JP3516509B2 - モータ駆動制御回路 - Google Patents

モータ駆動制御回路

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、パーソナルコンピュー
タやワードプロセッサ等の冷却用ファンに使用するモー
タの駆動制御回路に関し、詳細にはモータへの電流を一
定に制御し、安定して駆動することができるモータ駆動
制御回路に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等の機器
が広く普及しているが、これらの機器にあっては機器内
が過熱しないように冷却用のファンを設けている。この
ようなファンを駆動するためのモータの駆動回路として
は、図2に示されように2相ユニポーラ駆動方式のもの
が多く用いられている。この回路構成は、電気角で18
0度位相がずれた位置に2相の駆動コイルL1,L2を配
置しホール素子(図示せず)によってロータの位置を検
出し、その磁極位置に応じて駆動回路DICを動作させる
ことで2相の駆動コイルL1,L2に交互に電流を流して
ロータを回転させるものである。電源Eの正電源端子と
駆動コイルL1,L2との間にはトランジスタT1が接続
され、そのベース電流を制御することによりコイルL
1,L2への電流を一定に制御するようにしている。 【0003】より詳細には、駆動コイルL1,L2への電
流は、トランジスタT1のベースに接続されているトラ
ンジスタT2を駆動回路DICによって制御することにより
供給され、駆動回路DICにおいて駆動コイルL1,L2に
流れる電流が検出され、この検出値に応じてトランジス
タT2のベースを制御することにより駆動コイルL1,L
2に一定の電流を供給することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
回路構成では次のような問題点があった。即ち、トラン
ジスタT2の制御に伴い、トランジスタT1からのベース
電流はそのままアースに流れてしまい、コイルL1,L2
への供給電流に比して1/20〜1/15という微小電流
ではあるが無駄に消費されてしまっていた。 【0005】バッテリーを電源とするポータブル型のパ
ーソナルコンピュータにおいては、重量の制限等により
バッテリーの蓄電量が少なく、長時間使用するために本
体で消費される電流の低減が必要不可欠な課題となって
きており、前述したような微小電流でも無視できないと
いう問題があった。 【0006】本発明は、従来の技術に存した上記のよう
な問題点に鑑み行われたものであって、その課題とする
ところは、モータ全体で消費される電流が低減でき、効
率のよいモータ駆動制御回路を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明のモ−タ駆動制御回路は、電源の正電源端子と
モータのコイルとの間に、電流検出手段と第1電流制御
トランジスタとが直列接続され、その電流検出手段によ
り検出される電流値に応じてその第1電流制御トランジ
スタのベース電流を制御する第2電流制御トランジスタ
が設けられ、上記モータへの供給電流が一定に制御され
る。第1電流制御トランジスタのベースと電源の負電源
端子との間に、コイルの通電状態を周期的に制御する制
御回路と、該モータの回転位置を検出する位置検出手段
とが並列に接続されている。 【0008】 【作用】本発明に従うモ−タ駆動制御回路によれば、コ
イルへ電流を供給するのに伴い発生する微小な電流が制
御回路や位置検出手段等へ供給されるため、モータ全体
で消費される電流は少なくなる。 【0009】 【実施例】図1は本発明に係るモータ駆動制御回路の実
施例を示す回路図である。 【0010】この回路は、2相ユニポーラ駆動方式の冷
却用ファンモータを制御駆動するためのものである。即
ち、直流電源Eの正電源端子t1に、電流検出用の抵抗
R1及び電流制御用の第1トランジスタQ1を介して2相
の駆動コイルL1,L2の一端が接続され、両駆動コイル
L1,L2のそれぞれの他端は、その通電状態を切り換え
る駆動回路DICに接続されている。抵抗R1の両端には第
2トランジスタQ2のエミッタ、ベースが接続されてお
り、第1トランジスタQ1のベースと第2トランジスタ
Q2のコレクタが接続されている。駆動回路DICは、第1
トランジスタQ1のベースと直流電源Eの負電源端子t2
間に接続されており、これに並列に抵抗R2を介してホ
ール素子HEが接続されている。 【0011】次にこの回路の動作を説明する。電源Eを
投入すると抵抗R1及び第1トランジスタQ1を通して駆
動コイルL1,L2に電流が供給され、ロータマグネット
(図示せず)を有する回転部材(図示せず)が回転する
ようになる。回転部材が回転すると、ロータマグネット
の磁極位置をホール素子HEが検出し、この検出信号に応
じて駆動回路DICが駆動コイルL1,L2を交互に励磁し
回転部材を継続に回転させる。 【0012】この場合、駆動コイルL1,L2への電流I
は、抵抗R1と第1トランジスタQ1とを通して供給され
るが、ファンに負荷がかかる等して電流Iが変動するこ
とがある。例えばその電流Iが上昇するとこれに応じて
抵抗R1の両端間電圧が大きくなり、第2トランジスタ
Q2におけるベース−エミッタ間の電圧が上がり、コレ
クタ電流Ic2が上昇する。これにより、第2トランジス
タQ2のコレクタ電流Ic2と、第1トランジスタQ1のベ
ース電流Ib1との和の電流I12が増え、抵抗R2と駆動
回路DICとの接続点Aの電圧は上昇する。故に第1トラ
ンジスタのベース電流Ib1は減少するので、第1トラン
ジスタQ1を流れる電流は抑制され、上昇していた電流
Iは下降する。このようにして、駆動コイルL1,L2へ
の電流が一定に保たれる。 【0013】次に上記電流I12は、駆動回路DIC及びホ
ール素子HEへ供給される。この場合電流I12はコイルへ
の電流に伴って変動するが、ホール素子HEから駆動回路
DICへの出力信号が、差動出力であるのでホール素子HE
の検出結果に影響はない。即ち、ホール素子HEに入力さ
れる電流が変動すると、ホール素子HEの両出力端子の電
圧は不安定なものとなるが、ホール素子HEの出力はその
両端子間の電位(差動出力)として駆動回路DICに供給
されるため、両端子の差は変動が相殺され影響は受けな
い。また、駆動回路DICの電源電圧Eは、電流I12の変
動によって変動するが、駆動回路DICの作動に必要な入
力電圧の許容値は十分広いため、変動の影響は受けな
い。例えば、12V用駆動回路の場合、許容幅は4.5
〜14.5Vである。 【0014】以上により、従来の回路ではその駆動回路
DICとホール素子HEとを作動させるための電流が別に必
要であったが、上記電流I12を供給させることで全体の
消費電流を低減することができる。このことは、例えば
定格電流が70mAで駆動するファンモータの場合、3.
5〜5.0mAの低減につながる。 【0015】以上、本発明に従うモータの実施例につい
て説明したが、これに限定することなく本発明の主旨を
逸脱しない範囲での変更は自由である。実施例では、コ
イルが2個の2相モータを示したが、例えばコイルが3
個の3相モータにも適用することができる。 【0016】 【発明の効果】本発明のモ−タ駆動制御回路によれば、
定電流回路を構成する第1電流制御トランジスタと電源
の負電源端子との間に制御回路と位置検出手段とを並列
に接続し、コイルへ電流を供給するのに伴い発生する微
小な電流を制御回路や位置検出手段等へ供給する構成と
したため、これまで使われていなかった電流が有効に使
われ、モータ全体の消費電流の低減が図れる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に従うモータ駆動制御回路の実施例を示
す回路図である。 【図2】従来例を示すモータ駆動制御回路の回路図であ
る。 【符号の説明】 t1 正電源端子 t2 負電源端子 R1 抵抗 Q1 第1トランジスタ Q2 第2トランジスタ I1b ベース電流 I 電流 L1,L2 駆動コイル DIC 制御回路 HE ホール素子

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電源の正電源端子とモータのコイルとの
    間に、電流検出手段と第1電流制御トランジスタとが直
    列接続され、 該電流検出手段により検出される電流値に応じて該第1
    電流制御トランジスタのベース電流を制御する第2電流
    制御トランジスタが設けられ、上記モータへの供給電流
    が一定に制御されるモータ駆動制御回路において、 該第1電流制御トランジスタのベースと電源の負電源端
    子との間に、該コイルの通電状態を周期的に制御する制
    御回路と、該モータの回転位置を検出する位置検出手段
    とが並列に接続されてなるモータ駆動制御回路。
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