JP3508677B2 - ロボット制御装置 - Google Patents

ロボット制御装置

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JP3508677B2
JP3508677B2 JP2000027768A JP2000027768A JP3508677B2 JP 3508677 B2 JP3508677 B2 JP 3508677B2 JP 2000027768 A JP2000027768 A JP 2000027768A JP 2000027768 A JP2000027768 A JP 2000027768A JP 3508677 B2 JP3508677 B2 JP 3508677B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータを用いて
ロボットを駆動するロボット制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ロボットなどの自動機械を教示点に沿っ
て厳密に動かす必要のない場合は、第1の動作である動
作1が終了する前に第2の動作である動作2を開始する
ことにより、動作時間を短縮するとともに、ロボットを
滑らかに動作させることが行われてきた。例えば、特開
昭64−26911号公報に記載されているように、動
作1の減速開始と同時に動作2の加速を開始することに
より、2つの動作を滑らかに接続する軌道を動作1と動
作2との合成により生成する方式が用いられている。
【0003】一方、実際にロボットを使用する際には、
ロボット動作プログラムを作成した後、作成したロボッ
ト動作プログラムをオーバーライドを下げて(プログラ
ムはそのままで制御盤等から速度を下げて)実際に動作
させるテスト動作を行い、ロボットの手先が通る軌道が
適切かどうかを確認することが多く行われる。ロボット
の手先が通る軌道が適切でない場合は、プログラムの修
正を行い、再度テスト動作を行う。ロボットの手先が通
る軌道が適切であると確認した後、オーバーライドを上
げて目的とする作業をロボットに繰り返し行わせる。
【0004】また、オーバーライドを下げる場合は、指
令速度をクランプする方法が一般に用いられていた。図
16にオーバーライド100%及び50%時の速度指令を示
す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】AからBへの直線動作
である動作1とBからCへの直線動作である動作2を動
作1の減速開始時に動作2を開始する場合のロボット手
先の軌道を図17、速度指令を図18に示す。図17に
示したように、上記従来技術では、オーバーライドを下
げているときのロボット手先の通る軌道とオーバーライ
ドを上げているときのロボット手先の通る軌道は2つの
動作の合成部分でずれが生じていた。そのためテスト動
作を行う際には、低いオーバーライドから始めて徐々に
オーバーライドを上げながらテスト動作を繰り返す必要
があり、テスト動作に多大な時間を要するという問題点
があった。
【0006】また、動作1と動作2の合成中に停止命令
が入ると、図19に示すようにロボット手先が本来の軌
道からずれてしまうといった問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、軌跡接続時においても、オーバ
ーライド変更時もオーバーライド100%時と同一の目標軌
道を生成できるようにし、ロボットの教示を容易にする
ことができるロボット制御装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の構成に
よるロボット制御装置は、時間を入力として位置指令を
計算する位置指令計算部と、位置指令生成周期毎に指定
されたオーバーライドに基づいて(1)式および(2)
式にしたがって仮想的な時間を求める仮想時間計算部と
を備え、上記位置指令計算部では、上記仮想時間計算部
で計算した仮想的な時間を入力として位置指令生成周期
毎の位置指令を計算するものである。kt(k) = kt(k-1) + dkt(k)* t (1) dkt(k) = x/100 (2) ここで、 k k 回目の位置指令生成周期を意味し、 kt(k)
k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間、 dkt
(k) k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間の
変化率、△ t は位置指令生成周期、xは指定されたオー
バーライド(単位は%)である。
【0009】この発明の第2の構成によるロボット制御
装置は、時間を入力として速度パターンが台形パターン
となる位置指令を計算する速度台形に基づく位置指令生
成部を有する位置指令計算部と、位置指令生成周期毎に
指定されたオーバーライドに基づいて(1)式および
(2)式にしたがって仮想的な時間を求める仮想時間計
算部とを備え、上記速度台形に基づく位置指令生成部で
は、上記仮想時間計算部で計算した仮想的な時間が位置
指令生成周期を越える毎に上記仮想的な時間を入力とし
て位置指令を計算するものである。
【0010】この発明の第3の構成によるロボット制御
装置は、指定されたオーバーライドを記憶し、上記指定
されたオーバーライドに滑らかに追従するように逐次実
オーバーライドを計算する実オーバーライド計算部を備
え、(2)式のxとして上記実オーバーライドを用いる
ものである。
【0011】この発明の第4の構成によるロボット制御
装置は、位置指令から速度指令を算出する差分部を備
え、上記速度指令が、指定されたオーバーライドもしく
は実オーバーライドで規制される速度以下となるよう
仮想的な時間の変化率を逐次変更するものである。
【0012】この発明の第5の構成によるロボット制御
装置は、ロボットの一時停止時には仮想的な時間の変化
率を0まで滑らかに減少させることによりロボットを停
止させるものである。
【0013】この発明の第6の構成によるロボット制御
装置は、ロボットの一時停止後の再開時には仮想的な時
間の変化率を0から滑らかに増加させるものである。
【0014】この発明の第7の構成によるロボット制御
装置は、ロボットの衝突を検出する衝突検知部を備え、
上記衝突検知部によって衝突が検知されると仮想的な時
間の変化率を一定期間負の値にした後0にするものであ
る。
【0015】この発明の第8の構成によるロボット制御
装置は、ロボットの現在の位置誤差を常に監視し、位置
誤差が許容値以上となった場合に、(2)式のxとし
て、指定されたオーバーライドもしくは実オーバーライ
ドよりも小さな値を用いるものである。
【0016】この発明の第9の構成によるロボット制御
装置は、ロボットの手先位置を常に監視し、手先位置の
目標軌道からのずれが許容値以上となった場合に
(2)式のxとして、指定されたオーバーライドもしく
は実オーバーライドよりも小さな値を用いるものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の基本的事項はつぎの通
りであり、具体的には実施の形態1〜9において図を用
いて説明する。
【0018】仮想的な時間を導入し、位置指令生成周期
毎に(1)式のように仮想的な時間を更新していく。 kt(k) = kt(k-1) + dkt(k)*△t (1) ここで、kはk回目の位置指令生成周期を意味し、kt(k)
はk回目の位置指令生成周期における仮想的な時間、dkt
(k)はk回目の位置指令生成周期における仮想的な時間の
変化率、△tは位置指令生成周期である。オーバーライ
ドの値に応じて仮想的な時間の変化率を変更し、位置指
令の生成を実時間ではなく仮想的な時間に基づいて行
う。
【0019】ロボット動作中にオーバーライドが変更さ
れても速やか、かつ、滑らかに適応するため、現在設定
されているオーバーライドを目標オーバーライドとして
制御装置内部に記憶するとともに実オーバーライドを目
標オーバーライドに滑らかに追従させる。仮想的な時間
の変化率を実オーバーライドに基づいて変更することに
より、ロボット動作中にオーバーライドが変更されても
速やか、かつ、滑らかに適応できる。
【0020】ロボットの一時停止時には仮想的な時間の
変化率を滑らかに0まで減少させて停止する。一時停止
後の動作再開時には仮想的な時間の変化率を滑らかに0
から増加させる。
【0021】ロボットが障害物に衝突したことを検知し
停止させる場合は、仮想的な時間の変化率を減少させて
一定期間負の値に設定した後、逆に0まで増加させてか
ら停止する。
【0022】作用の概略はつぎの通りである。変化率を
オーバーライドに応じて変更する仮想的な時間に基づい
て位置指令を生成するため、オーバーライドによらずロ
ボット手先の軌道は一定となり、テスト動作に要する時
間を短縮できる。また、一時停止/再開時に仮想的な時
間の変化率を増減することによって減速停止/再加速を
実現しているため、一時停止/再開時にも本来の軌道か
らそれることがない。また、ロボットが障害物に衝突し
た場合等にロボットを停止させる際、軌道上で衝突以前
の地点へ自動的に戻すことが可能になる。
【0023】実施の形態1.本実施の形態における指令
値生成部を図1に示す。まず、時間を入力とし、加減
速、最高速度等をパラメータとして位置指令生成周期毎
の位置指令を計算するための関数f(t)を位置指令計算部
1に用意する。ロボットにプログラム動作させる際に
は、まず、動作計画部2で当該動作の加減速、最高速度
等のパラメータを決定し、位置指令計算関数f(t)のパラ
メータ値を決定したパラメータに変更する。
【0024】仮想時間計算部3では、位置指令生成周期
毎に(1)式のように仮想的な時間を更新していく。 ここで、kはk回目の位置指令生成周期を意味し、kt(k)
はk回目の位置指令生成周期における仮想的な時間、dkt
(k)はk回目の位置指令生成周期における仮想的な時間の
変化率、△tは位置指令生成周期である。オーバーライ
ドがx%の時は とし、動作中にオーバーライドが変更された場合は、動
作終了後dktの値を変更したオーバーライド値から
(2)式に基づいて変更する。
【0025】位置指令計算部1では、実時間t=k*△tで
はなく、仮想時間計算部3で計算した仮想時間kt(k)を
入力として生成周期毎の位置指令を計算する。例えば指
定したオーバーライドが50%の場合、仮想時間計算部3
で計算される仮想時間は実時間の50%の値となるため、
最高速度はオーバーライドが100%の時と比べると50%に
なる。
【0026】2つ以上の動作を合成する際には、合成さ
れる各動作位置指令計算関数f(t)の入力を同じ仮想時間
ktとする。実施の形態1でA点からB点への直線動作で
ある動作1が終了する前にB点からC点への直線動作で
ある動作2を開始し、動作2開始後は動作1と動作2の
合成で目標軌道を生成した場合のロボットの手先が描く
軌道を図2に示す。また、動作1及び動作2の速度指令
を図3に示す。以上のように求められた位置指令により
ロボット各軸モータ4が制御される。
【0027】実施の形態2.本実施の形態における指令
値生成部を図4に示す。本実施の形態と実施の形態1の
大きな差異は、実オーバーライド計算部5を備えること
である。実オーバーライド計算部5には2段の移動平均
フィルタを備えている。1段目の移動平均フィルタへの
入力は現在のオーバーライドの設定値ov(k)で、2段目
の移動平均フィルタの入力は1段目の移動平均フィルタ
の出力である。2段目の移動平均フィルタの出力を実オ
ーバーライドrov(k)として、仮想時間計算部3に出力す
る。ここで、kはk番目の位置指令生成周期を意味する。
仮想時間計算部3では仮想時間変化率dkt(k)を dkt(k) = rov(k)/100 (4) で求め、(4)式で求めたdkt(k)を用いて、(2)式で
逐次仮想時間kt(k)を計算していく。仮想時間計算部3
で計算した仮想時間を入力として位置指令計算部1で位
置指令を計算する部分は実施の形態1と全く同一であ
る。
【0028】実施の形態3.本実施の形態の指令値生成
部を図5に示す。実施の形態2とは位置指令計算部1が
異なる。図5において、速度台形に基づく位置指令生成
部1−1とは、速度パターンが台形パターンとなる位置
指令を生成する部分で、位置指令を滑らかにするため、
図5の移動平均フィルタ相当部を設けている。速度台形
に基づく位置指令生成部1−1では仮想時間が位置指令
生成周期を越える度に、速度台形に基づく位置指令の計
算を行う。ここで、仮想時間と位置指令生成周期刻みが
図6の関係にある時を例に挙げて説明する。図6におい
て、△tは位置指令生成周期、jはj番目の位置指令生成
周期刻みを意味する。図6では実時間が△t*kの時に、
仮想時間はj番目の位置指令生成周期刻みを越える。従
って、実時間が△t*kの時に、j番目の位置指令生成周
期刻みにおける速度台形に基づく位置指令p0(j)を計算
する。実時間が△t*(k+1)の時、仮想時間は位置指令生
成周期刻みを超えないので、速度台形に基づく位置指令
は計算しない。
【0029】次に移動平均フィルタ相当部1−2での処
理について説明する。位置指令を滑らかにするために用
いる移動平均フィルタとしては、図7に示すような前半
部と後半部で重みを変更できるフィルタとする。図7に
おいてm1は前半部の重み、m2は後半部の重み、nd1は前
半部のサンプル数、nd2は後半部のサンプル数とし、n
d、mndをそれぞれ nd = nd1 + nd2 (5) mnd = m1*nd1 + m2*nd2 (6) とする。このとき、移動平均フィルタ相当部の時刻n*△
tのおける出力をpcmd(n)とすると、図6のn=kの場合の
ように仮想時間がj番目の位置指令生成周期刻みを越え
る場合は pcmd(n) = pcmd(n-1)+b*(m1*(p0(j)-p0(j-nd1)) +m2*(p0(j-nd1)-p0(j-nd))/mnd +a*(m1*(p0(j-1)-p0(j-1-nd1)) +m2*(p0(j-1-nd1)-p0(j-1-nd))/mnd (7) 図6のn=k+1の場合のように仮想時間が位置指令生成周期を越えない場合は pcmd(n) = pcmd(n-1)+c*(m1*(p0(j)-p0(j-nd1)) +m2*(p0(j-nd1)-p0(j-nd))/mnd (8) で計算される。ここで、a, b, cは図6に記載の定数で、 a + b = dkt(k-1) (9) c = dtk(k) (10) である。
【0030】実施の形態4.本実施の形態の指令値生成
部を図8に示す。図8において、実オーバーライド計算
部5、動作計画部2、速度台形に基づく位置指令生成部
1−1、移動平均フィルタ相当部1−2は図5におけ
る、実オーバーライド計算部、動作計画部、速度台形に
基づく位置指令生成部、移動平均フィルタ相当部と同一
である。差分部1−3では、移動平均フィルタ相当部1
−2が出力する位置指令から速度指令が算出される。仮
想時間計算部3では、位置指令生成周期毎に差分部で算
出した速度指令vcmdを取り込み、 abs(vcmd) > vmax*(rov(k))αの時 dkt(k) = (rov(k))α /( α -1)*(vmax/abs(vcmd))1/( α -1) (11) 上記以外の時 dtk(k) = 1 (12) とする。ここで、vmaxは動作計画部2から仮想時間計算
部3に入力される最高速度である。各動作において動作
開始後しばらくはオーバーライド100%の時と全く同じ挙
動となり、速度指令が(プログラムで指定された)最高
速度に(実オーバーライド/100)のα乗を掛けた値よ
り大きくなった時点からから仮想時間が徐々に遅くなっ
てくため、速度が上がりにくくなっていき、オーバーラ
イドで指定した速度に収束する。減速を始めると仮想時
間の変化率は徐々に増加し、速度指令が(プログラムで
指定された)最高速度に(実オーバーライド/100)の
α乗を掛けた値より小さくなった時点で1に戻る。2つ
以上の動作を合成している区間では、それぞれの動作に
対して(11)、(12)式で仮想時間の変化率を計算
し、最小値を採用する。
【0031】実施の形態5.制御装置に付属のオペレー
タパネル等から停止ボタンが押され、停止信号が発せら
れた場合、停止信号を実施の形態3に記載の速度台形に
基づく位置指令生成部に入力し、速度台形に基づく位置
指令生成部において減速停止パターンを生成するととも
に、停止信号を実オーバーライド計算部に入力し、仮想
時間の変化率を滑らかに0まで減少させる。仮想的な時
間の変化率を0にする方法としては、例えば実施の形態
3の制御装置において停止ボタンが押され、停止信号が
実オーバーライド計算部に入力された後は、実オーバー
ライド計算部において、現在のオーバーライド設定値ov
(k)の値を0にする方法が挙げられる。実施の形態5の
指令値生成部を図9に示す。
【0032】実施の形態6.制御装置に付属のオペレー
タパネル等から停止ボタンが押された場合、停止信号が
実オーバーライド計算部5に入力され、仮想時間の変化
率を滑らかに0まで減少させる。仮想時間の変化率が0
になれば、仮想時間が進まないため、位置指令計算部1
で出力される位置指令は同一の値となるため、ロボット
はオーバーライド100%の時に通る軌道上で停止する。仮
想的な時間の変化率を0にする方法としては、例えば実
施の形態3の制御装置において停止ボタンが押されて停
止信号が実オーバーライド計算部5に入力されてから、
再開ボタンが押されて再開信号が実オーバーライド計算
部5に入力されるまで、実オーバーライド計算部5にお
いて、現在のオーバーライドの設定値ov(k)の値を0に
する方法が挙げられる。停止中は仮想的な時間が進まな
いだけで、位置指令生成部では仮想時間が進むのを待ち
続けるため、位置指令生成部の情報は停止時のまま保持
され続ける。また、再開時には仮想時間の変化率を0か
ら徐々に増加することにより、ロボットを加速する。例
えば、実施の形態3の制御装置において、再開動作の際
に、再開信号が実オーバーライド計算部5に入力されれ
ば、実オーバーライド計算部5における現在のオーバー
ライド設定値ov(k)の値を元に戻せばよい。実施の形態
6の指令値生成部を図10に示す。また、実施の形態6
で、AからBへの直線動作である動作1とBからCへの
直線動作である動作2を合成している途中で停止ボタン
を押したときのロボットの軌道を図11に示す。
【0033】実施の形態7. 実施の形態7による制御装置の位置指令生成部を図12
に示す。本実施の形態では、実施の形態1と同様に時間
を入力とし、加減速、最高速度等をパラメータとして位
置指令生成周期毎の位置指令を計算するための関数f(t)
を位置指令計算部1に用意する。ロボットにプログラム
動作させる際には、まず、動作計画部2で当該動作の加
減速、最高速度等のパラメータを決定し、位置指令計算
関数f(t)のパラメータ値を決定したパラメータに変更す
る。実オーバーライド計算部5には実施の形態2と同様
に2段の移動平均フィルタを備えている。1段目の移動
平均フィルタへの入力は現在のオーバーライドの設定値
ov(k)で、2段目の移動平均フィルタの入力は1段目の
移動平均フィルタの出力である。2段目の移動平均フィ
ルタの出力を実オーバーライドrov(k)として、仮想時間
計算部3に出力する。ここで、kはk番目の位置指令生成
周期を意味する。仮想時間計算部3では仮想時間変化率
dkt(k)を(4)式で求め、(4)式で求めたdkt(k)を用
いて、(1)式で逐次仮想時間kt(k)を計算していく。
仮想時間計算部3で計算した仮想時間を入力として位置
指令計算部1で位置指令を計算する部分は実施の形態
1、2と全く同一である。
【0034】モータ変位、モータトルクから衝突を検出
する衝突検知部で衝突が検知されると、検知信号が実オ
ーバーライド計算部5に出力される。実オーバーライド
計算部5に検知信号が入力されると、実オーバーライド
計算部5において、現在のオーバーライドの設定値ov
(k)があらかじめパラメータで指定された負の値covに設
定されるとともに、衝突検知時の仮想時間kt(k)が記憶
される。(記憶された仮想時間の値をcktとする。)実
オーバーライド計算部5では衝突検知後オーバーライド
設定値がov(k)=covに変更されたとして、2段の移動平
均フィルタの処理を行う。仮想時間がkt(k)がckt+ct以
下となれば、オーバーライドの設定値ov(k)を0にす
る。ここで、ctもあらかじめ設定するパラメータ値であ
る。上記のような構成にすることにより、衝突検知時に
は軌道上を衝突検知以前の地点まで戻って停止すること
が可能になる。そのため、別の障害物に衝突する、ロボ
ットに過大な力が作用したまま停止するなどの問題を防
止できる。
【0035】実施の形態8.実施の形態8による制御装
置の位置指令生成部を図14に示す。ロボットを駆動す
るモータの速度トルク特性は、一般に図13のようにな
る。そのため、図13のv1以上の速度領域でロボット
を動作させる際には、トルク飽和が発生し、位置誤差が
過大となり、ロボットがエラー停止する場合もある。そ
こで、実施の形態8では、位置誤差のしきい値を設定
し、位置誤差がしきい値以上であり、かつ、その軸の速
度指令がv1以上の場合に仮想時間の変化率を減少させ
る。具体的には、速度指令と位置誤差をしきい値判定部
7に入力し、速度指令がv1以上で、かつ、位置誤差が
しきい値以上の場合は、しきい値判定信号を出力する。
しきい値判定信号が出力されている間は、実オーバーラ
イド計算部で、オーバーライドの設定値を「現在のオペ
レータパネルなどでの設定値*パラメータであらかじめ
決められた減少率」に設定する。位置誤差がしきい値以
下になった場合、もしくは速度指令がv1以下になった
場合は、しきい値判定部からしきい値判定信号が出力さ
れなくなる。しきい値判定信号が出力されなくなると、
実オーバーライド計算部において、オーバーライドの設
定値を、現在のオペレータパネルなどでの設定値に戻
す。
【0036】実施の形態9.ロボットの手先に直線移動
動作を行わせる際、まず、手先位置計算部8に各軸の現
在のモータ変位、モータ速度を入力し、現在の手先位置
を計算する。ロボットを剛体と見なす場合は、モータ変
位から順変換して手先位置を計算する。ロボットをリン
ク部は剛体であるが、関節部は線形バネで構成されてい
ると見なす場合は、入力したモータ速度からモータ加速
度を計算する。次に、モータ加速度、モータ速度、モー
タ変位から、各軸の線形バネに作用するトルクをロボッ
トの運動方程式に基づいて計算する。計算したトルクに
基づいて弾性変形分を補正した関節変位を求めてから順
変換して手先位置を計算する。
【0037】実施の形態9による制御装置の位置指令生
成部を図15に示す。ロボットが、現在加速区間、等速
区間、減速区間のいずれにあるかを判別する区間判別信
号が、位置指令計算部1から手先位置計算部8に入力さ
れる。ロボットが加速区間、もしくは等速区間にあると
きは、手先位置計算部8で計算した手先位置と目標軌道
である直線との距離を求め、直線との距離が許容値以上
の時は、許容値超過判別信号を出力し、実オーバーライ
ド計算部5で、オーバーライドの設定値を(現在のオペ
レータパネルなどでの設定値*パラメータであらかじめ
決められた減少率)に設定する。直線との距離が許容値
以下になれば、許容値超過判別信号の出力を停止し、実
オーバーライド計算部で、オーバーライドの設定値を現
在のオペレータパネルなどでの設定値に戻す。
【0038】
【発明の効果】この発明の第1および第2の構成である
ロボット制御装置によれば、オペレータパネルなどで設
定するオーバーライドを変更しても、ロボット手先が通
る軌道は常に一定となる。したがって、テスト動作に要
する時間を短縮できる効果がある。
【0039】この発明の第3の構成であるロボット制御
装置によれば、ロボット動作中にオーバーライドを変更
しても、変更したオーバーライドに滑らかに移行できる
効果がある。
【0040】この発明の第4の構成であるロボット制御
装置によれば、動作開始後しばらくと動作終了前のしば
らくの期間はオーバーライド100%時と全く同一の動作が
行えるため、オーバーライドを下げているときでも、必
要以上に動作時間が長くなることを防止する効果があ
る。
【0041】この発明の第5および第6の構成であるロ
ボット制御装置によれば、仮想的な時間の変化率を増減
することにより停止・再開動作が行えるため、停止・再
開動作においても目標軌道からのずれが発生しない効果
がある。
【0042】この発明の第7の構成であるロボット制御
装置によれば、ロボットの衝突を検知して停止する際に
は、軌道からずれることなく衝突以前の地点で停止する
ことができる効果がある。
【0043】この発明の第8の構成であるロボット制御
装置によれば、各軸の位置誤差がしきい値以上になった
ときに自動的に速度を低下させるため、位置誤差過大エ
ラーによる停止を防止できる効果がある。
【0044】この発明の第9の構成であるロボット制御
装置によれば、目標軌道からのずれが許容値以上となっ
たときに自動的に速度を下げることが可能なため、目標
軌道からのずれを許容値以下に抑えながら高速化を図る
ことが容易に実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の位置指令生成部を示す図であ
る。
【図2】 実施の形態1における手先の軌道を示す図で
ある。
【図3】 実施の形態1における速度指令を示す図であ
る。
【図4】 実施の形態2の位置指令生成部を示す図であ
る。
【図5】 実施の形態3の位置指令生成部を示す図であ
る。
【図6】 仮想時間と指令値生成周期刻みの関係を示す
図である。
【図7】 移動平均フィルタを示す図である。
【図8】 実施の形態4の位置指令生成部を示す図であ
る。
【図9】 実施の形態5の位置指令生成部を示す図であ
る。
【図10】 実施の形態6の位置指令生成部を示す図で
ある。
【図11】 実施の形態6における停止ボタン入力時の
手先の軌道を示す図である。
【図12】 実施の形態7の位置指令生成部を示す図で
ある。
【図13】 モータの速度−トルク特性を示す図であ
る。
【図14】 実施の形態8の位置指令生成部を示す図で
ある。
【図15】 実施の形態9の位置指令生成部を示す図で
ある。
【図16】 オーバーライドを下げた時の従来の速度指
令を示す図である。
【図17】 従来方式における手先の軌道を示す図であ
る。
【図18】 従来方式における速度指令を示す図であ
る。
【図19】 従来方式における停止ボタン入力時の手先
の軌道を示す図である。
【符号の説明】
1 位置指令計算部、1−1 位置指令生成部、1−2
移動平均フィルタ相当部、1−3 差分部、2 動作
計画部、3 仮想時間計算部、4 ロボット各軸モー
タ、5 実オーバーライド計算部、6 衝突検知部、7
しきい値判定部、8 手先位置計算部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G05D 3/12 306 G05D 3/12 306R (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 9/10 G05B 19/19 G05B 19/404 G05B 19/416 G05D 3/12

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間を入力として位置指令を計算する位
    置指令計算部と、位置指令生成周期毎に指定されたオー
    バーライドに基づいて(1)式および(2)式にしたが
    って仮想的な時間を求める仮想時間計算部とを備え、上
    記位置指令計算部では、上記仮想時間計算部で計算した
    仮想的な時間を入力として位置指令生成周期毎の位置指
    令を計算することを特徴とするロボット制御装置kt(k) = kt(k-1) + dkt(k)* t (1) dkt(k) = x/100 (2) ここで、 k k 回目の位置指令生成周期を意味し、 kt(k)
    k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間、 dkt
    (k) k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間の
    変化率、△ t は位置指令生成周期、xは指定されたオー
    バーライド(単位は%)である。
  2. 【請求項2】 時間を入力として速度パターンが台形パ
    ターンとなる位置指令を計算する速度台形に基づく位置
    指令生成部を有する位置指令計算部と、位置指令生成周
    期毎に指定されたオーバーライドに基づいて(1)式お
    よび(2)式にしたがって仮想的な時間を求める仮想時
    間計算部とを備え、上記速度台形に基づく位置指令生成
    部では、上記仮想時間計算部で計算した仮想的な時間が
    位置指令生成周期を越える毎に上記仮想的な時間を入力
    として位置指令を計算することを特徴とするロボット制
    装置kt(k) = kt(k-1) + dkt(k)* t (1) dkt(k) = x/100 (2) ここで、 k k 回目の位置指令生成周期を意味し、 kt(k)
    k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間、 dkt
    (k) k 回目の位置指令生成周期における仮想的な時間の
    変化率、△ t は位置指令生成周期、xは指定されたオー
    バーライド(単位は%)である。
  3. 【請求項3】 指定されたオーバーライドを記憶し、
    指定されたオーバーライドに滑らかに追従するように
    逐次実オーバーライドを計算する実オーバーライド計算
    部を備え、(2)式のxとして上記実オーバーライドを
    用いることを特徴とする請求項1または2記載のロボッ
    ト制御装置
  4. 【請求項4】 位置指令から速度指令を算出する差分部
    を備え、上記速度指令が、指定されたオーバーライドも
    しくは実オーバーライドで規制される速度以下となるよ
    うに仮想的な時間の変化率を逐次変更することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のロボット制
    装置
  5. 【請求項5】 ロボットの一時停止時には仮想的な時間
    の変化率を0まで滑らかに減少させることによりロボッ
    トを停止させることを特徴とする請求項1または2記載
    のロボット制御装置
  6. 【請求項6】 ロボットの一時停止後の再開時には仮想
    的な時間の変化率を0から滑らかに増加させることを特
    徴とする請求項5記載のロボット制御装置
  7. 【請求項7】 ロボットの衝突を検出する衝突検知部を
    備え、上記衝突検知部によって衝突が検知されると仮想
    的な時間の変化率を一定期間負の値にした後0にするこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のロボット制御
  8. 【請求項8】 ロボットの現在の位置誤差を常に監視
    し、位置誤差が許容値以上となった場合に、(2)式の
    xとして、指定されたオーバーライドもしくは実オーバ
    ーライドよりも小さな値を用いることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載のロボット制御装置
  9. 【請求項9】 ロボットの手先位置を常に監視し、手先
    位置の目標軌道からのずれが許容値以上となった場合
    、(2)式のxとして、指定されたオーバーライドも
    しくは実オーバーライドよりも小さな値を用いることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のロボッ
    ト制御装置
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