JP2005213527A - 亜鉛水酸化物の脱塩素方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄物を熱処理する工程において発生するガス又は溶融飛灰から、山元還元の原料として使用できる程度に塩素含有量を低減させた亜鉛水酸化物を得るための方法の提供
【解決手段】亜鉛を含有する溶融飛灰又は廃棄物を熱処理炉で処理した際に発生する亜鉛含有ガスから亜鉛を亜鉛水酸化物として回収する亜鉛回収方法であって、(a)該溶融飛灰又は亜鉛含有ガスを酸処理することによって亜鉛含有溶液を得る工程、(b)該亜鉛含有溶液にアルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程及び(c)該沈殿物を水洗処理して沈殿物中の塩素を除去する工程を含む亜鉛回収方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、都市ゴミや産業廃棄物を熱処理した際に発生するガス又は飛灰を洗浄して得られる重金属を含有する洗浄液から塩素含有量の少ない亜鉛水酸化物を回収する方法に関する。
都市ゴミや産業廃棄物などは、廃棄物処理場において焼却処理又は溶融処理されて減容化され、最終的に排出される焼却残渣等の固形物は埋め立て処分場で埋め立て処分されている。また、それらの固形物の中でも、焼却又は溶融処理した際に発生する飛灰には亜鉛、鉛、カドミウムなどの重金属類が含まれていることから、飛灰は、セメント固化や薬剤処理等によって安定化処理された後に埋め立て処分されている。
しかしながら、このような処分方法は埋め立て処分場を必要とし、近年ではこのような処分場の確保が非常に困難となってきている。また、安定化処理した場合でも、超長期的には、埋め立て処分された飛灰から溶出する重金属が環境汚染の原因となるというリスクを抱えているばかりでなく、飛灰中には亜鉛等の有用な金属資源が含まれているのに、これら有用な資源が利用されないという問題もある。
そこで、従来より、飛灰から重金属を除去回収する方法が種々提案されている。
非特許文献1には、電気抵抗式灰溶融炉を用い、溶融スラグを滞留させた炉内に焼却残渣を供給して焼却残渣を溶融させ、焼却残渣に含まれるZnを還元して金属Znとして揮発させ、揮発したZnをZnOとして溶融飛灰中に濃縮する方法が記載されており、また、この溶融飛灰を水洗処理してNaCl、KClを抽出除去してZn、Pb濃縮物を得て、これを製錬原料として利用することが記載されている。
しかしながら、この方法は、焼却残渣を更に溶融炉で溶融熱処理をすることが必要であり、コストがかかるという問題がある。
特許文献1(特開平8−141539)には、焼却炉および溶融炉から発生する塩素およびナトリウムを主とする塩類と、亜鉛、銅、鉛を主とする重金属とを含む飛灰の処理方法であって、上記飛灰に水と中和剤を添加して液のpHを8.0〜11.0に調整した後、固液分離する第一工程;得られた残渣に水を加えてリパルプしてpHを3以下に調整して亜鉛・銅を主成分とする重金属分を溶出せしめた後、鉛を主成分とする重金属を含む残渣を濾別する第二工程;および上記第一工程並びに第二工程で得られた濾液に中和剤を添加し、pH7以上に中和して亜鉛を主成分とする重金属の水酸化物を生成させると共に、必要に応じてこの濾液に硫化剤を添加して残りの重金属を硫化物として沈澱させ、これらの沈澱物を濾別する第三工程からなる処理を施すことにより、飛灰に含まれている重金属を、残渣(主に鉛を含有)、水酸化澱物(主に亜鉛を含有)、硫化澱物(主に鉛、亜鉛の硫化物)として分けて分離して、それぞれ非鉄製錬原料として活用できるようにした方法が記載されている。
しかしながら、この方法によっては、重金属含有残渣中には塩素分が多く含まれており、これを非鉄製錬用の原料として使用した場合には、塩素分あるいは塩素化合物が種々の障害を引き起こすという問題がある。
特許文献2(特開平10−109077)には、飛灰に水を加え、必要に応じてアルカリを加えてpH7〜11のスラリーを調製した後、このスラリーを固液分離し、可溶性塩類が溶出した溶液と重金属が濃縮された残渣とに分け、この重金属が濃縮された残渣に水を加え、さらに硫酸を加えてpH4〜6のスラリーを調製し、このスラリーを固液分離して亜鉛を主体とする重金属を含む溶液と鉛を主体とする重金属を含む残渣とに分けることが記載されている。
特許文献3(特開昭56−69225号公報)には、亜鉛を含むダストやスラッジ中の亜鉛を塩酸酸で溶出させて、塩化亜鉛溶液たのち、この溶液から鉄、マンガン等の不純物を除去し、次いで、不純物が除かれた溶液と水酸化ナトリウム溶液とをpH7.0〜11.0、液温50℃以上の条件で反応させて亜鉛華を製造することが記載されているが、得られた亜鉛華中に塩素がどの程度含まれるかについては記載がない。
特許文献4(特公昭51−17143)には、亜鉛を含有する残渣を稀薄アルカリ溶液と接触させ、このスラリー溶液の最終pHを8.5〜12の範囲にすることによって塩素を除くことが記載されている。
上記の方法はいずれも廃棄物処理等によって発生する飛灰等を処理対象としたものである。
一方、近年では、上記した焼却処理、溶融処理に代わる廃棄物処理方法として廃棄物を還元性熱処理炉で熱処理することが行われている。このような処理方法の例としてガス化改質方式(サーモセレクト方式)によるガス化溶融プロセスが注目されている。この方法は、高温反応炉から排出されるガスを酸性水溶液によって洗浄する工程を含んでいるため飛灰は発生しないが、高温反応炉から排出されるガス中には亜鉛、鉛などの重金属類が含まれており、これが酸洗浄工程において洗浄水中に溶け込んでくるため、この洗浄水から重金属類を除去して有効利用することが必要となる。
そして、特許文献5(特開2003−1041)には、ガス化改質方式による廃棄物処理において発生する洗浄水から重金属類を回収する方法が提案されている。
この方法は、廃棄物のガス化によって生成するガスを、2≦pH≦3に調整した酸性水溶液で冷却・洗浄した後、洗浄液で洗浄し、該冷却・洗浄に用いた酸性水溶液またはさらに前記洗浄に用いた洗浄液の一部にアルカリを添加し、得られた処理液を、膜分離装置等の固液分離装置を用いて固液に分離するいうものである。
この方法は、廃棄物のガス化により生成するガス中のZn、Pbなどの有価物質を回収することを目的としたものではある。有価物質を含有する残渣を山元還元の原料とするには、該残渣中の塩素分を低下させる必要があるが、特許文献5には塩素分を低下させる手段については特に記載がない。
特開平8−141539号公報 特開平10−109077号公報 特開昭56−69225号公報 特公昭51−17143号公報 特開2003−1041号公報 NKK技報 No.170(2000.6)第8〜14頁
本発明は、都市ゴミや産業廃棄物(以下「廃棄物」ともいう)を熱処理する工程において発生する亜鉛を含有するガス又は溶融飛灰から、山元還元の原料として使用できる程度に塩素含有量を低減させた亜鉛水酸化物を得るための方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成する方法について鋭意検討を重ねた結果、廃棄物を熱処理する工程において発生する亜鉛を含有するガス又は溶融飛灰を酸処理し、次いでアルカリ処理することによって得られた亜鉛水酸化物沈殿物を水洗することにより沈殿物から塩素を除去することができることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は次に記載する通りのものである。
(1)亜鉛を含有する溶融飛灰又は廃棄物を熱処理炉で処理した際に発生する亜鉛含有ガスから亜鉛を亜鉛水酸化物として回収する亜鉛回収方法であって、(a)該溶融飛灰又は亜鉛含有ガスを酸処理することによって亜鉛含有溶液を得る工程、(b)該亜鉛含有溶液にアルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程及び(c)該沈殿物を水洗処理して沈殿物中の塩素を除去する工程を含むことを特徴とする亜鉛回収方法。
(2)前記アルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程がPH=8〜12で行われる上記(1)の亜鉛回収方法。
(3)前記塩素を除去する工程が、脱水した亜鉛水酸化物の沈殿物を水洗用の水と共に攪拌槽に入れて該沈殿物を水洗する工程である上記(2)又は(3)の亜鉛回収方法。
(4)前記塩素を除去する工程に供給される亜鉛水酸化物沈殿物の水分含有率が70%以上である上記(3)の亜鉛回収方法。
(5)前記攪拌槽には粉砕機が併設され、前記脱水した亜鉛水酸化物沈殿物が該粉砕機で粉砕されて該撹拌槽に投入される上記(3)又は(4)の亜鉛回収方法。
(6)前記攪拌槽が液循環によりリパルプが促進される手段を有する上記(3)〜(5)の亜鉛回収方法。
(7)前記攪拌槽の液循環手段には、ストレーナーが設置され、塊状の亜鉛水酸化物沈殿物を回収し、該回収した塊状の亜鉛水酸化物沈殿物を粉砕機にかけて該撹拌槽に再投入する上記(3)〜(6)の亜鉛回収方法。
(8)前記攪拌槽の液温を上昇させた上記(3)〜(7)の亜鉛回収方法。
(9)前記(c)の工程を、前記(a)及び(b)の工程を行うサイトとは別のサイトで行う上記(1)〜(8)の亜鉛回収方法。
(10)前記(a)〜(c)の工程を同サイトで行う上記(1)〜(8)の亜鉛回収方法。
(11)前記不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を直接前記攪拌層に入れる上記(10)の亜鉛回収方法。
本発明の方法は、廃棄物処理場から排出される亜鉛を含有する残渣からで亜鉛を高濃度に含有し、しかも塩素濃度の低い山元還元用の原料を入手することができるという効果を奏する。
本発明の方法は、(a)該溶融飛灰又は亜鉛含有ガスを酸処理することによって亜鉛含有溶液を得る工程、(b)該亜鉛含有溶液にアルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程及び(c)該沈殿物を水洗処理して沈殿物中の塩素を除去する工程の各工程からなっている。
本発明の方法を前記したガス化改質方式を例にとって図に基づいて説明する。
まず、ガス化改質方式の一つの例を図1に基づいて説明する。
図1に示されたガス化改質方式は次のプロセスから構成されている。
1.プレス・脱ガスチャンネル
(1)廃棄物の圧縮、(2)乾燥・熱分解
2.高温反応炉・均質化炉
(3)ガス化溶融、(4)スラグの均質化、(5)ガスの改質
3.ガス精製
(6)ガスの急冷(急冷・酸洗浄、酸洗浄)、(7)ガス精製(アルカリ洗浄、脱硫、除湿)
4.水処理
(8)水処理(沈殿、脱塩等)
この方式をフローに沿って説明すると次の通りである。
ピットに集積された都市ゴミ等の廃棄物はプレス機で圧縮された後、乾燥熱分解工程で間接加熱により加熱乾留されて高温反応炉内に送られる。高温反応炉の下部にはバーナーが配置され、このバーナーによって炉内に燃料ガスと酸素とが導入され、この酸素ガスが乾留物中の炭素をガス化し、一酸化炭素と二酸化炭素が生成する。また、高温水蒸気が存在する場合には炭素と水蒸気とによる水性ガス化反応が生じて一酸化炭素と水素とが生成される。更に、有機化合物は熱分解して一酸化炭素と水素が生成する。
上記の反応の結果、高温反応炉の塔頂部から粗合成ガスが排出される。
一方、高温反応炉下部で生成した溶融物は高温反応炉から均質化炉へ流れ出る。この溶融物には炭素や微量の重金属等が含まれており、均質化炉において炭素は十分な酸素と水蒸気によってガス化されて二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を生成する。均質化炉において金属溶融物は比重が大きいため、スラグの下部に溜まる。溶融物は水砕システムへ流れ落ちて、冷却固化され、メタル−スラグの混合物は、磁選によりメタルとスラグとに分離される。
高温反応炉から排出される粗合成ガスに対して、急冷装置で酸性水を噴射することによってガスの温度を約1200℃から約70℃にまで急速冷却し、ダイオキシン類の生成を阻止する。この時、酸性水によってガスが洗浄され、粗合成ガス中に含まれるZn、Pbなどの重金属成分と塩素分は洗浄液中に溶け込む。
酸洗浄された合成ガスは、必要に応じて更に酸洗浄を施されたのちアルカリ洗浄され、残存する塩化水素ガス等の酸性ガスが中和除去される。次いで、脱硫洗浄装置でガス中の硫化水素が硫黄に転換されて硫黄ケーキとして排出される。次いで合成ガスは低温除湿工程で水分を除去された後、精製された燃料ガスとして利用される。
一方、洗浄水は水処理装置において鉄、亜鉛等の金属分を除去される。
本発明は上記のような亜鉛を含む洗浄水から亜鉛を回収するための構成に特徴がある。以下では、ガスの洗浄方法及び洗浄水の処理方法についてより詳細に説明する。
まず、ガスの洗浄方法について述べる。
図1において、高温反応炉の頂部から排出される廃棄物のガス化によって生成したガスは、ガス精製設備に送給される経路の途中で、pH2〜5の酸性水溶液を噴射されることによって急冷・酸洗浄処理される。廃棄物中に含まれる塩素は主として塩化水素として合成ガス中に存在し、この塩化水素は冷却・洗浄液に溶け込む。この塩化水素を含む酸性水溶液によって粗合成ガスが洗浄される。
この急冷・酸洗浄過程で、高温の生成ガスは急冷され、ダイオキシン類の合成が防止されると共に、生成ガス中のアンモニア、塩化鉄、蒸発亜鉛、蒸発鉛および微細カーボン粒子などが酸性水溶液に溶解あるいは捕捉される。
還元性雰囲気での熱処理によって、亜鉛は主として蒸気状金属亜鉛又は塩化亜鉛として揮発してくるので、このガスを酸処理することによって亜鉛含有溶液を得る。すなわち、この金属蒸気状の亜鉛又は塩化亜鉛はガスを塩酸酸性の洗浄液で酸処理することによって塩化亜鉛として洗浄液中に溶解し、亜鉛含有溶液を得ることができる。
洗浄液は沈殿槽に送られて炭素微粒子が取り除かれ、熱交換器で間接冷却された後、再びガスの急冷に循環使用される。酸性水溶液をpH2〜5にするのは、重金属を冷却・酸洗浄水中に効果的に溶解・吸収させるためであり、このpH範囲を外れると効果的な溶解・吸収が行なわれない。
急冷・酸洗浄された生成ガスは、必要に応じて、さらに洗浄され、酸性水溶液で吸収、捕捉しきれなかったHClなどを吸収・除去されたのち、ガス精製装置において、脱硫などの処理を受け、精製されたガスは、燃料用ガスなどとして有効利用される。
次に、ガスの洗浄によって得られた洗浄水の処理方法を図2に基づいて説明する。
急冷・酸洗浄工程で発生した洗浄水を第1中和層に送給して、NaOH等のアルカリ剤を添加し、pH4〜7に調整する。これによって鉄イオン、アルミニウムイオンが水酸化物として選択的に沈殿してくる。得られた沈殿物を第1固液分離装置で固液分離し、水酸化鉄、水酸化アルミニウムを固形分として分離・回収する。この水酸化鉄、水酸化アルミニウムなどは、高温反応塔に再循環し、メタル、スラグとして回収し再利用することができる。
なお、この水酸化鉄と水酸化アルミニウムを分離する工程は、亜鉛、鉛の純度を向上させるために行うものであるが、鉄分及びアルミニウム分を含有した形で亜鉛、鉛を含む山本還元用の精錬原料を得る場合には、この工程は省略することができる。
次いで、固液分離によって水酸化鉄、水酸化アルミニウムが分離された分離水は、第2中和槽に送給して、NaOH等のアルカリ剤を添加し、被処理水のpHを8〜12程度に高める。これにより、被処理水中の亜鉛イオン、鉛イオンがそれぞれ水酸化亜鉛、水酸化鉛として選択的に析出してくる。得られた懸濁液を第2固液分離装置に送給して固液分離を行い、有価物質である水酸化亜鉛、水酸化鉛を含んだ固形分と、分離水とに分離する。
得られた固形分(金属酸化物)中には塩素分が含まれているが、この塩素分は分析の結果、殆どがNaClであることがわかった。そして、NaClは水に対する溶解度が大きいため、水洗によって塩素を除去することが可能である。
そこで、本発明では、固形分を脱塩素工程において水洗して塩素分を溶出除去する。
水洗は、前記の固液分離工程において脱水された亜鉛水酸化物沈殿物を攪拌槽に送り、ここで、脱塩水中に亜鉛水酸化物沈殿物を再分散することによって行い、洗浄して得られた固形分をフィルタープレス等の脱水手段を用いて脱水し、塩素を除去された金属水酸化物のケーキと分離水とに分離し、ケーキは山元還元用の原料として利用し、分離水は更に廃水処理設備で処理する。
上記の処理工程を図4に示す。
亜鉛水酸化物の沈殿物を攪拌槽Aに投入し、水洗水と共に攪拌機によって攪拌し金属水酸化物を水中に分散させる。この場合、攪拌槽に投入する亜鉛水酸化物の沈殿物は水分量が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。これは沈殿物の水分量が少ないと、リパルプするのに時間がかかり、作業効率が悪くなるからである。また、金属水酸化物と水洗水との割合は1:5程度であることが好ましい。水洗水の割合が5よりも小さいと洗浄効果が十分ではない。また、5以上とすると洗浄効果が上がるのでより好ましいが排水の量が増加し、水処理に負担がかかる。
例えば水分量80〜90%で約30分、また、水分量70%で約1.5時間の攪拌・自己循環が必要である。水分70%では沈殿物が溶け残り、若干量がタンクの下に残ってしまう。更に水分量が低くなると、塊のままタンク下部に堆積し、水洗水と十分に接触できないため、十分な水洗効果が得られない。
また、攪拌槽に粉砕機を併設し、沈殿物を事前に粉砕しておくことにより、攪拌槽において沈殿物内部のものまで均一に水洗液と接触し、リパルプしやすくすることができる。このように沈殿物を事前に粉砕しておくことにより、水分量が70%を下回る場合でもリパルプが可能となる。更に、沈殿物の水分量を少なくすることにより脱水サイトから脱塩素サイトへの輸送コストを低く抑えることができる。粉砕の程度はなるべく細かい方がよいが、目安としては1〜2mm程度である。
攪拌槽には分散液の取出管と導入管とを設けてポンプPを用いて内容物が循環するようにすることが好ましい。また、導出管路にはストレーナーを設けて塊状の沈殿物を分離・回収するようにすることが好ましい。このように分散液がポンプを通ることによってポンプ内部での沈殿物塊の粉砕効果が期待できる。また、ストレーナによって塊状の分散物が分離・回収されるので、これを粉砕機により粉砕した後攪拌槽に再投入することによって沈殿物のリパルプが促進される。
図6は槽底部にストレーナーを設けると共にポンプにより内容物を循環させるようにした装置の概略図である。
攪拌槽Aから排出されたスラリーはバッファ槽Bに送られ、バッファ槽Bが満杯の時はバッファ層Cに送られる。フィルタープレスでは脱水操作がバッチ処理で行われており、フィルタープレスの受け入れ態勢が整った段階でバッファ層B又はCからスラリーがフィルタープレスに供給される。
図5(a)に、攪拌槽内の分散液をストレーナーを介して循環させている様子を示す。このとき、バッファ槽B,Cへの管路は閉止されている。
前記のようにストレーナを設けることに代えて、攪拌槽で水洗したものを脱水し、得られた固形物の全量を粉砕して再び攪拌槽に投入してもよいが、このようにすると、処理時間が長くかかり、また、大きな粉砕機が必要となるので、イニシャルコストが大きくなる等の問題がある。水分量70%程度の沈殿物を前記したようなストレーナを用いる方法で処理した場合でも、リパルプできない沈殿物は5%以下であるので、全量を粉砕するよりも、少ない残沈殿物を再粉砕する方が効率的である。
攪拌槽の液温が高いほど、塩素の除去効果はあがるので、攪拌槽に加温手段を設けるか、予め水洗水を加熱して撹拌槽に供給する手段を設けることによって液温を高めることが好ましい。
図5(b)に、液循環を終えて水洗された亜鉛水酸化物を含むスラリーをバッファ槽Cに移送する様子を示す。この移送後に、A槽に亜鉛水酸化物の沈殿物が投入され、同様に水洗処理がなされる。図示の場合はスラリー槽Bが満杯であるためスラリーをバッファ層Cに送給している様子を示す。
通常はスラリーは攪拌槽Aからバッファー槽Bを経てフィルタープレス等の脱水装置によって脱水され、塩素分の除去された亜鉛水酸化物はフィルターケーキとして排出され、分離水(ろ液)は廃水処理設備で更に脱カルシウム工程、脱塩工程を経て再生水と混合塩とに分離される。
脱塩の程度は塩素分が2質量%以下、好ましくは1質量%以下である。
この脱塩素工程は亜鉛水酸化物の沈澱を得る工程を行うサイトと同サイトで行っても良いし、別のサイトで行っても良い。別のサイトで行う場合には沈殿物の水分が多いと輸送コストがかかるので、沈殿物の水分率を低めて輸送することが必要となってくる。また、同サイトで行う場合は固液分離工程で水分率70%以上の沈殿物を得て、これをコンベア又はシュート等を用いて直接撹拌槽Aに投入すると効率的である。
本発明においては、固液分離方法としては、比重沈降分離法、遠心分離法、フィルタープレス等のろ材を用いたろ過法等を好適に用いることができる。
次に本発明の方法を溶融飛灰に適用する場合を図3に基づいて説明する。
塩素を含有する廃棄物を焼却すると焼却残渣としての主灰と排ガスをバグフィルター等で処理して得られる飛灰とが生成する。これらの主灰と飛灰とを更に減容化すると共に重金属を安定な状態にして無害化するためにプラズマ溶融等の溶融手段によって溶融処理されることがある。
この溶融処理によって、亜鉛、鉛などの重金属が主として重金属の塩化物として揮発し、排ガス中に含まれて排出される。この排ガスをバグフィルターなどで集塵処理すると、集塵された溶融飛灰に前記の重金属の塩化物が含まれるようになる。この溶融飛灰を塩酸(もしくは、廃棄物から回収された塩酸)によりpH2〜5で洗浄処理(溶出処理)して、ケイ素分などの酸不溶分からなる固形分を除去して、亜鉛の塩化物を含有する分離液が得られるを得る。この分離液について、前記したガス洗浄液と同様の処理を行うことにより、山元還元用の原料として用いることができる程度に塩素分が除去された亜鉛水酸化物を得ることができる。
[比較例1]
図1に示したガス化改質炉で廃棄物を処理した際に発生する亜鉛、鉛などの重金属をpH2〜3の酸性洗浄液で急冷・酸洗浄することによって重金属を洗浄液中に溶解させた。次いでこれに水酸化ナトリウムを加えてpH調整して鉄分及びアルミニウムを除去した後、pH9のアルカリ性として、亜鉛水酸化物の沈澱物を得て、これをフィルタープレスで固液分離して亜鉛を含む金属水酸化物を得た。得られた金属水酸化物は乾ベースで亜鉛が48質量%であり、塩素含有量は乾ベースで12質量%であった。
比較例1で得られた乾ベースで塩素含有量12質量%の金属水酸化物を図4に示す装置を用いて、湿ベースで5倍量の脱塩水に分散させて水洗した後、フィルタープレスで固液分離した。固形分の水分は約65質量%であり、塩素含有量は乾ベースで0.8質量%であった。
廃棄物を焼却した後、2段バグフィルターで、排ガスを処理した。1段目のバグフィルターでは脱塩剤を添加せずに、飛灰のみを集じんした。2段目のバグフィルターでは、消石灰を吹き込み、排ガス中の塩化水素を除去した。
得られた、主灰と飛灰をプラズマ溶融炉にて、還元性雰囲気で溶融した。還元性雰囲気とするためにコークスを添加した。得られたガスは燃料ガスであり、亜鉛などの揮発性重金属を含有している。この燃料ガスを燃焼させて揮発した重金属を酸化物の形態とし、バグフィルターで集塵して重金属酸化物を含む溶融飛灰を捕集した。
得られた溶融飛灰をpH2〜5の塩酸水溶液で洗浄して、ケイ素分などの酸不溶分を除去した。得られた分離液に水酸化ナトリウムを添加することにより、pH8.5〜10にして、水酸化亜鉛、水酸化鉛を含む金属水酸化物の沈殿物を析出させた。これを図4に示す装置を用いて、湿ベースで5倍量の脱塩水に分散させて水洗した後、フィルタープレスで固液分離した。固形分の水分は約65質量%であり、塩素含有量は乾ベースで0.8質量%であった。
本発明は、都市ゴミ及び産業廃棄物から亜鉛、鉛等の有価物を排水を排出することなく回収することができるので、廃棄物の排出量の削減、資源リサイクルの観点からみてその利用性は高い。
ガス化改質方式による廃棄物処理の概要を示した図である。 ガス洗浄液から亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程を示した図である。 溶融飛灰から亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程の一例を示した図である。 本発明における亜鉛水酸化物から塩素を除去する工程を示す図である。 本発明における亜鉛水酸化物から塩素を除去する工程の一部を示す図である。 槽底部にストレーナーを設けた撹拌槽の一例を示す図である。

Claims (11)

  1. 亜鉛を含有する溶融飛灰又は廃棄物を熱処理炉で処理した際に発生する亜鉛含有ガスから亜鉛を亜鉛水酸化物として回収する亜鉛回収方法であって、(a)該溶融飛灰又は亜鉛含有ガスを酸処理することによって亜鉛含有溶液を得る工程、(b)該亜鉛含有溶液にアルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程及び(c)該沈殿物を水洗処理して沈殿物中の塩素を除去する工程を含むことを特徴とする亜鉛回収方法。
  2. 前記アルカリ剤を添加して不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を得る工程がPH=8〜12で行われることを特徴とする請求項1記載の亜鉛回収方法。
  3. 前記塩素を除去する工程が、脱水した亜鉛水酸化物の沈殿物を水洗用の水と共に攪拌槽に入れて該沈殿物を水洗する工程であることを特徴とする請求項2又は3記載の亜鉛回収方法。
  4. 前記塩素を除去する工程に供給される亜鉛水酸化物沈殿物の水分含有率が70%以上であることを特徴とする請求項3記載の亜鉛回収方法。
  5. 前記攪拌槽には粉砕機が併設され、前記脱水した亜鉛水酸化物沈殿物が該粉砕機で粉砕されて該撹拌槽に投入されることを特徴とする請求項3又は4記載の亜鉛回収方法。
  6. 前記攪拌槽が液循環によりリパルプが促進される手段を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の亜鉛回収方法。
  7. 前記攪拌槽の液循環手段には、ストレーナーが設置され、塊状の亜鉛水酸化物沈殿物を回収し、該回収した塊状の亜鉛水酸化物沈殿物を粉砕機にかけて該撹拌槽に再投入することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の亜鉛回収方法。
  8. 前記攪拌槽の液温を上昇させたことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の亜鉛回収方法。
  9. 前記(c)の工程を、前記(a)及び(b)の工程を行うサイトとは別のサイトで行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の亜鉛回収方法。
  10. 前記(a)〜(c)の工程を同サイトで行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の亜鉛回収方法。
  11. 前記不溶性の亜鉛水酸化物の沈殿物を直接前記攪拌層に入れることを特徴とする請求項10記載の亜鉛回収方法。
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