JP3512943B2 - 銀めっき方法 - Google Patents
銀めっき方法Info
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- JP3512943B2 JP3512943B2 JP06431496A JP6431496A JP3512943B2 JP 3512943 B2 JP3512943 B2 JP 3512943B2 JP 06431496 A JP06431496 A JP 06431496A JP 6431496 A JP6431496 A JP 6431496A JP 3512943 B2 JP3512943 B2 JP 3512943B2
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- plating
- bath
- silver plating
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は非シアン系銀めっき浴
の銀の沈殿を防止して、析出効率を高めることができる
銀めっき方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】銀めっきは、古くから装飾用、洋食器具
等に用いられ、そしてまたその優れた電気的特性のため
にスイッチやコネクタなどの材料として電子工業分野に
おいても広く利用されている。 【0003】そして、銀めっきに用いられる銀めっき浴
としては、ほとんどがシアン化銀を含んだシアン浴であ
ったが、最近では、作業安全上或いは排水処理上の要請
から非シアン系の銀めっき浴も各種提案されている(例
えば、特開平6−330372号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非シア
ン系の銀めっき浴では、銀の析出電位が他の金属に比べ
て貴であるため、浴中で分解して銀が沈殿し易いという
問題がある。銀が沈殿すると、浴中銀濃度低下による析
出速度の低下や、被めっき物表面への銀沈殿物の付着に
よる析出物特性の劣化に起因した不良品の発生という不
具合を生ずる。 【0005】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、銀が沈殿せず、安定して良好な
銀析出物を得ることができる銀めっき方法を提供するも
のである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係る銀めっき
方法は、光沢度調整剤として、亜硫酸及びそのアルカリ
塩又はスルフィン化合物を含有しており、錯化剤とし
て、コハク酸イミド及びその誘導体又はヒダントイン及
びその誘導体を含有してなる銀めっき浴に、酸素又は空
気を銀めっき浴中に分散供給させながらめっきを行うも
のである。銀めっき浴中に酸化力をもつ気体(酸素又は
空気)を分散させることにより、浴中の銀の沈殿を抑え
たり、或いは発生した銀の沈殿物を溶解させることがで
きるため、無駄な銀の消耗が抑えられると共に、発生し
た銀粒の析出物への付着による不良品の発生を抑制でき
る。 【0007】 【発明の実施の形態】利用するめっき装置としては、密
閉型のめっき槽を有する噴射めっき装置が好適で、例え
ば30リットルの容量のめっき槽に対しては、銀めっき
浴中に分散させる酸素の量としては、100cc/分以
上であれば、少なくとも浴中の銀の沈殿を抑制すること
ができる。 【0008】また、めっき槽の浴中に酸素又は空気を均
一分散させるための酸素分散供給手段としては、ガラス
製、セラミックス製、或いはプラスチック製の多孔質体
等を用いることができる。 【0009】銀めっき浴の浴温としては、30〜90℃
が好適である。これ以外の範囲だと、良好な析出物が得
られない。 【0010】また、pHは7〜13が好適である。これ
以外の範囲だと、浴の安定性が低下する。 【0011】このめっき方法に使用する銀めっき浴は、
光沢度調整剤として、亜硫酸及びそのアルカリ塩又はス
ルフィン化合物を含有しており、錯化剤として、コハク
酸イミド及びその誘導体又はヒダントイン及びその誘導
体を含有したものが良い。 【0012】スルフィン化合物の具体例としては、P−
トルエンスルフィン酸、P−トルエンスルフィン酸カリ
ウム、P−トルエンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼン
スルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベン
ゼンスルフィン酸カリウムが好適である。 【0013】ヒダントイン化合物としては、ヒダントイ
ン、1−メチルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダン
トイン、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メタノー
ル−5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニ
ルヒダントイン等が好適である。 【0014】この酸素供給による分解沈殿抑制の効果
は、銀めっき浴が、光沢度調整剤として、亜硫酸及びそ
のアルカリ塩又はスルフィン化合物を含有しており、錯
化剤として、コハク酸イミド及びその誘導体又はヒダン
トイン及びその誘導体を含有しした非シアン浴の場合に
顕著である。その理由は、これらの浴は、シアン浴に比
べると銀錯イオンの安定性が低く、上記還元性の添加剤
を用いた場合には、銀沈を生じやすいためである。 【0015】 【実施例】密閉型のめっき槽を有する噴射めっき装置を
使用して、銅の試験片に銀めっきする場合の実施例を説
明する。この噴射めっきは、温度60℃、ポンプ流量1
2リットル/分、めっき面積1cm2 、電流密度50A
/dm2 で、酸素分散供給手段としてはガラス製多孔質
体が使用され、めっき槽の浴中には酸素量として100
cc/分以上の空気が供給されている。 【0016】また、この実施例で使用した銀めっき浴の
組成は以下の通りである。 *硝酸銀(銀として)……………………………… 80g/リットル *5,5−ジメチルヒダントイン…………………300g/リットル *水酸化カリウム……………………………………150g/リットル *亜硫酸カリウム…………………………………… 60g/リットル *pH………………………………………………… 11.0 【0017】そして、めっき中に銀めっき浴の銀が沈殿
するかどうか調べてみた。また、酸素を供給しない比較
実験も行った。両者の銀めっき浴における銀の沈殿状態
を、80℃に昇温したまま保持し、めっき槽の窓(透明
耐熱ビニール製)への銀の付着を見るという方法により
調べたところ、酸素を供給した方は銀の沈殿が生ぜず、
酸素を供給しない方は、従来技術通りに銀が沈殿した。
また、めっき実験(65℃、50A/dm2 、噴流式)
を行ったところ、酸素を供給しない場合は、めっき物表
面への銀粒子の付着が見られた。 【0018】 【発明の効果】銀めっき浴中に酸化力をもつ気体(酸素
又は空気)を分散させることにより、浴中の銀の沈殿を
抑えたり、或いは発生した銀の沈殿物を溶解させること
ができ、銀の析出効率の向上を図ることができる。
の銀の沈殿を防止して、析出効率を高めることができる
銀めっき方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】銀めっきは、古くから装飾用、洋食器具
等に用いられ、そしてまたその優れた電気的特性のため
にスイッチやコネクタなどの材料として電子工業分野に
おいても広く利用されている。 【0003】そして、銀めっきに用いられる銀めっき浴
としては、ほとんどがシアン化銀を含んだシアン浴であ
ったが、最近では、作業安全上或いは排水処理上の要請
から非シアン系の銀めっき浴も各種提案されている(例
えば、特開平6−330372号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非シア
ン系の銀めっき浴では、銀の析出電位が他の金属に比べ
て貴であるため、浴中で分解して銀が沈殿し易いという
問題がある。銀が沈殿すると、浴中銀濃度低下による析
出速度の低下や、被めっき物表面への銀沈殿物の付着に
よる析出物特性の劣化に起因した不良品の発生という不
具合を生ずる。 【0005】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、銀が沈殿せず、安定して良好な
銀析出物を得ることができる銀めっき方法を提供するも
のである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係る銀めっき
方法は、光沢度調整剤として、亜硫酸及びそのアルカリ
塩又はスルフィン化合物を含有しており、錯化剤とし
て、コハク酸イミド及びその誘導体又はヒダントイン及
びその誘導体を含有してなる銀めっき浴に、酸素又は空
気を銀めっき浴中に分散供給させながらめっきを行うも
のである。銀めっき浴中に酸化力をもつ気体(酸素又は
空気)を分散させることにより、浴中の銀の沈殿を抑え
たり、或いは発生した銀の沈殿物を溶解させることがで
きるため、無駄な銀の消耗が抑えられると共に、発生し
た銀粒の析出物への付着による不良品の発生を抑制でき
る。 【0007】 【発明の実施の形態】利用するめっき装置としては、密
閉型のめっき槽を有する噴射めっき装置が好適で、例え
ば30リットルの容量のめっき槽に対しては、銀めっき
浴中に分散させる酸素の量としては、100cc/分以
上であれば、少なくとも浴中の銀の沈殿を抑制すること
ができる。 【0008】また、めっき槽の浴中に酸素又は空気を均
一分散させるための酸素分散供給手段としては、ガラス
製、セラミックス製、或いはプラスチック製の多孔質体
等を用いることができる。 【0009】銀めっき浴の浴温としては、30〜90℃
が好適である。これ以外の範囲だと、良好な析出物が得
られない。 【0010】また、pHは7〜13が好適である。これ
以外の範囲だと、浴の安定性が低下する。 【0011】このめっき方法に使用する銀めっき浴は、
光沢度調整剤として、亜硫酸及びそのアルカリ塩又はス
ルフィン化合物を含有しており、錯化剤として、コハク
酸イミド及びその誘導体又はヒダントイン及びその誘導
体を含有したものが良い。 【0012】スルフィン化合物の具体例としては、P−
トルエンスルフィン酸、P−トルエンスルフィン酸カリ
ウム、P−トルエンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼン
スルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベン
ゼンスルフィン酸カリウムが好適である。 【0013】ヒダントイン化合物としては、ヒダントイ
ン、1−メチルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダン
トイン、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メタノー
ル−5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニ
ルヒダントイン等が好適である。 【0014】この酸素供給による分解沈殿抑制の効果
は、銀めっき浴が、光沢度調整剤として、亜硫酸及びそ
のアルカリ塩又はスルフィン化合物を含有しており、錯
化剤として、コハク酸イミド及びその誘導体又はヒダン
トイン及びその誘導体を含有しした非シアン浴の場合に
顕著である。その理由は、これらの浴は、シアン浴に比
べると銀錯イオンの安定性が低く、上記還元性の添加剤
を用いた場合には、銀沈を生じやすいためである。 【0015】 【実施例】密閉型のめっき槽を有する噴射めっき装置を
使用して、銅の試験片に銀めっきする場合の実施例を説
明する。この噴射めっきは、温度60℃、ポンプ流量1
2リットル/分、めっき面積1cm2 、電流密度50A
/dm2 で、酸素分散供給手段としてはガラス製多孔質
体が使用され、めっき槽の浴中には酸素量として100
cc/分以上の空気が供給されている。 【0016】また、この実施例で使用した銀めっき浴の
組成は以下の通りである。 *硝酸銀(銀として)……………………………… 80g/リットル *5,5−ジメチルヒダントイン…………………300g/リットル *水酸化カリウム……………………………………150g/リットル *亜硫酸カリウム…………………………………… 60g/リットル *pH………………………………………………… 11.0 【0017】そして、めっき中に銀めっき浴の銀が沈殿
するかどうか調べてみた。また、酸素を供給しない比較
実験も行った。両者の銀めっき浴における銀の沈殿状態
を、80℃に昇温したまま保持し、めっき槽の窓(透明
耐熱ビニール製)への銀の付着を見るという方法により
調べたところ、酸素を供給した方は銀の沈殿が生ぜず、
酸素を供給しない方は、従来技術通りに銀が沈殿した。
また、めっき実験(65℃、50A/dm2 、噴流式)
を行ったところ、酸素を供給しない場合は、めっき物表
面への銀粒子の付着が見られた。 【0018】 【発明の効果】銀めっき浴中に酸化力をもつ気体(酸素
又は空気)を分散させることにより、浴中の銀の沈殿を
抑えたり、或いは発生した銀の沈殿物を溶解させること
ができ、銀の析出効率の向上を図ることができる。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平7−166391(JP,A)
特開 平6−330372(JP,A)
特開 平7−233496(JP,A)
特開 昭51−149134(JP,A)
特開 平6−287791(JP,A)
特開 平9−256185(JP,A)
特許3462338(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C25D 3/46
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 光沢度調整剤として、亜硫酸及びそのア
ルカリ塩又はスルフィン化合物を含有しており、錯化剤
として、コハク酸イミド及びその誘導体又はヒダントイ
ン及びその誘導体を含有してなる銀めっき浴に、酸素又
は空気を銀めっき浴中に分散供給させながらめっきを行
うことを特徴とする銀めっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06431496A JP3512943B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 銀めっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06431496A JP3512943B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 銀めっき方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09256186A JPH09256186A (ja) | 1997-09-30 |
JP3512943B2 true JP3512943B2 (ja) | 2004-03-31 |
Family
ID=13254661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06431496A Expired - Fee Related JP3512943B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 銀めっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3512943B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109504989A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-03-22 | 湖北工程学院 | 一种光亮电刷镀镀银液及其制备工艺、使用方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3181571B2 (ja) * | 2000-01-27 | 2001-07-03 | 日本エレクトロプレイテイング・エンジニヤース株式会社 | 金メッキ液及びそれを用いた金メッキ方法 |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP06431496A patent/JP3512943B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109504989A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-03-22 | 湖北工程学院 | 一种光亮电刷镀镀银液及其制备工艺、使用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09256186A (ja) | 1997-09-30 |
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