JP3515250B2 - 粘着ロール式清掃具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は粘着ロール式清掃具
に関するものであり、更に詳しくは、清掃具の不使用時
に汚れた粘着ロールをカバーで覆い隠すようにしたカバ
ー付きの粘着ロール式清掃具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の粘着ロール式清掃具として、従
来、実公昭６３−１９６７号公報に開示されているよう
に、柄棒の先端に着塵用の粘着ロールを回転自在に取り
付けると共に、該粘着ロールを覆い隠すための半筒状の
カバーを柄棒に沿って摺動自在なるように取り付けたも
のが公知である。上記清掃具は、カバーを粘着ロールが
露出する位置に摺動、係止させて清掃を行い、清掃が終
わると、上記カバーを粘着ロールを覆う位置に復帰さ
せ、その状態で該清掃具をフック等に吊り掛けるか、又
は上記カバーをスタンドとして自立させた状態で収納す
るものである。

【０００３】しかしながら、上記従来の清掃具は、清掃
時に粘着ロール全体が外部に露出しているため、広い空
間部分を清掃するような場合には全く問題ないが、例え
ばカーテンの下の部分を清掃するような場合に、該カー
テンが粘着ロールにまとわりついて清掃しにくいとか、
粘着ロールで捕集した塵埃がカーテンに触れて剥れ落ち
たり、該カーテンに付着してそれを汚し易い等の問題が
あった。

【０００４】また、清掃の途中で家具等を動かすような
場合には、清掃具を一時的に適当な場所に置いておく必
要があるが、この場合に汚れた粘着ロールで床面等を汚
さないようにするには、カバーを一旦粘着ロールを覆う
位置に移動させて清掃具を自立させ、作業が終ったあと
上記カバーを再び粘着ロールが露出する位置に摺動、係
止させて清掃を再開しなければならず、取り扱いが面倒
であった。更に、上記従来の清掃具は、清掃時に、粘着
ロールの直径よりも幅の広いカバーが柄棒の中間位置に
あるため、例えば、家具の下の狭い空間部を清掃するよ
うな場合に、上記カバーが邪魔になって柄棒を床面と平
行に近い角度まで傾斜させることができないという問題
もあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる課題
は、粘着ロールを覆うカバーを部分的に開放可能とする
ことにより、カーテンのような吊下物がある場所でも支
障なく清掃することができると共に、清掃の途中に粘着
ロールが床面に接触しない状態で壁等に簡単に立てかけ
られるようにした、清掃時の作業性が良い清掃具を得る
ことにある。本発明の他の課題は、上記清掃具を、床面
と平行に近い角度まで傾斜させて使用できるように構成
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の清掃具は、柄棒の先端に、塵埃を付着させ
るための粘着ロールを回転自在に取り付けると共に、該
粘着ロールを覆うカバーを取り付けてなり、上記カバー
が、左右一対のカバー部片からなっていて、これらのカ
バー部片が、粘着ロールの直径方向両側面を覆う閉鎖位
置と、粘着ロールを露出させる開放位置との間で個別に
開閉自在であると共に、閉鎖位置においてスタンドとし
て機能するとき粘着ロールを床面から離間した状態に保
持可能な高さを有していることを特徴とするものであ
る。上記構成の清掃具は、一対のカバー部片の一方又は
両方を開放した状態で清掃を行い、清掃が終わると、上
記カバー部片を閉じて粘着ロールを覆い、その状態で該
清掃具をフック等に吊り掛けるか、又は上記カバーをス
タンドとして自立させた状態で収納する。ここで、一方
のカバー部片のみを開放した状態で清掃する場合には、
粘着ロールの上面が他の非開放のカバー部片で覆われて
いるため、カーテンのような吊下物があっても、該吊下
物が粘着ロールに接触するのが防止され、その場所を支
障なく清掃することができる。また、清掃の途中に、上
記非開放のカバー部片を支えにして、粘着ロールが床面
に接触しない状態で清掃具を簡単に壁等に立てかけるこ
とができ、清掃を再開するときは、立てかけた清掃具を
そのまま手にして作業を続ければ良い。本発明の具体的
な構成態様によれば、上記カバーにおける各カバー部片
が、ヒンジ手段により上方への回動、反転によって開放
自在なるように設けられ、両カバー部片を開放した状態
での両カバー部片間の最大外幅が、粘着ロールにおける
芯軸の直径と同等以下であるように構成されている。こ
のため、開放したカバー部片が柄棒を傾ける際の障害に
なることがなく、家具の下等の狭い空間であっても、清
掃具を床面と平行に近い角度まで傾斜させた状態で確実
に清掃することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図は本発明の清掃具の一実施例を
示すもので、図１乃至図３から分かるようにこの清掃具
は、握持用の柄棒１と、該柄棒１の先端のロール支持部
２と、該ロール支持部２に回転自在に取り付けられた塵
埃付着用の粘着ロール３と、該粘着ロール３を覆う自立
用スタンド兼用のカバー４とからなっている。

【０００８】上記粘着ロール３は、円柱状の芯軸６に粘
着テープ７を多重に巻き付け、表面に塵埃が付着して粘
着力が低下すると、粘着テープ７を一巻分だけ剥離して
新たな付着面を露出させるように構成したもので、粘着
テープがなくなると新たな粘着ロールと交換する。

【０００９】上記ロール支持部２は、上面中央部に上記
柄棒１が固定されている細長い基台１０と、該基台１０
の長手方向両端部に設けられた一対の軸受部１１，１１
とからなり、これら軸受部１１，１１の間に上記粘着ロ
ール３が支軸１２で回転自在に支持されている。この支
軸１２は、粘着ロール３の中心孔３ａを貫通して両端が
上記軸受部１１，１１に支持された一本の軸棒であって
も、それぞれの軸受部１１，１１に個別に取り付けられ
ていて、粘着ロール３の中心孔３ａの両端部に嵌入した
ものであっても良い。上記ロール支持部２の幅、即ち上
記基台１０及び軸受部１１，１１の幅Ａは、粘着ロール
３の芯軸６の直径Ｄとほぼ同じか、又はそれよりも小さ
めに形成されている。

【００１０】また、上記カバー４は、粘着ロール３の直
径方向両側面を覆う左右一対のカバー部片４ａ，４ａか
らなっている。これらのカバー部片４ａ，４ａは、外側
に向けて湾曲する主体部１４と、該主体部１４の両端部
に内側に張り出すように設けられた側壁部１５，１５と
からなるもので、全体としてロール支持部２とほぼ同じ
長さに形成され、上端部を該ロール支持部２の基台１０
の側部にヒンジ手段１６で回動自在に枢支されることに
より、粘着ロール３を覆う閉鎖位置（図２参照）と、粘
着ロール３を露出させる開放位置（図５参照）との間で
個別に開閉自在となっている。

【００１１】上記カバー部片４ａ，４ａは、上記閉鎖位
置においてスタンドとして機能し、清掃具を自立させる
ことができるものであるが、そのとき粘着ロール３が床
面に接触することのないように、これらのカバー部片４
ａ，４ａは、粘着ロール３を床面から離間した状態に保
持し得るような高さに形成されている。また、上記一対
のカバー部片４ａ，４ａは、それらが図５に示す開放位
置にあるとき、両カバー部片４ａ，４ａ間の最大外幅Ｂ
が、粘着ロール３における芯軸６の直径Ｄとほぼ同じ
か、又はそれよりも小さくなるように構成されている。

【００１２】上記カバー部片４ａ，４ａは、上記閉鎖位
置と開放位置とにそれぞれ位置決め状態で保持されるよ
うになっていることが必要である。このための保持手段
としては、上記ヒンジ手段１６の回動時の摩擦力を少な
くとも上記両位置において大きくすることによってその
位置に止まり易くしたものや、バネの付勢力を利用した
もの、磁石の吸着力を利用したものなど、任意の機構を
採用することができるが、上記第１実施例においては、
バネの付勢力を利用したものが一例として示されてい
る。

【００１３】即ち、ロール支持部２における少なくとも
一方の外側面に設けたピン１８と、各カバー部片４ａ，
４ａの外側面に設けたピン１９との間に、それぞれ引っ
張りばね２０が張設されていて、カバー部片４ａ，４ａ
が閉鎖位置にある時は、該引っ張りばね２０がカバー部
片４ａ，４ａを閉鎖方向に向けて付勢し、カバー部片４
ａ，４ａが開放位置にある時は、該引っ張りばね２０が
該カバー部片４ａ，４ａを開放方向に向けて付勢し、こ
れによって各カバー部片４ａ，４ａが、上記閉鎖位置及
び開放位置に保持されるようになっている。

【００１４】なお、図示した実施例において上記カバー
部片４ａ，４ａは、それが閉鎖位置にあるとき、側壁部
１５，１５がロール支持部２の軸受部１１，１１に当接
することによって位置決めされ、開放位置にあるときに
は、主体部１４が柄棒１に当接することによって位置決
めされるようになっているが、位置決めのための機構は
このようなものに限定されず、他の任意のストッパ手段
からなる位置決め機構を採用することができる。

【００１５】上記構成の清掃具は、図５に示すように、
両方のカバー部片４ａ，４ａをヒンジ手段１６を中心に
して上方に回動、反転させることにより開放するか、又
は図６に示すように、いずれか一方のカバー部片４ａを
同様にして開放した状態で、清掃を行う。ここで、両方
のカバー部片４ａ，４ａを開放した状態で清掃する場合
には、粘着ロール３全体が露出しているため、塵埃の付
着具合を確認しながら清掃を進めることができ、汚れた
粘着テープ７の剥離も容易に行うことができる。また、
両カバー部片４ａ，４ａを開放した状態でそれらの最大
外幅Ｂと、ロール支持部２の幅Ａとが、それぞれ粘着ロ
ール３の芯軸６の直径Ｄと同等以下に形成されているか
ら、家具の下の狭い空間部を清掃するような場合に、開
放したカバー部片４ａ，４ａ及びロール支持部２が柄棒
１を傾ける際の障害になることがなく、このため、該柄
棒１を床面と平行に近い角度まで確実に傾斜させること
ができる。

【００１６】また、一方のカバー部片４ａのみを開放し
た状態で清掃する場合には、粘着ロール３の上面が他の
非開放のカバー部片４ａで覆われているため、カーテン
のような吊下物があっても、この非開放のカバー部片４
ａによって吊下物が粘着ロール３に接触して付着したり
まとわりつくのが防止され、吊下物の下でも支障なく清
掃することができる。しかも、家具の下の狭い空間部を
清掃する場合にも、開放したカバー部片４ａ及びロール
支持部２が柄棒１を傾ける際の障害になることがないた
め、清掃具を床面と平行に近い角度まで傾斜させて清掃
することができる。

【００１７】更に、清掃の途中で、家具等の移動のため
に清掃具を一時的に適当な場所に放置しなければならな
いような場合には、上記非開放のカバー部片４ａを支え
にして、清掃具を粘着ロール３が床面に接触しない状態
で壁等に立てかけることができ、しかも移動が終るとそ
のまま清掃具を手に持って清掃を続けることができるの
で、取り扱いが簡単で作業性が良い。

【００１８】清掃が終わると、図２のようにカバー部片
４ａ，４ａを閉じて粘着ロール３を覆い、その状態で該
清掃具を壁面のフック等に吊り掛けるか、又は上記カバ
ー部片４ａ，４ａをスタンドとして自立させた状態で所
要の場所に収納する。この場合、粘着ロール３がカバー
部片４ａ，４ａで覆われているため、上記いずれの収納
方法を選択した場合でも、汚れた粘着ロール３が壁面又
は床面に接触するのが防止され、それらを汚すことがな
い。

【００１９】

【発明の効果】本発明の清掃具によれば、粘着ロールを
覆うカバーを一対のカバー部片で形成すると共に、これ
らのカバー部片を個別に開放可能とし、且つ、上記カバ
ー部片を、粘着ロールを床面から離間させた状態に保持
可能な高さに形成したので、一対のカバー部片のうちの
一方のみを開放した状態でも、両方を共に開放した状態
でも、全く同様に清掃を行うことができ、一方のカバー
部片のみを開放した状態で清掃を行う場合には、カーテ
ンのような吊下物がある場所であっても、非開放のカバ
ー部片で該吊下物が粘着ロールに接触するのを防止して
支障なく清掃することができ、また、清掃を一時的に中
断するような場合には、非開放のカバー部片により清掃
具を粘着ロールが床面に接触しない状態で壁等に簡単に
立てかけておくことができ、このため、取り扱いが容易
で作業性が非常に良好である。また、両カバー部片を開
放した際の最大外幅を粘着ロールの芯軸の直径と同等以
下に形成したことにより、清掃具を床面と平行に近い角
度まで傾斜させて使用することができ、この結果、家具
の下の狭い空間部であっても簡単且つ確実に清掃するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る清掃具の一実施例を柄棒の一部を
省略して示す正面図である。

【図２】図１の清掃具の要部拡大側面図である。

【図３】図１におけるIII −III 線での拡大断面図であ
る。

【図４】図１の清掃具における一対のカバー部片をそれ
ぞれ開放した状態の正面図である。

【図５】図４の清掃具の要部拡大側面図である。

【図６】図１の清掃具における一対のカバー部片の一方
のみを開放した状態の要部拡大側面図である。

【符号の説明】

１ 柄棒 ３ 粘着ロール ４ カバー ４ａ カバー部片 ６ 芯軸 １６ ヒンジ手段 Ｂ 外幅 Ｄ 直径

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】柄棒の先端に、塵埃を付着させるための粘
   着ロールを回転自在に取り付けると共に、該粘着ロール
   を覆うカバーを取り付けてなり、 上記カバーが、左右一対のカバー部片からなっていて、
   これらのカバー部片が、粘着ロールの直径方向両側面を
   覆う閉鎖位置と、粘着ロールを露出させる開放位置との
   間で個別に開閉自在であると共に、閉鎖位置においてス
   タンドとして機能するとき粘着ロールを床面から離間し
   た状態に保持可能な高さを有している、ことを特徴とす
   る粘着ロール式清掃具。
2. 【請求項２】請求項１に記載の粘着ロール式清掃具にお
   いて、上記カバーにおける各カバー部片が、ヒンジ手段
   により上方への回動、反転によって開放自在なるように
   設けられていて、両カバー部片を開放した状態での両カ
   バー部片間の最大外幅が、粘着ロールにおける芯軸の直
   径と同等以下であるもの。