JP3515516B2 - 水硬性組成物用粉末分散剤 - Google Patents

水硬性組成物用粉末分散剤

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JP3515516B2 JP2000361126A JP2000361126A JP3515516B2 JP 3515516 B2 JP3515516 B2 JP 3515516B2 JP 2000361126 A JP2000361126 A JP 2000361126A JP 2000361126 A JP2000361126 A JP 2000361126A JP 3515516 B2 JP3515516 B2 JP 3515516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、セメント、石膏等の水
硬性化合物用、特にグラウトモルタル用途の粉末分散剤
及びこれを含有する水硬性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水硬性化合物用分散剤として、ポリカル
ボン酸系共重合体1価金属塩は、分散性が高いという利
点を有し、通常液状品として使用されているが、更に利
便性を高めるために、粉末状の分散剤とし、水硬性化合
物や骨材等の粉体材料と予め混合(プレミックス)され
た製品が開発されている。しかしながら、ポリカルボン
酸系共重合体1価金属塩は、室温で乾燥粉末化しにくか
ったり、乾燥粉末化できたとしても、長期保存安定性、
すなわち使用されるまでに、包装内の圧力により凝着等
を生じないこと(耐圧性)、吸湿による凝着、分散性能
劣化を生じないこと(耐湿性)を高度な水準で満たさな
い。
【0003】粉末分散剤を得る方法として、特許266
9761号には、液状のポリカルボン酸系共重合体と無
機粉末を噴霧乾燥する方法が、特開平9−309756
号公報には、アルキレンオキサイド付加モル数の小さい
ポリアルキレングリコールアルケニルエーテルと無水マ
レイン酸との共重合体を多価金属塩にする方法が、特開
平11−310444号公報には、水溶性ビニル共重合
体と水難溶性の特定の金属塩もしくは金属水酸化物とを
併用する方法が、特開2000−26145号公報に
は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が20〜1
09の特定構造の(メタ)アクリレート系セメント分散
剤を乾燥粉末化する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】粉末分散剤を、工場生
産レベルで多量に、しかも、必ずしも温湿度の調整され
ていない環境で使用する場合は、より一層耐圧性や耐湿
性を向上させたものが望まれる。一方で、分散性能、特
に、水硬性組成物のモルタルに過剰な粘性を付与せずに
分散することができ、特に現場で多量の粉体に適正な粘
性を付与して分散する必要のある用途(特に、グラウト
モルタル用途)に有用な粉末分散剤が望まれている。し
かし、従来の技術では、水硬性化合物の分散には寄与し
ない無機粉体と混合したり、多量に塩を含有させる等の
手段を採用しているため、粉末分散剤としては、分散効
率が低下したり、また、分散系が硬化した後に物性劣化
の原因になりうる等の懸念がある。
【0005】本発明は、室温では乾燥粉末化しにくいポ
リカルボン酸共重合体について、乾燥粉末化を工業的に
行う場合に、ポンプ輸送等に支障がなく、また耐圧性と
耐湿性に優れ、且つ水硬性組成物、特にモルタルグラウ
ト用水硬性組成物に安定した分散状態を付与できる粉末
分散剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で表されるビニル系単量体(a)の1種以上と下
記一般式(2)で表されるビニル系単量体(b)の1種
以上とを重合して得られる共重合体の一種以上を含有す
る水硬性組成物用の粉末分散剤であって、該分散剤にお
ける炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチ
レン基の付加モル数の平均値が45〜150であり、単
量体(a)と単量体(b)の割合が(a)/〔(a)+
(b)〕×100=0モル%超45モル%以下であり、
且つ前記共重合体の少なくとも一部が多価金属塩である
粉末分散剤、並びに該粉末分散剤と水硬性化合物とを含
有する水硬性組成物に関する。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、 R1,R2:水素原子又はメチル基 R3:水素原子又は−COO(AO)nX m:0〜2の数 p:0又は1の数 AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシス
チレン基 n:平均付加モル数であり2〜300の数 X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基 を表す。〕
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、 R4〜R6:同一でも異なっていても良く、それぞれ水素
原子、メチル基又は(CH2)m1COOM2であり、(C
2)m1COOM2はCOOM1又は他の(CH2)m1COO
2と無水物を形成していてもよく、その場合、それら
の基のM1,M2は存在しない。 M1,M2:水素原子又は多価金属 m1:0〜2の数 を表す。〕
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、ポリカルボン酸系
分散剤の多価金属塩が、乾燥粉末化が容易であり分散性
も低下しないことに注目し、ポリカルボン酸系分散剤の
耐圧性と耐湿性の両方をバランス良く発現させるために
最も適した構造を決めることを試みた結果、分散剤中に
存在する炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシ
スチレン基(以下、特定AOと表記する)の付加モル数
と分散剤中の単量体(a)の共重合モル比Ma(モル
%)の関与が極めて大きいことを見出した。すなわち、
耐圧性は特定AOの付加モル数が増大しMaが減少する
程良好となる傾向があり、一方、耐湿性は特定AOの付
加モル数が増大しMaが増大する程良好となる傾向があ
ることを見出した。そして、耐圧性と耐湿性の両者がバ
ランス良く発現する範囲として、分散剤中の特定AOの
付加モル数の平均値nMを45〜150、Maを0モル%
超45モル%以下と規定したものである。更に、この規
定を満たす分散剤において、優れた乾燥粉末性、更には
優れた分散性を得るために、該共重合体の多価金属塩を
使用することを定めたものである。以下、単量体
(a)、(b)、共重合体等について説明する。
【0012】<単量体(a)>一般式(1)で表される
単量体(a)としては、メトキシポリエチレングリコー
ル、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリ
ブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコー
ル、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等
の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化
物や、3−メチル−3−ブテニルアルコール、(メタ)
アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、3−メチル−3−ブテニルアルコ
ール、(メタ)アリルアルコールへのエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド付加物が挙げられる。R3は水
素原子が好ましく、pは1が好ましく、mは0が好まし
い。AOはオキシエチレン基が好ましい。単量体(a)
としては、アルコキシ、特にはメトキシポリエチレング
リコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物がより
好ましい。なお、nの異なる二種以上の単量体(a)を
混合して用いてもよい。nは5〜200、特に8〜15
0が好ましい。
【0013】<単量体(b)>また、一般式(2)で表
される単量体(b)としては、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸等のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸等のジカルボン酸系単量体、又はこ
れらの無水物もしくは多価金属塩、例えばアルカリ土類
金属塩が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸
又はその多価金属塩、マレイン酸又はその多価金属塩、
無水マレイン酸、更に好ましくは(メタ)アクリル酸又
はこれらのアルカリ土類金属塩、特に好ましくは(メ
タ)アクリル酸である。
【0014】<共重合体>本発明の粉末状分散剤に用い
られる共重合体は、上記単量体(a)及び(b)を用い
て、公知の方法で製造することができる。単量体
(a)、(b)は、それぞれ複数使用することができ
る。その製造法の例として、特開昭59−162163
号公報、特開昭62−70250号公報、特開昭62−
78137号公報、米国特許第4870120号、米国
特許第5137945号等に例示の溶液重合法が挙げら
れる。即ち、適当な溶媒中で、上記ビニル系単量体
(a)、(b)を上記の如き割合で組み合わせて重合さ
せることによって製造可能である。例えば、水や炭素数
1〜4の低級アルコール中、過硫酸アンモニウム、過酸
化水素等の重合開始剤の存在下、必要ならば亜硫酸水素
ナトリウムやメルカプトエタノール等を添加し、窒素雰
囲気下50〜100℃で0.5〜10時間反応させれば
よい。
【0015】また、本発明の共重合体を製造するにあた
り、更に、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキル(水酸基を
有していてもよい炭素数1〜12のもの)エステル、メ
タリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ホスホエチル
メタクリレート、スルホエチルメタクリレート等の共重
合可能な単量体を併用できるが、原料単量体中、単量体
(a)と(b)を合計で98〜100重量%含有するこ
とが好ましい。
【0016】本発明の粉末状分散剤に用いられる共重合
体の重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法、ポリエチレングリコール換算、カラム:G
4000PWXL+G2500PWXL(東ソー(株)
製)、溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル
=7/3(体積比)〕は、分散性及び表面硬度の観点か
ら、6千〜100万の範囲が良く、1万〜20万がより
好ましく、5.5万〜15万が更に好ましい。
【0017】本発明の共重合体は、少なくとも一部が多
価金属との塩を形成している。塩は、単量体に由来する
ものでも、共重合反応後に中和して形成されたものでも
いずれでもよい。多価金属としてはカルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム等が挙げられるが、カルシウムが
特に好ましい。また、多価金属による中和度は、乾燥粉
末性を考慮すると、5%以上が好ましく、10%以上が
より好ましく、20%以上が更に好ましく、40%以上
がより更に好ましく、50%以上が最も好ましい。ま
た、中和度があまり高いと過度の増粘によりポンプ輸送
性が低下するので、好ましくは100%以下、更に好ま
しくは90%以下である。なお、この中和度は、粉末分
散剤中のカルボキシル基の総モル数に対する多価金属塩
の総電荷モル数の割合であり、粉末分散剤中の多価金属
塩を、誘導結合プラズマ発光分析によって定量すること
で算出される。
【0018】本発明の粉末分散剤においては、前記nM
やMaが異なる共重合体を複数使用することができる。
また、多価金属塩となっていない酸型の共重合体を適宜
併用することもできる。
【0019】<粉末分散剤>得られた共重合体は、公知
の方法で粉末化して分散剤に用いることができる。具体
的には、噴霧乾燥法、薄膜乾燥法等が挙げられる。また
製造時に要すれば有機化合物及び/または無機化合物を
担体として粉末化することも可能であるが、これらの担
体を使用しない方が好ましい。有機化合物としては高分
子化合物が好ましく、無機化合物としては高炉スラグ、
珪砂、珪石粉末、フライアッシュ、炭酸カルシウムが好
ましい。担体を用いる場合は、最終的に得られる粉末状
分散剤中の量が、1〜80重量%、特に5〜30重量%
となるように用いるのが好ましい。
【0020】本発明の粉末分散剤中の特定AOの付加モ
ル数の平均値nMは45〜150であり、耐圧性、耐湿
性の点から、nMは50以上、更に60以上、特に70
以上が好ましい。また、共重合体の製造時のポンプ輸送
性やモルタルの増粘抑制等の点から、nMは150以
下、更に130以下、より更に115以下、特に100
以下が好ましい。
【0021】また、本発明の粉末分散剤中の全単量体
(a)と全単量体(b)の割合Maは、(a)/
〔(a)+(b)〕×100=0モル%超45モル%以
下であり、耐湿性の点から、好ましくは5モル%以上、
より好ましくは10モル%以上、特に好ましくは15モ
ル%以上である。また、耐圧性の点から、好ましくは4
0モル%以下である。
【0022】ここで、nM及びMaは、単量体(a)、
(b)の仕込み比率から算出することもできるが、最終
分散剤を1H−NMRで分析することにより、求めるこ
とができる。本発明では、1H−NMRを測定して求め
たnM及びMaを分散剤の値として採用する。
【0023】本発明では、前記ビニル系単量体(a)の
1種以上と前記ビニル系単量体(b)の1種以上とを重
合して得られる共重合体の1価金属塩、好ましくはナト
リウム塩を併用することができる。単量体(a)及び
(b)からなる共重合体(酸型)又はその1価金属塩の
中には、室温で乾燥粉末化しにくいものもあるが、少な
くとも一部、好ましくは全部が多価金属塩となっている
共重合体を併用することで、乾燥粉末性が向上する。多
価金属塩を構成する全単量体(a)のnの平均値n
MPは、共重合体(酸型)及び/又はその1価金属塩にお
ける全単量体(a)のnの平均値nMMよりも大きい(す
なわち、nMP>nMM)ことが好ましく、より好ましくは
1以上、更に好ましくは2以上、特に好ましくは5以上
大きいことである。
【0024】本発明の粉末分散剤中に多価金属塩型の共
重合体を存在させるためには、予め1価金属塩型と多価
金属塩型を混合して乾燥粉末化してもよいし、中和度の
低い1価金属塩型を多価金属水酸化物で中和して多価金
属塩を含む共重合体として存在させてもよく、最終的に
多価金属塩型の共重合体が含有されていればどのような
方法でもよい。
【0025】本発明の粉末状分散剤には、消泡性の観点
から、消泡剤を添加することが望ましく、消泡剤として
は、メタノール、エタノール等の低級アルコール系、ジ
メチルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等
のシリコーン系、鉱物油と界面活性剤の配合品等の鉱物
油系、リン酸トリブチル等のリン酸エステル、オレイン
酸、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオ
レイン酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール脂
肪酸エステル等の脂肪酸又はそのエステル系、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレン/ポリプロピレングリ
コールアルキルエーテル等のノニオン系が挙げられる。
好ましくは、脂肪酸又はそのエステル系であり、更に好
ましくはポリエチレン/ポリプロピレングリコール脂肪
酸エステルである。消泡剤の添加量は粉末状分散剤中に
0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%
が更に好ましく、0.1〜3重量%が特に好ましい。
【0026】本発明の粉末状分散剤は、実用における水
溶解性の観点から、粒子径が500μm以下のものを5
0〜100重量%含有することが望ましく、より好まし
くは70〜100重量%、更に好ましくは90〜100
重量%である。
【0027】本発明の粉末状分散剤は、セメント、石膏
等の水硬性化合物、必要に応じさらに骨材とプレミック
スして使用することができる。該プレミックスは、セル
フレベリング材、トンネル用グラウト、吹き付けモルタ
ル、無収縮材、耐火物、石膏プラスター等に使用出来
る。水硬性化合物としては、ポルトランドセメント、高
炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト、アルミナセメント、天然石膏、副成石膏等が挙げら
れる。好ましくは、ポルトランドセメント、アルミナセ
メント、天然石膏であり、更に好ましくはポルトランド
セメント、アルミナセメントである。
【0028】本発明の粉末状分散剤は、セメント、石膏
等の水硬性化合物に対して固形分で0.01〜5重量%
が好ましく、0.02〜3重量%が更に好ましい。
【0029】
【実施例】製造例1 温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、水475重量部を仕込
み窒素置換を行った。続いて窒素雰囲気下で58℃まで
昇温した後、メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(単量体(a)、n=10)295重量部、
メタクリル酸76.7重量部を混合した液と、5%−2
−メルカプトエタノール水溶液44.9重量部と、5%
−過硫酸アンモニウム水溶液85.2重量部の3液を同
時に滴下し、3液とも90分かけて滴下を終了させた。
次に同温で1時間熟成した後、5%−過硫酸アンモニウ
ム水溶液13.1重量部を30分かけて滴下し、滴下後
同温で2時間熟成させた。更に、水酸化カルシウム5
2.7重量部を加えて中和した後、冷却し、重量平均分
子量36000の共重合体〔Ca塩(中和度80%)〕
(表1中の共重合体2)を得た。表1中の他の類似する
共重合体のCa塩もこれに準じて中和度80±10%で
製造した。
【0030】製造例2 製造例1と同様のガラス製反応容器に、水266重量部
を仕込み窒素置換を行った。続いて窒素雰囲気下で80
℃まで昇温した後、60%−メトキシポリエチレングリ
コールモノメタクリレート(単量体(a)、n=12
0)水溶液508.5重量部、メトキシポリエチレング
リコールモノメタクリレート(単量体(a)、n=9)
42.2重量部、メタクリル酸36.6重量部を混合し
た液と、5%−2−メルカプトエタノール水溶液44.
3重量部と、5%−過硫酸アンモニウム水溶液51.7
重量部の3液を同時に滴下し、3液とも90分かけて滴
下を終了させた。次に同温で1時間熟成した後、5%−
過硫酸アンモニウム水溶液25.8重量部を30分かけ
て滴下し、滴下後同温で2時間熟成させた。更に、水酸
化カルシウム25.2重量部を加えて中和した後、冷却
し重量平均分子量68000の共重合体〔Ca塩(中和
度80%)〕(表1中の共重合体17)を得た。表1中
の他の類似する共重合体のCa塩もこれに準じて中和度
80±10%で製造した。
【0031】製造例3 特開平7−309656号公報の水溶性ビニル共重合体
の製造方法に準じ、ただし水酸化ナトリウムに代えて水
酸化カルシウムを用いて、表1の共重合体18〔Ca塩
(中和度80%)〕を製造した。
【0032】製造例4 特開平9−309756号公報の段落0042記載の製
造方法に準じて表1の共重合体20〔Ca塩(中和度8
0%)〕を製造した。
【0033】
【表1】
【0034】(注)表中の記号は以下の通りである。ま
た表中の共重合体の塩は、全て中和度80±10%であ
る。 ・MEPEG:メトキシポリエチレングリコールモノメ
タクリレート ・METPEG:メトキシポリエチレングリコールモノ
アリルエーテル ・MAA:メタクリル酸 ・MSA:メタリルスルホン酸 ・MA:無水マレイン酸 ・Mw:重量平均分子量。
【0035】実施例1 表1に示す共重合体を表2のように組み合わせて分散剤
を調製し、以下の評価を行った。結果を表2に示す。ま
た、分散剤のnM及びMaを以下の方法で測定した。
【0036】(A)分散剤のnM 水に溶解した分散剤を窒素雰囲気中で減圧乾燥したもの
を、3〜4%の濃度で重水に溶解し、1H−NMRを測
定する。アルコキシ基(この場合はメトキシ基)のピー
クの積分値とアルキレンオキサイド基(この場合はエチ
レンオキサイド基)のピークの積分値とから、エチレン
オキサイド基のHの総数を求め、エチレンオキサイド基
1個に含まれる水素原子の数で除した値を分散剤のnM
とする。なお、1H−NMRの測定は、Varian社
製「UNITY−INOVA500」(500MHz)
を用い、データポイント数64000、測定範囲100
00.0Hz、パルス幅(45°パルス)60μse
c、パルス遅延時間30sec、測定温度25.0の条
件で行った。
【0037】(B)分散剤のMa 水に溶解した分散剤を窒素雰囲気中で室温乾燥したもの
を重水に溶解し、1H−NMRを測定する(条件は上記
と同じ)。アルコキシ基(この場合はメトキシ基)のピ
ークの積分値sと主鎖のアルキル基(この場合はメチル
基)のピークの積分値Sとから、〔(S−s)/S〕×1
00を計算し、分散剤全体の単量体(a)と単量体
(b)の割合Maを求める。
【0038】(1−1)乾燥粉末性 表1の分散剤の水溶液を、乾燥後の膜厚が約1mmとな
るように濃度及び量を調整して平坦な容器に入れ、10
5℃で2時間乾燥する。乾燥した分散剤薄膜から40m
m×15mmの試験片を作製し、長手方向の一端から約
1cmの箇所を指で挟み、他端から手で曲げ力を加え
る。この試験を所定の薄膜温度で実施し、その際の挙動
を観察し、下記の基準で評価した。その際、この曲げ力
で破断するものを「粉末化可能」とし、破断せずに単に
曲がるものは「粉末化不能」とした。また、薄膜の温度
調整は、吸湿しない状態で所定温度の恒温室に2時間放
置することで行った。 ◎:40℃で粉末化可能 ○〜◎:30℃で粉末化可能であるが、40℃で液状も
しくは粉末化不能 ○:20℃で粉末化可能であるが、30℃で液状もしく
は粉末化不能 △〜○:10℃で粉末化可能であるが、20℃で液状も
しくは粉末化不能 △:10℃で粉末化不能 ×:10℃で液状。
【0039】(1−2)耐圧性 分散剤をポリエチレン製の袋(容量250cm3)に2
50cm3充填し、密封した状態で1000kgf/m2
の荷重をかけた状態で、20℃で放置した。1日後及び
7日後に1410μm篩通過率を測定し、下記の基準で
耐圧性を評価した。 ◎:篩通過率95%超100%以下 ○〜◎:篩通過率90%超95%以下 ○:篩通過率80%超90%以下 △〜○:篩通過率70%超80%以下 △:篩通過率50%超70%以下 ×:篩通過率50%以下。
【0040】(1−3)耐湿性 300mlビーカーに粉末分散剤(予め105℃で2時
間乾燥済のもの)50gを入れ、温度25℃、湿度40
%の恒温室内に開放系にて7日間放置し、重量変化から
吸湿水分量を求め、以下の基準で耐湿性を評価した。 ◎:水分量2%以下(固形分率98%以上) ○〜◎:水分量2%超4%以下(固形分率96%以上9
8%未満) ○:水分量4%超6%以下(固形分率94%以上96%
未満) △〜○:水分量6%超8%以下(固形分率92%以上9
4%未満) △:水分量8%超10%以下(固形分率90%以上92
%未満) ×:水分量10%超(固形分率90%未満)。
【0041】(1−4)ポンプ輸送性 分散剤の水溶液(有効成分40重量%)の20℃の粘度
を、B型回転粘度計を用いて測定し、以下の基準でポン
プ輸送性を評価した。 ◎:粘度400mPa・s以上420mPa・s未満 ○〜◎:粘度420mPa・s以上450mPa・s未
満 ○:粘度450mPa・s以上500mPa・s未満 △〜○:粘度500mPa・s以上600mPa・s未
満 △:粘度600mPa・s以上700mPa・s未満 ×:粘度700mPa・s以上。
【0042】(1−5)分離抵抗性 分散剤、水360g、セメント800g、細骨材180
0gをモルタルミキサー(JIS R 5201.8準
拠)で混練して得たモルタルを、上部投入開口部直径が
100mm、下部排出開口部直径が20mm、長さが3
00mmである逆円錐台状の筒(モルタルの流下時間測
定装置)に、下部排出開口部を閉じた状態で詰め、上部
投入開口の面で擦り切った後、下部排出開口を開放して
モルタルを自然流下させ、上部投入開口から目視で観察
したときにモルタルの少なくとも一部に孔が確認される
までの時間(流下時間)を測定した。流下時間が大きい
ほどコンクリートの粘性が高く、材料分離抵抗性が強
い。なお、分散剤の添加量は、モルタルフロー値が29
0mm±10mmとなるよう調整した。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示されるように、比較品1−1、1
−3、1−4は分散剤のnMが小さく粉末乾燥できず、
多価金属塩を含む比較品2であってもnMが小さいと耐
圧性が不十分である。また、比較品1−5はnMが大き
くポンプ輸送性が不十分である。一方、本発明品1−1
〜1−23では、乾燥粉末性、耐圧性、耐湿性、ポンプ
輸送性及び分離抵抗性の何れにおいても良好である。
【0045】実施例2 早強ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)
100重量部、細骨材〔珪砂(3,4,5号混合、竹折
砿業所製)〕100重量部、増粘剤〔メトローズ(信越
化学(株)製)〕0.0025重量部、遅延剤〔クエン
酸ナトリウム(試薬特級)〕0.02重量部、膨張材
〔デンカCSA(電気化学工業(株)製)〕5重量部及
び発泡剤(金属アルミニウム粉)0.0015重量部、
表3の粉末分散剤及び表3に示す量の消泡剤〔フォーム
レックス797(日華化学(株)製)〕を混合し、グラ
ウト材を製造した。グラウト材に水を添加し、ハンドミ
キサーで3分間混練することにより、スラリーを得た。
このスラリーを用いて、以下の評価を行った。結果を表
3に示す。
【0046】(2−1)流動性 土木学会規準「PCグラウト試験方法(JCSE−F5
31)」に準じてJ14ロートからの流下時間(秒)を
測定した。ただし、「JIS R 5201セメントの物
理試験方法」に準じて測定されたフロー値が、250m
m±10mmとなるように、粉末分散剤の添加率を調整
して、行った。
【0047】(2−2)ブリーディング率 土木学会規準「PCグラウト試験方法(ポリエチレン袋
方法)(JCSE−F532)」に準じて測定した。
【0048】(2−3)膨張率 土木学会規準「PCグラウト試験方法(容器方法)(J
CSE−F533)」に準じて測定した。
【0049】(2−4)圧縮強度 「JIS R 5201セメントの物理試験方法」に準じ
て、材齢28日で測定した。
【0050】
【表3】
【0051】表3に示されるように、本発明の粉末分散
剤をモルタルグラウト用途に使用すると、流動性、ブリ
ーディング率、膨張率、圧縮強度が良好なものが得られ
る。特に、消泡剤を使用すると、圧縮強度が安定する。
また、モルタルグラウト用途では、エステル系単量体由
来の共重合体のCa塩(No.2−1〜2−4)の方
が、エーテル系単量体由来の共重合体のCa塩(No.
2−5)より流下時間が大きく、分離抵抗性はより安定
している。一方、No.2−6(比較品)は、過度の増
粘により、流動性が低下する場合がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C04B 103:40 C04B 103:40 (56)参考文献 特開2000−26146(JP,A) 特開2000−26145(JP,A) 特開 平9−309756(JP,A) 特開2001−302305(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 24/26 C08F 6/00 - 246/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるビニル系単
    量体(a)の1種以上と、(メタ)アクリル酸又はその
    アルカリ土類金属塩及び無水マレイン酸から選ばれる
    ニル系単量体(b)の1種以上とを重合して得られる共
    重合体の一種以上を含有する水硬性組成物用の粉末分散
    剤であって、 該分散剤における炭素数2〜4のオキシアルキレン基又
    はオキシスチレン基の付加モル数の平均値が45〜15
    0であり、単量体(a)と単量体(b)の割合が(a)
    /〔(a)+(b)〕×100=0モル%超45モル%
    以下であり、且つ前記共重合体の少なくとも一部がアル
    カリ土類金属塩である粉末分散剤。 【化1】 〔式中、 R1,R2:水素原子又はメチル基 R3:水素原子又は−COO(AO)nX m:0〜2の数 p:0又は1の数 AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシス
    チレン基 n:平均付加モル数であり2〜300の数 X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基 を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記共重合体の全てがアルカリ土類金属
    である請求項1記載の水硬性組成物用の粉末分散剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の粉末分散剤と水硬
    性化合物とを含有する水硬性組成物。
  4. 【請求項4】 グラウトモルタル用である請求項3記載
    の水硬性組成物。
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