JP3513797B2 - 飛灰無害化処理方法 - Google Patents
飛灰無害化処理方法Info
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Description
棄物の焼却飛灰を溶融するとき、もしくは一般または産
業廃棄物を溶融するときに発生する排ガスから、電気集
塵機、バグフィルター等の集塵装置によって回収された
飛灰(本明細書全体を通してこれを溶融飛灰という)を
無害化する方法に関し、より詳しくは、溶融飛灰中に含
まれるダイオキシン類、例えばポリ塩化ジベンゾ−p−
ダイオキシン(以下「PCDDs」という。)、ポリ塩
化ジベンゾフラン(以下「PCDFs」という。)等の
有害な有機化合物を無害化する方法に関する。
却炉から排出される排ガス中に含まれるダイオキシン類
が人体に及ぼす影響が問題となり、上記排ガス中のダイ
オキシン類の排出規制が実施されることとなった。その
ため、排出基準を満足するために各種の技術が導入され
ており、例えば、排ガスを急冷し、飛灰をバグフィルタ
や電気集塵機によって集塵し、それによって排ガス中か
らダイオキシン類を含む飛灰を分離除去する手段が採用
されている。
方法として、灰溶融方式が採用されている。このときS
i、Al成分は溶融炉下部からスラグとして回収される
が、重金属類の塩化物を高濃度で含むダストが排ガス中
に流れ出る。さらに、一般または産業廃棄物を焼却過程
を飛ばして直接溶融させる方式も提案されているが、灰
溶融方式と同様に重金属類の塩化物を高濃度で含むダス
トが排ガス中に流れ出る。この溶融飛灰には重金属類の
塩化物以外にダイオキシン類が多量に含まれている。
属類の塩化物のような低融点物質をベースとして含む溶
融飛灰中のダイオキシン類を効果的に分解する方法を提
供することにある。
般廃棄物焼却炉から出た排ガスをバグフィルタにより集
塵して得られた飛灰(以下「焼却飛灰」という)と、溶
融飛灰について、それぞれ元素分析を行った。
飛灰の組成の例を示す。表1と表2との相違点は、S
i、Al等と難分解性酸化物の含有量にあり、焼却飛灰
の方がこれらを多く含んでいる。また、両方の灰につい
てCaが多いのは、これら飛灰は脱塩のためにCa(O
H)2 が吹き込まれた状態で捕集されたものであるから
である。したがって、脱塩を行わない状態もしくは別装
置で脱塩を行う場合にはこれら飛灰中のCaはかなり少
なくなる。
に入れたときのpHを示す。これら飛灰中にはダイオキ
シン類も含まれている。飛灰中のダイオキシン類を無害
化する方法として、不活性ガス中で200℃〜400℃
に加熱する方法が採用されている。表3から明らかなよ
うに、Ca(OH)2 が吹き込まれていない溶融飛灰
(飛灰4)は弱酸性物質である。
き込まれた焼却飛灰(飛灰1)と、Ca(OH)2 が吹
き込まれていない溶融飛灰(飛灰4)について、加熱に
よるダイオキシン類の分解実験を行なった。実験装置と
しては電気加熱炉を用い、この炉内を窒素ガス雰囲気に
した状態で、各飛灰を250〜350℃の温度で1時間
加熱した。加熱後、飛灰を取り出してダイオキシン類の
分解率を調べた。この結果を図1に示す。
EQ(毒性等価換算濃度)で表されるが、これは物理化
学現象を解析する場合には不適当と考えられるので、こ
こではトータルのダイオキシン類で議論する。もちろ
ん、トータルのダイオキシン類が減少すれば、特別な理
由の無い限りTEQも減少すると考えられる。
度の上昇に伴ってダイオキシン類分解率が増加してい
る。一方、飛灰4では、加熱温度が高くなるに連れ、分
解率が明らかにマイナスの値になり、即ち、ダイオキシ
ン類が増加したことを示している。
温度とダイオキシン類分解率の関係を、ダイオキシン類
の種類別に詳細に調べた結果を示している。図2から判
るように、PCDDsの場合、相対的に塩素数の少ない
テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン(T4CDD
s)、ペンタクロロジベンゾ−p−ダイオキシン(P5
CDDs)およびヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキ
シン(H6CDDs)についてはプラスの分解率を示し
ているが、相対的に塩素数の多いヘプタクロロジベンゾ
−p−ダイオキシン(H7CDDs)およびオクタクロ
ロジベンゾ−p−ダイオキシン(O8CDDs)につい
てはマイナスの分解率を示している。また、図3から判
るように、PCDFsの場合、加熱温度が300℃を越
えるときには、テトラクロロジベンゾフラン(T4CD
Fs)、ペンタクロロジベンゾフラン(P5CDF
s)、ヘキサクロロジベンゾフラン(H6CDFs)、
ヘプタクロロジベンゾフラン(H7CDFs)およびオ
クタクロロジベンゾフラン(O8CDFs)のいずれに
ついてもマイナスの分解率を示しており、特に塩素数が
大きいものほど加熱温度が350℃のときの分解率が著
しく低下している。つまり、飛灰4の場合、300℃を
越える温度でこれを加熱すると、塩素数の多いダイオキ
シン類が増加するという多塩素化反応が起こっており、
この反応は特にPCDFsについて顕著である。
び顕微鏡で観察したところ、飛灰1については、いずれ
の加熱温度の場合でも、加熱前の状態と比べて変化がみ
られなかった。これに対し、飛灰4については、加熱温
度が300℃以上の場合、肉眼で観察すると収縮したよ
うに見え、さらに顕微鏡で観察すると飛灰粒子が融着し
た状態になっていた。
いてのダイオキシン類の多塩素化反応のプロセスは、次
のように考えることができる。まず、飛灰4には、塩化
ナトリウムや塩化カリウムといった塩化物が大半を占め
るベース物質と、PbCl2、ZnCl2 等の低融点物
質と、ダイオキシン類とが共存している。このような組
成の飛灰4を、そのベース物質と低融点物質との共融点
(260℃)以上に加熱すると、局部的に低融点物質の
周囲が融解して融液状態になる。なお、この共融点は飛
灰の組成に依存するものであって、飛灰1gを水100
gに溶解させた水溶液のpHが7付近になる場合には、
共融点も300℃になると推測できる。上記融液中には
ダイオキシン類も共存し、融液中で一部イオン化した塩
素がダイオキシン類に付加し、あるいは水素イオンと置
換することによって、多塩素化反応が起こる。このよう
にして、ダイオキシン類の多塩素化が進むと考えられ
る。表3に示す飛灰2は弱酸性状態にあるが、Si、A
l成分の存在が多いため、共融点は高く、ダイオキシン
類の多塩素化反応は起こらない。また、飛灰3はアルカ
リ性状態にあるため、共融点は高く、飛灰1、2と同様
にダイオキシン類の多塩素化反応は起こらない。
果、本発明を完成するに至った。
て含む飛灰中の有機塩化物が共融してダイオキシン類の
多塩素化が起こるのであるから、低融点物質が融解した
段階で、ダイオキシン類への塩素付加よりも優先して塩
素を取り込む物質、即ち、アルカリ金属の水酸化物、炭
酸塩、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩を
添加することによって、低融点物質からダイオキシン類
への塩素の移動を防ぐことができる。
本発明を具体的に説明する。
消石灰2.5kgを添加し、これらを良く混合した。得
られた混合物1gを100gの水に溶解させた水溶液の
pHを測定したところ、12であった。上記混合物を電
気加熱炉に投入し、窒素ガス流中で、300℃および3
50℃の各温度で1〜3時間加熱した。その後、電気加
熱炉から飛灰4を取り出してダイオキシン類の分解率を
調べた。結果を、以下の表4に示す。
350℃いずれの加熱温度についてもプラスの分解率、
即ち、ダイオキシン類の減少を示している。また、加熱
時間が1時間や2時間の場合でも、実施例1の場合と比
べて高い分解率となっており、3時間の場合には分解率
99.9%であって、ほぼ完全にダイオキシン類が分解
されていた。
等の低融点物質をベースとして含む溶融飛灰中のダイオ
キシン類を効果的に分解することができる。
実験の結果を示す図である。
の結果を、PCDDsの付加塩素数別に示す図である。
の結果を、PCDFsの付加塩素数別に示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融飛灰を加熱処理により無害化するに
当たり、前処理として、溶融飛灰に、アルカリ金属の水
酸化物または炭酸塩、もしくはアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物または炭酸塩を加えて、灰1gを水100
gに投入した時の液のpHが7以上になるようにし、溶
融飛灰を不活性ガス雰囲気中で200〜350℃の温度
範囲で加熱処理することを特徴とする飛灰無害化処理方
法。 - 【請求項2】 溶融飛灰を加熱処理により無害化するに
当たり、前処理として、溶融飛灰に、アルカリ金属の水
酸化物または炭酸塩、もしくはアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物または炭酸塩を加えて、灰1gを水100
gに投入した時の液のpHが7以上になるようにし、溶
融飛灰を酸素存在雰囲気中で250〜450℃の温度範
囲で加熱処理することを特徴とする飛灰無害化処理方
法。
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JP22697898A JP3513797B2 (ja) | 1998-08-11 | 1998-08-11 | 飛灰無害化処理方法 |
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Family
ID=16853600
Family Applications (1)
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- 1998-08-11 JP JP22697898A patent/JP3513797B2/ja not_active Expired - Fee Related
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