JP3516285B2 - 磁気ディスク媒体の製造方法およびその耐クラック性改良方法 - Google Patents

磁気ディスク媒体の製造方法およびその耐クラック性改良方法

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JP3516285B2 JP19049896A JP19049896A JP3516285B2 JP 3516285 B2 JP3516285 B2 JP 3516285B2 JP 19049896 A JP19049896 A JP 19049896A JP 19049896 A JP19049896 A JP 19049896A JP 3516285 B2 JP3516285 B2 JP 3516285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性金属薄膜を
磁性膜とする磁気ディスク媒体の製造方法に関し、特
に、高い耐熱性、平滑な表面性および高い引張強度を有
する下塗り膜を作成することにより、低コスト化と優れ
た電磁変換特性とを実現した金属薄膜型磁気ディスク
体の製造方法および磁気ディスク媒体の耐クラック性改
良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、フロッピー(登録商標)
ィスクあるいはハードディスク等の磁気記録媒体は一般
に、非磁性支持体上に磁性膜、保護膜などを成膜する工
程によって製造されている。このような磁気記録媒体に
おいては、スパッタ法や蒸着法等の真空成膜法によって
作成した強磁性金属薄膜を磁性膜とする磁気記録媒体が
実用化されている。上記のようなスパッタ法や蒸着法に
よって磁性膜を形成した磁気記録媒体は、高い磁気エネ
ルギーが容易に得られ、さらに非磁性支持体の表面を平
滑にすることによって平滑な磁性膜表面性を容易に達成
できるためスペーシングロスが少なく、高い電磁変換特
性を得ることができるため高密度記録材料に適してい
る。特にスパッタ法は蒸着法よりさらに磁気エネルギー
を高めることができるため、ハードディスクのような高
い記録密度が要求される媒体に採用されている。
【0003】一方、磁気記録媒体には磁気ヘッドとの摺
動に対する高い信頼性が要求される。例えばハードディ
スクのCSS特性や蒸着テープのスチル耐久性のような
走行耐久性があげられ、このような耐久性を確保するた
めに非磁性支持体表面に微小な突起を形成し、磁気ヘッ
ドに対する真実接触面積の低減を図っている。しかしな
がら、最近の磁気記録媒体では高記録密度化の要求が強
く、従来よりさらに高い電磁変換特性が必要となってき
ている。このため非磁性支持体表面に設けられる突起の
高さは益々低くなる傾向にあり、突起高さは20nm以
下となってきている。
【0004】このためハードディスクでは非磁性支持体
であるアルミニウム基板、ガラス基板、カーボン基板等
の基板表面を機械的または化学的に研磨し、非常に平滑
なテクスチャーとしている。また蒸着により磁性膜を形
成した磁気テープでは、非磁性支持体であるポリエチレ
ンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレート
フィルム等の高分子フィルム表面を非常に平滑にし、こ
の上に球状微粒子を塗布している。そして、これ以上に
高記録密度化を行うためには、さらに突起高さを低下さ
せるか、実質的に突起を持たない鏡面支持体を使用しな
ければならない。
【0005】ところで、磁気テープやフロッピーディス
クのように、非磁性支持体としてポリエチレンテレフタ
レートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等
の可撓性高分子フィルムを用いたものにおいても、記録
密度の向上等を図るため、スパッタ法や蒸着法で強磁性
金属薄膜からなる磁性膜を形成することが望ましいが、
そのような高分子フィルムは耐熱性に劣るので、スパッ
タ法で支持体を加熱しながら成膜した場合、あるいは蒸
着法により蒸着速度を高めて成膜した場合、高分子フィ
ルムの表面が加熱されてオリゴマーの析出等による表面
性の劣化が発生し、磁性膜の平滑な表面性による低スペ
ーシングロス化すなわち高記録密度化を得ることが困難
になるという問題が生じる。この問題を解決するため
に、以下の技術が提案されてきた。
【0006】一つは、非磁性支持体である高分子フィル
ムの材料として耐熱性樹脂を用いる方法である。用いる
耐熱性樹脂としては、ポリイミドフィルムなどが考えら
れるが、一般にポリイミドフィルムは高価である。加え
て、磁気記録媒体の支持体として使用に適した厚さでか
つ非常に平滑で表面性の良いポリイミドフィルムの作
成、使用は技術上困難であり、この方法は現実的ではな
い。
【0007】他には、例えば塗布により磁性膜を形成し
た従来の磁気記録媒体に、一般に用いられている比較的
安価な高分子フィルム上に下塗り膜を形成し、膜の平滑
性および/または耐熱性を高める方法が知られている。
【0008】例えば特開平6−349042号公報に
は、比較的表面の粗い高分子フィルム上に微粒子を含有
した樹脂膜を設けることにより適切な表面性を有するフ
ィルムを作成する方法が開示されている。しかし、ここ
で使用されている一般的な樹脂結合剤を用いた場合、ス
パッタ法により磁性膜を作成すると熱的なダメージによ
る表面性の劣化が激しい。
【0009】また特開平7−225934号公報には、
ポリエチレンテレフタレート上にポリエチレンナフタレ
ートを塗布し、熱によるオリゴマー析出を抑制する方法
が開示されている。しかし、ポリエチレンナフタレート
を用いても、スパッタ法で一般的な温度である200℃
までフィルムを加熱するとオリゴマー析出による表面性
の劣化を生じる。
【0010】また特開平6−208717号公報には、
より耐熱性の高いポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂を高
分子フィルム上に塗布する方法が開示されている。この
ような材料を用いるとスパッタ法に耐えうる耐熱性をフ
ィルムに付与することが可能ではある。しかしポリアミ
ド樹脂やポリイミド樹脂は汎用溶剤に対する溶解性が低
く、扱いにくい溶剤を使用する必要がある。また、樹脂
が汎用溶剤に可溶性であっても、溶液の粘度が高いた
め、表面性を高めることは困難である。さらにこのよう
な方法では、溶剤を十分に乾燥することが難しく、塗膜
中の溶剤残留量が多くなるため、製造工程におけるフィ
ルムの巻き取り時に塗膜とフィルムのバック面が接着し
てしまうブロッキングを引き起こしやすく、また磁性膜
を形成する際に揮発する残留溶剤が成膜用真空槽内を汚
染する可能性もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、可撓性
高分子フィルを支持体としてその上に強磁性金属薄膜
からなる磁性膜をスパッタ法で形成しようとする場合、
支持体と磁性膜との間に耐熱性および表面の平滑性を有
し、クラックが生じずかつ容易に形成し得る下塗り膜を
設けることが望ましいが、従来技術においてはそれらを
十分に満足し得る下塗り膜を設けることが困難であっ
た。
【0012】そこで、本発明は上記事情に鑑み、非常に
平滑な表面性を有し、さらに支持体加熱を伴うスパッタ
法で磁性膜を作成した場合でも、表面性の劣化やクラッ
ク、ブロッキングの発生がない下塗り膜を有し、低コス
トで容易に製造することのできる磁気ディスク媒体の製
造方法、およびその製造におけるクラックの発生を阻止
する磁気ディスク媒体の耐クラック性改良方法を提供
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明の磁気ディスク
体の製造方法は、可撓性高分子フィルムによる非磁性支
持体の少なくとも一方の面に、少なくともシリコーンを
含有した溶液を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜に紫
外線もしくは電子線を照射して硬化させたシリコーン樹
脂からなる下塗り膜を形成し、下塗り膜上に金属下地
層とCo合金強磁性金属薄膜をこの順でスパッタ法によ
り成膜し、さらに該Co合金強磁性金属薄膜上に保護層
と潤滑層をこの順で成膜したことを特徴とするものであ
る。前記シリコーンはアクリル基を有するシランカップ
リング剤が好適に使用できる。また、本発明の磁気ディ
スク媒体の耐クラック性改良方法は、可撓性高分子フィ
ルムによる非磁性支持体の少なくとも一方の面に、少な
くともシリコーンを含有した溶液を塗布して塗膜を形成
した後、該塗膜に紫外線もしくは電子線を照射して硬化
させたシリコーン樹脂からなる下塗り膜を形成し、該下
塗り膜上に少なくともCo合金強磁性金属薄膜をスパッ
タ法で成膜したことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、可撓性高分子フィルム
による非磁性支持体上にシリコーン樹脂からなる下塗り
膜を設けるについて、この原料として使用されるシリコ
ーンは紫外線もしくは電子線で重合硬化可能なケイ素化
合物であるため、このような方法で作成された下塗り重
合膜は従来のポリエステル樹脂などと比較して平滑性、
耐熱性、耐ブロッキング性に優れている。また、この重
合膜は、テトラエトキシシランなどを出発原料としたゾ
ルゲル法によって作成されるシリカ膜と比較して耐クラ
ック性に優れている。
【0015】さらに、紫外線もしくは電子線を用いるこ
とによって重合硬化反応を低温で行うことができるた
め、熱硬化型シリコーン樹脂と比較し、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートといったフ
ッピー(登録商標)ディスクで一般的に使用される耐熱
性があまり高くないプラスチック支持体上にも、この支
持体に熱ダメージを与えることがなく、耐熱性の高い下
塗り膜を作成することが可能であり、磁気ディスク媒体
の下塗り膜に非常に適した特性を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用できるシリコーン
は、例えばアクリル基を有するシランカップリング剤、
ビニル基を有するシランカップリング剤、メルカプト基
を有するシランカップリング剤、エポキシ基を有するシ
ランカップリング剤等のカーボンファンクショナルシラ
ンカップリング剤であって、紫外線もしくは電子線で重
合硬化が可能な化合物である。実際には紫外線、電子線
の照射条件や要求される下塗り膜の耐熱性等によって、
前記の化合物の中から1種または複数の化合物を組み合
わせて使用する。中でもアクリル基を有するシランカッ
プリング剤およびビニル基を有するシランカップリング
剤は、塗膜の柔軟性、耐熱性、耐ブロッキング性に優れ
るため好適である。
【0017】アクリル基を有するシランカップリング剤
は、例えば下記化学式1で表される構造である。
【0018】
【化1】 (CH2 =C(CH3 )COO−R)n −Si−X4-n 但しRはアルキレン基など2価の有機残基 Xはアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、アルキル
基などの有機基から選択される1価の基 nは1〜3の整数 である。
【0019】化学式1の構造において、Rはメチレン
基、エチレン基など2価の有機残基であり、炭素数が増
加するに従って膜の柔軟性が増してクラックを発生しに
くくなるが、耐熱性は低下する。このためRの炭素数は
1〜5の範囲であることが好ましい。Xは反応性や磁性
膜への腐食性を考慮すると好ましくはアルコキシ基であ
り、重合反応を容易とするため、特にメトキシ基など炭
素数4以下のアルコキシ基が好ましい。nは好ましくは
1または2であるが、重合反応を容易とするため、特に
1で有ることが好ましい。
【0020】アルケニル基を有するシランカップリング
剤としては、例えば下記化学式2で表される構造であ
る。
【0021】
【化2】(H2 C=CHR)n −Si−X4-n 但しRはアルキレン基など2価の有機残基 Xはアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、アルキル
基などの有機基から選択される1価の基 nは1〜3の整数 である。
【0022】このようなビニル基を有するシランカップ
リング剤の有機基も、アクリル基を有するシランカップ
リング剤と同様に、炭素数が増加するに従って膜の柔軟
性が増してクラックを発生しにくくなるが、耐熱性は低
下する。したがってアルケニル基としては炭素数は2〜
5が好ましい。
【0023】上記シランカップリング剤のアルコキシシ
ラン等の部分は、後述の方法で塗布乾燥することによっ
て、加水分解、重合してシロキサン結合を生成する。こ
の加水分解速度と重合速度は、必要に応じて水や塩酸等
の酸、硬化触媒を添加することによって調整できる。
【0024】本発明において非磁性支持体上にシリコー
ンを含んだ下塗り液を塗布して塗膜を形成する方法とし
ては、シリコーンや添加物をメタノール等の有機溶剤に
溶解した溶液をワイヤーバー法、グラビア法、スプレー
法、ディップコート法、スピンコート法等の手法によっ
て非磁性支持体上に塗布した後、乾燥する方法が使用で
きる。このときの乾燥温度は100℃以下で十分であ
る。さらにこの後、必要に応じて塗膜を焼成して重合を
促進させてもよい。
【0025】このとき使用される溶剤としては、シリコ
ーンや添加物の構造によって決定されるが、多くの場合
エタノール、メタノール等を用いることができる。また
これらにイソプロピルアルコールやメチルエチルケトン
などを混合した混合溶剤を使用することもできる。
【0026】本発明においては、上記非磁性支持体表面
にシリコーンを包含した溶液を塗布した後、紫外線また
は電子線を照射することによってシリコーンの重合硬化
を完結させる。シリコーンのアクリル基、ビニル基、エ
ポキシ基等の官能基の重合は、紫外線、電子線もしくは
放射線を照射することによって室温でも重合可能であ
る。しかしより短時間にまたより低温で重合を開始させ
るため、重合開始剤、硬化剤の併用が好ましい。
【0027】例えば、アクリル基、ビニル基を紫外線の
照射で硬化する場合には、一般的な紫外線硬化樹脂で用
いられる光重合開始剤が使用できる。具体的には、ベン
ゾイン、ベンゾイソブチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテルなどのベンゾイン系化合物、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
等のアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、芳香族ケトン化合物、アゾ化合物などがあげられ、
その他白金系触媒なども使用できる。エポキシ基の場合
には、オニウム塩系触媒が使用できる。
【0028】一方、電子線の照射により硬化を行う場合
には、上記官能基は特に限定されず、硬化剤も不用であ
る場合が多い。
【0029】本発明で使用される紫外線照射装置は特に
限定されず、一般的な高圧水銀ランプ、低圧水銀ラン
プ、エキシマーランプなどが使用できる。照射時の雰囲
気も特に限定されないが、窒素などの不活性ガス雰囲気
下で照射することが好ましい。
【0030】また本発明で使用される電子線照射装置と
しては、カーテンピーム型、バンデグラーフ型などが使
用できる。電子線としては加速電圧が100〜1000
kV、好ましくは100〜300kVであり、吸収線量
は0.5〜20メガラッド、好ましくは2〜10メガラ
ッドである。
【0031】また本発明の下塗り膜には、シリコーンと
硬化剤以外の成分が含有されていても良い。この添加剤
としては、表面に凹凸を設けるための耐熱性微粒子(フ
ィラー)、耐熱性ならびに塗膜の硬度を調整するための
金属アルコキシド、支持体との密着を改善するためまた
は塗膜の柔軟性を調整するためのカップリング剤、磁性
膜の酸化を防止する防錆剤などがあげられる。
【0032】表面に凹凸を設けるための耐熱性微粒子と
しては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど
の無機酸化物、炭酸カルシウム、炭素、高分子などがあ
げられる。この形状としては単分散で球状であることが
好ましい。その粒子径は下塗り膜の膜厚に応じて選ばれ
るが10〜1000nm、好ましくは20〜100nm
である。本発明において塗布液は主としてアルコール溶
液であるため、アルコール分散したオルガノシリカゾル
や酸性水溶液分散したシリカゾルなどが特に好適であ
る。
【0033】耐熱性ならびに塗膜の硬度を調整するため
の金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシジルコニウムなどがあげられ、これら
の添加によって耐熱性と硬度を向上させることができ
る。またメチルトリエトキシシランなどの有機基を導入
したシランカップリング剤を添加すると、引っ張り強度
を大きく低下させることなく、耐熱性を若干向上させる
ことができるため好ましい。
【0034】本発明はフロッピー(登録商標)ディスク
等のフレキシブル磁気ディスク媒体に好適である。本発
明で使用する非磁性支持体としての可撓性高分子フィル
ムは、厚さ3〜100μmのポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド等のフイルム等が使用できる。ま
た、フィルムの内部にフィラーを含有し、フィルム表面
に凹凸を形成したものでも良い。
【0035】また、本発明の下塗り膜は支持体との密着
性に優れるが、密着性が不足の場合にはシランカップリ
ング剤などの添加剤による支持体の表面処理や、酸素プ
ラズマ、アルゴンプラズマ、紫外線照射、電子線照射、
火炎などによる支持体の表面処理を施すことが好まし
い。
【0036】本発明の磁気記録媒体における磁性膜とな
る強磁性金属薄膜は、従来より公知の真空蒸着法や、ス
パッタ法により形成することができる。
【0037】磁性膜をスパッタ法で作成する場合、組成
としてはコバルトを主体とした従来より公知の金属また
は合金があげられ、具体的にはCo−Cr、Co−Ni
−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−
Cr−Ta−Pt、Co−Cr−Pt−Si、Co−C
r−Pt−B等が使用できる。特に電磁変換特性を改善
するためにCo−Cr−Ta、Co−Cr−Ptが好ま
しい。磁性層の厚みは10〜300nmとするのが望ま
しい。またこの場合、磁性膜の静磁気特性を改善するた
めの下地膜を設けることが好ましく、この下地膜の組成
としては従来より公知の金属または合金などがあげら
れ、具体的にはCr、V、Ti、Ta、W、Si等また
はこれらの合金が使用でき、中でもCr、Cr−Ti、
Cr−Siが特に好ましい。この下地膜の厚みとしては
5〜500nmであり、好ましくは10〜200nmで
ある。またスパッタ法で磁性膜を作成する場合には、支
持体を加熱した状態で成膜することが好ましく、そのと
きの温度は200℃前後である。
【0038】
【0039】また、強磁性金属薄膜は電磁変換特性を改
善するため重層構成としたり、非磁性下地層や中間層を
有していても良い。
【0040】本発明の磁気記録媒体においては強磁性金
属薄膜上に保護膜が設けられていてもよく、この保護膜
によってさらに走行耐久性、耐食性を改善することがで
きる。保護膜としては、シリカ、アルミナ、チタニア、
ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの酸化物
保護膜、窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒
化物保護膜、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の
炭化物保護膜、グラファイト、無定型カーボンなどの炭
素からなる炭素保護膜があげられる。
【0041】前記炭素保護膜は、プラズマCVD法、ス
パッタリング法等で作成したアモルファス、グラファイ
ト、ダイヤモンド構造、もしくはこれらの混合物からな
るカーボン膜であり、特に好ましくは一般にダイヤモン
ドライクカーボンと呼ばれる硬質カーボン膜である。こ
の硬質炭素膜はビッカース硬度で1000kg/mm2
上、好ましくは2000kg/mm2 以上の硬質の炭素膜で
ある。また、その結晶構造はアモルファス構造であり、
かつ非導電性である。ダイヤモンド状炭素膜の構造をラ
マン光分光分析によって測定した場合には、1520〜
1560cm-1にピークが検出される。炭素膜の構造が
ダイヤモンド状構造からずれてくるとラマン光分光分析
により検出されるピークが上記範囲からずれるととも
に、炭素膜の硬度も低下する。
【0042】この硬質炭素保護膜は、メタン、エタン、
プロパン、ブタン等のアルカン、あるいはエチレン、プ
ロピレン等のアルケン、またはアセチレン等のアルキン
をはじめとした炭素含有化合物を原料としたプラズマC
VDや、水素や炭化水素雰囲気下で炭素をターゲットと
したスパッタリング等によって形成することができる。
硬質炭素保護膜の膜厚が厚いと電磁変換特性の悪化や磁
性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が薄いと耐磨耗
性が不足するために、膜厚2.5〜20nmが好まし
く、特に好ましくは5〜10nmである。
【0043】また、この硬質炭素保護膜上に付与する潤
滑剤との密着をさらに向上させる目的で硬質炭素保護膜
表面を酸化性もしくは不活性気体のプラズマによって表
面処理しても良い。
【0044】本発明の磁気記録媒体において、走行耐久
性および耐食性を改善するため、上記磁性膜もしくは保
護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。潤
滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑
剤、極圧添加剤などが使用できる。
【0045】炭化水素系潤滑剤としては、ステアリン
酸、オレイン酸等のカルボン酸類、ステアリン酸ブチル
等のエステル類、オクタデシルスルホン酸等のスルホン
酸類、リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコ
ール類、ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類、
ステアリルアミン等のアミン類などがあげられる。
【0046】フッ素系潤滑剤としては、上記炭化水素系
潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキ
ル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤
滑剤があげられる。パーフルオロポリエーテル基として
は、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体(CF2 CF2 CF2 O)n 、パー
フルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(C
3 )CF2 O)n またはこれらの共重合体等である。
【0047】極圧添加剤としては、リン酸トリラウリル
等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リ
ン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチ
オ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジ
ベンジル等の硫黄系極圧剤などがあげられる。
【0048】上記潤滑剤は単独もしくは複数を併用して
使用される。これらの潤滑剤を磁性膜もしくは保護膜上
に付与する方法としては潤滑剤を有機溶剤に溶解し、ワ
イヤーバー法、グラビア法、スピンコート法、ディップ
コート法等で塗布するか、真空蒸着法によって付着させ
ればよい。潤滑剤の塗布量としては、1〜30mg/m
2 が好ましく、2〜20mg/m2 が特に好ましい。
【0049】本発明で使用できる防錆剤としては、ベン
ゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミ
ジン等の窒素含有複素環類およびこれらの母核にアルキ
ル側鎖等を導入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メ
ルカプトンベンゾチアゾール、テトラザインデン環化合
物、チオウラシル化合物等の窒素および硫黄含有複素環
類およびこの誘導体等があげられる。
【0050】このような目的で使用可能なテトラザイン
デン環化合物には、下記に示すものがあげられる。
【0051】
【化3】
【0052】ここで、Rには、アルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミド基から選ばれる炭化水素基である。
特に好ましくは、炭素数3以上20以下であり、アルコ
キシの場合にはROCOCH2 −のRは、C3 7 −、
6 13−、フェニル、またアルキル基の場合には、C
6 13−、C9 19−、C1735−があげられ、アルキ
ルアミドの場合にはRNHCOCH2 −のRはフェニ
ル、C3 7 −があげられる。
【0053】また、チオウラシル環化合物には、下記に
示すものがあげられる。
【0054】
【化4】
【0055】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示し、
その特性を評価する。
【0056】(実施例1)最大突起粗さが0.01μm
の厚み63μmのポリエチレンナフタレートフィルム上
に、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、アセトフェノンをエタノールに溶解した溶液をグラ
ビアコート法で塗布した後、60℃で乾燥し、引き続き
この塗膜に窒素雰囲気下で高圧水銀ランプを用いて紫外
線を5秒間照射て重合硬化させ、厚み1μmの下塗り膜
を作成した。
【0057】このフィルムを大気中で温度170℃に加
熱する脱ガス処理を行った後、スパッタ装置に設置し、
基板温度を150℃に加熱しながらDCマグネトロンス
パッタ法でCr−Ti下地膜を60nm成膜し、さらに
引き続きCo−Cr−Pt磁性膜を30nm成膜し、さ
らにその上にメタンを原料としたプラズマCVD法で硬
質炭素保護膜を20nm成膜した。次にこの保護膜上に
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤(アウジモント社製
FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系溶剤(住友3
M社製FC−77)に溶解した溶液をディップコート法
で塗布して厚み1nmの潤滑膜を作成した。
【0058】この下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜はフ
ィルムの両面に対して成膜した。そしてこの試料を3.
7インチの磁気ディスク形状に打ち抜き、フロッピーデ
ィスクを作成した。
【0059】(実施例2)下塗り膜塗布液の組成を、ビ
ニルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリエト
キシシラン(モル比1:1)とアセトフェノンをエタノ
ールに溶解した溶液に変更した以外は、実施例1と同様
に試料を作成した。
【0060】(実施例3)下塗り膜塗布液の組成を、3
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、アセ
トフェノン、エタノールに分散した粒子径25nmオル
ガノシリカゾル(固形分重量比1:1)をエタノールに
溶解した溶液に変更した以外は、実施例1と同様に試料
を作成した。
【0061】(実施例4)最大突起粗さが0.01μm
の厚み63μmのポリエチレンナフタレートフィルム上
に、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン
をエタノールに溶解した溶液をグラビアコート法で塗布
した後、60℃で乾燥し、引き続きこの塗膜に加速電圧
200KVで、吸収線量3Mradとなるように電子線
を2秒間照射して重合硬化させ、厚み1μmの下塗り膜
を作成した。その後は実施例1と同様に試料を作成し
た。
【0062】(比較例1)実施例1において下塗り膜を
塗布せず、ポリエチレンナフタレート上に直接磁性膜を
成膜した以外は実施例2と同様に試料を作成した。
【0063】(比較例2)最大突起粗さが0.01μm
の厚み63μmのポリエチレンナフタレートフィルム上
に、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、アセトフェノンをエタノールに溶解した溶液をグラ
ビアコート法で塗布した後、100℃で乾燥し、下塗り
膜を作成した。このフィルムを大気中で温度170℃に
加熱する脱ガス処理を行った後、スパッタ装置に設置
し、基板温度を150℃に加熱しながらDCマグネトロ
ンスパッタ法でCr−Ti下地膜を60nm成膜し、さ
らに引き続きCo−Cr−Pt磁性膜を30nm成膜
し、さらにその上にメタンを原料としたプラズマCVD
法で硬質炭素保護膜を20nm成膜した。次にこの保護
膜上にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤(アウジモン
ト社製FOMBLIN Z−DOL)をフッ素系溶剤
(住友3M社製FCー77)に溶解した溶液をディップ
コート法で塗布して厚み1nmの潤滑膜を作成した。こ
の下地膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜はフィルムの両面に
対して成膜した。そしてこの試料を3.7インチの磁気
ディスク形状に打ち抜き、フロッピーディスクを作成し
た。
【0064】(比較例3)下塗り膜塗布液の組成を、テ
トラエトキシシランと水、塩酸をエタノールに溶解した
溶液に変更した以外は、比較例2と同様に試料を作成し
た。
【0065】(比較例4)下塗り膜塗布液の組成を、ポ
リエステル樹脂(東洋紡社製バイロン200)のメチル
エチルケトン溶液に変更した以外は、比較例2と同様に
試料を作成した。
【0066】作成した試料は以下の観点から評価を行っ
た。
【0067】(1)表面性 硬化後の下塗り膜表面、完成した媒体表面について光学
顕微鏡観察(100倍)を行うと共に、原子間力顕微鏡
(AFM)で10×10μmから100×100μmの
範囲を観察し、30×30μmについて基準面からの突
起高さ分布と高さ20nm以上の突起数を求めた。
【0068】(2)下塗り膜塗布乾燥後のブロッキング
の有無 巻き取った状態でフィルムの裏面(塗膜あり)への貼り
付きの有無を確認した。
【0069】上記評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】上記表1から分かるように、比較例1は耐
熱性の低いポリエチレンナフタレートフィルムに下塗り
膜を形成することなく、磁性膜をスパッタ法で形成した
ことで、表面に光学顕微鏡観察でクラック、面荒れが若
干発生していることが測定され、原子間力顕微鏡でも面
荒れ、多数の突起が測定された。また、比較例2は、紫
外線照射による硬化を行っていない下塗り膜の上に磁性
膜をスパッタ法で形成したことで、ブロッキングが発生
している。
【0072】比較例3は、ゾルゲル法によってシリカ膜
を下塗り膜として形成したもので、この下塗り膜は脆く
光学顕微鏡観察によってクラックが発生していることが
測定された。比較例4はポリエステル樹脂膜を下塗り膜
としていることで、光学顕微鏡観察によって若干のクラ
ックと面荒れが発生していることが測定され、原子間力
顕微鏡によっても面荒れ、突起が測定された。
【0073】これに対し、本発明の実施例1〜4では、
クラック、面荒れ、突起は測定されず、ブロッキングも
発生することなく良好な表面性が得られていることが確
認できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/858

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性高分子フィルムによる非磁性支持
    体の少なくとも一方の面に、少なくともシリコーンを含
    有した溶液を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜に紫外
    線もしくは電子線を照射して硬化させたシリコーン樹脂
    からなる下塗り膜を形成し、下塗り膜上に金属下地層
    とCo合金強磁性金属薄膜をこの順でスパッタ法により
    成膜し、さらに該Co合金強磁性金属薄膜上に保護層と
    潤滑層をこの順で成膜したことを特徴とする磁気ディス
    媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコーンはアクリル基を有するシ
    ランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気ディスク媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 可撓性高分子フィルムによる非磁性支持
    体の少なくとも一方の面に、少なくともシリコーンを含
    有した溶液を塗布して塗膜を形成した後、該塗膜に紫外
    線もしくは電子線を照射して硬化させたシリコーン樹脂
    からなる下塗り膜を形成し、該下塗り膜上に少なくとも
    Co合金強磁性金属薄膜をスパッタ法で成膜したことを
    特徴とする磁気ディスク媒体の耐クラック性改良方法。
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