JP3512618B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
配線基板の製造方法Info
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Description
どの配線基板の製造方法に関し、詳しくは、IC(半導
体集積回路素子)等の電子部品(チップ)の封止に用い
られるセラミック積層構造の配線基板のうち、電子部品
を収容するキャビティを構成するように、上下に貫通す
る貫通孔を備え、その内周縁にボンディングシェルフ部
を備えたセラミック積層構造の配線基板の製造方法に関
する。
は、例えばアルミナセラミックのグリーンシート(生シ
ート)を打抜いて貫通孔部分(キャビティ部)やスルー
ホールを形成し、配線層やビア用にW(タングステン)
やMo(モリブデン)等の高融点金属を主成分とするメ
タライズペースト(メタライズインクともいう)をスク
リーン印刷し、このようなセラミックグリーンシートを
積層、圧着し、そして未焼成配線基板単位に切断し、こ
の未焼成配線基板を焼成することで製造(形成)され
る。ところで、このようにセラミックと配線層等のため
のメタライズペーストとを同時焼成して製造される配線
基板では、セラミックとメタライズペーストとの焼成収
縮率の相違に起因する焼成時の変形を防止するため、そ
の構造をどのようにするかが設計上極めて重要である。
層とメタライズ層のパターンや厚さなどは仕様によって
様々であり、したがって、セラミックグリーンシート
(以下、グリーンシートともいう)を積層、圧着した状
態の未焼成配線基板の焼成収縮をその全体にわたって一
定にすることは不可能である。一方、PGA(ピングリ
ッドアレイ)接続方式やBGA(ボールグリッドアレ
イ)接続方式の配線基板のように比較的大きく、しかも
基板全体の厚さが比較的厚く、多層構造(例えば5〜1
0層)をなす配線基板は、その自重が大きいことから、
焼成過程での収縮差による変形が出るようなものでも自
重によって焼成炉中の平坦な台面(台座)に馴染もうと
し、したがって、焼成後の変形も僅かであり問題となら
ない。このことは、キャビティ用に厚さ方向に貫通する
貫通孔を備えている配線基板であっても同様である。
でも、例えばその全厚さが1mm程度以下と薄く、2〜
4層のセラミック層からなるものでは、前記のような自
重による作用は少なく、したがって焼成時に反りや変形
が発生し易い。とりわけ裏面の全面にメタライズ層が形
成されるような配線基板ではその変形が生じやすい。と
いうのは、メタライズ層のある裏面側に比べ、それがな
い表面側では焼成収縮率が大きく、表裏両面の焼成収縮
率のアンバランスが大きいためである。したがって、こ
のような未焼成配線基板を自由状態のままで焼成する
と、裏面を凸とするように反りや変形が発生しがちとな
る。
め、図9に示したキャビティ用の貫通孔2を備えた未焼
成配線基板1の焼成においては、焼成炉中の平坦な台面
(モリブデンなどの耐熱板)51の上に、その未焼成配
線基板1を裏面3を下にして置き、未焼成配線基板1の
表面4をなす最上層のセラミックグリーンシート(以
下、セラミック層ともいう)1aの上面にセラミックな
どの耐火物(耐熱材)からなる錘(おもり)31を載
せ、これによって未焼成配線基板(以下、未焼成基板若
しくは単に基板ともいう)1の表面(上面)4を押え付
けながら焼成し、反り等の変形を防止していた。
たように未焼成配線基板1の表面4に錘31を載せて
も、貫通孔2の内周縁のボンディングシェルフ部5には
その錘31の押え付け作用が働かない。ボンディングシ
ェルフ部5は、その上面が最上層のセラミック層1aの
上面より低位とされているためである。すなわち、ボン
ディングシェルフ部5は、基板の全厚さに比べると薄く
形成され、しかもその先端つまり貫通孔2の内周縁部位
は同図に示されるように断面視、自由端をなしており、
したがって、基本的に上方に反り等の変形(以下、単に
変形ともいう)が発生しやすくなっている。
なり、全厚さが例えば1mm程度以下と薄く、しかもボ
ンディングシェルフ部(セラミック層)の厚さが例えば
0.2〜0.3mmと極めて薄い未焼成配線基板では、
最上層のセラミック層の上面に錘を載せただけでは、ボ
ンディングシェルフ部をなすセラミック層の反りの発生
は防止できない。すなわち、前記従来の製法では、図1
0に示した配線基板1のように厚肉部位の変形は防止さ
れても、ボンディングシェルフ部5の先端が捲れ上がる
ような反りが発生するといった問題があった。とりわ
け、裏面の全面にメタライズペーストが印刷されたもの
では、表裏両面間の焼成収縮のアンバランスが大きいこ
とより、変形が大きくなる。
中、2点鎖線で示したように、その後、基板1の裏面3
に放熱部材(ヒートシンク)Hをロー(ろう)付けする
と、同放熱部材Hとボンディングシェルフ部5との間に
隙間が発生することになる。したがって、その後のNi
(ニッケル)メッキやAu(金)メッキの工程におい
て、その隙間にメッキ液が残留し、メッキの変質や変色
等を起こし、そのような変質等が放熱部材のダイアタッ
チ面などにも拡散し、外観不良を招く原因ともなる。
ていると、搭載した電子部品の電極とワイヤボンディン
グする際に支障を来してしまうといった問題もある。な
お、こうした問題に対して本発明者は、焼成後、変形し
たボンディングシェルフ部に錘を載せて軟化温度(焼成
温度以下)まで加熱し、その変形を修正(矯正)すると
いったことも試みたが、このような方法では、加熱工程
の繰返しとなりコストや工程が増大するだけでなく、ボ
ンディングシェルフ部がその加熱過程で割れてしまうこ
とが多く、採用できないものであった。
されたもので、その目的とするところは、上下に貫通す
る貫通孔の内周縁にボンディングシェルフ部を備えたセ
ラミック積層構造の配線基板のうち、同ボンディングシ
ェルフ部をなすセラミックが薄いものを製造する場合に
おいて、そのボンディングシェルフ部にも反りなどの変
形のない高精度の配線基板をうることのできる製法を提
供することにある。
め、請求項1に係る本発明は、上下に貫通する貫通孔の
内周縁にボンディングシェルフ部を備えたセラミック積
層構造の配線基板を製造する方法であって、複数のセラ
ミックグリーンシートを積層してなる未焼成配線基板を
その裏面を下にして焼成するにあたり、その最上層のセ
ラミックグリーンシートの上面の他に、前記ボンディン
グシェルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に
も錘を載せて焼成する方法において、前記錘が、未焼成
のセラミックからなり、しかもこの錘をなす未焼成のセ
ラミックを、未焼成配線基板をなすセラミックと同素材
若しくは略同じ焼成収縮率をもつものとしたことを特徴
とする配線基板の製造方法である。請求項2に係る本発
明は、前記錘は、前記最上層のセラミックグリーンシー
トの上面に載せるものと、前記ボンディングシェルフ部
をなすセラミックグリーンシートの上面に載せるものと
に分割されていることを特徴とする請求項1記載の配線
基板の製造方法である。請求項3に係る本発明は、請求
項6記載の配線基板の製造方法において、前記錘をなす
セラミックを未焼成のもの、としたことに代えて、前記
錘をなすセラミックのうち、前記ボンディングシェルフ
部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せるもの
を未焼成のもの、としたことを特徴とする配線基板の製
造方法である。請求項4に係る本発明は、前記ボンディ
ングシェルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面
に載せる錘を、最上層のセラミックグリーンシートの上
面から上に突出しないものとしたことを特徴とする請求
項2又は3に記載の配線基板の製造方法である。請求項
5に係る本発明は、上下に貫通する貫通孔の内周縁にボ
ンディングシェルフ部を備えたセラミック積層構造の配
線基板を製造する方法であって、複数のセラミックグリ
ーンシートを積層してなる未焼成配線基板をその裏面を
下にして焼成するにあたり、その最上層のセラミックグ
リーンシートの上面の他に、前記ボンディングシェルフ
部をなすセラミックグリーンシートの上面にも錘を載せ
て焼成する方法において、前記錘が、未焼成のセラミッ
クからなり、しかもこの錘をなす未焼成セラミックのう
ち、未焼成配線基板に当接する面にメタライズペースト
が印刷されていることを特徴とする配線基板の製造方法
である。請求項6に係る本発明は、前記錘は、前記最上
層のセラミックグリーンシートの上面に載せるものと、
前記ボンディングシェルフ部をなすセラミックグリーン
シートの上面に載せるものとに分割されていることを特
徴とする請求項5記載の配線基板の製造方法である。請
求項7に係る本発明は、請求項6記載の配線基板の製造
方法において、前記錘をなすセラミックを未焼成のも
の、としたことに代えて、前記錘をなすセラミックのう
ち、前記ボンディングシェルフ部をなすセラミックグリ
ーンシートの上面に載せるものを未焼成のもの、とした
ことを特徴とする配線基板の製造方法である。請求項8
に係る本発明は、前記ボンディングシェルフ部をなすセ
ラミックグリーンシートの上面に載せる錘を、最上層の
セラミックグリーンシートの上面から上に突出しないも
のとしたことを特徴とする請求項6又は7に記載の配線
基板の製造方法である。請求項9に係る本発明は、請求
項1〜4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法に
おいて、前記錘をなす未焼成セラミックのうち、未焼成
配線基板に当接する面にメタライズペーストが印刷され
ていることを特徴とする配線基板の製造方法である。請
求項10に係る本発明は、請求項5〜9のいずれか1項
に記載の配線基板の製造方 法において、前記錘をなす未
焼成セラミックのうち、未焼成配線基板に当接する面に
メタライズペーストが印刷されていること、に代えて、
前記錘をなす未焼成セラミックを平板状とし、未焼成配
線基板に当接する面及びその反対面にメタライズペース
トが印刷されていること、としたことを特徴とする配線
基板の製造方法である。
グリーンシートの上面にも錘を載せて焼成するものであ
るため、薄肉なボンディングシェルフ部でも焼成工程で
捲り上がりなどの変形を起さない。したがって、後で放
熱部材をロー付けしてもその間に隙間ができないから、
メッキ液の残留もない。そしてICの電極とボンディン
グシェルフ部に形成されるボンディングパッドとのワイ
ヤボンディングにおいても支障を生じない。
は、焼結体が緻密なものを使用すると、セラミックの組
成(ガラス含有量)によっては基板との焼付き(接着)
を招くこともあることから、多孔質(ポーラス)なもの
を使用するとよい。
上層のセラミックグリーンシートの上面に載せるもの
と、前記ボンディングシェルフ部をなすセラミックグリ
ーンシートの上面に載せるものとに分割するのが好まし
い。このようにすれば、共に一定厚さの平板状の錘を用
いることができる。また、このように分割した錘を用い
ると錘の形成が容易であり、錘をセットするのも容易に
なる。この際、上記したように、前記ボンディングシェ
ルフ部(薄肉部の上面)をなすセラミックグリーンシー
トの上面に載せる錘は、最上層のセラミックグリーンシ
ートの上面から上に突出しないものとするとよい。
たように、そのうちの、少くとも前記ボンディングシェ
ルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せる
ものを未焼成のものとするとよい。というのは、薄肉部
であるボンディングシェルフ部の周囲(厚肉部)が収縮
する際にこの錘が収縮しない場合には、その周囲のセラ
ミックグリーンシートの収縮を阻害して基板自体を歪ま
せる危険があるが、この錘を未焼成のセラミックとして
おけば、焼成過程でセラミックグリーンシート(配線基
板)と同時に同程度収縮するのでそのような危険が解消
されるためである。
ミックと同素材若しくは略同じ焼成収縮率をもつセラミ
ック、とくに未焼成のセラミックとする場合には、基板
周囲の収縮を阻害することを皆無としうる。
ミックが未焼成のものである場合には、未焼成配線基板
に当接する面に、タングステンやモリブデンなどの高融
点金属を主成分とするメタライズペーストが印刷(塗
布)されているものを使用するとよい。前記もしたよう
に、錘がセラミックで、未焼成配線基板をなすセラミッ
クにガラス成分が多く含まれる場合には、焼成過程で焼
付きによる接着(融着)を起こすことがあるが、このよ
うにメタライズペーストが印刷されていれば、その焼付
きや接着が防止されるためである。
成セラミックを平板状とし、未焼成配線基板に当接する
面及びその反対面にメタライズペーストが印刷されてい
るとよい。錘における上下両面共にメタライズ層がある
場合には、焼成収縮のバランスがとれ、錘自体の反りの
発生を低減できるためである。なお、本発明における錘
が焼成済みのセラミックからなる場合にも、同様の理由
から少くとも未焼成配線基板に当接する面にはメタライ
ズ層を形成しておくとよい。
態について、図1ないし5を参照しながら詳細に説明す
る。なお、図1は次記する本例の未焼成配線基板1に錘
を載せて焼成する状態を示す概略断面図である。図中、
1は、平面視、矩形枠状の薄板状をなす未焼成配線基板
であり、中央に略矩形で上下に貫通する貫通孔2を備え
ており、本例では裏面3をなす下のグリーンシート1b
と表面4をなす上のグリーンシート1aの上下2層の積
層構造とされている。
面3をなす下のグリーンシート(セラミック層)1bの
上面が露出するように構成され、その数箇所の露出部が
ボンディングシェルフ部5を構成している。なお、本例
の基板のボンディングシェルフ部5は、断面視、その一
部が裏面3を形成する下のグリーンシート(セラミック
層)1bが貫通孔2の中央寄り部位に突出するように構
成されている。なお、ボンディングシェルフ部5の適所
にはボンディングパッド用にメタライズペースト5aが
印刷されている。
ペースト(図示せず)が印刷され、焼成後に放熱部材の
ロー付け用のメタライズ層を形成するようにされてい
る。そして、表面4にはその外周縁に沿って所定の幅で
矩形枠状にメタライズペースト6が印刷され、図示しな
い封止用リッドのハンダ付け用のメタライズ層を形成す
るようにされている。
全体の厚さが例えば0.8mm程度のものであり、上下
のグリーンシート1a,1bは、それぞれ厚さ0.5m
m、0.3mmとされている。なお、このような未焼成
配線基板1は、従来と同様にドクターブレード法にてグ
リーンシートを製造し、貫通孔(キャビティ)用などの
穴を開けて、必要なメタライズペーストを印刷し、これ
を積層、圧着して未焼成基板単位に切断することで形成
される。
焼成において使用する錘について説明する。ただし、本
例では、図1に示されるように、表面(上面)4に載せ
る錘21と、ボンディングシェルフ部5をなす下のセラ
ミックグリーンシート1bの上面に載せる錘11の2つ
に分割したもので説明する。すなわち、ボンディングシ
ェルフ部(薄肉部)5に載せる錘(以下、第1錘ともい
う)11として、本例では、図3に示したような一定厚
さの未焼成セラミック板(グリーンシート)を用いる。
ただし、第1錘11をなす未焼成セラミック板は、未焼
成配線基板1と同素材からなるものとし、その平面形状
は、貫通孔2の平面形状に各ボンディングシェルフ部5
の形状を付加したものを若干小さめとしたもの、つまり
上のセラミックグリーンシート1aにおける貫通孔の平
面形状より一回り小さくしたものとされている(図2〜
4参照)。
グシェルフ部5に架橋状に載置され、各ボンディングシ
ェルフ部5を押え付けるようにされている(図1,4参
照)。なお、第1錘11の両主面11a,11bには基
板1の配線層と同素材からなるメタライズペーストを印
刷してある。因みに、本例でのこの第1錘11の厚さ
は、上のセラミックグリーンシート1aの厚さと同じ
で、0.5mmとされている。
の上面に載せる錘(以下、第2錘ともいう)21は、第
1錘と同素材からなり、基板の平面より大きく焼成済で
多孔質(ポーラス)な矩形のセラミック平板(厚さ0.
8mm)を用いる。なお、各錘11,21の重量は基板
を構成するセラミックとメタライズペーストとの焼成収
縮差に伴う変形を防止でき、かつ焼成過程で配線基板1
が圧縮変形しない程度に設定すればよい。なお、第2錘
21は、多孔質(ポーラス)なセラミック焼結体とし、
本例では、その表面(基板への当接面)にメタライズ層
を形成していない。
焼成するに当たっては、焼成炉中の平坦な台面(モリブ
デン板)51の上に裏面3を当接させるようにして着座
させる(図5−A参照)。そして、第1錘11をなす未
焼成セラミック板を貫通孔2の内周縁の各ボンディング
シェルフ部5を押え付けるように位置決めし、架橋状に
セットする(図5−B)。次いで、基板1の上面4に第
2錘21をなす焼成済セラミック板(図5−C)を載せ
る。こうして、錘11,21をセットした後、例えば1
500℃で還元雰囲気中で所定時間焼成する。
には封止用のメタライズペーストが枠状に印刷されてい
るだけであるのに対し、裏面3にはその全面にメタライ
ズペーストが印刷されていることから、表面4を凹とす
るように反ろうとするが、第2錘21により台面51側
に押さえ付けられていることから、その変形が防止され
る。また各ボンディングシェルフ部5はその貫通孔2の
中央寄り部位を捲り上げるように変形しようとするが、
第1錘11により台面51側に押さえ付けられているの
で、そのように変形することが防止される。
−Dに示したように、反り等の変形のない寸法精度の高
いものとなる。この結果、その後、メタライズ層にNi
メッキ及びAuメッキをかけ、裏面3に対し、Niメッ
キが施されたCu−W(銅タングステン合金)等からな
る放熱部材Hをロー付けしても、従来のようにボンディ
ングシェルフ部5との間に隙間ができない。したがっ
て、メッキ液が残留することもないし、ボンディングシ
ェルフ部5の反り(捲り上がり)もないことから、電子
部品の搭載後におけるボンディング不良を招くこともな
い。
5に載せられた第1錘11は、配線基板1と同材質の未
焼成セラミックであり、したがって、配線基板1と同一
の収縮率で同時に収縮することから、その基板1の収縮
を阻害することもないので、配線基板が歪になるなどそ
の変形や寸法不良の発生させることもない。すなわち、
本例では、ボンディングシェルフ部5に載せる錘11,
21を未焼成のセラミックとし、配線基板1と同様に焼
成収縮させるようにしたため、各ボンディングシェルフ
部5においてそのエリア全体に載せることができるた
め、その変形防止作用が高い。このように、第1錘11
はなるべく未焼成のセラミックとし、配線基板1と同素
材とするのが好ましい。なお、第1錘11を焼成済みの
セラミックとする場合には、未焼成配線基板1の収縮を
考慮して小さめのものを使用することになる。
接面にメタライズペーストが印刷されているため、ガラ
ス含有量が多いなどにより焼付きが問題となるようなセ
ラミックからなる基板でも、そのボンディングシェルフ
部5に焼付くこともない。そのうえ、本例では第1錘1
1は、未焼成配線基板1に当接する面11bだけでな
く、その反対面11aにも同ぺーストを印刷したため、
上下両面の収縮のバランスがとれているため、焼成過程
での錘11自体の反りの発生を低減でき、安定した押え
付け作用を成すことができる。なお、焼付きの防止のた
めには、錘11の面のうち、ボンディングシェルフ部5
に当接する部位にのみメタライズを印刷しておけばよ
い。
のものとしたため、それ自体の製造も容易となる。つま
り、このものは、一定厚さのグリーンシートをその平面
形状にプレス型で打ち抜けばよいからである。そして、
第1錘11は最上層のセラミック1aの上面より上に出
ない厚さに設定したので、第2錘21も平板状のものと
することができる。なお、第1錘11の平面形状は、貫
通孔2とボンディングシェルフ部5の平面形状に基いて
適宜の形状にすればよいが、なるべくボンディングシェ
ルフ部5の全体を押え付けるように形成するのが好まし
い。そして、その重量は、焼成過程での反り等の変形を
防止できる押え付け効果があり、しかも圧縮変形を招か
ない範囲で適宜に設定すればよい。
中央が焼成過程で垂れ下がり変形するような場合には、
図6に示したように第1錘11の下(空隙)にボンディ
ングシェルフ部5の厚さより薄めで、セラミックなどの
耐火物からなる平板(垂れ下がり防止材)12を台面5
1との間にセットしておいてもよい。また、前記形態で
は第1錘11を平板としたが、これは平板でなくともよ
い。すなわち図7に示したように、裏面を凸とする断面
形状の錘13、つまり図6における第1錘11と平板1
2を一体化した形状のものとしてもよい。この場合に
も、錘13の下面には略空隙がないから焼成時の軟化に
よる垂れ下がりも防止される。なお、本発明において錘
を分割する場合には、前記のように分割した第1錘1
1,13と第2錘21の各々をさらに分割することも可
能である。
分割することなく一体のものとし、最上層のセラミック
グリーンシート1aの上面4の他に、ボンディングシェ
ルフ部5をなすセラミックグリーンシートの上面にも錘
が載るようしてもよい。そしてこの場合にも図8中2点
鎖線で示したように、焼成過程で垂れ下がり変形を防止
するため、貫通孔2内において台面51と錘14の下面
に空隙が生じないように錘14の下面に凸部15を一体
形成しておいてもよいし、或いは、図6に示したような
平板12を載置しておいてもよい。なお、この際もその
錘14はセラミックとするが適切であり、しかも未焼成
のものを用いるのが適切である。そして、未焼成基板1
との焼付き防止のため、少くとも、同基板との当接面に
はメタライズペーストを印刷しておくとよい。
ック1a,1bからなるものにおいて説明したが、これ
が3層以上であっても、またその材質がアルミナセラミ
ック以外であっても、本発明はまったく同様に適用でき
ることはいうまでもない。本発明は、上下に貫通する貫
通孔の内周縁にボンディングシェルフ部を備えたセラミ
ック積層構造の配線基板を製造する方法であれば、同様
に適用できる。因みに、3層以上のセラミック積層構造
の配線基板では、ボンディングシェルフ部をなすセラミ
ック層が複数であっても、自由状態で焼成する際に反り
がでる場合に有効である。また、前記基板ではボンディ
ングシェルフ部が貫通孔の内周縁の全周に沿って存在せ
ず、間隔をおいて適数あるもので説明したが、同内周縁
の全周に沿って存在する配線基板を製造する場合でも同
様に適用できる。ただし、その場合にも、そのボンディ
ングシェルフ部の全体を押え付けるような錘を用いるの
が好ましい。
の製法によれば、ボンディングシェルフ部にも錘を載せ
て焼成するものであるため、セラミックやメタライズペ
ーストとの相違に起因する基板全体における焼成収縮率
の相違があっても、焼成工程で薄肉なボンディングシェ
ルフ部が捲り上がりなどの変形を起すのを防止すること
ができる。したがって、ボンディングシェルフ部にも反
りなどの変形のない高精度の配線基板をうることができ
る。
焼成配線基板に錘を載せた状態の概略断面図。
図。
がり防止材をセットした概略断面図。
概略断面図。
図。
形)を説明する断面概念図。
錘) 21 第2錘(基板の表面に載せる錘) 51 焼成炉中の台面
Claims (10)
- 【請求項1】 上下に貫通する貫通孔の内周縁にボンデ
ィングシェルフ部を備えたセラミック積層構造の配線基
板を製造する方法であって、 複数のセラミックグリーンシートを積層してなる未焼成
配線基板をその裏面を下にして焼成するにあたり、その
最上層のセラミックグリーンシートの上面の他に、前記
ボンディングシェルフ部をなすセラミックグリーンシー
トの上面にも錘を載せて焼成する方法において、 前記錘が、未焼成のセラミックからなり、しかもこの錘
をなす未焼成のセラミックを、未焼成配線基板をなすセ
ラミックと同素材若しくは略同じ焼成収縮率をもつもの
としたこと を特徴とする配線基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記錘は、前記最上層のセラミックグリ
ーンシートの上面に載せるものと、前記ボンディングシ
ェルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せ
るものとに分割されていることを特徴とする請求項1記
載の配線基板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の配線基板の製造方法にお
いて、 前記錘をなすセラミックを未焼成のもの、としたことに
代えて、 前記錘をなすセラミックのうち、前記ボンディングシェ
ルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せる
ものを未焼成のもの、としたことを特徴とする配線 基板
の製造方法。 - 【請求項4】 前記ボンディングシェルフ部をなすセラ
ミックグリーンシートの上面に載せる錘を、最上層のセ
ラミックグリーンシートの上面から上に突出しないもの
としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の配線基
板の製造方法。 - 【請求項5】 上下に貫通する貫通孔の内周縁にボンデ
ィングシェルフ部を備えたセラミック積層構造の配線基
板を製造する方法であって、 複数のセラミックグリーンシートを積層してなる未焼成
配線基板をその裏面を下にして焼成するにあたり、その
最上層のセラミックグリーンシートの上面の他に、前記
ボンディングシェルフ部をなすセラミックグリーンシー
トの上面にも錘を載せて焼成する方法において、 前記錘が、未焼成のセラミックからなり、しかもこの錘
をなす未焼成セラミックのうち、未焼成配線基板に当接
する面にメタライズペーストが印刷されていることを特
徴とする配線 基板の製造方法。 - 【請求項6】 前記錘は、前記最上層のセラミックグリ
ーンシートの上面に載せるものと、前記ボンディングシ
ェルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せ
るものとに分割されていることを特徴とする請求項5記
載の配線基板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の配線基板の製造方法にお
いて、 前記錘をなすセラミックを未焼成のもの、としたことに
代えて、 前記錘をなすセラミックのうち、前記ボンディングシェ
ルフ部をなすセラミックグリーンシートの上面に載せる
ものを未焼成のもの、としたこと を特徴とする配線基板
の製造方法。 - 【請求項8】 前記ボンディングシェルフ部をなすセラ
ミックグリーンシートの上面に載せる錘を、最上層のセ
ラミックグリーンシートの上面から上に突出しないもの
としたことを特徴とする請求項6又は7に記載の配線基
板の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の配
線基板の製造方法において、 前記錘をなす未焼成セラミックのうち、未焼成配線基板
に当接する面に メタライズペーストが印刷されているこ
とを特徴とする配線基板の製造方法。 - 【請求項10】 請求項5〜9のいずれか1項に記載の
配線基板の製造方法において、 前記錘をなす未焼成セラミックのうち、未焼成配線基板
に当接する面にメタライズペーストが印刷されているこ
と、に代えて、 前記錘をなす未焼成セラミックを平板状とし、未焼成配
線基板に当接する面及びその反対面にメタライズペース
トが印刷されていること、としたことを特徴とする配線
基板の製 造方法。
Priority Applications (1)
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