JP3510281B2 - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物

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JP3510281B2
JP3510281B2 JP01863093A JP1863093A JP3510281B2 JP 3510281 B2 JP3510281 B2 JP 3510281B2 JP 01863093 A JP01863093 A JP 01863093A JP 1863093 A JP1863093 A JP 1863093A JP 3510281 B2 JP3510281 B2 JP 3510281B2
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田 卓 時
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ホットメルト接着剤組
成物に関し、特に、適正な溶融粘度を有するため、良好
な作業性を維持したまま、優れた接着力を発現すること
ができるホットメルト接着剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ラベル、クラフトテ−プ、布テ−プ等に
塗布して加熱により接着効果を発揮する接着剤として、
ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、酢酸ビニ
ル共重合体、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリビニルエーテル、ポリウレタン等のポリマー
をベースとし、これに粘着付与樹脂を添加してなるホッ
トメルト接着剤がよく知られている。通常、この種のホ
ットメルト接着剤には、溶融粘度を低くして良好な作業
性を得るため、および作業時に接着剤が糸引き現象を引
き起こさないように、低分子量ポリオレフィンからなる
ワックスが配合されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この用途によ
く使用されるサゾールワックスを含め、多くのワックス
はホットメルト接着剤に配合すると接着力を低下させる
という問題点がある。ところが、近年、従来のものより
接着力に優れたホットメルト接着剤が求められている。 【0004】そこで本発明の目的は、適正な溶融粘度を
有するため、良好な作業性は維持したまま、優れた接着
力を発現することができるホットメルト接着剤組成物を
提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前期課題を解決するため
に、本発明は (A)ベ−スポリマ−100重量部、 (B)粘着付与剤10〜300重量部、および (C)極限粘度が0.01〜0.8di/gのポリエチ
レンに、一般式(I): 【化2】 〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基であり、
2 、R3 およびR4 は同一でも異なっていてもよく、
水素原子またはメチル基であり、nは0または正の整数
である〕で表される単量体を1〜60重量%グラフト共
重合してなる、極限粘度0.01〜0.6dl/gであ
る変性ポリエチレン1〜100重量部を含むホットメル
ト接着剤組成物を提供するものである。 【0006】以下、本発明のホットメルト接着剤組成物
(以下「本発明の組成物」という)について詳細に説明
する。 【0007】本発明の組成物に使用される(A)ベース
ポリマーは、ホットメルト接着剤に通常使用されるポリ
マーでよく、特に制限されず、例えば、以下のものを例
示することができる。 1)ポリエチレン 2)エチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA) 3)ケン化EVA、グラフト変性EVA等の変性EVA
ポリマー 4)エチレン・(メタ)エチルアクリレート(EEA)
などのエチレン・(メタ)アクリレート共重合体 5)エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体を部分中和
してなるアイオノマー樹脂。これらの具体例として、三
井・デュポンポリケミカル社から商品名:ハイミランで
上市されているものなどが挙げられる。 6)エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピ
レン・(メタ)アクリル酸ターポリマー 7)ポリアミド:二塩基酸とジアミンの反応生成物であ
り、たとえば、大豆油、桐油、トール油等の脂肪酸の2
量体であるダイマー酸と、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン等のアルキルポリアミンとの反応生成物、
ならびにナイロン12等のナイロン類等これらの具体例
として、ダイアミド(ダイセル化学工業)、プラチロン
(東亜合成化学工業)、アミラン(東レ)等の商品名で
上市されているもの等を挙げることができる。 8)ポリエステル:例えば、エステルレジン200およ
び300(東洋紡)、Vita1200、300(グッ
ドイヤー社)等の商品名で上市されているものを挙げる
ことができる。 9)プロピレン系ポリマー:アタクチックポリプロピレ
ン等が挙げられる。 10)ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物からなる
共重合体、およびその水添物:具体的には、スチレン・
ブタジエンランダム共重合体、スチレン・イソプレンラ
ンダム共重合体、ブタジエン・ポリスチレンブロック共
重合体、ポリスチレン・ポリイソプレンブロック共重合
体、ポリスチレン・ポリイソプレン・ポリスチレントリ
ブロック共重合体、ポリスチレン・ポリブタジエン・ポ
リスチレントリブロック共重合体、ポリ(α−メチルス
チレン)・ポリブタジエン・ポリ(α−メチルスチレ
ン)トリブロック共重合体、およびこれらの水添物等を
挙げることができる。 【0008】これらの重合体は、市販品として入手する
ことができ、また水添品も市販されている。例えば、カ
リフレックスTR−1101、TR−1107、TR−
4113(シェル化学社製)、クレイトンG−650
0、G−6521、G−1650、G−1652、G−
1657(シェル化学社製)、ソルブレン、水素化ソル
ブレン(フィリップス社製)等の商品名で上市されてい
るものを例示することができる。 11)その他のポリマー:酢酸ビニル共重合体系ポリマ
ー、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体系ポリマー、酢酸
ビニルー無水フタル酸共重合体系ポリマー、酢酸ビニル
−ビニルピロリドン共重合体系ポリマー、セルロース誘
導体系ポリマー、ポリメチルメタクリレート系ポリマ
ー、ポリビニルエーテル系ポリマー、ポリウレタン系ポ
リマー、熱硬化性レジン系ポリマー、シンジオタクチッ
クポリプロピレン、エチレン−プロピレン系ポリマー等
が挙げられる。 【0009】本発明の組成物において、これらの(A)
ベースポリマーは1種単独でも2種類以上を組み合わせ
て使用してもよい。 【0010】本発明の組成物の(B)成分である粘着付
与剤は、(A)ベースポリマーの溶融時の粘度を調整
し、ホットタック性や濡れ性を向上させるために配合さ
れるものである。この(B)粘着付与剤は、(A)ベー
スポリマーと混合して、加熱時に、(A)ベースポリマ
ーのホットタック性や濡れ性を向上させるものであれ
ば、いずれのものでも良く特に制限されない。 【0011】この(B)粘着付与剤の具体例として、脂
肪族系水添タッキファイヤー、ロジン、変性ロジンまた
はこれらのエステル化物、脂肪族系石油樹脂、脂環族系
石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族成分と芳香族成分
の共重合石油樹脂、低分子量スチレン系樹脂、イソプレ
ン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、ク
マロン・インデン樹脂等が好適な粘着付与剤として例示
される。 【0012】本発明の組成物において、これらの(B)
粘着付与剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用
いてもよい。 【0013】また、これらの(B)粘着付与剤は、使用
される(A)ベースポリマーに応じて適宜選択すること
ができる。例えば、(A)ベースポリマーとしてエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる場合には、
脂環族系石油樹脂および(変性)ロジン等を使用するこ
とが好ましい。 【0014】本発明の組成物の(C)成分である変性ポ
リエチレンは、ポリエチレンに前記一般式(I)で表さ
れる単量体をグラフト共重合してなるものである。 【0015】 【0016】また、このポリエチレンとしては極限粘度
[η]が0.01〜0.8dl/gの範囲の低分子量ポ
リエチレンが好ましい。 【0017】これらの低分子量ポリエチレンの製造は、
公知の方法に従って行うことができる。例えば、高圧ラ
ジカル重合法、チーグラー触媒等の各種遷移金属触媒の
存在下に行われる中・低圧重合法による製造方法、ある
いは、重合により高分子量ポリエチレンを製造した後、
この高分子量ポリエチレンを熱減成あるいは過酸化物を
使用したラジカル減成等により低分子量化する熱分解法
等を挙げることができる。 【0018】本発明において、前記ポリエチレンにグラ
フト共重合される単量体は、前記一般式(I)で表され
るものである。この一般式(I)において、R1 は炭素
数1〜5のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチ
ル基、ペンチル基、i−ペンチル基、neo−ペンチル
基、t−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、
好ましくはメチル基、エチル基である。また、R2 、R
3 およびR4 は同一でも異なっていてもよく、水素原子
またはメチル基であり、nは0または正の整数である。 【0019】この一般式(I)で表される単量体の具体
例として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げら
れる。これらの中でも反応性が高く、しかも容易に入手
でき、コスト的にも有利である点で、酢酸ビニルが特に
好ましい。 【0020】また本発明において、(C)変性ポリエチ
レンのグラフト量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)等の極性ポリマーとの相容性が良好で、ま
た、糸引き防止性が向上し、良好な作業性を有するホッ
トメルト接着剤が得られる点で、1〜60重量%が好ま
しく、特に5〜40重量%が好ましい。 【0021】さらに、(C)変性ポリエチレンは、得ら
れるホットメルト接着剤組成物が良好な作業性を発現す
る溶融粘度となり、また、ホットメルト接着剤組成物の
凝集力が適正となるため優れた接着力を得ることができ
る点で、極限粘度が0.01〜0.6dl/g、好まし
くは0.05〜0.5dl/gのものである。 【0022】この変性ポリエチレンの製造は、例えば、
公知の方法に従って行うことができる。例えば、ヘンシ
ェルミキサー、ブレンダー等の混合機に、前記ポリエチ
レン、前記一般式(I)で表される単量体および過酸化
物を入れ、混合し、得られた混合物を押出機などの加熱
溶融装置にいれ、過酸化物の分解温度以上でしかもポリ
エチレンの融点以上の温度でグラフト共重合反応を行う
方法:反応器に前記ポリエチレンを入れ、融点以上かつ
用いる過酸化物の分解温度以上の温度で加熱溶融し、前
記単量体と過酸化物を逐次滴下し、グラフト共重合反応
を行う方法:ポリエチレンに単量体、必要に応じて過酸
化物を含浸させておき、加熱あるいは活性光線を照射し
てグラフト共重合反応を行う方法等を挙げることができ
る。これらの方法では、過酸化物は必ずしも必要ではな
く、過酸化物の非存在下でもグラフト共重合反応を行う
こともできる。 【0023】また、必要に応じて、ポリエチレンを有機
溶媒に加熱溶解して得られる溶液に、前記一般式(I)
で表される単量体および過酸化物を逐次滴下してグラフ
ト共重合反応を行う方法、または、ポリエチレンを水に
分散して得られる水性懸濁液に、前記一般式(I)で表
される単量体と過酸化物を逐次滴下してグラフト共重合
反応を行う方法を用いることもできる。 【0024】本発明の組成物において、(C)変性ポリ
エチレンは、1種単独でも2種類以上を混合して使用す
ることもできる。 【0025】本発明の組成物において、前記(A)ベー
スポリマー、(B)粘着付与剤および(C)変性ポリエ
チレンの配合割合は、(A)ベースポリマー100重量
部に対して、(B)粘着付与剤10〜300重量部およ
び(C)変性ポリエチレン1〜100重量部の割合であ
り、(A)ベースポリマーの凝集力、(B)粘着付与剤
の粘着力および(C)変性ポリエチレンの働きがバラン
ス良く発揮され、さらに適正な溶融粘度を有するため、
良好な作業性を維持したまま、優れた接着力を発現する
ことができる点で、(A)ベースポリマー100重量部
に対して、(B)粘着付与剤50〜200重量部および
(C)変性ポリエチレン20〜80重量部の割合が好ま
しい。 【0026】また、本発明の組成物に、未変性ポリオレ
フィン、例えば、通常のホットメルト接着剤に配合され
るサゾールワックス(H−1:サゾール社製)を配合す
ると、溶融粘度を低下させ、作業性をさらに向上させる
ことができる。 【0027】本発明の組成物は、前記(A)ベースポリ
マー、(B)粘着付与剤および(C)変性ポリエチレン
以外に、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲
において、各種の配合剤、例えば、軟化剤、安定剤、充
填剤、酸化防止剤等を配合することができる。 【0028】本発明の組成物の調製は、前記(A)ベー
スポリマー、(B)粘着付与剤および(C)変性ポリエ
チレン、ならびに必要に応じて、前記各種の成分を、所
定の配合割合でブラベンダー等の混合機に供給し、加熱
して溶融混合し、これを所望の形状、例えば、粒状、フ
レーク状、棒状等に成形することによって行うことがで
きる。 【0029】本発明の組成物は、これを加熱溶融して、
布、クラフト紙、アルミ箔、ポリエステルフィルム等の
被塗布体に、通常の方法によって塗布してホットメルト
接着剤層を形成し、使用に供することができる。 【0030】 【実施例】以下に実施例を記すが、本発明は実施例によ
り何等制限されるものではない。 【0031】(実施例1) <変性ポリエチレンの合成> 未変性ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、三井
ハイワックス200P:極限粘度0.13dl/g)6
00gを、1.5lのガラス製反応器に仕込み、160
℃に加熱して溶融させた。次いで、温度を保ちながら酢
酸ビニル267g、ジ−tert−ブチルペルオキシド
14.8gを3時間かけて滴下した。滴下終了後、さら
に1時間反応させた後、溶融状態のまま、10mmHg
真空中で1時間かけて脱気処理して揮発分を除去し、そ
の後冷却し、変性ポリエチレン(変性ワックス)を得
た。得られた変性ポリエチレン(変性ワックス)の極限
粘度は0.13dl/g、酢酸ビニルのグラフト量は2
8重量%であった。(この変性ポリエチレン(変性ワッ
クス)を、以下、「W−1」という) 【0032】エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA#
220:三井デュポンポリケミカル社)40g、脂肪族
系石油樹脂(ハイレッツT−500X:三井石油化学工
業株式会社)40g、および上記で得られたW−1 2
0gを、180℃で溶融混合し、ホットメルト接着剤組
成物を調製した。このホットメルト接着剤組成物の溶融
粘度は160℃で6800cp、180℃で3900c
pであった。 【0033】このホットメルト接着剤組成物をアルミ箔
(厚さ:50μm)の片面に15μmの厚さに塗工し
た。次いで、塗工面同士を貼り合わせ、上部バ−170
℃、下部バ−70℃、圧着時圧力1kg/cm2 、2秒
の条件でヒ−トシ−ルし、ホットメルト接着剤層を介し
てアルミ箔を貼り合わせた接着片を作製した。この接着
片を25mm幅に切断して試料とし、0〜80℃の測定
温度下、引張速度:300mm/minでT型剥離試験
を行い、接着強度を測定した。結果を表1〜3に示す。 【0034】(実施例2、3)W−1のかわりに、W−
1/サゾ−ルワックスを混合してなる混合物を使用した
以外は、実施例1と同様にして表1に示す配合割合のホ
ットメルト接着剤組成物を調製し、さらに実施例1と同
様に溶融粘度および接着強度を測定した。結果を表1〜
3に示す。 【0035】(比較例1)W−1のかわりに、サゾ−ル
ワックスのみを使用した以外は、実施例1と同様にし
て、ホットメルト接着剤組成物を調製し、さらに実施例
1と同様に溶融粘度および接着強度を測定した。結果を
表1〜3に示す。 【0036】(比較例2)W−1のかわりに、実施例1
で使用した未変性ポリエチレンを混合して、ホットメル
ト接着剤組成物を調製し、実施例1と同様に溶融粘度お
よび接着強度を測定した。結果を表1〜3に示す。 【0037】【0038】 【0039】【0040】 【発明の効果】本発明のホットメルト組成物は、適正な
溶融粘度を有するため、良好な作業性は維持したまま、
優れた接着力を発現することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−145738(JP,A) 特開 昭61−162539(JP,A) 特開 昭56−104978(JP,A) 特開 平3−199283(JP,A) 特開 昭61−266481(JP,A) 特開 昭49−97842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)ベ−スポリマ−100重量部、 (B)粘着付与剤10〜300重量部、 および (C)極限粘度が0.01〜0.8di/gのポリエチ
    レンに、一般式(I): 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基であり、
    2 、R3 およびR4 は同一でも異なっていてもよく、
    水素原子またはメチル基であり、nは0または正の整数
    である〕で表される単量体を1〜60重量%グラフト共
    重合してなる、極限粘度0.01〜0.6dl/gであ
    る変性ポリエチレン1〜100重量部を含むホットメル
    ト接着剤組成物。
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DE102005042389A1 (de) * 2005-06-17 2006-12-28 Röhm Gmbh Heißversiegelungsmasse für Aluminium- und Polyethylenterephthalatfolien gegen Polypropylen-Polyvinylchlorid- und Polystyrolbehälter

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