JP3516293B2 - 光電圧センサ - Google Patents

光電圧センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雷観測のために配
電線等に設置されて、配電線に誘起される急峻なパルス
状の雷過電圧の波形データを計測する電圧センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】配電線における雷観測用光電圧センサの
技術に関して、本出願人は特願平10-4946号の光VTを
提案している。この光VTは、コンデンサ高圧分圧器と
コンデンサ低圧分圧器を中間電極を介して直列接続し、
コンデンサ低圧分圧器と並列に光学素子を接続し、これ
らを絶縁樹脂にて一体被覆して構成したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、絶縁樹
脂を一体被覆した光電圧センサは、入力電圧の割に非常
にコンパクトな構成となるがゆえに、絶縁樹脂の外表面
に閃絡を起こし易い傾向がある。更に、観測対象とする
実配電線に装着する場合、電圧センサには、放電クラン
プのフラッシオーバ電圧値以上の過大電圧が被測定電圧
として入力されることがある。そのため、電圧センサ
は、引出しリード線と被測定導体との接続部分に別途強
固な絶縁処理を施したり、沿面距離確保を目的として絶
縁樹脂外表面に円環状の凹凸を設ける等の複雑な形状に
する必要があった。また、光学素子の結晶形状と周波数
特性の関係については、共振周波数をf(Hz)、結晶弾
性スティフィネスをC44(N/m2)、結晶比重をρ、結晶
寸法(光の入射面形状)をL,ω(mm)とすると、次式の
関係がある。
【0004】
【数1】
【0005】この式によると、高周波特性に対応するに
はできるだけ光学素子の結晶寸法を小さくする必要があ
る。そのため、絶縁樹脂内の埋め込み一体構成とする場
合は、樹脂の硬化収縮応力に対して強固な機械的保護ケ
ース内に収納したり、さらにはコンデンサと一体構成に
する等の製作上の対応策が必要であり、製作工程が煩わ
しかった。そこで、本発明は、電圧センサ本体を容易に
製作可能とし、実配電線電柱等への装着作業が容易に行
えると共に、急峻パルス状雷過電圧の波形データを精度
良く計測できる電圧センサを提供することを課題とし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで上記課題を解決す
るために、本発明の光電圧センサは、被測定対象電圧
光学素子に印加するとともに、この光学素子に所定偏向
された光波を入射してその光波の屈折率の変化に伴う位
相差にもとづいて被測定対象電圧を検出する光電圧セン
であって、複数のセラミックコンデンサ素子を直列接
続し、一端に高圧端子を、他端に接続端子を設けるとと
もに、周囲を絶縁樹脂により一体的に被覆して形成した
高圧側分圧器と、円筒状中空部の開口部の周囲にフラン
ジが設けられた円筒状碍管と、円筒状碍管に挿入配置さ
れた高圧側分圧器の高圧端子と密着接続されるストレス
コーン付絶縁電線と、フィルムコンデンサからなり、高
圧側分圧器と直列に接続され、かつ、光学素子と並列接
続される低圧側分圧器と、円筒状碍管のフランジがシー
ル材により機密保持され、かつ高圧側分圧器の接続端子
が内部に突出するように固定される筺体と、を備え、筐
体の内部に低圧側分圧器と光学素子とを収納し、接続線
を介して高圧側分圧器の接続端子と低圧側分圧器とを接
続することを特徴とする。また、高圧側分圧器と低圧側
分圧器との分圧比を420:1とし、光学素子の主軸方
向を4.65mm、入射面寸法を1×3mmの体積とす
ることを特徴とする。更に、前記筐体に取り付けられる
把手を備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は本発明の実施形態を示す部分断面
である。なおこの図では、説明のために一部を実際の寸
法比よりも誇張している。図において、1は高圧側分圧
器であり、3個のセラミックコンデンサ素子を直列接続
してエポキシ樹脂等の絶縁樹脂で円柱状に一体被覆形成
したものであり、右端に高圧端子(図示せず)と左端に
接続端子2が設けられている。高圧端子はストレスコー
ン付絶縁電線3が接続され、ストレスコーン付絶縁電線
3の先端が被測定導体(図示せず)と接続される。
【0008】そして、高圧側分圧器1は、左端にフラン
ジ4を形成した碍管5に挿入されて保持されている。碍
管5はフランジ4の部分をボルト締めすることで金属製
筐体6に固定される。筐体6内には、高圧側分圧器1の
接続端子2が止め金具8を介してボルト座7に固定され
ている。同じく接続端子2は接続線9により低圧側分圧
器11の一端に接続されている。この低圧側分圧器11
は、ポリプロピレンフィルムコンデンサからなり、その
他端は、筐体6の外部に引き出されて接地される。
【0009】また、筐体6内の上方には、光学素子12
が配設されて、低圧側分圧器11と電気的に並列接続さ
れるとともに、光ファイバーケーブル13に接続されて
いる。なお、この光学素子12は、図示しないが発光部
・受光部・信号処理部を備えており、低圧側分圧器11
から入力される被測定電圧を光信号に変換してケーブル
13を介し、計測処理部(図示せず)へ送信する。これ
ら低圧分圧器11と光学素子12は、接続線9や光ファ
イバーケーブル13と共に筺体6内に収納されている。
筺体6は蓋部や高圧側分圧器の嵌合部等をシール材を介
して気密保持する構成としているので、筺体6内の各部
品は吸湿劣化が防止される。また、筺体6の左側外部に
は、把手14が取り付けられる
【0010】図2は、図1の高圧側分圧器1と低圧側分
圧器11の電気的結線図である。高圧側分圧器1は、直
列接続された3個のコンデンサからなり、同様に、低圧
側分圧器11も1個のコンデンサからなる。この高圧側
分圧器1と低圧側分圧器11との接続点から引き出した
出力端子Tと接地との間に、図示していないが光学素子
12が接続される。なお、両分圧器の具体的な構成は表
1の内容とした。
【0011】
【表1】
【0012】また、この実施形態では、前出の数式1の
高周波特性と光学素子結晶寸法の関係式から、主軸方向
を4.65mmとし、光の入射面寸法をそれぞれ素子A(5×8m
m)、素子B(2×3mm)、素子C(1×3mm)の3種類を用い
て試作検証した結果、波頭長1μs程度の急峻パルス状雷
過電圧を計測するに十分な高周波特性及び光学素子結晶
の製作や取扱易さ等を勘案して素子Cを採用した。図3
に、素子A、素子B、素子Cの電圧換算誤差に対する周波
数特性例を示す。また、この実施形態では、光電圧セン
サの絶縁性能、その他設置条件に伴う各種性能を表2の
内容にした。
【0013】
【表2】
【0014】また、図4は、高圧端子と接地間の入力電
圧値と、分圧器及び光学素子を介して計測処理換算した
出力電圧値との入出力電圧特性を示し、極めて良好な線
形特性が得られている。さらに、セラミックコンデンサ
からなる高圧側分圧器と、フィルムコンデンサからなる
低圧側分圧器とを、直列接続して分圧器を構成した場合
は、容量を適宜に設定して被測定電圧を分担できるの
で、光学素子の結晶寸法も小さくすることが可能とな
り、必要とする高周波特性も得易い。しかも、高圧側分
圧器も複数セラミックコンデンサで分圧設定し、絶縁樹
脂で一体被覆形成したことで、機械的にも強固となり、
金属製筺体との組み付けも容易になる。更に、筺体6に
把手13を備えたことで、光電圧センサ本体の運搬や装
着の作業性が向上する。
【0015】図5は、実施形態の光電圧センサを配電線
路に装着した場合の一例を示す図である。図示例では、
ロゴウスキーコイルと高周波ケーブルを備えた電流セン
サを用いて、配電線雷観測システムを構成している。図
示例では、2本の配電線21,22にそれぞれ光電圧セ
ンサ23,24を装着し、検出信号を光ファイバーケー
ブル25を介して、電柱26の下方に支持されている雷
波形観測装置27へ送る。
【0016】ここで接地線に流れる雷撃電流のみの計測
では、雷撃電流の把握不足の可能性がある。そこで、コ
ンクリートの電柱26自体に流れる雷撃電流も計測する
ために、電柱26を一括して被測定導体とする大口径ロ
ゴウスキーコイル28を装柱金具29により装着してい
る。それにより、配電線21,22における雷観測波形
データを精度良く計測可能としている。なお、雷波形観
測装置27には、光電圧センサ23,24からの光信号
を処理する処理部、計測データを処理してセンタ装置か
らの呼び出しに応じてデジタル携帯電話回線を介して送
信する送信装置等が収納されている。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、セラ
ミックコンデンサで構成される高圧側分圧器は、高圧端
子と接続端子とともに絶縁樹脂で一体被覆形成され、小
型な低圧側分圧器と光学素子は、筺体内に収納される。
また、低圧側分圧器と光学素子が極めて小型であるため
良好な高周波特性が得られるともに、組み付けが容易と
なりアッセンブリーとして接続するだけで電圧センサ本
体を容易に製作できる。さらには、光電圧センサ本体に
十分な絶縁耐力を有するため、過大な急峻パルス状雷過
電圧が入力しても充分に計測可能であるとともに、実配
電線電柱への装着作業も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1の高圧側分圧器と低圧側分圧器の電気的結
線図である。
【図3】各素子の電圧換算誤差に対する周波数特性例を
示すグラフである。
【図4】高圧端子と接地間の入出力電圧特性を示すグラ
フである。
【図5】実施形態の装着例を示す図である。
【符号の説明】
1 高圧側分圧器 2 接続端子 3 ストレスコーン付絶縁電線 4 フランジ 5 碍管 6 筐体 7 ボルト座 8 止め金具 9 接続線 11 低圧側分圧器 12 光学素子 13 光ファイバーケーブル 14 把手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 15/00 - 15/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象電圧を光学素子に印加するとと
    もに、光学素子に所定偏向された光波を入射してその光
    波の屈折率の変化に伴う位相差にもとづいて被測定対象
    電圧を検出する光電圧センサであって、 複数のセラミックコンデンサ素子を直列接続し、一端に
    高圧端子を、他端に接続端子を設けるとともに、周囲を
    絶縁樹脂により一体的に被覆して形成した高圧側分圧器
    と、 円筒状中空部の開口部の周囲にフランジが設けられた円
    筒状碍管と、 円筒状碍管に挿入配置された高圧側分圧器の高圧端子と
    密着接続されるストレスコーン付絶縁電線と、 フィルムコンデンサからなり、高圧側分圧器と直列に接
    続され、かつ、光学素子と並列接続される低圧側分圧器
    と、 円筒状碍管のフランジがシール材により機密保持され、
    かつ高圧側分圧器の接続端子が内部に突出するように固
    定される筺体と、 を備え、 筐体の内部に低圧側分圧器と光学素子とを収納し、接続
    線を介して高圧側分圧器の接続端子と低圧側分圧器とを
    接続する ことを特徴とする光電圧センサ。
  2. 【請求項2】求項1に記載の光電圧センサにおいて 高圧側分圧器と低圧側分圧器との分圧比を420:1と
    し、光学素子の主軸方向を略4.65mm、入射面寸法
    を略1×3mmの体積とする ことを特徴とする光電圧セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】求項2に記載の光電圧センサにおいて 前記筐体に取り付けられる把手を備える ことを特徴とす
    る光電圧センサ。
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CN108414846B (zh) * 2018-03-08 2020-02-07 南方电网科学研究院有限责任公司 基于光学集成电场传感器的雷电波形参数时域统计方法

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