JP3321603B2 - 炭化水素類の脱水素法 - Google Patents

炭化水素類の脱水素法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素−水素結合を
有する化合物の新規な脱水素方法に関するものであり、
さらに詳しく言えば、原料炭化水素化合物の脱水素によ
り、不飽和結合を有する炭化水素化合物又は、原料炭化
水素化合物の二量化体などを製造する脱水素法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】分子内に2重結合を持ち、反応性に富む
オレフィン等の不飽和有機化合物は各種化学反応の原料
として有用である。このような化合物を得るためには、
対応する飽和炭素化合物の炭素−水素結合を解裂させ、
脱水素反応を行い、脱水素化物と水素とを得る方法が原
理的には可能である。しかし、このような化合物の炭素
−水素結合の活性化は、その結合エネルギーの大きさか
ら考えて、極めて困難と予想される。このため従来は、
飽和炭化水素類からオレフィン類等の脱水素化物を直接
得るには、もっぱら700〜900℃もの高温における熱分解
によっていた。但し、その際に得られる脱水素化物は炭
素数の異なる混合物としてしか得られず、所望の生成物
を選択的に得ることは困難である。一方、錯体触媒の研
究にともなって、錯体触媒に他の活性化手段を組み合わ
せた方法の反応面での有用性への期待が近年高まりつつ
ある。特に、光による活性化を取り入れた、いわゆる光
触媒機能についての研究が活発化しつつあり、遷移金属
錯体触媒と光照射とを組み合わせた炭素−水素結合の新
しい活性化方法に基づき、炭素−水素結合から直接的に
水素を脱離させてオレフィン類等の脱水素化物を得る方
法が、既に本発明者らの一部によって提案されている
(特開昭64−52729号公報、特開平1−121225号公
報)。この光触媒反応系での脱水素方法は、もっぱら原
料である炭化水素類が溶媒としての役割も兼ねるような
液相反応の形態で実施されるが、その場合、原料を高変
換率で脱水素化物に変換することが困難であった。ま
た、ガス状あるいは高融点の原料を反応に供しようとす
る際には、適当な溶媒を使用することが必要であるが、
このような溶媒は錯体触媒の存在下での光照射反応によ
って、それ自身が原料の炭化水素と同様に脱水素反応を
受け、多くの副生物を生産し、目的とする炭化水素の脱
水素反応を阻害するものが多い。このため、反応の効率
を高め、この反応の広範囲な原料への適用を可能とする
ための適切な溶媒の探索が望まれていた。
【0003】そして、このような錯体触媒による炭化水
素類の活性化反応用の溶媒としては、これまで、パーフ
ルオロアルカン[「アメリカ化学会誌」,第105巻,
第7190ページ(1983年)]、液化キセノン
[「アメリカ化学会誌」,第111巻,第6841ペー
ジ(1989年)]、複数のtert‐ブチル基を有す
る炭化水素[「日本化学会速報誌」,第1990巻,第
585ページ]、トリフルオロ酢酸[「有機合成化学協
会誌」,第52巻,第809ページ(1994年)]、
水[「アメリカ化学会誌」,第118巻,第4574ペ
ージ(1996年)]などが知られている。
【0004】しかしながら、これらの溶媒は、高価であ
ったり、取り扱いが煩雑であったり、金属錯体や原料の
炭化水素類の溶解度が不十分であるなどの問題を有し、
工業的に十分に満足しうるものではなかった。したがっ
て、反応の効率を高め、広範囲の原料の適用が可能で、
かつ工業的に有利な方法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化水素化
合物を、効率よく、かつ工業的に有利に脱水素する方法
を提供することを目的とする。また本発明は、炭化水素
化合物を原料として、効率よく、かつ工業的に有利に、
不飽和結合を有する炭化水素化合物又は炭化水素化合物
の多量化体を製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭化水素
化合物の脱水素について鋭意研究を重ねた結果、溶媒と
して、超臨界二酸化炭素又は液化二酸化炭素を用いるこ
とにより、このものは錯体触媒と均一相を形成するとと
もに、原料の炭化水素化合物を高濃度で溶解し、前記目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、(1)溶媒として超臨
界二酸化炭素または液化二酸化炭素を用い、配位子の少
なくとも1つがホスフィン化合物である遷移金属錯体の
存在下で炭化水素化合物を光照射することを特徴とする
炭化水素化合物の脱水素法、(2)遷移金属錯体がロジ
ウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、ニッケルまたはコ
バルトの錯体であることを特徴とする(1)項記載の脱
水素法、(3)遷移金属錯体がロジウム、イリジウムま
たはルテニウムの錯体であることを特徴とする(1)項
記載の脱水素法、(4)遷移金属錯体がロジウムの錯体
であることを特徴とする(1)項記載の脱水素法、
(5)脱水素による反応生成物が、不飽和結合を有する
炭化水素化合物であることを特徴とする(1)〜(4)
項のいずれか1項記載の脱水素法、及び(6)脱水素に
よる反応生成物が、原料炭化水素化合物の多量化体であ
ることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載
の脱水素法を提供するものである。ここで生成物の不飽
和結合とは、炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結
合をいう。また多量化とは、炭素−水素結合を少なくと
も1つ有する原料炭化水素化合物の分子どうしが、脱水
素反応後、炭素−炭素結合することをいう。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法において、原料として
用いられる炭化水素化合物としては、炭素数1〜50の
もの、特に1〜20のものが好ましい。この炭化水素化
合物は、反応を阻害しない各種置換基、例えばアルコキ
シ基、アリーロキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、ビス(ヒドロカルビ
ル)アミノ基、ビス(ヒドロカルビル)アミノカルボニ
ル基、ハロゲン原子などで置換されていてもよい。本発
明に用いられる原料炭化水素化合物を例示すると、メタ
ン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−
ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、n−オクタン、2,3−ジメチルヘキサン、n−ノナ
ン、2,2−ジメチルヘプタン、n−デカン、n−ウンデ
カン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデ
カン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノ
ナデカン、エイコサン、トリアコンタン、テトラコンタ
ン、ペンタコンタン、ヘキサコンタン等の脂肪族炭化水
素化合物、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペン
タン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカ
ン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロ
ヘキサデカン等の脂環族炭化水素化合物、ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、デシルベ
ンゼン、o−、m−またはp−キシレン、o−、m−ま
たはp−プロピルベンゼン、α−またはβ−エチルナフ
タレン、α−またはβ−ヘキシルナフタレン、2,6−ジ
メチルナフタレン、テトラリン、スチレン等の芳香族炭
化水素化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、1−フルオロヘキサン、プロピオ
ン酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、シクロ
ペンタデカノリド、フェニルエチルエーテル、1−オク
タノール、9,10−ジヘキシルアントラセン、エチルフェ
ニルエーテル、安息香酸エチル、チオフェン、フラン等
の置換炭化水素化合物が挙げられるが、特に飽和脂肪族
炭化水素化合物または脂環族炭化水素化合物が好まし
い。このように原料炭化水素化合物は、飽和炭化水素化
合物もしくは不飽和炭化水素化合物であってもよい。本
発明の脱水素方法は、分子内脱水素反応による不飽和有
機化合物の製造に利用しうる他、脱水素二量化体などの
製造にも利用できる。例えば、ベンゼンを原料炭化水素
化合物として用いた場合は、反応生成物としてビフェニ
ルを得ることができる。
【0009】本発明方法においては、触媒として、配位
子の少なくとも1個がホスフィン化合物である遷移金属
錯体が用いられる。この遷移金属錯体における遷移金属
成分としては、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、
鉄、ニッケル、コバルトなどが好ましく挙げられるが、
これらの中でロジウム、イリジウム及びルテニウムがよ
り好ましく、特にロジウムが好適である。
【0010】この遷移金属錯体において、配位子として
用いられるホスフィン化合物としては、例えば、一般式 R123P (I) (式中のR1、R2及びR3は、それぞれアルキル基、ア
リール基、アラルキル基又はシクロアルキル基であり、
それらはたがいに同一であってもよいし、異なっていて
もよい)で表わされるモノホスフィン化合物や、一般式 R45P−A−PR67 (II) (式中のR4、R5、R6及びR7は、それぞれアルキル
基、アリール基、アラルキル基又はシクロアルキル基で
あり、それらはたがいに同一であってもよいし、異なっ
ていてもよく、Aはアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基、アラルキレン基又はフェロセニレン
基である)で表わされるビスホスフィン化化合物を挙げ
ることができる。
【0011】前記一般式(I)及び(II)におけるR
1〜R7で示される各基の炭素数は特に制限はないが、通
常は20以下である。また、このR1〜R7は、アリール
基やアラルキル基の芳香族炭化水素基よりも、アルキル
基やシクロアルキル基の脂肪族炭化水素基の方が、触媒
性能の点から好ましい。
【0012】前記一般式(I)、(II)で表わされる
ホスフィン化合物の例としては、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ト
リオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィ
ン、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、ジフェニルメチルホスフィン、トリ(p‐トリル)
ホスフィン、トリ(p‐アニシル)ホスフィン、1,2
‐ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3‐ビス
(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4‐ビス(ジメ
チルホスフィノ)ブタン、1,2‐ビス(ジブチルホス
フィノ)エタン、1,2‐ビス(ジシクロヘキシルホス
フィノ)エタン、α,α′‐ビス(ジメチルホスフィ
ノ)‐o‐キシレン、1,2‐ビス(ジメチルホスフィ
ノ)シクロヘキサン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン、1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)
ブタン、1,1′‐ビス(ジメチルホスフィノ)フェロ
セン、1,2‐ビス(ジメチルホスフィノ)ベンゼンな
どが挙げられる。
【0013】本発明方法において、触媒として用いられ
る遷移金属錯体は、配位子として前記ホスフィン化合物
を少なくとも1個有するものであればよく、特に制限は
ない。
【0014】このような遷移金属錯体としては、例えば
RhX(R123P)3、RhX(CO)(R123
P)2、HRh(CO)(R123P)3、RhX(C
O)2(R123P)、[Rh(R123P)4]Y、
[Rh(R123P)2(CNR)2]Y、RhX(C
O)R45P−A−PR67)、IrX(R12
3P)3、IrX(CO)(R123P)2、IrH
5(R123P)2、IrH3(CO)(R12
3P)2、IrX(CO)(R45P−A−PR67)、
Cp′RhH2(R123P)、Cp′IrH2(R1
23P)、Co2(CO)6(R 123P)2、CpCo
2(R123P)、CoX2(R123P)2、Co
X(R123P)3、CoH(N2)(R12
3P)3、CoH3(R123P)3、CpCo(R12
3P)2、AcCo(CO)3(R123P)、Fe
(CO)3(R123P)2、Ru(CO)3(R12
3P)2などが挙げられる。
【0015】なお、上記式において、Xは水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、カルボ
キシラト基又はチオシアナト基、YはPF6、B(C6
54、BF4、ClO4又は上記X、CNはイソニトリル
基、Rはアルキル基又はアリール基、Cpはシクロペン
タジエニル基、Cp′はペンタメチルシクロペンタジエ
ニル基、Acはアセチル基を示し、R1〜R7及びAは前
記と同じ意味をもつ。
【0016】本発明方法においては、これらの遷移金属
錯体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。また、該遷移金属錯体は、予め調製して
使用する必要はなく、前記ホスフィン化合物と適当な遷
移金属化合物とを反応系に共存させ、系中(in si
tu)において所望の遷移金属錯体を形成させてもよ
い。
【0017】このような目的に用いられる遷移金属化合
物としては特に制限はないが、遷移金属がロジウムの場
合について例を示せば、RhX3、Rh(acac)
(CO)2、[RhX(CO)22、[RhX(D
E)]2、[RhX(EN)22、RhX(CO)(R1
23P)2などが挙げられる。なお、上記式におい
て、acacはアセチルアセトナト基、DEはノルボル
ナジエン、1,5‐シクロオクタジエン又は1,5‐ヘ
キサジエン、ENはエチレン又はシクロオクテンを示
し、X及びR1〜R3は前記と同じ意味をもつ。
【0018】本発明方法においては、溶媒として超臨界
二酸化炭素又は液化二酸化炭素を用い、前記遷移金属錯
体の存在下に、光を照射しながら、炭化水素化合物を反
応させることにより、直接脱水素することができる。こ
の光照射に用いられる光は、その波長領域が紫外ないし
可視光領域であればよく、光源としては、例えば水銀
灯、キセノンランプ、太陽などが好ましく挙げられる。
照射する光としては、200〜800nmの領域の光を
一部又は全部含むものが好ましい。例えば、フィルター
やモノクロメーターなどを使用して波長範囲を制御した
り、さらには単色光として使用することも可能である。
【0019】本発明方法においては、遷移金属錯体の使
用量は特に制限はなく、任意に選ぶことができるが、原
料の炭化水素化合物に対して、遷移金属換算で0.00
1〜5モル%の範囲になるように選ぶのが有利である。
原料の炭化水素化合物は、最初に反応系に一括して全量
仕込んでもよいし、反応系に逐次添加してもよい。本発
明に用いられる二酸化炭素使用量は、溶媒として前記反
応成分を溶解することができる量であればよく、特に制
限するものではない。また、反応温度及び反応圧力は、
二酸化炭素の超臨界領域又は液化領域にあればよく、特
に制限はない。反応終了後の生成物の分離は、例えば蒸
留、再結晶、クロマトグラフィーなどの通常の分離操作
に付すことにより、容易に実施することができる。この
ようにして、原料炭化水素化合物の直接脱水素により、
オレフィンなど不飽和結合を有する炭化水素化合物や、
炭化水素化合物の多量化体が効率よく得られる。
【0020】
【発明の効果】本発明方法によれば、安価でかつ入手容
易な二酸化炭素を溶媒として用い、炭化水素化合物を室
温付近の穏和な条件においても、脱水素することがで
き、不飽和結合を有する炭化水素化合物や、原料炭化水
素化合物の多量化体を効率よく製造することができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、生成物は、ガスクロマトグラ
フィー(GC)の保持時間及びGC−MSのフラグメン
テーションパターンによって確認した。
【0022】実施例1 内容積20mlの窓付きオートクレーブ(窓:サファイ
ア製、直径20mm)に、クロロトリス(トリメチルホ
スフィン)ロジウム5mg及びシクロオクタン10ml
を仕込み、50℃で二酸化炭素を150気圧まで圧入し
た。この時点で二酸化炭素は臨界圧および臨界温度を超
えており、薄黄色の均一溶液を形成した。次いで、この
溶液に250W高圧水銀灯を用いて50℃で16時間外
部から光照射したところ、シクロオクタンの脱水素が進
行し、シクロオクテンが錯体に対するモル比(ターンオ
ーバー数)で240の割合で生成した。
【0023】実施例2 シクロオクタン20mlを用い、反応温度を25℃とし
た以外は、実施例1と同様にして反応を実施したとこ
ろ、シクロオクテンの生成量は、錯体に対するモル比で
176であった。この場合、二酸化炭素の臨界温度以下
であり、液化二酸化炭素もアルカンの脱水素の溶媒とし
て良好であることがわかる。
【0024】比較例1 シクロオクタン20mlを用い、二酸化炭素圧を0気圧
とした(二酸化炭素を圧入しない)以外は、実施例1と
同様にして反応を実施したところ、シクロオクテンの生
成量は、錯体に対するモル比で13にすぎなかった。
【0025】実施例3 シクロオクタンの代わりにメタン(120気圧)を用い
た以外は、実施例1と同様に反応を行なったところ、エ
タンが生成した。
【0026】実施例4 触媒として[RhCl(PMeを用いた以外
は実施例1と同様に反応を行なったところ、シクロオク
テンが錯体に対するモル比で123得られた。
【0027】実施例5 基質としてシクロオクタンの代わりにn−ヘキサン(1
0ml)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行
なったところ、ヘキセン(位置異性体混合物)が錯体に
対するモル比で106生成した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 5/333 C07C 5/333 9/06 9/06 11/107 11/107 13/263 13/263 15/14 15/14 // C07B 61/00 C07B 61/00 B 300 300 (56)参考文献 特開 平1−121225(JP,A) 特開 昭64−52729(JP,A) 特開 平4−99732(JP,A) 特開 平3−193737(JP,A) 特開 平2−212438(JP,A) 特開 平1−233235(JP,A) 特開 昭64−90137(JP,A) 特開 平11−236344(JP,A) 特開2000−136161(JP,A) 特開2001−81053(JP,A) 特開2001−233796(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 2/82 C07C 5/42 C07C 5/333 C07C 9/06 C07C 11/00 C07C 13/00 C07C 15/14 C07B 35/04 C07B 37/04 B01J 31/24 C07B 61/00 C07B 61/00 300

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒として超臨界二酸化炭素または液化
    二酸化炭素を用い、配位子の少なくとも1つがホスフィ
    ン化合物である遷移金属錯体の存在下で炭化水素化合物
    を光照射することを特徴とする炭化水素化合物の脱水素
    法。
  2. 【請求項2】 遷移金属錯体がロジウム、イリジウム、
    鉄、ルテニウム、ニッケルまたはコバルトの錯体である
    ことを特徴とする請求項1記載の脱水素法。
  3. 【請求項3】 遷移金属錯体がロジウム、イリジウムま
    たはルテニウムの錯体であることを特徴とする請求項1
    記載の脱水素法。
  4. 【請求項4】 遷移金属錯体がロジウムの錯体であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の脱水素法。
  5. 【請求項5】 脱水素による反応生成物が、不飽和結合
    を有する炭化水素化合物であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項記載の脱水素法。
  6. 【請求項6】 脱水素による反応生成物が、原料炭化水
    素化合物の多量化体であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項記載の脱水素法。
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