JP3480041B2 - Tm多重モード誘電体共振器装置 - Google Patents

Tm多重モード誘電体共振器装置

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JP3480041B2
JP3480041B2 JP12908994A JP12908994A JP3480041B2 JP 3480041 B2 JP3480041 B2 JP 3480041B2 JP 12908994 A JP12908994 A JP 12908994A JP 12908994 A JP12908994 A JP 12908994A JP 3480041 B2 JP3480041 B2 JP 3480041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2つの誘電体柱を交
差させた形状からなる複合誘電体柱を、周囲を外導体で
囲んだ空間内に備えたTM多重モード誘電体共振器装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の誘電体柱を交差させた形状からな
る複合誘電体柱を備えた従来のTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を図21に示す。図21において10
a,10bはそれぞれ2つの誘電体柱を交差させた形状
からなる複合誘電体柱であり、外表面に外導体を形成し
たキャビティ15a,15bとともに一体成形してい
る。この2つのTM多重モード誘電体共振器を、複合誘
電体柱の成す平面が平行となるように配置するととも
に、両者間に仕切板44を配置している。この仕切板4
4は2つのTM多重モード誘電体共振器間で所定方向の
磁界成分のみを選択的に透過させる磁界結合用窓として
作用する。また、同図に示すように、複合誘電体柱10
a,10bには周波数調整用孔13a,14a,13
b,14bを設け、キャビティ15a,15bには上記
周波数調整用孔13a,13b,14a,14bに対し
て周波数調整用部材を挿抜自在に保持するための孔41
a,42a,41b,42bを設けていて、これらの孔
に対して周波数調整用部材を挿抜することによって各誘
電体柱による共振器の周波数調整を行う。さらにキャビ
ティ15a,15bにはキャビティの空間内に対して結
合調整用部材を挿抜自在に保持するための孔43a,4
3bを設けていて、これらの孔に対して結合調整用部材
を挿抜することによってそれぞれ交差する2つの誘電体
柱による共振器間の結合調整を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のTM
多重モード誘電体共振器装置においては、複合誘電体柱
の成す平面同士が平行となる関係で複合誘電体柱を配置
したことにより、複合誘電体柱のうち軸方向が互いに平
行な2つの誘電体柱間を強く結合させることができる。
しかしながら、複合誘電体柱に対して二方向から周波数
調整用部材を挿抜させて各共振器の共振周波数を調整す
る構造であるため、その調整作業が容易ではなく、ま
た、図21中に矢印で示したように、実電流の電流経路
に周波数調整用部材を保持するための孔41,42およ
び結合調整用部材を保持するための孔43が存在するた
め、共振器のQが低下する原因となっていた。
【0004】各共振器の共振周波数調整を一方向から行
うためには、各複合誘電体柱の成す平面が同一となるよ
うにすればよいが、隣接する2つの複合誘電体柱のうち
所定の誘電体柱同士を選択的に磁界結合させなければな
らない。しかも、その選択性が高くなければ、非結合と
すべき誘電体柱同士のもれ結合によって、その誘電体柱
による共振器のQが低下することになる。また、例えば
広帯域の帯域通過フィルタを構成する場合には、結合さ
せるべき誘電体柱同士の磁界結合を強めて、その誘電体
柱による共振器間の結合係数を大きくしなければならな
い。
【0005】この発明の目的は、周波数調整を容易に
し、Qの低下を防ぐとともに、隣接する複合誘電体柱の
うち所定の誘電体柱同士を選択的に結合させるようにし
たTM多重モード誘電体共振器装置を提供することにあ
る。
【0006】この発明の他の目的は、各複合誘電体柱の
成す平面が同一となるように配置するとともに、隣接す
る複合誘電体柱のうち軸方向が略同一方向である2つの
誘電体柱からなる2つの共振器間についてもその結合係
数を高めたTM多重モード誘電体共振器装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るTM多重モード誘電体共振器装置は、2つの誘電体柱
を交差させた形状からなる複合誘電体柱を、周囲を外導
体で囲んだ空間内に備えたTM多重モード誘電体共振器
装置において、各複合誘電体柱の成す平面が略同一平面
となる関係で複数の複合誘電体柱を配置するとともに、
隣接する2つの複合誘電体柱の間に該2つの複合誘電体
柱のうち軸方向が互いに平行な2つの誘電体柱により生
じる磁界の方向に沿ってスリット状の導体非形成部を配
して成る磁界結合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同
士を選択的に磁界結合させたことを特徴とする。
【0008】この発明の請求項2に係るTM多重モード
誘電体共振器装置は、2つの誘電体柱を交差させた形状
からなる複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内
に備えたTM多重モード誘電体共振器装置において、各
複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で複数
の複合誘電体柱を配置するとともに、隣接する2つの複
合誘電体柱の間に該2つの複合誘電体柱のうち軸方向が
略同一方向である2つの誘電体柱により生じる磁界の方
向に沿ってスリット状の導体非形成部を配して成る磁界
結合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択的に
磁界結合させたことを特徴とする。
【0009】この発明の請求項3に係るTM多重モード
誘電体共振器装置は、2つの誘電体柱を交差させた形状
からなる複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内
に備えたTM多重モード誘電体共振器装置において、隣
接する2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平行
な誘電体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電
体柱の軸方向が不平行で且つ各複合誘電体柱の成す面が
略連続する関係で複数の複合誘電体柱を配置するととも
に、この2つの誘電体柱により生じる磁界の方向に沿っ
てスリット状の導体非形成部を配して成る磁界結合用窓
を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択的に磁界結合
させたことを特徴とする。
【0010】この発明の請求項4に係るTM多重モード
誘電体共振器装置は、2つの誘電体柱を交差させた形状
からなる複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内
に備えたTM多重モード誘電体共振器装置において、隣
接する2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平行
な誘電体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電
体柱の軸を前記略平行な誘電体柱の軸に対して異なった
平面で交差させ、この2つの誘電体柱により生じる磁界
の方向に沿ってスリット状の導体非形成部を配して成る
磁界結合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択
的に磁界結合させたことを特徴とする。
【0011】
【作用】この発明の請求項1に係るTM多重モード誘電
体共振器装置では、各複合誘電体柱の成す平面が略同一
平面となる関係で複数の複合誘電体柱が配置され、磁界
結合用窓を介して、隣接する2つの複合誘電体柱のうち
軸方向が互いに平行な2つの誘電体柱同士が選択的に磁
界結合する。
【0012】請求項1に係るTM多重モード誘電体共振
器装置の構成例を概念図として図1に示す。図1におい
て10a,10bはそれぞれ2つの誘電体柱を交差させ
た形状からなる複合誘電体柱であり、それぞれ一点鎖線
で示す外導体で囲んでいる。この2つの複合誘電体柱1
0a,10bはそれぞれの成す面が略同一平面となる関
係で配置していて、2つの複合誘電体柱10a,10b
間の外導体には30で示すスリット状の導体非形成部か
らなる磁界結合用窓30を配している。なお、複合誘電
体柱10a,10bの成す平面に対し垂直方向に周波数
調整用部材を挿抜させる周波数調整用孔13a,14
a,13b,14bを設けることによって、すべての周
波数調整用部材を同一面から同一方向に挿抜可能とな
る。また、その際、周波数調整用部材を挿抜させるため
に外導体に設ける孔は実電流を妨げないため、共振器の
Qを低下させることもない。
【0013】図2は図1に示した磁界結合用窓の作用を
示す。但し図2においては複合誘電体柱周囲の外導体は
省略している。図2に示すように複合誘電体柱10a,
10bのうち軸方向が互いに平行な2つの誘電体柱11
a,11bにより生じる磁界(同図において矢印Hはそ
の磁界方向を示す。)に沿ってスリット状の導体非形成
部からなる磁界結合用窓30を設けているため、この2
つの誘電体柱11a,11b同士が磁界結合する。
【0014】この発明の請求項2に係るTM多重モード
誘電体共振器装置では、各複合誘電体柱の成す平面が略
同一平面となる関係で複数の複合誘電体柱が配置され、
磁界結合用窓を介して、隣接する2つの複合誘電体柱の
うち軸方向が略同一方向である2つの誘電体柱同士が選
択的に磁界結合する。
【0015】請求項2に係るTM多重モード誘電体共振
器装置の構成例を概念図として図3に示す。図3におい
て10a,10bはそれぞれ2つの誘電体柱を交差させ
た形状からなる複合誘電体柱であり、それぞれ一点鎖線
で示す外導体で囲んでいる。この2つの複合誘電体柱1
0a,10bはそれぞれの成す面が略同一平面となる関
係で配置していて、2つの複合誘電体柱10a,10b
間の外導体には30で示すスリット状の導体非形成部か
らなる磁界結合用窓30を配している。
【0016】図4は図3に示した磁界結合用窓の作用を
示す。但し図4においては複合誘電体柱周囲の外導体は
省略している。図4に示すように複合誘電体柱10a,
10bのうち軸方向が略同一方向である2つの誘電体柱
12a,12bにより生じる磁界(同図において矢印H
はその磁界方向を示す。)に沿ってスリット状の導体非
形成部からなる磁界結合用窓30を設けているため、こ
の2つの誘電体柱12a,12b同士が磁界結合する。
【0017】この発明の請求項3に係るTM多重モード
誘電体共振器装置では、各複合誘電体柱の成す面が略連
続する関係で複数の複合誘電体柱が配置され、隣接する
2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平行な誘電
体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電体柱同
士が磁界結合用窓を介して選択的に磁界結合する。
【0018】請求項3に係るTM多重モード誘電体共振
器装置の構成例を図5に示す。但し図2または図4に示
した場合と同様に、複合誘電体柱周囲の外導体は省略し
ている。同図に示すように、各複合誘電体柱10a,1
0bの成す面が略連続する関係で配置するとともに、隣
接する2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平行
な誘電体柱11a,11bに対してそれぞれ交差する他
方の2つの誘電体柱12a,12bの軸方向を不平行と
している。このことにより、磁界結合用窓30の形成領
域を大きくとることができ、しかも2つの誘電体柱12
a,12bの軸が傾斜しているため、磁界結合用窓30
を介しての2つの誘電体柱12a,12bの磁界結合が
強くなり、誘電体柱12a,12bによる共振器間の結
合係数が増す。
【0019】この発明の請求項4に係るTM多重モード
誘電体共振器装置では、各複合誘電体柱の成す面が略連
続する関係で複数の複合誘電体柱が配置され、隣接する
2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平行な誘電
体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電体柱同
士が磁界結合用窓を介して選択的に磁界結合する。
【0020】請求項4に係るTM多重モード誘電体共振
器装置の構成例を図6に示す。但し複合誘電体柱周囲の
外導体は省略している。図6に示すように、各複合誘電
体柱の成す面が略連続する関係で複合誘電体柱を配置す
るとともに、隣接する2つの複合誘電体柱10a,10
bのうち、軸方向が互いに略平行な誘電体柱11a,1
1bに対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電体柱1
2a,12bの軸を誘電体柱11a,11bの軸に対し
て異なった平面で交差するように複合誘電体柱を構成し
配置している。このことにより、磁界結合用窓30の形
成領域を大きくとることができ、しかも2つの誘電体柱
12a,12bの成す磁界方向が傾くため、磁界結合用
窓30を介しての2つの誘電体柱12a,12bの磁界
結合が強くなり、誘電体柱12a,12bによる共振器
間の結合係数が増す。
【0021】
【実施例】この発明の請求項1および2に対応する第1
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
を図7〜図10に示す。
【0022】図7はTM多重モード誘電体共振器装置の
1ユニットの構成を示す分解斜視図である。同図に示す
ように、2つの誘電体柱11,12を交差させた形状か
らなる複合誘電体柱10とともにキャビティ15を一体
成形している。誘電体柱11,12には、2つの誘電体
柱11,12が成す平面に垂直方向にそれぞれ周波数調
整用孔13,14を形成している。キャビティ15の四
側面には外導体を形成している。このキャビティ15の
2つの開口部に、外導体を形成した上板16および下板
25を接合することによって、周囲を外導体で囲んだ空
間を構成する。上板16にはブッシング21,22,2
4を取り付けていて、周波数調整用部材の一部であるね
じ部材17,18をブッシング21,22に螺合させて
いて、また結合調整用部材23をブッシング24に螺合
させている。
【0023】図8は図7に示したユニットを3つ配列し
て構成したTM多重モード誘電体共振器装置の構成を示
す図である。同図(A)は各ユニットの上板を除いた状
態における上面図、(B)は正面図である。同図に示す
ように、各ユニットは3つの複合誘電体柱10a,10
b,10cのそれぞれの成す平面が同一平面となるよう
に配置し、シール材32によって隣接ユニット間を接合
している。各複合誘電体柱には、2つの誘電体柱の交差
部にそれぞれ溝gを形成しているため、この交差する2
つの誘電体柱による2つの共振器は溝gの存在によって
結合する。同図(B)において33a,33cはそれぞ
れ同軸コネクタであり、キャビティ内において同軸コネ
クタ33a,33cの中心導体と外導体間に結合ループ
34a,34cを形成している。結合ループ34aは誘
電体柱12aと磁界結合し、結合ループ34c(紙面に
垂直方向にループ面を構成する)と誘電体柱11cとが
磁界結合する。
【0024】図9は図8に示したTM多重モード誘電体
共振器装置のうち複合誘電体柱10a,10bを含む2
つのユニットの構成を示す分解斜視図である。図9に示
すように、複合誘電体柱10aと一体成形したキャビテ
ィ15aの一側面に、図において鉛直方向に延びるスリ
ット状の外導体非形成部からなる磁界結合用窓30aを
形成している。一方、複合誘電体柱10bを一体成形し
たキャビティ15bの一側面には、磁界結合用窓30a
に近接する箇所に導体非形成部31bを設けている。
【0025】このように磁界結合用窓30aを設けたこ
とにより、図2に示したように、誘電体柱11aと11
b間が選択的に磁界結合する。
【0026】図10は図8に示したTM多重モード誘電
体共振器装置のうち複合誘電体柱10b,10cを含む
2つのユニットの構成を示す分解斜視図である。図10
に示すように、複合誘電体柱10bと一体成形したキャ
ビティ15bの一側面に、図において水平方向に延びる
スリット状の外導体非形成部からなる磁界結合用窓30
bを形成している。一方、複合誘電体柱10cを一体成
形したキャビティ15cの一側面には、磁界結合用窓3
0bに近接する箇所に導体非形成部31cを設けてい
る。
【0027】このように磁界結合用窓30bを設けたこ
とにより、図4に示したように、誘電体柱12aと12
b間が選択的に磁界結合する。
【0028】以上のように構成したことより、6段の共
振器からなる帯域通過フィルタとして作用するTM多重
モード誘電体共振器装置が得られる。
【0029】次に、この発明の請求項3に対応する第2
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
を図11に示す。この図は第1の実施例である図8に対
応させて示したものである。この例では図11に示すよ
うに3つの複合誘電体柱10a,10b,10cの成す
面が略連続する関係で配置するとともに、隣接する複合
誘電体柱10a,10bのうち誘電体柱12a,12b
の軸方向を不平行とし、また隣接する複合誘電体柱10
b,10cのうち誘電体柱12b,12cの軸方向を不
平行としている。
【0030】図12は図11に示したキャビティ15a
と15bの対向する面に形成した磁界結合用窓の構成を
示す図であり、(A)はキャビティ15aの側面、
(B)はキャビティ15bの側面をそれぞれ示す。キャ
ビティ15aの側面には図における鉛直方向にスリット
状の導体非形成部からなる磁界結合用窓30aを設け、
キャビティ15bの側面には磁界結合用窓30aに対向
する位置に導体非形成部31bを設けている。このよう
に構成したことにより、誘電体柱11aと11b間が磁
界結合用窓30aを介して選択的に磁界結合する。
【0031】図13は図11に示したキャビティ15b
と15cの対向する面に形成した磁界結合用窓の構成を
示す平面図であり、(A)はキャビティ15bの側面、
(B)はキャビティ15cの側面をそれぞれ示す。キャ
ビティ15bの側面には図における水平方向にスリット
状の導体非形成部からなる磁界結合用窓30bを設け、
キャビティ15cの側面には磁界結合用窓30bに対向
する位置に導体非形成部31cを設けている。このよう
に構成したことにより、誘電体柱12bと12c間が磁
界結合用窓30bを介して選択的に磁界結合する。
【0032】このように複合誘電体柱10a,10b,
10cのうち誘電体柱12a,12b,12cを傾斜さ
せたことにより、大きな磁界結合用窓を設けることがで
き、誘電体柱同士の結合の選択性を高めるとともに結合
を強めることができる。
【0033】次に、この発明の請求項3に対応する第3
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
例を図14に示す。この図は第1の実施例である図8に
対応させて示したものである。この例では図に示すよう
に3つの複合誘電体柱10a,10b,10cの成す面
が略連続する関係で配置するとともに、隣接する複合誘
電体柱10a,10bのうち誘電体柱12a,12bの
軸方向を不平行とし、また隣接する複合誘電体柱10
b,10cのうち誘電体柱12b,12cの軸方向を不
平行としている。磁界結合用窓の構成は図12および図
13に示した第2の実施例の場合と同様である。
【0034】次に、この発明の請求項3に対応する第4
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
例を図15に示す。この図は第1の実施例である図8に
対応させて示したものである。この例でも図に示すよう
に3つの複合誘電体柱10a,10b,10cの成す面
が略連続する関係で配置するとともに、隣接する複合誘
電体柱10a,10bのうち誘電体柱12a,12bの
軸方向を不平行とし、また隣接する複合誘電体柱10
b,10cのうち誘電体柱12b,12cの軸方向を不
平行としている。磁界結合用窓の構成は図12および図
13に示した第2の実施例の場合と同様である。
【0035】次に、この発明の請求項3に対応する第5
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
例を図16に示す。図16(A)は第2の実施例である
図11(B)に対応させて示したものである。図16
(B)は(A)におけるB−B方向から見た図、(C)
は(A)におけるC−C方向から見た図である。この例
では図に示すように3つの複合誘電体柱10a,10
b,10cの成す面が略連続する関係で配置するととも
に、隣接する複合誘電体柱10b,10cのうち誘電体
柱12b,12cの軸方向を不平行としている。この構
成により誘電体柱11a,11bは磁界結合用窓30a
を介して結合し、誘電体柱12b,12cは磁界結合用
窓30bを介して結合する。このように磁界結合すべき
誘電体柱が、互いに平行な誘電体柱に対して交差する誘
電体柱12b,12c同士である場合に、その箇所のみ
誘電体柱12b,12cの軸方向を不平行にすることに
よって、誘電体柱12b,12cによる2つの共振器間
の結合係数を増す。
【0036】次に、この発明の請求項4に対応する第6
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
例を図17に示す。図17(A)は第2の実施例である
図11(B)に対応させて示したものである。図17
(B)は(A)におけるB−B方向から見た図、(C)
は(A)におけるC−C方向から見た図である。この例
では図に示すように、隣接する複合誘電体柱10b,1
0cのうち軸方向が互いに略平行な誘電体柱11b,1
1cに対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電体柱1
2b,12cの軸を誘電体柱11b,11cの軸に対し
て異なった平面で交差させている。このように構成する
ことによって、誘電体柱12b,12cによる2つの共
振器間の結合係数を増す。
【0037】次に、この発明の請求項4に対応する第7
の実施例に係るTM多重モード誘電体共振器装置の構成
例を図18に示す。この図は第1の実施例である図8に
対応させて示したものである。この例では図に示すよう
に3つの複合誘電体柱10a,10b,10cのそれぞ
れ一方の誘電体柱12a,12b,12cを略連続する
関係で配置するとともに、これらに隣接する他方の誘電
体柱11a,11b,11cの軸を誘電体柱12a,1
2b,12cの軸に対して異なった平面で交差させてい
る。
【0038】図19は図18に示したキャビティ15a
と15bの対向する面に形成した磁界結合用窓の構成を
示す図であり、(A)はキャビティ15aの側面、
(B)はキャビティ15bの側面をそれぞれ示す。キャ
ビティ15aの側面には図における鉛直方向にスリット
状の導体非形成部からなる磁界結合用窓30aを設け、
キャビティ15bの側面には磁界結合用窓30aに対向
する位置に導体非形成部31bを設けている。このよう
に構成したことにより、誘電体柱11aと11b間が磁
界結合用窓30aを介して選択的に磁界結合する。
【0039】図20は図18に示したキャビティ15b
と15cの対向する面に形成した磁界結合用窓の構成を
示す平面図であり、(A)はキャビティ15bの側面、
(B)はキャビティ15cの側面をそれぞれ示す。キャ
ビティ15bの側面には図における水平方向にスリット
状の導体非形成部からなる磁界結合用窓30bを設け、
キャビティ15cの側面には磁界結合用窓30bに対向
する位置に導体非形成部31cを設けている。このよう
に構成したことにより、誘電体柱12bと12c間が磁
界結合用窓30bを介して選択的に磁界結合する。
【0040】このようにして、磁界結合用窓30bを大
きくとることにより誘電体柱12b,12c間の結合を
強め、磁界結合用窓30aを大きくとるとともに誘電体
柱11a,11b間の間隔を狭くすることにより、誘電
体柱11a,11b間の結合を強める。
【0041】
【発明の効果】この発明の請求項1,2,3および4に
係るTM多重モード誘電体共振器装置によれば、全ての
誘電体柱の対して周波数調整用孔を同一方向に設けるこ
とができるため、周波数調整が容易になり、また、キャ
ビティに設けた周波数調整用部材を挿抜するための孔は
実電流を妨げないため、共振器のQが低下することもな
い。
【0042】この発明の請求項1または請求項2に係る
TM多重モード誘電体共振器装置によれば、各複合誘電
体柱の成す平面が略同一平面となる関係で配置されてい
るため、各複合誘電体柱の成す平面に垂直な方向に周波
数調整用孔を設けることによって、すべての共振器に対
して同一方向から周波数調整を行うことができ、しかも
複合誘電体柱を構成する誘電体柱のうち所定の誘電体柱
同士を選択的に磁界結合させることができるため、複数
のTM多重モード誘電体共振器を配置することによっ
て、複数段の共振器からなる誘電体共振器装置を容易に
構成することができる。
【0043】請求項3または4に係るTM多重モード誘
電体共振器装置によれば、隣接する誘電体共振器間に磁
界結合用窓の形成領域を広くとることができ、また、2
つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに平行な誘電体柱
に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘電体柱同士が
傾斜しているため、その2つの誘電体柱同士をも比較的
強く結合させることができ、例えば広帯域なフィルタを
容易に構成することができる。また、透過させる磁界の
方向に高い選択性を持たせることができ、非結合とすべ
き誘電体柱同士のもれ結合を充分に抑えて、その誘電体
柱による共振器のQの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1に係るTM多重モード誘電
体共振器装置の構成例を示す図である。
【図2】図1における誘電体柱同士の結合を示す図であ
る。
【図3】この発明の請求項2に係るTM多重モード誘電
体共振器装置の構成例を示す図である。
【図4】図3における誘電体柱同士の結合を示す図であ
る。
【図5】この発明の請求項3に係るTM多重モード誘電
体共振器装置の主要部の構成例を示す図である。
【図6】この発明の請求項4に係るTM多重モード誘電
体共振器装置の主要部の構成例を示す図である。
【図7】この発明の実施例であるTM多重モード誘電体
共振器装置の1ユニットの構成を示す分解斜視図であ
る。
【図8】図7に示すユニットを3つ配列して構成したT
M多重モード誘電体共振器装置の構成を示す図である。
【図9】図8に示すTM多重モード誘電体共振器装置の
うち複合誘電体柱10a,10bを含む2つのユニット
の構成を示す分解斜視図である。
【図10】図8に示すTM多重モード誘電体共振器装置
のうち複合誘電体柱10b,10cを含む2つのユニッ
トの構成を示す分解斜視図である。
【図11】第2の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図12】図11に示すキャビティ15aと15bの対
向する面に形成した磁界結合用窓の構成を示す図であ
る。
【図13】図11に示すキャビティ15bと15cの対
向する面に形成した磁界結合用窓の構成を示す図であ
る。
【図14】第3の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図15】第4の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図16】第5の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図17】第6の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図18】第7の実施例に係るTM多重モード誘電体共
振器装置の構成を示す図である。
【図19】図18に示すキャビティ15aと15bの対
向する面に形成した磁界結合用窓の構成を示す図であ
る。
【図20】図19に示すキャビティ15bと15cの対
向する面に形成した磁界結合用窓の構成を示す図であ
る。
【図21】従来のTM多重モード誘電体共振器装置の構
成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c−複合誘電体柱 11a,11b,11c,12a,12b,12c−誘
電体柱 13a,13b,14a,14b−周波数調整用孔 15a,15b,15c−キャビティ 16−上板 21,22,24−ブッシング 25−下板 30a,30b−磁界結合用窓 31b,31c−導体非形成部 32−シール材 33a,33c−同軸コネクタ 34a,34c−結合ループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 H01P 1/208 H01P 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの誘電体柱を交差させた形状からな
    る複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内に備え
    たTM多重モード誘電体共振器装置において、 各複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で複
    数の複合誘電体柱を配置するとともに、隣接する2つの
    複合誘電体柱の間に該2つの複合誘電体柱のうち軸方向
    が互いに平行な2つの誘電体柱により生じる磁界の方向
    に沿ってスリット状の導体非形成部を配して成る磁界結
    合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択的に磁
    界結合させたことを特徴とするTM多重モード誘電体共
    振器装置。
  2. 【請求項2】 2つの誘電体柱を交差させた形状からな
    る複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内に備え
    たTM多重モード誘電体共振器装置において、 各複合誘電体柱の成す平面が略同一平面となる関係で複
    数の複合誘電体柱を配置するとともに、隣接する2つの
    複合誘電体柱の間に該2つの複合誘電体柱のうち軸方向
    が略同一方向である2つの誘電体柱により生じる磁界の
    方向に沿ってスリット状の導体非形成部を配して成る磁
    界結合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択的
    に磁界結合させたことを特徴とするTM多重モード誘電
    体共振器装置。
  3. 【請求項3】 2つの誘電体柱を交差させた形状からな
    る複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内に備え
    たTM多重モード誘電体共振器装置において、 隣接する2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平
    行な誘電体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘
    電体柱の軸方向が不平行で且つ各複合誘電体柱の成す面
    が略連続する関係で複数の複合誘電体柱を配置するとと
    もに、この2つの誘電体柱により生じる磁界の方向に沿
    ってスリット状の導体非形成部を配して成る磁界結合用
    窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選択的に磁界結
    合させたことを特徴とするTM多重モード誘電体共振器
    装置。
  4. 【請求項4】 2つの誘電体柱を交差させた形状からな
    る複合誘電体柱を、周囲を外導体で囲んだ空間内に備え
    たTM多重モード誘電体共振器装置において、 隣接する2つの複合誘電体柱のうち軸方向が互いに略平
    行な誘電体柱に対してそれぞれ交差する他方の2つの誘
    電体柱の軸を前記略平行な誘電体柱の軸に対して異なっ
    た平面で交差させ、この2つの誘電体柱により生じる磁
    界の方向に沿ってスリット状の導体非形成部を配して成
    る磁界結合用窓を設けて、前記2つの誘電体柱同士を選
    択的に磁界結合させたことを特徴とするTM多重モード
    誘電体共振器装置。
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