JP3511451B2 - 移動棚装置 - Google Patents

移動棚装置

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JP3511451B2
JP3511451B2 JP25477497A JP25477497A JP3511451B2 JP 3511451 B2 JP3511451 B2 JP 3511451B2 JP 25477497 A JP25477497 A JP 25477497A JP 25477497 A JP25477497 A JP 25477497A JP 3511451 B2 JP3511451 B2 JP 3511451B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、図書館等の書籍棚
として用いられ、あるいは各種物品を収納することがで
きる移動棚装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動式移動棚は、これを複数台ガイドレ
ール上に走行可能に配置し、物品の出し入れ作業を行う
のに必要な棚とこれに隣接する棚との間にのみ作業用通
路を形成し、他の棚は収束させておくことにより、限ら
れた空間を物品収納空間として有効に利用することがで
きるものである。近年、このような電動式移動棚とスタ
ッカークレーンあるいは有人・無人フォークリフトなど
の荷役機械とを組み合わせて、スペース効率の良い物流
倉庫などを構築する例が増えている。
【0003】上記のような電動式移動棚は、一般に不特
定多数の人が使用する場合が多い。この場合、電動式移
動棚についての操作経験の乏しい人がほとんどであると
考えられる。従って、従来の移動棚では、操作上のミス
や事故が発生する危険性が高くなる。このような状況に
おいて、音声により利用者に必要な情報を知らせること
ができれば便利であり、移動棚の動作に応じて、適時音
声でメッセージを出すことにより、操作上のミスや事故
を未然に防ぎ、操作経験の乏しい利用者にも操作上の利
便性と安全性の向上を図ることが可能となる。
【0004】例えば、日常的に使用されているエレベー
タにおいて、音声を発生させることにより、利用者に必
要な情報を提供し、あるいは注意を喚起することが行わ
れている。また、トラック等の大型の車両においても、
音声を発生することにより、車両の動きを第三者に知ら
せ、安全を確保するといったことが行われている。一
方、電動式移動棚においては、現在までチャイム音又は
ブザー音を発する移動棚は存在していたものの、音声を
発することによって利用者等に必要な情報を提供し、注
意を喚起するといったことは行われていなかった。しか
し、電動式移動棚は大型の機械であり、電気を動力源と
しているため、その操作には慎重を期する必要があり、
不測の事故を未然に防ぐように万全の措置を施す必要が
ある。電動式移動棚には種々の安全装置が装備されてい
るが、更なる安全性の確保のため、音声によって必要な
情報を利用者に知らせることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な背景のもとに考えられたもので、移動棚から音声を発
生させることにより、安全かつ確実に動作をさせること
が可能な移動棚装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、走行車輪と、この走行車
輪を回転駆動するモータとを有し、上記モータで上記走
行車輪を回転駆動することにより走行することができる
移動棚装置において、各種の音声信号を保有していてそ
の音声信号の中から移動棚の動作状況に応じた音声信号
を選択することにより移動棚装置の動作状況を音声で知
らせるための音声発生回路と、上記音声を発するための
スピーカとを有し、上記音声発生回路は、移動棚装置の
動作開始時および完了時にその旨の音声信号によるメッ
セージを発し、安全装置が作動した場合および移動棚装
置にエラーが発生した場合にその旨の音声信号によるメ
ッセージとアラーム音とを発することを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、移動棚装置は、モータによって駆動される
電動式移動棚が複数個設置されてなることを特徴とす
る。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項記載の発
明において、移動棚が移動中に何れかの通路スイッチが
押されるとすべての移動棚が停止し、停止した旨のメッ
セージを発声することを特徴とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる移動棚装置の実施の形態について説明する。本
発明に用いることができる移動棚装置の底部の台枠部分
の構成の一例を図1に示す。図1において、移動棚装置
1は、底部に、鉄板等を折り曲げることによって形成さ
れた台枠を有し、この台枠内にはその幅方向に適宜数の
梁部材5が渡されることによって補強され、高い剛性が
保たれている。適宜の梁部材5は対をなしていて、対を
なす梁部材5、5間には、軸受6を介して走行車輪3ま
たは走行車輪4が回転自在に支持されている。走行車輪
3はフランジ付きの車輪で、移動棚装置1の走行方向
(図1において上下方向)から見て左右方向両側に、か
つ、走行方向の前後に配置されている。走行車輪4はフ
ランジなしの車輪で、移動棚装置1の走行方向から見て
中央部に、かつ、走行方向の前後に配置されている。
【0012】モータ30の出力軸に固着された小径歯車
8が、上記走行車輪3、4、3と一体の軸である連結軸
32に固着された大径歯車9と噛み合っているため、モ
ータ30の回転力は減速歯車列を構成する歯車8、歯車
9を介して連結軸32に伝達され、走行車輪3、4、3
が回転駆動される。すなわち、モータ30の回転力は連
結軸32に伝達され、連結軸32の回転力は車輪3、
4、3に伝達され、この車輪3、4、3の回転駆動によ
って電動式移動棚1がレールに沿って移動する。
【0013】上記モータ30は、減速歯車列を内蔵した
ギヤードモータであってもよい。その場合、モータ30
の出力軸を連結軸32に直結してもよい。モータ30は
また、モータ自体の回転軸に対して直交する方向の出力
軸を有している形式のモータであっても差し支えない。
そのほか、モータ30の形式は特に限定されるものでは
なく、要求される仕様に適合したものを適宜選択して用
いればよい。例えば、インダクションモータ、リバーシ
ブルモータ、インバータ制御あるいはチョッパー制御モ
ータ、サーボモータなどの中から選択してもよい。さら
に、走行車輪3、4、3とモータ30とを融合した形式
のもの、すなわち、走行車輪3、4、3がモータのロー
タを構成している形式のものなどであってもよい。
【0014】図1のように構成された移動棚装置1を複
数設置した移動棚装置の例を図2に示す。図2におい
て、ビル、倉庫その他の構造物の床には適宜数のガイド
レール10が互いに平行にかつ直線状に敷設されてい
る。各レール10の上には、図1で説明した移動棚装置
1の走行車輪3、4が載せられ、移動棚装置1がレール
10に沿って直線的に、かつ、収納物品の出し入れ面に
対し直交する方向に移動することができるようになって
いる。移動棚装置1は複数個配置され、最も外側の移動
棚装置1の外側の面に対向させて固定棚2が設置されて
いる。固定棚2は必須のものではなく、最も外側の棚が
移動棚装置1であってもよい。あるいは、固定棚2に代
わって、構造物の壁があってもよいし、パーティショ
ン、レールエンド、ストッパなどが設けられていてもよ
い。図2に示す例では、全ての移動棚装置1を固定棚2
側に収束させ、また、物品を出し入れしようとするとき
は、適宜の移動棚装置1を図2において左右方向に移動
させ、所望の移動棚装置1の前面に作業用の通路を形成
することができる。
【0015】図3に移動棚装置の部品配置構成の一例を
示す。移動棚装置は、移動棚本体部19とこの移動棚本
体部19の一側面に取り付けられた操作パネル部20に
分けられる。操作パネル部20には、電源スイッチ2
1、リセットスイッチ22、通路スイッチ23、緊急操
作スイッチ24が設けられている。電源スイッチ21
は、移動棚装置を使用するときに電源を投入するキー付
スイッチである。リセットスイッチ22は、アラームや
エラーの状態から、元の状態に復旧させるときに使用す
るスイッチである。通路スイッチ23は、棚間に通路の
形成操作を行うスイッチである。緊急操作スイッチ24
は、緊急時、制御回路なしで直接棚を移動させるスイッ
チである。
【0016】移動棚本体部19と操作パネル部20に
は、棚の開口面側、すなわち棚と棚との間に形成される
作業通路に面する側に、通路進入センサ25、25が設
けられている。通路進入センサ25は、上記作業通路に
人が入ったことを検知する光電センサである。移動棚本
体部19の上記作業通路に面した側の下部には、台枠安
全バー26が水平方向に設けられている。台枠安全バー
26は、通路にある障害物を検知するためのバーであ
る。移動棚本体部19の上記作業通路に面した側の上下
方向略中央部には、棚板安全バー27が水平方向に設け
られている。棚板安全バー27は、通路内の作業者の安
全を確保するバーである。台枠安全バー26の上方に設
けられた停止センサ28は、棚の停止位置を検出する光
電センサである。駆動モータ30は、台車の移動を行う
前記モータである。操作パネル部20の裏面側には、主
制御盤29とボイス制御盤31が取り付けられていて、
これら主制御盤29とボイス制御盤31に音声発生回路
が収められている。利用者の便宜から照明灯37を移動
棚の上部に設けている。図示しないが、感電や火災事故
を防止するための保護装置としての漏電ブレーカや、自
動多通路使用のときに通路幅を検出するセンサとしての
通路幅センサを設けてもよい。
【0017】図4に音声発生回路から発せられるメッセ
ージの内容の一例を示す。例えば、移動棚が移動を開始
する場合、チャイム音とともに「動きます」といったメ
ッセージを発声させ、移動棚の近傍にいる人に注意を喚
起する。移動棚装置においてエラーが発生した場合に
は、アラーム音とともに「トラブルが発生しました」と
いったメッセージを発声させ、トラブルの発生を知らせ
る。移動棚の安全装置が作動した場合には、アラーム音
とともに「安全装置が作動しました」といったメッセー
ジを発声させ、アラームの発生を知らせる。電源がオン
された場合又は緊急操作時には、アラーム音とともに
「安全に注意して下さい」といったメッセージを発声さ
せ、移動棚の近傍にいる人に注意を喚起する。通路進入
センサの切り離しを行っている場合は、アラーム音とと
もに「通路進入センサ切り離し中です」といったメッセ
ージを発声させ、移動棚の動作状況を知らせる。他の通
路が使用されている場合は、チャイム音とともに「使用
中です」といったメッセージを発声させ、移動棚の使用
状況を知らせる。移動棚が手動で停止された場合は、
「停止しました」といったメッセージを発声させ、移動
棚の動作状況を知らせる。移動棚のリセット後の再起動
時には、「使用できます」といったメッセージを発声さ
せ、移動棚の動作状況を知らせる。パラメータ設定中の
場合は、「パラメータ設定中です」といったメッセージ
を発声させ、移動棚の動作状況を知らせる。移動棚の均
等分割、集束完了時には、「電源を切ります」といった
メッセージを発声させ、移動棚の動作状況を知らせる。
ディスプレイの故障時には、「画面の使用ができませ
ん」といったメッセージを発声させ、移動棚の動作状況
を知らせる。利用者が通路内に進入した場合は、「イン
ターロックしました」といったメッセージを発声させ、
移動棚の動作状況を知らせることができる。インターロ
ックが解除された場合は、「インターロック解除しまし
た」といったメッセージを発声させ、動作状況を知らせ
ることができる。
【0018】以下において、移動棚の動作の一例と、こ
のときの音声機能を説明する。まず、移動棚の利用者
は、開けたい通路の通路スイッチ23を押すと、通路ス
イッチ23が点灯し、チャイム音とともに「動きます」
というメッセージを発声しながら台車が移動する(#
1)。移動棚が移動中に何れかの通路スイッチ23が押
されると、全ての台車は停止する。この時「停止しまし
た」というメッセージを発生する(#7)。
【0019】所定の通路幅まで移動棚が移動すると、自
動的に台車は停止する。このとき、当該通路はインター
ロックされ、通路スイッチ23は点滅し、移動棚の上部
に設けられた照明灯は点灯する。移動棚が所定の通路幅
まで完全に移動していない状態で、点滅していない通路
スイッチ23が押されると、チャイム音が鳴り、同時に
「使用中です」というメッセージが発声される(#
6)。
【0020】一方、点滅している通路スイッチ23が押
されると、通路のインターロックは解除され、「インタ
ーロック解除しました」というメッセージが発声される
(#13)。
【0021】図5に本発明に係る移動棚装置の音声発生
機能に関する機能ブロック図の概略を示す。主に、移動
棚制御回路33と音声機能制御回路34と音声発声手段
としてのスピーカ35とから構成されている。図4に示
すような所定の音声発声のタイミングとなった場合、I
/Oポート36を介して移動棚制御回路33から音声機
能制御回路34に信号を送る。その後、音声機能制御回
路34は、送られてきた信号に対応する音声を選択し、
その音声をスピーカ35に出力し、メッセージを発声さ
せる。
【0022】本発明においては、移動棚の形式は上記の
実施の形態に限られたものではなく、モータの数及び配
置は任意に変更可能である。また、移動棚装置はその底
部の走行車輪によって走行する形式のものに限られるも
のではなく、移動棚の上部に設けられた走行車輪によ
り、構造物の天井部等に設置されたレールに沿って移動
するようにした天井走行式のものであってもよい。ま
た、移動棚装置自体の駆動方式は任意である。例えば、
複数の移動棚装置が集団となって同時に移動する同時駆
動方式であってもよいし、始動時の電流を少なくするた
めに1台の移動棚装置が始動したあと次の移動棚装置が
始動し、引き続き順に始動する順次駆動方式であっても
よく、また、まず1台目が始動したあと後続の移動棚が
集団で同時に始動する同時駆動方式と順次駆動方式の併
用型であってもよい。さらに、上記移動棚の実施の形態
における部品構成とメッセージ内容は、適宜変更可能で
ある。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、走行車輪と、この走行
車輪を回転駆動するモータとを有し、上記モータで上記
走行車輪を回転駆動することにより走行することができ
る移動棚装置において、各種の音声信号を保有していて
その音声信号の中から移動棚の動作状況に応じた音声信
号を選択することにより移動棚装置の動作状況を音声で
知らせるための音声発生回路と、上記音声を発するため
のスピーカとを有し、上記音声発生回路は、移動棚装置
の動作開始時および完了時にその旨の音声信号によるメ
ッセージを発し、安全装置が作動した場合および移動棚
装置にエラーが発生した場合にその旨の音声信号による
メッセージとアラーム音とを発するようにしたため、移
動棚の動作状況に応じて、適時音声でメッセージを出す
ことにより、操作上のミスや事故を未然に防ぎ、操作経
験の乏しい利用者にも操作状の利便性と安全性の向上を
図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる移動棚装置に用いることができ
る電動式移動棚の実施の形態を示す底面図である。
【図2】本発明にかかる移動棚装置に用いることができ
る電動式移動棚のさらに別の実施の形態を示す平面図で
ある。
【図3】本発明にかかる移動棚装置に用いることができ
る電動式移動棚の部品配置構成の一例を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明にかかる移動棚装置から発せられる音声
の一例を示す表である。
【図5】本発明にかかる移動棚装置の機能ブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 移動棚装置 30 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−156902(JP,A) 特開 昭57−80129(JP,A) 特開 昭63−39371(JP,A) 特開 平5−270619(JP,A) 特開 昭57−141396(JP,A) 特開 昭56−28104(JP,A) 特開 平4−169404(JP,A) 実開 昭57−178542(JP,U) 実開 昭62−34094(JP,U) 実開 昭57−39842(JP,U) 特公 昭52−50580(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 53/02 B65G 1/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車輪と、この走行車輪を回転駆動す
    るモータとを有し、上記モータで上記走行車輪を回転駆
    動することにより走行することができる移動棚装置にお
    いて、各種の音声信号を保有していてその音声信号の中から移
    動棚の動作状況に応じた音声信号を選択することにより
    移動棚装置の動作状況を音声で知らせるための音声発生
    回路と、 上記音声を発するためのスピーカとを有し、 上記音声発生回路は、移動棚装置の動作開始時および完
    了時にその旨の音声信号によるメッセージを発し、安全
    装置が作動した場合および移動棚装置にエラーが発生し
    た場合にその旨の音声信号によるメッセージとアラーム
    音とを発する ことを特徴とする移動棚装置。
  2. 【請求項2】 移動棚装置は、モータによって駆動され
    る電動式移動棚が複数個設置されてなることを特徴とす
    る請求項1記載の移動棚装置。
  3. 【請求項3】 移動棚が移動中に何れかの通路スイッチ
    が押されるとすべての移動棚が停止し、停止した旨のメ
    ッセージを発声することを特徴とする請求項記載の移
    動棚装置。
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