JP2002368508A - 共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよび通信装置 - Google Patents
共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよび通信装置Info
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Abstract
に採りながら、共振器の段数を増やした場合にも、全体
に小型に構成できるようにし、且つ特に半同軸共振器の
モードであるTEMモードと、もう一つの共振モードで
あるTMモードとの結合を容易にとるようにして、所定
の結合度で共振器間を結合させた多重モードの共振器装
置、フィルタ、デュプレクサおよびそれらを用いた通信
装置を構成する。 【解決手段】 キャビティ1,2内に、導電体棒4と共
に誘電体コア3を設け、キャビティと導電体棒4による
準TEMモードの共振周波数と、キャビティと誘電体コ
アによる準TMモードの共振周波数とをほぼ同一にし、
準TEMモードと準TMモードによる2つの結合モード
のうち一方の結合モードの磁界が強く且つ他方の結合モ
ードの磁界が弱い箇所に結合調整用ブロック17を設け
る。
Description
備えた共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよび通信
装置に関するものである。
力を扱う共振器として、空洞共振器や半同軸共振器が用
いられていた。半同軸共振器は同軸型空洞共振器とも呼
ばれ、Qが比較的高く、空洞共振器に比べて小型になる
ので、フィルタなどを構成する際の小型化に有効であっ
た。
電話などの、セルラー方式の移動体通信システムにおい
ては、マイクロセル化に伴って、基地局に設けるフィル
タには益々小型化が要求されるようになっている。
する場合、その段数分の共振器が必要となって、フィル
タ全体のサイズが大きくなるという問題があった。
軸共振器の構造を一部に採りながら、共振器の段数を増
やした場合にも、全体に小型に構成できるようにし、且
つ特に半同軸共振器のモードであるTEMモードと、別
の共振モードであるTMモードとの結合を容易にとるよ
うにして、所定の結合度で共振器間を結合させた多重モ
ードの共振器装置、フィルタ、デュプレクサおよびそれ
らを用いた通信装置を提供することにある。
は、導電性を有するキャビティ内に、少なくとも一端が
前記キャビティ内に導通した導電体棒とともに誘電体コ
アを設け、前記キャビティと前記導電体棒による準TE
Mモードの共振周波数と、前記キャビティと前記誘電体
コアによる準TMモードの共振周波数とを、略同一に
し、前記準TEMモードと前記準TMモードによる2つ
の結合モードのうち、一方の結合モードの磁界が強く、
且つ他方の結合モードの磁界が弱い箇所について導電体
部材を付与または除去することにより構成する。
ードによる2つの結合モードのうち、一方の結合モード
の電界が強く、且つ他方の結合モードの電界が弱い箇所
について誘電体部材もしくは導電体部材を付与または除
去することにより構成する。
TMモードによる2つの結合モードの共振周波数に差を
生じさせて、準TEMモードと準TMモードとを結合さ
せる。
有するキャビティ内に、少なくとも一端が前記キャビテ
ィ内に導通した導電体棒とともに誘電体コアを設け、前
記キャビティと前記導電体棒による準TEMモードの共
振周波数と、前記キャビティと前記誘電体コアによる準
TMモードの共振周波数とを、略同一にし、前記準TE
Mモードと前記準TMモードの電界ベクトルの重なりの
大きな箇所について誘電体部材もしくは導電体部材を付
与または除去することにより構成する。
ードの磁界ベクトルの重なりの大きな箇所について導電
体部材もしくは磁性体部材を付与または除去することに
より構成する。この構造により、準TEMモードと準T
Mモードとを結合させる。
アの略中央に、前記導電体棒が挿通する孔を設け、前記
導電体棒の中心が前記孔の中心からずれるように、当該
導電体棒を配置することによって、前記導電体部材の付
与および除去を行う。また、この発明の共振器は、前記
導電体棒が挿通する孔を、該孔の中心が前記導電体棒の
中心からずれるように前記誘電体コアに設けることによ
って、前記誘電体部材の付与および除去を行う。
電体棒が通る孔の配置によって、前記準TEMモードと
準TMモードとを結合させる。
Mモードを、前記誘電体コアに対して互いに直交方向に
電界が向く2重モードの準TMモード共振器とする。こ
れにより2重の準TMモードと準TEMモードとによる
3重の共振器からなる共振器装置を構成する。
を、前記導電体棒の軸方向から見て、誘電体コアに重な
る位置で、且つキャビティの内面に設ける。これによ
り、結合用の導電体部材の取付構造または配置構造を簡
単にして製造を容易とする。
体部材をキャビティと一体成形により設ける。これによ
りその製造を容易とする。
体部材をキャビティの外部から内部へ挿入量を可変とし
た金属ネジで構成する。これにより、導電体部材による
結合調整を回転操作により容易に行えるようにする。
成からなる共振器装置に、前記共振モードのうち所定の
共振モードに結合して信号の入出力を行う入出力導体を
設けて構成する。
を2組設け、第1のフィルタの入力ポートを送信信号入
力ポートとし、第2のフィルタの出力ポートを受信信号
出力ポートとし、第1と第2のフィルタの共用の入出力
ポートをアンテナポートとして構成する。
はデュプレクサを設けて構成する。
置の構成を、図1〜図6を参照して説明する。図1は2
重モード共振器の構成を示す断面図である。図1におい
て、2はキャビティ本体1の開口部を覆うキャビティ蓋
であり、その中央部に、導体棒4の先端とキャビティ蓋
の内面との間隙を所定長にして共振周波数を調整するた
めの周波数調整用ネジ16を設けている。
ティ本体1の内壁面に接合している。例えば、誘電体コ
ア3の両端面にAg電極をメタライズしておき、誘電体
コア3がキャビティの空間内の中央に位置するように、
キャビティ本体1の内壁面に半田付けすることにより接
続している。キャビティ本体1およびキャビティ蓋2
は、金属材料の鋳造または切削加工により作成するか、
セラミックや樹脂に導体膜を形成することにより構成す
る。
は、結合調整用ブロック17を設けている。この結合調
整用ブロック17はキャビティ本体1に一体成型により
形成してもよいし、直方体形状の金属ブロックをネジ止
め固定してもよい。この結合調整用ブロック17の存在
により、後述するTEMモードとTMモードとの結合量
を調整する。また、誘電体コア3には結合調整用孔hを
形成している。キャビティ外部からこの結合調整用孔h
に対して誘電体棒を挿入し、その挿入量によってTEM
モードとTMモードとの結合量を調整する。
ドの電磁界分布の例を示している。図中、実線の矢印は
電界ベクトル、破線の矢印は磁界ベクトルをそれぞれ示
している。(A)は誘電体コア3とキャビティによるT
Mモードの電磁界分布である。このモードでは、誘電体
コア3の長手方向に電界ベクトルが向き、誘電体コア3
の長手方向に垂直な面に磁界ベクトルがループを描く。
ここでは、誘電体コアが直方体形状であるが、モードの
表記としては円柱座標系を採り、hを伝搬方向、θを伝
搬方向に垂直な面の面内周回方向、rを伝搬方向に垂直
な面の面内の放射(半径)方向にそれぞれとって、それ
ぞれの電界強度分布の波の数を、TMθrhの順に表す
ものとする。したがって、このモードはTM010モー
ドと表される。但し、この例では、通常のTM010モ
ードとは異なり、誘電体コアが円柱ではなく、また誘電
体コア3の中央部に導体棒4が存在するため、このモー
ドはTM010モードに準じた、準TMモードとなる。
以下、このモードを単に「TMモード」という。
る半同軸共振器の上面図、(C)はその正面図である。
このモードは、導体棒からキャビティの内壁面への放射
方向に電界ベクトルが向き、導体棒を中心としてその周
回方向に磁界ベクトルがループを描くTEMモードであ
る。但し、通常の半同軸共振器とは異なり、誘電体コア
3が装荷されているので、また導体棒4の頂部とキャビ
ティの天面との間にギャップが存在するため、TEMモ
ードに準じた、準TEMモードとなる。以下、このモー
ドを単に「TEMモード」という。
ドとTEMモードとによる2つの結合モードの磁界分布
の例を示している。ここで、(A)に示す第1結合モー
ドは、導電体棒4の上部から軸方向に見たときに、TE
Mモードの磁界が反時計方向に回り、且つTMモードの
磁界が誘電体コア3の下部において右方向を向いている
ときの、TEMモードとTMモードとの合成モードであ
る。(B)の第2結合モードは、TEMモードの磁界が
時計方向に回り、且つTMモードの磁界が誘電体コア3
の下部において右方向を向いているときの、TEMモー
ドとTMモードとの合成モードである。
ドの2つの共振モードによる2つの結合モードについ
て、一方の結合モード(第1結合モード)で磁界が弱
く、他方の結合モード(第2結合モード)で磁界が強い
部分に、結合調整用ブロック17を設けている。これに
より、第1結合モードの共振周波数をほとんど上げるこ
となく、第2結合モードの共振周波数を上げて、TEM
モードとTMモードとをより強く結合させる。その結合
量は、2つの結合モードの共振周波数のずれの大きさに
より、すなわち結合調整用ブロック17の大きさにより
定める。
さE6と上記2つの共振モード間の結合係数k12との
関係を示している。このように結合調整用ブロック17
の長さE6を長くする程、上記2つの共振モードの結合
係数を高めることができる。
うに、結合調整用ブロック17の大きさを定めればよ
い。ただし、共振器装置を組み立てた状態で外部から結
合係数を調整するためには、図1に示したように、キャ
ビティ内部への結合調整用部材の挿入量を可変とした金
属ネジ7を設ける。ここで、図1に示した例では、導電
体棒4を挟んで結合調整用ブロック17と対向する位置
に設けているため、金属ネジ7のキャビティ内部への挿
入量を増す程、結合調整用ブロック17を設けた効果を
打ち消す方向に作用する。したがって、結合調整用ブロ
ック17を、あらかじめ大きな結合係数を得るように大
きさを定めておき、金属ネジ7の挿入により、結合係数
を減少方向へ調整すればよい。
7を配置する代わりに、その位置に、キャビティ外部か
らキャビティ内部へ金属ネジを挿入するように構成すれ
ば、金属ネジの挿入量を増す程、結合係数を高めること
ができる。
めの構造の例を示している。ここではキャビティ蓋を被
せる前の上面図として示している。TEMモードの電界
ベクトルETEM は導体棒4から放射方向に向き、TMモ
ードの電界ベクトルETMは誘電体コア3の長手方向を向
くため、誘電体コア3の長手方向の一方の端部から中央
部(導体棒4部分)までの電界強度と、他方の端部から
中央部までの電界強度とのバランスを崩すことによって
両モードを結合させる。すなわち、図中のhは結合調整
用孔であり、この結合調整用孔hを設けることにより、
その付近の電界強度の対称性が失われ、これによりTE
MモードとTMモードとが結合する。そして結合調整用
孔hの大きさ(内径または深さ)によって、またはこの
結合調整用孔hに対する誘電体棒の挿入量によって結合
量を定める。
器を備えた共振器装置について、図6〜図9を参照して
説明する。図6は、TM2重モードとTEMモードとを
合わせて、3重モードの共振モードを利用した共振器装
置の斜視図である。図6において、1はキャビティ本体
であるが、この図6においては、その内面の輪郭を2点
鎖点で示している。誘電体コア3は、2つの角柱状の誘
電体コアを直交させて全体に十字形状にしたものであ
り、中央に導電体棒4が通る円筒形状の孔を形成してい
る。
た1重モードのTMモードとTEMモードとの結合の場
合と同様に、TMxモードとTEMモードとの2つの結
合モードについて、一方の結合モードで磁界が弱く、他
方の結合モードで磁界が強い部分に、結合調整用ブロッ
ク17を設けている。これにより、2つの結合モードの
共振周波数に差を生じさせて、TEMモードとTMモー
ドとを結合させている。
Mモードの電界ベクトルとの重なりの大きな箇所(導電
体棒4を挟んで対称位置に生じる2箇所)のうち一方に
結合調整用孔h2を設けているので、このh2によって
も、TMxモードとTEMモードとを結合させている。
モード(偶モードと奇モード)については、この2つの
共振周波数に差を生じさせるように、結合調整用溝h3
を設けている。このh3によって、TMxモードとTM
yモードとを結合させている。
合し、結合ループ10aはTEMモードに磁界結合す
る。したがって、10a→TEMモード→TMxモード
→TMyモード→10bの順に、3つの共振モードが結
合する。これにより3段の共振器からなる共振器装置と
して作用する。
した場合と同様に、結合調整用ブロック17および結合
調整用孔h1によって、TMxモードとTEMモードと
が結合している。また、TMyモードとTEMモードの
電界ベクトルの重なりの大きな2箇所(導電体棒4を挟
む対向位置にある2箇所)のうち、一方に結合調整用孔
h1を形成している。これにより、TMyモードとTE
Mモードとを結合させている。
合し、結合ループ10bはTMyモードの磁界と結合す
る。したがって、10a→TMyモード→TEMモード
→TMxモード→10bの順に、3つの共振器が結合す
る。これにより3段の共振器からなる共振器装置として
作用する。
磁界分布および両モードの結合モードの磁界分布につい
てシミュレーションした結果を示している。このときの
各モードの結合順序は、図6(B)に示したように、T
Mx−TEM−TMyの順である。
(B)に示すような孔hlを設けるのではなく、誘電体
コア幅Wy2を一部細くして、電界のバランスを崩すこ
とによって結合をとっている。図7は、TEMモードと
結合したTMxモード、図8は、TMyモードとTEM
モードとの第1の結合モード、図9は、TMyモードと
TEMモードとの第2の結合モードを示している。
x軸を前後方向、z軸を上下方向にとっている。また、
(B)はx軸を左右方向、y軸を前後方向、z軸を上下
方向にとっている。図8および図9において、(A)は
y軸を左右方向、z軸を前後方向、x軸を上下方向にと
っている。また、(B)はx軸を左右方向、y軸を前後
方向、z軸を上下方向にとっている。
(B)を対比すれば明らかなように、結合調整ブロック
17の位置で、TMyモードとTEMモードとの第1・
第2の結合モードは、それぞれ磁界が弱く、且つそれら
の磁界に対して平行に結合調整ブロックが存在する。一
方、TEMモードと結合したTMxモードは、結合調整
ブロックの位置で磁界が強く、且つそれに対して垂直に
存在する。このため、結合ブロック17は、「図7のT
EMモードと結合したTMxモード」のみに影響を与
え、他の二つのモードには殆ど影響を与えない。このこ
とにより、この共振器を用いたフィルタの、或る特定の
結合モードの調整を独立して容易に行うことができる。
の構成を、図10を参照して説明する。図10におい
て、RWa,RWbは、それぞれTMモードとTEMモ
ードの2重モード共振器である。これらの共振器装置の
基本構成は図1および図2に示したものと同様である。
8a,8bはそれぞれ同軸コネクタであり、それらの中
心導体に結合ループ9a,9bを接続している。結合ル
ープ10abは、2重モード共振器RWaとRWbのそ
れぞれのTEMモードの磁界に結合する。したがって、
この結合ループ10abを介して2つのTEMモード同
士が結合する。結合調整用ブロック17a,17bは2
重モード共振器RWa,RWbのTMモードとTEMモ
ードとをそれぞれ結合させる。また、結合調整用孔h
a,hbは、2重モード共振器RWa,RWbのTMモ
ードとTEMモードとの結合調整用の孔であり、キャビ
ティ外部からこの孔内に誘電体棒を挿入することによ
り、その挿入量に応じて両モードの結合係数を調整自在
としている。このようにして4段の共振器からなる帯域
通過型フィルタとして作用する。
の構成を図11を参照して説明する。図11において、
キャビティ本体1および誘電体コア3部分の構成は図6
の(B)に示したものと同様であり、これを2組設けて
いる。図11において10txは、送信信号入力部とし
ての結合ループであり、同軸コネクタ8txの中心導体
とキャビティ蓋(図11には表れていない。)との間に
接続している。また、10rxは受信信号出力部として
の結合ループであり、同軸コネクタ8rxの中心導体と
キャビティ蓋との間に接続している。10antはアン
テナ接続部としての結合ループであり、その両端をキャ
ビティ蓋に接続し、所定位置に同軸コネクタ8antの
中心導体を接続している。
る左半部は、10tx→TMx→TEM→TMy→10
antの順に3段の共振器が結合してなる、帯域通過特
性を示す送信フィルタとして作用する。
My→TEM→TMx→10rxの順に3段の共振器が
結合してなる、帯域通過特性を示す受信フィルタとして
作用する。
振器の構成を図12〜図14を参照して説明する。図1
2の(A)はキャビティ蓋を取り除いた状態での上面
図、(B)は導電体棒の中心軸を通る面での縦断面図で
ある。図1に示した装置と異なり、この例では誘電体コ
ア3に結合調整用孔hを設けることなく、またキャビテ
ィ内に結合調整用ブロック17を設けることなく、TE
MモードとTMモードとを結合させている。
する孔5を、誘電体コア3の中央(キャビティ1の中
央)に設け、導電体棒4を、その中心が孔5の中心から
ずれるように配置している。その他の構成は図1に示し
たものと同様である。破線は導電体棒4が孔5と同心位
置にある状態を示している。このことは、孔の中心に配
置した導電体棒のaで示す部分を除去し、bで示す部分
へ付与したことと等価である。
いる。(A)は、導電体棒4とキャビティ1とによるT
EMモードの電界分布、および誘電体コア3とキャビテ
ィ1とによるTMモードの電界分布について示してい
る。(B)はTEMモードとTMモードの和のモードで
ある第1の結合モードの電界分布、(C)はTEMモー
ドとTMモードの差のモードである第2の結合モードの
電界分布をそれぞれ示している。
る孔5の中心とが相対的にずれているため、2つの結合
モードの電界分布に対する、誘電体コアに設けた孔5の
摂動量に差が生じる。その結果、結合モードの周波数に
差が生じ、TMモードとTEMモードとの結合が生じ
る。図13に示した例では、導電体棒4が孔5の中心に
ある場合に比べて、第1の結合モードの周波数が低くな
り、第2の結合モードの周波数が高くなる。
に対する導電体棒4の中心のずれ量と上記結合係数との
関係を示している。誘電体コアに設けた孔5の中心と導
電体棒4の中心とが等しければ、すなわちずれ量が0で
あれば、TMモードとTEMモードとの結合係数は0で
ある。導電体棒のずれ量が増せば、それに伴って結合係
数は大きくなる。したがって、誘電体コアに対する、ま
たはキャビティ内における導電体棒の位置を定めること
によって、TMモードとTEMモード間の結合係数を定
めることができる。
振器の構成を図15〜図17を参照して説明する。図1
5の(A)はキャビティ蓋を取り除いた状態での上面
図、(B)は導電体棒の中心軸を通る面での縦断面図で
ある。この例でも、図1に示した装置と異なり、誘電体
コア3に結合調整用孔hを設けることなく、またキャビ
ティ内に結合調整用ブロック17を設けることなく、T
EMモードとTMモードとを結合させている。
ビティ1の中央に設け、孔5を、その中心が導電体棒4
の中心からずれるように形成している。その他の構成は
図1に示したものと同様である。破線は孔5が導電体棒
4と同心位置にある状態を示している。この構造は、中
央に配置した孔のbで示す部分を除去し、aで示す部分
へ付与したことと等価である。
いる。(A)は、TEMモードとTMモードの電界分布
について示している。(B)はTEMモードとTMモー
ドの和のモードである第1の結合モードの電界分布、
(C)はTEMモードとTMモードの差のモードである
第2の結合モードの電界分布をそれぞれ示している。
る孔5の中心とが相対的にずれているため、2つの結合
モードの電界分布に対する、誘電体コアに設けた孔5の
摂動量に差が生じる。その結果、結合モードの周波数に
差が生じ、TMモードとTEMモードとの結合が生じ
る。図16に示した例では、孔5が導電体棒4と同心に
ある場合に比べて、第1の結合モードの周波数が高くな
り、第2の結合モードの周波数が低くなる。
の中心のずれ量と上記結合係数との関係を示している。
誘電体コアに設けた孔5の中心と導電体棒4の中心とが
等しければ、すなわちずれ量が0であれば、TMモード
とTEMモードとの結合係数は0である。孔5のずれ量
が増せば、それに伴って結合係数は大きくなる。したが
って、導電体棒4に対する孔5の位置を定めることによ
って、TMモードとTEMモード間の結合係数を定める
ことができる。
構成を図18および図19を参照して説明する。この共
振器装置は、x軸方向に延びる部分とy軸方向に延びる
部分を有する十字型の誘電体コア3を設け、その中央部
に導電体棒4が挿通する孔5を設けている。これにより
TMxモード,TMyモードおよびTEMモードの3つ
のモードを利用可能としている。
分布の例を示している。誘電体コア3の中央に孔5を設
け、且つ導電体棒4を孔5と同心とすれば、これらの3
つのモードの電界分布は対称となるので、互いに結合し
ない。しかし、図18に示したように、導電体棒4をx
軸方向に中心から所定量だけずらすことによって、上述
した2重モードの共振器装置の場合と同様に、TMxモ
ード−TEMモード間の結合が生じ、また、導電体棒4
のy軸方向のずれによって、TMy−TEMモード間の
結合が生じる。
x軸方向とy軸方向の両方へずれることによって、TM
xモードとTMyモードとの2つの結合モードの持つ電
界分布に対して摂動が加わるため、TMxモードとTM
yモード間の結合が生じる、もしこの2つのTMモード
間の結合が不要であれば、その結合をキャンセルするた
めに、aで示す部分の誘電体を所定量だけ切削すればよ
い。
構成を図20を参照して説明する。
央に孔5を形成したが、この例では、誘電体コア3の中
央(キャビティ1の中央)に導電体棒4を配置し、孔5
の中心が導電体棒4の中心からずれるように孔5を形成
している。この場合にも、孔5のx軸方向のずれによっ
てTMx−TEMモード間の結合量が定められ、孔5の
y軸方向のずれによってTMy−TEMモード間の結合
量が定められる。なお、この場合にも、コア3に対する
孔5のx軸方向とy軸方向のずれによって、TMx−T
Myモード間の結合が生じるが、TMx−TMyモード
間の2つの結合モードの持つ電界分布の平衡をとるよう
に、例えばaで示す部分の誘電体を所定量切削すること
によって、TMx−TMyモード間の結合を回避するこ
とができる。
電体コアに設けた孔と導電体棒との相対位置関係によっ
てTEMモードとTMモードとを結合させるようにした
が、先の各実施形態で示した、所定モード間を結合させ
るための構造と組み合わせてもよい。
サ)を用いた第9の実施形態に係る通信装置の構成を示
すブロック図である。このように、送信フィルタの入力
ポートに送信回路、受信フィルタの出力ポートに受信回
路をそれぞれ接続し、デュプレクサの入出力ポートにア
ンテナを接続することによって、通信装置の高周波部を
構成する。
クサ、合成器、分配器等の回路素子を上記誘電体共振器
装置で構成して、これらの回路素子を用いて通信装置を
構成することにより、小型の通信装置が得られる。
ビティ内に、少なくとも一端が前記キャビティ内に導通
した導電体棒とともに誘電体コアを設け、前記キャビテ
ィと前記導電体棒による準TEMモードの共振周波数
と、前記キャビティと前記誘電体コアによる準TMモー
ドの共振周波数とを略同一にし、前記準TEMモードと
前記準TMモードによる2つの結合モードのうち、一方
の結合モードの磁界が強く、且つ他方の結合モードの磁
界が弱い箇所について導電体部材を付与または除去する
ことにより、また、前記準TEMモードと前記準TMモ
ードによる2つの結合モードのうち、一方の結合モード
の電界が強く、且つ他方の結合モードの電界が弱い箇所
について誘電体部材もしくは導電体部材を付与または除
去することにより、全体の構成が複雑にならずに、準T
EMモードと準TMモードとを所定の強度で結合させる
ことができる。
キャビティ内に、少なくとも一端が前記キャビティ内に
導通した導電体棒とともに誘電体コアを設け、前記キャ
ビティと前記導電体棒による準TEMモードの共振周波
数と、前記キャビティと前記誘電体コアによる準TMモ
ードの共振周波数とを、略同一にし、前記準TEMモー
ドと前記準TMモードの電界ベクトルの重なりの大きな
箇所について誘電体部材もしくは導電体部材を付与また
は除去することにより、また、前記準TEMモードと前
記準TMモードの磁界ベクトルの重なりの大きな箇所に
ついて導電体部材もしくは磁性体部材を付与または除去
することにより、全体の構成が複雑にならずに、準TE
Mモードと準TMモードとを所定の強度で結合させるこ
とができる。
の略中央に、前記導電体棒が挿通する孔を設け、導電体
棒の中心が孔の中心からずれるように、当該導電体棒を
配置したことによって、または、前記導電体棒が挿通す
る孔を、該孔の中心が前記導電体棒の中心からずれるよ
うに、前記誘電体コアに設けることによって、結合のた
めの特別な部材を設けたり、実質的な削除を行うことな
く、導電体棒の配置または導電体棒が通る孔の配置のみ
によっても、準TEMモードと準TMモードとを容易に
結合させることができる。
を、誘電体コアに対して互いに直交方向に電界が向く2
重モードの準TMモード共振器とすることにより、2重
の準TMモードと準TEMモードとによる3重の共振器
を備えることになり、全体により小型な共振器装置が構
成できる。
記導電体棒の軸方向から見て、誘電体コアに重なる位置
で、且つキャビティの内面に設けることにより、結合用
導電体部材の取付構造または配置構造が簡単となり、製
造が容易となる。
をキャビティと一体成形により設けることにより、その
製造が容易となる。
をキャビティの外部から内部へ挿入量を可変とした金属
ネジで構成することにより、導電体部材による結合調整
を回転操作により容易に行えるようになる。
ィルタを容易に構成することができる。
するデュプレクサを容易に構成することができる。
する通信装置を容易に構成することができる。
断面図
振モードの電磁界分布の例を示す図
の磁界分布を示す図
Mモード間の結合係数間の関係を示す図
結合について示す図
を示す図
分布を示す図
磁界分布を示す図
磁界分布を示す図
示す図
示す図
す図
布の例を示す図
合係数との関係を示す図
す図
布の例を示す図
との関係を示す図
す図
界分布の例を示す図
す図
ブロック図
Claims (13)
- 【請求項1】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電体棒ととも
に誘電体コアを設け、前記キャビティと前記導電体棒に
よる準TEMモードの共振周波数と、前記キャビティと
前記誘電体コアによる準TMモードの共振周波数とを、
略同一にし、前記準TEMモードと前記準TMモードに
よる2つの結合モードのうち、一方の結合モードの磁界
が強く、且つ他方の結合モードの磁界が弱い箇所に導電
体部材を付与、またはその箇所から導電体部材を除去し
た共振器装置。 - 【請求項2】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電体棒ととも
に誘電体コアを設け、前記キャビティと前記導電体棒に
よる準TEMモードの共振周波数と、前記キャビティと
前記誘電体コアによる準TMモードの共振周波数とを、
略同一にし、前記準TEMモードと前記準TMモードに
よる2つの結合モードのうち、一方の結合モードの電界
が強く、且つ他方の結合モードの電界が弱い箇所に誘電
体部材もしくは導電体部材を付与、またはその箇所から
誘電体部材もしくは導電体部材を除去した共振器装置。 - 【請求項3】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電体棒ととも
に誘電体コアを設け、前記キャビティと前記導電体棒に
よる準TEMモードの共振周波数と、前記キャビティと
前記誘電体コアによる準TMモードの共振周波数とを、
略同一にし、前記準TEMモードと前記準TMモードの
電界ベクトルの重なりの大きな箇所に誘電体部材もしく
は導電体部材を付与、またはその箇所から誘電体部材も
しくは導電体部材を除去した共振器装置。 - 【請求項4】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電体棒ととも
に誘電体コアを設け、前記キャビティと前記導電体棒に
よる準TEMモードの共振周波数と、前記キャビティと
前記誘電体コアによる準TMモードの共振周波数とを、
略同一にし、前記準TEMモードと前記準TMモードの
磁界ベクトルの重なりの大きな箇所に導電体部材もしく
は磁性体部材を付与、またはその箇所から導電体部材も
しくは磁性体部材を除去した共振器装置。 - 【請求項5】 前記誘電体コアの略中央に、前記導電体
棒が挿通する孔を設け、前記導電体棒の中心を前記孔の
中心からずれるように、当該導電体棒を配置することに
よって、前記導電体部材の付与および除去を行った、請
求項2または3に記載の共振器装置。 - 【請求項6】 前記導電体棒が挿通する孔を、該孔の中
心が前記導電体棒の中心からずれるように前記誘電体コ
アに設けることによって、前記誘電体部材の付与および
除去を行った請求項2または3に記載の共振器装置。 - 【請求項7】 前記準TMモードを、前記誘電体コアに
対して互いに直交方向に電界が向く2重モードの準TM
モードとした請求項1〜6のうちいずれかに記載の共振
器装置。 - 【請求項8】 前記導電体部材を、前記導電体棒の軸方
向から見て、前記誘電体コアに重なる前記キャビティの
内面の部分に設けた導電性の突出部とした請求項1〜7
のうちいずれかに記載の共振器装置。 - 【請求項9】 前記導電体部材を前記キャビティと一体
成型により設けた請求項1〜8のうちいずれかに記載の
共振器装置。 - 【請求項10】 前記導電体部材を前記キャビティの外
部から内部へ挿入量を可変とした金属ネジで構成した請
求項1〜8のうちいずれかに記載の共振器装置。 - 【請求項11】 請求項1〜10のうちいずれかに記載
の共振器装置に、前記共振モードのうち所定の共振モー
ドに結合して信号の入出力を行う入出力導体を設けて成
るフィルタ。 - 【請求項12】 請求項11に記載のフィルタを2組設
け、第1のフィルタの入力ポートを送信信号入力ポート
とし、第2のフィルタの出力ポートを受信信号出力ポー
トとし、第1と第2のフィルタの共用の入出力ポートを
アンテナポートとしてなるデュプレクサ。 - 【請求項13】 請求項11に記載のフィルタまたは請
求項12に記載のデュプレクサを設けて成る通信装置。
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