JP2778102B2 - 電圧分圧装置 - Google Patents

電圧分圧装置

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JP2778102B2 JP1099311A JP9931189A JP2778102B2 JP 2778102 B2 JP2778102 B2 JP 2778102B2 JP 1099311 A JP1099311 A JP 1099311A JP 9931189 A JP9931189 A JP 9931189A JP 2778102 B2 JP2778102 B2 JP 2778102B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、数十Kv以上の高電圧を測定する場合に用
いられる分圧装置、特に、開閉装置等の電気機器に生じ
る急峻な立上りを持つパルス電圧を測定する場合に用い
られる電圧分圧装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、数十Kv以上の高電圧は直接測定器に入力して
測定することはできず、何等かの電圧分圧装置で低電圧
にして測定器に導く必要があるが、測定する高電圧が急
峻な立ち上がりを持つ進行波である場合には、分圧装置
の周波数特性を良くすることと、分圧比を大きくするこ
とが必要である。
この種の電圧分圧装置としては、従来、電気学会高電
圧研究会試料HV−88−29「高電圧急峻波サージセンサ」
(P61〜P70)に示されたものがあり、これを第3図に示
す。同図において、1は高電圧導体、2はこの高電圧導
体を1をかこむ金属導体、3は高電圧導体1を絶縁する
SF6ガス等の絶縁物、24は浮遊電極、25は金属タンクに
取りつけた接地電極、6はこの接地電極25と上記浮遊電
極24との間に介在させた誘導体、26は浮遊電極24に接続
した円錐導体、27はこの円錐導体26を同軸状に取り巻き
接地電極25に接続した同軸導体、9はこの同軸導体27に
取りつけ円錐導体26から電圧を取り出す測定端子であ
る。
この構成においては、高電圧導体1と浮遊電極24との
間に生じる浮遊静電容量C1と、浮遊電極24と接地電極25
との間に低圧静電容量C2とが直列に接続された構造にな
っており、上記低圧静電容量C2には、高電圧導体1の電
圧のおよそC1/(C1+C2)倍の電圧が加わる。従って、
浮遊静電容量C1に比べ低圧静電容量C2を大きくすれば、
適度な分圧電圧が低圧静電容量C2に加わりる。この分圧
された電圧を測定するために円錐導体26を浮遊電極24に
接続し測定端子9に導く。
この従来のものでは、高周波特性を良くするために、
浮遊電極24に生じる寄生振動が平均化されるよう円錐導
体26と浮遊電極24の接触面積を大きくし、円錐導体26の
特性インピーダンスを測定端子9に接続する同軸ケーブ
ル(図示せず)の特性インピーダンスと等しくしてあ
る。また、分圧比を大きするために、誘電体6は薄いも
のを使用し浮遊電極24と接地電極25の対向面積を大きく
する。
〔発明が解決しようとする課題〕
この従来の構成では、浮遊電極24を誘電体6を介在さ
せて接地電極25へ固定する場合、絶縁物を使用したネジ
や接着剤などを用いるが、大きなネジを用いたり、ネジ
数を多くすると、また、接着剤を大量に使用すると、高
周波特性の低下を招くので、浮遊電極24と誘電体6と接
地電極25との接触圧力を大きくすることができず、それ
らの間に隙間が生じて低圧静電容量C2が小さくなるとい
う問題がある。
また、円錐導体26と浮遊電極24との接続面積が大きい
ので、浮遊電極24と接地電極25との対向面積が小さくな
る。このため、低圧静電容量C2を大きくするには浮遊電
極24の表面積を大きくする必要があるが、同時に浮遊静
電容量C1も大きくなってしまい、分圧比を大きくするこ
とは困難であり、構造的には堅牢でないという問題があ
った。
この発明は上記問題を解消するためになされたもの
で、従来に比し、大きな分圧比を、良好な特性を持って
得ることができ、しかも構造が堅牢である電圧分圧装置
を提供するこことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
高電圧導体との間に浮遊静電容量を形成する低圧導体
と接地導体が同軸構造であり、低圧導体が軸方向分割体
であって分割体相互間に誘電体を介在して第1の低圧静
電容量を形成するとともに側周面が上記接地導体との間
に第2の低圧静電容量を形成し、低圧導体の軸方向一方
端部側が測定端子に接続される構成としたものである。
〔作用〕
この発明では、低圧静電容量が、複数個の直並列コン
デンサで構成されたことになり、高電圧導体の電圧が多
段階で分圧されるので、大きな分圧比が得られる。
〔実施例〕
以下、この発明の1実施例を図について説明する。
第1図において、4は上端面が所定の面積を有する円
柱状の低圧導体であって、4aと4bに上下に2分割されて
おり、その周囲は接地導体5の筒部5aで同軸に囲まれて
おり、低圧導体4の下部(接続部)4cは円錐形状にして
ある。この接地導体5は基部5bで金属タンク2の筒部2a
に取りつけられている。6aは誘電体であって、低圧導体
4の周面上を取り巻いている。6bも誘電体であって、分
割された低圧導体4aの下面と低圧導体4bの上面との間に
介在している。7は軸方向の切り目を有するスペーサ導
体であって、誘電体6aと接地導体5の筒部5aとの間に介
在している。8は出力抵抗であって、低圧導体4bの下部
の円錐状部4cに下面から埋設状に取着されており、この
出力抵抗8に,接地導体5の基部5bを絶縁材を介在して
貫通し外部に引き出される測定端子9が接続される。
なお、組立にあたっては、低圧導体4の低圧導体4aと
4bの間に誘電体6bを介在させたのち、誘電体6aを低圧導
体4の側周面に巻き付け、例えば、この誘電体6aを、軸
方向に切り目を入れて拡径可能としたスペーサ導体7で
押圧固定し、接地導体5の筒部5aに焼き嵌めする。
また、低圧導体4aと4bの軸方向長さは、測定対象とな
る高電圧導体1に加わる電圧の測定周波数の上限波長の
1/4より短くしてある。
他の構成は第3図のものと同じであるので、同一構成
要素には同じ符号を付してある。
第2図は第1図の装置の等価回路を示したもので、C1
は高電圧導体1と低圧導体4aとの間に生じる浮遊静電容
量、C21は低圧導体4aと接地導体5との間の静電容量、C
22は低圧導体4aと4b間の静電容量、C23は低圧導体4bと
接地導体5間の静電容量、10、11は静電容量の接続点を
示す。
この構成においては、高電圧導体1に加わる電圧が、
浮遊静電容量C1と低圧静電容量C2、 で分圧されて接続点10に加わり、接続点10の電圧は更に
静電容量C22、C23で分圧されて接続点11に加わる。高電
圧導体1の電圧は、このように2段階で分圧されて出力
抵8を介し測定端子9から取り出される。
本実施例では、高電圧導体1の電圧を2段階に分圧し
て取り出すので、大きな分圧比を得ることができる。ま
た、静電容量C1を大きくすることなく、低圧導体4と接
地導体5との対向面積を大きくとることができ、大きな
低圧静電容量C2が得られる。
本実施例では、低圧導体4aと4bの軸方向長さを、測定
周波数の上限波長の1/4より短くしてあるので、低圧導
体4a、4bで生じる定在波の影響を低減することができ、
また、低圧導体4bと出力抵抗8との間の接続部4cの外形
を下端に向かって小径となる円錐状に形成することによ
り、特性インピーダンスを連続的に変え、測定端子9に
接続される図示しない同軸ケーブルとのインピーダンス
整合をとるようにしてあるので、定在波の測定へ影響を
低減することができる。
そして、使用する誘電体6a,6bの厚さは数十ミクロン
と極めて薄いものであるから、高周波抵抗が大きくなる
ので、生じた定在波の周波数が高いと、その減衰が大き
く、測定端子9から取り出される測定波形への影響は小
さい。
また、前記したように、低圧導体4は、低圧導体4aと
4bの間に誘電体6bを介在させたのち、誘電体6aを低圧導
体4の側周面に巻き付け、例えば、この誘電体6aを、軸
方向に切り目を入れて拡径可能としたスペーサ導体7で
押圧固定して接地導体5の筒部5aに焼き嵌めするから、
誘電体6a、6bは大きな接触圧力で挟圧することができ、
隙間ができるのを防ぐことができるから、大きな低圧静
電容量を得ることができ、また、構造も堅牢である。
また、スペーサ導体7で誘電体6aを固定しているが、
このスペーサ導体7は切れ目を有し拡径可能であるの
で、誘電体6aを巻き付けた低圧導体4に容易に外嵌する
ことができる。このスペーサ導体7は誘電体6aが容易に
低圧導体4に接着し得るものであれば、省くことができ
る。
この実施例では、低圧導体4を固定するのに、ネジや
接着剤を使用しないくても済むので、これらを用いる従
来のものに比して、良好な高周波特性を得ることができ
る。
上記実施例では、スペーサ導体7を焼き嵌めして固定
しているが、スペーサ導体7と接地導体5の筒部5aの両
者にネジ面を形成して、締め込み固定するようにしても
よい。
本実施例では、低圧導体4を接地導体5の筒部5aに収
納する形であるので、構造的には極めて堅牢である。
また、上記実施例では、低圧導体4を2分割導体とし
ているが、分割数はこれに限定されるものではない。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明した通り、高電圧導体との間に浮
遊静電容量を形成する低圧導体を軸方向分割体としてコ
ンデンサが並列する構造とし、多段階分圧を行わせるよ
うにしたから、従来に比して高い分圧比を得ることがで
き、しかも、低圧導体を接地導体に収納するかたちとな
るので、従来に比し、構造が堅牢である上、ネジや接着
剤を使用しなくても済むので、良好な出力特性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す断面図、第2図は上記
実施例の電気的等価回路を示す図、第3図は従来の電圧
分圧装置を示す断面図である。 1……高電圧導体、2……金属タンク、3……絶縁物、
4……低圧導体、4a、4b……分割低圧導体、5……接地
導体、5a……筒部、6a、6b……誘電体、7……スペーサ
導体、8……出力抵抗、9……測定端子。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地導体に支えられ、高電圧導体との間に
    絶縁物を介して浮遊静電容量を形成し、上記接地導体と
    の間に低圧静電容量を形成する低圧導体を有する電圧分
    圧装置において、低圧導体と接地導体が同軸構造であ
    り、低圧導体が軸方向分割体であって分割体相互間に誘
    電体を介在して第1の低圧静電容量を形成するとともに
    側周面が上記接地導体との間に第2の低圧静電容量を形
    成し、低圧導体の軸方向一方端部側が測定端子に接続さ
    れることを特徴とする電圧分圧装置。
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