JP3518707B2 - 被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およびその製造方法 - Google Patents
被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およびその製造方法Info
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Description
を改善した被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およ
びその製造方法に関するものである
は、シリコンチップあるいはガラス、樹脂といった密封
材料と、熱膨張特性を整合させる必要があり、低熱膨張
特性を有するFe−Ni系合金が主として用いられてい
る。上述した熱膨張特性は、半導体素子の特性等にあわ
せてNiの含有量あるいはその他の添加元素によって調
整される。代表的な素材としては、Fe−42%Ni合
金,Fe−50%Ni合金,Fe−29%−17%Co
合金等が知られている。なお、本明細書における組成を
示す単位はすべて質量%である。上述したリードフレー
ム材料だけではなく、パーマロイ等の磁性材料としても
Fe−Ni系材料は使用されている。
高集積化はもちろんであるが、電子機器のダウンサイジ
ングの動向に伴って、電子回路の高密度実装の要求が強
く、半導体素子も小型、薄型化へと移行してきている。
こうした小型、薄型化に対応した半導体パッケージとし
てはTSOP(Thin small Outline Package)が代表的
なものであり、厚さが1mm程度の薄型の素子である。こ
うした薄型パッケージにおいては、パッケージの厚さ方
向に対する寸法精度が厳しく要求され、これに伴ってリ
ードフレームの薄肉化、寸法精度の高精度化が強く要求
されるようになってきた。特に、図1に示すようにリー
ドフレーム1にシリコンチップを接合するタブ2および
タブ吊り3の部分を形成するような場合には、タブ2お
よびタブ吊り3の位置が、半導体素子を形成する上で精
度を左右してしまうため、極めて厳しい精度が要求され
る。すなわち、曲げ加工性の向上は、このような半導体
素子の形成にとって重要な課題である。
ンピュータ等の表示装置に使用されるシャドウマスク材
としては、従来アルキルド鋼が使用されてきたが、近年
表示装置の高精細化にともない、質量%で36%のNi
を含有するFe−Ni合金、いわゆるインバー合金がア
ルミキルド鋼にとって替わるようになってきている。こ
のインバー合金は、室温での熱膨張係数がアルミキルド
鋼に比べ、極めて低く、シャドウマスクに形成された電
子ビーム通過孔の位置精度を温度に依らず正確に保つこ
とができるという利点を有するものである。また、イン
バー合金は、その低熱膨張特性からバイメタル等にも使
用されている。
Ni系合金薄板の電子機器等への適用においては、加工
精度の向上は必須の課題である。このような状況におい
て、シャドウマスクのプレス成形性を改善する方法とし
て、特開昭61−218050号あるいは特開平6−2
64140号に記載のように、面心立方格子を有するF
e−Ni系合金の滑り面である(111)面を集合させ
ることにより、プレス成形性を確保しようとすることが
提案されている。これらは、変形しやすい(111)面
を集合させることにより、プレス成形時のスプリングバ
ック量を低減させことができることを開示している。
た特開昭61−218050号あるいは特開平6−26
4140号に記載されるFe−Ni系合金素材は、軟化
焼鈍した材料であって、その硬さはビッカース硬度で1
30HV程度である。一方、リードフレーム等の材料に
おいては、強度を確保する必要があり、上述したような
薄板化によって、より高い硬さに調整する必要があり、
軟化焼鈍した材料は使用できない。特に図1に示すよう
なビッカース硬さが160HV以上のTSOP用リード
フレーム等として使用する場合には硬さが低いことは問
題である。本発明の目的は、必要な硬さを確保すること
ができ、従来のFe−Ni系合金薄板の被加工性、特に
曲げ加工性を改善したFe−Ni系合金薄板およびその
製造方法を提供することである。
i系合金薄板の被加工性を改善するために、Fe−Ni
系合金薄板の結晶方位の制御に着目して検討を行った。
そして、通常の溶製材によるインゴットやブルーム連鋳
を圧延した薄板では、Fe−Ni系合金薄板の表面にお
いて(111)結晶面が集合したように見える素材にお
いても、素材の板厚中心では(111)結晶面の集合が
不十分であることが判明した。本発明者は、Fe−Ni
系合金薄板の板厚中心まで、(111)面を集合させる
べく、Fe−Ni系合金薄板の製造条件の検討を行っ
た。その結果、驚くべきことに冷間圧延後の組織におけ
る(111)面の集合度は、冷間圧延前の素材の(11
1)集合度に大きく依存するということを見出した。
中央部で(111)面が高くなるように調整することが
必要であり、その具体的な方法として、できるだけ薄い
スラブ連続鋳造法、または薄板連続鋳造法を適用し、凝
固進行中に表面から内部にかけての冷却をできるだけ速
やかに行なうことが有効であることを見出した。すなわ
ち、表面から中心までの凝固距離を短くして表面から内
部にかけての温度勾配を従来よりも大きく与えるのであ
る。すなわち温度勾配の連続鋳造法を適用し、凝固時に
表面から内部にかけて大きな温度勾配を与えることが有
効であることを見出した。
(111)面だけではなく、(311)面の集合度を高
めることも有効であることを見出した。そして、(31
1)面も(111)面と同様に、冷間圧延前の集合度
が、冷間圧延後の集合度に依存することを突き止め、
(311)面を増加させるためにも、上述した肉厚の薄
い連続鋳造法の適用は有効であることを見出した。そし
て、この方法によって、Fe−Ni合金を製造すれば、
ビッカース硬さ HV160以上の材料であっても優れ
た曲げ加工性を確保できることを見出し、本発明に到達
した。
〜60質量%、Si1質量%以下、Mn1質量%以下、
残部Feおよび不純物の組成を有するか、または、前記
Niの一部をCo20質量%以下で置換した組成を有す
るか、または、前記組成に加えて合金の結晶構造が面心
立方格子構造である状態を維持する範囲で添加元素を有
するFe−Ni系合金溶湯をロール対間を通して、板厚
100mm以下のスラブに鋳造し、該スラブを1000
〜1300℃の温度範囲で90%以下の加工度で熱間加
工を行ない、板厚方向中央部での結晶面の集積度が(1
11)>30%、(311)>10%の組織を得た後、
80%を越えない加工度の冷間圧延と、750〜110
0℃の温度範囲での軟化焼鈍を少なくとも1回以上実施
し、最終冷間圧延後において板厚方向中央部での結晶面
の集積度が(111)>3%、(311)>10%を満
足するFe−Ni系合金薄板を得るものである。
100mm以下という薄めのスラブを製造し、熱間加工
を施すものであるが、上述組成のFe−Ni系合金溶湯
をロール対間を通して、板厚10mm以下、板厚方向中
央部での結晶面の集積度が(111)>30%、(31
1)>10%、の組織を有するストリップに鋳造し(す
なわち、薄板連続鋳造法である)、該ストリップを80
%を越えない加工度の冷間圧延と、750〜1100℃
の温度範囲での軟化焼鈍を少なくとも1回以上実施し、
最終冷間圧延後において板厚方向中央部での結晶面の集
積度が(111)>3%、(311)>10%を満足す
るFe−Ni系合金薄板を得ても良い。
最終冷間圧延後に、500〜750℃の温度範囲におい
て歪取り焼鈍を行い、(111)>3%、(311)>
10%を満足するようにしても良い。上述した製造方法
により、Ni30〜60質量%、Si1質量%以下、M
n1質量%以下、残部Feおよび不純物の組成を有する
か、または、前記Niの一部をCo20質量%以下で置
換した組成を有するか、または、前記組成に加えて合金
の結晶構造が面心立方格子構造である状態を維持する範
囲で添加元素を有するFe−Ni系合金薄板であって、
ビッカース硬さが160HV以上であって板厚方向中央
部での結晶面の集積度が(111)>3%、(311)
>10%を満足する被加工性に優れたFe−Ni系合金
薄板を得ることができる。好ましくは、ビッカース硬さ
を180HV以上とする。
一つは、ビッカース硬さが160HV以上と高いFe−
Ni系合金において、加工性、特に曲げ成形性に有効な
(111)面あるいは(311)面を、板厚中央部にお
いて集合させるために、特定の条件を満足する連続鋳造
法を適用したことにある。連続鋳造法の適用は、凝固時
に表面から内部にかけて大きな温度勾配を与えることが
でき、特に板厚中央部にまで(111)を集合させるこ
とが可能であり、また(311)面の集合度も高いもの
とすることができる。本発明においては、連続鋳造法に
より、直接板厚10mm以下のストリップを得ることが
望ましいが、板厚100mm以下のスラブを製造し、熱
間圧延を行ってから、冷間加工を行うこともできる。
は、100mmを越える板厚に連続鋳造しても、板厚中
央部の(111)面および(311)面の集合度を高く
するだけの、指向性凝固を行うことができなくなるため
である。スラブを製造し、熱間圧延を行う場合は、熱間
圧延における加工度が大きくなりすぎると、(111)
面および(311)面の集合度が低下するため、熱間加
工度は90%以下とする必要がある。また、この時の熱
間圧延の温度は、加工性と酸化防止の点から、1000
〜1300℃が望ましい。
圧延工程では、80%を越えない加工度の冷間圧延と、
750〜1100℃の温度範囲での軟化焼鈍が必要であ
る。Fe−Ni系合金に冷間圧延と焼鈍を施す際におい
て、加工度が高すぎると焼鈍により(100)面が集合
するいわゆる再結晶集合組織となる。また、冷間圧延だ
けでは、(110)面が集合した圧延組織となる。
せが必要であり、本発明においては、80%を越えない
加工度の冷間圧延と、750〜1100℃の温度範囲で
の軟化焼鈍を施すものとした。望ましくは、70%を越
えない加工度と、800〜1050℃の冷間加工条件と
する。この冷間加工により、(111)面および(31
1)面に集合していた組織は、再結晶により(100)
面が増加し、圧延により(110)面が増加する傾向が
認められる。
は、あらかじめ冷間圧延の前に板厚中央部において、
(111)>30%、(311)>10%という、(1
11)面および(311)面の集合度が高い組織に調整
している点に大きな特徴がある。その結果、冷間圧延の
影響を受けにくい板厚中央部において、冷間圧延後にお
いても(111)面および(311)面の集合度を高い
もの、具体的には(111)>3%、(311)>10
%を満足するFe−Ni系合金薄板を得ることができる
のである。
部において、(111)>30%、(311)>10%
としたのは、(111)面および(311)面の集合度
はできるだけ高い方がよいという知見から、従来のイン
ゴットから熱間圧延する方法では得られず、特定の条件
下での連続鋳造法によって調整できると確認した範囲で
ある。本発明者の測定によれば、面心立方格子を有する
Fe−Ni系合金の主たる結晶面である(100)(1
10)(111)(311)のうち、(100)(11
0)面よりも、(111)面あるいは(311)面は、
ヤング率が高い。
応力と歪みの関係において、ヤング率が大きい場合(破
線でしめす)はヤング率の小さい場合(実線で示す)よ
りも戻り量が少なくなる。すなわち、ヤング率を高くす
ることは曲げ成形した時のスプリングバック量が少なく
なり、成形精度を向上することができるのである。その
ため、曲げ成形性にとってはヤング率を高くすることが
できる(111)(311)面の集合度を高くする必要
がある。
合度はできるだけ高い方がよいが、冷間圧延により、特
に(111)面の集合度が低下するため、冷間圧延後の
板厚中央部においては、(111)>3%、(311)
>10%と規定した。好ましくは、(111)>5%、
(311)>15%である。冷間圧延工程において、で
きるだけ組織を崩さず、(111)(311)面を高く
するためには、厚みが100mm以下の連続鋳造法によ
り、望ましくは直接薄いストリップを製造する方法をと
ったり、冷間圧延における加工度をできるだけ低くする
方法をとることができる。
工工程の後に、500〜750℃の温度範囲において歪
取り焼鈍を行なうことができる。ここで、500〜75
0℃としたのは、再結晶が起こらず、ビッカース硬さH
V160以上を確保しつつ歪みの除去に有効な範囲とし
て特定したものである。歪取り焼鈍では再結晶が起こら
ないため、集合組織の大きな変化はなく、(111)>
3%、(311)>10%を満足するFe−Ni系合金
薄板を得ることができる。
ク素材とは、面心立方格子を有することができ、Fe−
Ni系合金薄板の特徴である低熱膨張特性を満足する範
囲として規定したものである。本発明の特徴とするFe
−Ni系合金とは、NiとFe以外に主に製鋼上の点か
ら添加されるMn,Siをそれぞれ1.0%以下で含有
していてもよいし、Mn,Siを不純物として考えても
よい。すなわち、Fe−Niの2元系では、Niが30
%以下では、低熱膨張特性が得られる面心立方格子の組
織を得ることができない。また、Niが60%を越える
と熱膨張係数が大きくなり、低熱膨張特性が得られない
ためである。
の組織を安定化させる作用を有し、熱膨張特性を変化さ
せることができるため置換可能である。しかし、高価で
あるため最大でも20%とすることが望ましい。なお、
本発明においては、面心立方格子による特性が崩れない
程度に他の添加元素を添加することができる。例えば、
強度を高める元素として、Cr,Ti,V,Nb等を選
択的にそれぞれ3〜5%以下の範囲で添加しても良い。
1に示す化学成分を有するFe−42%Ni合金、Fe
−50%Ni合金、Fe−29Ni−17Co合金およ
びならびにFe−36%Ni合金の溶湯を準備し、図3
に示す双ロール6と、溶湯4を保持する坩堝5を有する
連続鋳造装置に導入し、ロール6の間隙を調製して板厚
が30,60および110mmのスラブ、および板厚
7,5および3mmのストリップでなる鋳片7をそれぞ
れ作製した。得られたスラブは、1080℃の熱間加工
条件で、表2および表3に示す加工度で熱間圧延を行
い、冷間圧延前の素材とした。また、直接ストリップに
鋳造したものは、そのまま冷間圧延前の素材とした。得
られた冷間圧延前の素材を、表2〜表3に示す冷間圧延
条件で冷間加工および焼鈍を行った。
R3はそれぞれ第1の冷間圧延、第2の冷間圧延、第3
の冷間圧延を意味し、数値は加工度%である。また、冷
間加工工程におけるA1,A2は、それぞれ第1の焼
鈍、第2の焼鈍を示するものである。数値は、焼鈍温度
℃である。なお、仕上げ圧延後に歪取り焼鈍を行う場合
は、650℃にて3分間行った。
素材および最終冷間圧延後の板厚中央部における(11
1)面の集合度および(311)面の集合度を測定し
た。なお、歪取り焼鈍を施したものは、歪取り焼鈍後の
試料を測定した。(111)面ならびに(311)面の
集合度は、表面および板厚の中央部までエッチングによ
り、板厚の半分を除去した中央部にてX線回折を行ない
求めた。各々の面における回折強度をIとして、以下の
式に基づいて行った。(111)%=I(111)/ΣI×10
0(ΣI=I(111)+I(200)+I(220)+I(311))(31
1)%=I(311)/ΣI×100として求めた。
に、素材の元の位置8から、荷重をかけて60度曲げた
位置10として、スプリングバックにより戻った位置9
をスプリングバックの量θとしたものである。結果を表
4および表5に示す。表4および表5に示すように、す
べての材料で180HV以上の硬さが確保されている。
また、表2〜表5には、インゴットから分塊−熱間圧延
の工程を行なう従来の方法を適用した場合の例を付記し
た。
規定する条件の連続鋳造法を適用することにより、冷間
圧延前の素材に対して、(111)面と(311)面の
集合度の高い素材を得ることが可能である。そして、冷
間圧延前に(111)面と(311)面を高くしておく
と、(111)>3%、(311)>10%を満足する
Fe−Ni系合金薄板を得ることができることがわか
る。また、連続鋳造法により、直接ストリップとする
と、(111)面の集合度が特に高くなり、冷間圧延後
においても(111)面および(311)面の高いFe
−Ni系合金薄板を得ることができることがわかる。
本発明の規定範囲をはずれる比較例においては、熱間加
工率が高すぎると、冷間圧延前において、(111)お
よび(311)面を高くすることができず、また冷間加
工率が高すぎると冷間圧延前に(111)面および(3
11)面を高くしておいても、(111)>3%、(3
11)>10%を満足することができなくなることがわ
かる。また、従来の造塊法によって製造したFe−Ni
系合金は、冷間圧延前の段階で、板厚中央部の(11
1)面および(311)面の集合度は、冷間加工の条件
を変更しても高くすることができなかった。
およびヤング率の測定結果によれば、(111)面と
(311)面の集合度を高くできた本発明のFe−Ni
系合金においては、(111)面および(311)面の
集合度が本発明の試料よりも低い比較例の試料に比べ
て、ヤング率が高くなり、スプリングバックが少なくな
ったことがわかる。すなわち、板厚中央部の(111)
面と(311)面とを高めることが、被加工性、特に曲
げ成形における加工精度の向上に有効であることがわか
る。
グバック量を低減することが可能となる。したがって、
特にTSOPなどの薄肉化が要求される半導体装置に利
用され、強度を確保するとともに精度の高い曲げ加工が
必要なリードフレーム材にとって極めて有効である。
る。
図である。
湯、5 坩堝、6 ロール 7 鋳片
Claims (5)
- 【請求項1】 Ni30〜60質量%、Si1質量%以
下、Mn1質量%以下を含み、残部Feおよび不純物ま
たは合金の結晶構造が面心立方格子構造である状態を維
持する範囲の添加元素を含む組成を有するFe−Ni系
合金薄板であって、ビッカース硬さが160HV以上で
あって、板厚方向中央部での結晶面の集積度が(11
1)>3%、(311)>10%を満足することを特徴
とする被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板。 - 【請求項2】 Niの一部を、Co20質量%以下で置
換したことを特徴とする請求項1に記載の被加工性に優
れたFe−Ni系合金薄板。 - 【請求項3】 Ni30〜60質量%、Si1質量%以
下、Mn1質量%以下、残部Feおよび不純物の組成を
有するか、または、前記Niの一部をCo20質量%以
下で置換した組成を有するか、または、前記組成に加え
て合金の結晶構造が面心立方格子構造である状態を維持
する範囲で添加元素を有するFe−Ni系合金溶湯をロ
ール対間を通して、板厚100mm以下のスラブに鋳造
し、該スラブを1000〜1300℃の温度範囲で90
%以下の加工度で熱間加工を行ない、板厚方向中央部で
の結晶面の集積度が(111)>30%、(311)>
10%の組織を得た後、80%を越えない加工度の冷間
圧延と、750〜1100℃の温度範囲での軟化焼鈍を
少なくとも1回以上実施し、最終冷間圧延後において板
厚方向中央部での結晶面の集積度が(111)>3%、
(311)>10%を満足するFe−Ni系合金薄板を
得ることを特徴とする被加工性に優れたFe−Ni系合
金薄板の製造方法。 - 【請求項4】 Ni30〜60質量%、Si1質量%以
下、Mn1質量%以下、残部Feおよび不純物の組成を
有するか、または、前記Niの一部をCo20質量%以
下で置換した組成を有するか、または、前記組成に加え
て合金の結晶構造が面心立方格子構造である状態を維持
する範囲で添加元素を有するFe−Ni系合金溶湯をロ
ール対間を通して、板厚10mm以下、板厚方向中央部
での結晶面の集積度が(111)>30%、(311)
>10%の組織を有するストリップに鋳造し、該ストリ
ップを80%を越えない加工度の冷間圧延と、750〜
1100℃の温度範囲での軟化焼鈍を少なくとも1回以
上実施し、最終冷間圧延後において板厚方向中央部での
結晶面の集積度が(111)>3%、(311)>10
%、を満足するFe−Ni系合金薄板を得ることを特徴
とする被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板の製造方
法。 - 【請求項5】 最終冷間圧延後、500〜750℃の温
度範囲において歪取り焼鈍を行い、(111)>3%、
(311)>10%を満足するFe−Ni系合金薄板を
得ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31040895A JP3518707B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およびその製造方法 |
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JP31040895A JP3518707B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およびその製造方法 |
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JPH09143627A JPH09143627A (ja) | 1997-06-03 |
JP3518707B2 true JP3518707B2 (ja) | 2004-04-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP31040895A Expired - Lifetime JP3518707B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 被加工性に優れたFe−Ni系合金薄板およびその製造方法 |
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JP2001152292A (ja) * | 1999-11-25 | 2001-06-05 | Nippon Mining & Metals Co Ltd | 磁気特性に優れたセミテンションマスク用Fe−Ni系合金並びにそれを用いたセミテンションマスク及びカラーブラウン管 |
CN104602843A (zh) * | 2012-02-17 | 2015-05-06 | 迪肯大学 | 铸塑铁基特种合金 |
-
1995
- 1995-11-29 JP JP31040895A patent/JP3518707B2/ja not_active Expired - Lifetime
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