JP3515899B2 - 魚釣用電動リール - Google Patents
魚釣用電動リールInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータからの配線
とモータ制御部からの配線とを電気的に接続する接続部
が水密的に収容された魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚釣用電動リールに構成されてい
る配線は、リール本体の両側板内において、例えば半田
付け接続法や接続端子を用いた接続法によって、モータ
側配線とモータ制御部側配線とを電気的に接続する構成
が一般的に用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の配線技術におい
て、配線同士の接続部には、その短絡(ショート)や腐
食による断線等を防止するために、所定の被覆材を用い
た被覆処理が施されている。 【0004】この場合、リール本体の両側板内における
スペースが限定されているため、各々の配線は、その配
線レイアウトの自由度が限定され、屈曲させて収容させ
なければならない場合が多い。 【0005】しかし、各々の配線相互を屈曲させた場
合、接続部に施された被覆材にも屈曲作用が働くことに
よって、この被覆材と接続部との間に隙間が生じてしま
う場合がある。 【0006】この場合において、例えば魚釣時或いはリ
ール洗浄時にリール本体内に水が侵入したとき、被覆材
と接続部との間に隙間が形成されていると、この隙間か
ら水が侵入して接続部が濡れてしまう。この結果、接続
部の短絡(ショート)や接続部の腐食による断線といっ
た事態を誘発し易くなってしまう。 【0007】更に、従来の配線構造では、一旦配線構造
を完成させた後、例えばメンテナンスや修理等によりモ
ータを取り換える場合、モータのみの取り換えが不可能
であり、この場合には、例えば配線構造を途中で切断す
る等の処理をして、切断した配線と共にモータをリール
本体から取り外さなければならない。そして、新しいモ
ータをリール本体に取り付けた後、切断して残留してい
る配線と新たなモータからの配線とを相互に接続し、こ
の接続部に所定の被覆材を用いた被覆処理を施すといっ
た処理が必要となる。このため、モータの着脱作業が煩
雑で且つ時間がかかって面倒であると共に着脱作業に要
するコストが上昇してしまう。 【0008】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、屈曲してレイアウトした
配線同士の接続部の短絡や腐食による断線を確実に回避
することが可能であって、モータの着脱作業が容易に且
つ短時間に低コストで行うことが可能な魚釣用電動リー
ルを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の魚釣用電動リールは、リール本体の
フレームに設けられたモータと、このモータを回転制御
するモータ制御部と、前記モータからの配線と前記モー
タ制御部からの配線を電気的に接続する接続部とを有
し、前記モータを収容して保持可能なモータケースの側
部に弾性部材からなるカバー部材を着脱自在に取り付け
て、該モータケースと前記カバー部材とによって囲まれ
た内部空間に水密空間領域を形成し、この水密空間領域
に前記接続部を収容配置するように構成した。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る魚釣用電動リールについて、図1〜図3を参照して説
明する。図1〜図3に示すように、図中向かって右側に
手動ハンドル2が取り付けられたリール本体4の左右フ
レーム6a,6bの間には、スプール軸8のみが軸受に
よって回転可能に且つ直接支持されており、このスプー
ル軸8を囲繞するようにスプール10が配置されてい
る。 【0011】また、左右フレーム6a,6bの間には、
後述する水密性収容機構12内に収容されたスプール駆
動モータ14(以下、モータという)が配置されてお
り、このモータ14には、左フレーム6a(反ハンドル
側)方向に延出した駆動軸16が取り付けられている。 【0012】駆動軸16には、モータ14の回転運動を
減速して出力する第1の減速機構18(例えば、遊星ギ
ヤを用いた減速機構)が設けられている。第1の減速機
構18は、駆動軸16に回り止め嵌合された太陽歯車2
0と、この太陽歯車20に常時噛合し且つ太陽歯車20
の回転に従って自転しながら同時に公転する複数の遊星
歯車22と、これら遊星歯車22に噛合するように、左
フレーム6aに刻設された内歯歯車24とを備えてい
る。また、複数の遊星歯車22は、駆動軸16に対して
回転フリーな遊星歯車支持体26に支持されており、こ
の遊星歯車支持体26には、駆動歯車28が回り止め嵌
合されている。 【0013】駆動歯車28は、一方向クラッチ30を介
して、スプール軸8の反ハンドル側(左フレーム6a
側)に回り止め嵌合されたスプール駆動用歯車32に機
械的に連結されており、スプール軸8のハンドル側(右
フレーム6b側)には、第2の減速機構34が設けられ
ている。 【0014】この構成によれば、モータ14の回転運動
は、第1の減速機構18を介して所定量だけ減速された
後、駆動歯車28から一方向クラッチ30を介してスプ
ール駆動用歯車32に伝達される。そして、スプール駆
動用歯車32に伝達されたモータ14の回転運動は、ス
プール軸8を介して第2の減速機構34に伝達された
後、この第2の減速機構34によって所定量だけ減速さ
れてスプール10に伝達される。 【0015】第2の減速機構34は、その一例として、
遊星ギヤを用いた減速機構を適用しており、スプール軸
8に回り止め嵌合された太陽歯車36と、この太陽歯車
36に噛合した複数の遊星歯車38と、これら遊星歯車
38が常時噛合するようにスプール10の端面に刻設さ
れた内歯歯車40とを備えている。 【0016】複数の遊星歯車38は、遊星歯車支持体4
2に回転可能に支持されており、この遊星歯車支持体4
2は、スプール10に取り付けられたブラケット44に
嵌合し、且つ、軸受46を介してスプール軸8に回転可
能に支持されている。なお、ブラケット44は、軸受4
8を介して右フレーム6bに回転可能に支持されてい
る。 【0017】また、スプール軸8のハンドル側には、実
釣時に手動ハンドル2を回転操作した際に、釣糸に対し
て所望の制動力を与えつつ且つ所望の回転力でスプール
10を釣糸巻取方向に回転させるための釣糸巻取機構が
配置されている。 【0018】この釣糸巻取機構において、スプール軸8
と同軸上に駆動力伝達軸50が軸受を介して回転可能に
配置されており、この駆動力伝達軸50には、クラッチ
レバー52のON/OFF操作によって軸方向にスライ
ド自在に構成され且つ上述した遊星歯車支持体42に対
して係合又は非係合させることが可能なピニオンギヤ5
4が取り付けられている。 【0019】ピニオンギヤ54には、その外周面に円周
溝が形成されており、この円周溝には、クラッチレバー
52のON/OFF操作によって軸方向にスライドさせ
ることが可能なスライド片56が係合している。 【0020】また、ピニオンギヤ54には、ハンドル軸
58に取り付けられたドライブギヤ60が噛合してお
り、このドライブギヤ60とハンドル軸58との間に
は、実釣時にスプール10を釣糸繰出方向へ回転させる
際に、スプール10の回転に所望の制動力を与えること
が可能な周知のドラグ機構62が配置されている。 【0021】このような釣糸巻取機構によれば、クラッ
チレバー52をON/OFF操作してスライド片56を
軸方向にスライドさせて、ピニオンギヤ54を遊星歯車
支持体42に対して係合又は非係合させることによっ
て、手動ハンドル2の回転運動をドラグ機構62から第
2の減速機構34を介してスプール10に伝達又は非伝
達させることができる。 【0022】また、ハンドル軸58の基端部には、モー
タ14によってスプール10を釣糸巻取方向に回転させ
る際に、これに連動したハンドル軸58の回転を防止す
る逆転防止機構が設けられている。 【0023】この逆転防止機構は、外周面にラチェット
爪64aが所定ピッチで形成されたラチェット64と、
ラチェット爪64aに対して一定の付勢力で常時係合し
ているストッパ66とを備えており、ラチェット64
は、ハンドル軸58に回り止め嵌合されている。 【0024】このような逆転防止機構によれば、モータ
14によってスプール10を釣糸巻取方向に回転させる
際には、ラチェット爪64aにストッパ66が係合する
ことによって、モータ14の回転に連動してハンドル軸
58が回転するのを防止することができる。これに対し
て、手動ハンドル2の回転操作によってスプール10を
釣糸巻取方向に回転させる際には、手動ハンドル2の回
転操作に連動してハンドル軸58を回転させることがで
きる。 【0025】ここで、クラッチレバー52をON/OF
F操作することによって、釣糸をスプール10から繰り
出す動作及び釣糸をスプール10に巻き取る動作につい
て図1及び図2を参照して説明する。 【0026】まず、クラッチレバー52をOFF操作す
ると(クラッチOFF時)、スライド片56によってピ
ニオンギヤ54が遊星歯車支持体42に対して非係合状
態となるため、スプール10は、フリー回転可能状態に
維持される。この状態において、釣糸は、仕掛けの自由
落下によってスプール10から繰り出される。 【0027】そして、釣糸が所望量繰り出されたとき
(仕掛けが、例えば所望の棚に到達したとき)、クラッ
チレバー52をON操作すると(クラッチON時)、ス
ライド片56によってピニオンギヤ54が遊星歯車支持
体42に対して係合状態となるため、スプール10は、
釣糸巻取可能状態に維持される。 【0028】この状態において、魚の当たりがあったと
き、モータ14を駆動してスプール10を巻取駆動させ
るか、若しくは、手動ハンドル2を回転操作してスプー
ル10を巻取駆動させる。 【0029】モータ14を駆動した場合、モータ14の
回転運動(仮に、正回転方向の回転運動という)は、第
1の減速機構18を介して所定量だけ減速された後、駆
動歯車28に出力される。このとき、駆動歯車28は、
正回転方向に回転する。 【0030】駆動歯車28が正回転方向に回転すると、
その回転運動は、一方向クラッチ30を介してスプール
駆動用歯車32に伝達され、このスプール駆動用歯車3
2を正回転方向に回転させる。そして、スプール駆動用
歯車32の正回転方向の回転運動が、スプール軸8を介
して第2の減速機構34に伝達される。なお、このとき
のスプール駆動用歯車32及びスプール軸8の回転方向
(即ち、正回転方向)は、釣糸繰出時のスプール10の
回転方向と同一方向となっている。 【0031】第2の減速機構34に伝達されたスプール
駆動用歯車32の回転運動は、スプール軸8に回り止め
嵌合された太陽歯車36に伝達され、この太陽歯車36
を正回転方向に回転させる。 【0032】この状態において、上述した逆転防止機構
によってハンドル軸58の回転が規制されているため、
このハンドル軸58にドライブギヤ60を介して連結し
たピニオンギヤ54の回転も規制される。この結果、こ
のピニオンギヤ54が係合した遊星歯車支持体42は、
回転すること無く一定位置に静止した状態に維持され
る。 【0033】従って、太陽歯車36が正回転方向に回転
した際、遊星歯車支持体42に回転可能に支持された複
数の遊星歯車38は、太陽歯車36の回りを公転するこ
と無く、一定位置で逆回転方向に自転する。 【0034】この状態において、複数の遊星歯車38の
逆回転方向の回転運動は、スプール10の端面に刻設さ
れた内歯歯車40に伝達され、この内歯歯車40を逆回
転方向に回転させる。このとき、内歯歯車40の回転に
伴ってスプール10は、釣糸巻取方向に回転する。この
結果、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプー
ル10に均一に巻き取られる。なお、このような電動巻
取時には、上述した逆転防止機構が機能しているため、
手動ハンドル2が連動して高速で回転するのを防止する
ことができる。 【0035】一方、手動ハンドル2の回転操作した場
合、手動ハンドル2の回転運動は、ハンドル軸58から
ドラグ機構62を介してドライブギヤ60に伝達された
後、ピニオンギヤ54から遊星歯車支持体42に伝達さ
れ、この遊星歯車支持体42を逆回転方向に回転させ
る。 【0036】遊星歯車支持体42には、複数の遊星歯車
38が回転可能に支持されているため、遊星歯車支持体
42が逆回転方向に回転すると、この回転と共に、複数
の遊星歯車38は、自転しながら太陽歯車36の回りを
公転する。 【0037】このとき、遊星歯車38の公転運動が、太
陽歯車36に伝達され、この太陽歯車36を逆回転方向
に回転させようとする。太陽歯車36は、スプール軸8
に回り止め嵌合しているため、太陽歯車36の逆回転方
向の回転力は、スプール軸8からスプール駆動用歯車3
2に伝達され、このスプール駆動用歯車32を逆回転方
向に回転させる力となって働く。 【0038】しかしながら、スプール駆動用歯車32に
は、一方向クラッチ30が連結されているため、スプー
ル駆動用歯車32を逆回転方向に回転させる力は、この
一方向クラッチ30によって規制される。 【0039】この結果、太陽歯車36は、逆回転方向に
回転することは無い。従って、複数の遊星歯車38は、
非回転状態の太陽歯車36の回りを自転しながら逆回転
方向に公転する。 【0040】このとき、複数の遊星歯車38の回転運動
は、ロス無く内歯歯車40に伝達され、この内歯歯車4
0を逆回転方向に回転させる、この結果、内歯歯車40
の回転に伴ってスプール10が釣糸巻取方向に回転する
ため、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプー
ル10に均一に巻き取られる。 【0041】なお、上述では、クラッチレバー52を直
接操作してクラッチOFFからONへの切換を行ってい
るが、例えば手動ハンドル2を回転操作してクラッチO
FFからONへの切換を行うことも可能である。 【0042】この場合、クラッチレバー52に連動して
スライドするスライドプレート70を配置すると共に、
このスライドプレート70の端部に押圧力を作用可能な
ピン72をラチェット64に突設する。 【0043】このような構成によれば、クラッチOFF
時に手動ハンドル2を回転操作してラチェット64と回
転させると、このラチェット64と共にピン72が回転
移動して、スライドプレート70の端部に当接する。そ
して、更にラチェット64を回転させることによって、
ピン72からの押圧力がスライドプレート70に作用し
て、このスライドプレート70を移動させる。この結
果、クラッチOFF状態にあるクラッチレバー52をO
N状態に戻すことができる。 【0044】また、本実施の形態に適用した水密性収容
機構12は、モータ14とリール本体4との間に水密な
空間を形成することができるように構成されている。具
体的には、水密性収容機構12は、モータ14を収容保
持可能な例えばアルミ製のモーターケース74と、この
モーターケース74の両側(即ち、反ハンドル側及びハ
ンドル側)に夫々着脱自在に取り付けられた第1及び第
2のカバー部材76,78とを備えており、第1及び第
2のカバー部材76,78は、夫々弾性部材(例えば、
ゴム、樹脂など)で形成されている。 【0045】第1のカバー部材76は、モータ14の駆
動軸16を水密的にシールドすると共に、モーターケー
ス74の反ハンドル側を水密的にシールドするように構
成されており、モーターケース74は、この第1のカバ
ー部材76を介して左フレーム6aに弾性的に支持され
ている。 【0046】また、第2のカバー部材78は、モーター
ケース74のハンドル側を水密的にシールドするように
構成されており、モーターケース74は、この第2のカ
バー部材78を介して右フレーム6bに弾性的に支持さ
れている。 【0047】このような水密性収容機構12において、
モーターケース74と第1及び第2のカバー部材76,
78とによって囲まれた内部空間領域には、水密性に優
れた水密空間領域Fが形成される。 【0048】そして、本実施の形態では、この水密空間
領域F内に、モータ14を収容配置すると共に、モータ
14からの配線80とモータ14を回転制御するモータ
制御部82からの配線84との接続部86を収容配置す
る。この場合、モータ制御部82からの配線84は、第
2のカバー部材78によって水密的にシールドされた状
態で水密空間領域F内に導入される。なお、耐熱性、耐
水性、耐電性の面から接続部86に対して被覆処理を施
すことが好ましい。 【0049】本実施の形態によれば、水密性収容機構1
2の水密空間領域F内に、モータ14からの配線80と
モータ制御部82からの配線84との接続部86を収容
配置することができるため、リール本体4内に水が侵入
した場合でも、この水は、水密性収容機構12によって
遮断することができる。このため、接続部86の短絡
(ショート)や接続部86の腐食による断線といった事
態を確実に回避することができる。 【0050】また、接続部86の両側に形成されるよう
な配線80,84相互の屈曲部分を水密性収容機構12
内に一括して配置することができるため、この水密性収
容機構12から導き出された配線84をモータ制御部8
2に至るまで略直線的に且つシンプルにレイアウトする
ことが可能となる。この結果、リール本体4の左右フレ
ーム6a,6b内の構造上の自由度を上げることができ
る。 【0051】また、各々の配線80,84相互を屈曲さ
せて水密空間領域F内に配置した場合でも、接続部86
は、水密空間領域F内に外界から完全に水密的に隔離し
た状態に保持することができる。このため、仮に被覆材
料と接続部86との間に隙間が生じても、接続部86の
短絡(ショート)や接続部の腐食による断線といった事
態を完全に防止することができる。 【0052】更に、第1及び第2のカバー部材78は、
モーターケース74から簡単に外すことができるため、
例えばメンテナンスや修理等によりモータを取り換える
場合でも、モータ14のみの取り換えが可能となる。 【0053】例えば図3に示すように、第2のカバー部
材78をモーターケース74から外した後、接続部86
を互いに外すことによって、簡単且つ短時間にモータ1
4の交換が可能となる。この場合、新しいモータ14を
モーターケース74に収容した後、接続部86を接続
し、第2のカバー部材78をモーターケース74に被せ
るだけでモータ14を簡単且つ短時間に駆動可能な状態
にすることができる。 【0054】従って、本実施の形態によれば、従来技術
で説明したような配線80,84を途中で切断する等の
処理が不要となるため、モータの着脱作業が容易且つ短
時間に行うことができる共に着脱作業に要するコストを
低減することができる。 【0055】また、本実施の形態において、モーターケ
ース74に収容保持されたモータ14は、弾性部材から
成る第1及び第2のカバー部材76,78を介して左右
フレーム6a,6bに弾性的に支持されている。このた
め、モータ14のモータ軸芯が他の駆動系(例えば、第
1の減速機構18)に対してずれた場合でも、そのずれ
量は、第1及び第2のカバー部材76,78によって弾
性的に吸収することができる。この結果、駆動系の製品
精度をある程度ラフに設定することができると共に、モ
ータ軸芯合わせのための他の位置決め部材等が不要とな
るため、リールの製造コストを低減することができる。 【0056】なお、本発明は、上述した実施の形態の構
成に限定されることは無く、種々変更することが可能で
ある。第1の変形例として、例えば図4(a)に示すよ
うに、モーターケース74の周面を右フレーム6bによ
って直接支持するように構成すると共に、第2のカバー
部材78をネジ88によって右フレーム6bに固定して
も良い。 【0057】このような構成によれば、モータ14の位
置決め精度を更に向上させることが可能となると共に、
第2のカバー部材78が右フレーム6bに確実に固定さ
れることによって、水密性収容機構12の水密空間領域
Fの水密性を更に向上させることが可能となる。 【0058】また、第2の変形例として、例えば図4
(b)に示すように、第2のカバー部材78を弾性部材
以外の剛体(例えば、アルミ、剛性を有する樹脂など)
で形成しても良い。この場合、モーターケース74の周
面を右フレーム6bによって直接支持するように構成す
ると共に、モーターケース74と右フレーム6bと第2
のカバー部材78との間に防水シール90(例えば、O
−リングなど)を配置した状態で第2のカバー部材78
をネジ88によって右フレーム6bに固定する。そし
て、モータ制御部82からの配線84は、第2のカバー
部材78に設けた防水シール92によって水密的にシー
ルドされた状態で水密空間領域F内に導入する。 【0059】このような構成によれば、モーターケース
74は、右フレーム6bに直接支持されると同時に、剛
体の第2のカバー部材78を介して間接的に右フレーム
6bに支持される。このため、モータ14の位置決め精
度を更に向上させることが可能となる。更に、防水シー
ル90,92の部品点数が少なくて済むため、水密性収
容機構12の製造コストを低減することが可能となる。 【0060】 【発明の効果】本発明によれば、屈曲してレイアウトし
た配線同士の接続部の短絡や腐食による断線を確実に回
避することが可能であって、モータの着脱作業が容易に
且つ短時間に低コストで行うことが可能な魚釣用電動リ
ールを提供することが可能となる。
とモータ制御部からの配線とを電気的に接続する接続部
が水密的に収容された魚釣用電動リールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、魚釣用電動リールに構成されてい
る配線は、リール本体の両側板内において、例えば半田
付け接続法や接続端子を用いた接続法によって、モータ
側配線とモータ制御部側配線とを電気的に接続する構成
が一般的に用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の配線技術におい
て、配線同士の接続部には、その短絡(ショート)や腐
食による断線等を防止するために、所定の被覆材を用い
た被覆処理が施されている。 【0004】この場合、リール本体の両側板内における
スペースが限定されているため、各々の配線は、その配
線レイアウトの自由度が限定され、屈曲させて収容させ
なければならない場合が多い。 【0005】しかし、各々の配線相互を屈曲させた場
合、接続部に施された被覆材にも屈曲作用が働くことに
よって、この被覆材と接続部との間に隙間が生じてしま
う場合がある。 【0006】この場合において、例えば魚釣時或いはリ
ール洗浄時にリール本体内に水が侵入したとき、被覆材
と接続部との間に隙間が形成されていると、この隙間か
ら水が侵入して接続部が濡れてしまう。この結果、接続
部の短絡(ショート)や接続部の腐食による断線といっ
た事態を誘発し易くなってしまう。 【0007】更に、従来の配線構造では、一旦配線構造
を完成させた後、例えばメンテナンスや修理等によりモ
ータを取り換える場合、モータのみの取り換えが不可能
であり、この場合には、例えば配線構造を途中で切断す
る等の処理をして、切断した配線と共にモータをリール
本体から取り外さなければならない。そして、新しいモ
ータをリール本体に取り付けた後、切断して残留してい
る配線と新たなモータからの配線とを相互に接続し、こ
の接続部に所定の被覆材を用いた被覆処理を施すといっ
た処理が必要となる。このため、モータの着脱作業が煩
雑で且つ時間がかかって面倒であると共に着脱作業に要
するコストが上昇してしまう。 【0008】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、屈曲してレイアウトした
配線同士の接続部の短絡や腐食による断線を確実に回避
することが可能であって、モータの着脱作業が容易に且
つ短時間に低コストで行うことが可能な魚釣用電動リー
ルを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の魚釣用電動リールは、リール本体の
フレームに設けられたモータと、このモータを回転制御
するモータ制御部と、前記モータからの配線と前記モー
タ制御部からの配線を電気的に接続する接続部とを有
し、前記モータを収容して保持可能なモータケースの側
部に弾性部材からなるカバー部材を着脱自在に取り付け
て、該モータケースと前記カバー部材とによって囲まれ
た内部空間に水密空間領域を形成し、この水密空間領域
に前記接続部を収容配置するように構成した。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る魚釣用電動リールについて、図1〜図3を参照して説
明する。図1〜図3に示すように、図中向かって右側に
手動ハンドル2が取り付けられたリール本体4の左右フ
レーム6a,6bの間には、スプール軸8のみが軸受に
よって回転可能に且つ直接支持されており、このスプー
ル軸8を囲繞するようにスプール10が配置されてい
る。 【0011】また、左右フレーム6a,6bの間には、
後述する水密性収容機構12内に収容されたスプール駆
動モータ14(以下、モータという)が配置されてお
り、このモータ14には、左フレーム6a(反ハンドル
側)方向に延出した駆動軸16が取り付けられている。 【0012】駆動軸16には、モータ14の回転運動を
減速して出力する第1の減速機構18(例えば、遊星ギ
ヤを用いた減速機構)が設けられている。第1の減速機
構18は、駆動軸16に回り止め嵌合された太陽歯車2
0と、この太陽歯車20に常時噛合し且つ太陽歯車20
の回転に従って自転しながら同時に公転する複数の遊星
歯車22と、これら遊星歯車22に噛合するように、左
フレーム6aに刻設された内歯歯車24とを備えてい
る。また、複数の遊星歯車22は、駆動軸16に対して
回転フリーな遊星歯車支持体26に支持されており、こ
の遊星歯車支持体26には、駆動歯車28が回り止め嵌
合されている。 【0013】駆動歯車28は、一方向クラッチ30を介
して、スプール軸8の反ハンドル側(左フレーム6a
側)に回り止め嵌合されたスプール駆動用歯車32に機
械的に連結されており、スプール軸8のハンドル側(右
フレーム6b側)には、第2の減速機構34が設けられ
ている。 【0014】この構成によれば、モータ14の回転運動
は、第1の減速機構18を介して所定量だけ減速された
後、駆動歯車28から一方向クラッチ30を介してスプ
ール駆動用歯車32に伝達される。そして、スプール駆
動用歯車32に伝達されたモータ14の回転運動は、ス
プール軸8を介して第2の減速機構34に伝達された
後、この第2の減速機構34によって所定量だけ減速さ
れてスプール10に伝達される。 【0015】第2の減速機構34は、その一例として、
遊星ギヤを用いた減速機構を適用しており、スプール軸
8に回り止め嵌合された太陽歯車36と、この太陽歯車
36に噛合した複数の遊星歯車38と、これら遊星歯車
38が常時噛合するようにスプール10の端面に刻設さ
れた内歯歯車40とを備えている。 【0016】複数の遊星歯車38は、遊星歯車支持体4
2に回転可能に支持されており、この遊星歯車支持体4
2は、スプール10に取り付けられたブラケット44に
嵌合し、且つ、軸受46を介してスプール軸8に回転可
能に支持されている。なお、ブラケット44は、軸受4
8を介して右フレーム6bに回転可能に支持されてい
る。 【0017】また、スプール軸8のハンドル側には、実
釣時に手動ハンドル2を回転操作した際に、釣糸に対し
て所望の制動力を与えつつ且つ所望の回転力でスプール
10を釣糸巻取方向に回転させるための釣糸巻取機構が
配置されている。 【0018】この釣糸巻取機構において、スプール軸8
と同軸上に駆動力伝達軸50が軸受を介して回転可能に
配置されており、この駆動力伝達軸50には、クラッチ
レバー52のON/OFF操作によって軸方向にスライ
ド自在に構成され且つ上述した遊星歯車支持体42に対
して係合又は非係合させることが可能なピニオンギヤ5
4が取り付けられている。 【0019】ピニオンギヤ54には、その外周面に円周
溝が形成されており、この円周溝には、クラッチレバー
52のON/OFF操作によって軸方向にスライドさせ
ることが可能なスライド片56が係合している。 【0020】また、ピニオンギヤ54には、ハンドル軸
58に取り付けられたドライブギヤ60が噛合してお
り、このドライブギヤ60とハンドル軸58との間に
は、実釣時にスプール10を釣糸繰出方向へ回転させる
際に、スプール10の回転に所望の制動力を与えること
が可能な周知のドラグ機構62が配置されている。 【0021】このような釣糸巻取機構によれば、クラッ
チレバー52をON/OFF操作してスライド片56を
軸方向にスライドさせて、ピニオンギヤ54を遊星歯車
支持体42に対して係合又は非係合させることによっ
て、手動ハンドル2の回転運動をドラグ機構62から第
2の減速機構34を介してスプール10に伝達又は非伝
達させることができる。 【0022】また、ハンドル軸58の基端部には、モー
タ14によってスプール10を釣糸巻取方向に回転させ
る際に、これに連動したハンドル軸58の回転を防止す
る逆転防止機構が設けられている。 【0023】この逆転防止機構は、外周面にラチェット
爪64aが所定ピッチで形成されたラチェット64と、
ラチェット爪64aに対して一定の付勢力で常時係合し
ているストッパ66とを備えており、ラチェット64
は、ハンドル軸58に回り止め嵌合されている。 【0024】このような逆転防止機構によれば、モータ
14によってスプール10を釣糸巻取方向に回転させる
際には、ラチェット爪64aにストッパ66が係合する
ことによって、モータ14の回転に連動してハンドル軸
58が回転するのを防止することができる。これに対し
て、手動ハンドル2の回転操作によってスプール10を
釣糸巻取方向に回転させる際には、手動ハンドル2の回
転操作に連動してハンドル軸58を回転させることがで
きる。 【0025】ここで、クラッチレバー52をON/OF
F操作することによって、釣糸をスプール10から繰り
出す動作及び釣糸をスプール10に巻き取る動作につい
て図1及び図2を参照して説明する。 【0026】まず、クラッチレバー52をOFF操作す
ると(クラッチOFF時)、スライド片56によってピ
ニオンギヤ54が遊星歯車支持体42に対して非係合状
態となるため、スプール10は、フリー回転可能状態に
維持される。この状態において、釣糸は、仕掛けの自由
落下によってスプール10から繰り出される。 【0027】そして、釣糸が所望量繰り出されたとき
(仕掛けが、例えば所望の棚に到達したとき)、クラッ
チレバー52をON操作すると(クラッチON時)、ス
ライド片56によってピニオンギヤ54が遊星歯車支持
体42に対して係合状態となるため、スプール10は、
釣糸巻取可能状態に維持される。 【0028】この状態において、魚の当たりがあったと
き、モータ14を駆動してスプール10を巻取駆動させ
るか、若しくは、手動ハンドル2を回転操作してスプー
ル10を巻取駆動させる。 【0029】モータ14を駆動した場合、モータ14の
回転運動(仮に、正回転方向の回転運動という)は、第
1の減速機構18を介して所定量だけ減速された後、駆
動歯車28に出力される。このとき、駆動歯車28は、
正回転方向に回転する。 【0030】駆動歯車28が正回転方向に回転すると、
その回転運動は、一方向クラッチ30を介してスプール
駆動用歯車32に伝達され、このスプール駆動用歯車3
2を正回転方向に回転させる。そして、スプール駆動用
歯車32の正回転方向の回転運動が、スプール軸8を介
して第2の減速機構34に伝達される。なお、このとき
のスプール駆動用歯車32及びスプール軸8の回転方向
(即ち、正回転方向)は、釣糸繰出時のスプール10の
回転方向と同一方向となっている。 【0031】第2の減速機構34に伝達されたスプール
駆動用歯車32の回転運動は、スプール軸8に回り止め
嵌合された太陽歯車36に伝達され、この太陽歯車36
を正回転方向に回転させる。 【0032】この状態において、上述した逆転防止機構
によってハンドル軸58の回転が規制されているため、
このハンドル軸58にドライブギヤ60を介して連結し
たピニオンギヤ54の回転も規制される。この結果、こ
のピニオンギヤ54が係合した遊星歯車支持体42は、
回転すること無く一定位置に静止した状態に維持され
る。 【0033】従って、太陽歯車36が正回転方向に回転
した際、遊星歯車支持体42に回転可能に支持された複
数の遊星歯車38は、太陽歯車36の回りを公転するこ
と無く、一定位置で逆回転方向に自転する。 【0034】この状態において、複数の遊星歯車38の
逆回転方向の回転運動は、スプール10の端面に刻設さ
れた内歯歯車40に伝達され、この内歯歯車40を逆回
転方向に回転させる。このとき、内歯歯車40の回転に
伴ってスプール10は、釣糸巻取方向に回転する。この
結果、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプー
ル10に均一に巻き取られる。なお、このような電動巻
取時には、上述した逆転防止機構が機能しているため、
手動ハンドル2が連動して高速で回転するのを防止する
ことができる。 【0035】一方、手動ハンドル2の回転操作した場
合、手動ハンドル2の回転運動は、ハンドル軸58から
ドラグ機構62を介してドライブギヤ60に伝達された
後、ピニオンギヤ54から遊星歯車支持体42に伝達さ
れ、この遊星歯車支持体42を逆回転方向に回転させ
る。 【0036】遊星歯車支持体42には、複数の遊星歯車
38が回転可能に支持されているため、遊星歯車支持体
42が逆回転方向に回転すると、この回転と共に、複数
の遊星歯車38は、自転しながら太陽歯車36の回りを
公転する。 【0037】このとき、遊星歯車38の公転運動が、太
陽歯車36に伝達され、この太陽歯車36を逆回転方向
に回転させようとする。太陽歯車36は、スプール軸8
に回り止め嵌合しているため、太陽歯車36の逆回転方
向の回転力は、スプール軸8からスプール駆動用歯車3
2に伝達され、このスプール駆動用歯車32を逆回転方
向に回転させる力となって働く。 【0038】しかしながら、スプール駆動用歯車32に
は、一方向クラッチ30が連結されているため、スプー
ル駆動用歯車32を逆回転方向に回転させる力は、この
一方向クラッチ30によって規制される。 【0039】この結果、太陽歯車36は、逆回転方向に
回転することは無い。従って、複数の遊星歯車38は、
非回転状態の太陽歯車36の回りを自転しながら逆回転
方向に公転する。 【0040】このとき、複数の遊星歯車38の回転運動
は、ロス無く内歯歯車40に伝達され、この内歯歯車4
0を逆回転方向に回転させる、この結果、内歯歯車40
の回転に伴ってスプール10が釣糸巻取方向に回転する
ため、釣糸は、図示しない釣糸案内機構を介してスプー
ル10に均一に巻き取られる。 【0041】なお、上述では、クラッチレバー52を直
接操作してクラッチOFFからONへの切換を行ってい
るが、例えば手動ハンドル2を回転操作してクラッチO
FFからONへの切換を行うことも可能である。 【0042】この場合、クラッチレバー52に連動して
スライドするスライドプレート70を配置すると共に、
このスライドプレート70の端部に押圧力を作用可能な
ピン72をラチェット64に突設する。 【0043】このような構成によれば、クラッチOFF
時に手動ハンドル2を回転操作してラチェット64と回
転させると、このラチェット64と共にピン72が回転
移動して、スライドプレート70の端部に当接する。そ
して、更にラチェット64を回転させることによって、
ピン72からの押圧力がスライドプレート70に作用し
て、このスライドプレート70を移動させる。この結
果、クラッチOFF状態にあるクラッチレバー52をO
N状態に戻すことができる。 【0044】また、本実施の形態に適用した水密性収容
機構12は、モータ14とリール本体4との間に水密な
空間を形成することができるように構成されている。具
体的には、水密性収容機構12は、モータ14を収容保
持可能な例えばアルミ製のモーターケース74と、この
モーターケース74の両側(即ち、反ハンドル側及びハ
ンドル側)に夫々着脱自在に取り付けられた第1及び第
2のカバー部材76,78とを備えており、第1及び第
2のカバー部材76,78は、夫々弾性部材(例えば、
ゴム、樹脂など)で形成されている。 【0045】第1のカバー部材76は、モータ14の駆
動軸16を水密的にシールドすると共に、モーターケー
ス74の反ハンドル側を水密的にシールドするように構
成されており、モーターケース74は、この第1のカバ
ー部材76を介して左フレーム6aに弾性的に支持され
ている。 【0046】また、第2のカバー部材78は、モーター
ケース74のハンドル側を水密的にシールドするように
構成されており、モーターケース74は、この第2のカ
バー部材78を介して右フレーム6bに弾性的に支持さ
れている。 【0047】このような水密性収容機構12において、
モーターケース74と第1及び第2のカバー部材76,
78とによって囲まれた内部空間領域には、水密性に優
れた水密空間領域Fが形成される。 【0048】そして、本実施の形態では、この水密空間
領域F内に、モータ14を収容配置すると共に、モータ
14からの配線80とモータ14を回転制御するモータ
制御部82からの配線84との接続部86を収容配置す
る。この場合、モータ制御部82からの配線84は、第
2のカバー部材78によって水密的にシールドされた状
態で水密空間領域F内に導入される。なお、耐熱性、耐
水性、耐電性の面から接続部86に対して被覆処理を施
すことが好ましい。 【0049】本実施の形態によれば、水密性収容機構1
2の水密空間領域F内に、モータ14からの配線80と
モータ制御部82からの配線84との接続部86を収容
配置することができるため、リール本体4内に水が侵入
した場合でも、この水は、水密性収容機構12によって
遮断することができる。このため、接続部86の短絡
(ショート)や接続部86の腐食による断線といった事
態を確実に回避することができる。 【0050】また、接続部86の両側に形成されるよう
な配線80,84相互の屈曲部分を水密性収容機構12
内に一括して配置することができるため、この水密性収
容機構12から導き出された配線84をモータ制御部8
2に至るまで略直線的に且つシンプルにレイアウトする
ことが可能となる。この結果、リール本体4の左右フレ
ーム6a,6b内の構造上の自由度を上げることができ
る。 【0051】また、各々の配線80,84相互を屈曲さ
せて水密空間領域F内に配置した場合でも、接続部86
は、水密空間領域F内に外界から完全に水密的に隔離し
た状態に保持することができる。このため、仮に被覆材
料と接続部86との間に隙間が生じても、接続部86の
短絡(ショート)や接続部の腐食による断線といった事
態を完全に防止することができる。 【0052】更に、第1及び第2のカバー部材78は、
モーターケース74から簡単に外すことができるため、
例えばメンテナンスや修理等によりモータを取り換える
場合でも、モータ14のみの取り換えが可能となる。 【0053】例えば図3に示すように、第2のカバー部
材78をモーターケース74から外した後、接続部86
を互いに外すことによって、簡単且つ短時間にモータ1
4の交換が可能となる。この場合、新しいモータ14を
モーターケース74に収容した後、接続部86を接続
し、第2のカバー部材78をモーターケース74に被せ
るだけでモータ14を簡単且つ短時間に駆動可能な状態
にすることができる。 【0054】従って、本実施の形態によれば、従来技術
で説明したような配線80,84を途中で切断する等の
処理が不要となるため、モータの着脱作業が容易且つ短
時間に行うことができる共に着脱作業に要するコストを
低減することができる。 【0055】また、本実施の形態において、モーターケ
ース74に収容保持されたモータ14は、弾性部材から
成る第1及び第2のカバー部材76,78を介して左右
フレーム6a,6bに弾性的に支持されている。このた
め、モータ14のモータ軸芯が他の駆動系(例えば、第
1の減速機構18)に対してずれた場合でも、そのずれ
量は、第1及び第2のカバー部材76,78によって弾
性的に吸収することができる。この結果、駆動系の製品
精度をある程度ラフに設定することができると共に、モ
ータ軸芯合わせのための他の位置決め部材等が不要とな
るため、リールの製造コストを低減することができる。 【0056】なお、本発明は、上述した実施の形態の構
成に限定されることは無く、種々変更することが可能で
ある。第1の変形例として、例えば図4(a)に示すよ
うに、モーターケース74の周面を右フレーム6bによ
って直接支持するように構成すると共に、第2のカバー
部材78をネジ88によって右フレーム6bに固定して
も良い。 【0057】このような構成によれば、モータ14の位
置決め精度を更に向上させることが可能となると共に、
第2のカバー部材78が右フレーム6bに確実に固定さ
れることによって、水密性収容機構12の水密空間領域
Fの水密性を更に向上させることが可能となる。 【0058】また、第2の変形例として、例えば図4
(b)に示すように、第2のカバー部材78を弾性部材
以外の剛体(例えば、アルミ、剛性を有する樹脂など)
で形成しても良い。この場合、モーターケース74の周
面を右フレーム6bによって直接支持するように構成す
ると共に、モーターケース74と右フレーム6bと第2
のカバー部材78との間に防水シール90(例えば、O
−リングなど)を配置した状態で第2のカバー部材78
をネジ88によって右フレーム6bに固定する。そし
て、モータ制御部82からの配線84は、第2のカバー
部材78に設けた防水シール92によって水密的にシー
ルドされた状態で水密空間領域F内に導入する。 【0059】このような構成によれば、モーターケース
74は、右フレーム6bに直接支持されると同時に、剛
体の第2のカバー部材78を介して間接的に右フレーム
6bに支持される。このため、モータ14の位置決め精
度を更に向上させることが可能となる。更に、防水シー
ル90,92の部品点数が少なくて済むため、水密性収
容機構12の製造コストを低減することが可能となる。 【0060】 【発明の効果】本発明によれば、屈曲してレイアウトし
た配線同士の接続部の短絡や腐食による断線を確実に回
避することが可能であって、モータの着脱作業が容易に
且つ短時間に低コストで行うことが可能な魚釣用電動リ
ールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚釣用電動リール
の構成を示す部分図。 【図2】(a)は、本実施の形態の魚釣用電動リールの
配線構造を示す図、(b)は、本実施の形態に適用した
水密性収容機構の構成を示す断面図。 【図3】本実施の形態に適用した水密性収容機構におい
て、第2のカバー部材をモーターケースから取り外した
状態を示す図。 【図4】(a)は、本発明の第1の変形例に係る水密性
収容機構の構成を示す断面図、(b)は、本発明の第2
の変形例に係る水密性収容機構の構成を示す断面図。 【符号の説明】 6a 左フレーム 6b 右フレーム 12 水密性収容機構 14 モータ 74 モーターケース 76 第1のカバー部材 78 第2のカバー部材 80 モータからの配線 82 モータ制御部 84 モータ制御部からの配線 86 接続部
の構成を示す部分図。 【図2】(a)は、本実施の形態の魚釣用電動リールの
配線構造を示す図、(b)は、本実施の形態に適用した
水密性収容機構の構成を示す断面図。 【図3】本実施の形態に適用した水密性収容機構におい
て、第2のカバー部材をモーターケースから取り外した
状態を示す図。 【図4】(a)は、本発明の第1の変形例に係る水密性
収容機構の構成を示す断面図、(b)は、本発明の第2
の変形例に係る水密性収容機構の構成を示す断面図。 【符号の説明】 6a 左フレーム 6b 右フレーム 12 水密性収容機構 14 モータ 74 モーターケース 76 第1のカバー部材 78 第2のカバー部材 80 モータからの配線 82 モータ制御部 84 モータ制御部からの配線 86 接続部
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 リール本体のフレームに設けられたモー
タと、このモータを回転制御するモータ制御部と、前記
モータからの配線と前記モータ制御部からの配線を電気
的に接続する接続部とを有する魚釣用電動リールであっ
て、 前記モータを収容して保持可能なモータケースの側部に
弾性部材からなるカバー部材を着脱自在に取り付けて、
該モータケースと前記カバー部材とによって囲まれた内
部空間に水密空間領域を形成し、この水密空間領域に前
記接続部を収容配置したことを特徴とする魚釣用電動リ
ール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05085298A JP3515899B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 魚釣用電動リール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05085298A JP3515899B2 (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 魚釣用電動リール |
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ID=12870262
Family Applications (1)
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JP2019037165A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | グローブライド株式会社 | 魚釣用電動リール |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP05085298A patent/JP3515899B2/ja not_active Expired - Fee Related
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