JP3519057B2 - 光コネクタ組立て用の位置決め部材 - Google Patents

光コネクタ組立て用の位置決め部材

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JP3519057B2
JP3519057B2 JP2001083133A JP2001083133A JP3519057B2 JP 3519057 B2 JP3519057 B2 JP 3519057B2 JP 2001083133 A JP2001083133 A JP 2001083133A JP 2001083133 A JP2001083133 A JP 2001083133A JP 3519057 B2 JP3519057 B2 JP 3519057B2
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雅昭 高谷
幸司 柴田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェルールに光フ
ァイバを組み込んだ光コネクタを作り出すにあたって、
光ファイバの先端面の位置を、フェルールの接続端面か
ら引き込ませるために利用される位置決め部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に利用されている光コネ
クタを組立てる場合、光ファイバの被覆を加熱機等で除
去した後、接着剤を付着させた状態のフェルールに光フ
ァイバを挿入し、フェルールの接続端面から光ファイバ
の先端面を突き出すようにしておく。その後、フェルー
ルと光ファイバを接着剤により固定する。そして、フェ
ルールの接続端面を機械的に精密研磨加工しながら、光
コネクタの接続端面と光ファイバの先端面とを面一にし
ていた。また、特開2001−13371号公報には、
現地での光コネクタの高速組立てを考慮した光コネクタ
組立て用の位置決め部材が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェル
ールの光ファイバ挿入部内に光ファイバを挿入させた状
態で、フェルールに光ファイバを接着固定させるにあた
って、光ファイバ挿入部を形成する壁面と光ファイバの
表面とで形成される極僅かな間隙に、接着剤を流し込む
必要があるが、この接着剤の流し込み作業時において、
フェルールの光接続口が位置決め部材のフェルール突当
て部で塞がれてしまう場合があり、接着剤の流動性が悪
くなる虞れがあった。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、特に、光ファイバ挿入部内での接着剤の
流動性を高めて、組立て時間の短縮を可能にする光コネ
クタ組立て用の位置決め部材を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
光コネクタ組立て用の位置決め部材は、フェルールの接
続端面に形成した光接続口から内部に向けて延びる光フ
ァイバ挿入部に、光ファイバを挿入させてなる光コネク
タを組立てるための位置決め部材において、光接続口内
に外方から挿入させて、光ファイバの先端面に当接させ
る光ファイバ押当て面をもった位置決め凸部と、フェル
ールの接続端面に当接させると共に、位置決め凸部を配
置させて本体部の前端面から突出させてなるフェルール
突当て部と、光ファイバ押当て面からフェルール突当て
部に架けて延在する切込み溝とを備えたことを特徴とす
る。
【0006】この位置決め部材は、フェルールの接続端
面から光ファイバの先端面を引き込めるような光コネク
タを組立てる場合に利用される。すなわち、位置決め部
材は、フェルールの光接続口内に外方から挿入させるた
め、光接続口の径より小さな寸法で形成させた位置決め
凸部を有する。そして、位置決め凸部の先端面を、光フ
ァイバ押当て面として機能させる結果、位置決め凸部に
光ファイバの先端面を突き当てることができる。従っ
て、位置決め凸部が光接続口内に入り込む量が、光ファ
イバの先端面の引き込み量となり、この引き込み量の調
整は、位置決め凸部の突出量の調整によって簡単に実現
される。例えば、光ファイバが複数の心線からなるテー
プファイバにこの技術思想を応用すると、複数本の光フ
ァイバの各先端面を簡単かつ確実に一列に整列させるこ
とができる。さらに、位置決め凸部は、本体部の前端面
から突出させたフェルール突当て部に設けられる。その
結果、フェルールの接続端面に当たる部分がフェルール
突当て部に限られることになり、フェルール突当て部の
前面のみを精密に仕上げればよく、製作コストの低減が
可能となる一方で、相手側であるフェルールの接続端面
の面仕上げ精度の影響が受けにくくなる。このようにし
て、光ファイバの先端面の引き込み位置を常に安定させ
ておくことは、光コネクタが良好な光学特性を発揮する
上で、極めて重要なファクタとなる。更に、フェルール
の光ファイバ挿入部内に光ファイバを挿入させた状態
で、フェルールに光ファイバを接着固定させる際、光フ
ァイバ挿入部を形成する壁面と光ファイバの表面とで形
成される極僅かな間隙に、接着剤を流し込む必要がある
が、この接着剤の流し込み作業時において、フェルール
の光接続口が位置決め部材のフェルール突当て部で塞が
れてしまう場合がある。そこで、光ファイバ押当て面か
らフェルール突当て部に架けて延在する切込み溝を設
け、この切込み溝によって空気の逃げ路(空気抜け)を
形成させることによって、接着剤の流動性が向上し、フ
ェルールに対する光ファイバの接着不良を適切に回避さ
せることが可能となる。
【0007】また、切込み溝は、並設させた複数の位置
決め凸部の並設方向に沿って延在させると好適である。
このような構成を採用した場合、切削治具等によって、
複数の位置決め凸部に同一幅の切込み溝を一度に成形さ
せ易く、作業性の向上が図られる。
【0008】また、切込み溝は、並設させた複数の位置
決め凸部毎に設けられると好適である。このような構成
を採用した場合、複数の位置決め凸部に同一幅の切込み
溝を形成させることができることは勿論のこと、複数の
位置決め凸部毎に異なる幅の切込み溝を形成させること
も可能になる。
【0009】また、位置決め凸部の光ファイバ押当て面
の周縁部分を面取りすると好適である。このような面取
りを行うことによって、フェルール突当て部とフェルー
ルの接続端面と密着性を向上させることができ、光ファ
イバの先端面に光ファイバ押当て面を精度良く押当てる
ことができる。
【0010】また、本体部には、前端面から延びて、フ
ェルール突当て部の両側方に位置するガイドピン挿入孔
が設けられると好適である。このような構成を採用する
と、左右一対のガイドピン挿入孔によって、MTコネク
タへの適用が可能となり、簡単な構成をもって迅速に光
コネクタを組立てることができる。
【0011】また、光ファイバの直径が125μmの場
合に、位置決め凸部の直径を100μm〜115μmに
すると好適である。これにより、光接続口内に位置決め
凸部を確実に挿入させることができる。この100〜1
15μmの値は、フェルールの製造時の許容誤差や組立
て時における外気温度の変化によって発生する光接続口
の位置ズレ等を考慮して決定されたものである。
【0012】また、フェルール突当て部に対する位置決
め凸部の突き出し量を、0.1〜10μmにすると好適
である。光学特性に与える影響を可能な限り排除する値
として、0.1〜10μmの範囲内が最適である。
【0013】また、切込み溝の幅を1〜60μmにする
と好適である。この値は、位置決め凸部の直径と接着剤
の流れ性を考慮して決定されたものである。
【0014】また、切込み溝の深さを1〜100μmに
すると好適である。この値は、位置決め凸部の突出量と
接着剤の流れ性を考慮して決定されたものである。
【0015】また、切込み溝の端部において、位置決め
凸部の表面を面取りすると好適である。これは、位置決
め部材に切込み溝を後加工した際にできるエッジを除去
し、位置決め凸部の欠けを防止して、長期の利用を可能
にするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による光
コネクタ組立て用の位置決め部材の好適な実施形態につ
いて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る位置決め部材を適用
させるフェルールを示す平面図であり、図2はフェルー
ルの正面図である。これら図面に示す光コネクタ用フェ
ルール1は、MTコネクタに利用されるものであり、樹
脂により一体成形させている。フェルール1は、ガラス
からなる8本(8心)の光ファイバ3をもったテープ状
の光ファイバ心線(「テープ心線」ともいう)2の先端
部分に固定され、光ファイバ3同士の光接続を可能にさ
せる部品である。そして、テープ心線2をフェルール1
に組付けたものが光コネクタ20を構成することになる
(図4参照)。
【0018】図1〜図3に示すように、フェルール1の
接続端面1aには、125μmの径の光ファイバ3に対
して126μm〜127μmの径を有する8個の光接続
口5が横一列に整列するように形成されている。また、
フェルール1の内部には、各光接続口5から内部に向け
て延在する光ファイバ挿入部10が設けられている。
【0019】各光ファイバ挿入部10は、各光接続口5
と同径であり且つ各光接続口5から一直線状に延在する
光ファイバ位置決め孔4と、各光ファイバ位置決め孔4
から後方に一直線状に延在すると共に各光ファイバ位置
決め孔4の径よりも拡大した径をもつロート状の接着剤
充填孔6とを有している。また、この光ファイバ位置決
め孔4は、光ファイバ3の先端部分の位置決めを行って
芯出しを達成させる関係上、光ファイバ3と略同径をな
す。そして、126μm程度の径の光ファイバ位置決め
孔4に対して、接着剤充填孔6は150μm〜250μ
mの径に拡大されている。
【0020】さらに、フェルール1の内部には、その後
部において、光ファイバ心線2の被覆部Fに装着させる
ゴム製のブーツA(図4参照)を固定させるための光フ
ァイバ導入口11が設けられている。この光ファイバ導
入口11と光ファイバ位置決め孔4との間には、粘度が
100〜10000cp程度の接着剤Rを収容させるた
めの光ファイバ接着用凹部7が設けられ、この凹部7の
頂部には、接着剤Rを流し込むための矩形の開口をなす
接着剤充填窓8が形成されている。
【0021】なお、この凹部7の底面7aには、その略
全長に亙って延在する断面V字状又はC字状の光ファイ
バ整列溝9が8本形成され、各光ファイバ整列溝9は、
光ファイバ位置決め孔4の延長上に位置し、光ファイバ
位置決め孔4と光ファイバ導入口11との間に延在す
る。また、フェルール1の接続端面1aにおいて、8個
の光接続口5の両側には、ガイドピン(図示せず)を挿
入させるためのガイドピン挿入孔12が形成され、各ガ
イドピン挿入孔12は、光ファイバ挿入部10と平行で
フェルール1の全長に亙って貫通している(図1及び図
2参照)。
【0022】ここで、光コネクタ20の組立て時に利用
する位置決め部材30について説明する。
【0023】図5に示すように、位置決め部材30は、
前述したフェルールと同質な樹脂から形成されると共
に、外形寸法も略同一にした本体部31を有している。
この本体部31における前端面31aの中央には、直方
体形状のフェルール突当て部32が一体に設けられてい
る。このフェルール突当て部32は、例えば0.5mm
程度の突出量をもって前端面31aに一体成形させてい
る。
【0024】更に、フェルール突当て部32の横幅及び
縦幅は、光接続口5と同等な配列ピット(例えば0.2
5mm)をもつ8本の位置決め凸部33を横一列に配列
させ得るのに十分な寸法(例えば横幅2.5mm、縦幅
0.5mm)を有している。そして、本体部31には、
前端面31aから延びて、フェルール突当て部32の両
側方に位置させたガイドピン挿入孔35が形成されてい
る。各ガイドピン挿入孔35は、前述したフェルール1
のガイドピン挿入孔12に一対一で対峙させることがで
きるように配置され、光コネクタの組立て時に利用され
るものである。
【0025】また、各位置決め凸部33は、直径100
μm程度の寸法をもったガラス製の光ファイバSで形成
させると共に、各光ファイバ3の光学特性に与える影響
を考慮した0.1〜10μm程度の突出量を作り出すよ
うにしてフェルール突当て部32に埋設させている。す
なわち、図6に示すように、位置決め部材30には、本
体部31を貫通するように、フェルール突当て部32か
ら内方に向けて真っすぐ延びる光ファイバ挿入孔34が
形成され、この光ファイバ挿入孔34内に直径100μ
m程度の光ファイバSを接着剤を介して固定させてい
る。
【0026】なお、光ファイバSを本体部31内に組み
込む前段階において、光ファイバSの先端面を放電加工
又は研磨加工により丸めておくことで、突き出させた位
置決め凸部33において、光ファイバ押当て面33aの
周縁部が面取りされた状態となる。従って、位置決め凸
部33がフェルール1の光接続口5内に入り易くなる。
それと同時に、光コネクタ組立て時において、光ファイ
バ3の先端面3aが位置決め凸部33の光ファイバ押当
て面33aに当たる場合に、光ファイバ3の先端面3a
が傷つけられることがなく、光ファイバ3の先端面3a
の欠けを誘発する虞れもなく、光ファイバ3の光学特性
安定化に寄与する。
【0027】このように、位置決め凸部33を、フェル
ール1内の光ファイバ3と同質な光ファイバSの先端部
分で形成させると、光コネクタ組立て時において、光フ
ァイバ3と光ファイバSとの突き合わせが可能となり、
同質の材料であるがゆえに互いに傷がつきにくく、位置
決め部材30の長期的な使用が可能となる。
【0028】ここで、光コネクタ組立て時において、フ
ェルール1の各光ファイバ挿入部10内に各光ファイバ
3を挿入させた状態で、フェルール1に各光ファイバ3
を接着固定させる際、光ファイバ挿入部10を形成する
壁面と光ファイバ3の表面とで形成される間隙に、接着
剤Rを流し込む必要があるが、この接着剤Rの流し込み
作業時において、フェルール1の光接続口5が位置決め
部材30のフェルール突当て部32の前面32aで完全
に塞がれてしまう場合がある(図14参照)。
【0029】そこで、図5〜図7に示すように、位置決
め部材30には、光ファイバ押当て面33aからフェル
ール突当て部31に向けて延在するように切り込まれた
切込み溝50が形成されている。この切込み溝50は、
並設させた8本の位置決め凸部33の並設方向に沿って
延在し、フライス等によって直線的に成形させている。
このような切込み溝50によって空気の逃げ路(空気抜
け)を形成させることができ、接着剤Rの充填時におい
てその流動性が向上し、接着剤Rをフェルール1の光接
続口5まで確実に流し込むことができる。これによっ
て、光ファイバ挿入部10に対する光ファイバ3の接着
不良を適切に回避させることが可能となる。
【0030】更に、切込み溝50の幅Mは1〜60μm
が適切であり、この値は、位置決め凸部33の直径と接
着剤Rの粘度を考慮して適宜決定されるものである。ま
た、切込み溝50の深さPは、1〜100μmが適切で
あり、この値は、位置決め凸部33の突出量と接着剤R
の粘度を考慮して適宜決定されるものである。なお、図
8に示すように、切込み溝50の長手方向(延在方向)
の両端部において、位置決め凸部33の表面には、研磨
加工が施されている。これは、位置決め部材30に切込
み溝50をフライス等で後加工する際にできるエッジ部
分を除去するために行われ、これによって、各位置決め
凸部33の欠けを防止して、位置決め部材30の長期の
使用を可能にしている。また、図示しないが、切込み溝
50の前端部おいても、位置決め凸部33の表面を研磨
加工すると好適である。
【0031】なお、図9に示すように、並設させた8本
の位置決め凸部33毎に、同一幅で同一深さの切込み溝
51を形成させてもよい。このような切込み溝51を位
置決め凸部33に個別的に成形させるには、フライス等
が利用される。そして、8本の位置決め凸部33毎に異
なる幅の切込み溝51を形成させることも可能である。
【0032】次に、前述した位置決め部材30を利用し
た光コネクタ20の組立て手順について説明する。
【0033】先ず、図10に示すように、8本の光ファ
イバ3をもった光ファイバ心線2を心線ホルダ43に装
着させる。この状態で、光ファイバ心線2の先端部分か
ら所定長の被覆部Fを加熱式リムーバ等により除去し、
8本の光ファイバ3を露出させた状態にしてアルコール
等で被覆屑を拭き取る。そして、各光ファイバ3をカッ
タ等で一列に揃えるように所定の長さに切断する。な
お、必要に応じ、放電加工により光ファイバ3の先端面
3aのエッジ除去処理を行ってもよい。これは、フェル
ール1に光ファイバ3を挿入させる際に、光ファイバ3
がフェルール1に接触することで起こる端面欠けを無く
すことと、挿入作業の迅速化を目的とする。
【0034】その後、フェルール1にゴム製のブーツA
を装着した状態で、ベース板40上にフェルール1と位
置決め部材30とを対向させた状態で配置させる。この
とき、位置決め部材30のガイドピン挿入孔35内にガ
イドピン42の片側を挿入させておく。その状態で、図
11に示すように、ベース板40に沿って心線ホルダ4
3を前進させ、フェルール1の各光ファイバ整列溝9内
に各光ファイバ3を挿入させる。
【0035】このとき、図12に示すように、フェルー
ル1の接続端面1aから所定量(例えば最大で0.5m
m程度)だけ光ファイバ3を突出させる。なお、この突
出量は、8本の光ファイバ3の不揃い量を考慮したもの
である。また、光ファイバ3をフェルール1内で保持さ
せるため、心線ホルダ43は、バネによって50g程度
の力でアシストされている。
【0036】その後、位置決め部材30側のガイドピン
42をフェルール1のガイドピン挿入孔12内に差し込
むように、位置決め部材30を、ベース40上でフェル
ール1に向けて前進させる。そして、図13及び図14
に示すように、位置決め部材30から突き出たガイドピ
ン42を、フェルール1のガイドピン挿入孔12内に差
し込みながら、位置決め部材30におけるフェルール突
当て部32の前面32aをフェルール1の接続端面1a
に突き当てる。このとき、位置決め部材30の位置決め
凸部33は、光ファイバ3の先端面3aを押し戻しなが
ら前進し、最終的に光ファイバ位置決め孔4の中に1μ
m程度入り込むことになる。
【0037】そして、位置決め部材30とフェルール1
とは、バネの付勢力によって突き当て連結が維持され
る。また、光ファイバ3の先端面3aは、フェルール1
内に押し戻されつつ、バネによって100g以下の力で
保持されている。その結果として、光ファイバ3は座屈
することなく、各光ファイバ3の先端面3aは、光接続
口5内に埋設されると同時に一列に揃うことになる。
【0038】この状態を維持したまま、フェルール1の
凹部7内に接着剤Rを注入する(図4参照)。このと
き、切込み溝50によって空気の逃げ路(空気抜け)が
確保されているので、光ファイバ挿入部10を形成する
壁面と光ファイバ3の表面とで形成される間隙に接着剤
Rが素早く流れ込み、接着剤Rがフェルール1の光接続
口5まで確実に流し込まれることになる。
【0039】この接着剤Rは、粘度が100〜1000
0cpの高速硬化型接着剤であり、例えば、シアノアク
リレート系の瞬間接着剤、エポキシ接着剤などである。
このような粘度の接着剤Rは、フェルール1と光ファイ
バ3とを接着させる上で適度な流動性を備え、接着剤R
が光ファイバ位置決め孔4を通って光接続口5から流れ
出さないことが実験により確かめられている。
【0040】そして、接着剤Rの硬化によって、8本の
光ファイバ3の先端面3aが一列に揃った状態で、フェ
ルール1に固定される。その後、位置決め部材30をフ
ェルール1から外し、ベース板40からフェルール1を
離脱させることで光コネクタ20の組立て作業が完了す
る。
【0041】このように、位置決め凸部33が、本体部
31の前端面31aから突出させたフェルール突当て部
32に設けられる結果として、フェルール1の接続端面
1aに接触する部分がフェルール突当て部32に制限さ
れ、フェルール突当て部32の前面32aのみを精密に
仕上げればよく、製作コストの低減が可能となる。その
一方で、位置決め部材30の相手側となるフェルール1
において、その接続端面1aの面仕上げ精度の影響を受
けにくくしている。このように、光ファイバ3の先端面
3aの引き込み位置を常に安定させておくことは、光コ
ネクタ20が良好な光学特性を発揮する上で、極めて重
要な要因となる。
【0042】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではない。例えば、図5に示すような位置決め凸部
33を、本体部31と同質のプラスチック材で形成させ
ることもできる。この場合、位置決め部材30全体をプ
ラスチック材で作り出すことができるので、成形性に優
れ、安価な製造が可能となる。
【0043】また、位置決め凸部33を、本体部31と
同質のセラミックス材で形成させることもできる。この
場合、位置決め部材30全体をセラミックス材で作り出
すことができるので、耐久性に優れたものとなる。
【0044】また、フェルール突当て部32に対する位
置決め凸部33の突き出し量を、1〜10μmにすると
好ましい。このようにすると、フェルール1の接続端面
1aに負荷がかかる状態で利用されるCATS等の高速
切替えを可能にしたMTコネクタに最適な仕様となる。
【0045】また、光ファイバ3の直径が125μmの
場合に、位置決め凸部33の直径を100μm〜115
μmにすると好ましい。これにより、光接続口5内に位
置決め凸部33を確実に挿入させることができる。この
100〜115μmの値は、フェルール製造時の許容誤
差や組立て時における外気温度の変化によって発生する
光接続口5の位置ズレや、ガイドピン42のクリアラン
ス等を十分に考慮して決定されたものである。
【0046】
【発明の効果】本発明による光コネクタ組立て用の位置
決め部材は、以上のように構成されているため、次のよ
うな効果を得る。すなわち、フェルールの接続端面に形
成した光接続口から内部に向けて延びる光ファイバ挿入
部に、光ファイバを挿入させてなる光コネクタを組立て
るための位置決め部材において、光接続口内に外方から
挿入させて、光ファイバの先端面に当接させる光ファイ
バ押当て面をもった位置決め凸部と、フェルールの接続
端面に当接させると共に、位置決め凸部を配置させて本
体部の前端面から突出させてなるフェルール突当て部
と、光ファイバ押当て面からフェルール突当て部に架け
て延在する切込み溝とを備えたことにより、光ファイバ
挿入部内での接着剤の流動性を高めて、組立て時間の短
縮を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置決め部材を適用させるための
フェルールを示す平面図である。
【図2】図1に示したフェルールの正面図である。
【図3】図1に示したフェルールの断面図である。
【図4】本発明に係る位置決め部材を利用して組立てら
れた光コネクタを示す断面図である。
【図5】本発明に係る位置決め部材を示す斜視図であ
る。
【図6】位置決め部材の要部拡大図である。
【図7】位置決め部材の切込み溝の状態を示す拡大正面
図である。
【図8】位置決め凸部の研磨状態を示す拡大断面図であ
る。
【図9】切込み溝の他の例を示す拡大正面図である。
【図10】フェルールに光ファイバを組み込む前の状態
を示す平面図である。
【図11】フェルールに光ファイバを組み込んだ状態を
示す平面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】フェルールと位置決め部材とを結合させた状
態を示す平面図である。
【図14】図13の要部拡大図である。
【符号の説明】
R…接着剤、1…フェルール、1a…接続端面、3…光
ファイバ、3a…光ファイバの先端面、5…光接続口、
10…光ファイバ挿入部、20…光コネクタ、30…位
置決め部材、31…本体部、31a…前端面、32…フ
ェルール突当て部、33…位置決め凸部、33a…光フ
ァイバ押当て面、35…ガイドピン挿入孔、50,51
…切込み溝。
フロントページの続き (72)発明者 高谷 雅昭 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 柴田 幸司 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 長沢 真二 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開2001−13371(JP,A) 特開 平11−316319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/36 - 6/40

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルールの接続端面に形成した光接続
    口から内部に向けて延びる光ファイバ挿入部に、光ファ
    イバを挿入させてなる光コネクタを組立てるための位置
    決め部材において、 前記光接続口内に外方から挿入させて、前記光ファイバ
    の先端面に当接させる光ファイバ押当て面をもった位置
    決め凸部と、 前記フェルールの前記接続端面に当接させると共に、前
    記位置決め凸部を配置させて本体部の前端面から突出さ
    せてなるフェルール突当て部と、 前記光ファイバ押当て面から前記フェルール突当て部に
    架けて延在する切込み溝とを備えたことを特徴とする光
    コネクタ組立て用の位置決め部材。
  2. 【請求項2】 前記切込み溝は、並設させた複数の前記
    位置決め凸部の並設方向に沿って延在したことを特徴と
    する請求項1記載の位置決め部材。
  3. 【請求項3】 前記切込み溝は、並設させた複数の前記
    位置決め凸部毎に設けられたことを特徴とする請求項1
    又は2記載の位置決め部材。
  4. 【請求項4】 前記位置決め凸部の前記光ファイバ押当
    て面の周縁部分を面取りしたことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか一項記載の位置決め部材。
  5. 【請求項5】 前記本体部には、前記前端面から延び
    て、前記フェルール突当て部の両側方に位置するガイド
    ピン挿入孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項記載の位置決め部材。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバの直径が125μmの場
    合に、前記位置決め凸部の直径を100μm〜115μ
    mにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    記載の位置決め部材。
  7. 【請求項7】 前記フェルール突当て部に対する前記位
    置決め凸部の突き出し量を、0.1〜10μmにしたこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の位置
    決め部材。
  8. 【請求項8】 前記切込み溝の幅を1〜60μmにした
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の位
    置決め部材。
  9. 【請求項9】 前記切込み溝の深さを1〜100μmに
    したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載
    の位置決め部材。
  10. 【請求項10】 前記切込み溝の端部において、前記位
    置決め凸部の表面を面取りしたことを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか一項記載の位置決め部材。
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