JP3508224B2 - 誘電体共振器装置 - Google Patents

誘電体共振器装置

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JP3508224B2
JP3508224B2 JP20193794A JP20193794A JP3508224B2 JP 3508224 B2 JP3508224 B2 JP 3508224B2 JP 20193794 A JP20193794 A JP 20193794A JP 20193794 A JP20193794 A JP 20193794A JP 3508224 B2 JP3508224 B2 JP 3508224B2
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準 服部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、外面に導体を形成し
たキャビティ内に、2つの誘電体柱が交差する形状から
なる複合誘電体柱をそれぞれ設けた複数のTM多重モー
ド誘電体共振器を備えて成る誘電体共振器装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、周囲を導体で囲んだ1つの空
間内に複数の誘電体柱を設けて成るTM多重モード誘電
体共振器を備えた誘電体共振器装置がフィルタなどとし
て用いられている。
【0003】この種の従来の誘電体共振器装置の構成を
図14および図15に示す。
【0004】図14は2つのTM二重モード誘電体共振
器の配置を示す斜視図である。図14において1a,1
bはそれぞれTM二重モード誘電体共振器であり、各共
振器はそれぞれ2つの誘電体柱を交差させた形状からな
る複合誘電体柱10a,10bをキャビティ15a,1
5bと共に一体成型している。キャビティ15a,15
bの外面にはアース電極として作用する導体を形成して
いる。複合誘電体柱10a,10bには13a,14
a,13b,14bで示す周波数調整用孔をそれぞれ設
けていて、これらの周波数調整用孔に対応してキャビテ
ィ15a,15bには周波数調整用部材を挿抜自在に保
持するための孔41a,42a,41b,42bを設け
ていて、これらの孔から周波数調整用部材を挿抜するこ
とによって各誘電体柱による共振器の周波数調整を行
う。またキャビティ15a,15bにはキャビティの空
間内に対して結合調整用部材を挿抜自在に保持するため
の孔43a,43bを設けていて、これらの孔からキャ
ビティに対して結合調整用部材を挿抜することによって
各誘電体柱による共振器間の結合調整を行う。同図に示
すように、2つのTM二重モード誘電体共振器は複合誘
電体柱10a,10bの成す平面が平行となる関係でキ
ャビティ15a,15bの一方の開口面同士を対向さ
せ、その両者間に仕切板52を配置している。この仕切
板52には2つの複合誘電体柱10a,10bのうち所
定の誘電体柱同士を磁界結合させるための磁界結合用窓
を形成している。
【0005】図15は図14に示した2つのTM二重モ
ード誘電体共振器のうち1つの共振器の構成を示す図で
あり、(A)は上面図、(B)は正面図である。図15
において50,51はそれぞれ誘電体棒、47,48は
誘電体棒50,51と一体化されたネジ部材である。キ
ャビティ15にはブッシュ44,45を設けていて、こ
の部分でネジ部材47,48を螺合させている。また同
図において49は結合調整用部材であり、キャビティ1
5にブッシング46を設けていて、この部分で結合調整
用部材49を螺合させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のTM
二重モード誘電体共振器を用いた装置においては、次に
挙げる問題があった。
【0007】 複合誘電体柱の成す平面が平行となる
関係で複数のTM二重モード誘電体共振器を配置するた
め、それらの複合誘電体柱を保持するキャビティの側面
に周波数調整用部材または結合調整用部材を挿抜するた
めの孔41a,42a,43a,41b,42b,43
bが設けられることになるが、キャビティにおけるこれ
らの孔の形成箇所は、図14において矢線で示すように
キャビティの外面に設けた導体に流れる実電流の経路で
あるため、上記の各孔は実電流を妨げ、共振器のQo
(無負荷Q)が劣化することになる。
【0008】 図14に示したように、共振器間に仕
切板52を必要とするため、部品点数が増大するととも
に、仕切板によるQの低下が生じる。
【0009】 図14に示した2つのTM二重モード
誘電体共振器を構成する際、キャビティ15a,15b
とともに複合誘電体柱10a,10bを一体成型する際
に、周波数調整用孔13a,14a,13b,14b、
周波数調整用部材を挿抜するための孔41a,42a,
41b,42bおよび結合調整用部材を挿抜するための
孔43a,43bを同時に形成することはできず、これ
らの孔は全て一体成型後に別工程で開口しなければなら
ず、共振器自体がコスト高になる。
【0010】 図15に示した従来のTM二重モード
誘電体共振器においては、複合誘電体柱に対してキャビ
ティの側壁から周波数調整用部材を挿抜する構造である
ため、2つの共振器が作る偶モードと奇モードの共振モ
ードに対する周波数調整用部材の影響度が異なるため、
周波数調整用部材の挿抜によって共振周波数が変化する
とともに、複合誘電体柱による2つの共振器間の結合係
数も変化することになる。そのため、周波数と結合係数
とを独立して調整することができない。
【0011】 周波数調整および結合調整を行う面が
2面となるため、周波数調整および結合調整が煩雑とな
り、自動化にも対応できない。
【0012】この発明の目的は、仕切板を用いることな
く、複数のTM多重モード誘電体共振器を配列して1つ
の誘電体共振器装置を構成し、部品点数の削減および仕
切板によるQの低下を防止した誘電体共振器装置を提供
することにある。
【0013】この発明の目的はキャビティの側壁に周波
数調整用部材および結合調整用部材の挿抜のための孔を
形成することなくこれらの孔によるQの低下を防止した
誘電体共振器装置を提供することにある。
【0014】この発明の目的は複数の誘電体共振器に対
して同一面の同一方向から周波数調整および結合調整を
行えるようにした誘電体共振器装置を提供することにあ
る。
【0015】この発明の目的は、複合誘電体柱の成す平
面がほぼ同一平面となる関係で複数のTM多重モード誘
電体共振器を配置するとともに、隣接するTM多重モー
ド誘電体共振器間で所定の共振器同士を順次結合させ
て、6段またはそれ以上の共振器を設けた誘電体共振器
装置を提供することにある。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】の発明の誘電体共振器
装置では、隣接する2つのTM多重モード誘電体共振器
に設けた複合誘電体柱のうち所定の誘電体柱同士を結合
させるため、請求項記載の装置では、軸方向が互いに
略平行な2つの誘電体柱により生じる磁界を横切るルー
プ状の導電体からなる結合用ループを設けている。この
結合用ループの存在により、軸方向が互いに略平行な2
つの誘電体柱により生じるそれぞれの磁界が結合用ルー
プと交わり、その結合用ループを介して前記2つの誘電
体柱同士が磁界結合する。
【0018】この発明の誘電体共振器装置では、3つ以
上のTM多重モード誘電体共振器を配置して1つの誘電
体共振器装置を構成する際、請求項に記載のとおり、
複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で各T
M多重モード誘電体共振器を配置するとともに、隣接す
るTM多重モード誘電体共振器の2つの複合誘電体柱の
うち、軸方向が略同一方向である2つの誘電体柱により
生じる磁界の方向に沿って、互いに隣接するTM多重モ
ード誘電体共振器のキャビティの対向面の一部に切欠部
からなる磁界結合用窓をそれぞれ設けて前記2つの誘電
体柱同士を磁界結合させる第1の結合手段を構成し、ま
た隣接するTM多重モード誘電体共振器の2つの複合誘
電体柱のうち、軸方向が互いに略平行な2つの誘電体柱
により生じる磁界を横切るループ状の導電体からなる結
合用ループを設けて、軸方向が互いに略平行な前記2つ
の誘電体柱同士を磁界結合させる第2の結合手段を構成
し、この第1の結合手段と第2の結合手段を交互に配置
する。これにより3つ以上のTM多重モード誘電体共振
器を配置して、隣接するTM多重モード誘電体共振器間
を第1の結合手段または第2の結合手段で順次結合させ
て、6段以上の共振器からなる誘電体共振器装置を構成
する。
【0019】また、この発明の誘電体共振器装置では、
各共振器の周波数を調整自在にするために、請求項
記載のとおり、各複合誘電体柱の成す平面に略垂直な方
向に沿って周波数調整用孔を形成し、周波数調整用部材
を前記周波数調整用孔に対して挿抜自在に設ける。
【0020】更に、この発明の誘電体共振器装置では、
TM多重モード誘電体共振器を構成する共振器間の結合
調整のために、請求項に記載のとおり、結合調整用部
材を前記周波数調整用部材の挿抜方向と同一方向に挿抜
自在に設ける。
【0021】
【0022】
【作用】この発明の請求項に係る誘電体共振器装置で
は、軸方向が互いに略平行な2つの誘電体柱により生じ
る磁界を横切るループ状の導電体からなる結合用ループ
が設けられているため、軸方向が互いに略平行な2つの
誘電体柱により生じるそれぞれの磁界が結合用ループと
交わり、その結合用ループを介して前記2つの誘電体柱
同士が磁界結合する。
【0023】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置では、請求項1に記載された結合用ループに相当する
ものが第2の結合手段として構成され、第1の結合手段
と第2の結合手段が交互に配置されているため、3つ以
上のTM多重モード誘電体共振器の、隣接するTM多重
モード誘電体共振器間が第1の結合手段または第2の結
合手段で順次結合されて、6段以上の共振器からなる誘
電体共振器装置が構成される。
【0024】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置では、各複合誘電体柱の成す平面に略垂直な方向に沿
って周波数調整用孔が形成され、周波数調整用部材が前
記周波数調整用孔に対して挿抜自在に設けられているた
め、キャビティの側壁に周波数調整用部材を挿抜自在に
保持するための孔を設ける必要がなく、Qの低下がな
い。また、各周波数調整用部材は複合誘電体柱を構成す
る2つの誘電体柱の成す平面に対して略垂直な方向に位
置するため、その挿抜によっても他の共振器の共振周波
数や他の共振器との結合係数とは独立して周波数調整を
行うことができる。
【0025】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置では、結合調整用部材が前記周波数調整用部材の挿抜
方向と同一方向に挿抜自在に設けられているため、いず
れの結合調整用部材も周波数調整用部材とともに同一面
の同一方向から調整することができるため、周波数調整
作業とともに結合調整作業が容易となる。
【0026】
【実施例】この発明の第1の実施例に係る誘電体共振器
装置の構成を図1〜図3に示す。
【0027】図1は誘電体共振器装置に用いる2つのT
M二重モード誘電体共振器の構成および配置関係を示す
斜視図である。図1において1a,1bはそれぞれ二重
モード誘電体共振器である。TM二重モード誘電体共振
器1aは複合誘電体柱10aとキャビティ15aとから
成り、TM二重モード誘電体共振器1bは複合誘電体柱
10bとキャビティ15bとから成る。複合誘電体柱1
0aは誘電体柱11aと12aの交差した形状から成
り、キャビティ15aとともに一体成型により形成して
いる。同様に複合誘電体柱10bは誘電体柱11b,1
2bの交差した形状から成り、キャビティ15bととも
に一体成型により形成している。キャビティ15aの外
面(四側面)には導体2aを形成していて、この導体と
複合誘電体柱10aとによって2つの共振器を構成して
いる。同様にキャビティ15bの外面(四側面)には導
体2bを形成していて、この導体と複合誘電体柱10b
とによって2つの共振器を構成している。また、複合誘
電体柱10aの2つの誘電体柱の交差部に溝gを設け
て、誘電体柱11aと12aとにより生じる奇モードと
偶モードの共振周波数に差を生じさせ、これにより誘電
体柱11a,12aからなる2つの共振器間を結合させ
ている。同様に複合誘電体柱10bの2つの誘電体柱の
交差部に溝gを設けて、誘電体柱11bと12bとによ
り生じる奇モードと偶モードの共振周波数に差を生じさ
せ、これにより誘電体柱11b,12bからなる2つの
共振器間を結合させている。誘電体柱11a,12a,
11b,12bにはそれぞれ13a,14a,13b,
14bで示す周波数調整用孔を複合誘電体柱の成す平面
に垂直な方向に設けている。さらにキャビティ15a,
15bの対向する面の一部には切欠部28a,28bを
設けている。この切欠部28a,28bには導体2a,
2bが存在せず、軸方向が同一方向である2つの誘電体
柱11a,11bにより生じる磁界の方向に沿って設け
ているため、この2つの誘電体柱11a,11b同士が
選択的に磁界結合する。このように切欠部28a,28
bを設けることによって、磁界結合用窓を構成したた
め、キャビティの外面に導体を形成する際、導体をパタ
ーン化することなく、たとえばローラなどを用いて銀ペ
ーストの塗布を行い、乾燥硬化後に焼き付けるだけでよ
いため量産性が高まる。しかも、磁界結合用窓にはキャ
ビティの側壁である誘電体も存在しないため、誘電体に
よるQの劣化もない。測定によれば、切欠部を形成せず
に、導体のパターン化によって磁界結合用窓を形成した
場合、25%のQ低下があったのに対し、切欠部によっ
て磁界結合用窓を形成した場合は10〜15%のQ低下
となり、共振器のQが10〜15%改善された。
【0028】図2は図1に示した状態から各共振器のキ
ャビティの開口面を金属パネルで覆って構成した誘電体
共振器装置の斜視図である。図2において16,17は
それぞれ金属パネルであり、図1に示した2つの誘電体
共振器の図における上下面に被せるとともに、キャビテ
ィの外面に形成している導体と金属パネル間を電気的に
接続する。例えば銅箔などの金属箔を誘電体共振器のキ
ャビティの外面に設けた導体2a,2bと金属パネル1
6,17間に跨がらせて半田付けする。金属パネル16
には18a,19a,20a,18b,19b,20b
で示す6つのブッシュを設けていて、ブッシュ18a,
19aには周波数調整用部材の一部であるネジ部材21
a,22aを螺合させていて、ブッシュ18b,19b
には周波数調整用部材の一部であるネジ部材21b,2
2bを螺合させている。また、ブッシュ20aには結合
調整用部材23aを螺合させ、ブッシュ20bには結合
調整用部材23bを螺合させている。この結合調整用部
材23aを、複合誘電体柱10aによりキャビティ15
a内に形成される4つの空間のうち1つの空間内に対し
て挿抜することによって、複合誘電体柱10aを構成す
る2つの誘電体柱11a,12aによる2つの共振器間
の結合調整を行う。同様に、結合調整用部材23bを、
複合誘電体柱10bによりキャビティ15b内に形成さ
れる4つの空間のうち1つの空間内に対して挿抜するこ
とによって、複合誘電体柱10bを構成する2つの誘電
体柱11b,12bによる2つの共振器間の結合調整を
行う。
【0029】図3は図2におけるY−Y部分の断面図で
ある。図3において24a,25a,24b,25bは
それぞれ誘電体棒であり、ネジ部材21a,22a,2
1b,22bに一体化することによってそれぞれ周波数
調整用部材を構成している。金属パネル17には入出力
コネクタ26a,26bを取り付けていて、それぞれの
中心導体と金属パネル17間に結合用ループ27a,2
7bを設けている。(但しこの例ではループ面は紙面に
垂直な方向にある。
【0030】図1〜図3に示した構成により、図3の結
合用ループ27aは図1の誘電体柱12aと磁界結合
し、図3の結合用ループ27bは図1の誘電体柱12b
と磁界結合する。また前述したとおり誘電体柱11a−
11b間はキャビティの切欠部28a,28bによる磁
界結合用窓を介して磁界結合するため、全体として4段
の共振器からなる帯域通過フィルタとして作用する誘電
体共振器が得られる。
【0031】次に、この発明の第2の実施例に係る誘電
体共振器装置の構成を図4〜図11に示す。
【0032】図4は誘電体共振器装置に用いる2つのT
M二重モード誘電体共振器の構成および配置関係を示す
斜視図である。図4において1a,1bはそれぞれ二重
モード誘電体共振器である。TM二重モード誘電体共振
器1aは複合誘電体柱10aとキャビティ15aとから
成り、TM二重モード誘電体共振器1bは複合誘電体柱
10bとキャビティ15bとから成る。複合誘電体柱1
0aは誘電体柱11aと12aの交差した形状から成
り、キャビティ15aとともに一体成型により形成して
いる。同様に複合誘電体柱11bは誘電体柱11b,1
2bの交差した形状から成り、キャビティ15bととも
に一体成型により形成している。キャビティ15aの外
面(四側面)には導体2aを形成していて、この導体と
複合誘電体柱10aとによって2つの共振器を構成して
いる。同様にキャビティ15bの外面(四側面)には導
体2bを形成していて、この導体と複合誘電体柱10b
とによって2つの共振器を構成している。また、複合誘
電体柱10aの2つの誘電体柱の交差部に溝gを設け
て、誘電体柱11aと12aとにより生じる奇モードと
偶モードの共振周波数に差を生じさせ、これにより誘電
体柱11a,12aからなる2つの共振器間を結合させ
ている。同様に複合誘電体柱10bの2つの誘電体柱の
交差部に溝gを設けて、誘電体柱11bと12bとによ
り生じる奇モードと偶モードの共振周波数に差を生じさ
せ、これにより誘電体柱11b,12bからなる2つの
共振器間を結合させている。誘電体柱11a,12a,
11b,12bにはそれぞれ13a,14a,13b,
14bで示す周波数調整用孔を複合誘電体柱の成す平面
に垂直な方向に設けている。さらにキャビティ15a,
15bの対向する面の一部には凹部30a,30bを設
けている。この凹部には後述するように結合用ループの
ループ保持部を取り付ける。
【0033】図5は図4に示した状態から結合用ループ
を取り付けた状態を示す。図5において32は結合用ル
ープ、31は結合用ループ32を絶縁保持するフッ素系
樹脂などからなるループ保持部である。結合用ループ3
2は複合誘電体柱10a,10bのうち軸方向が互いに
平行な2つの誘電体柱12a,12bにより生じる磁界
を横切る。したがって誘電体柱12aと12bとが結合
用ループ32を介して磁界結合することになる。
【0034】図6は図5に示した状態から各共振器のキ
ャビティの開口面を金属パネルで覆って構成した誘電体
共振器装置の斜視図である。図6において16,17は
それぞれ金属パネルであり、図5に示した2つの誘電体
共振器の図における上下面に被せるとともに、前述した
ように金属箔を介してキャビティの外面に形成している
導体と金属パネル間を電気的に接続する。金属パネル1
6には18a,19a,20a,18b,19b,20
bで示す6つのブッシュを設けていて、ブッシュ18
a,19aには周波数調整用部材の一部であるネジ部材
21a,22aを螺合させていて、ブッシュ18b,1
9bには周波数調整用部材の一部であるネジ部材21
b,22bを螺合させている。また、ブッシュ20aに
は結合調整用部材23aを螺合させ、ブッシュ20bに
は結合調整用部材23bを螺合させている。
【0035】図7は図6におけるY−Y部分の断面図で
ある。図7において24a,25a,24b,25bは
それぞれ誘電体棒であり、ネジ部材21a,22a,2
1b,22bに一体化することによってそれぞれ周波数
調整用部材を構成している。金属パネル17には入出力
コネクタ26a,26bを取り付けていて、それぞれの
中心導体と金属パネル17間に結合用ループ27a,2
7bを設けている。
【0036】図8は共振器間を結合させる結合用ループ
およびループ保持部の構造を示す図であり、(A)は上
面図、(B)は正面図である。同図に示すように、図に
おける前後の辺を所定角度折曲して結合用ループ32の
図における左右の辺を高さhだけ誘電体柱側へ近接させ
ている。この結合用ループ32の高さhが大きい程、図
5に示した誘電体柱12a,12bによる磁束のうち結
合用ループ32を通る量が増大するため、誘電体柱12
a,12bと結合用ループ32間の結合度が高まり、誘
電体柱12a−12b間の結合係数が高まる。したがっ
てこの結合用ループ32の高さhによって誘電体柱12
a−12b間の結合調整を行う。
【0037】図8に示した各部の寸法をa=44mm,b
=37mm,c=7mm,d=8mm,e=2mmとし、50mm
角のキャビティを有する共振器に用いた場合に、上記寸
法hを変えることによって、共振器間の結合係数を変化
させたときの、偶モードと奇モードの周波数変化および
無負荷Qの劣化率の関係を図9に示す。図9の(A)に
示すように、偶モードと奇モードの周波数は共振器単体
の共振周波数foを中心として上下に対称に分離してい
るため、周波数とは独立して結合調整を行うことができ
る。また、(B)に示すように結合係数k=3%でQは
約7%低下するだけであり、結合用ループ32によるQ
の低下は小さい。なお、Qの変化分(ΔQ)は偶モード
のQ(Qeven)と奇モードのQ(Qodd )の平均値とQ
oとの差として求めている。
【0038】図8に示した例では、非接地型の例を示し
たが、図10に示すように、結合用ループの端部を接地
してもよい。すなわち、図10に示すように、結合用ル
ープ32の2つの端部を金属パネル16に電気的に接続
してもよい。この場合、金属パネル16側に予め結合用
ループを設けておくことができ、その結合用ループ付き
の金属パネルを誘電体共振器のキャビティの開口面に被
せるだけでよいため、結合用ループの取付け作業性が高
い。
【0039】図11は、金属パネルに対して結合用ルー
プを取り付けることによって装置内に結合用ループを設
ける他の例を示す図である。図11において33は全体
が絶縁性樹脂からなるループ保持材であり、(A)に示
す状態から金属パネル16に予め設けた孔にループ保持
材33を挿入し、更に結合用ループ32の2つの孔をル
ープ保持材33の突起部に被せる。その後、同図(B)
に示すようにループ保持材33の突起部を加熱溶融させ
て、その溶融後のループ保持材33′を介して結合用ル
ープ32を金属パネル16に絶縁状態で取り付ける。
【0040】次に、第3の実施例に係る誘電体共振器装
置の構成を図12に示す。図12において(A)は金属
パネル取付け前の上面図、(B)は金属パネルを取り付
けた状態での(A)におけるX−X部分の断面図であ
る。1a,1b,1cはそれぞれTM二重モード誘電体
共振器であり、共振器1a−1b間には結合用ループ3
2を設け、共振器1b−1c間にはキャビティの切欠部
28b,28cによる磁界結合用窓を形成している。こ
れにより誘電体柱12a−12b間が結合用ループ32
を介して磁界結合し、誘電体柱11b−11c間が磁界
結合用窓28b,28cを介して磁界結合する。24
a,25a,24b,25b,24c,25cはそれぞ
れ誘電体棒であり、ネジ部材21a,22a,21b,
22b,21c,22cに一体化することによってそれ
ぞれ周波数調整用部材を構成している。これらの周波数
調整部材は金属パネル16に取り付けたブッシュに螺合
させている。また、図12には現れていないが、図2に
示した例と同様に、結合調整用部材を金属パネル16に
取り付けたブッシュに螺合させている。金属パネル17
には入出力コネクタ26a,26cを取り付けていて、
入出力コネクタ26a,26cの中心導体と金属パネル
17間にはそれぞれ図に示す向きに結合用ループ27
a,27cを取り付けている。同図において結合用ルー
プ27cのループ面は紙面に垂直方向にある。したがっ
て結合用ループ27aは誘電体柱11aと磁界結合し、
結合用ループ27cは誘電体柱12cと磁界結合する。
また、各複合誘電体柱10a,10b,10cを構成す
るそれぞれ2つの誘電体柱による2つの共振器同士はそ
れぞれの交差部に設けた溝gの存在により結合するた
め、結局図12に示した装置は6段の共振器からなる帯
域通過フィルタ等として作用する誘電体共振器装置とな
る。
【0041】次に、第4の実施例に係る誘電体共振器装
置の構成を図13に示す。図13は上部の金属パネルを
取り付ける前の上面図である。図13において1a,1
b,1c,1d,1eはそれぞれTM二重モード誘電体
共振器であり、共振器1a−1b間に結合用ループ32
abを配し、共振器1b−1c間にキャビティの切欠部
28b,28cからなる磁界結合用窓を設け、共振器1
c−1d間に結合用ループ32cdを設け、共振器1d
−1e間にキャビティの切欠部28d,28eからなる
磁界結合用窓を設けている。このように複数のTM二重
モード誘電体共振器を配列するとともに、結合用ループ
からなる結合手段と磁界結合用窓による結合手段とを交
互に配置することにより、また各複合誘電体柱による二
つの共振器間をそれぞれ結合させたTM二重モード誘電
体共振器を用いたことにより、各誘電体共振器の2つの
誘電体共振器が結合するとともに、隣接する2つの共振
器間の結合がとられ、6段以上の共振器からなる、たと
えば帯域通過フィルタとして作用する誘電体共振器装置
が得られる。
【0042】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る誘電体共振器
装置によれば、複合誘電体柱の成す平面が略同一平面と
なる関係で各TM多重モード誘電体共振器が配置される
ため、従来の仕切り板が不要であり、仕切り板を用いる
ことによるQの低下が生じない。
【0043】
【0044】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置によれば、結合用ループを介して軸方向が互いに略平
行な2つの誘電体柱同士を磁界結合させたため、簡単な
構造で且つ結合調整も容易となる。
【0045】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置によれば、3つ以上のTM多重モード誘電体共振器を
配置して6段以上の共振器からなる誘電体共振器装置が
容易に構成される。
【0046】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置によれば、各複合誘電体柱の成す平面に略垂直な方向
に沿って周波数調整用孔が形成され、周波数調整用部材
が前記周波数調整用孔に対して挿抜自在に設けられてい
るため、キャビティの側壁に周波数調整用部材を挿抜自
在に保持するための孔を設ける必要がなく、キャビティ
の側壁に孔を設けることによるQの低下がない。また、
各周波数調整用部材は複合誘電体柱を構成する2つの誘
電体柱の成す平面に対して略垂直な方向に位置するた
め、その挿抜によっても他の共振器の共振周波数や他の
共振器との結合係数とは独立して周波数調整を行うこと
ができる。
【0047】この発明の請求項に係る誘電体共振器装
置によれば、結合調整用部材が前記周波数調整用部材の
挿抜方向と同一方向に挿抜自在に設けられているため、
いずれの結合調整用部材も周波数調整用部材とともに同
一面の同一方向から調整することができるため、周波数
調整作業とともに結合調整作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る誘電体共振器装置に用いる
2つの共振器の構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例に係る誘電体共振器装置の構成を
示す斜視図である。
【図3】図2におけるY−Y部分の断面図である。
【図4】第2の実施例に係る誘電体共振器装置に用いる
2つの誘電体共振器の構成を示す斜視図である。
【図5】図4に示した状態から結合用ループを取り付け
た状態を示す図である。
【図6】第2の実施例に係る誘電体共振器装置の構成を
示す斜視図である。
【図7】図6におけるY−Y部分の断面図である。
【図8】第2の実施例に係る誘電体共振器装置に用いた
結合用ループの構成を示す図である。
【図9】図8に示した結合用ループの寸法hを変えるこ
とによって、共振器間の結合係数を変化させたときの、
偶モードと奇モードの周波数変化および無負荷Qの劣化
率の関係を示す。
【図10】結合用ループの変形例を示す図である。
【図11】結合用ループの他の構成および金属パネルに
対する取付け構造を示す図である。
【図12】第3の実施例に係る誘電体共振器装置の構成
を示す図であり、(A)は金属パネルを取り付ける前の
上面図、(B)は金属パネルを取り付けた状態での
(A)におけるX−X部分の断面図である。
【図13】第4の実施例に係る誘電体共振器装置の構成
を示す図である。
【図14】従来の誘電体共振器装置の構成を示す斜視図
である。
【図15】図13に示す1ユニットの誘電体共振器の上
面図および正面図である。
【符号の説明】 2−導体 10−複合誘電体柱 11,12−誘電体柱 13,14−周波数調整用孔 15−キャビティ 16,17−金属パネル 18,19,20−ブッシュ 21,22−ネジ部材 23−結合調整用部材 24,25−誘電体棒 26−入出力コネクタ 27−結合用ループ 28−切欠部 30−凹部 31−ループ保持部 32−結合用ループ 33−ループ保持材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面に導体を形成したキャビティ内に、
    2つの誘電体柱が交差する形状からなる複合誘電体柱を
    それぞれ設けた複数のTM多重モード誘電体共振器を備
    えて成る誘電体共振器装置において、 前記複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で
    各TM多重モード誘電体共振器を配置するとともに、隣
    接する2つのTM多重モード誘電体共振器に設けた複合
    誘電体柱のうち、軸方向が互いに略平行な2つの誘電体
    柱により生じる磁界を横切るループ状の導電体から成る
    結合用ループを設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択
    的に磁界結合させたことを特徴とする誘電体共振器装
    置。
  2. 【請求項2】 外面に導体を形成したキャビティ内に、
    2つの誘電体柱が交差する形状からなる複合誘電体柱を
    それぞれ設けるとともに、前記2つの誘電体柱による2
    つの共振器間をそれぞれ結合させた複数のTM多重モー
    ド誘電体共振器を備えて成る誘電体共振器装置におい
    て、 前記複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で
    各TM多重モード誘電体共振器を配置するとともに、隣
    接するTM多重モード誘電体共振器の2つの複合誘電体
    柱のうち、軸方向が略同一方向である2つの誘電体柱に
    より生じる磁界の方向に沿って、互いに隣接するTM多
    重モード誘電体共振器のキャビティの対向面の一部に切
    欠部から成る磁界結合用窓をそれぞれ設けて軸方向が略
    同一方向である前記2つの誘電体柱同士を選択的に磁界
    結合させる第1の結合手段と、隣接するTM多重モード
    誘電体共振器の2つの複合誘電体柱のうち、軸方向が互
    いに略平行な2つの誘電体柱により生じる磁界を横切る
    ループ状の導電体から成る結合用ループを設けて、軸方
    向が互いに略平行な前記2つの誘電体柱同士を選択的に
    磁界結合させる第2の結合手段とを、交互に配置したこ
    とを特徴とする誘電体共振器装置。
  3. 【請求項3】 前記各複合誘電体柱の成す平面に略垂直
    な方向に沿って前記複合誘電体柱に周波数調整用孔を形
    成し、周波数調整用部材を前記周波数調整用孔に対して
    挿抜自在に設けたことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の誘電体共振器装置。
  4. 【請求項4】 結合調整用部材を前記周波数調整用部材
    の挿抜方向と同一方向に沿って前記キャビティに対して
    挿抜自在に設けたことを特徴とする請求項3記載の誘電
    体共振器装置。
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