JP3516626B2 - ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ - Google Patents

ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ

Info

Publication number
JP3516626B2
JP3516626B2 JP2000058235A JP2000058235A JP3516626B2 JP 3516626 B2 JP3516626 B2 JP 3516626B2 JP 2000058235 A JP2000058235 A JP 2000058235A JP 2000058235 A JP2000058235 A JP 2000058235A JP 3516626 B2 JP3516626 B2 JP 3516626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lever
governor
fuel
wear
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000058235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001248456A (ja
Inventor
真裕 長浜
達行 中村
節男 山田
俊一 萬羽
慶太 内藤
祐彦 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2000058235A priority Critical patent/JP3516626B2/ja
Publication of JP2001248456A publication Critical patent/JP2001248456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516626B2 publication Critical patent/JP3516626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の遠心式ガバナに関し、さらに詳しくはエンジン運転時
の燃料噴射量を一定に制御する技術に関する。
【0002】
【従来技術】ディーゼルエンジンの遠心式ガバナとして
は、従来より例えば図5に示すものが知られている。こ
こで、図5は従来例に係る遠心式ガバナの正面図、図6
はその遠心式ガバナの模式図で全負荷運転状態を示す
図、図7は遠心式ガバナの模式図で過負荷運転状態を示
す図である。
【0003】図5〜図7に示すように、この遠心式ガバ
ナ101は、揺動支軸102でそれぞれ揺動可能に枢支
した第1レバー103と第2レバー104とからガバナ
レバー105を構成し、上記第1レバー103の入力部
106にガバナウエイト107を連動連結するととも
に、出力部108にスタートスプリング109と燃料噴
射ポンプ110の調量具111であるラックピン112
を連動連結し、上記第2レバー104にガバナスプリン
グ113を介して調速レバー114を連結し、スタート
スプリング109とガバナスプリング113により上記
ラックピン112を燃料増量側Rへ弾圧するのに対し
て、ガバナウエイト107のガバナ力Gにより第1レバ
ー103を介してラックピン112を燃料減量側Lへ押
圧する。
【0004】そして上記燃料増量側Rへの弾圧力と燃料
減量側Lへの押圧力との不釣り合い力でガバナレバー1
05を揺動させてラックピン112を調量移動させるよ
うに構成する。また、第2レバー104の揺動接当部1
15を揺動規制ピン116で全負荷相当位置(4/4)
に受け止めるように構成してある。なお、揺動規制ピン
116は全負荷相当位置(4/4)の燃料規制具117
として機能している。
【0005】図6に示すように、トルクアップ装置11
8は、ケース本体119と、ケース本体119の先端側
より進退自在に突出して第2レバー104の受止部12
0に弾圧接当可能に臨むトルクピン121と、上記ケー
ス本体119内に収容されて上記トルクピン121を弾
圧付勢するトルクスプリング122とから構成してあ
り、エンジンが図6に示す全負荷運転状態から図7に示
す過負荷運転状態に移行したとき、図7に示すようにト
ルクピン121を突出させることにより、第1レバー1
03を燃料増量側Rへ揺動させて燃料噴射量を多くして
粘り強さを発揮させるように構成してある。なお、図5
中の符号123はガバナケースを、124はガバナウエ
イト107を回転させるガバナ軸をそれぞれ示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、下
記の課題がある。エンジンを長時間運転すれば、図6に
示す前記揺動接当部115の接当面126と揺動規制ピ
ン116の接当面127に摩耗が生じる。このような摩
耗が生じると図8に示すように、第2レバー104の位
置は摩耗前に比べて増量側に操作されることになり、第
2レバー104の受止部120で受け止められる第1レ
バー103の位置も増量側に操作され、結果としてラッ
クピン112も全負荷相当位置(4/4)よりも増量側
に位置することになってしまう。
【0007】摩耗により燃料噴射量が増量することは、
上記揺動規制ピン116、揺動接当部115の摩耗に限
らず、ラックピン112の摩耗によっても生じる。図9
(A)は摩耗していない初期状態でのラックピン位置を
示し、図9(B)は、ラックピン112が摩耗した場合
又は第1レバー103の出力部108が摩耗した場合の
ラックピン位置を示す図である。
【0008】また、図5、図9に示すように第1レバー
103の出力部108と挟持部材129によってラック
ピン112を挟み込み、挟持部材129をスタートスプ
リング109により常時引っ張る構成では、図9(B)
に示すようにラックピン112の増量側の接当面130
が第1レバー出力部108の接当面131に常に圧接さ
れることになるので摩耗が生じた場合には、ラックピン
112の中央位置が増量側に摩耗分dだけずれることに
なる。したがって、全負荷相当位置(4/4)に操作さ
れるときでも、増量側にずれた位置に操作されることに
なる。
【0009】さらに、図6においてeで示すように、ガ
バナフォースGが入力する第1レバー103の入力部1
06の接当面132とガバナスリーブ125(図5参
照)の接当面134が摩耗しても、ラックピン112の
位置は増量側にずれることになる。このように、全負荷
相当位置(4/4)の燃料制限具117に関する接当面
126・127の摩耗、調量具111に関する接当面1
30・131の摩耗、第1レバー103の入力部106
に関する接当面132・134の摩耗は、それぞれ燃料
増量方向に摩耗することになるので、このような状態で
エンジンの運転を継続すれば、予め設定された噴射量よ
りも多くの燃料が噴射されることになり、排気ガス中の
有害物質が増加してしまうという問題がある。
【0010】この問題に対して、予め摩耗する分を見越
して全負荷相当位置(4/4)を設定しておけば摩耗し
たときでも上記不都合を解消できるが、この解決方法で
あると摩耗が起こらない初期状態で燃料噴射量が通常よ
り少なく設定されてしまうことになり、エンジン出力が
低下する問題がある。
【0011】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、上記課題を解決できる、ディー
ゼルエンジンの遠心式ガバナを提供することにある。具
体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。 (a)簡単安価な方法で、遠心式ガバナの機構部の摩耗に
よって燃料が増量された状態で運転されることを抑制す
ることができる、ディーゼルエンジンの遠心式ガバナを
提供する。なお、上記に記載した以外の発明の課題及び
その解決手段は、後述する明細書内の記載において詳し
く説明する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明を、例えば、本発
明の実施の形態を示す図1から図4に基づいて説明する
と、次のように構成したものである。なお、第1発明、
第2発明、第3発明はそれぞれ下記前提構成Aにおいて
適用される。
【0013】(前提構成A)揺動支軸2でそれぞれ揺動
可能に枢支した少なくとも第1レバー3と第2レバー4
とからガバナレバー5を構成し、上記第1レバー3の入
力部6にガバナウエイト7を連動連結するとともに、第
1レバー3の出力部8にスタートスプリング9と燃料噴
射ポンプ10の調量具11を連動連結し、上記第2レバ
ー4にガバナスプリング13を介して調速レバー14を
連結し、スタートスプリング9とガバナスプリング13
とにより上記調量具11を燃料増量側Rへ弾圧するのに
対して、ガバナウエイト7のガバナ力Gの付勢により第
1レバー3の入力部6を介して調量具11を燃料減量側
Lへ押圧させ、上記燃料増量側Rへの弾圧力と燃料減量
側Lへの押圧力との不釣り合い力でガバナレバー5を揺
動させて調量具11を調量移動させるように構成し、燃
料規制具17は、全負荷運転状態のとき、第2レバー4
の揺動接当部15を受け止めて規制するように構成し、
第1レバー3と第2レバー4との間にトルクアップ装置
18を介在させ、エンジンの全負荷運転状態から過負荷
運転状態の移行に連動して燃料噴射量を増量させるよう
に構成し、第2レバー4にトルクアップ装置18の先端
部34を受け止める受止部20を設け、燃料規制具17
で第2レバー4を受け止めたとき、トルクアップ装置1
8の先端部34は受止部20で受け止められることによ
り第1レバー3の出力部8によって操作される調量具1
1の位置が全負荷相当位置(4/4)になるように設定
した、ディーゼルエンジンの遠心式ガバナである。
【0014】第1発明は、上記前提構成Aを有するディ
ーゼルエンジンの遠心式ガバナにおいて、燃料規制具1
7、第2レバー4の揺動接当部15の少なくとも一方の
摩耗に起因する調量具11の燃料増量側への移動量を減
らすように、トルクアップ装置18の先端部34と、第
2レバー4の受止部20の少なくとも一方に摩耗しやす
摩耗調整部38を設けたことを特徴とする。第2発明
は、上記前提構成Aを有するディーゼルエンジンの遠心
式ガバナにおいて、調量具11、第1レバー4の出力部
8の少なくとも一方の摩耗に起因する調量具11の燃料
増量側への移動量を減らすように、トルクアップ装置1
8の先端部34と、第2レバー4の受止部20の少なく
とも一方に摩耗しやすい摩耗調整部38を設けたことを
特徴とする。
【0015】第3発明は、上記前提構成Aを有するディ
ーゼルエンジンの遠心式ガバナにおいて、ガバナ力Gの
付勢部材42、第1レバー3の入力部6の少なくとも一
方の摩耗に起因する調量具11の燃料増量側への移動量
を減らすように、トルクアップ装置18の先端部34
と、第2レバー4の受止部20の少なくとも一方に摩耗
しやすい摩耗調整部38を設けたことを特徴とする。
【0016】さらに、第1発明〜第3発明について説明
する。第1発明〜第3発明において、「少なくとも第1
レバー3と第2レバー4とからガバナレバー5を構成
し」としたのは、2本以上のレバーでガバナレバー5を
構成することを意味し、後述する実施形態に示すよう
に、例えば第1レバー3と第2レバー4との間に第3レ
バー28を介在させるガバナレバー5も排除しない意味
である。第2発明の前提構成が、図2(図9参照)に示
したような、ラックピン12を第1レバー3の出力部8
と挟持部材29によって挟み込み、挟持部材29をスタ
ートスプリング9により常時引っ張る構成である場合
は、第1レバー3の出力部8と調量具11が常に増量側
接当面において圧接した状態になるため増量側接当面の
摩耗が激しく、第2発明を採用することの利点が特に高
い。
【0017】第1発明〜第3発明において、摩耗調整部
38は形状、材質の少なくとも一方において、遠心式ガ
バナ1の他の機構部に比べて摩耗しやすい構成としてあ
ることが好ましい。第1発明、第2発明において、揺動
支軸2からトルクアップ装置18の先端部34の位置ま
での距離が、揺動支軸2から第1レバー3の出力部8の
位置までの距離や、揺動支軸2から揺動規制ピン16の
位置までの距離に比べて長く形成される構成の場合は、
各長さの比に対応して摩耗調整部38は前記出力部9、
前記揺動規制ピン16の摩耗量に比べて少なく設定す
る。また、運転始めの状態から長期間運転後まで、全負
荷状態での燃料噴射量をいつも適正状態に補正できるよ
うに摩耗調整部38の摩耗の進み方を設定することが好
ましい。
【0018】第1発明は、少なくとも燃料規制具17、
第2レバー4の揺動接当部15の少なくとも一方の摩耗
に起因する調量具11の燃料増量側への移動量を減らす
ような摩耗調整部38が設けてあれば良いものである。
但し、第1発明において、第2発明、第3発明の摩耗の
原因をも考慮し、それらの原因を加えた燃料増量側への
移動量を相殺するように摩耗調整部38を多めに設定す
ることもできる。また、同様に、第2発明においても第
1発明、第3発明の少なくとも一方の摩耗の原因を見込
んで摩耗調整部38を多めに設定することもでき、第3
発明においても第1発明、第2発明の少なくとも一方の
摩耗の原因を見込んで摩耗調整部38を多めに設定する
こともできる。
【0019】
【作用及び効果】第1発明であれば、トルクアップ装置
の先端部と、第2レバーの受止部の少なくとも一方に摩
耗調整部を設けたので、その摩耗調整部の摩耗分だけ調
量具を減量側に操作させることができ、燃料規制具、第
2レバーの揺動接当部の少なくとも一方の摩耗に起因す
る調量具の燃料増量側への移動量を減らすことができ、
本来、全負荷相当位置に運転されるべき時に、全負荷相
当位置を超える運転状態が続くことを抑制することがで
きる。
【0020】第2発明であれば、トルクアップ装置の先
端部と、第2レバーの受止部の少なくとも一方に摩耗調
整部を設けたので、その摩耗調整部の摩耗分だけ調量具
を減量側に操作させることができ、調量具、第1レバー
の出力部の少なくとも一方の摩耗に起因する調量具の燃
料増量側への移動量を減らすことができ、本来、全負荷
相当位置に運転されるべき時に、全負荷相当位置を超え
る運転状態が続くことを抑制することができる。第3発
明であれば、トルクアップ装置の先端部と、第2レバー
の受止部の少なくとも一方に摩耗調整部を設けたので、
その摩耗調整部の摩耗分だけ調量具を減量側に操作させ
ることができ、ガバナ力Gの付勢部材、第1レバーの入
力部の少なくとも一方の摩耗に起因する調量具の燃料増
量側への移動量を減らすことができ、本来、全負荷相当
位置に運転されるべき時に、全負荷相当位置を超える運
転状態が続くことを抑制することができる。
【0021】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は本発明の第1実施形態を示すディー
ゼルエンジンの遠心式ガバナの模式図、図2は本発明に
係る遠心式ガバナの正面図、図3は摩耗後のディーゼル
エンジンの遠心式ガバナの模式図である。
【0022】図1、図2に示すように、この遠心式ガバ
ナ1は、揺動支軸2でそれぞれ揺動可能に枢支した第1
レバー3と第2レバー4とからガバナレバー5を構成
し、上記第1レバー3の入力部6にガバナウエイト7を
連動連結するとともに、第1レバー3の出力部8にスタ
ートスプリング9と燃料噴射ポンプ10の調量具11で
あるラックピン12を連動連結し、上記第2レバー4に
ガバナスプリング13を介して調速レバー14を連結
し、スタートスプリング9とガバナスプリング13とに
より上記ラックピン12を燃料増量側Rへ弾圧するのに
対して、ガバナウエイト7のガバナ力Gにより第1レバ
ー3を介してラックピン12を燃料減量側Lへ押圧す
る。そして上記燃料増量側Rへの弾圧力と燃料減量側L
への押圧力との不釣り合い力でガバナレバー5を揺動さ
せてラックピン12を調量移動させるように構成してあ
る。また、第2レバー4の揺動接当部15を揺動規制ピ
ン16で構成された燃料規制具17で全負荷相当位置4
/4に受け止めるように構成してある。
【0023】上記トルクアップ装置18は、ケース本体
19と、ケース本体19の先端側より進退自在に突出し
て第2レバー4の受止部20に弾圧接当可能に臨むトル
クピン21と、上記ケース本体19内に収容されて上記
トルクピン21を弾圧付勢すすトルクスプリング22と
から構成してあり、エンジンが全負荷運転状態から過負
荷運転状態に移行したとき、図2に示すようにトルクピ
ン21を突出させることにより、第1レバー3を燃料増
量側Rへ揺動させて燃料噴射量を多くして粘り強さを発
揮させるように構成されている。
【0024】また、第2レバー4にトルクアップ装置1
8の先端部34を受け止める受止部20を設け、燃料規
制具17で第2レバー4を受け止めたとき、トルクアッ
プ装置18の先端部34が受止部20で受け止められる
ことにより第1レバー3の出力部8によって操作される
調量具11の位置が全負荷相当位置(4/4)になるよ
うに設定してある。
【0025】なお、図1に示す模式図は図2に示す構成
図と異なり、揺動支軸2に支持される第3レバー28に
トルクアップ装置18を固定して、第3レバー28と第
1レバー3の受止部35を介して第1レバー3を燃料増
量側に操作するように構成してある。この構成を採用す
ることにより、エンジン起動時にスタートスプリング9
の張力により、ラックピン12をスタート増量位置(S
t)に操作するときに第1レバー3だけを操作して始動
操作を行うことができる。また、ガバナケース23の壁
面に固定されたトルクアップ量制限ピン36は第3レバ
ー28を所定位置で受け止めるもので、トルクピン21
の突出量を制限して、トルクアップ時の燃料噴射量の最
大量(Tu)を規定するためのものである。
【0026】以下、本実施形態の特徴構成について説明
する。本実施形態では、燃料規制具17に関する接当面
126・127(図6参照)の摩耗に対して、燃料が増
量しないように、トルクアップ装置18のケース本体1
9の先端部34を、第1レバー3、第2レバー4、ラッ
クピン12などの他のガバナ部品に比べて摩耗しやすい
材料で製造するとともに、摩耗しやすい形状に構成して
ある。
【0027】図4(A1)は本実施形態のトルクアップ
装置の縦断面図、図4(A2)はトルクアップ装置を先
端部側から見た図である。図4(A1)に示すようにト
ルクアップ装置18における第2レバー側の円錐形の先
端部34にトルクピン突出穴37を開口して、摩耗しや
すい材質、形状の摩耗調整部38を設けている。この摩
耗調整部38の長さKは、0.10mmから0.50m
m、好ましくは、0.15mmから0.20mm程度と
される。
【0028】上記構成の第1実施形態の作用について説
明する。エンジンを長時間運転した場合には、トルクア
ップ装置18の円筒形の摩耗調整部38が第2レバー4
の受止部20と接触して摩耗することにより、第1レバ
ー3が燃料減量側Lへ移動するので、揺動規制ピン16
の摩耗によりラックピン12が燃料増量側Rへ移動して
燃料噴射量が増量になることを抑制することができる。
また、揺動規制ピン16の摩耗を実験的に解析すること
により、摩耗調整部38の摩耗により、揺動規制ピン1
6の摩耗によって生じる燃料増量をほぼ完全に補正する
こともできる。図3は揺動規制ピン16が摩耗した場合
を示す図であり、模式的に摩耗調整部がなくなった状態
を示している。このようにトルクアップ装置18の摩耗
調整部38(図1、図4(A1)参照)が摩耗すること
により、調量具11は全負荷相当位置(4/4)を維持
することができる。
【0029】図4(B1)(B2)、図4(C1)(C
2)は、それぞれ前記摩耗調整部38の他の構成例を示
す図である。図4(B1)(B2)は、トルクアップ装
置18のトルクピン突出穴37の内側に耐摩耗性が弱い
金属、例えば、銅などで形成された摩耗性円筒39を立
設することにより、摩耗調整部38を形成した実施形態
である。摩耗性円筒39を構成する方法は、前記した銅
のようにトルクアップ装置18のケース本体19とは別
の摩耗性材料を用いる場合でも、ケース本体19の材料
で一体成形して摩耗性円筒39を構成する場合でもよ
い。なお、ケース本体19の材料で摩耗性円筒39を構
成する場合は、摩耗性円筒39の肉厚を薄くして摩耗し
やすくする。
【0030】図2(C1)(C2)は、図4(B1)で
説明した円柱形のトルクアップ装置18の先端面40に
摩耗しやすい摩耗層41を形成した構成としてある。こ
のような摩耗層41の例としては、摩耗しやすいアルミ
ニウムを接着する構成や、摩耗しやすい樹脂をコーティ
ングする構成が例示できる。図4(B1)(B2)、図
4(C1)(C2)に示した他の2つの実施形態におい
ても前記第1実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0031】さらに、従来例で説明した調量具111に
関する接当面130・131の摩耗、ガバナフォースG
が入力する第1レバー103の入力部106に関する接
当面132の摩耗においても、第1実施形態のように、
第2レバーの受止部に受け止められるトルクアップ装置
の先端部に摩耗調整部を設けることにより、それらの摩
耗による増量を小さく押さえることができる。また、摩
耗調整部を第2レバーの受止部に設ける構成も採用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態を示すディーゼル
エンジンの遠心式ガバナの模式図である。
【図2】図2は本発明に係る遠心式ガバナの正面図であ
る。
【図3】図3は第1実施形態において揺動規制具が摩耗
した場合を示す遠心式ガバナの模式図である。
【図4】図4(A1)(A2),図4(B1)(B
2),図4(C1)(C2)はそれぞれ、本発明におけ
る摩耗調整部の構成を示す図である。
【図5】図5は従来例に係る遠心式ガバナの正面図であ
る。
【図6】図6は遠心式ガバナの模式図であり全負荷運転
状態を示す図である。
【図7】図7は遠心式ガバナの模式図であり過負荷運転
状態を示す図である。
【図8】図8は燃料規制具に関する接当面の摩耗により
調量具が増量側へ移動した状態を示す図である。
【図9】図9(A)(B)は調量具に関する接当面の摩
耗による増量側への移動を説明するための図である。
【符号の説明】
2…揺動支軸、3…第1レバー、4…第2レバー、5…
ガバナレバー、6…第1レバーの入力部、7…ガバナウ
エイト、8…第1レバーの出力部、9…スタートスプリ
ング、10…燃料噴射ポンプ、11…調量具、13…ガ
バナスプリング、14…調速レバー、15…第2レバー
の揺動接当部、17…燃料規制具、18…トルクアップ
装置、20…第2レバーの受止部、34…トルクアップ
装置の先端部、38…摩耗調整部、42…ガバナ力の付
勢部材、R…燃料増量側、L…燃料減量側、G…ガバナ
力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萬羽 俊一 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社 クボタ堺臨海工場内 (72)発明者 内藤 慶太 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社 クボタ堺臨海工場内 (72)発明者 藤原 祐彦 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社 クボタ堺臨海工場内 (56)参考文献 特開2000−45796(JP,A) 実開 昭58−173735(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/02 321 F02D 1/04 F02D 31/00 301 F02M 59/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動支軸(2)でそれぞれ揺動可能に枢支
    した少なくとも第1レバー(3)と第2レバー(4)とから
    ガバナレバー(5)を構成し、 上記第1レバー(3)の入力部(6)にガバナウエイト(7)
    を連動連結するとともに、第1レバー(3)の出力部(8)
    にスタートスプリング(9)と燃料噴射ポンプ(10)の調
    量具(11)を連動連結し、 上記第2レバー(4)にガバナスプリング(13)を介して
    調速レバー(14)を連結し、スタートスプリング(9)と
    ガバナスプリング(13)とにより上記調量具(11)を燃
    料増量側(R)へ弾圧するのに対して、ガバナウエイト
    (7)のガバナ力(G)の付勢により第1レバー(3)の入力
    部(6)を介して調量具(11)を燃料減量側(L)へ押圧さ
    せ、上記燃料増量側(R)への弾圧力と燃料減量側(L)へ
    の押圧力との不釣り合い力でガバナレバー(5)を揺動さ
    せて調量具(11)を調量移動させるように構成し、 燃料規制具(17)は、全負荷運転状態のとき、第2レバ
    ー(4)の揺動接当部(15)を受け止めて規制するように
    構成し、 第1レバー(3)と第2レバー(4)との間にトルクアップ
    装置(18)を介在させ、エンジンの全負荷運転状態から
    過負荷運転状態の移行に連動して燃料噴射量を増量させ
    るように構成し、 第2レバー(4)にトルクアップ装置(18)の先端部(3
    4)を受け止める受止部(20)を設け、燃料規制具(1
    7)で第2レバー(4)を受け止めたとき、トルクアップ
    装置(18)の先端部(34)は受止部(20)で受け止めら
    れることにより第1レバー(3)の出力部(8)によって操
    作される調量具(11)の位置が全負荷相当位置(4/4)
    になるように設定した、ディーゼルエンジンの遠心式ガ
    バナにおいて、 燃料規制具(17)、第2レバー(4)の揺動接当部(15)
    の少なくとも一方の摩耗に起因する調量具(11)の燃料
    増量側への移動量を減らすように、トルクアップ装置
    (18)の先端部(34)と、第2レバー(4)の受止部(2
    0)の少なくとも一方に摩耗しやすい摩耗調整部(38)
    を設けたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの遠心
    式ガバナ。
  2. 【請求項2】 揺動支軸(2)でそれぞれ揺動可能に枢支
    した少なくとも第1レバー(3)と第2レバー(4)とから
    ガバナレバー(5)を構成し、 上記第1レバー(3)の入力部(6)にガバナウエイト(7)
    を連動連結するとともに、第1レバー(3)の出力部(8)
    にスタートスプリング(9)と燃料噴射ポンプ(10)の調
    量具(11)を連動連結し、 上記第2レバー(4)にガバナスプリング(13)を介して
    調速レバー(14)を連結し、スタートスプリング(9)と
    ガバナスプリング(13)とにより上記調量具(11)を燃
    料増量側(R)へ弾圧するのに対して、ガバナウエイト
    (7)のガバナ力(G)の付勢により第1レバー(3)の入力
    部(6)を介して調量具(11)を燃料減量側(L)へ押圧さ
    せ、上記燃料増量側(R)への弾圧力と燃料減量側(L)へ
    の押圧力との不釣り合い力でガバナレバー(5)を揺動さ
    せて調量具(11)を調量移動させるように構成し、 燃料規制具(17)は、全負荷運転状態のとき、第2レバ
    ー(4)の揺動接当部(15)を受け止めて規制するように
    構成し、 第1レバー(3)と第2レバー(4)との間にトルクアップ
    装置(18)を介在させ、エンジンの全負荷運転状態から
    過負荷運転状態の移行に連動して燃料噴射量を増量させ
    るように構成し、 第2レバー(4)にトルクアップ装置(18)の先端部(3
    4)を受け止める受止部(20)を設け、燃料規制具(1
    7)で第2レバー(4)を受け止めたとき、トルクアップ
    装置(18)の先端部(34)は受止部(20)で受け止めら
    れることにより第1レバー(3)の出力部(8)によって操
    作される調量具(11)の位置が全負荷相当位置(4/4)
    になるように設定した、ディーゼルエンジンの遠心式ガ
    バナにおいて、 調量具(11)、第1レバー(4)の出力部(8)の少なくと
    も一方の摩耗に起因する調量具(11)の燃料増量側への
    移動量を減らすように、トルクアップ装置(18)の先端
    部(34)と、第2レバー(4)の受止部(20)の少なくと
    も一方に摩耗しやすい摩耗調整部(38)を設けたことを
    特徴とする、ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ。
  3. 【請求項3】 揺動支軸(2)でそれぞれ揺動可能に枢支
    した少なくとも第1レバー(3)と第2レバー(4)とから
    ガバナレバー(5)を構成し、 上記第1レバー(3)の入力部(6)にガバナウエイト(7)
    を連動連結するとともに、第1レバー(3)の出力部(8)
    にスタートスプリング(9)と燃料噴射ポンプ(10)の調
    量具(11)を連動連結し、 上記第2レバー(4)にガバナスプリング(13)を介して
    調速レバー(14)を連結し、スタートスプリング(9)と
    ガバナスプリング(13)とにより上記調量具(11)を燃
    料増量側(R)へ弾圧するのに対して、ガバナウエイト
    (7)のガバナ力(G)の付勢により第1レバー(3)の入力
    部(6)を介して調量具(11)を燃料減量側(L)へ押圧さ
    せ、上記燃料増量側(R)への弾圧力と燃料減量側(L)へ
    の押圧力との不釣り合い力でガバナレバー(5)を揺動さ
    せて調量具(11)を調量移動させるように構成し、 燃料規制具(17)は、全負荷運転状態のとき、第2レバ
    ー(4)の揺動接当部(15)を受け止めて規制するように
    構成し、 第1レバー(3)と第2レバー(4)との間にトルクアップ
    装置(18)を介在させ、エンジンの全負荷運転状態から
    過負荷運転状態の移行に連動して燃料噴射量を増量させ
    るように構成し、 第2レバー(4)にトルクアップ装置(18)の先端部(3
    4)を受け止める受止部(20)を設け、燃料規制具(1
    7)で第2レバー(4)を受け止めたとき、トルクアップ
    装置(18)の先端部(34)は受止部(20)で受け止めら
    れることにより第1レバー(3)の出力部(8)によって操
    作される調量具(11)の位置が全負荷相当位置(4/4)
    になるように設定した、ディーゼルエンジンの遠心式ガ
    バナにおいて、 ガバナ力(G)の付勢部材(42)、第1レバー(3)の入力
    部(6)の少なくとも一方の摩耗に起因する調量具(11)
    の燃料増量側への移動量を減らすように、トルクアップ
    装置(18)の先端部(34)と、第2レバー(4)の受止部
    (20)の少なくとも一方に摩耗しやすい摩耗調整部(3
    8)を設けたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの
    遠心式ガバナ。
JP2000058235A 2000-03-03 2000-03-03 ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ Expired - Fee Related JP3516626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058235A JP3516626B2 (ja) 2000-03-03 2000-03-03 ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058235A JP3516626B2 (ja) 2000-03-03 2000-03-03 ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001248456A JP2001248456A (ja) 2001-09-14
JP3516626B2 true JP3516626B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=18578859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000058235A Expired - Fee Related JP3516626B2 (ja) 2000-03-03 2000-03-03 ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3516626B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001248456A (ja) 2001-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS587814B2 (ja) フンシヤナイネンキカンヨウ ノ エンシンチヨウソクキ
JPS6038540B2 (ja) 噴射式内燃機関の遠心式回転数調整機
JP3516626B2 (ja) ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ
JPH0730718B2 (ja) 燃料噴射ポンプ用の調速機
JP3516627B2 (ja) ディーゼルエンジンの遠心式ガバナ
JPH0350091B2 (ja)
CA1172527A (en) Resilient drive for fuel injection pump governor
US4690115A (en) Engine governor
JPS6228655Y2 (ja)
JPH05163966A (ja) 内燃機関のための燃料噴射ポンプ
JPS5848718A (ja) 燃料噴射量調整装置
GB2179473A (en) A centrifugal governor for internal combustion engines
CA1067359A (en) Engine speed governor with improved peak load control
JP2524158B2 (ja) 燃料噴射ポンプのガバナ装置
JP2594795Y2 (ja) 燃料噴射ポンプ用の流量調節装置
US4313409A (en) Centrifugal rpm governor for fuel-injected internal combustion engines
JPS6380059A (ja) 分配型燃料噴射ポンプ
US4258675A (en) Regulator apparatus such as a centrifugal governor for internal combustion engines
JPS61294142A (ja) 燃料噴射ポンプの回転数調整器
JPS6314168B2 (ja)
JPS61104125A (ja) 燃料噴射ポンプ用の調速機
JPH0444822Y2 (ja)
GB2195472A (en) A fuel injection pump for internal combustion engines
JPS5822991Y2 (ja) 内燃機関用遠心力式調速機
US5193504A (en) Fuel injection pump for internal combustion engines

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040120

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100130

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees