JP3455118B2 - 溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法 - Google Patents

溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法

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JP3455118B2 JP30573398A JP30573398A JP3455118B2 JP 3455118 B2 JP3455118 B2 JP 3455118B2 JP 30573398 A JP30573398 A JP 30573398A JP 30573398 A JP30573398 A JP 30573398A JP 3455118 B2 JP3455118 B2 JP 3455118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炉から発生す
る溶融飛灰又は焼却炉から発生する焼却飛灰に含まれる
重金属の溶出を防止すると共に、ダイオキシンを分解す
る溶融飛灰又は焼却飛灰の重金属溶出防止処理方法並び
にダイオキシン分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミ及び/又は産業廃棄物を
溶融炉で溶融処理したり、焼却炉で焼却処理するに際し
て、この溶融炉、又は、焼却炉から発生する排ガス中の
塩化水素等の酸性成分を吸着、固定するために、排ガス
中へ消石灰(Ca(OH)2 )を吹込む方法が実施され
ている。そして、このような排ガス中には溶融処理中又
は焼却処理中に発生する焼成灰の中の比較的粒径の小さ
い溶融飛灰又は焼却飛灰(以下、単に飛灰と呼ぶ。)が
含まれて、集塵機等で捕集されるようになっている。飛
灰は多くの場合、最終処分場に埋め立て処分されるが、
飛灰中には鉛、カドミニウム等の有害な重金属、及び有
毒なダイオキシン等が含まれていて、雨水等の作用によ
り周囲に溶出して環境を汚染させる要因となる。このよ
うな飛灰の重金属の溶出を防止する方法には、(1)溶
融固化、(2)薬剤処理、(3)セメント処理、(4)
酸抽出の4種の方法が知られている。溶融固化方法は飛
灰をその溶融温度まで加熱して、重金属を溶融スラグの
中に包括する方法、薬剤処理は、キレート法に代表され
るように薬剤の中に化学的に重金属を包括する方法であ
る。また、セメント処理は飛灰をセメントと混ぜて固形
化する方法、酸抽出法は、飛灰を酸の中に浸して重金属
を抽出除去する方法である。一方、飛灰中のダイオキシ
ンを分解する方法としては、例えば、特公平6−388
63号公報によれば、飛灰を、酸素欠乏状態で200℃
ないし550℃で加熱することでダイオキシンを含むポ
リハロゲン化化合物を分解するとしている。また、特開
平8−303741号公報によれば、飛灰を、400〜
550℃に加熱することで、ダイオキシン等の有害な有
機塩素化合物を分解できるとしている。なお、該公報、
第5回廃棄物学会研究発表会講演論文集(1994年1
0月20日廃棄物学会発行)P.398〜400に記載
の論文「都市ごみ焼却飛灰の重金属溶出特性」(三井造
船株式会社執筆)及び三井造船株式会社発行のダイオブ
レーカー(飛灰加熱脱塩素化処理設備)説明資料のいず
れにも、分解処理雰囲気条件として、温度以外の条件、
例えば低酸素状態等の記載は全くみられない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
飛灰を溶融固化する方法、飛灰に薬剤及びセメントを混
ぜる方法、もしくは飛灰中の重金属を酸抽出させる方法
では、いずれもコスト的に高価になり、また処理後の容
積が大きくなるという問題がある。さらに、都市ごみ等
では排ガス中の酸性ガスの中和処理剤として消石灰が添
加されることが多いので、溶融炉から発生する溶融飛灰
中又は焼却炉から発生する焼却飛灰中には未反応のCa
O分が含まれ、飛灰を水に浸漬したときのpHが高くな
って、重金属の溶出が助長されるという問題があった。
一方、ダイオキシンを分解する方法において、酸素欠乏
状態で分解処理するためには、特公平6−38863号
公報に記載の通り、空気の侵入を防止するかあるいは、
処理装置に窒素等の不活性ガスを充填する必要がある。
このいずれの場合も酸素欠乏状態を常時維持するために
は処理装置のシールを確実に行なわなければならない。
処理装置には当然飛灰の供給口、排出口が存在してお
り、飛灰の出し入れと共に気密性を確保する必要上、供
給、排出装置としては構造が複雑となる。もちろん、そ
れ以外に装置各所のシール構造も大がかりとなるために
装置全体としては、かなり高価になってしまう。また、
不活性ガスを用いる場合当然、常時補充が必要なため、
その分、運転費用が嵩むこととなる。もう一つの、非低
酸素状態(以後空気中の酸化雰囲気と呼ぶ)における、
400〜550℃加熱処理であるが、発明者らが実施し
た空気中の酸化雰囲気での実験によると、後述する表
7、図3に示すように、ダイオキシンを確実に分解する
ためには、550℃の加熱温度では不充分である。本発
明はかかる事情に鑑みてなされたもので、処理容積を増
やすことなく安価に飛灰中に含まれる重金属の環境への
溶出を防止できる飛灰の重金属溶出防止処理方法と、設
備費運転費共安価で、かつ、確実に、ダイオキシンを分
解できる飛灰のダイオキシン分解方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法は、都市ゴミ及
び/又は産業廃棄物の溶融炉から発生する溶融飛灰、又
は焼却炉から発生する焼却飛灰の処理方法であって、予
め処理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰のpHを
測定し、該測定値が11.0以上の場合、前記溶融飛灰
又は焼却飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理飛
灰のpHを8.5以上11.0未満にし、該処理飛灰中
の重金属の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含ま
れるダイオキシンも同時に分解している。請求項2記載
の溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法は、都市ゴミ及び/
又は産業廃棄物の溶融炉から発生する溶融飛灰、又は焼
却炉から発生する焼却飛灰の処理方法であって、予め処
理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰のpHを測定
し、該測定値が8.5未満の中性又は酸性の場合、予め
アルカリ源を加え、前記溶融飛灰又は焼却飛灰のpHを
一旦11.0以上にした後、次に前記溶融飛灰又は焼却
飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理飛灰のpH
を8.5以上11.0未満にし、該処理飛灰中の重金属
の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含まれるダイ
オキシンも同時に分解している。請求項3記載の溶融飛
灰又は焼却飛灰の処理方法は、都市ゴミ及び/又は産業
廃棄物の溶融炉から発生する溶融飛灰又は焼却炉から発
生する焼却飛灰の処理方法であって、予め処理の対象と
する前記溶融飛灰又は焼却飛灰を水洗の後、水洗飛灰の
pHを測定し、該測定値が12.0以上の場合、前記水
洗飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理飛灰のp
Hを8.5以上11.8未満にし、該処理飛灰中の重金
属の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含まれるダ
イオキシンも同時に分解している。そして、請求項4記
載の溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法は、都市ゴミ及び
/又は産業廃棄物の溶融炉から発生する溶融飛灰又は焼
却炉から発生する焼却飛灰の処理方法であって、予め処
理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰を水洗の後、
水洗飛灰のpHを測定し、該測定値が8.5未満の中性
又は酸性の場合、予めアルカリ源を加え、前記水洗飛灰
のpHを一旦12.0以上にした後、次に前記水洗飛灰
を580〜800℃に加熱処理し、処理飛灰のpHを
8.5以上11.8未満にし、該処理飛灰中の重金属の
溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含まれるダイオ
キシンも同時に分解している。
【0005】溶融飛灰とは、都市ゴミ及び/又は産業廃
棄物を溶融炉で処理するに際して、この溶融炉から発生
する排ガスに随伴される灰であり、焼却飛灰とは、都市
ゴミ及び/又は産業廃棄物を焼却炉で処理するに際し
て、この焼却炉から発生する排ガスに随伴される灰であ
って、いずれも、排ガスと共に排出される比較的粒径の
小さい粒子を集塵機等で捕集したものからなる。一方、
焼却灰の内で焼却炉の炉底等に溜まるものを主灰とい
う。溶融飛灰又は焼却飛灰(以下、再び単に飛灰と呼
ぶ)、及びこれら飛灰が処理された中間の水洗飛灰及び
最終の処理飛灰のpHとは、環境庁告示第13号試験法
に定められた方法により測定されるpHの測定値であ
り、所定量の試料を所定量の水に所定条件の下で浸漬さ
せて、その浸漬液中の水素イオン濃度を測定することに
より得られる。pHが11.0以上となる飛灰(アルカ
リ飛灰)を加熱処理することで飛灰中のCa(OH)2
の約580℃での脱水反応(1)、CaOとSiO2 の
カルシウムシリケートの生成反応((2)、(3)、
(4))、Na2 OとSiO2 及びAl2 O3 との生成
反応((5)〜(9))、K2 OとSiO2 及びAl2
O3 との生成反応((10)〜(14))、MgOとC
aO及びSiO2 との生成反応等が生じ、安定な化合物
を生じることで飛灰中のフリーなアルカリ源(CaO、
Na2 O、K2 O、MgO)の量を減少させることがで
きる。
【0006】 (1)Ca(OH)2 →CaO+H2 O (2)CaO+SiO2 →CaO・SiO2 (3)2CaO+SiO2 →2CaO・SiO2 (4)3CaO+2SiO2 →3CaO・2SiO2 (5)Na2 O+SiO2 →Na2 O・SiO2 (6)Na2 O+2SiO2 →Na2 O・2SiO2 (7)2Na2 O+SiO2 →2Na2 O・SiO2 (8)Na2 O+Al2 O3 +6SiO2 →Na2 O・
Al2 O3 ・6SiO2 (9)Na2 O+Al2 O3 +2SiO2 →Na2 O・
Al2 O3 ・2SiO2 (10)K2 O+SiO2 →K2 O・SiO2 (11)K2 O+2SiO2 →K2 O・2SiO2 (12)K2 O+4SiO2 →K2 O・4SiO2 (13)K2 O+Al2 O3 +2SiO2 →K2 O・A
l2 O3 ・2SiO2 (14)K2 O+Al2 O3 +6SiO2 →K2 O・A
l2 O3 ・6SiO2 ここで飛灰を加熱処理する際の加熱温度が580℃より
低いと、前記(1)〜(14)の反応を起こさせること
が困難になる。逆に、飛灰の加熱温度が800℃より高
くなると、重金属、金属塩化物等が蒸発して二次汚染の
原因となり、排ガス処理が別途必要となるので好ましく
ない。
【0007】飛灰を加熱処理して得られる処理飛灰のp
Hが8.5より低いと、鉛等の重金属イオンの溶出量を
増加させる。また、処理飛灰のpHが11.0以上とな
ってもこの溶出量を増加させる要因となる。水洗飛灰を
加熱処理して得られる処理飛灰の場合には、その処理飛
灰のpH値が8.5より低く、また、逆に11.8以上
となると重金属の溶出濃度を増加させる要因となるので
好ましくない。
【0008】処理飛灰を浸水させたときに溶出する重金
属の溶出量(溶出濃度)は、(1)処理飛灰を水に浸漬
し攪拌して得られるpH値、及び(2)処理飛灰中の水
溶性塩化物の濃度によって決定される。 (1)Pb、Cd、Zn、Cr等の重金属成分溶出は、
このpH値との依存性が高く、pH値によりその溶出量
が決定される。 (2)飛灰中の塩化鉛等の水溶性の重金属塩化物の存在
により、重金属酸化物、水酸化物の溶解度積を増加さ
せ、重金属の溶出濃度を上げる。 飛灰のpH値は、遊離した状態にあるCaOもしくは、
Ca(OH)2 の濃度により決定され、少量存在しただ
けでもpH値は12以上のアルカリ性を示すことにな
る。例えば、pH依存性が大きく、飛灰中に多く存在す
る鉛(Pb)はこのpH値によりその溶出量が決定され
るといっても過言ではない。
【0009】本発明は、Ca(OH)2 、CaO分等の
ライム分を含む飛灰を特定の温度範囲で加熱処理するこ
とで、Ca(OH)2 の脱水反応(580℃以上)によ
り活性の高いCaOを生成させ、CaOとSiO2 等の
生成反応を促進させる。また、加熱処理によりアルカリ
金属及びアルカリ土類金属酸化物(Na2 O、K2 O、
MgO等)の活性が高くなり、SiO2 等との生成反応
が生じる。これにより遊離状態にあるアルカリ源である
CaO、Na2 O、K2 O、MgO等がSiO2 、Al
2 O3 等と反応し、捕捉固定化され、水に浸漬させたと
きのpH値を所定範囲に維持して重金属の溶出を防止す
ることができる。また、飛灰を水洗した後に、この水洗
飛灰を加熱処理することで処理飛灰からの重金属の溶出
防止をさらに効果的に図ることができる。即ち、飛灰を
水洗することで水溶性の重金属塩化物等が予め除去され
ているので、この乾燥した、あるいは少量の水分を含む
水洗飛灰を加熱処理すれば、重金属の溶出防止を更に効
率的に行うことができる。
【0010】また、飛灰が空気中の酸化雰囲気において
580℃以上という高温で加熱処理されるので、ダイオ
キシンを分解して無害化する効果も得られる。また、最
近では、排ガス中のダイオキシン吸着のため活性コーク
スや活性炭等の粉末吸着剤を吹込んでいる例があり、発
生する飛灰中にはこの活性コークスや活性炭等が含まれ
る場合がある。これら活性コークスや活性炭の発火有無
は雰囲気温度はもちろん、堆積状態、通風の状況等、周
囲の環境に大きく影響されるが、発明者らの実験によれ
ば、今回の580℃以上の加熱温度であれば短時間でも
確実に着火燃焼することが確認されている。通常、この
粉末吸着剤は飛灰の量に対して3%程度の量が吹込まれ
るのでこれらが全量発火しCO2 になったと仮定した
ら、飛灰としてはおよそ100℃程度の昇温となる。
(着熱効率を上記実験結果より仮定した。)従ってこの
分加熱用の熱量の低減が図れる。また、当然この粉末吸
着剤には多量のダイオキシンが吸着捕捉されているが、
飛灰の加熱と共にこれらのダイオキシンも同様に分解
し、無害化される。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の第1の実施の形態に
係る溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法を適用する飛灰処
理装置10の説明図であり、飛灰処理装置10は窒素ガ
ス13を入れる状態もしくは窒素ガス中で飛灰11を加
熱処理して処理飛灰14を得るための高温処理炉15を
有している。本発明の第1の実施の形態に係る溶融飛灰
又は焼却飛灰の処理方法について以下、説明する。飛灰
11を窒素ガス13を使用しないで、もしくは窒素ガス
を使用して高温処理炉15に送入して、所定の加熱温度
580〜800℃で所定の加熱時間例えば15〜240
分間加熱して処理飛灰14を得ることができる。
【0012】この加熱時間は、間接加熱、直接加熱等の
加熱方式、加熱装置の構造、及び加熱能力等により種々
変化する。要するに処理対象とする飛灰の全てをいかに
して所定の温度範囲内に昇温させるかで設定される。例
えば、加熱処理中に飛灰を攪拌することにより加熱処理
時間を短縮することができる。
【0013】また、最近では排ガス中の酸性ガスを除去
するために、溶融炉又は焼却炉からの排ガスに消石灰を
吹込んでいるので、発生する飛灰はアルカリ性となる場
合が殆どであるが、旧式の焼却炉等では消石灰の吹込み
を実施していない場合もあるため、飛灰は酸性もしくは
中性の飛灰となっている。このpH値が約6〜8程度の
酸性もしくは8.5未満の中性飛灰では、これらを水に
浸漬させた場合の重金属の溶出濃度が大きくなる。従っ
て、飛灰11のpH値がこのように低い場合には、アル
カリ源、例えばCa(OH)2 を飛灰11に対して5〜
10wt%程度を混合して、一旦、pH値が11.0以
上のアルカリ側に移行させた後、同様に加熱処理するこ
とで処理飛灰のpH値を8.5〜11.0の範囲に低下
させ、重金属の溶出防止を図ることができる。更に、処
理の対象とする飛灰11を予め水洗した場合のpH値が
6〜8程度のときにも、同様にアルカリ源を飛灰11と
混合させ、一旦、pH値が12.0以上のアルカリ側に
移行させた後、加熱処理することでpH値を8.5〜1
1.8の範囲に低下させることにより重金属の溶出を効
果的に防止できる。以下、これらの実施例1〜3につい
て表を引用しながら具体的に説明する。
【0014】(実施例1)表2は、表1に示す組成の飛
灰11を300℃、400℃、500℃、600℃、7
00℃の加熱温度でそれぞれ15分間加熱処理して得ら
れる処理飛灰のpH値と重金属溶出濃度との関係を示し
ている。また、図2には、これらの関係をグラフに示し
た。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表2及び図2に示されるように、加熱温度
が600℃付近になるとpH値が急激に減少し、重金属
(Pb、Zn、Cd)の溶出濃度も同様に急激に低下し
ていることが分かる。これは前述のように、Ca(O
H)2 の脱水反応温度の580℃を超えた時点でフリー
CaO分がSiO2 等との生成反応を促進したためであ
る。ここで、飛灰の成分変動が大きいことや加熱処理時
のムラ焼等を考慮すると加熱処理温度は好ましくは60
0℃以上とするのがよい。
【0018】(実施例2)表3に示す実施例2は、前記
実施例1と同じく表1に示す組成の飛灰11を用いた別
の実験例であって、加熱温度を600℃とし、処理時間
を15分、40分、60分とそれぞれ変化させ、このよ
うに加熱処理して得られる処理飛灰のpH値と鉛溶出濃
度との関係を示している。
【0019】
【表3】
【0020】この場合の飛灰11のpH値は12.4
1、鉛溶出濃度は359ppmであったものが、処理飛
灰のpH値を10.47〜10.67に低下させると共
に、鉛溶出濃度を環境基準(埋立処分場にて0.3pp
m以下)を満足する0.1〜0.17ppmに抑制する
ことができるのが分かる。また、加熱時間を長くしても
pH値と溶出値とが安定していることが分かる。
【0021】(実施例3)次に、例えば旧式の焼却炉の
排ガス中に消石灰を吹き込まない場合に発生する酸性飛
灰の成分の一例を表4に示す。表5の(1)に示すよう
に加熱処理していない場合の飛灰のpH値は6.23と
低くなって、鉛の溶出濃度は31ppmと環境基準を大
きく上回っている。一方、表5の(2)に示すように飛
灰にCa(OH)2 を5wt%添加した場合のpH値は
12.53でありPb溶出濃度も122ppmと高い。
しかし表5の(3)に示すように、これを600℃、2
0分にて加熱処理すればpH値が10.68となり、P
b溶出濃度は環境基準を下回る0.15ppmとするこ
とが可能となる。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】次にダイオキシン分解についての実施例4
を示す。 (実施例4)
【0025】
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】表7は表6に示す組成の飛灰を450℃、
550℃、650℃の加熱温度でそれぞれ30分間空気
中の酸化雰囲気で加熱処理して得られた処理飛灰のダイ
オキシン濃度を示している。また、図3には、これらの
関係をグラフに示した。ところで、「ごみ処理に係るダ
イオキシン類発生防止等ガイドライン/平成9年1月発
行(以下、新ガイドラインと呼ぶ)」において、ごみ処
理施設から発生するダイオキシンの排出総量値5μg−
TEQ/ごみtonが参考値として設定され、それを実
現するための各排出物の濃度が焼却炉を前提として以下
のように試算されている。 (1)排ガス 5000Nm3 /ごみton×0.1ng−TEQ/Nm3 =0.5μg−TEQ/ごみton (2)焼却灰 150kg/ごみton×0.01ng/g−TEQ =1.5μg−TEQ/ごみton (3)飛灰 30kg/ごみton×0.1ng/g−TEQ =3.0μg−TEQ/ごみton 合計 5.0μg−TEQ/ごみton
【0028】今、表7及び図3を見ると加熱温度550
℃で上記試算値と全く同じ0.1ng/g−TEQとな
っているが、当然飛灰の組成によってはこの値は上、下
に変化し飛灰の種類により、前記の排出総量参考値を満
足できない場合も生ずる。従って550℃の加熱温度で
はダイオキシン分解に対しては不充分であり、それ以上
の温度が必要となる。図3によると加熱温度550℃を
すぎたあたりから、ダイオキシン濃度は急激に減少して
おり580℃では0.05ng/g−TEQまで低減し
ている。このように、例え、空気中の酸化雰囲気であっ
ても580℃以上に加熱すれば飛灰の種類による低減度
合の差を考慮してもダイオキシンの分解は、確実なもの
になることがわかる。前述した重金属の加熱処理を考え
合わせると、飛灰の重金属溶出防止、ダイオキシン分解
を同時に享受するためには、加熱温度としては580℃
以上が必要となる訳である。図4は本発明の第2の実施
の形態に係る溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法を適用す
る飛灰処理装置20の説明図であり、飛灰処理装置20
は飛灰21と水とを混合するための攪拌羽根を備えた混
合機22と、混合機22で洗浄処理された懸濁水を水洗
飛灰23と処理水24とに分離し、処理水24を水処理
設備25に供給するための濾過装置26と、水洗飛灰2
3を窒素ガスを含まない雰囲気中もしくは窒素ガス中で
加熱処理して処理飛灰28を得るための高温処理炉29
を有している。
【0029】続いて、本発明の第2の実施の形態に係る
溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法について説明する。ま
ず、図示しない溶融炉又は焼却炉から採取された飛灰2
1と水とを混合機22で所定時間、例えば10〜30分
間攪拌洗浄することにより飛灰21中の塩化鉛、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の水溶性塩
化物を溶出させ、これによって処理物(処理飛灰28)
を水に浸漬させた際の重金属の溶出を効果的に抑制する
ことができる。次に、この混合機22で混合された処理
液を濾過装置26で濾過し、固形分である水洗飛灰23
を高温処理炉29に送入し、窒素ガスを使用しない雰囲
気中か、もしくは窒素ガスを使用する雰囲気中、所定の
加熱温度580〜800℃で所定の時間例えば15〜2
40分間、好ましくは20〜180分間加熱して処理飛
灰28を得ることができる。なお、加熱処理における雰
囲気は、空気中の酸化雰囲気、窒素ガス中における不活
性ガス雰囲気の他に、水素ガス中等の還元雰囲気であっ
てもよい。一方、濾過装置26から分離排出される処理
水24は水処理設備25において適正な処理をした後、
系外に排出するようになっている。
【0030】このように、第2の実施の形態に係る溶融
飛灰又は焼却飛灰の処理方法は、予め水洗処理され、水
溶性の重金属塩化物等の除去された水洗飛灰23に所定
温度条件の加熱処理を行うので、この加熱処理された処
理飛灰28を水等に浸漬させた際の重金属の溶出を更に
効果的に抑制できる。この実施例5について説明する。
【0031】(実施例5)表8の実施例5は、前記実施
例1と同じく表1に示す組成の飛灰21を予め水洗、脱
水して、これを水洗飛灰23とした後、前記実施例2と
同じ加熱温度である600℃として設定し、加熱時間を
15分、40分間としてそれぞれ変化させて得られる処
理飛灰28のデータを示している。この場合の水洗飛灰
23のpH値が12.53、鉛溶出濃度が47.7pp
mであったものが、処理飛灰28のpH値を11.52
〜11.65に低下させると共に、鉛溶出濃度を環境基
準を満足する0.1〜0.18ppmに抑制できること
が分かる。
【0032】
【表8】
【0033】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態おいては、アルカリ
源として消石灰を添加して、飛灰のpH値を調整する方
法について述べたが、消石灰以外の例えばCaO等を用
いることも可能である。
【0034】
【発明の効果】請求項1〜4記載の溶融飛灰又は焼却飛
灰の処理方法においては、特定pH値となる飛灰を所定
温度に加熱処理して、処理飛灰のpH値を所定範囲にす
ることにより、飛灰中に遊離しているアルカリ源である
CaO、Na2 O、K2 O、MgO等をSiO2 、Al
2 O3 等と反応させて安定化させる。これによって、水
に浸漬させた時のpH値の増加を抑制でき、処理飛灰に
含まれる重金属の溶出が防止される。飛灰に薬剤、セメ
ントを添加して重金属の溶出を防止する方法、及び飛灰
から酸液により重金属を抽出させる方法では、いずれも
コスト的に高価となり処理後の容積が大きくなるが、本
法では安価にかつ、処理容積を増やすことなく処理飛灰
中に含まれる重金属の溶出を防止できる。特に、請求項
3及び4記載の溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法におい
ては、飛灰は予め水洗されるので、水溶性の重金属塩化
物等が除去され、さらに効果的に重金属の溶出防止が図
られる。一方、重金属溶出防止処理における飛灰の58
0℃以上の加熱により例え、空気中の酸化雰囲気下であ
っても、ダイオキシンは、「新ガイドライン」に示され
た排出総量参考値のうちの飛灰濃度0.1ng/g−T
EQを大幅に下回るレベルまで確実に低減されるため、
酸素欠乏状態(還元雰囲気)にするための特別な構造、
装置も不要で、装置は安価となる。また、不活性ガス等
の費用も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る溶融飛灰又は
焼却飛灰の処理方法の説明図である。
【図2】表1に示す組成の飛灰を300℃、400℃、
500℃、600℃、700℃の加熱温度でそれぞれ1
5分間加熱処理して得られる処理飛灰pH値と鉛溶出濃
度と加熱温度との関係をグラフにしたものである。
【図3】表6に示す組成の飛灰を450℃、550℃、
650℃の加熱温度でそれぞれ30分間、空気中の酸化
雰囲気で加熱処理して得られた処理飛灰のダイオキシン
濃度と加熱温度との関係をグラフにしたものである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る飛灰の溶融飛
灰又は焼却飛灰の処理方法を適用する飛灰処理装置の説
明図である。
【符号の説明】
10 飛灰処理装置 11 飛灰 13 窒素ガス 14 処理飛灰 15 高温処理炉 20 飛灰処理
装置 21 飛灰 22 混合機 23 水洗飛灰 24 処理水 25 水処理設備 26 濾過装置 28 処理飛灰 29 高温処理
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小佐野 秀実 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 エンジニアリング 事業本部内 (72)発明者 長田 守弘 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 エンジニアリング 事業本部内 (72)発明者 有光 功 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 エンジニアリング 事業本部内 (56)参考文献 特開 昭57−50586(JP,A) 特開 平5−137812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 A62D 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の溶融炉
    から発生する溶融飛灰、又は焼却炉から発生する焼却飛
    灰の処理方法であって、 予め処理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰のpH
    を測定し、該測定値が11.0以上の場合、前記溶融飛
    灰又は焼却飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理
    飛灰のpHを8.5以上11.0未満にし、該処理飛灰
    中の重金属の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含
    まれるダイオキシンも同時に分解することを特徴とする
    溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の溶融炉
    から発生する溶融飛灰、又は焼却炉から発生する焼却飛
    灰の処理方法であって、 予め処理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰のpH
    を測定し、該測定値が8.5未満の中性又は酸性の場
    合、予めアルカリ源を加え、前記溶融飛灰又は焼却飛灰
    のpHを一旦11.0以上にした後、次に前記溶融飛灰
    又は焼却飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理飛
    灰のpHを8.5以上11.0未満にし、該処理飛灰中
    の重金属の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含ま
    れるダイオキシンも同時に分解することを特徴とする溶
    融飛灰又は焼却飛灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の溶融炉
    から発生する溶融飛灰又は焼却炉から発生する焼却飛灰
    の処理方法であって、 予め処理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰を水洗
    の後、水洗飛灰のpHを測定し、該測定値が12.0以
    上の場合、前記水洗飛灰を580〜800℃に加熱処理
    し、処理飛灰のpHを8.5以上11.8未満にし、該
    処理飛灰中の重金属の溶出を防止すると共に、該処理飛
    灰中に含まれるダイオキシンも同時に分解することを特
    徴とする溶融飛灰又は焼却飛灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の溶融炉
    から発生する溶融飛灰又は焼却炉から発生する焼却飛灰
    の処理方法であって、 予め処理の対象とする前記溶融飛灰又は焼却飛灰を水洗
    の後、水洗飛灰のpHを測定し、該測定値が8.5未満
    の中性又は酸性の場合、予めアルカリ源を加え、前記水
    洗飛灰のpHを一旦12.0以上にした後、次に前記水
    洗飛灰を580〜800℃に加熱処理し、処理飛灰のp
    Hを8.5以上11.8未満にし、該処理飛灰中の重金
    属の溶出を防止すると共に、該処理飛灰中に含まれるダ
    イオキシンも同時に分解することを特徴とする溶融飛灰
    又は焼却飛灰の処理方法。
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