JP3516041B2 - ナチュラルミルクフレーバーの製造法 - Google Patents

ナチュラルミルクフレーバーの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナチュラルミルク
フレーバーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 従
来、ミルクフレーバーの製造法としては、乳製品の微
生物発酵、乳脂肪のリパーゼによる生化学的変換、
乳製品の超臨界炭酸ガス抽出、香気分析により見いだ
された合成化合物の添加など、様々な方法が提案されて
きた。しかし、の方法では、フレーバートップ部分の
香気が強化されるが、酸味が強く、ナチュラルな香味が
損なわれ易い。また、の方法では、脂肪酸が遊離され
ることによりフレーバーにクリーミー感やコクが生じる
半面、苦味が生じ香気の軽さが損なわれる。また、の
方法では、乳製品の様に含まれる香気成分が微弱な場
合、十分な強さのフレーバーを得ることは困難であり、
また製造コストも高い。更に、の方法では、ナチュラ
ルな香味が不十分である。
【0003】また樹脂等の吸着作用あるいは分配作用を
利用して天然物あるいは稀薄溶液から有用物質を濃縮す
る方法は、フラッシュクロマトグラフィーという名称で
広く利用されているが、香気分野への適用は、ある程度
香気の強いものに限られている。さらに、前記各提案に
おいても、牛乳の常温時あるいは牛乳をわずかに加熱し
たときに発生する独特の生乳感をもたらす新鮮な香気成
分を得る方法などについては、全く言及されていない。
【0004】本発明者等は、味が軽く、きれの良い後
味、ナチュラルな香味を付与でき、特に生乳感の付与に
優れたミルクフレーバーを得るべく検討を行ってきたと
ころ、牛乳を吸着剤と接触させることにより、牛乳本来
が有する独特の生乳感を有する微量の香気成分が吸着剤
に吸着され、これがエチルアルコール溶液により容易に
溶出し、得られた溶出液がミルクフレーバーとして優れ
ている事を見出して本発明を完成するに至った。
【0005】したがって、本発明の目的は、味が軽く、
きれの良い後味、ナチュラルな香味を付与でき、特に生
乳感の付与に優れたミルクフレーバーを、簡便な方法で
得ようとする事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、牛乳をポーラ
スポリマーまたは逆相クロマトグラフィー用充填剤と接
触させたのち、エチルアルコール溶液を用いて吸着成分
を該吸着剤から溶出してフレーバー溶出液を得る事を特
徴とする味が軽く、きれの良い後味、ナチュラルな香
味、特に生乳感の付与に優れたナチュラルミルクフレー
バーの製造法である。更に、本発明は、前記の製造法で
得られたナチュラルミルクフレーバーが含有されてなる
食品である。
【0007】 本発明に用いる牛乳には特に限定はない
が、均質化牛乳(高温殺菌乳、低温殺菌乳)、非均質化
(ノンホモ)牛乳、加工牛乳、脱脂乳、生乳等が挙げら
れ、均質化牛乳、中でも乳脂肪分3.5乃至4.2%の均質化
された高温殺菌乳が、製造の容易性及び製品の品質の点
から好ましい。また、生乳感を保持した牛乳を使用する
のが好ましい。
【0008】本発明に用いる吸着剤には、活性炭、カー
ボンブラック、珪藻土、ポーラスポリマー、逆相クロマ
トグラフィー用充填剤が挙げられるが、それらの中でも
ポーラスポリマー、逆相クロマトグラフィー用充填剤が
好ましい。逆相クロマトグラフィー用充填剤としては、
例えば化学結合型シリカゲル、架橋ビニルポリマー系、
多糖系等が挙げられる。化学結合型シリカゲルには、C
1、C2、C3、C8,C18、シアノ基等をシリカゲ
ルに結合したものがあるが、それらの中でも、C18、
すなわちODSと通称される充填剤が好ましい。
【0009】これらの吸着剤と牛乳を接触させる方法と
しては特に限定はなく、例えばカラムに吸着剤を充填し
牛乳を通液する方法(以下、カラム法ともいう)あるい
はタンクに牛乳と吸着剤とを入れ撹拌して接触させる方
法(以下、タンク法ともいう)等がある。しかしながら
取り扱いの容易さからカラム法が好ましい。
【0010】前記吸着剤と牛乳を接触させる場合の温度
は、特に限定はないが10〜30゜Cが好ましい。ま
た、生乳感を保持した原料乳を使用すべきであるという
点から加熱は避けるべきである。更に、高脂肪乳を低温
で通過させる場合等、牛乳は水で希釈して用いても良
い。
【0011】更にカラム法での牛乳の通液速度は、SV
=1〜200の範囲が好ましい。尚、SVとは、通液量
を吸着剤量と通液時間との積で割った値である。必要に
より上部から加圧あるいは下部から吸引しても良いが、
このときの加圧は1平方センチ当たり1kg、減圧の場
合は100mmHg を限度とするのが、製造上好ましい。
また、タンク法の場合、吸着剤と牛乳との接触時間は、
吸着剤の種類や量等によって異なるが一般的には0.5
〜3時間で十分である。
【0012】牛乳との接触が終了した吸着剤は、タンク
法においては濾過等で牛乳と分離された後、水で洗浄さ
れ、カラム法においても水を通液することにより洗浄さ
れる。洗浄時の水の使用量は吸着剤量の3〜10倍程度
である。この洗浄は、蛋白等の牛乳成分を除去して、製
造時の取り扱い性を確保するために行われる。
【0013】つぎにエチルアルコール溶液を用いて、吸
着成分を該吸着剤から溶出し、ナチュラルミルクフレー
バーを得る。本発明に用いるエチルアルコール溶液は、
エチルアルールを主とする溶液であれば特に限定はない
が、中でも99.5%エチルアルコール(以下、99A
Lともいう)、95%エチルアルコール(以下、95A
Lともいう)、前記エチルアルコール溶液と水との混合
溶液、前記溶液とプロピレングリコール又はグリセリン
との混合液等が好ましく、更には99ALや95ALが
好ましい。溶出時のエチルアルコール溶液の使用量には
特に限定はないが、通液した牛乳量の20分の1乃至2
00分の1が好ましい。200分の1を選択した場合は
吸着成分が高濃度で回収でき、20分の1を選択した場
合は香気濃度は低くなるが香気成分と同時に吸着される
ビタミンの回収率が向上する。得られたミルクフレーバ
ーは、牛乳特有の香気を保持するやや蛍光を帯びた白色
〜黄色液体である。
【0014】本発明のナチュラルミルクフレーバーは、
これを単独で使用する事も可能であり、またベース香料
として他の香料と組み合わせて使用する事も可能であ
る。前記乳脂肪のリパーゼによる生化学的変換で得られ
るミルクフレーバーは、低分子脂肪酸の香気が刺激臭と
なり、また酸味も強いという点から、単独で使用する事
が難しい事と較べても、本発明品の利点が分かる。
【0015】前記他の香料としては、例えば、ストロベ
リーやパインアップル等といった果汁フレーバー、ミル
ク、クリーム、バターやヨーグルト等といった乳製品フ
レーバー、バニラフレーバー、コーヒーフレーバー、ま
たは紅茶フレーバー等が挙げられる。
【0016】本発明の製造法により得られたミルクフレ
ーバーは、単独でまたは他の香料と組み合わせて、例え
ば、アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャン
ディー類のごとき冷菓類;調製乳、マーガリン、コーヒ
ーホワイトナー、洋菓子類、チューインガム類、ジャム
類、パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜
好品類;果汁飲料類、炭酸飲料類、果実酒、乳飲料類の
ごとき飲料類;和風スープ類、洋風スープ類のごときス
ープ類;即席カレー・シチュー類;風味調味料、各種イ
ンスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類などに
利用することができる。前記食品への配合量としては、
食品の種類によっても異なるが、例えば、0.01〜1
0重量%(以下、%と略記する)、好ましくは0.1〜
10%の範囲を例示することができる。更に具体的に説
明すると、アイスクリーム類の場合0.05〜0.2%
の添加量で十分な効果を発揮することができ、多量に使
用しても食品素材本来の食味等の特性に悪影響を及ぼさ
ない。
【0017】
【実施例】以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。
【0018】実施例1 ウォーターズ社製ボンダパックtC18充填剤 500
mlを内径11cm、高さ39cmのガラスカラムに充
填し、99ALを流し活性化させ、ついでエチルアルコ
ールを除く為に、蒸留水1000mlで洗浄した。次
に、明治3.5牛乳20リットルを供給量5リットル/
Hでカラムに通液した後、蒸留水2リットルで洗浄し、
99ALで吸着成分を溶出させ、フレーバー200gを
得た。得られたミルクフレーバーは、生乳特有の香気を
保持するやや蛍光を帯びた黄色液体であり、以下のよう
な物理的性状を有していた。 乾燥減量: 99.5 %、 pH : 6.69、 酸価:0.74、 比
重(20゜C) : 0.8650、屈折率(20゜C) : 1.3658、 水分含
量: 27.5 %、 窒素含量: 0.01 %
【0019】実施例2 ウォーターズ社製ポーラパック TYPE S 充填剤 30m
lを内径2.3cm、高さ14.5cmのガラスカラム
に充填し、99ALを流し活性化させ、ついでエチルア
ルコールを除く為に、蒸留水150mlで洗浄した。次
に、雪印3.5牛乳5リットルを供給量5リットル/H
でカラムに通液した後、蒸留水150mlで洗浄した。
99ALで吸着成分を溶出させ、フレーバー25gを得
た。
【0020】応用例1 ラクトアイスクリームへの配合
例及びパネル結果 下記に示す処方によりラクトアイスクリームを調製し
た。ついで、ナチュラルミルクフレーバー無添加系を対
照にして、実施例1で得られたナチュラルミルクフレー
バーを添加した系について、表現語による香味のパネル
を行った。即ち、添加系に対して表1に示す表現語群を
設定し、該当する表現語に投票する方式で行った。尚、
パネリストは良く訓練された調合従事者8名であった。 処方 添加系 無添加系 脱脂粉乳 120 g 120 g 精製椰子油 50 g 50 g 上白糖 120 g 120 g 粉末水飴 40 g 40 g 乳化剤 3 g 3 g 安定剤 3 g 3 g ナチュラルミルクフレーハ゛ー 5 g − g 精製水 659 g 664 g 合 計 1000 g 1000 g
【表1】 上記の結果より、本発明のナチュラルミルクフレーバー
はアイスクリームに対して優れた風味を付与する事が分
かる。即ち、添加系のアイスクリームはトップの飛び出
し・フレッシュ感と白く鼻に抜けるミルク感が良好で、
さらに旨味とコク味、きれの良い後味に優れているとい
う、総合評価が得られた。
【0021】応用例2 ラクトアイスクリームへの配合
例及びパネル結果 実施例2で得られたナチュラルミルクフレーバーを用い
る以外は、応用例1と同様にしてラクトアイスクリーム
を調達し、パネルテストを行った。その結果、応用例1
と同様に本発明のナチュラルミルクフレーバーはアイス
クリームに対して優れた風味を付与する事が分かった。
即ち、添加系のアイスクリームはトップの飛び出し・フ
レッシュ感と白く鼻に抜けるミルク感が良好で、さらに
旨味とコク味、きれの良い後味に優れているという、総
合評価が得られた。
【0022】発明の効果 本発明の製造法によって、新規で優れたナチュラルミル
クフレーバーを、簡便な方法で製造することが可能とな
った。即ち、得られたナチュラルミルクフレーバーは、
下記の利点を有している。味が軽く、きれの良い後
味、ナチュラルな香味を付与でき、特に生乳感の付与に
優れている。エッセンス(透明)で使い易い。熱保
留性が高い。天然物であるため、付香対象物へのなじ
みがよく、オーバーフレーバーでも違和感がない。ま
た、このフレーバーを用いることによって、乳飲料やコ
ーヒー飲料で、生乳感に優れたものを作ることが可能で
あり、また生乳感が豊かな高級感のあるアイスクリーム
等の冷菓の製造も可能である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 牛乳をポーラスポリマーまたは逆相クロ
    マトグラフィー用充填剤と接触させたのち、エチルアル
    コール溶液を用いて吸着成分を該吸着剤から溶出してフ
    レーバー溶出液を得る事を特徴とする味が軽く、きれの
    良い後味、ナチュラルな香味、特に生乳感の付与に優れ
    ナチュラルミルクフレーバーの製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のナチュラルミルクフレー
    バーが含有されてなる食品。
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