JP3511466B2 - 半導体ウェーハ熱処理用部材およびこれを用いた治具 - Google Patents

半導体ウェーハ熱処理用部材およびこれを用いた治具

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JP3511466B2 JP14196098A JP14196098A JP3511466B2 JP 3511466 B2 JP3511466 B2 JP 3511466B2 JP 14196098 A JP14196098 A JP 14196098A JP 14196098 A JP14196098 A JP 14196098A JP 3511466 B2 JP3511466 B2 JP 3511466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄板状体の半導体ウ
ェーハ熱処理用部材およびこれを用いた治具に係わり、
特に熱処理中に半導体ウェーハにスリップを発生させず
かつ重金属のゲッタリング効果を有する半導体ウェーハ
熱処理用部材およびこれを用いた治具に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程においては、酸
化、拡散等多数の熱処理工程があり、この熱処理工程毎
に複数の半導体ウェーハを縦型ウェーハボートに載置
し、多数の半導体ウェーハが載置された縦型ウェーハボ
ートを縦型熱処理炉に収納し、加熱して熱処理を行って
いる。
【0003】半導体ウェーハが載置される縦型ウェーハ
ボートは、ウェーハを載置するための多数のスリットを
有する棒形状の支持部材を複数本、縦方向に平行に立設
した構造になっており、半導体ウェーハは半導体ウェー
ハの外周部の数点を支持部材のスリットで支持された状
態で、縦型熱処理炉で熱処理される。また、縦型ウェー
ハボートを形成する素材としては、石英ガラス、SiC
コートを施したSi含浸SiC、単結晶シリコンなどが
使用されている。
【0004】縦型ボートの支持部材のスリットで支持さ
れた半導体ウェーハは、支持部から自重による応力を受
け、さらに熱処理時にはウェーハ面内の温度差によって
熱応力を受ける。
【0005】これら重畳した応力が半導体ウェーハのシ
リコン結晶のせん断降伏応力値を越えると、半導体ウェ
ーハに結晶転位が生じ、スリップとなり、半導体ウェー
ハの品質を低下させる。
【0006】半導体ウェーハにスリップを発生させるせ
ん断降伏応力値は高温であるほど小さく、すなわちスリ
ップが発生しやすい。
【0007】さらに近年、半導体デバイスの高集積化に
伴い、ウェーハ1枚あたりのデバイス収率を上げるた
め、ウェーハの大口径化が進んでおり、このウェーハ径
の増大とともに、ボートの支持部から受ける応力が増大
し、スリップ転位が発生しやすくなり、深刻な問題とな
っている。また、CVD法により高温に加熱された半導
体ウェーハの表面にシリコン単結晶を堆積、成長させる
ためのエピタキシャル成長装置においては、バッチ式、
あるいは枚葉式サセプタにはSiCコートした黒鉛基材
が用いられている。
【0008】また、高温熱処理(1100℃〜1250
0℃)は上述のようにスリップが発生しやすいばかりで
なく、半導体ウェーハが重金属汚染を受けるという欠点
もある。これは縦型熱処理炉の炉部材中に含まれている
重金属が高温処理の熱拡散によって炉内に放出され、半
導体ウェーハを汚染するためである。
【0009】半導体ウェーハは金属汚染によってデバイ
ス特性の劣化や歩留りの低下を引き起こすが、この金属
汚染は半導体ウェーハのデバイス活性領域である表層部
になければよいため、金属不純物を半導体ウェーハの内
部や裏面に捕捉するゲッタリング技術が盛んに研究され
ている。
【0010】本発明に関連する従来技術として、例え
ば、特開平5−152228号公報には、半導体ウェー
ハよりも大きな円板状のシリコン単結晶、石英もしくは
SiCからなる保持部材を、平行に立設された複数本の
棒形状支持支柱に設けられた支持部材の支持用溝により
支持させ、支持部材上に支持部材よりも小さい半導体ウ
ェーハを載置する方法が開示されている。ここに開示さ
れた方法は、支持部材を半導体ウェーハよりも大きく形
成することにより、成膜工程において、半導体ウェーハ
が支持支柱に接触するのを防止して、半導体ウェーハの
破損等を防止するものである。
【0011】しかしながら、この発明では、例え円板状
の支持部材を用いたとしても、これがシリコン単結晶も
しくは、石英からなる場合には、高温熱処理中に発生す
るスリップを十分に防止することができず、またSiC
を含めたいずれの材質においても、重金属汚染によるデ
バイス特性の劣化や歩留りの低下を十分に防止すること
ができなかった。
【0012】また、特開平6−151347号公報に
は、半円弧状の支持部材により半導体ウェーハを支持
し、縦型炉での熱処理時半導体ウェーハにスリップが発
生するのを防止する縦型熱処理炉用ボートが開示されて
いるが、この縦型熱処理炉用ボートは、半円弧形状の支
持部材で支持しているため、300φmmの大口径の半
導体ウェーハ用には適さず、さらに重金属汚染よるデバ
イス特性の劣化や歩留りの低下を防止する方策は考慮さ
れていない。
【0013】さらに上述の半円弧形状の支持部材に変え
てリング形状に半導体ウェーハを線接触で支持する構造
の縦型熱処理炉用ボートが提案されているが、このボー
トはリング状の保持部を精度よく製造するのが難しく、
支持精度に問題があり、実質的には3点ないし4支持支
持になってしまい、ウェーハのスリップ問題を解決する
に至っていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、高温熱処理中
にスリップが発生せず、かつ重金属汚染よるデバイス特
性の劣化や歩留りの低下をきたさない半導体ウェーハ熱
処理用部材およびこれを用いた治具が要望されている。
【0015】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、熱処理中に半導体ウェーハにスリップを発生さ
せず重金属のゲッタリング効果を有する半導体ウェーハ
熱処理用部材およびこれを用いた治具を提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本願請求項1の発明は、半導体ウェーハの少
なくとも一面全体を支持する薄板状体であって、この薄
板状体が多結晶シリコン粒状体を焼結したシリコン焼結
体からなることを特徴とする半導体ウェーハ熱処理用部
材であることを要旨としている。
【0017】本願請求項2の発明では、上記多結晶シリ
コン粒状体は3〜25μmの平均結晶粒径を有すること
を特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハ熱処理用
部材であることを要旨としている。
【0018】本願請求項3の発明では、上記薄板状体は
円板形状であり、この直径をDmmとするとき、厚さを
(D/2)/18000〜(D/2)/28500
mmとすることを特徴とする請求項1もしくは2に記載
の半導体ウェーハ熱処理用部材であることを要旨として
いる。
【0019】本願請求項4の発明では、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の半導体ウェーハ熱処理用部材
およびこれを受ける受体からなることを特徴とする半導
体ウェーハ熱処理用治具であることを要旨としている。
【0020】本願請求項5の発明では、上記半導体ウェ
ーハ熱処理用部材は上記受体に設けられた保持部で保持
されて、前記受体に着脱自在に配置されることを特徴と
する請求項4に記載の半導体ウェーハ熱処理用治具であ
ることを要旨としている。
【0021】本願請求項6の発明では、上記受体は上記
半導体ウェーハ熱処理用部材を一定方向に間隔を有して
配置される保持部を有することを特徴とする請求項5に
記載の半導体ウェーハ熱処理用治具であることを要旨と
している。
【0022】本願請求項7の発明では、上記受体は一枚
の上記半導体ウェーハ熱処理用部材を水平方向に固定配
置される保持部を有することを特徴とする請求項5に記
載の半導体ウェーハ熱処理用治具であることを要旨とし
ている。
【0023】本願請求項8の発明では、上記受体は縦型
ボートであることを特徴とする請求項6に記載の半導体
ウェーハ熱処理用治具であることを要旨としている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる半導体ウェ
ーハ熱処理用治具の一実施の形態について添付図面に基
づき説明する。
【0025】図1に示すように本発明に係わる半導体ウ
ェーハ熱処理用治具1は、半導体ウェーハ熱処理用部
材、例えばウェーハWが載置され薄板状で、円板形状の
ウェーハ支持部材2と、このウェーハ支持部材2を着脱
自在に受ける受体3で構成されている。
【0026】この受体3は例えば縦型ボートで、この縦
型ボート3はシリコン結晶で形成され、円板形状の基台
4と、この基台4に開口部5が形成されるように立設さ
れた3本の支柱6、6、6と、これら支柱6、6、6に
設けられた保持部、例えば各々長めに設けられた多数の
保持片7、7、7と、支柱6、6、6の安定と支柱6、
6、6間の間隔保持のために支柱6、6、6の上端に設
けられた馬蹄形状の上部固定板8で構成されている。
【0027】ウェーハWが載置されたウェーハ支持部材
2は、開口部5から挿入され、この支柱6、6、6の各
々の支持片7、7、7に載置されて受体3に着脱に収
納、配置される。
【0028】ウェーハ支持部材2は、直径Dが300m
m、厚さtが1.0mmの薄板状で、かつ円板形状であ
り、平均粒径が3〜25μm、例えば8μmの粒状多結
晶シリコンを焼結した焼結体である。
【0029】また、ウェーハ支持部材2の半導体ウェー
ハWを支持する表面9ははこの表面9の全面に亘り凹凸
が0.1mm以下になるよう形成されている。
【0030】ウェーハ支持部材2は、ウェーハWを載置
すると図3に示すようにウェーハWの重量によりウェー
ハWとウェーハ支持部材2は全面接触しながら撓む。本
発明者等は、本発明に係わる薄板状で、かつ円板形状の
ウェーハ支持部材2の撓み量はウェーハ支持部材2の半
径(D/2)の2乗に比例し、厚さtに反比例すること
を知見し、各々ウェーハWが載置された複数枚のウェー
ハ支持部材2を重ねて熱処理する場合のウェーハ支持部
材2を考慮したウェーハ支持部材2の厚さは(D/2)
/18000〜(D/2)/28500mmが適当
であることを導き出した。
【0031】つまり、直径300mmのウェーハWを重
ねて熱処理する場合には、ウェーハ支持部材2の厚さは
0.8〜1.25mmであり、直径375mmのウェー
ハWを重ねて熱処理する場合には、ウェーハ支持部材2
の厚さは1.23〜1.95mmである。
【0032】さらに、ウェーハ支持部材2の厚さが0.
8mmより薄い場合には、ウェーハ支持部材2を支持す
る保持片7、7、7に対応するウェーハ支持部材2の部
に盛り上がりを生じさせ、スリップ発生の原因とな
る。また、ウェーハWの支持、保持片7、7、7への載
置、および加熱処理の繰り返しにより、ウェーハ支持部
材2自身に転位が発生し、塑性変形を起こし、ウェーハ
支持部材2の凹凸が大きくなってしまうため、多数回使
用ができなくなる。
【0033】ウェーハ支持部材2の厚みを1.2mm以
上にすると上述の塑性変形は防止できるが、重量が増加
し実用的でなく、さらに熱容量が増大するため、ウェー
ハ支持部材2の温度差により生じる熱応力により、半導
体ウェーハWにスリップが発生する虞れがある。
【0034】ウェーハ支持部材2を形成する焼結体は、
粒状多結晶シリコンを3〜25μmに粉砕し、成形・焼
結したもので、高強度、高純度であり、かつ適切な粒界
の存在により金属不純物に対してゲッタリング能力を有
する。なお、多結晶とは粒子状の小さな単結晶が不規則
な方向に結合した状態にものである。
【0035】粒状多結晶の平均粒径が3μm以下の場合
は、製造工程中の粒状多結晶シリコンの酸化防止および
不純物混入を十分防止することができず、焼結体の十分
な強度と熱伝導率が得られない。
【0036】また、平均粒径が25μm以上の場合は、
焼結体の緻密さに欠け、焼結体の十分な強度と熱伝導率
が得られず、さらに粒界が少なく、金属不純物のゲッタ
リング性能が劣る。
【0037】さらに、ウェーハ支持部材2の材質をシリ
コン単結晶とした場合には、多結晶シリコンの焼結体よ
りも強度が弱く、多結晶シリコンの焼結体の厚さと同等
の厚さでは、上述と同様に保持片7、7、7に対応する
ウェーハ支持部材2の部位に盛り上がりを生じさせ、ス
リップ発生の原因となり、支持、加熱処理の繰り返しに
より、ウェーハ支持部材2自身に転位が発生し、塑性変
形を起こし、ウェーハ支持部材2の凹凸が大きくなって
しまうため、多数回使用ができなくなる。
【0038】本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理用治
具1は上述のような構造になっているから、半導体ウェ
ーハWを熱処置する場合には、半導体ウェーハWをウェ
ーハ支持部材2に同心円状に載置し、しかる後、この半
導体ウェーハWが載置されたウェーハ支持部材2を開口
部5から挿入して、保持片7、7、7に多数載置し、ボ
ート3に収納する。この多数のウェーハ支持部材2が収
納されたボート3を熱処理炉(図示せず)に装填し、熱
処理炉を加熱して、半導体ウェーハWを熱処理する。
【0039】この熱処理工程において、熱処理炉の炉部
材中に含まれている重金属が高温処理の熱拡散によって
炉内に放出され、半導体ウェーハを汚染する虞れがある
が、重金属が発生してもウェーハ支持部材2は粒状多結
晶シリコンを粉砕後、成形焼結した焼結体シリコンによ
り形成されているので、ゲッタリング効果があり、ウェ
ーハ支持部材2が重金属を捕捉し、半導体ウェーハWが
重金属汚染されることがない。
【0040】また、ウェーハ支持部材2は半導体ウェー
ハWを面接触した状態で支持しているので、ウェーハ支
持部材2から半導体ウェーハWに集中応力がかからず、
熱処理工程において半導体ウェーハWに熱応力がかかっ
ても、半導体ウェーハWにスリップが発生することはな
い。
【0041】なお、上記説明は、半導体ウェーハ熱処理
用治具の形態に基づいてなされているが、この中のウェ
ーハ支持部材2が単独で用いられる場合にも、同部材に
おいて同等の作用、効果が生じることは言うまでもな
い。
【0042】次に本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理
用治具他の実施の形態を図4に基づき説明する。
【0043】図4に示すような枚葉式サセプタ11は口
径300mm半導体ウェーハのような大口径ウェーハ用
に適するもので、受体12とこの受体12に受けられる
半導体ウェーハ熱処理用部材、例えばウェーハ支持部材
13で構成されている。
【0044】この受体12はウェーハ支持部材13を受
けるリング状の保持部14とこの保持部14の周囲に立
設された立上部15より形成されている。
【0045】本発明に係わる枚葉式サセプタ11は上述
のような構造になっているから、半導体ウェーハWを熱
処置する場合には、半導体ウェーハWをウェーハ支持部
材13に同心円状に載置し、しかる後、この半導体ウェ
ーハWが載置されたウェーハ支持部材13を受体12に
収納し保持部14で保持させる。
【0046】このウェーハ支持部材13が収納された枚
葉式サセプタ11を熱処理炉(図示せず)に装填し、熱
処理炉を加熱して、半導体ウェーハWを熱処理する。
【0047】この熱処理工程において、上述の一実施の
形態と同様の効果が得られる。さらに枚葉式サセプタ1
1は治具として縦型ボートに比べて小形、軽量で取扱い
が容易になり、大口径ウェーハ用に適する。
【0048】
【実施例】[1]特性(かさ密度、強度、熱伝導率)測
【0049】(1)試料の作製平均粒径を変えた多結晶
シリコンよりなり、直径300mm、厚さ1.0mmで
下記のような多結晶焼結体のウェーハ支持板を各種試料
として作製した。この試料の作製方法は、平均粒径を変
えた多結晶シリコンを直径300mm、厚さ100mm
の鋼製モールド中に充填し、ホットプレスを用いて圧力
300kg/cm、温度1300℃で4時間保持し、
その後10〜4torrの非酸化性雰囲気で焼成した。 実施例1;多結晶シリコンの平均粒径3mm、実施例
2;平均粒径8mm、実施例3;平均粒径25mm、比
較例1;平均粒径1mm、比較例2;平均粒径30m
m、比較例3;単結晶製ウェーハ支持部材。
【0050】(2)試料の特性測定結果(1)の作製方
法により作製した各試料のかさ密度、曲げ強さおよび熱
伝導率を測定した結果を表1に示す。
【0051】
【表1】 表1に示すような測定データから、多結晶の平均粒径が
2〜25μmの実施例1〜3は曲げ強さが263〜31
5MPa、熱伝導率が95〜110W/M・Kと高位で
ある。
【0052】一方、平均粒径が1μmの比較例1は曲げ
強さが180MPa、熱伝導率が70W/M・K、平均
粒径が30μmの比較例2は曲げ強さが169MPa、
熱伝導率が80W/M・Kと実施例1〜3に比べて低い
値にある。
【0053】なお、比較例3は熱伝導率が150W/M
・Kと最高値にあるが、曲げ強さが100MPaと最低
値にあり、荷重に対して撓みやすいことがわかる。
【0054】[2]スリップ評価試験 (1)試験方法図1に示した構造を有しシリコン単結晶
からなる縦型ボートに上述の実施例2を保持させて用い
た実施例4、同ボートに図5に示すようなシリコン多結
晶焼結体のリング状支持部材を保持させて用いた比較例
4、および従来構造の4点支持ボートを用いた従来例に
つき、スリップ評価試験を行った。
【0055】(2)熱処理方法上述した実施例2に直径
300mmのサンプルウェーハを1枚毎、合計10枚を
載置した10枚の実施例2を図1のボートに配置し、か
つサンプルウェーハの上下に各々5枚づつダミーウェー
ハを配置し、加熱炉に充填、比較例3に同上ウェーハを
同10枚載置し、同ダミーウェーハを配置して、図1の
ボートに配置し加熱炉に充填、従来例に同上ウェーハを
同10枚載置し、同ダミーウェーハを配置して、加熱炉
に充填し、次に示すシーケンスで熱処理によるスリップ
発生を評価した。 熱処理シーケンス:700℃でアル
ゴン雰囲気の炉に炉入、1200℃まで昇温、1200
℃で2時間保持、700℃に降温、炉出。
【0056】なお、試験に使用したシリコンウェーハは
酸素濃度が1.25〜1.3×1018atoms/cm
(old ASTM)である。ウェーハ酸素濃度によ
って、スリップの発生のしやすさが異なり、酸素濃度が
低い程、スリップは発生しやすくなる。酸素濃度1.3
×1018atoms/cm以下ではかなり発生しやすい。
(3)評価方法ウェーハスリップ転位の評価は、X線
トポグラフ観察で行い、用いたX線はMoKα1、加速
電圧60kV、電流300mAとし、回折面は220で
ある。 (4)評価結果実施例2、比較例3および従来例を用い
て各々10枚づつ熱処理したサンプルウェーハをスリッ
プ評価した結果を表2に示す。
【0057】
【表2】 表2の結果からも明らかなように、実施例2を使用した
場合、スリップ転位が発生せず、大きな改善が見られ
た。
【0058】リング方式は従来の4点支持よりスリップ
の大きさが減少してスリップの発生状況は緩和されてい
るが、スリップ発生を完全に防止する効果はない。
【0059】[3]プレート材質と厚さ試験 (1)試料の作製シリコン単結晶およびシリコン多結晶
焼結体(実施例4)で、各々0.4mm〜1.6mmの
厚さのウェーハ支持部材を作製した。 (2)評価方法シリコンウェーハをシリコン単結晶製の
ウェーハ支持部材、および多結晶焼結体製のウェーハ支
持部材に載置し、図4に示すような毎葉式サセプタに収
納保持し、上述したと同様の熱処理シーケンスにより熱
処理を行い、スリップ発生を評価した。 (3)評価結果評価結果をウェーハ支持部材の厚さとス
リップ発生数の関係で表したグラフを図6に示す。
【0060】図6の結果からも明らかなように、シリコ
ン単結晶製支持部材を用いて熱処理した方が、シリコン
多結晶焼結体製ウェーハ支持部材を用いて熱処理した場
合よりも多くのスリップが発生する。
【0061】シリコン多結晶焼結体製ウェーハ支持部材
でもその厚さが、0.6mm以下の場合には、保持片に
よりウェーハ支持部材に変形が生じてこの変形部とウェ
ーハが点接触し、この点接触部を起点としてスリップが
発生している。また、ウェーハ支持部材でもその厚さ
が、1.4mm以上の場合には、ウェーハ周辺の数カ所
よりスリップが発生しており、この発生は熱起因と思わ
れる。
【0062】一方、シリコン単結晶製支持部材を用いて
ウェーハを熱処理した場合には、単結晶製支持部材の厚
さが0.8〜1.0mmであっても、スリップは発生
し、厚さが0.8〜1.0mmの範囲では、スリップが
全く発生しない(図5のA範囲参照)シリコン焼結体製
ウェーハ支持部材とは、明らかな差異がある。
【0063】図6より明らかなように、シリコン焼結体
製ウェーハ支持部材の方が単結晶支持部材よりもスリッ
プ対策には効果があり、かつシリコン焼結体製ウェーハ
支持部材の厚さは0.8〜1.2mmが望ましいことも
確認できた。
【0064】[4]ウェーハ支持部材のゲッタリング効
果試験 (1)試料の作製直径300mmのCZシリコンウェー
ハ(P型5〜10Ωcm)を2枚、裏面にサンドブラス
ト処理(SB)を施したシリコンウェーハを1枚、裏面
にポリシリコン膜を施した裏面ポリバックシール(PB
S)ウェーハを1枚を用意し、各ウェーハにスピンコー
ト法によって、Cu溶液を欠けてウェーハ表面を10
14atoms/cm程度に汚染して試料を作製した。 (2)評価方法汚染されたCZウェーハの1枚を上述し
た実施例2のウェーハ支持部材に載置して(実施例
5)、ボートに配置し、残りのCZウェーハ(比較例
5)、SBウェーハ(比較例6)およびPBSウェーハ
(比較例7)もボートに直接配置し、スリップ評価試験
同じ条件で熱処理を行った。熱処理後の各ウェーハを
化学分析とウェーハの発生ライフタイムの測定を行う。
(3)評価結果熱処理後の各ウェーハの表層部(10μ
m)のCu分析の結果と熱処理後の発生ライフタイム値
を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】実施例2により支持されたシリコンウェー
ハ(実施例5)はボートに直接3点支持された比較例5
と比較して、Cu汚染が低減し、さらにライフタイム値
も向上しており、シリコン焼結体製支持板のゲッタリン
グ効果が発揮されていると考えられる。別工程によりポ
リシリコン膜を施す比較例7には及ばないものの、別工
程で裏面をサンドブラストする比較例6以上のゲタリン
グ効果が見られ、シリコン焼結体製支持板はシリコンウ
ェーハ汚染の低減に有効であることがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理用
部材およびこれを用いた治具は、ウェーハの高温熱処理
に伴うスリップ転位発生を防止することができるばかり
でなく、ウェーハの金属汚染に対するゲッタリング効果
を持たせることができる半導体ウェーハ熱処理用部材お
よびこれを用いた治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理用治具の
斜視図。
【図2】本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理用治具に
用いられるウェーハ支持部材の斜視図。
【図3】図2のウェーハ支持部材の使用状態を示す説明
図。
【図4】本発明に係わる半導体ウェーハ熱処理用治具の
他実施の形態の使用状態を示す断面図。
【図5】評価試験の比較例のリング状支持部板を示す説
明図。
【図6】支持板の違いによるスリップの発生評価の結果
を示すグラフ。
【符号の説明】
1 半導体ウェーハ熱処理用治具 2 半導体ウェーハ熱処理用部材(ウェーハ支持部材) 3 受体 4 基台 5 開口部 6 支柱 7 保持片 8 上部固定板 9 表面 11 枚葉式サセプタ 12 受体 13 ウェーハ支持部材 14 保持部 15 立上部 D ウェーハ支持部材の直径 W 半導体ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 浩之 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社 開発研究所内 (72)発明者 相庭 吉郎 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社 開発研究所内 (56)参考文献 特開 平1−153513(JP,A) 特開 平4−304652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/22 H01L 21/324

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハの少なくとも一面全体を
    支持する薄板状体であって、この薄板状体が多結晶シリ
    コン粒状体を焼結したシリコン焼結体からなることを特
    徴とする半導体ウェーハ熱処理用部材。
  2. 【請求項2】 上記多結晶シリコン粒状体は3〜25μ
    mの平均結晶粒径を有することを特徴とする請求項1に
    記載の半導体ウェーハ熱処理用部材。
  3. 【請求項3】 上記薄板状体は円板形状であり、この直
    径をDmmとするとき、厚さを(D/2)/1800
    0〜(D/2)/28500mmとすることを特徴と
    する請求項1もしくは2に記載の半導体ウェーハ熱処理
    用部材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    半導体ウェーハ熱処理用部材およびこれを受ける受体
    からなることを特徴とする半導体ウェーハ熱処理用治
    具。
  5. 【請求項5】 上記半導体ウェーハ熱処理用部材は上記
    受体に設けられた保持部で保持されて、前記受体に着脱
    自在に配置されることを特徴とする請求項4に記載の半
    導体ウェーハ熱処理用治具。
  6. 【請求項6】 上記受体は上記半導体ウェーハ熱処理用
    部材を一定方向に間隔を有して配置される保持部を有す
    ることを特徴とする請求項5に記載の半導体ウェーハ熱
    処理用治具。
  7. 【請求項7】 上記受体は一枚の上記半導体ウェーハ熱
    処理用部材を水平方向に固定配置される保持部を有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体ウェーハ熱処
    理用治具。
  8. 【請求項8】上記受体は縦型ボートであることを特徴と
    する請求項6に記載の半導体ウェーハ熱処理用治具。
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