範囲になるように選ぶのが有利
である。原料の脂肪族炭化水素化合物は、最初に反応系
に一括して全量仕込んでもよいし、反応系に逐次添加し
てもよい。本発明に用いられる一酸化炭素の使用量は、
脂肪族炭化水素化合物1モルに対して0.01〜10モ
ルが好ましく、0.1〜1モルがより好ましい。本発明
に用いられる二酸化炭素使用量は、溶媒として前記反応
成分を溶解することができる量であればよく、特に制限
するものではない。また、反応温度及び反応圧力は、二
酸化炭素の超臨界領域又は液化領域にあればよく、特に
制限はない。反応終了後の生成物の分離は、例えば蒸
留、再結晶、クロマトグラフィーなどの通常の分離操作
に付すことにより、容易に実施することができる。この
ようにして、脂肪族炭化水素化合物の直接カルボニル化
により、含酸素脂肪族化合物、主として脂肪族アルデヒ
ド化合物及び脂肪族アルコール化合物が効率よく得られ
る。本発明において、含酸素脂肪族化合物とは、原料の
脂肪族炭化水素化合物が、カルボニル化され、条件によ
ってはさらに還元等の反応を受けて得られる化合物であ
る。具体的には、例えば、アルデヒド、ケトン、アルコ
ールなどの化合物が得られる。
用量は特に制限はなく、任意に選ぶことができるが、原
料の脂肪族炭化水素化合物に対して、遷移金属換算で
0.001〜5モル%の範囲になるように選ぶのが有利
である。原料の脂肪族炭化水素化合物は、最初に反応系
に一括して全量仕込んでもよいし、反応系に逐次添加し
てもよい。本発明に用いられる一酸化炭素の使用量は、
脂肪族炭化水素化合物1モルに対して0.01〜10モ
ルが好ましく、0.1〜1モルがより好ましい。本発明
に用いられる二酸化炭素使用量は、溶媒として前記反応
成分を溶解することができる量であればよく、特に制限
するものではない。また、反応温度及び反応圧力は、二
酸化炭素の超臨界領域又は液化領域にあればよく、特に
制限はない。反応終了後の生成物の分離は、例えば蒸
留、再結晶、クロマトグラフィーなどの通常の分離操作
に付すことにより、容易に実施することができる。この
ようにして、脂肪族炭化水素化合物の直接カルボニル化
により、含酸素脂肪族化合物、主として脂肪族アルデヒ
ド化合物及び脂肪族アルコール化合物が効率よく得られ
る。本発明において、含酸素脂肪族化合物とは、原料の
脂肪族炭化水素化合物が、カルボニル化され、条件によ
ってはさらに還元等の反応を受けて得られる化合物であ
る。具体的には、例えば、アルデヒド、ケトン、アルコ
ールなどの化合物が得られる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、生成物は、ガスクロマトグラ
フィー(GC)の保持時間及びGC−MSのフラグメン
テーションパターンによって確認した。
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、生成物は、ガスクロマトグラ
フィー(GC)の保持時間及びGC−MSのフラグメン
テーションパターンによって確認した。
【0024】実施例1
内容積20mlの窓付きステンレス製オートクレーブ
(窓:サファイア製、直径20mm)に、クロロトリス
(トリメチルホスフィン)ロジウム5mgを仕込み、1
9℃で一酸化炭素3気圧(ゲージ圧)、メタン110気
圧(ゲージ圧)を導入した後、二酸化炭素をトータル圧
300気圧となるまで圧入した。この時点で二酸化炭素
は液化状態であり、薄黄色の溶液を形成した。
(窓:サファイア製、直径20mm)に、クロロトリス
(トリメチルホスフィン)ロジウム5mgを仕込み、1
9℃で一酸化炭素3気圧(ゲージ圧)、メタン110気
圧(ゲージ圧)を導入した後、二酸化炭素をトータル圧
300気圧となるまで圧入した。この時点で二酸化炭素
は液化状態であり、薄黄色の溶液を形成した。
【0025】次いで、この溶液に、250W高圧水銀灯
を用いて、19℃で16時間外部から光照射した。生成
物をガスクロマトグラフィーで定量したところ、アセト
アルデヒド及びエタノールが、錯体に対するモル比で、
それぞれ72.6及び1.7の割合で生成していた。
を用いて、19℃で16時間外部から光照射した。生成
物をガスクロマトグラフィーで定量したところ、アセト
アルデヒド及びエタノールが、錯体に対するモル比で、
それぞれ72.6及び1.7の割合で生成していた。
【0026】比較例1
溶媒としてベンゼン5mlを用い、二酸化炭素圧を0気
圧(ゲージ圧)とした以外は、実施例1と同様にして実
施したところ、アセトアルデヒドの生成量は、錯体に対
するモル比で0.5であった。この結果を実施例1と比
較すると、実施例1のように、液化二酸化炭素を溶媒に
用いることにより、メタンのカルボニル化が大幅に促進
されることが分かる。
圧(ゲージ圧)とした以外は、実施例1と同様にして実
施したところ、アセトアルデヒドの生成量は、錯体に対
するモル比で0.5であった。この結果を実施例1と比
較すると、実施例1のように、液化二酸化炭素を溶媒に
用いることにより、メタンのカルボニル化が大幅に促進
されることが分かる。
【0027】実施例2
実施例1において、反応温度を50℃に変えた以外は、
実施例1と同様にして実施した。この場合、二酸化炭素
は超臨界状態であり、淡黄色の均一な溶液を形成した。
その結果、アセトアルデヒドの生成量は、錯体に対する
モル比で17であった。
実施例1と同様にして実施した。この場合、二酸化炭素
は超臨界状態であり、淡黄色の均一な溶液を形成した。
その結果、アセトアルデヒドの生成量は、錯体に対する
モル比で17であった。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば、安価でかつ入手が
容易な二酸化炭素を溶媒として用い、脂肪族炭化水素化
合物と一酸化炭素とを、室温付近の温和な条件において
反応させ、脂肪族炭化水素化合物を直接カルボニル化す
ることにより、アルデヒド化合物やアルコール化合物な
どの有用な含酸素脂肪族化合物を効率よく製造すること
ができる。
容易な二酸化炭素を溶媒として用い、脂肪族炭化水素化
合物と一酸化炭素とを、室温付近の温和な条件において
反応させ、脂肪族炭化水素化合物を直接カルボニル化す
ることにより、アルデヒド化合物やアルコール化合物な
どの有用な含酸素脂肪族化合物を効率よく製造すること
ができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C07C 45/50 C07C 45/50
47/06 47/06 Z
// B01J 31/24 B01J 31/24 X
C07B 61/00 C07B 61/00 B
300 300
(56)参考文献 特開 平11−5763(JP,A)
特開 昭64−6224(JP,A)
特開 昭64−6222(JP,A)
特開 平11−5762(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 29/16
C07C 31/00 - 31/125
C07C 45/50
C07C 47/00 - 47/06
C07C 27/00 320
C07B 41/02
C07B 41/06
C07B 61/00
B01J 31/24
CA(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 脂肪族炭化水素化合物と一酸化炭素とを
反応させて含酸素脂肪族化合物を製造するに当り、溶媒
として超臨界二酸化炭素又は液化二酸化炭素を用い、配
位子の少なくとも1個がホスフィン化合物である遷移金
属錯体の存在下で光照射することを特徴とする含酸素脂
肪族化合物の製造方法。 - 【請求項2】 遷移金属錯体がロジウム、イリジウム、
ルテニウム、鉄、ニッケル又はコバルトの錯体であるこ
とを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 遷移金属錯体がロジウム、イリジウム又
はルテニウムの錯体であることを特徴とする請求項1記
載の方法。 - 【請求項4】 遷移金属錯体がロジウムの錯体であるこ
とを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 含酸素脂肪族化合物が、脂肪族アルデヒ
ド化合物又は脂肪族アルコール化合物であることを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000051207A JP3520321B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 脂肪族含酸素化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000051207A JP3520321B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 脂肪族含酸素化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001233796A JP2001233796A (ja) | 2001-08-28 |
JP3520321B2 true JP3520321B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=18572878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000051207A Expired - Lifetime JP3520321B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 脂肪族含酸素化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3520321B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9273020B2 (en) * | 2012-05-02 | 2016-03-01 | Haldor Topsoe A/S | Process for the production of chemical compounds from carbon dioxide |
-
2000
- 2000-02-28 JP JP2000051207A patent/JP3520321B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001233796A (ja) | 2001-08-28 |
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