JP2020134430A - 中間電極構造体及びそれを用いた変成器 - Google Patents

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角田 孝典
Takanori Tsunoda
孝典 角田
大輔 澁谷
Daisuke Shibuya
大輔 澁谷
大木 秀人
Hideto Oki
秀人 大木
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【課題】複数の送電線を一括して収容した管路及び電力機器において、測定対象の送電線以外の送電線からの影響を抑制するためのシールドを設けることなく、簡易な構成で製造容易な小型の中間電極構造体及びそれを用いた変成器を提供する。【解決手段】中間電極構造体は、管路に収容された複数本の送電線のうち少なくとも1本の送電線の端部に配置された絶縁分部材と、絶縁部材の表面上に配置された導電性部材とを含み、導電性部材は、送電線と電気的に絶縁されており、導電性部材は、当該導電性部材と当該導電性部材が形成された送電線との間の結合容量を用いて、当該導電性部材が形成された送電線の電圧を測定する際に中間電極として使用される。これにより、3相一括型の管路及び電力機器等において、中間電極構造体を使用してコンデンサ分圧法等により送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線の影響を回避できる。【選択図】図1

Description

本発明は、送電線又は電力設備において電圧を測定するための変成器に関し、特に高電圧の電力を送電するための3相一括型の管路及び電力機器において使用される中間電極構造体及びそれを用いた変成器に関する。
管路型の送電経路で使用されるガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)等の機器では、送電線(以下、母線ともいう)を収容する管路に形成した容器の内部に、容器と絶縁した形態で中間電極を設け、中間電極と大地との間にコンデンサ成分を形成し、コンデンサ成分により分圧された電圧を検出する。3相の送電線を1つの管路に収容する3相一括型の送電経路においても、原理的には同様にして、各送電線に関して電圧を検出可能である。しかし、3相一括型の場合、次のような問題がある。
図8を参照して、3相一括型の管状容器900には、3本(3相)の送電線902〜906が収容されている。管状容器900は接地されており、管状容器900と送電線902〜906の各々との間には、送電線902〜906の延伸方向(軸方向)に沿って所定の大きさを有する中間電極908〜912が配置されている。この構成は、例えば送電線902の電圧を、浮遊容量914及び浮遊容量916により分圧された中間電極908の電圧として検出することを意図したものである。送電線902の電位をE1とし、浮遊容量914及び浮遊容量916の容量をそれぞれC11及びC12とすると、送電線904及び906の影響を考慮しなければ、中間電極908の電位(分圧電位)E2は、E2=E1×C11/(C11+C12)となる。しかし、実際には、中間電極908及び送電線904の間の浮遊容量918、並びに、中間電極908及び送電線906の間の浮遊容量920も存在し、中間電極908の電位はそれらの影響を受ける問題がある。送電線904及び906の電圧の測定に関しても同様の問題がある。測定対象の送電線以外の2本の送電線(以下、他相の送電線ともいう)により生じる浮遊容量を低減するには、3相の送電線の相互の間隔を大きくすればよいが、管状容器900の直径が大きくなる問題がある。
この対策として、例えば下記特許文献1には、各送電線の周囲に軸方向に沿ってシールドを設けた、3相一括型ガス絶縁電気機器の電圧電流検出装置が開示されている。この電圧電流検出装置は、正三角形配置の3相一括母線(主回路導体u、v、w)において、各主回路導体の周りに、各主回路導体と同軸に設けられたフローティング電極と、主回路導体及びフローティング電極を1組として、3組を相互に区切る断面Y字型の接地グリッドとを備えている。フローティング電極により分圧された電圧を電圧検出装置(PD:Potential Transformer)により検出し、主回路導体の電圧を測定する。このとき、各組は接地グリッドにより電気的に独立しており、3組の主回路導体及びフローティング導体の配置が3回対称(120°回転させると重なる)になっていれば、他相の送電線からの静電誘導の影響(浮遊容量の影響)を相互に排除できる。
また、下記特許文献2には、コンデンサ型分圧器において接地シールドを設けることなく、他相の送電線からの影響を抑制できる3相一括型ガス絶縁開閉装置の電圧検出装置が開示されている。この電圧検出装置は、図8に類似する構成において、浮遊電極(中間電極908〜912に対応)の大きさを、高電圧導体(送電線902〜906に対応)の直径以下にすることにより、測定対象の高電圧導体以外の高電圧導体による静電界の影響(浮遊容量の影響)を低減する。
また、下記非特許文献1には、コンデンサ分圧による電圧を、ポッケル効果を用いた光PT素子により検出する3相一括型GIS用光変成器が開示されている。この変成器は、図9を参照して、接地電極942を3本の母線の先端に対向させて配置し(図9では、1本の母線のみ示す)、接地電極942において、各送電線940の端部に対応する位置にピンホール944を設け、ピンホール944の近傍に中間電極946を備える。さらに、接地電極942の両面には、ピンホール944及び中間電極946を1組として、3組を相互に区切るY字型の電磁シールドを備える。このような構成により、送電線940に電圧を印加することにより発生する電界の一部はピンホール944の内部へ侵入し、中間電極946に電圧が生じるので、その電圧を光PT素子により検出し、送電線940の電圧を測定する。このとき、他相の送電線からの影響は、接地電極942及びY字型の電磁シールドにより抑制される。
特開昭60−260863号公報 特許第4080749号公報
板倉英治,佐野修,野田武司,伊藤明,「72kV三相一括GIS用光変成器の開発」,電学論B,117巻8号,平成9年,PP.1121−1131
しかし、特許文献1に開示された中間電極を備えた構成では、他相の送電線の影響を回避するために、各相の間にシールド層(接地グリッド)を設ける必要があり、構造が複雑であり、製造が難しい問題がある。また、絶縁性能を維持するためには、外形が大きくなる問題がある。
特許文献2では、小さい電極の加工及び容器内への配置が難しい問題がある。また、電極が小さいために大きい浮遊容量を実現できず、検出信号が小さく、ノイズの影響を受け易い問題がある。
非特許文献1では、他相の送電線の影響を回避するために、Y字型の電磁シールドを設けるので、特許文献1と同様に、構造が複雑であり、製造が難しい問題がある。また、ピンホールよりも小さい電極を使用するので、特許文献2と同様に、大きい浮遊容量を実現できず、検出信号が小さく、ノイズの影響を受け易い問題がある。
したがって、本発明は、複数の送電線を一括して収容した管路及び電力機器において、測定対象の送電線以外の送電線からの影響を抑制するためのシールドを設けることなく、簡易な構成で製造が容易である小型の中間電極構造体及びそれを用いた変成器を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係る中間電極構造体は、1つの管路に収容された複数本の送電線のうち少なくとも1本の送電線の端部に配置された絶縁部材と、絶縁部材の表面上に配置された導電性部材とを含み、導電性部材は、複数本の送電線のいずれとも電気的に絶縁されており、導電性部材は、当該導電性部材と当該導電性部材に対応する送電線との間の結合容量を用いて、当該導電性部材に対応する送電線の電圧を測定する際に中間電極として使用される。
これにより、3相一括型の管路及び電力機器等において、中間電極構造体を使用してコンデンサ分圧法等により送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線の影響を回避できる。
好ましくは、絶縁部材は、比誘電率が2.5以上の高誘電体で形成される。これにより、比較的大きい結合容量を形成でき、検出信号レベルが大きくなり、検出信号の取扱いが容易となる。
より好ましくは、絶縁部材は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、又はセラミックで形成される。これにより、より大きい結合容量を形成でき、検出信号レベルがより大きくなり、検出信号の取扱いがより容易となる。
本発明の第2の局面に係る変成器は、上記の中間電極構造体と、導電性部材を接地するコンデンサと、中間電極構造体が配置された送電線により交流電力が供給される際に、導電性部材の電圧を検出する検出部とを含み、検出部は、送電線の電圧を、結合容量とコンデンサとにより分圧された電圧として検出する。
これにより、3相一括型の管路及び電力機器等において、コンデンサ分圧法により送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線の影響を回避できる。
好ましくは、変成器は、検出部により検出された電圧信号を増幅する絶縁アンプをさらに含む。これにより、測定対象である送電線を含む高圧の電気設備と測定機器とを容易に絶縁することができ、測定機器を保護できる。
より好ましくは、変成器は、検出部により検出された電圧信号の大きさを変換するトランスと、トランスの出力電圧信号を増幅するオペアンプとをさらに含む。これにより、測定対象である送電線を含む高圧の電気設備と測定機器とを容易に絶縁することができ、測定機器を保護できる。
本発明の第3の局面に係る変成器は、上記の中間電極構造体と、導電性部材を接地する導電性の接地線と、中間電極構造体が配置された送電線により交流電力が供給される際に、接地線に流れる電流を検出する検出部と、検出部により検出された信号を積分する積分部とを含み、積分部による積分結果は、送電線の電圧の測定値を生成するために使用される。
これにより、3相一括型の管路及び電力機器等において、中間電極構造体の結合容量を利用して送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線の影響を回避できる。
好ましくは、検出部は、比透磁率が1000以上の部材で形成されたコアを有するコイルである。これにより、接地線に流れる電流を、より大きい信号として検出できる。
より好ましくは、積分部は、オペアンプと、当該オペアンプの出力端子と反転入力端子とを電気的に接続するコンデンサとを含む。これにより、検出部により検出された電流信号を積分し、電圧信号として出力できる。
さらに好ましくは、導電性部材は、双方向ダイオードを介して接地される。これにより、過大な電流を大地に逃がすことができ、安全を確保できる。
本発明によれば、複数の送電線を一括して収容した管路及び電力機器において、コンデンサ分圧法等により送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線の影響を回避できる。したがって、送電線間にシールドを設けることも、複数の送電線を収容する管路を大きくすることも不要になる。
絶縁部材に高誘電体を使用すれば、比較的大きい容量の結合容量を実現できるため、検出信号レベルが大きくなり、取扱いが容易となる。
本発明の実施形態に係る変成器の概略構成を示す模式図である。 図1の管路端部の構成を示す斜視図である。 図1の送電線の端部に配置された中間電極構造体を示す断面図である。 図1の検出ユニットの構成例を示す回路図である。 図4と異なる信号整合ユニットの構成を示す回路図である。 変形例に係る変成器の概略構成を示す模式図である。 図6の検出ユニットの構成例を示す回路図である。 従来の変成器の構成を示す断面図である。 従来の変成器の中間電極の構成を示す断面図である。
以下の実施形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施形態に係る変成器100は、3相一括型の管路又は電力機器(例えば、3相一括GISの母線引出部)に設けられる。変成器100は、3相の送電線である第1〜第3送電線200〜204の各々の先端を含む所定部分(以下、端部という)に設けられた第1〜第3中間電極構造体102〜106と、第1〜第3送電線200〜204を収容する外装管206の端部付近に配置される第1スペーサ108と、外殻部110と、第2スペーサ112と、第1〜第3導電線116〜120と、第1〜第3検出ユニット122〜126とを含む。第1〜第3送電線200〜204は、外装管206の軸に沿って配置されている。第1〜第3送電線200〜204及び外殻部110の各々の外周には、絶縁被膜(図示せず)が配置されていてもよい。外装管206内部の空間208には、空気が存在していても、絶縁用の部材(SF、N、Co等のガス、油等)が充填されていてもよい。なお、図1では、第1〜第3送電線200〜204は、中実部材(棒状部材)として示しているが、これに限定されず、所定の肉厚の中空部材(筒状部材)であってもよい。
第1導電線116は信号を伝送するための電気配線であり、一端が第1中間電極構造体102に接続され、第1導電線116を伝搬する信号は第1検出ユニット122に入力される。第1検出ユニット122は、後述するように、第1中間電極構造体102を用いて第1送電線200の電圧(交流電圧)に応じた信号を検出するための装置である。第2導電線118及び第3導電線120も同様に、それぞれ一端が第2中間電極構造体104及び第3中間電極構造体106に接続され、第2中間電極構造体104及び第3中間電極構造体106からの信号はそれぞれ第2検出ユニット124及び第3検出ユニット126に入力される。
図1に示した外装管206の軸に沿った断面図では、第1〜第3送電線200〜204を、同一平面に配置されているように示しているが、実際には、例えば図2に示すように、外装管206の軸に垂直な断面において、三角形(例えば正三角形)の頂点の位置に第1〜第3送電線200〜204が配置される。図2においては、第2スペーサ112は図示していない。なお、外装管206内における第1〜第3送電線200〜204の配置は、図2に示した配置に限定されず、任意である。
図3を参照して、第1中間電極構造体102は、第1送電線200の端部をモールドする絶縁部材130と、絶縁部材130の表面に形成された中間電極132とを含む。第1導電線116は中間電極132に接続されている。第2送電線202及び第3送電線204の各々の端部に配置された第2中間電極構造体104及び第3中間電極構造体106も、第1中間電極構造体102と同様に構成される。
絶縁部材130は、固体の高誘電体(比誘電率が2.5以上)で形成されることが好ましい。絶縁部材130は、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、又はセラミック等で形成される。第1送電線200の端部に絶縁部材130を配置する方法としては、第1送電線200の端部に誘電体を直接モールドしても、金型等を用いた射出成型等により、所定の形状に絶縁部材130を形成した後、加熱又は接着剤等により第1送電線200の端部に密接させて配置してもよい。
中間電極132は、導電性部材で形成される。中間電極132は、電気伝導率の高い金属(例えば、銅、アルミニウム等)で形成されることが好ましい。絶縁部材130の表面に中間電極132を形成する方法は、絶縁部材130の表面形状に合わせて導電性部材を加工して形成した部品(電極)を、加熱又は接着剤等により絶縁部材130の表面に装着しても、蒸着により形成してもよい。
このような構成により、第1送電線200の端部と中間電極132との間には結合容量134が形成される。絶縁部材130及び中間電極132は、第1送電線200の端部に形成される結合容量134が所定の容量になるように形成されていればよく、絶縁部材130及び中間電極132の大きさ及び形状、並びに、中間電極132の絶縁部材130上の位置は、図3に示したものに限定されず、任意である。特定の場所に電界が集中しないようにするためには、表面に鋭角部分が存在しないように形成されることが好ましい。例えば、楕円体(例えば、第1送電線200の軸を回転軸とする回転楕円体)、又は、卵形に形成されることが好ましい。
外殻部110は、第1〜第3送電線200〜204の端部に形成された第1〜第3中間電極構造体102〜106を取り囲むように、筒状に形成されている。外殻部110は、円筒(軸に垂直な断面形状が円形状)であっても、多角形の筒(軸に垂直な断面形状が多角形)であってもよい。外殻部110は、所定強度の剛性部材で形成されていればよく、導電性部材で形成されても、非導電性部材で形成されてもよい。
第1スペーサ108は、非導電性部材で形成され、第1〜第3送電線200〜204の端部を貫通させ、第1〜第3送電線200〜204を支持する。外殻部110と、第1スペーサ108及び第2スペーサ112とにより、密閉された空間114が形成される。空間114には、空気が存在していても、絶縁用ガス(SF、N、CO等)が充填されていてもよい。
なお、図1〜図3では通常のGIS構造を例に説明したが、中間電極構造体は必ずしも、送電線を貫通させたスペーサ(例えば、第1スペーサ108)に当接させて形成する必要はなく、送電線の端部を利用したものであればよい。スペーサから離隔させて、送電線の端部に、絶縁部材及び中間電極を含む中間電極構造体を形成してもよい。また、スペーサを使用しない構成であってもよい。
第1送電線200と中間電極132との間の結合容量134以外に、中間電極132(絶縁部材130に接していない表面)と中間電極132の周囲の導電性部材(第2送電線202、第3送電線204等)との間にも浮遊容量が存在する。しかし、絶縁部材130が上記したように固体(例えば高誘電体)であるのに対して、空間114の媒体は気体(空気、又は絶縁用ガス)であるので、中間電極132と中間電極132の周囲の導電性部材との間の浮遊容量は、結合容量134よりも充分に小さく、電圧測定において無視できる。即ち、所定の送電線の電圧を測定する際に、他相の送電線からの影響を回避できる。
図4を参照して、第1検出ユニット122の構成に関して説明する。第2検出ユニット124及び第3検出ユニット126も、第1検出ユニット122と同様に構成されている。図4には、第1検出ユニット122に対応する第1中間電極構造体102の断面図を示す。第1検出ユニット122は、信号整合ユニット140と、分圧コンデンサ142と、保護素子144とを含む。分圧コンデンサ142の一方の端部は、中間電極132に接続された第1導電線116に接続され、他方の端部は大地210に接続(接地)されている。分圧コンデンサ142の第1導電線116に接続された端部は、信号整合ユニット140にも接続されている。分圧コンデンサ142を第1導電線116に電気的に接続する方法は任意である。溶接であっても、ネジ、ボルト等による固定であってもよい。
保護素子144は、異常電圧が発生した場合に、電流を大地210に逃がすためのものであり、避雷器とも言われる。保護素子144は安全のために装備されており、変成器100の機能を実現するために不可欠なものではなく、装備されなくてもよい。
第1送電線200が伝送する電力(電圧)は、所定周波数(例えば、50Hz、60Hz等)の交流電圧であり、その変動に応じて周囲の金属は電磁気的影響を受ける。上記したように、第1送電線200及び中間電極132の間には結合容量134が存在する。第1送電線200、結合容量134及び分圧コンデンサ142は、第1送電線200の電圧を分圧する分圧回路を構成する。即ち、第1導電線116と分圧コンデンサ142との接続ノードには、第1送電線200及び中間電極132の間の結合容量134の容量C2と、分圧コンデンサ142の容量C1とにより第1送電線200の電圧V0が分圧された電圧が発生する。第1送電線200の電圧をV0とすると、第1導電線116及び分圧コンデンサ142の接続ノードの電圧V1は、V1=V0×C2/(C1+C2)となる。したがって、電圧V1を信号整合ユニット140により検出することにより、第1送電線200の電圧V0を測定し、その変動を観測できる。第1導電線116及び分圧コンデンサ142の接続ノードの電圧V1は、容量C1及びC2に依存するが、第1送電線200の電圧が高電圧であれば、比較的高い電圧である。
第1送電線200と中間電極132との間に発生する結合容量134の容量C2に関しては、第1送電線200と中間電極132との距離、中間電極132の面積、及び絶縁部材130の材質(誘電体)を調整することにより、所望の容量を得ることができる。結合容量134の容量C2は、約100pF以上であれば好ましい。
信号整合ユニット140は、絶縁アンプ146と、抵抗R1〜R3とを含む。信号整合ユニット140への入力信号IN(電圧V1)は、絶縁アンプ146により増幅されて出力信号OUTとして、後段の測定機器(図示せず)に出力される。増幅率aは、抵抗R1及びR2により決定され、a=1+R2/R1となる。後段の測定機器では、例えば、出力信号OUTを所定の周波数でサンプリングしてデジタルデータに変換し、上記の式を用いて第1送電線200の電圧V0を求めることができる。また、測定結果を記憶し、その変動を観測できる。
絶縁アンプ146は、アイソレーションアンプとも呼ばれ、入力側と出力側とが絶縁されている。したがって、第1送電線200を含む高電圧の電力設備と、絶縁アンプ146の出力信号を処理する測定機器とを絶縁することができる。絶縁アンプ146には、例えば、光学素子を用いた光結合型のアンプ、又は、トランスを用いたトランス結合型のアンプを使用できる。
なお、絶縁アンプ146と周囲の抵抗との接続関係は、図4に示した回路に限定されない。入力信号INを増幅した出力信号OUTを出力できるものであればよい。信号整合ユニット140は、入力信号IN及び出力信号OUTの極性が反転する反転増幅回路であっても、極性が同じである非反転増幅回路であってもよい。
また、信号整合ユニット140は、図5に示したように、トランス150と、オペアンプ152と、抵抗R4〜R6とを含んで構成されてもよい。この場合、トランス150の1次側コイルへの入力信号IN(電圧V1)は、トランス150により電圧レベルが調整されて所定のレベルの電圧として2次側コイルから出力され、オペアンプ152に入力される。オペアンプ152に入力される信号は、オペアンプ152により増幅されて、後段の測定機器に出力され、上記と同様に処理される。増幅率aは、抵抗R4及びR5により決定され、a=1+R5/R4となる。したがって、図5に示した回路により、第1導電線116と分圧コンデンサ142との接続ノードの電圧V1(入力信号IN)を検出することにより、第1送電線200の電圧V0を測定し、その変動を観測できる。
図5の回路では、トランス150により、第1送電線200の側とオペアンプ152の後段の測定機器とは絶縁されるので、オペアンプ152は、アイソレーションアンプではなく、通常のオペアンプ(Operational Amplifier)であればよい。
なお、オペアンプ152と周囲の抵抗との接続関係は、図5に示したものに限定されない。入力信号INを増幅した出力信号OUTを出力できるものであればよく、非反転増幅回路を構成する接続であっても、反転増幅回路を構成する接続であってもよい。
(変形例)
上記の実施形態では、中間電極132の電圧(分圧電圧)を直接検出して増幅する場合を説明した。第1送電線200の電圧を測定する方法は、これに限定されない。本変形例では、上記の実施形態と同じ構成の第1中間電極構造体102を用いて、第1送電線200の交流電圧により生じる電流を検出する。
図6を参照して、本変形例に係る変成器160は、図1と同様に構成される。変成器160が図1の変成器100と異なるのは、第1〜第3検出ユニット122〜126が、それぞれ第1〜第3検出ユニット162〜166に代替されていることだけである。したがって、重複説明を繰返さず、以下においては、主として異なる点に関して説明する。
図7を参照して、第1導電線116の一端は、実施形態と同様に中間電極132に接続されているが、他端は、実施形態と異なり大地210に接続(接地)されている。第1中間電極構造体102は、上記したように、実施形態と同様に構成されている。図7には、図3に示した第1中間電極構造体102の構成の一部を示す。第1検出ユニット162は、第1導電線116に巻回された検出コイル172と、検出コイル172に発生した信号(電流)が入力される信号整合ユニット170と、ダイオード対174とを含む。図6に示した第2検出ユニット164及び第3検出ユニット166も、第1検出ユニット162と同様に構成されている。
検出コイル172は、第1導電線116を流れる電流を検出するためのものである。上記したように、第1送電線200と中間電極132との間には結合容量134(C2)が存在するので、第1送電線200を流れる交流電流により、中間電極132の電位が変動し、それに応じた変動電流が第1導電線116に流れる。第1導電線116を流れる変動電流により形成される変動磁場により、検出コイル172の両端には電位差が生じる。したがって、これを信号整合ユニット170により検出し、検出信号を積分して第1送電線200の電圧を測定(算出)する。検出コイル172により検出される電流は比較的小さいので、検出コイル172には透磁率の高い部材(例えば、比透磁率が1000以上の部材。パーマロイ等)で形成したコアを設けることが好ましい。
ダイオード対174は、順方向が相互に逆になるように接続された2つのダイオード(以下、双方向ダイオードともいう)で構成されている。ダイオード対174は、安全のために設けられ、過大な電流が発生した場合に、電流を大地に逃がすためのものである。なお、ダイオードの数は2つ(1対)に限定されず、4つ(2対)以上であってもよい。
信号整合ユニット170は、オペアンプ178と、抵抗R7と、コンデンサC3とを含む。
オペアンプ178の反転入力端子(「−」を付した端子)は、検出コイル172の一方の端部と接続され、オペアンプ178の非反転入力端子(「+」を付した端子)は接地されている。オペアンプ178の出力端子と反転入力端子とは、並列接続されたコンデンサC3及び抵抗R7により接続されている。このように構成されることにより、オペアンプ178は積分器として機能し、出力信号OUTは、反転入力端子に入力される入力信号INを積分した信号となる。なお、抵抗R7は、回路を安定させるためのものであり、積分するために不可欠ではない。
ここで、検出コイル172が検出するのは、第1導電線116を流れる電流である。第1導電線116を流れる電流I(t)は、結合容量134(容量C2)の両端の電圧をV(t)とすると、I(t)=C2×dV(t)/dtで表される(ここで、tは時間を表し、dV(t)/dtは電圧の微分を表す)。したがって、電流I(t)を積分すると、電圧V(t)を得ることができる。即ち、オペアンプ178は、検出コイル172の検出信号(第1導電線116を流れる電流の検出信号(入力信号IN))を積分して、電圧(出力信号OUT)を出力する。オペアンプ178の出力信号OUTは、後段の測定機器に出力され、上記と同様に処理される。これにより、第1送電線200の電圧を信号整合ユニット170により測定でき、その変動を観測できる。
オペアンプ178は、検出コイル172により、送電線を含む電力設備と絶縁されているので、アイソレーションアンプでなく、通常のオペアンプであればよい。
上記では、検出される電流を、オペアンプを使用した積分回路により積分して、電圧に変換する場合を説明したが、これに限定されない。オペアンプを使用せずに、アナログの検出信号(電流)をデジタルデータに変換した後に、半導体演算子(DSP(Digital Signal Processor)等)により積分を実行してもよい。
上記では、3本の送電線の各々の端部に、中間電極構造体を配置する場合を説明したが、これに限定されない。電圧測定の対象である、少なくとも1本の送電線の端部に中間電極構造体が配置されていればよい。
絶縁部材130は、1種類の部材で形成されていなくてもよく、複数の部材により形成されていてもよい。例えば、絶縁部材130は、複数の部材を混合した部材(例えば、エポキシにシリカを充填した部材、エポキシにグラスファイバを充填した部材等)で形成されてもよい。また、絶縁部材130は、複数の材料を積層したもの(平面状に積層したもの、及び、中心付近を第1の材料で形成し、その周囲に第2の材料を形成したものを含む)であってもよい。
上記では、1つの管路(容器)に一括して収容された3相の送電線の電圧を測定する変成器に関して説明したが、これに限定されない。2本の送電線が1つの管路に収容されていても、4本以上の送電線が1つの管路に収容されていてもよい。
以上、実施の形態を説明することにより本発明を説明したが、上記した実施の形態は例示であって、本発明は上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
100、160 変成器
102 第1中間電極構造体
104 第2中間電極構造体
106 第3中間電極構造体
108 第1スペーサ
110 外殻部
112 第2スペーサ
114、208 空間
116 第1導電線
118 第2導電線
120 第3導電線
122、162 第1検出ユニット
124、164 第2検出ユニット
126、166 第3検出ユニット
130 絶縁部材
132、908、910、912、946 中間電極
134 結合容量
914、916、918、920 浮遊容量
140、170 信号整合ユニット
142 分圧コンデンサ
144 保護素子
146 絶縁アンプ
150 トランス
152、178 オペアンプ
172 検出コイル
174 ダイオード対
200 第1送電線
202 第2送電線
204 第3送電線
206 外装管
210 大地
900 管状容器
902、904、906、940 送電線
942 接地電極
944 ピンホール

Claims (4)

  1. 1つの管路に収容された複数本の送電線のうち少なくとも1本の送電線の端部に配置された絶縁部材と、
    前記絶縁部材の表面上に配置された導電性部材とを含み、
    前記導電性部材は、前記複数本の送電線のいずれとも電気的に絶縁されており、
    前記導電性部材は、当該導電性部材と当該導電性部材に対応する送電線との間の結合容量を用いて、当該導電性部材に対応する送電線の電圧を測定する際に中間電極として使用されることを特徴とする、中間電極構造体。
  2. 前記絶縁部材は、比誘電率が2.0以上の高誘電体で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の中間電極構造体。
  3. 請求項1又は2に記載の中間電極構造体と、
    前記導電性部材を接地するコンデンサと、
    前記中間電極構造体が配置された送電線により交流電力が供給される際に、前記導電性部材の電圧を検出する検出手段とを含み、
    前記検出手段は、前記送電線の電圧を、前記結合容量と前記コンデンサとにより分圧された電圧として検出することを特徴とする、変成器。
  4. 請求項1又は2に記載の中間電極構造体と、
    前記導電性部材を接地する導電性の接地線と、
    前記中間電極構造体が配置された送電線により交流電力が供給される際に、前記接地線に流れる電流を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された信号を積分する積分手段とを含み、
    前記積分手段による積分結果は、前記送電線の電圧の測定値を生成するために使用されることを特徴とする、変成器。
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