JP3511615B2 - 冊子の頁捲り方法及びその装置 - Google Patents

冊子の頁捲り方法及びその装置

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JP3511615B2 JP29341996A JP29341996A JP3511615B2 JP 3511615 B2 JP3511615 B2 JP 3511615B2 JP 29341996 A JP29341996 A JP 29341996A JP 29341996 A JP29341996 A JP 29341996A JP 3511615 B2 JP3511615 B2 JP 3511615B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冊子の頁捲り方法
及びその装置にかかり、更に詳しくは、例えば並製本さ
れた冊子の所定の紙葉に印刷を施す時に、冊子をプリン
タの所定の場所に自動的に給送してセットし、この冊子
の表紙及び本文頁を自動的に捲ることができるようにし
た冊子の頁捲り方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、パンフレット等に相当す
る冊子の所定の紙葉に印刷を施す場合は、冊子を手作業
によりプリンタの所定の箇所にセットし、しかる後、手
作業により表紙を開いたり、本文頁を捲ることで所定の
紙葉に必要な印刷をプリンタで施すようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来における冊子の捲り方式では、冊子の給送か
ら表紙及び本文頁の捲り操作を全て手作業で行っている
ため、冊子のセット及び捲り作業が煩雑になり、その作
業効率も低いほか、熟練を要するという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、本発明の目
的は、冊子載置部にセットされた冊子の表紙または本文
頁の捲りを自動化することにより、煩雑な手作業をなく
し、効率のよい正確な冊子の頁捲りを可能にした冊子の
頁捲り方法及びその装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、製本された冊子の表紙または本文頁を捲つ
て印刷を施す時などに使用される冊子の頁捲り方法であ
って、前記冊子を、該冊子の表表紙あるいは裏表紙の一
方を下方に向け、かつ背を送り方向に向けた状態で冊子
載置部上の所定位置へ移送する第1の工程と、前記冊子
載置部上に移送された冊子の小口を保持する第2の工程
と、前記保持された冊子の表表紙あるいは裏表紙の他方
または本文頁を枚葉毎に捲って前記冊子載置部上に平面
状に展開する第3の工程と、前記冊子載置部上で展開さ
れた表紙または本文頁の小口を保持する第4の工程とを
備え、前記第3の工程は、前記冊子の背に平行させた頁
捲りローラを該頁捲りローラと接する表紙または本文頁
が小口から背方向に移動される方向に回転させながら冊
子に接触させ、かつ該頁捲りローラを冊子の小口から背
方向に移動させることにより表紙または本文頁を頁捲り
ローラの上方へ移行させる工程と、この頁捲りローラを
冊子の背を中心にして小口と反対の方向に移動させるこ
とにより前記捲りローラの上方へ移行させた表紙または
本文頁を背を中心にして開き、かつ頁捲りローラを前記
開かれた表紙または本文頁が伸ばされる方向に回転させ
つつ該表紙または本文頁を冊子載置部上に押し付けなが
ら該表紙または本文頁の背側から小口方向に移動するこ
とで表紙または本文頁を冊子載置部上に平面状に展開す
る工程とを備えることを特徴とする。
【0005】また本発明は、前記第3の工程が、前記表
紙または本文頁を頁捲りローラの上方へ移行させた後の
頁捲りローラを上方に移動させることにより、前記捲り
ローラの上方へ移行させた表紙または本文頁を立ち上げ
る工程と、この工程を経過した後頁捲りローラを冊子の
背を中心にして小口と反対の方向に移動させることによ
り、前記立ち上げた表紙または本文頁を冊子の背を中心
にして小口と反対の方向に傾倒させ、かつ該頁捲りロー
ラを冊子載置部に接する方向に移動して前記傾倒された
表紙または本文頁を冊子載置部上に押し付ける工程を更
に備えることを特徴とする。また本発明は、前記頁捲り
ローラが表紙または本文頁を立ち上げる位置に移動した
時に該頁捲りローラを表紙または本文頁が小口から背方
向に移動される方向と逆の方向に回転させ、かつ冊子載
置部上の冊子の上面に接触する位置まで移動することに
より、前記立ち上げた表紙または本文頁の裏面に付着す
る余分の本文頁を前記立ち上げた表紙または本文頁から
剥離し、該余分の本文頁を冊子載置部上の冊子に捲り返
す工程を更に備えることを特徴とする。
【0006】本発明は、製本された冊子の表紙または本
文頁を捲つて印刷を施す時などに使用される冊子の頁捲
り装置であって、前記冊子が、表表紙あるいは裏表紙の
一方を下方に向け、かつ、その中央に背を向けて載置さ
れ、背を基準にして冊子を水平に位置決めする冊子載置
部と、前記冊子載置部上に載置された冊子の小口をクラ
ンプする第1のクランプ手段と、前記クランプされた冊
子の表表紙あるいは裏表紙の他方または本文頁を枚葉毎
に捲って前記冊子載置部上に平面状に展開する頁捲り手
段と、前記冊子載置部上で平面状に展開された表紙また
は本文頁の小口をクランプする第2のクランプ手段とを
備え、前記頁捲り手段は、前記冊子の背に平行して配置
された頁捲りローラと、前記頁捲りローラを正逆転させ
ると共に頁捲りローラを前記冊子載置部上で上下方向及
び水平方向に移動させる捲りローラ駆動手段とを備え、
前記ローラ駆動手段は、前記頁捲りローラを前記冊子載
置部上の冊子の小口側上面と接触させた状態で該頁捲り
ローラを該頁捲りローラと接する表紙または本文頁が小
口から背方向に移動される方向に回転させながら冊子の
小口から背方向に移動させることにより表紙または本文
頁を頁捲りローラの上方へ移行させ、この移動位置から
頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口と反対の方向
に移動させることにより前記頁捲りローラの上方へ移行
させた表紙または本文頁を背を中心にして開き、かつ該
頁捲りローラを前記開かれた表紙または本文頁が伸ばさ
れる方向に回転させつつ該表紙または本文頁を冊子載置
部上に押し付けながら該表紙または本文頁の背側から小
口方向に移動させることにより表紙または本文頁を冊子
載置部上に展開させるように構成されていることを特徴
とする。
【0007】また本発明は、前記頁捲りローラの表面
が、冊子の表紙または本文頁に対して摩擦抵抗の大きい
部材により構成されるものである。また本発明は、前記
捲りローラ駆動手段が、前記表紙または本文頁が頁捲り
ローラの上方へ移行された後の頁捲りローラを上方へ移
動させることにより、前記捲りローラの上方へ移行させ
た表紙または本文頁を立ち上げ、この立ち上げ位置から
頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口と反対の方向
に移動させることにより、前記立ち上げた表紙または本
文頁を冊子の背を中心にして小口と反対の方向に傾倒さ
せ、かつ該頁捲りローラを冊子載置部に接する方向に移
動して前記傾倒された表紙または本文頁を冊子載置部上
に押し付けるように動作される構成になっていることを
特徴とする。また本発明は、前記捲りローラ駆動手段
が、前記頁捲りローラが表紙または本文頁を立ち上げる
位置に移動した時に該頁捲りローラを表紙または本文頁
が小口から背方向に移動される方向と逆の方向に回転さ
せ、かつ冊子載置部上の冊子の上面に接触する位置まで
移動させることにより、前記立ち上げた表紙または本文
頁の裏面に付着する余分の本文頁を前記立ち上げた表紙
または本文頁から剥離し、該余分の本文頁を冊子載置部
上の冊子に捲り返すように動作される構成になっている
ことを特徴とする。また本発明は、前記頁捲り手段が、
前記頁捲りローラの上方に位置して前記冊子載置部上に
載置された冊子の小口から背方向及び表紙または本文頁
の展開方向に沿って平行に配設された頁押え手段を更に
備え、前記頁捲りローラが表紙または本文頁を立ち上げ
る位置に移動されたときに、前記立ち上げた表紙または
本文頁の一部を前記頁捲りローラと前記頁押え手段で一
時的に挟持する構成になっていることを特徴とする。ま
た本発明は、前記頁押え手段が、前記冊子載置部の両端
の上方に配設した一対のガイドローラと、この両ガイド
ローラ間に走行可能に巻き掛けられた無端状のベルトか
ら構成されるものである。また本発明は、前記捲りロー
ラ駆動手段が、前記冊子載置部上に載置された冊子の小
口から背方向及び表紙または本文頁の展開方向に沿って
平行に移動可能に配置された可動部材と、前記可動部材
を移動させる駆動手段と、前記可動部材に前記頁捲りロ
ーラの水平状態を保持しつつ頁捲りローラを前記冊子載
置部上の冊子に対して離接する方向に移動可能に支持す
るとともに頁捲りローラを回転可能に支持するアーム
と、前記可動部材に配設され前記頁捲りローラを正逆転
させるローラ駆動手段と、前記ローラ駆動手段の回転を
前記頁捲りローラに伝達する回転伝達手段と、前記可動
部材に配設され前記アームを前記頁捲りローラが冊子載
置部上の冊子に対して離接される方向に揺動させるアー
ム駆動手段とを備えてなるものである。また本発明は、
前記冊子載置部が、前記冊子の背と係合することにより
該冊子を冊子載置部上に位置決めする出没可能なストッ
パを有し、前記ストッパは冊子載置部から突出する方向
に付勢されているものである。また本発明は、前記第1
のクランプ手段が、冊子の小口をクランプする揺動可能
なクランプ部材と、前記クランプ部材を、前記冊子の小
口をクランプするクランプ位置とこのクランプ位置から
退避する位置に揺動させる駆動手段とを備えてなるもの
である。また本発明は、前記第2のクランプ手段が、前
記平面状に展開された表紙及び本文頁の小口をクランプ
する揺動可能なクランプ部材と、前記クランプ部材を、
前記平面状に展開された表紙及び本文頁の小口をクラン
プするクランプ位置とこのクランプ位置から退避する位
置に揺動させる駆動手段とを備えてなるものである。ま
た本発明は、前記冊子を1冊ずつ前記冊子載置部上へ移
送する冊子移送手段を更に備えるものである。また本発
明は、前記冊子移送手段が、前記冊子分離手段により送
り出された冊子を両面から挟持しながら前記冊子載置部
へ送り出す少なくとも一対の回転ローラから構成される
ものである。また本発明は、前記冊子を該冊子の背側が
揃えられた水平状態で上下方向に積層して収納する冊子
収納部と、前記冊子収納部の下部または上部に配設さ
れ、前記冊子収納部に収納された最下層または最上層に
位置する冊子を1冊ずつ分離して前記冊子移送手段側へ
送り出す冊子分離手段を更に備えるものである。
【0008】本発明においては、冊子載置部上に移送さ
れた冊子の小口を第1のクランプ手段により保持した
後、冊子の背に平行させた頁捲りローラを表紙または本
文頁が小口から背方向に移動される方向に回転させなが
ら冊子に接触させ、かつこの頁捲りローラを冊子の小口
から背方向に移動させることにより表紙または本文頁を
頁捲りローラの上方へ移行させ、さらに、この頁捲りロ
ーラを冊子の背を中心にして小口と反対の方向に移動さ
せることにより、頁捲りローラの上方へ移行させた表紙
または本文頁を背を中心にして開き、かつ頁捲りローラ
を開かれた表紙または本文頁が伸ばされる方向に回転さ
せつつ該表紙または本文頁を冊子載置部上に押し付けな
がら該表紙または本文頁の背側から小口方向に移動する
ことで表紙または本文頁を冊子載置部上に平面状に展開
し、この展開された表紙または本文頁の小口を第2のク
ランプ手段により保持する。よって、本発明によれば、
冊子の表紙または本文頁を自動的に捲ることができると
ともに、煩雑な手作業が不要になり、効率のよい正確な
冊子の頁捲りが可能になる。
【0009】また本発明においては、表紙または本文頁
が頁捲りローラの上方へ移行された後の頁捲りローラを
上方へ移動させて表紙または本文頁を立ち上げ、この立
ち上げ位置から頁捲りローラを冊子の背を中心にして小
口と反対の方向に移動させることにより、立ち上げた表
紙または本文頁を冊子の背を中心にして小口と反対の方
向に傾倒させ、さらに頁捲りローラを冊子載置部に接す
る方向に移動して、傾倒された表紙または本文頁を冊子
載置部上に押し付けることで、冊子載置部上への表紙ま
たは本文頁の展開を確実にする。また本発明において
は、頁捲りローラが表紙または本文頁を立ち上げる位置
に移動した時に、この頁捲りローラを表紙または本文頁
が小口から背方向に移動される方向と逆の方向に回転さ
せ、かつ冊子載置部上の冊子の上面に接触する位置まで
移動させることにより、立ち上げた表紙または本文頁の
裏面に付着する余分の本文頁を立ち上げた表紙または本
文頁から剥離し、この余分の本文頁を冊子載置部上の冊
子に捲り返すことができる。
【0010】また本発明においては、頁捲りローラが表
紙または本文頁を立ち上げる位置に移動されたときに、
この立ち上げた表紙または本文頁の一部を頁捲りローラ
と頁押え手段で一時的に挟持し、この挟持状態で頁捲り
ローラを回転することにより、立ち上げた表紙または本
文頁の展開方向への傾倒を確実にする。また本発明にお
いては、冊子を冊子収納部内に、冊子の背側が揃えられ
た水平状態で上下方向に積層して収納し、この冊子収納
部に収納された最下層または最上層に位置する冊子を冊
子分離手段により1冊ずつ分離して冊子移送手段側へ送
り出すことにより、冊子を1冊ずつ頁捲り手段へ自動的
に供給できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図4により本発明の第1の
実施の形態について説明する。図1は本発明にかかる冊
子の頁捲り方法及び装置の第1の実施の形態を示す全体
の構成図、図2は第1の実施の形態における頁捲り機構
(頁捲り手段)の平面図、図3は図2の側面図、図4は
頁捲り機構の要部の動作説明図である。図1において、
冊子の頁捲り装置は、冊子収納部10、冊子分離手段2
0、冊子移送手段30、冊子載置部40、位置決め用ス
トッパ50、第1のクランプ手段60、第2のクランプ
手段70、頁捲り手段80を備える。
【0012】冊子収納部10は、例えば並製本された冊
子1を水平にした状態で収納し得る内形形状を有する有
底のマガジン101からなり、このマガジン101内に
は多数の冊子1がその背1A側を揃えた状態で上下方向
に積層して収納されている。また、このマガジン101
内に収納された最下層の冊子1の背1Aと対向するマガ
ジン101の下端の側部箇所には、最下層の冊子1を1
冊ずつ取り出す搬出開口102が形成されている。この
冊子搬出開口102の高さ寸法は冊子1の厚さ寸法より
大きく、2冊分の厚さより小さくなっている。
【0013】冊子分離手段20は、冊子収納部10の下
部に配設され、そのマガジン101内に収納された最下
層の冊子1を分離して搬出開口102から冊子移送手段
30へ押し出すためのもので、冊子1の小口1Bに係合
する分離爪201を有し、この分離爪201は、マガジ
ン101の底部においてマガジン101内の冊子1の小
口1Bから背1Aに向け、図示省略した駆動手段により
往復動可能に設けられている。冊子移送手段30は、冊
子分離手段20により冊子収納部10のマガジン101
から送り出されてくる冊子1を冊子載置部40へ移送し
載置するためのもので、マガジン101から送り出され
てくる冊子1を上下両面から挟持しながら冊子載置部4
0へ送り出す少なくとも一対の回転する送りローラ30
1から構成され、この送りローラ301は図示省略した
駆動モータにより回転される。
【0014】冊子載置部40は、冊子1の表紙11及び
本文頁12を冊子1の背1Aを中心にして平面状に展開
した時の表面積に相当する大きさの長方形状の載置板4
01を備え、この載置板401は冊子移送手段30の冊
子搬出側に水平に配設されている。また、載置板401
の中間部には、この載置板401上に冊子1の表表紙あ
るいは裏表紙の一方を下方に向け、かつ背を送り方向に
向けた状態で移送されてきた冊子1の背1Aと係合する
ことにより該冊子1を載置板401上に位置決めする複
数のストッパピン501が背1Aの延在方向に間隔をお
いて載置板401の上面に出没可能に設けられており、
さらに、このストッパピン501は載置板401に埋設
したばね502により載置板401の上面から突出する
方向に付勢されている。尚、これらストッパピン50
1、ばね502により前記位置決め用ストッパ50が構
成されている。
【0015】第1のクランプ手段60は、載置板401
上に搬入載置された冊子1の背1Aをストッパピン50
1に押し当てて冊子1を位置決めするとともに冊子1の
小口1Bをクランプするためのもので、冊子移送手段3
0の冊子搬出側と対向する載置板401の一端に近接し
て軸602により揺動可能に配設したクランプ部材60
1と、このクランプ部材601を冊子1の小口1Bがク
ランプされるクランプ位置とこのクランプ位置から退避
する位置に揺動させる駆動手段603を備える。クラン
プ部材601の揺動先端は、載置板401上に搬入載置
された冊子1の冊子1の小口1Bをその厚さ方向からク
ランプできるように鈎状に形成されている。また、駆動
手段603は、例えば図示しないが、軸602に設けた
ピニオン及び該ピニオンに噛合するラックと、このラッ
クを進退させるエアシリンダ等から構成される。
【0016】第2のクランプ手段70は、載置板401
上に平面状に展開された表紙11及び本文頁12の小口
をクランプするためのもので、冊子移送手段30と反対
の載置板401の他端に近接して軸702により揺動可
能に配設したクランプ部材701と、このクランプ部材
701を展開された表紙11及び本文頁12の小口がク
ランプされるクランプ位置とこのクランプ位置から退避
する位置に揺動させる駆動手段703を備える。クラン
プ部材701の揺動先端は、展開された表紙11及び本
文頁12の小口をクランプできるように鈎状に形成され
ている。また、駆動手段703は、例えば図示しない
が、軸702に設けたピニオン及び該ピニオンに噛合す
るラックと、このラックを進退させるエアシリンダ等か
ら構成される。
【0017】頁捲り手段80は、冊子載置部40上に搬
入載置された冊子1の背1Aをストッパピン501に押
し当てて位置決めし、第1のクランプ手段60により冊
子1の小口1Bをクランプした冊子1の表表紙あるいは
裏表紙、または本文頁を枚葉毎に捲って冊子載置部40
上に平面状に展開するもので、冊子1の背1Aに平行
で、かつ冊子載置部40上の冊子1に対して離接する方
向に揺動可能に支持された正逆回転駆動可能な頁捲りロ
ーラ801と、この頁捲りローラ801を予め決めた動
作パターンに従って動作させる捲りローラ駆動手段80
2を備える。頁捲りローラ801の少なくとも表面はゴ
ム等のような紙に対して摩擦抵抗の大きな部材で形成さ
れている。
【0018】捲りローラ駆動手段802は、図2及び図
3に示すように、冊子載置部40の側部において、冊子
載置部40上に載置された冊子1の小口1Bから背1A
方向及び表紙11または本文頁12の展開方向に沿って
平行に配置された一対の平行なガイドロッド8021
と、このガイドロッド8021の両端を支持する支持部
材8022と、ガイドロッド8021にその長手方向に
沿い移動可能に取り付けた可動部材8023と、支持部
材8022間に回転可能にかつガイドロッド8021と
平行に支持され、可動部材8023に螺合する送りねじ
8024と、この送りねじ8024の一端にベルト車及
びタイミングベルト等からなる回転伝達機構8025を
介して連結され、送りねじ8024を正逆転させる駆動
モータ8026を備える。前記可動部材8023上に可
動部材8023の移動方向と直角に、かつ回転可能に軸
支された揺動軸8027が設けられ、この揺動軸802
7の冊子載置部40上への突出先端に一端が固定され、
他端に頁捲りローラ801を回転可能に支持する揺動ア
ーム8028が設けられている。前記可動部材8023
上には、揺動軸8027にベルト車及びタイミングベル
ト等からなる回転伝達機構8029を介して連結した正
逆転可能なアーム揺動用駆動モータ8030が設けら
れ、また、可動部材8023上に可動部材8023の移
動方向と直角に、かつ回転可能に軸支された回転軸80
31が設けられている。更に、前記可動部材8023上
に、回転軸8031にベルト車及びタイミングベルト等
からなる回転伝達機構8032を介して連結した正逆転
可能なローラ回転用駆動モータ8033が設けられてい
る。そして、ローラ回転用駆動モータ8033の回転を
頁捲りローラ801に伝達するため、回転軸8031の
冊子載置部40上への突出先端と揺動アーム8028の
突出先端及び頁捲りローラ801の軸間にベルト車及び
タイミングベルト等からなる回転伝達機構8034が設
けられている。
【0019】次に、上記のように構成された第1の実施
の形態の動作について説明する。冊子収納部10のマガ
ジン101内に冊子1が図1に示す姿勢に収納されてい
る状態において、冊子分離手段20の分離爪201が図
示省略の駆動手段により図1の矢印A方向に前進される
ことで2点鎖線に示す位置から実線に示す位置に移動す
ると、この分離爪201に係合する最下層の冊子1は搬
出開口102から冊子移送手段30へ押し出され、その
背1A側が矢印方向に回転する送りローラ301間に挿
入される。これに伴い、冊子1は回転する送りローラ3
01により冊子載置部40の載置板401上に送り出さ
れる。また、冊子分離手段20が最下層の冊子1を分離
して冊子移送手段30側へ押し出した後は、分離爪20
1は図1の2点鎖線に示す位置に後退し、次の冊子1の
分離押し出しに待機する。この時、マガジン101内に
収納された積層冊子1は降下し、最下層の冊子1の小口
1Bが分離爪201に係合された状態におかれる。
【0020】一方、冊子移送手段30が冊子1を載置板
401上に完全に移送した状態になると、第1のクラン
プ手段60の駆動手段603が動作してクランプ部材6
01を図1の2点鎖線に示す退避位置から実線に示すク
ランプ位置へ回動する。これにより、載置板401上に
搬入された冊子1は、その背1Aがストッパピン501
に押し当てられることで搬入方向の位置決めがなされる
とともに、クランプ部材601は位置決めされた冊子1
の小口1Bをその厚み方向からクランプする。これによ
り、頁捲り動作に際して冊子1が載置板401上で移動
しないよう保持する。
【0021】次に、載置板401上にセットされた冊子
1の表紙または本文頁を捲る場合の頁捲り手段80の動
作について述べる。この場合は、まず、可動部材802
3を図2の右端に位置させ、かつ揺動アーム8028を
図3に示すように略水平な位置に保持することにより、
頁捲りローラ801を冊子載置部40上の冊子1から離
間した第1の位置に保持し、この第1の位置を頁捲
りローラ801の捲り開始位置とする。かかる状態で、
ローラ回転用駆動モータ8033を正転方向に起動して
頁捲りローラ801を時計回り方向に回転させ、かつア
ーム揺動用駆動モータ8030を正転方向に起動して揺
動アーム8028を図3において反時計方向に回動する
ことにより、回転する頁捲りローラ801を冊子載置部
40上の冊子1の小口1B側に接触させる。この位置を
頁捲りローラ801の第2の位置とする。頁捲りロー
ラ801が第2の位置に達するとアーム揺動用駆動モ
ータ8030が停止し、同時に頁捲りローラ801は冊
子1の表紙11に接触された状態に保持される。
【0022】次いで、駆動モータ8026を正転方向に
起動することにより、送りねじ8024を回転して可動
部材8023を図2の矢印B方向に移動させる。これに
より、頁捲りローラ801は時計回り方向、即ち冊子1
の表紙11(または本文頁12)が小口1Bから背1A
方向に移動される方向に回転しながら第2の位置から
冊子1の背1A側へ移動すると、頁捲りローラ801に
接触している表紙11が図1に示すようにアーチ状に変
形されながら捲られた後、符号11aに示すように頁捲
りローラ801の上方へ移行される。この時の頁捲りロ
ーラ801の位置を第3の位置とする。また、頁捲り
ローラ801が第3の位置に移動されると駆動モータ
8026が停止し、可動部材8023の矢印B方向への
移動も停止する。一方、頁捲りローラ801が第3の位
置に達すると、アーム揺動用駆動モータ8030が逆
転方向に起動され、これにより、頁捲りローラ801を
冊子1に対して接触状態に保持している揺動アーム80
28が時計回り方向に回動され、頁捲りローラ801を
冊子1から離間させて第4の位置へ移動させる。これ
に伴い、符号11aに示すように頁捲りローラ801の
上方へ移行された表紙は符号11bで示すように立ち上
げられる。この時、頁捲りローラ801を時計回り方向
に回転していてもよいし、回転を停止していてもよい。
【0023】頁捲りローラ801が第3の位置に移動
されると、ローラ回転用駆動モータ8033は逆転方向
に起動され、これにより頁捲りローラ801を表紙また
は本文頁が小口から背方向に移動される方向と逆の方
向、即ち反時計回り方向に回転させる。これに伴い、立
ち上げた表紙11bの裏面に付着する余分な本文頁12
がある場合は、この余分な本文頁12は頁捲りローラ8
01の反時計回り方向への回転につれて、立ち上げた表
紙11bから剥離され、図4の符号12aに示すように
頁捲りローラ801の下方に移行される。その後、頁捲
りローラ801を反時計回り方向に回転させながら、揺
動アーム8028をアーム揺動用駆動モータ8030に
より反時計回り方向に回動して第3の位置に戻すこと
で、剥離された余分の本文頁12aを符号12bに示す
ように冊子載置部40上の冊子1に押し付け、頁捲りロ
ーラ801の反時計回り方向の回転により、本文頁12
bを冊子1上に平面状に捲り返す。また、この捲り返し
動作が終了した後は、頁捲りローラ801は再び第4の
位置に戻される。
【0024】頁捲りローラ801が第4の位置に戻さ
れると、駆動モータ8026が再び正転方向に起動さ
れ、可動部材8023を図2の矢印B方向に移動させ
る。可動部材8023が矢印B方向に移動されることに
より頁捲りローラ801が第4の位置から第5の位置
に移動されると、図4に示すように立ち上げられた表
紙11bは冊子1の背1Aを中心にして冊子1のセット
側と反対の側へ符号11cで示すように傾倒される。ま
た、頁捲りローラ801が第5の位置に移動されると
駆動モータ8026が停止し、可動部材8023の矢印
B方向への移動も停止する。その後、ローラ回転用駆動
モータ8033を再び正転方向に起動して頁捲りローラ
801を時計回り方向に回転させ、かつアーム揺動用駆
動モータ8030を正転方向に起動して揺動アーム80
28を図1において反時計方向に回動することにより、
回転する頁捲りローラ801を傾倒された表紙11cご
と載置板401上に押し付ける。この位置を頁捲りロー
ラ801の第6の位置とする。頁捲りローラ801が
第6の位置に達するとアーム揺動用駆動モータ803
0が停止し、同時に頁捲りローラ801は表紙11cを
載置板401上に押し付けた状態に保持される。
【0025】また、頁捲りローラ801が第6の位置
に移動されると、駆動モータ8026が再び正転方向に
起動され、可動部材8023を図2の矢印B方向に移動
させる。この結果、頁捲りローラ801も同一方向に移
動されるため、表紙11cを載置板401上に押し付け
ながら時計回り方向に回転する頁捲りローラ801は表
紙11cを背1Aから小口方向に伸ばしながら載置板4
01上に平面状に展開する。そして、頁捲りローラ80
1が表紙11cの小口に近接する第7の位置まで移動
されると駆動モータ8026が停止し、可動部材802
3の矢印B方向への移動も停止する。なお、表紙11c
が平面状に展開されるとストッパピン501はばね50
2に抗して載置板401に埋没される。その後、第2の
クランプ手段70の駆動手段703が動作してクランプ
部材701を図1の2点鎖線に示す退避位置から実線に
示すクランプ位置へ回動する。これにより、載置板40
1上に平面状に展開された表紙11cの小口をクランプ
部材701でクランプし、表紙11cを平面状に展開さ
れた状態に保持する。
【0026】上記第2のクランプ手段70による展開表
紙11cのクランプ動作が終了すると、アーム揺動用駆
動モータ8030が逆転方向に起動され、これにより、
揺動アーム8028を時計回り方向に回動して頁捲りロ
ーラ801を載置板401から離間させ、第8の位置
へ移動させる。この第8の位置が捲り動作終了位置と
なる。また、頁捲りローラ801が第8の位置に移動
されると、駆動モータ8026が逆転方向に起動され、
これにより可動部材8023を図2の矢印Bと逆の方向
に移動させて、頁捲りローラ801を捲り開始位置(第
1の位置)に復帰させる。さらに、本文頁12に対し
ても頁捲りを継続する場合は、上述した第1の位置か
ら第8の位置への動作を繰り返すことにより可能にな
る。また、印刷は平面状に展開された表紙または本文
頁、あるいは冊子1側の表面に位置する本文頁に対して
行われる。
【0027】上記のような本発明の第1の実施の形態に
よれば、冊子載置部40上に移送された冊子1の小口1
Bを第1のクランプ手段60によりクランプした後、頁
捲りローラ801を捲りローラ駆動手段802により表
紙または本文頁が小口から背方向に移動される方向に回
転させながら冊子1に接触させ、かつこの頁捲りローラ
801を冊子1の小口1Bから背1A方向に移動させる
ことにより表紙11または本文頁12を頁捲りローラ8
01の上方へ移行させ、さらに、この頁捲りローラ80
1を冊子1の背1Aを中心にして小口1Bと反対の方向
に移動させることにより、頁捲りローラ801の上方へ
移行させた表紙11または本文頁12を背を中心にして
開き、かつ頁捲りローラ801を開かれた表紙11また
は本文頁12が伸ばされる方向に回転させつつ該表紙1
1または本文頁12を冊子載置部40上に押し付けなが
ら、この表紙11または本文頁12の背側から小口方向
に移動することで表紙11または本文頁12を冊子載置
部40上に平面状に展開し、さらに、この展開された表
紙11または本文頁12の小口を第2のクランプ手段7
0により保持する構成にしたので、冊子1の表紙11ま
たは本文頁12を自動的に捲ることができるとともに、
従来のような煩雑な手作業が不要になり、効率のよい正
確な冊子の頁捲りが可能になる。
【0028】また、第1の実施の形態によれば、表紙1
1または本文頁12が頁捲りローラ801の上方へ移行
された後の頁捲りローラ801を第3の位置から第4
の位置に示す上方へ移動させることにより表紙11ま
たは本文頁12を立ち上げ、この立ち上げ第4の位置
から頁捲りローラ801を冊子1の背1Aを中心にして
小口1Bと反対の第5の位置に移動させることによ
り、立ち上げた表紙11または本文頁12を冊子1の背
1Aを中心にして小口1Bと反対の方向に傾倒させ、さ
らに頁捲りローラ801を冊子載置部40に接する方向
に移動して、傾倒された表紙11または本文頁12を冊
子載置部40上に押し付けるようにしたので、冊子載置
部40上への表紙11または本文頁12の展開を確実に
行うことができる。また、第1の実施の形態によれば、
頁捲りローラ801が表紙11または本文頁12を立ち
上げる第4の位置に移動された時に、この頁捲りロー
ラ801を表紙11または本文頁12が小口1Bから背
1A方向に移動される方向と逆の方向に回転させ、かつ
冊子載置部40上の冊子1の上面に接触する第3の位置
まで移動させることにより、立ち上げた表紙11また
は本文頁12の裏面に付着する余分の本文頁を立ち上げ
た表紙または本文頁から剥離し、この余分の本文頁を冊
子載置部40上の冊子1へ捲り返すことができる。
【0029】また、第1の実施の形態によれば、冊子1
を冊子収納部10内に、冊子1の背側が揃えられた水平
状態で上下方向に積層して収納し、この冊子収納部10
に収納された最下層に位置する冊子1を冊子分離手段2
0により1冊ずつ分離して冊子移送手段30へ送り出
し、この冊子移送手段30により冊子載置部40上へ搬
入する構成にしたので、冊子を1冊ずつ確実に頁捲り手
段80に自動的に供給することができる。
【0030】図5及び図6により本発明の第2の実施の
形態について説明する。図5は本発明にかかる冊子の頁
捲り方法及び装置の第2の実施の形態を示す全体の構成
図、図6は第1の実施の形態における頁捲り機構(頁捲
り手段)の平面図である。図5及び図6において、図1
及び図2と同一の構成要素には同一の符号を付してその
説明を省略し、図1及び図2と異なる部分を重点に述べ
る。この第2の実施の形態において、第1の実施の形態
と異なる点は、同図からも明らかなように、頁捲り手段
80が、頁捲りローラ801の上方に位置して冊子載置
部40上に載置された冊子1の1B小口から背1A方向
及び表紙11または本文頁12の展開方向に沿って平行
に配設された頁押え手段90を新たに備えたところにあ
る。
【0031】頁押え手段90は、頁捲りローラ801が
表紙11または本文頁12を立ち上げる第4の位置に
移動されたときに、この立ち上げた表紙11または本文
頁12の一部を下面から当接する頁捲りローラ801と
で一時的に挟持し、この挟持状態で頁捲りローラ801
を反時計回り方向に回転することにより、挟持された表
紙11または本文頁12を冊子1の背1Aを中心にして
表紙11または本文頁12の展開方向へ移動させるもの
である。このために、頁押え手段90は、冊子載置部4
0の両端の上方に配設した自由回転する一対のガイドロ
ーラ901と、この両ガイドローラ901間に走行可能
に巻き掛けられた無端状のベルト902から構成され、
このベルト902は頁捲りローラ801の回転につれて
走行される。
【0032】この構成において、図5に示すように、頁
捲りローラ801が表紙11を立ち上げた第4の位置
に移動され、かつ表紙11をベルト902の下面に押し
付けた状態で、頁捲りローラ801が反時計回り方向に
回転されると、挟持状態にある表紙11は、頁捲りロー
ラ801の反時計回り方向の回転と、これにつれて走行
するベルト902の走行動作で図5の矢印Cの方向に繰
り出され、背1Aを中心にして表紙展開方向へ傾倒され
る。これにより、立ち上げた表紙の展開方向への傾倒を
確実にする。
【0033】なお、上記実施の形態では、冊子収納部1
0に収納された冊子1を冊子分離手段20により下端部
から1冊ずつ分離した取り出す場合について説明した
が、本発明はこれに限定されず、冊子収納部10の上端
部から冊子分離手段20により取り出すようにしてもよ
い。また、上記実施の形態では、頁押え手段90をガイ
ドローラ901間に走行可能に巻き掛けられた無端状の
ベルト902から構成した場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、例えば、頁捲りローラ8
01の上方に位置して冊子載置部40上に載置された冊
子1の1B小口から背1A方向及び表紙11または本文
頁12の展開方向に沿って平行に配設された平滑な板材
により構成してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、冊子載置
部上に移送された冊子の小口を第1のクランプ手段によ
り保持した後、冊子の背に平行させた頁捲りローラを表
紙または本文頁が小口から背方向に移動される方向に回
転させながら冊子に接触させ、かつこの頁捲りローラを
冊子の小口から背方向に移動させることにより表紙また
は本文頁を頁捲りローラの上方へ移行させ、さらに、こ
の頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口と反対の方
向に移動させることにより、頁捲りローラの上方へ移行
させた表紙または本文頁を背を中心にして開き、かつ頁
捲りローラを開かれた表紙または本文頁が伸ばされる方
向に回転させつつ該表紙または本文頁を冊子載置部上に
押し付けながら該表紙または本文頁の背側から小口方向
に移動することで表紙または本文頁を冊子載置部上に平
面状に展開し、この展開された表紙または本文頁の小口
を第2のクランプ手段により保持する構成にしたので、
冊子の表紙または本文頁を自動的に捲ることができると
ともに、煩雑な手作業が不要になり、効率のよい正確な
冊子の頁捲りが可能になる。
【0035】また本発明によれば、表紙または本文頁が
頁捲りローラの上方へ移行された後の頁捲りローラを上
方へ移動させて表紙または本文頁を立ち上げ、この立ち
上げ位置から頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口
と反対の方向に移動させることにより、立ち上げた表紙
または本文頁を冊子の背を中心にして小口と反対の方向
に傾倒させ、さらに頁捲りローラを冊子載置部に接する
方向に移動して、傾倒された表紙または本文頁を冊子載
置部上に押し付けるようにしたので、冊子載置部上への
表紙または本文頁の展開を確実にすることができる。ま
た本発明によれば、頁捲りローラが表紙または本文頁を
立ち上げる位置に移動した時に、この頁捲りローラを表
紙または本文頁が小口から背方向に移動される方向と逆
の方向に回転させ、かつ冊子載置部上の冊子の上面に接
触する位置まで移動させる構成にしたので、立ち上げた
表紙または本文頁の裏面に付着する余分の本文頁を立ち
上げた表紙または本文頁から剥離し、この余分の本文頁
を冊子載置部上の冊子に捲り返すことができる。
【0036】また本発明によれば、頁捲りローラが表紙
または本文頁を立ち上げる位置に移動されたときに、こ
の立ち上げた表紙または本文頁の一部を頁捲りローラと
頁押え手段で一時的に挟持し、この挟持状態で頁捲りロ
ーラを回転することにより、立ち上げた表紙または本文
頁の展開方向への傾倒を確実にすることができる。また
本発明によれば、冊子を冊子収納部内に、冊子の背側が
揃えられた水平状態で上下方向に積層して収納し、この
冊子収納部に収納された最下層または最上層に位置する
冊子を冊子分離手段により1冊ずつ分離して冊子移送手
段側へ送り出す構成にしたので、冊子を1冊ずつ頁捲り
手段へ自動的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる冊子の頁捲り方法及び装置の第
1の実施の形態を示す全体の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における頁捲り機構
の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における頁捲り機構
の一部の概略側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における頁捲り機構
の要部の動作説明図である。
【図5】本発明にかかる冊子の頁捲り方法及び装置の第
2の実施の形態を示す全体の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における頁捲り機構
の平面図である。
【符号の説明】 1 冊子 1A 背 1B 小口 11 表紙 12 本文頁 10 冊子収納部 20 冊子分離手段 30 冊子移送手段 40 冊子載置部 50 位置決め用ストッパピン 60 第1のクランプ手段 70 第2のクランプ手段 80 頁捲り手段 801 頁捲りローラ 802 捲りローラ駆動手段 8021 ガイドロッド 8023 可動部材 8024 送りねじ 8026 駆動モータ 8028 揺動アーム 8030 アーム揺動用駆動モータ 8029 回転伝達手段 8033 ローラ回転用駆動モータ 90 頁押え手段 901 ガイドローラ 902 無端ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 秀樹 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−263800(JP,A) 特開 昭63−137896(JP,A) 特開 平2−215600(JP,A) 特開 平4−78592(JP,A) 実開 平5−76772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42D 9/04 G06F 19/00 300 G07D 9/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製本された冊子の表紙または本文頁を捲
    つて印刷を施す時などに使用される冊子の頁捲り方法で
    あって、 前記冊子を、該冊子の表表紙あるいは裏表紙の一方を下
    方に向け、かつ背を送り方向に向けた状態で冊子載置部
    上の所定位置へ移送する第1の工程と、 前記冊子載置部上に移送された冊子の小口を保持する第
    2の工程と、 前記保持された冊子の表表紙あるいは裏表紙の他方また
    は本文頁を枚葉毎に捲って前記冊子載置部上に平面状に
    展開する第3の工程と、 前記冊子載置部上で展開された表紙または本文頁の小口
    を保持する第4の工程とを備え、 前記第3の工程は、 前記冊子の背に平行させた頁捲りローラを該頁捲りロー
    ラと接する表紙または本文頁が小口から背方向に移動さ
    れる方向に回転させながら冊子に接触させ、かつ該頁捲
    りローラを冊子の小口から背方向に移動させることによ
    り表紙または本文頁を頁捲りローラの上方へ移行させる
    工程と、 この頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口と反対の
    方向に移動させることにより前記捲りローラの上方へ移
    行させた表紙または本文頁を背を中心にして開き、かつ
    頁捲りローラを前記開かれた表紙または本文頁が伸ばさ
    れる方向に回転させつつ該表紙または本文頁を冊子載置
    部上に押し付けながら該表紙または本文頁の背側から小
    口方向に移動することで表紙または本文頁を冊子載置部
    上に平面状に展開する工程と、 を備えることを特徴とする冊子の頁捲り方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程は、前記表紙または本文
    頁を頁捲りローラの上方へ移行させた後の頁捲りローラ
    を上方に移動させることにより、前記捲りローラの上方
    へ移行させた表紙または本文頁を立ち上げる工程と、こ
    の工程を経過した後頁捲りローラを冊子の背を中心にし
    て小口と反対の方向に移動させることにより、前記立ち
    上げた表紙または本文頁を冊子の背を中心にして小口と
    反対の方向に傾倒させ、かつ該頁捲りローラを冊子載置
    部に接する方向に移動して前記傾倒された表紙または本
    文頁を冊子載置部上に押し付ける工程を更に備えること
    を特徴とする請求項1記載の冊子の頁捲り方法。
  3. 【請求項3】 前記頁捲りローラが表紙または本文頁を
    立ち上げる位置に移動した時に該頁捲りローラを表紙ま
    たは本文頁が小口から背方向に移動される方向と逆の方
    向に回転させながら冊子載置部上の冊子の上面に接触す
    る位置まで移動することにより、前記立ち上げた表紙ま
    たは本文頁の裏面に付着する余分の本文頁を前記立ち上
    げた表紙または本文頁から剥離し、該余分の本文頁を冊
    子載置部上の冊子に捲り返す工程を更に備えることを特
    徴とする請求項2記載の冊子の頁捲り方法。
  4. 【請求項4】 製本された冊子の表紙または本文頁を捲
    つて印刷を施す時などに使用される冊子の頁捲り装置で
    あって、 前記冊子が、表表紙あるいは裏表紙の一方を下方に向
    け、かつ、その中央に背を向けて載置され、背を基準に
    して冊子を水平に位置決めする冊子載置部と、 前記冊子載置部上に載置された冊子の小口をクランプす
    る第1のクランプ手段と、 前記クランプされた冊子の表表紙あるいは裏表紙の他方
    または本文頁を枚葉毎に捲って前記冊子載置部上に平面
    状に展開する頁捲り手段と、 前記冊子載置部上で平面状に展開された表紙または本文
    頁の小口をクランプする第2のクランプ手段とを備え、 前記頁捲り手段は、 前記冊子の背に平行して配置された頁捲りローラと、 前記頁捲りローラを正逆転させると共に頁捲りローラを
    前記冊子載置部上で上下方向及び水平方向に移動させる
    捲りローラ駆動手段とを備え、 前記ローラ駆動手段は、前記頁捲りローラを前記冊子載
    置部上の冊子の小口側上面と接触させた状態で該頁捲り
    ローラを該頁捲りローラと接する表紙または本文頁が小
    口から背方向に移動される方向に回転させながら冊子の
    小口から背方向に移動させることにより表紙または本文
    頁を頁捲りローラの上方へ移行させ、この移動位置から
    頁捲りローラを冊子の背を中心にして小口と反対の方向
    に移動させることにより前記頁捲りローラの上方へ移行
    させた表紙または本文頁を背を中心にして開き、かつ該
    頁捲りローラを前記開かれた表紙または本文頁が伸ばさ
    れる方向に回転させつつ該表紙または本文頁を冊子載置
    部上に押し付けながら該表紙または本文頁の背側から小
    口方向に移動させることにより表紙または本文頁を冊子
    載置部上に展開させるように構成されている、 ことを特徴とする冊子の頁捲り装置。
  5. 【請求項5】 前記頁捲りローラの表面は、冊子の表紙
    または本文頁に対して摩擦抵抗の大きい部材により構成
    される請求項4記載の冊子の頁捲り装置。
  6. 【請求項6】 前記捲りローラ駆動手段は、前記表紙ま
    たは本文頁が頁捲りローラの上方へ移行された後の頁捲
    りローラを上方へ移動させることにより、前記捲りロー
    ラの上方へ移行させた表紙または本文頁を立ち上げ、こ
    の立ち上げ位置から頁捲りローラを冊子の背を中心にし
    て小口と反対の方向に移動させることにより、前記立ち
    上げた表紙または本文頁を冊子の背を中心にして小口と
    反対の方向に傾倒させ、かつ該頁捲りローラを冊子載置
    部に接する方向に移動して前記傾倒された表紙または本
    文頁を冊子載置部上に押し付けるように動作されること
    を特徴とする請求項4または5記載の冊子の頁捲り装
    置。
  7. 【請求項7】 前記捲りローラ駆動手段は、前記頁捲り
    ローラが表紙または本文頁を立ち上げる位置に移動した
    時に該頁捲りローラを表紙または本文頁が小口から背方
    向に移動される方向と逆の方向に回転させながら冊子載
    置部上の冊子の上面に接触する位置まで移動させること
    により、前記立ち上げた表紙または本文頁の裏面に付着
    する余分の本文頁を前記立ち上げた表紙または本文頁か
    ら剥離し、該余分の本文頁を冊子載置部上の冊子に捲り
    返すように動作されることを特徴とする請求項4または
    5記載の冊子の頁捲り装置。
  8. 【請求項8】 前記頁捲り手段は、前記頁捲りローラの
    上方に位置して前記冊子載置部上に載置された冊子の小
    口から背方向及び表紙または本文頁の展開方向に沿って
    平行に配設された頁押え手段を更に備え、前記頁捲りロ
    ーラが表紙または本文頁を立ち上げる位置に移動された
    ときに、前記立ち上げた表紙または本文頁の一部を前記
    頁捲りローラと前記頁押え手段で一時的に挟持する構成
    になっている請求項4乃至7の何れか1項に記載の冊子
    の頁捲り装置。
  9. 【請求項9】 前記頁押え手段は、前記冊子載置部の両
    端の上方に配設した一対のガイドローラと、この両ガイ
    ドローラ間に走行可能に巻き掛けられた無端状のベルト
    から構成される請求項8記載の冊子の頁捲り装置。
  10. 【請求項10】 前記捲りローラ駆動手段は、前記冊子
    載置部上に載置された冊子の小口から背方向及び表紙ま
    たは本文頁の展開方向に沿って平行に移動可能に配置さ
    れた可動部材と、前記可動部材を移動させる駆動手段
    と、前記可動部材に前記頁捲りローラの水平状態を保持
    しつつ頁捲りローラを前記冊子載置部上の冊子に対して
    離接する方向に移動可能に支持するとともに頁捲りロー
    ラを回転可能に支持するアームと、前記可動部材に配設
    され前記頁捲りローラを正逆転させるローラ駆動手段
    と、前記ローラ駆動手段の回転を前記頁捲りローラに伝
    達する回転伝達手段と、前記可動部材に配設され前記ア
    ームを前記頁捲りローラが冊子載置部上の冊子に対して
    離接される方向に揺動させるアーム駆動手段とを備える
    請求項4乃至9の何れか1項に記載の冊子の頁捲り装
    置。
  11. 【請求項11】 前記冊子載置部は、前記冊子の背と係
    合することにより該冊子を冊子載置部上に位置決めする
    出没可能なストッパを有し、前記ストッパは冊子載置部
    から突出する方向に付勢されている請求項4乃至10の
    何れか1項に記載の冊子の頁捲り装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のクランプ手段は、冊子の小
    口をクランプする揺動可能なクランプ部材と、前記クラ
    ンプ部材を、前記冊子の小口をクランプするクランプ位
    置とこのクランプ位置から退避する位置に揺動させる駆
    動手段とを備える請求項4乃至11の何れか1項記載の
    冊子の頁捲り装置。
  13. 【請求項13】 前記第2のクランプ手段は、前記平面
    状に展開された表紙及び本文頁の小口をクランプする揺
    動可能なクランプ部材と、前記クランプ部材を、前記平
    面状に展開された表紙及び本文頁の小口をクランプする
    クランプ位置とこのクランプ位置から退避する位置に揺
    動させる駆動手段とを備える請求項4乃至12の何れか
    1項記載の冊子の頁捲り装置。
  14. 【請求項14】 前記冊子を1冊ずつ前記冊子載置部上
    へ移送する冊子移送手段を更に備える請求項4乃至13
    の何れか1項に記載の冊子の頁捲り装置。
  15. 【請求項15】 前記冊子移送手段は、前記冊子分離手
    段により送り出された冊子を両面から挟持しながら前記
    冊子載置部へ送り出す少なくとも一対の回転ローラから
    構成される請求項14記載の冊子の頁捲り装置。
  16. 【請求項16】 前記冊子を該冊子の背側が揃えられた
    水平状態で上下方向に積層して収納する冊子収納部と、
    前記冊子収納部の下部または上部に配設され、前記冊子
    収納部に収納された最下層または最上層に位置する冊子
    の小口に係合して該冊子を前記冊子移送手段側へ押し出
    す冊子分離手段を更に備える請求項4乃至16の何れか
    1項に記載の冊子の頁捲り装置。
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