JP3516734B2 - 白金担持触媒の製造方法 - Google Patents
白金担持触媒の製造方法Info
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持させた白金担持触媒の製造方法に関する。
ナ、カーボン等の担体を含む塩化白金酸水溶液に、ギ
酸、ギ酸ソーダ、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム
等の還元剤を加え、白金微粒子を還元させて担体に担持
させることにより製造されている。そして、上記製造に
際し、還元された白金微粒子が凝集して粒子径が大きく
なってしまい触媒活性が低下してしまうため、界面活性
剤等を加えて白金微粒子の凝集を防止している。
白金担持触媒の製造方法では、白金微粒子の凝集を防止
するために界面活性剤を加えているものの、凝集防止効
果が不十分で白金濃度にばらつきを生ずる一方、最終製
品から界面活性剤を除去するための洗浄が複雑になった
り、加熱する等の手数がかかる不具合がある。そこで、
本発明は、工程数の増加を招くことなく、白金微粒子を
所望の濃度で均一に担持させ得る白金担持触媒の製造方
法を提供することを特徴とする。
め、本発明の白金担持触媒の製造方法は、担体を含むジ
ニトロジアミン白金硝酸溶液に、白金1モルに対して4
〜 280モルのエタノールを還元反応液全体の1 〜60vol.
%加え、還元反応液の温度を60℃〜沸騰点として白金微
粒子を還元させ担体に担持させることを特徴とする。前
記還元反応液の温度は、好ましくは沸騰点である。前記
エタノールは、好ましくは還元反応液全体の6〜15vol.
%である。又、前記還元反応は、還元反応液が無色にな
るまで継続されることが好ましい。
白金が高担持率で還元されて担持されるために、所望と
する担持白金濃度を持った触媒を作ることができ、かつ
界面活性剤を用いなくても、還元された白金微粒子の凝
集が起こらない。エタノールが、白金1モルに対して4
モル未満であると、白金微粒子の還元が行なわれず、 2
80モルを越えると、白金イオンが反応液に多く残存し、
担体に担持されない。又、エタノールが、還元反応液全
体の 1vol.%未満であると白金イオンとの濃度積が小さ
くなりすぎて白金が還元されず、60vol.%を越えると、
逆にエタノール濃度が高すぎてやはり白金イオンが反応
液に多く残存し、十分に担持されない。なお、還元反応
液が無色になった後も還元反応が継続されると、白金微
粒子の凝集が進行する。
来例を併記して説明する。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して4685mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末123.2gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール 318ml(Pt:EtOH(モル)=
1:34.5、 6.4vol.%)を加えて混合し、還流しながら
加熱して沸騰点で6時間保持し白金微粒子の還元・担持
を行なった。沸騰点は、94.6℃であった。次に、1時間
放冷した後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ
取し、洗浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥
して白金担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還
元廃液の分析結果から白金の還元・担持率99.9%以上
で、X線粉末回析測定から担持された白金微粒子の粒径
が18オングストロームであり、又、透過型電子顕微鏡
(TEM)で白金粒子の分散状態を観察したところ、粒
子同士の凝集がなかった。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して4380mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末110.0gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール 625ml(Pt:EtOH(モル)=
1:34.5、 6.4vol.%)を加えて混合し、還流しながら
加熱して沸騰点で4時間保持し白金微粒子の還元・担持
を行なった。沸騰点は、91.2℃であった。次に、1時間
放冷した後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ
取し、洗浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥
して白金担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還
元廃液の分析結果から白金の還元・担持率99.9%以上
で、X線粉末回析測定から担持された白金微粒子の粒径
が16オングストロームであり、又、TEMで白金粒子の
分散状態を観察したところ、粒子同士の凝集がなかっ
た。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して4110mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末123.2gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール 900ml(Pt:EtOH(モル)=
1:97.6、18.0vol.%)を加えて混合し、還流しながら
加熱して沸騰点で4時間保持し白金微粒子の還元・担持
を行なった。沸騰点は、90.3℃であった。次に、1時間
放冷した後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ
取し、洗浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥
して白金担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還
元廃液の分析結果から白金の還元・担持率98.3%で、X
線粉末回析測定から担持された白金微粒子の粒径が19オ
ングストロームであり、又、TEMで白金粒子の分散状
態を観察したところ、粒子同士の凝集がなかった。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して2510mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末110.0gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール2500ml(Pt:EtOH(モル)=
1: 271.2、50.0vol.%)を加えて混合し、還流しなが
ら加熱して沸騰点で白金イオンの残留が認められなくな
るまで20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行なっ
た。沸騰点は82.8℃であった。次に、1時間放冷した
後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ取し、洗
浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥して白金
担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還元廃液
(白金イオンが残っているため無色とならなかった。)
の分析結果から白金の還元・担持率96.7%で、X線粉末
回析測定から担持された白金微粒子の粒径が17オングス
トロームであり、又、TEMで白金粒子の分散状態を観
察したところ、粒子同士の凝集がなかった。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して4930mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末123.2gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール70ml(Pt:EtOH(モル)=1.7
6、1.4vol. %)を加えて混合し、還流しながら加熱し
て沸騰点で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行な
った。沸騰点は98.7℃であった。次に、1時間放冷した
後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ取し、洗
浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥して白金
担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還元廃液の
分析結果から白金の還元・担持率99.9%で、X線粉末回
析測定から担持された白金微粒子の粒径が28オングスト
ロームであった。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して4725mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末123.2gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール 275ml(Pt:EtOH(モル)=
1:29.8、 5.5vol.%)を加えて混合し、還流しながら
加熱して沸騰点で7時間保持し白金微粒子の還元・担持
を行なった。沸騰点は96.1℃であった。次に、1時間放
冷した後、白金微粒子が担持されたカーボン担体をろ取
し、洗浄し、空気中において60℃の温度で16時間乾燥し
て白金担持触媒を得た。得られた白金担持触媒は、還元
廃液の分析結果から白金の還元・担持率99.9%で、X線
粉末回析測定から担持された白金微粒子の粒径が23オン
グストロームであった。
アミン白金硝酸液を純水で希釈して4380mlの溶液とし、
これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 1
10.0gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特
級エタノール 625ml(Pt:EtOH(モル)=1:6
7.8、12.5vol.%)を加えて混合し、還流しながら85℃
の温度に加熱して20時間保持し白金微粒子の還元・担持
を行なった。次に、1時間放冷した後、白金微粒子が担
持されたカーボン担体をろ取し、洗浄し、空気中におい
て60℃の温度で16時間乾燥して白金担持触媒を得た。得
られた白金担持触媒は、還元廃液(白金イオンが残って
いるため無色とならなかった。)の分析結果から白金の
還元・担持率94.8%で、X線粉末回析測定から担持され
た白金微粒子の粒径が21オングストロームであった。
アミン白金硝酸溶液を純水で希釈して2510mlの溶液と
し、これにカーボン担体としてアセチレンブラックの粉
末110.0gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試
薬特級エタノール2500ml(Pt:EtOH(モル)=
1: 271.2、50vol.%)を加えて混合し、還流しながら
60℃の温度に加熱して16時間保持し白金微粒子の還元・
担持を行なった。次に、1時間放冷した後、白金微粒子
が担持されたカーボン担体をろ取し、洗浄し、空気中に
おいて60℃の温度で16時間乾燥して白金担持触媒を得
た。得られた白金担持触媒は、還元廃液の分析結果から
白金の還元・担持率88%で、X線粉末回析測定から担持
された白金微粒子の粒径が17オングストロームであっ
た。
白金硝酸溶液を純水で希釈して2475mlの溶液とし、これ
にカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 123.2
gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特級エ
タノール25ml(Pt:EtOH(モル)=1:2.7 、1
vol.%)を加えて混合し、還流しながら加熱して沸騰点
で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行った。沸騰
点は99.0℃であった。しかし、1時間放冷した後ろ過し
てみると、廃液はまた黄色で廃液の分析結果から投入し
た白金の90%以上が担持されず、液中に残存しているこ
とがわかった。
白金硝酸溶液を純水で希釈して3970mlの溶液とし、これ
にカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 123.2
gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特級エ
タノール3250ml(Pt:EtOH(モル)=1: 352.
6、45vol.%)を加えて混合し、還流しながら加熱して
沸騰点で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行っ
た。沸騰点は83.0℃であった。しかし、1時間放冷した
後ろ過してみると、廃液はまた黄色で廃液の分析結果か
ら白金の還元・担持率は60%程度であった。
白金硝酸溶液を純水で希釈して4380mlの溶液とし、これ
にカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 110.0
gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特級エ
タノール 625ml(Pt:EtOH(モル)=1:67.8、
12.5vol.%)を加えて混合し、還流しながら加熱して55
℃で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行った。し
かし、1時間放冷した後ろ過してみると、廃液はまた黄
色で廃液の分析結果から投入した白金の95%以上が担持
されず、液中に残存していることがわかった。
白金硝酸溶液を純水で希釈して9930mlの溶液とし、これ
にカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 123.2
gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特級エ
タノール70ml(Pt:EtOH(モル)=1: 7.6、
0.7vol.%)を加えて混合し、還流しながら加熱して沸
騰点で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行った。
沸騰点は99.3℃であった。しかし、1時間放冷した後ろ
過してみると、廃液はまた黄色で廃液の分析結果から投
入した白金の90%以上が担持されず、液中に残存してい
ることがわかった。
白金硝酸溶液を純水で希釈して1070mlの溶液とし、これ
にカーボン担体としてアセチレンブラックの粉末 123.2
gを加えて混合した。次いで、上記混合液に試薬特級エ
タノール2500ml(Pt:EtOH(モル)=1: 271.
2、70vol.%)を加えて混合し、還流しながら加熱して
沸騰点で20時間保持し白金微粒子の還元・担持を行っ
た。沸騰点は80.2℃であった。しかし、1時間放冷した
後ろ過してみると、廃液はまた黄色で廃液の分析結果か
ら白金の還元・担持率は80%程度であった。
100mlの混合液に、ポリビニルアルコール2gを溶解
し、これに白金濃度20g/1の塩化白金酸溶液 100mlを
加え、アンモニア水でpH 2.2に調整した後蒸留水で全
量 500mlとした。次いで上記混合液にカーボン担体とし
てアセチレンブラックの粉末20gを加えてよく混合し
た。その後、混合液を還流しながら70℃の温度で加熱し
6時間保持して白金微粒子の還元・担持を行なった。次
に、1時間放冷した後、白金微粒子が担持されたカーボ
ン担体をろ取し、洗浄し、更に乾燥して白金担持触媒を
得た。得られた白金担持触媒は、還元廃液の分析結果か
ら白金の還元・担持率94%で、X線粉末回析測定から担
持された白金微粒子の粒径が30〜50オングストロームと
大きく、ばらつきもあり、TEMで白金粒子の分散状態
を観察したところ、ところどころに白金微粒子の凝集が
見られた。
触媒の製造方法によれば、白金が高還元率で還元されて
担持され、かつ界面活性剤を用いなくても、還元された
白金微粒子の凝集が起こらないので、従来に比べて工程
数を低減できると共に、白金微粒子を所望の濃度で均一
に担持させた白金担持触媒を得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 担体を含むジニトロジアミン白金硝酸溶
液に、白金1モルに対して4 〜 280モルのエタノールを
還元反応液全体の1〜60vol.%加え、還元反応液の温度
を60℃〜沸騰点として白金微粒子を還元させ、担体に担
持させることを特徴とする白金担持触媒の製造方法。 - 【請求項2】 前記還元反応液の温度が沸騰点であるこ
とを特徴とする請求項1記載の白金担持触媒の製造方
法。 - 【請求項3】 前記エタノールが、還元反応液全体の6
〜15vol.%であることを特徴とする請求項1または2
記載の白金担持触媒の製造方法。 - 【請求項4】 前記還元反応が、還元反応液が無色にな
るまで、継続されることを特徴とする請求項1ないし3
記載の白金担持触媒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24885994A JP3516734B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 白金担持触媒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24885994A JP3516734B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 白金担持触媒の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0884930A JPH0884930A (ja) | 1996-04-02 |
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Family
ID=17184493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24885994A Expired - Lifetime JP3516734B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 白金担持触媒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3516734B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7390770B2 (en) | 2005-04-15 | 2008-06-24 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Catalyst for purifying an exhaust gas and a preparation process of the catalyst |
US11239473B2 (en) | 2017-04-19 | 2022-02-01 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Catalyst for solid polymer fuel cells and method for manufacturing the same |
US11362342B2 (en) | 2017-04-18 | 2022-06-14 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Catalyst for solid polymer fuel cells and method for producing the same |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6757933B2 (ja) * | 2016-09-02 | 2020-09-23 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター | 白金担持体とそれを用いた酸素還元触媒およびその製造方法ならびに燃料電池、金属空気電池 |
JP7072040B1 (ja) | 2020-12-10 | 2022-05-19 | 株式会社キャタラー | 燃料電池用触媒及びその製造方法 |
JP7093860B1 (ja) | 2021-01-19 | 2022-06-30 | 株式会社キャタラー | 燃料電池電極触媒 |
-
1994
- 1994-09-16 JP JP24885994A patent/JP3516734B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11362342B2 (en) | 2017-04-18 | 2022-06-14 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Catalyst for solid polymer fuel cells and method for producing the same |
US11239473B2 (en) | 2017-04-19 | 2022-02-01 | Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. | Catalyst for solid polymer fuel cells and method for manufacturing the same |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0884930A (ja) | 1996-04-02 |
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