JP3508472B2 - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP3508472B2
JP3508472B2 JP16459497A JP16459497A JP3508472B2 JP 3508472 B2 JP3508472 B2 JP 3508472B2 JP 16459497 A JP16459497 A JP 16459497A JP 16459497 A JP16459497 A JP 16459497A JP 3508472 B2 JP3508472 B2 JP 3508472B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプを備える液
圧ブレーキ装置に係り、特に、ポンプの異常を検出する
のに好適な液圧ブレーキ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、マスタシリンダとは別の液圧
発生機構としてポンプを備える構成の液圧ブレーキ装置
が知られている。かかる構成の液圧ブレーキ装置によれ
ば、マスタシリンダを液圧源としてブレーキ液圧を制御
する通常ブレーキ制御と、ポンプを液圧源としてブレー
キ液圧をマスタシリンダ圧とは独立に制御する自動ブレ
ーキ制御とを実現することができる。また、ABS機能
を有する液圧ブレーキ装置においては、一般に、ホイル
シリンダ圧の減圧時にホイルシリンダから流出したブレ
ーキフルードをマスタシリンダ側へ汲み上げるためのポ
ンプが設けられる。 【0003】これらポンプを備える構成の液圧ブレーキ
装置が適正に機能するには、ポンプが正常に動作しなけ
ればならない。このため、上記構成の液圧ブレーキ装置
においては、ポンプの異常の有無を判別することが要求
される。例えば特開昭61−169684号には、ポン
プの駆動モータに供給される駆動電流に基づいて、ポン
プの異常の有無を判別する異常検出装置が開示されてい
る。一般に、ポンプの吐出行程においては駆動モータの
負荷が増大し、吸入行程においては駆動モータの負荷が
減少する。このため、駆動モータが正常に動作している
場合、駆動モータに供給される駆動電流には、駆動モー
タの回転に同期した脈動が生ずる。そこで、上記従来の
異常検出装置においては、駆動電流の脈動状態に基づい
て、ポンプの駆動モータの異常の有無を判別し、駆動モ
ータに異常が無ければポンプは正常であると判断するこ
ととしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、プ
ランジャ型ポンプは、駆動モータに回転されるカムと、
このカムの回転に応じて往復動するピストンとを備えて
いる。そして、ピストンの往復動に応じてポンプ室が拡
大・縮小されることで、フルードの吸入・吐出が行なわ
れる。この場合、駆動モータが正常に動作していても、
ピストンに設けられたオイルシールの漏れ等によってポ
ンプによるフルードの吐出が適正になされない可能性が
ある。 【0005】しかしながら、上述の如く、上記従来の異
常検出装置は、ポンプの駆動モータの異常の有無に基づ
いて、ポンプの異常の有無を間接的に判別するものであ
る。従って、上記従来の異常検出装置によれば、ポンプ
に異常が生じているにもかかわらず、正常であるとの誤
った判断がなされる可能性がある。この点、上記従来の
異常検出装置は、液圧ブレーキ装置においてポンプの異
常の有無を高い信頼度で判別するうえで、必ずしも最適
な構成ではなかったことになる。 【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ポンプを備える液圧ブレーキ装置において、ポ
ンプの異常の有無を高い信頼度で判別することを目的と
する。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、ブレーキ踏力に応じた液圧を発生させ
るマスタシリンダと、該マスタシリンダとは別に液圧を
発生させるポンプと、マスタシリンダ圧を検出する油圧
センサとを備える液圧ブレーキ装置において、前記油圧
センサと、前記ポンプの吐出側又は吸入側の少なくとも
一方とが連通するセンサ−ポンプ連通状態を形成する連
通状態形成手段と、前記センサ−ポンプ連通状態におけ
る前記油圧センサの出力信号の脈動周期に基づいて前記
ポンプの異常の有無を判別する異常判別手段と、を備え
た液圧ブレーキ装置により達成される。 【0008】本発明において、ポンプが作動すると、ポ
ンプの吐出側及び吸入側の液圧には、ポンプの作動に同
期した脈動が生ずる。連通状態形成手段は、油圧センサ
と、ポンプの吐出側又は吸入側の少なくとも一方とが連
通するセンサ−ポンプ連通状態を形成する。このため、
ポンプが正常に作動していれば、センサ−ポンプ連通状
態における油圧センサの出力信号には、ポンプの作動に
応じた脈動が生ずる。従って、この油圧センサの出力信
号に基づいて、異常判別手段によりポンプの異常の有無
が判別される。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
る液圧ブレーキ装置のシステム構成図を示す。本実施例
の液圧ブレーキ装置は、図示しない電子制御ユニット
(以下、ECUと称す)により制御される。なお、図1
には、左前輪FL及び右後輪RRのブレーキ機構を実現
する構成要素が示されている。 【0010】図1に示すブレーキ装置は、ブレーキペダ
ル10を備えている。ブレーキペダル10は、ブレーキ
ブースタ12の作動軸14に連結されている。ブレーキ
ブースタ12にはマスタシリンダ16が固定されてい
る。マスタシリンダ16は、その内部に液圧室を備えて
いる。マスタシリンダ16の液圧室には、ブレーキペダ
ル10に付与されたブレーキ踏力に対して所定の倍力比
を有するマスタシリンダ圧PM/C が発生する。 【0011】マスタシリンダ16の上部にはリザーバタ
ンク18が配設されている。リザーバタンク18の内部
には、所定量のブレーキフルードが貯留されている。ブ
レーキペダルの踏み込みが解除されている場合、マスタ
シリンダ16の液圧室とリザーバタンク18とは連通し
た状態となる。マスタシリンダ16の液圧室には、液圧
通路20が接続されている。液圧通路20には、油圧セ
ンサ22が連通している。油圧センサ22の出力信号は
ECUに供給されている。ECUは油圧センサ22の出
力信号に基づいてマスタシリンダ圧PM/C を検出する。 【0012】液圧通路20には、また、電磁弁24が連
通している。電磁弁24は、第1ポート26、第2ポー
ト28、及び第3ポート30を備える2位置3方の電磁
弁である。第1ポート26は液圧通路20に連通してい
る。第2ポート28は液圧通路40及び41に連通して
いる。また、第3ポート30は液圧通路42に連通して
いる。電磁弁24は、ECUから駆動信号が供給されな
い状態、すなわち、オフ状態では、第1ポート26と第
2ポート28とを導通させ、かつ、第3ポート30を閉
塞した状態を実現し、一方、ECUから駆動信号が供給
された状態、すなわち、オン状態では、第1ポート26
と第3ポート30とを導通させ、かつ、第2ポート28
を閉塞した状態を実現する。 【0013】液圧通路20と液圧通路40との間には、
電磁弁24と並列に、逆止弁32、及びリリーフ弁34
が配設されている。逆止弁32は、液圧通路20側から
液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方
向弁である。また、リリーフ弁34は、液圧通路40側
の液圧が液圧通路20側の液圧に比して所定値以上高圧
となった場合にのみ開弁する弁機構である。 【0014】液圧通路40には、保持ソレノイド44、
46、及び逆止弁48、50が連通している。保持ソレ
ノイド44、46はECUから駆動信号が供給されるこ
とにより閉弁状態となる2位置の電磁弁である。保持ソ
レノイド44及び逆止弁48は右後輪RRのホイルシリ
ンダ52に連通している。逆止弁48は、ホイルシリン
ダ52側から液圧通路40側へ向かう流体の流れのみを
許容する一方向弁である。また、保持ソレノイド46及
び逆止弁50は左前輪FLのホイルシリンダ54に連通
している。逆止弁50は、ホイルシリンダ54側から液
圧通路40側へ向かう流体の流れのみを許容する一方向
弁である。 【0015】ホイルシリンダ52及び54には、それぞ
れ、減圧ソレノイド56及び58が連通している。減圧
ソレノイド56、58は、ECUから駆動信号が供給さ
れることにより開弁状態となる2位置の電磁弁である。
減圧ソレノイド56、58は、共に、補助リザーバ60
に連通している。補助リザーバ60には、ポンプ62の
吸入側が連通している。ポンプ62は、ポンプ機構64
と、ポンプ機構64の吸入側及び吐出側にそれぞれ設け
られた逆止弁64及び65とを備えている。逆止弁65
は、補助リザーバ60側からポンプ機構64側へ向かう
流体の流れのみを許容する一方向弁である。また、逆止
弁66は、ポンプ機構64側から液圧通路41側へ向か
う流体の流れのみを許容する一方向弁である。ポンプ機
構64はポンプモータ67に駆動信号が付与されること
により作動する。 【0016】図2は、ポンプ62の構成を模式的に示す
図である。図2に示す如く、ポンプ62は偏心カム10
0を備えている。偏心カム100はポンプモータ67の
出力軸に偏心した状態で固定されている。偏心カム10
0の外周には、ピストン102の端面が当接している。
ピストン102は、シリンダ104に摺動可能に配設さ
れている。ピストン102の外周には、ピストンリング
106が装着されている。ピストンリング106によ
り、ピストン102とシリンダ104との間の液密性が
確保されている。シリンダ104の底面とピストン10
2との間には、ポンプ室108が画成されている。ポン
プ室108には、逆止弁65及び66が連通している。
また、ポンプ室108には、スプリング110が配設さ
れている。スプリング110は、ピストン102を、偏
心カム100の外周に向けて付勢している。 【0017】上記したポンプ62の構成によれば、ポン
プモータ67により偏心カム100が回転されると、そ
の回転に応じてピストン102が往復動される。ピスト
ン102が、ポンプ室108が拡大する向きに変位する
行程(以下、吸入行程と称す)では、ポンプ室108の
液圧が低下することで、ブレーキフルードが逆止弁65
を介してポンプ室108に吸入される。一方、ピストン
102が、ポンプ室108が縮小する向きに変位する行
程(以下、吐出行程と称す)では、ポンプ室108の液
圧が上昇することで、ポンプ室108内のブレーキフル
ードが逆止弁66を介して吐出される。従って、ポンプ
モータ67の回転に応じて、吸入行程と吐出行程とが繰
り返されることで、ポンプ62の吸入側から吐出側へブ
レーキフルードが圧送される。 【0018】再び図1を参照するに、補助リザーバ60
の内部には、ピストン68及びスプリング70が配設さ
れている。ピストン68はスプリング70によって補助
リザーバ60の容積が減少する向きに付勢されている。
補助リザーバ60には、液圧通路42に連通するリザー
バポート72が設けられている。リザーバポート72の
内部には、ボール弁74と押圧軸76とが配設されてい
る。また、リザーバポート72には、ボール弁74の弁
座として機能するシート部78が設けられている。押圧
軸76の両端は、それぞれ、ピストン68及びボール弁
74に当接している。 【0019】補助リザーバ60の内部にブレーキフルー
ドが流入していない場合は、ピストン68は図1中最上
端位置(以下、原位置と称す)に位置する。補助リザー
バ60の内部には、ピストン68が原位置に位置する場
合に、液圧通路42と減圧ソレノイド56、58及びポ
ンプ62の吸入側との導通状態を確保する液圧経路が確
保されている。 【0020】ピストン68が原位置に位置する場合は、
ボール弁74はシート部78から離座する。ボール弁7
4とシート部78との間に形成されるクリアランスは、
補助リザーバ60に貯留されるブレーキフルードの量が
増加するにつれて、すなわち、ピストン68の変位量が
増加するにつれて減少する。そして、補助リザーバ60
に貯留されるブレーキフルードの量が所定値を達した時
点で、ボール弁74はシート部78に着座する。ボール
弁74がシート部78に着座した状態では、液圧通路4
2から補助リザーバ60へのブレーキフルードの流入は
阻止される。 【0021】図1に示す液圧ブレーキ装置は、通常のブ
レーキ装置としての機能(以下、通常ブレーキ機能と称
す)、ブレーキ操作中に車輪に過大なスリップ率が発生
するのを防止するABS機能、及び、運転者によって緊
急ブレーキ操作が実行された際に、通常時に比して大き
な制動力を発生させるブレーキアシスト機能(以下、B
A機能と称す)を実現する。 【0022】通常ブレーキ機能は、図1に示す如く、電
磁弁24をオフ状態とし、保持ソレノイド44、46を
開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を閉弁状態と
し、かつ、ポンプ62を停止状態とすることで実現され
る。以下、この状態を通常ブレーキ状態と称す。通常ブ
レーキ状態が実現されると、マスタシリンダ16とホイ
ルシリンダ52、54とが導通状態となる。この場合、
ホイルシリンダ52、54のホイルシリンダ圧PW/C
マスタシリンダ圧PM/C に等しい液圧に制御される。従
って、通常ブレーキ状態が実現されている場合は、車両
に発生する制動力はブレーキ踏力に応じた大きさに制御
される。 【0023】ABS機能は、ブレーキペダル10が踏み
込まれている状況下で、電磁弁24をオフ状態とし、ポ
ンプ62を運転状態とし、かつ、保持ソレノイド44、
46、及び、減圧ソレノイド56、58を適宜開閉させ
ることにより実現される。以下、この状態をABS状態
と称す。ブレーキペダル10が踏み込まれている状況下
で、電磁弁24がオフ状態とされると、液圧通路40に
はマスタシリンダ圧PM/C が導かれる。液圧通路40に
マスタシリンダ圧PM/C が導かれている場合に、保持ソ
レノイド44が開弁状態とされると共に減圧ソレノイド
56が閉弁状態とされると(図1に示す状態)、ホイル
シリンダ52とマスタシリンダ16とは導通状態とな
る。すなわち、ホイルシリンダ圧PW/C はマスタシリン
ダ圧PM/C に向けて増圧される。この状態を、以下、増
圧モードと称す。また、保持ソレノイド44及び減圧ソ
レノイド56が共に閉弁状態とされると、ホイルシリン
ダ圧PM/C は保持される。この状態を、以下、保持モー
ドと称す。更に、増圧ソレノイド44が閉弁状態とされ
ると共に減圧ソレノイド52が開弁状態とされると、ホ
イルシリンダ52と補助リザーバ60とが導通状態とな
る。この場合、ホイルシリンダ52内のブレーキフルー
ドが補助リザーバ60へ向けて流出することで、ホイル
シリンダ圧は減圧される。この状態を、以下、減圧モー
ドと称す。 【0024】同様に、ホイルシリンダ54についても、
保持ソレノイド46及び減圧ソレノイド58を適宜開閉
することで、増圧モード、保持モード、及び減圧モード
を実現することができる。本実施例の液圧ブレーキ装置
において、車輪のスリップ率が所定値を越えないよう
に、上記した増圧モード、保持モード、及び減圧モード
が適宜実現される。このため、ABS制御が開始される
と、車輪RR,FLのロック傾向が収束される。 【0025】なお、減圧モードにおいて、補助リザーバ
60に流入したブレーキフルードはポンプ62により汲
み上げられて液圧通路40に供給される。従って、AB
S状態において、マスタシリンダ16からホイルシリン
ダ52、54へ至る液圧系統内のブレーキフルードの量
が減少することが防止される。BA機能は、ブレーキペ
ダル10が所定値を越える操作速度で踏み込まれた場合
に、電磁弁24をオン状態とし、増圧ソレノイド44、
46を開弁状態とし、減圧ソレノイド56、58を閉弁
状態とし、かつ、ポンプ62を運転状態とすることで実
現される。この状態を、以下、BA状態と称す。また、
BA状態を実現するための制御を、以下、BA制御と称
する。 【0026】ブレーキペダル10が踏み込まれている状
況下で電磁弁24がオン状態とされると、マスタシリン
ダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる。マスタ
シリンダ16と補助リザーバ60とが導通状態となる
と、その後、ボール弁74がシート部78に着座するま
で、ブレーキフルードがマスタシリンダ16から補助リ
ザーバ60へ流入する。そして、補助リザーバ60に流
入したブレーキフルードは、ポンプ62により汲み上げ
られて液圧通路40へ供給される。このため、BA制御
が開始されると、液圧通路40には、ポンプ62を液圧
源として高圧のブレーキフルードが導かれる。 【0027】BA制御の実行中に液圧通路40に導かれ
た高圧のブレーキフルードは、保持ソレノイド44、4
6を介して、それぞれ、ホイルシリンダ52、54に導
かれる。このため、BA制御が開始されると、ホイルシ
リンダ圧は速やかにマスタシリンダ圧に比して高い液圧
へ上昇する。このように、BA制御によれば、緊急ブレ
ーキ操作が開始された後、制動力を速やかに立ち上げる
ことができる。 【0028】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
において、ポンプ62は、ABS制御の実行中に減圧モ
ードで補助リザーバ60に流入したブレーキフルードを
液圧通路40に汲み上げる役割を有していると共に、B
A制御の実行中に、ホイルシリンダ圧PW/C を増圧させ
る液圧源としての役割を有している。従って、ポンプ6
2に異常が生じた状態でABS制御又はBA制御が実行
されると、ホイルシリンダ圧PW/C を適正に制御するこ
とができなくなってしまう。かかる不都合を未然に回避
するため、ポンプ62の異常を検出することが要求され
る。 【0029】本実施例の液圧ブレーキ装置は、油圧セン
サ22の出力信号に基づいて、ポンプ62の異常の有無
を高い信頼度で判別し得る点に特徴を有している。以
下、本実施例のかかる特徴部について説明する。上記図
2を参照して説明したように、ポンプ62は、ポンプモ
ータ67の回転に同期して、吸入行程と吐出行程とを繰
り返すことで、吸入側から吐出側へブレーキフルードを
圧送する。ポンプ62の吸入行程においては、ポンプ6
2の吸入側の液圧は低下する。また、ポンプ62の吐出
行程においては、ポンプ62の吐出側の液圧は上昇す
る。従って、ポンプ62の作動中には、その吸入側及び
吐出側の液圧には、それぞれ脈動が生ずることになる。 【0030】図3は、ポンプ62の作動中における、ポ
ンプ62の吸入側及び吐出側での液圧の時間変化を例示
している。図3に示す如く、ポンプ62の吸入側の液圧
には、吸入行程において低下するような脈動が生じ、ポ
ンプ62の吐出側の液圧には、吐出行程において上昇す
るような脈動が生じている。そして、これらの脈動の周
期Tは、吐出行程及び吸入行程の繰り返しの周期、すな
わち、ポンプモータ67の回転周期TM に一致してい
る。従って、ポンプ62の吸入側又は吐出側の液圧に、
ポンプモータ67の回転周期TM に応じた周期の脈動が
生じているならばポンプ62は正常であると判断するこ
とができ、また、上記液圧に回転周期TMに応じた周期
の脈動が生じていなければポンプ62は異常であると判
断することができる。 【0031】本実施例においては、ポンプ62の吸入側
の液圧を油圧センサ22によって検出することにより、
ポンプ62の異常の有無を判別することとしている。す
なわち、本実施例においては、電磁弁24をオン状態と
することで、ポンプ62の吸入側と油圧センサ22と
が、補助リザーバ60を介して連通した状態、すなわ
ち、センサ−ポンプ連通状態を形成する。センサ−ポン
プ連通状態においては、油圧センサ22の出力信号は、
ポンプ62の吸入側の液圧に応じた値となる。従って、
油圧センサ22の出力信号に、駆動モータ65の回転周
期TM に応じた周期の脈動が生じているか否かに基づい
て、ポンプ62の異常の有無を判別することができる。 【0032】なお、電磁弁24がオン状態とされると、
ポンプ62の吸入側はマスタシリンダ16に連通する。
従って、ポンプ62の吸入側の液圧は、ブレーキペダル
10の踏み込み状態に応じて変化する。ポンプ62の吸
入側の液圧が変化すると、ポンプ62の負荷が変化する
ことで、駆動モータ65の回転数が変化する。駆動モー
タ65の回転数が変化すると、ポンプ62の作動に伴っ
て生ずる液圧の脈動周期が変化する。従って、ポンプ6
2の異常判別を、ポンプ62の吐出側又は吸入側の液圧
の脈動周期に基づいて正確に行なうえでは、マスタシリ
ンダ圧PM/C は一定に保持されていることが望ましい。
そこで、本実施例においては、上記したポンプ62の異
常判別を、イグニッションスイッチがオンされた直後
の、ブレーキペダル10が踏み込まれていない状況下で
行なうこととしている。 【0033】本実施例の液圧ブレーキ装置が有する上記
機能は、ECUが所定のルーチンを実行することにより
実現される。以下、ECUがポンプ62の異常の有無を
判別すべく実行するポンプ異常判別ルーチンの内容につ
いて説明する。図4は、本実施例においてECUが実行
するポンプ異常判別ルーチンのフローチャートである。
なお、図4に示すルーチンは、車両のイグニッションス
イッチがオンされた直後の、システムのイニシャルチェ
ックの際に実行される。 【0034】図4に示すルーチンが起動されると、先
ず、ステップ120の処理が実行される。ステップ12
0では、ポンプモータ67に対する駆動電流の供給が開
始される。ステップ120の処理が終了されると、次
に、ステップ122の処理が実行される。ステップ12
2では、電磁弁24がオン状態とされる。電磁弁24が
オン状態とされることで、センサ−ポンプ連通状態が形
成される。ステップ122の処理が終了されると、次
に、ステップ124の処理が実行される。 【0035】ステップ124では、油圧センサ22の出
力信号の脈動周期Tが、所定の上限値TH 及び下限値T
L との間にあるか否かが判別される。ここで上限値TH
及び下限値TL は、それぞれ、ポンプモータ67の仕様
により規定されるポンプモータ67の回転周期TM の上
限値及び下限値である。従って、ステップ124におい
て肯定判別された場合は、ポンプ62の吸入側に、駆動
モータ65の回転周期TM に応じた脈動が生じていると
判断される。この場合、ポンプ62は正常であると判断
され、次にステップ126において、ポンプ62は正常
である旨の信号が出力された後、今回のルーチンは終了
される。 【0036】一方、ステップ124において否定判別さ
れた場合は、ポンプ62の吸入側に、ポンプモータ67
の回転周期に応じた液圧の脈動が生じていないことにな
る。この場合、ポンプ62は正常に動作していないと判
断されて、次に、ステップ126において、ポンプ62
が異常である旨の信号が出力された後、今回のルーチン
は終了される。 【0037】上述の如く、本実施例によれば、ポンプ6
2の作動に伴って生ずる液圧の変化に基づいて、ポンプ
62の異常の有無が判断される。すなわち、ポンプ62
の異常の有無の判別にあたって、ポンプ62によるブレ
ーキフルードの吐出が正常に行なわれているか否かが直
接判別されることになる。従って、本実施例の液圧ブレ
ーキ装置によれば、ポンプ62の異常の有無を高い信頼
度で判別することができる。 【0038】また、本実施例においては、油圧センサ2
2の出力信号に基づいて、上記判別が行なわれる。この
油圧センサ22は、マスタシリンダ圧PM/C を検出する
ために、本実施例の液圧ブレーキ装置が元来備えている
ものである。このため、ポンプ62の異常を検出するた
めの油圧センサを別途設けることは不要である。従っ
て、本実施例によれば、コスト増を招くことなく、ポン
プ62の異常の有無を判別することが可能となってい
る。 【0039】なお、上記実施例においては、電磁弁24
をオン状態とし、ポンプ62の吸入側と油圧センサ22
とを連通させることで、ポンプ62の吸入側における脈
動に基づいて、ポンプ62の異常の有無を判別すること
とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、電磁弁24をオン状態とすると共に、保持ソ
レノイド44、46を共にオン状態、すなわち、閉弁状
態とすることにより、ポンプ62の異常の有無をより正
確に判別することができる。 【0040】すなわち、保持ソレノイド44、46がオ
ン状態、すなわち、閉弁状態とされると、ポンプ62の
吐出圧により、液圧通路40の液圧が上昇する。このた
め、リリーフ弁34が開弁し、ポンプ62が吐出するブ
レーキフルードはリリーフ弁34を介して液圧通路20
へ供給される。上述の如く、ポンプ62の吐出側の液圧
には、ポンプ62の吐出行程において増大するような脈
動が生ずる。従って、ポンプ62の吐出するブレーキフ
ルードが液圧通路20へ供給されると、液圧通路20に
は、ポンプ62の吐出行程における液圧の増加と、吸入
行程における液圧の減少との双方が重畳した液圧の脈動
が発生することになる。その結果、油圧センサ22が検
出する液圧の脈動の振幅が増大することで、ポンプ62
の異常の有無を更に正確に判別することが可能となる。 【0041】次に、図5を参照して本発明の第2実施例
について説明する。図5は、本実施例の液圧ブレーキ装
置のシステム構成図である。本実施例の液圧ブレーキ装
置は、上記図1に示す液圧ブレーキ装置において、第2
補助リザーバ150を追加した構成を有している。図5
に示す如く、第2補助リザーバ150は、液圧通路20
に連通している。第2補助リザーバ150の内部には、
ピストン152とスプリング154とが配設されてい
る。ピストン152は、スプリング154によって、第
2補助リザーバ150の容積を増大させる向きに付勢さ
れている。第2補助リザーバ150の内部には、その容
積と等量のブレーキフルードが貯留されている。 【0042】なお、油圧センサ22、第2補助リザーバ
150、電磁弁24、及びその下流側の各構成部品は、
一体の油圧ユニット内に組み込まれている。そして、こ
の油圧ユニットとマスリンダ16とが、液圧通路20に
相当するブレーキ配管によって接続されることで、液圧
ブレーキ装置が構成されている。すなわち、第2補助リ
ザーバ150は液圧通路20の油圧ユニット側の部位に
配設されている。 【0043】本実施例の液圧ブレーキ装置は、上記第1
実施例の液圧ブレーキ装置と同様に、通常ブレーキ機
能、ABS機能、及びBA機能を有していると共に、第
2補助リザーバ150を備えることで、車両姿勢制御
(以下、VSCと称す)を実行する機能(以下、VSC
機能と称す)をも有している。VSC機能は、車両に所
定の挙動が現れた場合に、電磁弁24をオン状態とし、
ポンプ62を作動状態とし、かつ、ABS機能を実現す
る場合と同様に、増圧モード、保持モード、及び減圧モ
ードを適宜実現して、各車輪に適当な制動力を発生させ
ることにより実現される。以下、この状態をVSCモー
ドと称する。 【0044】本実施例のシステムにおいて、VSCモー
ドが実現されると、ブレーキペダル10が踏み込まれて
いると否とにかかわらず、各車輪に適当な制動力が発生
する。各車輪に適当な制動力が発生すると、その後、車
両は減速される。車両が適当に減速されると、やがて全
ての車輪のグリップ状態が適正な状態に復元されて、車
両挙動が安定化する。このため、VSCモードが実現さ
れると、車両挙動に乱れが生じた場合に、すみやかにそ
の乱れを収束させることができる。 【0045】上述の如く、VSCモードは、ブレーキペ
ダル10が踏み込まれていなくとも実現される場合があ
る。ブレーキペダル10が踏み込まれていない場合、マ
スタシリンダ圧PM/C は大気圧に等しい液圧となってい
る。また、上述の如く、液圧通路20は、マスタシリン
ダ16と液圧ユニットとを接続するブレーキ配管により
構成されている。従って、本実施例において、上記図1
に示す液圧ブレーキ装置の如く、第2補助リザーバ15
0が設けられていないとすると、ブレーキペダル10が
踏み込まれていない状況下でVSCモードが実現された
場合、ポンプ62はマスタシリンダ16からブレーキ配
管を経由して大気圧のブレーキフルードを吸入すること
になる。この場合、ブレーキ配管は比較的長いため、ブ
レーキフルードがブレーキ配管を通過する際に大きな流
通抵抗が発生する。かかる流通抵抗に起因してポンプ6
2の吸入効率が低下することで、ポンプ62は所期の吐
出性能を発揮し得なくなる。 【0046】また、ブレーキペダル10が踏み込まれて
いない状況下では、リザーバ18とマスタシリンダ16
とは小さなオリフィスを介して互いに連通する。そし
て、マスタシリンダ16内のブレーキフルードがポンプ
62によって吸入されると、その吸入量に等しい量のブ
レーキフルードが、リザーバ18からオリフィスを介し
てマスタシリンダ16へ供給される。このため、ポンプ
62がマスタシリンダ16からブレーキフルードを吸入
する場合、ブレーキフルードが上記オリフィスを通過す
るのに伴う流通抵抗が発生する。かかる流通抵抗によっ
ても、ポンプ62の吐出性能が低下することになる。 【0047】これに対して、本実施例の液圧ブレーキ装
置においては、上述の如く、液圧通路20の油圧ユニッ
ト側の部位に第2補助リザーバ150が配設されてい
る。このため、VSCモードにおいて、ポンプ62は、
第2補助リザーバ150に貯留されたブレーキフルード
を、液圧通路20を経由することなく吸入することにな
る。すなわち、本実施例の液圧ブレーキ装置によれば、
VSCモードにおいて、ポンプ62が液圧通路20を介
してブレーキフルードを吸入する事態が回避されること
で、ポンプ62の吐出性能が低下することが防止されて
いる。 【0048】本実施例の液圧ブレーキ装置においても、
上記第1実施例の液圧ブレーキ装置と同様に、ECUが
図4に示すルーチンを実行することにより、ポンプ62
の異常の有無を高い信頼度で判別することができる。な
お、上記第1及び第2実施例においては、ポンプ62が
プランジャ型ポンプであるものとしたが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、フルードの吸入及び吐出に
応じて吐出側及び吸入側の液圧に脈動が生ずる他の任意
の形式のポンプに適用することができる。 【0049】また、上記第1及び第2実施例において
は、本発明が図1及び図2に示す液圧ブレーキ装置に適
用された場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、ポンプ及び油圧センサを備える任
意の構成の液圧ブレーキ装置に適用することができる。
この場合、液圧ブレーキ装置のシステム構成に応じて、
ポンプの吐出側又は吸入側の少なくとも一方と油圧セン
サとが連通した状態を形成し、かかる状態における油圧
センサの出力信号に基づいて、ポンプの異常の有無を検
出することとすればよい。 【0050】なお、上記第1及び第2実施例において
は、ECUが図4に示す異常判別ルーチンのステップ1
22を実行することにより上記した連通状態形成手段
が、ステップ124を実行することにより上記した異常
判別手段が、それぞれ実現されている。 【0051】 【発明の効果】上述の如く、本発明に係る液圧ブレーキ
装置によれば、ポンプの異常の有無を高い信頼度で判別
することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施例である液圧ブレーキ装置の
システム構成図である。 【図2】本実施例の液圧ブレーキ装置が備えるポンプの
構成を模式的に示す図である。 【図3】本実施例において、ポンプの動作中における、
ポンプの吸入側及び吐出側での液圧の時間変化を例示す
る図である。 【図4】本実施例においてECUが実行するポンプ異常
判別ルーチンのフローチャートである。 【図5】本発明の第2実施例である液圧ブレーキ装置の
システム構成図である。 【符号の説明】 22 油圧センサ 62 ポンプ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ブレーキ踏力に応じた液圧を発生させる
    マスタシリンダと、該マスタシリンダとは別に液圧を発
    生させるポンプと、マスタシリンダ圧を検出する油圧セ
    ンサとを備える液圧ブレーキ装置において、 前記油圧センサと、前記ポンプの吐出側又は吸入側の少
    なくとも一方とが連通するセンサ−ポンプ連通状態を形
    成する連通状態形成手段と、 前記センサ−ポンプ連通状態における前記油圧センサの
    出力信号の脈動周期に基づいて前記ポンプの異常の有無
    を判別する異常判別手段と、を備えたことを特徴とする
    液圧ブレーキ装置。
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