JPH0957903A - 多層セラミックス基板およびその製造方法 - Google Patents

多層セラミックス基板およびその製造方法

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JPH0957903A
JPH0957903A JP21188095A JP21188095A JPH0957903A JP H0957903 A JPH0957903 A JP H0957903A JP 21188095 A JP21188095 A JP 21188095A JP 21188095 A JP21188095 A JP 21188095A JP H0957903 A JPH0957903 A JP H0957903A
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JP
Japan
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ceramic
green sheet
density
thickness
multilayer ceramic
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JP21188095A
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Kazuo Kimura
和生 木村
Nobuo Iwase
暢男 岩瀬
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックスグリーンシート自体に由来し
て、焼成時に発生する多層セラミックス基板の反りを抑
制する。 【解決手段】 焼成により多層一体化された複数のセラ
ミックス層11a、11b、11c、11d、11eを
有する多層セラミックス基板11である。これらセラミ
ックス層は、少なくとも一方の最表面に位置するセラミ
ックス層11aの密度や厚さが他方の最表面に位置する
セラミックス層11eの密度や厚さより大きく設定され
ている。より具体的には、例えば密度が大きい最表面の
セラミックス層11aから密度が小さい最表面のセラミ
ックス層11eに向けて、複数のセラミックス層の密度
を順に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用のパッケ
ージ基体や回路基板等に用いられる多層セラミックス基
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体素子のパッケージングに
は、プラスチックパッケージ、メタルパッケージ、セラ
ミックスパッケージが使用されている。これらのうち、
セラミックスパッケージは、優れた絶縁性、放熱性、耐
湿性等を有することから、コンピュータの演算部に用い
るCMOSゲートアレイやECLゲートアレイ等のパッ
ケージングに使用されている。
【0003】ところで、近年、半導体素子の 1素子当り
の入出力信号数は、素子の高集積化により増加する傾向
にあると共に、半導体素子からの発熱量も増大する傾向
にある。このようなことから、半導体用パッケージに対
しては、入出力信号数の増加への対応を図ると共に、放
熱性を高めることが強く望まれている。このようなこと
から、多端子化に対応可能であると共に、放熱性に優れ
るセラミックス製のPGA(Pin Grid Array)パッケージ
やBGA(Ball Grid Array)パッケージが注目されてい
る。これらは半導体用パッケージとして代表的なDIP
(Dual In-linePackage)やQFP(Quad Flat Package)
に代って使用されつつある。
【0004】上述したようなセラミックス製のPGAや
BGAのパッケージ基体には、通常、多層セラミックス
基板が用いられており、この多層セラミックス基板との
同時焼成により形成した内部配線、すなわちビアホール
内に充填された導電材料およびセラミックス層上に形成
された内層配線を用いて信号配線を取り回すと共に、搭
載された半導体チップとプリント基板等の実装ボードと
の電気的な接続が行われる。
【0005】上記した半導体用パッケージ等に用いられ
る多層セラミックス基板は、通常、以下のようにして作
製されている。すなわち、所定枚数のセラミックスグリ
ーンシートを用意し、これらセラミックスグリーンシー
トにビアホールを形成した後、タングステン等の高融点
金属を含むメタライズペーストをビアホール内に充填す
ると共に、セラミックスグリーンシート上にメタライズ
ペーストを表面印刷する。これら複数枚のセラミックス
グリーンシートを積層し、この積層体に加熱下で加圧処
理を施して圧着体を作製する。この後、圧着体を焼結す
ることによって、多層セラミックス基板が得られる。
【0006】この際、セラミックスグリーンシートは単
一の厚さのものが主として用いられている。なお、数種
類の厚さのセラミックスグリーンシートを用いる場合も
あるが、これはパッケージ等の厚さ方向の寸法精度を確
保するためや、電気特性の向上を図るためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
多層セラミックス基板は、焼結時に反りが発生しやすい
という問題を有していた。この反りは、主としてセラミ
ックス材料と内部配線材料との焼成時の収縮挙動が異な
ることや、焼成中にセッタに面している側とガス雰囲気
に晒されている側との間で収縮挙動が異なること等に起
因して生じるものである。従来のセラミックスグリーン
シートの層構成は、厚さや密度が同一のものが主体であ
り、上述したような反りは内部配線材料や焼成条件の最
適化等で抑制することが行われてきたが、十分な効果は
得られておらず、焼成後に反り直しの熱処理を行うこと
が一般的であった。
【0008】このように、従来の多層セラミックス基板
においては、セラミックスグリーンシート自体に由来す
る反りの発生を抑制することが課題とされていた。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、焼成時おける反りの発生を抑制した
多層セラミックス基板およびその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の多
層セラミックス基板は、請求項1に記載したように、焼
成により多層一体化された複数のセラミックス層を有す
る多層セラミックス基板であって、少なくとも一方の最
表面に位置するセラミックス層の厚さが他方の最表面に
位置するセラミックス層の厚さより大きいことを特徴と
している。
【0011】本発明の多層セラミックス基板は、特に請
求項2に記載したように、前記厚さが大きい最表面のセ
ラミックス層から前記厚さが小さい最表面のセラミック
ス層に向けて、前記複数のセラミックス層の厚さが順に
変化していることを特徴としている。
【0012】本発明の第2の多層セラミックス基板は、
請求項3に記載したように、焼成により多層一体化され
た複数のセラミックス層を有する多層セラミックス基板
であって、少なくとも一方の最表面に位置するセラミッ
クス層の密度が他方の最表面に位置するセラミックス層
の密度より大きいことを特徴としている。
【0013】また、本発明における第1の多層セラミッ
クス基板の製造方法は、請求項4に記載したように、複
数枚のセラミックスグリーンシートを 1枚ごとに積層と
加圧を繰り返し行って、厚さを順に変化させた前記複数
枚のセラミックスグリーンシートの圧着体を作製する工
程と、前記圧着体を厚さが小さい側が焼成治具上に位置
するように配置し、所定のガス雰囲気中で焼成する工程
とを有することを特徴としている。
【0014】本発明の第2の多層セラミックス基板の製
造方法は、請求項5に記載したように、密度が異なる複
数枚のセラミックスグリーンシートを、密度が順に変化
するように積層し、この積層物を加圧して前記複数枚の
セラミックスグリーンシートの圧着体を作製する工程
と、前記圧着体を密度が大きい側が焼成治具上に位置す
るように配置し、所定のガス雰囲気中で焼成する工程と
を有することを特徴としている。
【0015】セラミックスグリーンシートの圧着体を焼
成する場合、焼成中のガス雰囲気はセッタ近傍位置(例
えばセッタに接する部分)とセッタから離れた位置(例
えば焼成雰囲気に直接晒されている部分)とでは、セッ
タ材質の蒸気圧等により僅かながら違いが生じる。これ
は焼結助剤の揮散や還元等の化学反応に影響を及ぼす。
一般的には、焼成時にセッタから離れた位置の方がセッ
タ近傍位置より実効的な焼結助剤量が少なくなり、収縮
量が小さくなる。
【0016】すなわち、従来の多層セラミックス基板で
は、図2(a)に示すように、セラミックスグリーンシ
ートの圧着体1において、焼成治具としてのセッタ2か
ら離れた位置のグリーンシート層(すなわち上面側のグ
リーンシート層)1bの方がセッタ2近傍位置のグリー
ンシート層(すなわち下面側のグリーンシート層)1a
より焼成時の収縮量が小さくなる(なお、図中実線矢印
は収縮量を表している)ため、図2(b)に示すよう
に、焼成後に得られる多層セラミックス基板3は上方に
対して凸に反ることになる。
【0017】これに対して、本発明の多層セラミックス
基板は、少なくとも一方の最表面に位置するセラミック
ス層の密度が他方の最表面に位置するセラミックス層の
密度より大きい。そして、このような関係が少なくとも
得られるように、セラミックスグリーンシートの圧着体
におけるグリーンシート層の密度を制御することによっ
て、焼成後の多層セラミックス基板の反りを防止するこ
とができる。
【0018】すなわち、例えば図1(a)に示すよう
に、セラミックスグリーンシートの圧着体1において、
セッタ2近傍位置のグリーンシート層(すなわち下面側
のグリーンシート層)1aの密度d′1 をセッタ2から
離れた位置のグリーンシート層(すなわち上面側のグリ
ーンシート層)1bの密度d′2 より大きく設定する
(d′1 >d′2 )ことによって、焼成中のガス雰囲気
の違いに伴う収縮量の差(図中実線矢印で示す)は従来
と同様であっても、密度が小さいグリーンシート層1b
の方が密度が大きいグリーンシート層1aより収縮量が
大きくなるため、このグリーンシート層1a、1bの密
度差に伴う収縮量の差(図中破線矢印で示す)によっ
て、ガス雰囲気の違いに伴う収縮量の差を相殺すること
ができる。このような密度差は、グリーンシート層の厚
さを変えることで容易に得ることができる。その結果と
して、例えばセッタ2近傍位置のセラミックス層3aの
密度d1がセッタ2から離れた位置のセラミックス層3
bの密度d2 より大きい(d1 >d2 )多層セラミック
ス基板3では、反りを抑制することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施するための形
態について図面を参照しながら説明する。
【0020】図3は、本発明の多層セラミックス基板の
一実施形態を示す図である。同図に示す多層セラミック
ス基板11は、焼成により多層一体化された複数のセラ
ミックス層、例えば 5層のセラミックス層11a、11
b、11c、11d、11eから構成されている。
【0021】なお、図3では 5層のセラミックス層によ
り構成された多層セラミックス基板11を示したが、本
発明の多層セラミックス基板は特にセラミックス層の層
数に限定されるものではなく、 2層以上の複数のセラミ
ックス層を有するものであればよい。また、多層セラミ
ックス基板11の材質は特に限定されるものではなく、
例えば酸化アルミニウムのような酸化物系セラミックス
から窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の非酸化物系セラ
ミックスまで種々のセラミックス材質を適用することが
可能である。
【0022】上記多層セラミックス基板11は、下側最
表面に位置する第1のセラミックス層11aから上側最
表面に位置する第5のセラミックス層11eに向けて、
順に厚さが厚くなっていると共に、これらの密度は逆に
順に小さくなっている。すなわち、下側最表面に位置す
る第1のセラミックス層11aの密度D1 が最大で、上
側最表面に位置する第5のセラミックス層11eの密度
5 が最小とされていると共に、下側最表面に位置する
第1のセラミックス層11aの厚さt1 が最小で、最表
面に位置する第5のセラミックス層11eの厚さt5
最大とされている。これらの間に位置する第2、第3お
よび第4セラミックス層1b、11c、11dの密度D
2 、D3 、D4 および厚さt2 、t3 、t4 は、D1
2 >D3 >D4 >D5 およびt1 <t2 <t3 <t4
<t5 の関係を満足している。
【0023】多層セラミックス基板11を構成する複数
のセラミックス層11a、11b、11c、11d、1
1eの密度および厚さが、上記したような関係を満足す
ることによって、前述したように反りの発生が抑制され
る。なお、上述したように、各セラミックス層の密度お
よび厚さを順に変化させることが望ましいが、反りの発
生に与える影響が大きい最表面に位置する 2つのセラミ
ックス層11a、11eの密度を制御することによって
も、反りの発生を抑制することができる。
【0024】上述した多層セラミックス基板11の製造
方法を図4を参照して説明しながら、反りの発生抑制に
ついて詳述する。
【0025】まず、複数のセラミックス層11a、11
b、11c、11d、11eとなる複数枚(ここでは 5
枚)のセラミックスグリーンシートを用意する。この
際、図4に示す製造方法で用意する複数枚のセラミック
スグリーンシート12は、密度および厚さが同一のもの
でよい。なお、ここで言うセラミックスグリーンシート
とは、適量の焼結助剤を含むセラミックス原料粉末を、
適量の有機バインダや有機溶剤と共に混合し、これをド
クターブレード法等の公知の成形方法でシート状に成形
したものである。
【0026】そして、 1枚目のセラミックスグリーンシ
ート12aを積層治具13上に配置し、例えば熱板プレ
ス14で加熱しつつ加圧する(図4(a))。次いで、
加熱・加圧した 1枚目のセラミックスグリーンシート1
2a上に、 2枚目のセラミックスグリーンシート12b
を配置し、同様に熱板プレス14で加熱しつつ加圧する
(図4(b))。この際、 1枚目のセラミックスグリー
ンシート12aは 2度目の加圧を受けることになるた
め、 2枚目のセラミックスグリーンシート12bより厚
さが薄く、かつ密度が大きくなる。
【0027】次に、同様に加熱・加圧した 2枚のセラミ
ックスグリーンシート12a、12b上に、 3枚目のセ
ラミックスグリーンシート12cを配置し、同様に熱板
プレス14で加熱しつつ加圧する(図4(c))。この
際、 1枚目のセラミックスグリーンシート12aは 3度
目の加圧を、また 2枚目のセラミックスグリーンシート
12bは 2度目の加圧を受けることになるため、 3枚目
のセラミックスグリーンシート12cから 1枚目のセラ
ミックスグリーンシート12aに向けて、厚さは順に薄
くなり、かつ密度は逆に順に大きくなる。このような工
程を必要枚数のセラミックスグリーンシートに対して順
に行うことによって、最終的に最上部のセラミックスグ
リーンシート12eから最下部のセラミックスグリーン
シート12aに向けて、厚さが順に薄く、かつ密度が順
に大きいグリーンシート圧着体12が得られる(図4
(d))。
【0028】図4は 5枚のセラミックスグリーンシート
を 1枚ごとに積層と加圧を繰り返す工程を示しているた
め、グリーンシート圧着体12の密度と厚さは以下のよ
うな関係を満足する。すなわち、 1枚目のセラミックス
グリーンシート(第1のグリーンシート層)12aの厚
さをt′1 、密度をD′1 とし、同様に 2枚目、 3枚
目、 4枚目、 5枚目のセラミックスグリーンシート(第
2、第3、第4および第5のグリーンシート層)12
b、12c、12d、12eの厚さをt′2 、t′3
t′4 、t′5 、密度をD′2 、D′3 、D′4 、D′
5 とした場合、t′1 <t′2 <t′3 <t′4 <t′
5 で、D′1 >D′2 >D′3 >D′4 >D′5 の関係
を満足するグリーンシート圧着体12となる。
【0029】このようなグリーンシート圧着体12を、
密度が一番大きく、かつ厚さが一番薄い第1のグリーン
シート層12aがセッタ等の焼成治具上に位置するよう
に配置して、所定のガス雰囲気中で焼成する。この際、
前述したように、焼成ガス雰囲気に直接晒される最上層
の第5のグリーンシート層12eと、セッタ上に配置さ
れる最下層の第1のグリーンシート層12aとでは、周
囲の雰囲気等が異なることから、焼結助剤の揮散や還元
等の化学反応に違いが生じる。このため、セッタ上の第
1のグリーンシート層12aから焼成ガス雰囲気に直接
晒される第5のグリーンシート層12eに向けて順に、
実効的な焼結助剤量が少なくなり、収縮量はほぼその順
に小さくなる。
【0030】一方、各グリーンシート層12a、12
b、12c、12d、12eの密度は、上述したように
セッタ上の第1のグリーンシート層12aから焼成ガス
雰囲気に直接晒される第5のグリーンシート層12eに
向けて順に小さくなっているため、このグリーンシート
層の密度に伴う収縮量は、第1のグリーンシート層12
aから第5のグリーンシート層12eに向けて順に大き
くなる。従って、上記した周囲雰囲気の違いに伴う収縮
量の差が密度差に伴う収縮量の差により相殺され、結果
的に得られる多層セラミックス基板11の反りが抑制さ
れる。各グリーンシート層の密度および厚さは、焼成時
のガス雰囲気やガス圧等の焼成条件の違いに伴う収縮量
の差を相殺もしくは緩和し得るように設定するものとす
る。
【0031】上述したように、 3層以上のグリーンシー
ト層を有するグリーンシート圧着体を焼成する場合に
は、各グリーンシートの密度を順に変化させることが好
ましい。これは、各グリーンシート層間の密度差があま
り大きいと、焼成中に応力が加わることによって、割れ
や層間剥離等が生じやすくなるためである。このグリー
ンシート層間の密度差の 1〜8%の範囲であることが好ま
しい。また、上述したような順次積層・加圧を行う場合
の板厚差は、同様な理由から加圧後で 1〜 20%の範囲と
することが好ましい。
【0032】なお、上述した例では複数のセラミックス
層の厚さを順に変化させた多層セラミックス基板につい
て説明したが、例えばグリーンシート圧着体の収縮量に
実質的に影響を及ぼさないような薄い層であれば例外的
に介在していてもよい。すなわち、本発明の多層セラミ
ックス基板の好ましい形態は、焼成時の収縮量に実質的
に影響を及ぼす複数のセラミックス層の厚さが順に変化
したものと言うことができる。なお、密度についても同
様である。
【0033】図3では多層セラミックス基板11の各セ
ラミックス層のみを図示したが、実際には例えば図5に
示すように、多層セラミックス基板11は導電材料が充
填されたビアホールやセラミックス層上に形成された内
部配線層等からなる内部配線を有しており、多層セラミ
ックス回路基板として使用される。多層セラミックス回
路基板は、セラミックスグリーンシートを積層、加圧す
る前に、ビアホールの形成、ビアホール内へのメタライ
ズペーストの充填、セラミックスグリーンシート上への
メタライズペーストの表面印刷等を行うと共に、セラミ
ックスグリーンシートおよびメタライズペーストを同時
焼成することによって得られる。
【0034】図5は、図3に示した多層セラミックス基
板11を基本とする多層セラミックス回路基板を、パッ
ケージ基体として用いた半導体パッケージ15の構成を
示すものである。図5を参照して、本発明の多層セラミ
ックス基板の具体的な使用例である半導体パッケージ1
5について説明する。なお、多層セラミックス基板11
の基本的な構成は重複するため省略する。
【0035】すなわち、多層セラミックス基板11の内
部には、導電材料が充填されたビアホール16や信号配
線等を引き回すための所定の配線パターンを有する内部
配線層17等が設けられており、これらによって内部配
線18が構成されている。この内部配線18の一方の端
部は、多層セラミックス基板11の表面側(上面側)に
設けられた半導体チップ19との接続パッド20と電気
的に接続されており、他方の端部は多層セラミックス基
板11の裏面側(下面側)に設けられた電極パッド21
と電気的に接続されている。なお、このような内部配線
18を有する多層セラミックス基板11は、例えば基板
自体(各セラミックス層)と内部配線18等となる導電
性物質とを同時焼成することにより作製される。
【0036】上述した電極パッド21には、外部接続端
子となるバンプ端子22がそれぞれ接合されている。そ
して、多層セラミックス基板11の表面側に半導体チッ
プ19が接合搭載され、この半導体チップ19の電極と
接続パッド20とをボンディングワイヤ23で電気的に
接続することによって、半導体パッケージ15が構成さ
れる。なお、図示を省略したが、半導体チップ19は例
えばセラミックス製リッドや金属製リッド等で気密封止
される。
【0037】なお、図5では本発明の多層セラミックス
基板をBGA用のパッケージ基体に適用した例を示した
が、本発明の多層セラミックス基板はPGA等の他の半
導体パッケージ用基体や、さらには半導体実装用多層回
路基板、MCM用多層回路基板等、種々の基板として利
用することができる。また、平板型の多層セラミックス
基板に限らず、キャビティを有する多層セラミックス基
板等に本発明を適用することも可能である。
【0038】次に、本発明の多層セラミックス基板の他
の実施形態について、図6を参照して説明する。
【0039】図6に示す多層セラミックス基板24は、
ほぼ同一厚の複数のセラミックス層24a、24b、2
4c、24d、24eを有しているが、これらのセラミ
ックス層の密度は、下側最表面に位置する第1のセラミ
ックス層24aから上側最表面に位置する第5のセラミ
ックス層24eに向けて順に小さくなるように設定され
ている。
【0040】すなわち、例えばバインダ組成やバインダ
量を制御することによって、密度が異なる所望枚数のセ
ラミックスグリーンシートを用意し、これらを密度が順
に変化するように積層した後、一括して加熱しつつ加圧
する。このようにして得られるグリーンシート圧着体
は、厚さはほぼ一定であるものの、密度に関しては前述
した実施形態と同様に、最下層のセラミックスグリーン
シートから最上層のセラミックスグリーンシートに向け
て順に小さくなる。従って、このようなグリーンシート
圧着体を焼成することによって、前述した実施形態と同
様に、密度が順に変化した多層セラミックス基板が得ら
れると共に、反りに関しても同様に抑制することができ
る。なお、各グリーンシート層間(およびセラミックス
層間)の密度差は前述した実施形態と同様とすることが
好ましい。
【0041】
【実施例】次に、本発明の多層セラミックス基板の具体
的な実施例について説明する。
【0042】実施例1 まず、焼結助剤として Y2 O 3 粉末を 3〜 7重量% 程度
含む窒化アルミニウム粉末を用意し、これに所定量のア
クリル系バインダとトルエンおよびn-ブタノールを主成
分とする有機溶剤を加えて解砕および混合し、所定性状
の窒化アルミニウムスラリーを調製した。
【0043】次いで、上記窒化アルミニウムスラリーを
用いて、ドクターブレード装置で均一厚の窒化アルミニ
ウムグリーンシートを成形した。なお、グリーンシート
の密度は 2.07g・cm-3であった。この窒化アルミニウム
グリーンシートにビアホールを形成すると共に、ビアホ
ールへの Wペーストの充填および Wペーストによる配線
印刷を行った。
【0044】次に、上記窒化アルミニウムグリーンシー
トを用いて、図4に示した工程でグリーンシート圧着体
を作製した。すなわち、まず 1枚目の窒化アルミニウム
グリーンシートを積層治具上に配置して熱板プレスし
た。続いて、各窒化アルミニウムグリーンシートを 1枚
置くごとに熱板プレスして、最上部のセラミックスグリ
ーンシートから最下部のセラミックスグリーンシートに
向けて、厚さが順に薄く、かつ密度が順に大きい、 5層
構造のグリーンシート圧着体を得た。このグリーンシー
ト圧着体において、各グリーンシート層の密度は下から
順に2.25、2.23、2.19、2.15、2.11(g・cm-3)であり、
また厚さは下から順に0.22、0.23、0.24、0.25、0.27(m
m)であった。
【0045】上述したグリーンシート圧着体を焼成後の
寸法が25×25mmとなるように切断し、脱脂処理を行った
後、窒素雰囲気中で 2073K× 4時間、 2123K× 4時間、
2173K× 4時間の各条件でそれぞれ焼成した。このよう
にして得た半導体パッケージ用の各多層窒化アルミニウ
ム基板の反り量は、それぞれ34μm 、38μm 、45μmで
あった。また、焼成後の多層窒化アルミニウム基板にお
ける各窒化アルミニウム層の密度および厚さは、下から
順に0.18、0.19、0.20、0.20、0.22(mm)であった。
【0046】実施例2 上記実施例1と同様に窒化アルミニウムスラリーを調合
するにあたり、バインダ組成を変えることで、密度が異
なる 3枚の窒化アルミニウムグリーンシートを作製し
た。なお、これら窒化アルミニウムグリーンシートの密
度は、それぞれ2.02、2.07、2.13(g・cm-3)とし、また
厚さは0.30mmで一定とした。
【0047】次いで、上記各窒化アルミニウムグリーン
シートに、実施例1と同様に、ビアホール形成、ビアホ
ールへの Wペーストの充填および Wペーストによる配線
印刷を行った後、下側から上側に向けて順に密度が小さ
くなるように、 3枚の窒化アルミニウムグリーンシート
を積層した。そして、この積層物に一括して熱板プレス
を行ってグリーンシート圧着体を得た。
【0048】上述したグリーンシート圧着体を実施例1
と同寸法に切断し、脱脂処理を行った後、実施例1とそ
れぞれ同一条件で焼成した。このようにして得た各多層
窒化アルミニウム基板の反り量は、それぞれ39μm 、43
μm 、51μm であった。
【0049】比較例1 上記実施例2において、用いる窒化アルミニウムグリー
ンシートの密度および厚さを全て同一(2.07g・cm-3)と
する以外は、同一条件でグリーンシート圧着体を作製
し、これを同一条件で焼成して、それぞれ多層窒化アル
ミニウム基板を作製した。これら各多層窒化アルミニウ
ムの基板の反り量は、それぞれ 105μm 、119μm 、 13
0μm であった。
【0050】上記実施例1、2および比較例1による結
果を表1にまとめて示す。
【0051】
【表1】 表1に示した反り量の測定結果から明らかなように、焼
成後の窒化アルミニウム層の密度を順に変化させた各実
施例による多層窒化アルミニウム基板は、いずれも反り
量が比較例に比べて減少しており、本発明による反りの
抑制効果が確認された。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層セラ
ミックス基板によれば、焼成時における反りの発生が抑
制されるため、反り直し熱処理等に伴う工数や割れ等の
削減を図ることができる。従って、健全な多層セラミッ
クス基板を低コストで提供することが可能となる。ま
た、本発明の多層セラミックス基板の製造方法によれ
ば、上述した健全な多層セラミックス基板を再現性よく
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多層セラミックス基板の焼成時にお
ける収縮挙動を説明するための図である。
【図2】 従来の多層セラミックス基板の焼成時におけ
る収縮挙動を説明するための図である。
【図3】 本発明の多層セラミックス基板の一実施形態
を示す断面図である。
【図4】 図3に示す多層セラミックス基板の製造工程
例を示す図である。
【図5】 図3に示す多層セラミックス基板を用いて構
成した半導体パッケージを示す断面図である。
【図6】 本発明の多層セラミックス基板における他の
実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
11、24……多層セラミックス基板 11a〜11e、24a〜24e……セラミックス層 12……グリーンシート圧着体 12a〜12e……セラミックスグリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 H01L 23/12 P

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成により多層一体化された複数のセラ
    ミックス層を有する多層セラミックス基板であって、少
    なくとも一方の最表面に位置するセラミックス層の厚さ
    が他方の最表面に位置するセラミックス層の厚さより大
    きいことを特徴とする多層セラミックス基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層セラミックス基板に
    おいて、 前記厚さが大きい最表面のセラミックス層から前記厚さ
    が小さい最表面のセラミックス層に向けて、前記複数の
    セラミックス層の厚さが順に変化していることを特徴と
    する多層セラミックス基板。
  3. 【請求項3】 焼成により多層一体化された複数のセラ
    ミックス層を有する多層セラミックス基板であって、少
    なくとも一方の最表面に位置するセラミックス層の密度
    が他方の最表面に位置するセラミックス層の密度より大
    きいことを特徴とする多層セラミックス基板。
  4. 【請求項4】 複数枚のセラミックスグリーンシートを
    1枚ごとに積層と加圧を繰り返し行って、厚さを順に変
    化させた前記複数枚のセラミックスグリーンシートの圧
    着体を作製する工程と、 前記圧着体を厚さが小さい側が焼成治具上に位置するよ
    うに配置し、所定のガス雰囲気中で焼成する工程とを有
    することを特徴とする多層セラミックス基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 密度が異なる複数枚のセラミックスグリ
    ーンシートを、密度が順に変化するように積層し、この
    積層物を加圧して前記複数枚のセラミックスグリーンシ
    ートの圧着体を作製する工程と、 前記圧着体を密度が大きい側が焼成治具上に位置するよ
    うに配置し、所定のガス雰囲気中で焼成する工程とを有
    することを特徴とする多層セラミックス基板の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009016862A1 (ja) * 2007-07-30 2009-02-05 Kyocera Corporation 複合基板および複合基板を用いた機能デバイス、並びに複合基板および機能デバイスの製造方法
JPWO2016047702A1 (ja) * 2014-09-24 2017-04-27 京セラ株式会社 電子部品搭載用基板およびそれを用いた発光装置
US20190099245A1 (en) * 2013-07-22 2019-04-04 Ivoclar Vivadent Ag Controlling of sintering kinetics of oxide ceramics

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