JP3009607B2 - 焼却灰や飛灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収方法 - Google Patents

焼却灰や飛灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収方法

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JP3009607B2 JP17772795A JP17772795A JP3009607B2 JP 3009607 B2 JP3009607 B2 JP 3009607B2 JP 17772795 A JP17772795 A JP 17772795A JP 17772795 A JP17772795 A JP 17772795A JP 3009607 B2 JP3009607 B2 JP 3009607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの焼却により生じる焼却灰や飛灰を減容化、安
定化のために溶融するに際して生じる排ガスに含まれて
いる重金属類を、鉱酸等を用いるまでもなく溶解し、リ
サイクルし易いように分別回収することを可能ならしめ
るようにした焼却灰や飛灰の溶融に際して生じる排ガス
からの重金属類の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、都市ごみや産業廃棄物等
は都市ごみ焼却場に集積されて焼却処理されているが、
焼却で発生する焼却灰や飛灰は最終処分場に堆積されて
いた。ところが、近年、堆積場確保の困難性や焼却灰や
飛灰に含まれている水銀、銅、鉛、クロム、カドミウム
等の重金属類やダイオキシン類等の有害物質が流出する
という環境汚染問題が重要視されるようになり、焼却灰
や飛灰を溶融炉や高温加熱炉で溶融し、スラグ化するこ
とにより減容化、安定化処理されるようになってきてい
る。しかしながら、溶融炉や高温加熱炉により焼却灰や
飛灰を溶融処理するに際しても、溶融炉や高温加熱炉か
ら上記のような種々の重金属類を含む飛灰を含む排ガス
が発生するので、この排ガス中に含まれている重金属類
を確実に、かつリサイクルし得るように分別回収するこ
とが、環境汚染防止や重金属類の有効活用にとって好ま
しい。
【0003】重金属類を含む排ガスを処理するものとし
ては、例えば特公昭61−16494号公報に開示され
てなる「重金属含有排ガスの洗浄処理法」が知られてい
る。以下、この「重金属含有排ガスの洗浄処理法」の概
要を説明すると、重金属を含有する酸性燃焼排ガスを水
酸化マグネシウムおよび/または軽焼マグネシアを吸収
剤とする洗浄水で洗浄する。洗浄により生じた洗浄廃水
に第一鉄イオンを加え、アルカリでpHを6〜7に調整
した後に、さらに硫黄イオン源を加えてアルカリでpH
を7〜8に調整する。このpH調整により生じた不溶性
沈澱物を除去することにより、重金属を除去するもので
ある。
【0004】また、特開平6−170354号公報に
は、「焼却炉や溶融炉からの飛灰の処理方法」が開示さ
れている。これは、焼却炉や溶融炉から発生するナトリ
ウムおよびカリウム、並びに亜鉛、銅および鉛等の重金
属を含む飛灰をそのまままたは鉱酸を添加してpH3以
下で溶解することにより鉛以外の重金属を溶出させる。
さらに、鉛を含む残渣を濾別する第一工程において得ら
れた濾液に中和剤を添加して、pH7以上に中和して亜
鉛を主とする重金属の水酸化物を生成させる。そして、
必要に応じて亜鉛を主とする重金属の水酸化物を濾別し
た濾液に硫化剤を添加して残りの重金属を硫化物として
沈澱させ、これを濾別することにより重金属を除去する
ものである。
【0005】また、特開平6−170354号公報に
は、上記第一工程で得られた濾液に、過酸化水素水、次
亜塩酸ナトリウムおよび塩素ガスから選定した酸化剤を
添加し、濾液中に溶解している鉄を酸化した後中和剤を
添加することにより濾液をpH3〜5の範囲に中和して
鉄の水酸化物を生成させる。そして、この濾液を濾別す
る第二工程で得られた濾液に中和剤を添加してpH7以
上に中和し、亜鉛を主とする重金属の水酸化物を生成さ
せる。そして、必要に応じて亜鉛を主とする重金属の水
酸化物を濾別した濾液に硫化剤を添加して残りの重金属
を硫化物として沈澱させ、これを濾別することにより重
金属を除去する方法も開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例に係る「重
金属含有排ガスの洗浄処理法」や「焼却炉や溶融炉から
の飛灰の処理方法」は重金属類除去という観点からすれ
ば、環境汚染防止上それなりに有用であるが、これらに
はそれぞれ下記の如き解決すべき課題がある。先ず、前
者の「重金属含有排ガスの洗浄処理法」では、資源のリ
サイクルという観点からすると、回収物の中に多種の重
金属が含まれているので、リサイクルのためにはさらな
る選別が必要であるから好ましくない。
【0007】また、後者の「焼却炉や溶融炉からの飛灰
の処理方法」では、回収した飛灰に鉱酸等の溶解酸を添
加して溶解させるため、薬品代が必要で、飛灰の処理コ
ストが嵩み経済的に不利になる。勿論、鉱酸等の溶解酸
を添加せずにそのまま溶解させても良いとしているが、
鉱酸等の溶解酸を添加しない場合には飛灰の溶解率が低
く、鉛の回収が不充分になる結果、残渣の有害性をなく
することができない。
【0008】従って、本発明の目的とするところは、飛
灰を溶解させる鉱酸等の溶解用酸を添加することなく飛
灰中に含まれている重金属類を確実に捕集すると共に、
リサイクルし易いように、ある特定の重金属の含有量が
多い状態で分別回収することを可能ならしめる焼却灰や
飛灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収
方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記実情に鑑
みてなされたものであって、従って上記課題を解決する
ために、本発明の請求項1に係る焼却灰や飛灰の溶融に
際して生じる排ガスからの重金属類の回収方法の要旨
は、溶融炉または高温加熱炉で焼却灰や飛灰等を溶融処
理するに際して発生する排ガスから重金属類を回収する
飛灰からの重金属類の回収方法において、前記排ガスを
湿式スクラバーにより洗浄し、洗浄後の排ガスを排ガス
処理装置に導入して処理する一方、洗浄により生じる洗
浄排水に水硫化ソーダまたは硫化ソーダ等の硫化物およ
び苛性ソーダ等のアルカリ剤を添加してpHを0.4未
満に調整し、このpH調整液から分離した分離物を濾過
すると共に、濾過水に順次前記硫化物とアルカリ剤とを
供給してpHを調整し、pH調整の都度分離する分離物
を濾過することによりそれぞれ特定の重金属類を多く含
む分離物を回収することを特徴とする。
【0010】また、本発明の請求項2に係る焼却灰や飛
灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収方
法の要旨は、溶融炉または高温加熱炉で焼却灰や飛灰等
を溶融処理するに際して発生する排ガスから重金属類を
回収する飛灰からの重金属類の回収方法において、前記
排ガスを湿式スクラバーにより洗浄し、洗浄後の排ガス
を順次次段の湿式スクラバーにより洗浄し、最終段の湿
式スクラバーによる洗浄後の排ガスを排ガス処理装置に
導入して処理する一方、第一段の湿式スクラバーにおけ
る洗浄により生じる洗浄排水に水硫化ソーダまたは硫化
ソーダ等の硫化物および苛性ソーダ等のアルカリ剤を添
加してpHを0.4未満に調整し、このpH調整液から
分離した分離物を濾過すると共に、濾過水を次段の湿式
スクラバーに送り、この濾過水と次段の湿式スクラバー
による洗浄により生じる洗浄排水とに前記硫化物および
アルカリ剤を添加して、pHを予め設定した値に調整
し、これらpH調整液から分離した分離物を濾過すると
いうように、次段以降の湿式スクラバーにおける濾過水
と洗浄排水に対しても前記次段の湿式スクラバーにおけ
る濾過水と洗浄排水と同様の処理を行うことによりそれ
ぞれ特定の重金属類を多く含む分離物を回収することを
特徴とする。
【0011】また、本発明の請求項3に係る焼却灰や飛
灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収方
法の要旨は、請求項1または2に記載の焼却灰や飛灰の
溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回収方法に
おいて、溶融または高温加熱処理により発生する塩化物
の発生量が少ないときには、塩化物の発生量に応じて予
め前記焼却灰や飛灰等に塩素含有物を混入して溶融また
は高温加熱処理することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】焼却灰や飛灰に含まれている塩化
物に着目し、塩化物を含む焼却灰や飛灰の溶融により生
じる塩化物を洗浄水に溶解させれば塩酸になるので、焼
却灰や飛灰の溶融するに際して生じる排ガス中の飛灰や
揮散重金属塩類等を溶解することができ、鉱酸等の溶解
酸を用いる必要がなくなるので、重金属類の回収コスト
を低減することができる。また、洗浄水による急冷によ
り、排ガス中にガス化している揮散重金属塩類を洗浄水
により確実に捕捉することができる。特に、洗浄排水の
pHを0.4未満にすると銅硫化物の捕集分離効果が向
上し、さらに洗浄排水に硫化物を添加すると鉛、亜鉛等
の重金属類の捕集分離効果も向上する。従って、飛灰を
溶解させる鉱酸等の溶解用酸を特に添加するまでもなく
排ガス中に含まれている重金属類を確実に捕集すると共
に、リサイクルし易いように、ある特定の重金属の含有
量が多い状態で回収することが可能になると考え、溶融
炉または高温加熱炉で焼却灰や飛灰等を溶融処理するに
際して発生する排ガスから重金属類を回収する飛灰から
の重金属類の回収方法において、前記排ガスを湿式スク
ラバーにより洗浄し、洗浄後の排ガスを排ガス処理装置
に導入して処理する一方、洗浄により生じる洗浄排水に
水硫化ソーダまたは硫化ソーダ等の硫化物および苛性ソ
ーダ等のアルカリ剤を添加してpHを0.4未満に調整
し、このpH調整液から分離した分離物を濾過すると共
に、濾過水に順次前記硫化物とアルカリ剤とを供給して
pHを調整し、pH調整の都度分離する分離物を濾過す
ることによりそれぞれ特定の重金属類を多く含む分離物
を回収するようにしたものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例1に係る飛灰からの重
金属類の回収方法を実現する重金属類の回収装置を示す
系統図の図1を参照しながら説明すると、図に示す符号
1は図示しないごみ焼却炉から発生した焼却灰aや飛灰
bを溶融するための溶融炉または高温加熱炉(以下、溶
融炉という。)である。焼却灰aや飛灰bの溶融に際し
てこの溶融炉1から排出された排ガスは、先ず洗浄水
と、硫化物である水硫化ソーダ(NaHS)または硫化
ソーダ(Na2 S)およびアルカリ剤である苛性ソーダ
(NaOH)が供給される湿式スクラバー2に送り込ま
れる。
【0014】ところで、図1には、溶融炉1に焼却灰a
と飛灰bの他に塩素含有物である塩素含有廃棄物cも投
入することが示されている。このように、溶融炉1に塩
素含有廃棄物cを投入するのは、これら焼却灰aや飛灰
bに含まれている塩素成分が少ない場合に限られる。つ
まり、塩素成分を多く含むごみの焼却により得られた焼
却灰aや飛灰bを溶融処理する場合には、溶融炉1から
排出される排ガス中には飛灰や揮散重金属類を溶解する
のに充分な量の塩素成分が含まれており、これが洗浄水
による洗浄により溶解し、洗浄排水中に塩酸(HCl)
として介在するため、塩素含有廃棄物cを投入する必要
がないものである。
【0015】湿式スクラバー2に送り込まれた排ガスは
洗浄水で洗浄されて急冷されると共に、この洗浄により
生じる洗浄排水には、そのpH調整のために、NaHS
またはNa2 SおよびNaOHが供給され、洗浄排水の
pHは0.4未満に調整される。洗浄により飛灰や揮散
重金属が除去された排ガスは排ガス処理装置8に送り込
まれ、ここにおいて排ガス中の未除去物質であるNOX
や、極く微量の除去残物質であるHCL、重金属類、ダ
イオキシン類等が除去され、誘引送風機9で吸引される
と共に、煙突10から大気中に放出される。
【0016】ところで、湿式スクラバー2にNaHSま
たはNa2 Sを投入するのは、洗浄排水中に多量に含ま
れている塩酸により溶解しているCu等の重金属類を硫
化物(CuS,PbS,ZnS)として効果的に回収す
るためである。また、このようにCu等の重金属類を硫
化物にするのは、Cu等の重金属類を効果的に回収する
という狙い以外に、ダイオキシン類の生成率が高くなる
(固体化した銅がダイオキシン類生成のための触媒にな
るといわれている。)恐れがあるので、Cu等の重金属
類の活性を低減してダイオキシン類の生成率を抑制する
という狙いもある。因みに、湿式スクラバー2の入口と
出口とにおける排ガス中のダイオキシン類のO2 12%
換算値と毒性等価換算値とを示すと表1の通りである。
【0017】
【表1】 上記表1によれば、湿式スクラバー2の出口における排
ガス中のダイオキシン類の濃度はガイドライン0.5m
g/m3 N(毒性等価換算値)の1/2になっており、
ダイオキシン類の削減にとって極めて効果的である。ま
た、湿式スクラバー2から排出された洗浄排水中に溶解
している重金属類の種類とその濃度(mg/リットル)
は、表2に示すとおりである。
【0018】
【表2】
【0019】湿式スクラバー2から排出されると共に、
一次沈澱槽3に流入した洗浄排水中には、さらにNaH
SまたはNa2 SおよびNaOHが供給され、重金属類
のうち特にCu成分が多く分離するように、pHが0.
4未満になるように最終調整されると共に、凝集剤が添
加される。さすれば、洗浄排水から分離した重金属塩類
は複数の凝集物となり、洗浄排水はスラリー状になる。
なお、Cu成分を特に多く分離させる洗浄排水のpHは
好ましくは0.1〜0.3である。
【0020】次いで、複数の凝集物を含むスラリー状の
洗浄排水は一次濾過槽4に送られ、この一次濾過槽4に
より凝集物が濾過される。濾過物は、水洗浄された後乾
燥され、Cu成分を多く含む一次回収物として回収され
る。なお、洗浄排水のpHは、一次沈澱槽3に設けられ
たpH計3aによって測定される。また、NaHSまた
はNa2 SおよびNaOHは、上記のとおり、一次沈澱
槽3においても供給するようにしているが、これは洗浄
排水のpHを微調整するためである。
【0021】一次濾過槽4で濾過された一次濾過水は、
二次沈澱槽5に送られ、そしてこの二次沈澱槽5中の一
次濾過水に、さらにNaHSまたはNa2 SおよびNa
OHが供給され、重金属類のうち、特にPb成分とZn
成分とが多く分離するように、一次濾過水のpHが0.
4以上になるように調整されると共に、凝集剤が添加さ
れる。
【0022】すると、上記実施例1と同様に、さらに分
離した他の重金属塩類は複数の凝集物となり、洗浄排水
はスラリー状になるので、このスラリー状の洗浄排水が
二次濾過槽6に供給されて濾過される。濾過物は、水洗
浄された後乾燥され、二次回収物として回収される。一
方、二次濾過水は排水処理装置7に送られ、所定処理後
に放水される。なお、この洗浄排水のpHは、二次沈澱
槽5に設けられたpH計5aによって測定される。
【0023】以上のようにして回収した一次回収物と、
二次回収物との重金属類等の含有割合(%)は表3に示
すとおりである。
【0024】
【表3】
【0025】上記表2によれば、一次回収物中には5
3.7%のCu成分が含まれており、また二次回収物中
には50.0%もの(Pb+Zn)成分(Pb;16.
0%,Zn;34.0%)が含まれている。従って、一
次回収物はCuの精錬原料として使用することができ、
また二次回収物は(Pb+Zn)の精錬原料として使用
することができるので、ただ単なる重金属類の除去と異
なり、資源の有効活用に大いに貢献することができる。
しかも、ごみ自身に含まれている塩素分を塩酸にし、こ
れにより飛灰を溶解するため、鉱酸等の溶解酸を用いる
従来例2に比較して、重金属類をより安価に回収するこ
とができる。
【0026】次に、本発明の実施例2に係る飛灰からの
重金属類の回収方法を実現する重金属類の回収装置を示
す系統図の図2を参照しながら説明すると、同図に示す
符号21は焼却炉から発生した焼却灰aや飛灰bを溶融
する溶融炉である。この溶融炉21から排出された排ガ
スは、先ず洗浄水と、NaHSまたはNa2 SおよびN
aOHが供給される第1段の湿式スクラバー22に送り
込まれる。この実施例の場合も上記実施例1と同様に、
溶融炉21には焼却灰aや飛灰bの他に、必要に応じて
塩素含有廃棄物cが投入される。
【0027】第1段の湿式スクラバー22に送り込まれ
た排ガスは一次洗浄水で洗浄されると共に、この洗浄に
より生じる一次洗浄排水には、そのpHが0.4未満に
なるように、NaHSまたはNa2 SおよびNaOHが
供給される。一方、一次洗浄によりダストや揮散重金属
塩類が除去された一次洗浄排ガスは、第2段の湿式スク
ラバー25に送り込まれる。
【0028】そして、洗浄水により洗浄された二次洗浄
排ガスは排ガス処理装置29に送り込まれ、ここにおい
て排ガス中の未除去物質であるNOX や、極く微量の除
去残物質であるHCL、重金属類、ダイオキシン類等が
除去され、誘引送風機30で吸引されると共に、煙突3
1から大気中に放出される。なお、第1段の湿式スクラ
バー22に供給するNaHSまたはNa2 SおよびNa
OHの量は後述する一次沈澱槽23に設けられているp
H計23aの測定値によって決定される。
【0029】このようにして、0.4未満になるように
pH調整された一次洗浄排水からは、特にCu成分の多
い重金属類が硫化物として分離し、一次沈澱槽23に流
入する。一次沈澱槽23に流入した一次洗浄排水に凝集
剤が添加され、硫化物として分離した重金属塩類は複数
の凝集物となり、一次洗浄排水はスラリー状になる。次
いで、複数の凝集物を含むスラリー状の一次洗浄排水は
一次濾過槽24に送られ、この一次濾過槽24により凝
集物が濾過される。濾過物は、水洗浄された後乾燥さ
れ、Cu成分を多く含む一次回収物として回収される。
【0030】一次濾過槽24で濾過された一次濾過水
は、前記第2段の湿式スクラバー25に送られ、第1段
の湿式スクラバー22から流入する一次洗浄排ガスの二
次洗浄水により二次洗浄排水と混合される。そしてもこ
の混合排水に、さらにNaHSまたはNa2 SおよびN
aOHが供給され、重金属類のうち特にPb成分とZn
成分とが多く分離するように、混合排水のpHが0.4
以上になるように調整されると共に、二次沈澱槽26に
送られる。第2段の湿式スクラバー25に供給するNa
HSまたはNa2 SおよびNaOHの量は前記二次沈澱
槽26に設けられているpH計26aの測定値によって
決定される。
【0031】そして、この二次沈澱槽26中の混合排水
に凝集剤が添加されると、上記実施例とと同様に、さら
に分離した他の重金属塩類は複数の凝集物となり、混合
排水はスラリー状になる。このスラリー状の混合排水が
二次濾過槽27に送られて濾過される。濾過物は、水洗
浄された後乾燥され、(Pb+Zn)成分を多く含む二
次回収物として回収される。一方、二次濾過水は排水処
理装置28に送られ、所定処理後に放水される。
【0032】このようにCu成分を多く含む一次回収物
と、Pb成分とZn成分とを多く含む二次回収物とを得
ることができるので、本実施例は上記実施例と同効であ
る。但し、本実施例によれば、第1段の湿式スクラバー
22と第2段の湿式スクラバー25との2段構えで、第
1段の湿式スクラバー22を酸スクラバーとし、第2段
の湿式スクラバー25を中性スクラバー(アルカリスク
ラバー)にすることができるので、排ガス中の重金属類
をより確実に捕捉、処理し得るという優れた効果があ
る。
【0033】なお、3段構え以上の湿式スクラバー構成
にすることも可能である。2段構えの湿式スクラバー構
成で実用上の支障はなく、これにより、HClや重金属
類を充分除去することができる。
【0034】また、濾過水を一次濾過槽と二次濾過槽の
間で循環させ、その一部を抜き出して2段目の湿式スク
ラバーに送り込み、この実施例2と同様の処理をするこ
ともできる。この方法によると、未反応硫黄分を有効活
用することができ、NaHSまたはNa2 Sの供給量を
抑制することができるので、より一層の重金属類回収コ
ストの低減に寄与することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
乃至3に係る焼却灰や費這うの溶融に際して生じる排ガ
スからの重金属類の回収方法によれば、ごみの焼却によ
り生じる溶融処理すべき焼却灰や飛灰に含まれている塩
素分を活用して排ガス中から飛灰や揮散重金属類を捕
捉、かつ溶解すると共に、洗浄排水中から重金属類をあ
る特定の重金属を多く含む硫化物として分離させて回収
するので、従来例1のように回収物中に多くの重金属類
が無分別に含まれていることがないから、回収物を精錬
原料として用いることができ、回収した重金属のリサイ
クルを容易に行うことができる。
【0036】また、従来例2のように、飛灰等を溶解す
るのに鉱酸等の薬剤を用いる必要がないから、重金属類
を低コストで回収することができると共に、上記のとお
り塩素分を活用して飛灰や重金属類を溶解させるので、
重金属類をより確実に分離させて回収することができる
という多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る飛灰からの重金属類の
回収方法を実現する重金属類の回収装置を示す系統図で
ある。
【図2】本発明の実施例2に係る飛灰からの重金属類の
回収方法を実現する重金属類の回収装置を示す系統図で
ある。
【符号の説明】
1…溶融炉 2…湿式スクラバー 3…一次沈澱槽,3a…pH計 4…一次濾過槽 5…二次沈澱槽,5a…pH計 6…二次濾過槽 7…排水処理装置 8…排ガス処理装置 9…誘引送風機 10…煙突 21…溶融炉 22…第1段の湿式スクラバー 23…一次沈澱槽,23a…pH計 24…一次濾過槽 25…第2段の湿式スクラバー 26…二次沈澱槽,26a…pH計 27…二次濾過槽 28…排水処理装置 29…排ガス処理装置 30…誘引送風機 31…煙突 a…焼却灰 b…飛灰 c…塩素含有廃棄物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炉または高温加熱炉で焼却灰や飛灰
    等を溶融処理するに際して発生する排ガスから重金属類
    を回収する飛灰からの重金属類の回収方法において、前
    記排ガスを湿式スクラバーにより洗浄し、洗浄後の排ガ
    スを排ガス処理装置に導入して処理する一方、洗浄によ
    り生じる洗浄排水に水硫化ソーダまたは硫化ソーダ等の
    硫化物および苛性ソーダ等のアルカリ剤を添加してpH
    を0.4未満に調整し、このpH調整液から分離した分
    離物を濾過すると共に、濾過水に順次前記硫化物とアル
    カリ剤とを供給してpHを調整し、pH調整の都度分離
    する分離物を濾過することによりそれぞれ特定の重金属
    類を多く含む分離物を回収することを特徴とする焼却灰
    や飛灰の溶融に際して生じる排ガスからの重金属類の回
    収方法。
  2. 【請求項2】 溶融炉または高温加熱炉で焼却灰や飛灰
    等を溶融処理するに際して発生する排ガスから重金属類
    を回収する飛灰からの重金属類の回収方法において、前
    記排ガスを湿式スクラバーにより洗浄し、洗浄後の排ガ
    スを順次次段の湿式スクラバーにより洗浄し、最終段の
    湿式スクラバーによる洗浄後の排ガスを排ガス処理装置
    に導入して処理する一方、第一段の湿式スクラバーにお
    ける洗浄により生じる洗浄排水に水硫化ソーダまたは硫
    化ソーダ等の硫化物および苛性ソーダ等のアルカリ剤を
    添加してpHを0.4未満に調整し、このpH調整液か
    ら分離した分離物を濾過すると共に、濾過水を次段の湿
    式スクラバーに送り、この濾過水と次段の湿式スクラバ
    ーによる洗浄により生じる洗浄排水とに前記硫化物およ
    びアルカリ剤を添加して、pHを予め設定した値に調整
    し、これらpH調整液から分離した分離物を濾過すると
    いうように、次段以降の湿式スクラバーにおける濾過水
    と洗浄排水に対しても前記次段の湿式スクラバーにおけ
    る濾過水と洗浄排水と同様の処理を行うことによりそれ
    ぞれ特定の重金属類を多く含む分離物を回収することを
    特徴とする焼却灰や飛灰の溶融に際して生じるハイガス
    からの重金属類の回収方法。
  3. 【請求項3】 溶融または高温加熱処理により発生する
    塩化物の発生量が少ないときには、塩化物の発生量に応
    じて予め前記焼却灰や飛灰等に塩素含有物を混入して溶
    融または高温加熱処理することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の焼却灰や飛灰の溶融に際して生じる排ガ
    スからの重金属類の回収方法。
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