JP3506104B2 - 共振器装置、フィルタ、複合フィルタ装置、デュプレクサおよび通信装置 - Google Patents
共振器装置、フィルタ、複合フィルタ装置、デュプレクサおよび通信装置Info
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Description
ドを多重化した共振器装置、その製造方法、フィルタ、
複合フィルタ装置、デュプレクサおよびそれらを備えた
通信装置に関するものである。
力を扱う共振器として、空洞共振器や半同軸共振器が用
いられていた。半同軸共振器は同軸型空洞共振器とも呼
ばれ、Qが比較的高く、空洞共振器に比べて小型になる
ので、フィルタなどを構成する際の小型化に有効であっ
た。
電話などの、セルラー方式の移動体通信システムにおい
ては、マイクロセル化に伴って、基地局に設けるフィル
タには益々小型化が要求されるようになっている。
する場合、その段数分の共振器が必要となって、フィル
タ全体のサイズが大きくなるという問題があった。
軸共振器の構造を一部に採りながら、共振器の段数を増
やした場合にも、全体に小型に構成できるようにした共
振器装置、フィルタ、複合フィルタ装置、デュプレクサ
およびそれらを用いた通信装置を提供することにある。
は、導電性を有するキャビティ内に、少なくとも一端が
前記キャビティ内に導通した導電性を有する棒とともに
誘電体コアを設け、前記キャビティと前記棒による共振
モードの共振周波数と、前記キャビティと前記誘電体コ
アによる共振モードの共振周波数とを、略同一にし、前
記誘電体コアに孔を形成し、該孔に前記棒を挿通させ、
前記キャビティと前記棒による共振モードを準TEMモ
ードとし、前記キャビティと前記誘電体コアによる共振
モードを準TMモードとし、前記誘電体コアの長手方向
の一方の端部から中央部までの電界強度と、他方の端部
から中央部までの電界強度とのバランスを崩すことによ
って両モードを結合させ、この2つの共振モードを2重
化したことを特徴としている。また、この発明の共振器
装置は、導電性を有するキャビティ内に、少なくとも一
端が前記キャビティ内に導通した導電性を有する棒とと
もに誘電体コアを設け、前記キャビティと前記棒による
共振モードの共振周波数と、前記キャビティと前記誘電
体コアによる共振モードの共振周波数とを、略同一に
し、前記誘電体コアに孔を形成し、該孔に前記棒を挿通
させ、前記キャビティと前記棒による共振モードを準T
EMモードとし、前記キャビティと前記誘電体コアによ
る共振モードを準TEモードとし、前記誘電体コアの長
手方向の一方の端部から中央部までの電界強度と、他方
の端部から中央部までの電界強度とのバランスを崩すこ
とによって両モードを結合させ、この2つの共振モード
を2重化したことを特徴としている。また、この発明の
誘電体共振器装置は、導電性を有するキャビティ内に、
少なくとも一端が前記キャビティ内に導通した導電性を
有する棒とともに誘電体コアを設け、前記キャビティと
前記棒による共振モードの共振周波数と、前記キャビテ
ィと前記誘電体コアによる共振モードの共振周波数と
を、略同一にし、前記誘電体コアに孔を形成し、該孔に
前記棒を挿通させ、前記キャビティと前記棒による共振
モードを準TEMモードとし、前記キャビティと前記誘
電体コアによる共振モードを2重の準TMモードとし、
前記誘電体コアの長手方向の一方の端部から中央部まで
の電界強度と、他方の端部から中央部までの電界強度と
のバランスを崩すことによって両モードを結合させ、全
体に3重化したことを特徴としている。
振器を多重化することができ、所定の段数を要する共振
器装置を構成する際に全体の小型化が図れる。
の孔に上記導体棒を挿通させた構造により、誘電体コア
をキャビティ内の例えば中央部などの任意の位置に配置
することができる。
体コアをキャビティの内面に接合する。この構造によ
り、キャビティと誘電体コアによる共振モードの共振周
波数を決定する容量成分を大きくすることができる。
体コアを支持台を介してキャビティ内に支持すると共
に、誘電体コアをキャビティの内面から離間する。この
構造により、キャビティと誘電体コアによる共振モード
の共振周波数を決定する容量成分を小さくすることがで
きる。
ィと誘電体コアによる共振モードを2重のTMモードと
して、半同軸共振器のモードと合わせて3重化する。
ビティと誘電体コアによる共振モードの、温度変化に対
する共振周波数の変化が略一定となるように、誘電体コ
アの材料を選定するステップと、キャビティと上記棒と
による共振モードの温度変化に対する共振周波数の変化
が略一定となるように、棒の材料を選定するステップと
を含む。
装置に、上記各共振モードの内、所定の共振モードに結
合して信号の入出力を行う入出力導体を設ける。
ルタを複数組設けて構成する。
タを2組設けて、第1のフィルタの入力ポートを送信信
号入力ポートとし、第2のフィルタの出力ポートを受信
信号出力ポートとし、第1・第2のフィルタの共用の入
出力ポートをアンテナポートとする。
タ、複合フィルタ装置またはデュプレクサを用いて構成
する。
の構成を図1〜図4を参照して説明する。図1は共振器
装置の分解斜視図である。図中1は、略直方体形状の、
上面が開口し、下面が閉塞したキャビティ本体、2はキ
ャビティ本体1の開口面を覆うキャビティ蓋である。キ
ャビティ本体1の内底面の中央には、それぞれのキャビ
ティの内壁面に平行な方向に導体棒4を突出させてい
る。また図中の3は誘電体コアであり、略直方体形状を
成し、導体棒4を挿通させる孔を有している。
ける前の上面図、(B)はキャビティ蓋を取り付けた状
態での中央縦断面図である。導体棒4はキャビティ本体
1と一体に成形していて、その頂部とキャビティ蓋2の
内面との間に所定の間隙が生じる長さとしている。誘電
体コア3の長手方向の両端面はキャビティ本体1の内壁
面に接合している。例えば、誘電体コア3の両端面にA
g電極をメタライズしておき、誘電体コア3がキャビテ
ィの空間内の中央に位置するように、キャビティ本体1
の内壁面に半田付けにより接合している。キャビティ本
体1およびキャビティ蓋2は金属材料の鋳造または切削
加工により構成するか、セラミックや樹脂に導体膜を形
成することにより構成する。
体として、これをキャビティ本体1にネジ留めまたは半
田付け等で固定してもよい。また、導体棒4は別体とし
て、あるいは一体でキャビティ蓋に付けるようにしても
よい。また、この導体棒もキャビティ本体やキャビティ
蓋と同様に、金属材料の鋳造または切削加工により構成
するか、セラミックや樹脂の表面に導体膜を形成するこ
とによって構成してもよい。
界分布の例を示している。図中、実線の矢印は電界ベク
トル、破線の矢印は磁界ベクトルをそれぞれ示してい
る。(A)は誘電体コア3とキャビティによるTMモー
ドの電磁界分布である。このモードでは、誘電体コア3
の長手方向に電界ベクトルが向き、誘電体コア3の長手
方向に垂直な面に磁界ベクトルがループを描く。ここで
は、誘電体コアが直方体形状であるが、モードの表記と
しては円柱座標系を採り、hを伝搬方向、θを伝搬方向
に垂直な面の面内周回方向、rを伝搬方向に垂直な面の
面内の放射(半径)方向にそれぞれとって、それぞれの
電界強度分布の波の数を、TMθrhの順に表すものと
する。したがって、このモードはTM010モードと表
される。但し、この例では、通常のTM010モードと
は異なり、誘電体コアが円柱ではなく、また誘電体コア
3の中央部に導体棒4が存在するため、TM010モー
ドに準じたものとなる。以下「準TMモード」と呼ぶ。
半同軸共振器のモードの上面図、(C)はその正面図で
ある。このモードは、導体棒からキャビティの内壁面へ
の放射方向に電界ベクトルが向き、導体棒を中心として
その周回方向に磁界ベクトルがループを描く。通常の半
同軸共振器とは異なり、誘電体コア3が装荷されている
ので、また導体棒4の頂部とキャビティの天面との間に
ギャップが存在するため、ここでは準TEMモードとい
う。
め、誘電体コア3の比誘電率を37とすれば、準TMモ
ードの共振周波数は1910MHz、準TEMモードの
共振周波数は2155MHzとなって、2GHz帯の共
振器として用いることができる。
=5mm、e=12mm、g=13.5mm、h=6mm、i=
15mm、j=7mm、m=42mm、n=39.5mm図3に
示した準TMモードと準TEMモードとは、誘電体コア
の長手方向を向く電界強度が平衡しているため、両モー
ドは結合しないが、この2つのモードの電界強度のバラ
ンスを崩すことによって、両モードを結合させることが
できる。
の構造の例を示している。ここではキャビティ蓋を被せ
る前の上面図として示している。準TEMモードの電界
ベクトルETEM は導体棒4から放射方向に向き、準TM
モードの電界ベクトルETMは誘電体コア3の長手方向を
向くため、誘電体コア3の長手方向の一方の端部から中
央部(導体棒4部分)までの電界強度と、他方の端部か
ら中央部までの電界強度とのバランスを崩すことによっ
て両モードを結合させる。すなわち、図中のhは結合調
整用孔であり、この結合調整用孔hを設けることによ
り、その付近の電界強度の対称性が失われ、これにより
準TEMモードと準TMモードとが結合する。そして結
合調整用孔hの大きさ(内径または深さ)によって結合
量を定める。
の中央部の孔と導体棒4との間に間隙を設けたことによ
り、導体棒に電流が流れることによる導体損が抑えら
れ、共振器のQを高めることができる。但し、上記間隙
は必須ではなく、場合によっては、誘電体コアの孔を導
体棒に接合させてもよい。
構成を示す図である。(A)はキャビティ蓋を取り付け
る前の状態での上面図、(B)は縦断面図である。第1
の実施形態とは異なり、この第2の実施形態では、誘電
体コア3の端面をキャビティの内壁面から離間させてい
る。図5において5は誘電体コア3の支持台であり、こ
の支持台5は低誘電率のセラミック材料を円筒形状にし
たものであり、誘電体コア3に接合している。この支持
台5を取り付けた誘電体コア3を導体棒4に挿通させる
ことによって、誘電体コア3をキャビティ内の略中央部
に固定する。
面とキャビティ内壁面との間に間隙を設けた場合、上記
伝搬方向hにも電界強度の変化が現れるので、この共振
モードをTM01δモードと表すことができる。ここで
“δ”は1未満の数字であること、すなわち伝搬方向に
波が完全には乗っていないが、強度の変化があることを
表すものである。
端面とキャビティ内壁面との間隙部分に静電容量が生
じ、誘電体コアの長手方向の端面が対向する2つのキャ
ビティ内壁面間の静電容量が小さくなる。そのため、準
TMモードの必要な共振周波数を得るためのキャビティ
の寸法(上記対向するキャビティ内壁面間の距離)が大
きくなるが、キャビティに流れる電流密度が低くなるの
で、共振器のQを高めることができる。
2つの構成例であり、キャビティ蓋を取り付ける前の上
面図として表している。何れも、誘電体コア3の長手方
向の一方の端面をキャビティ本体1の内壁面に接合して
いて、他方の端面をキャビティの内壁面から離間させて
いる。このような構造によれば、誘電体コアの長手方向
の両端をキャビティの内壁面に接合したものと、両端を
キャビティ内壁面から離間したものとの中間的な特徴を
備えることになり、全体に比較的小型でQの高い共振器
装置が得られる。
ビティの中心軸に配置しているが、(B)のように、導
体棒4が誘電体コア3の中央部を挿通するようにして、
導体棒4をキャビティの中心軸からずれた位置に設けて
もよい。本願発明においては、キャビティと導体棒とは
同軸である必要はなく、異軸であっても、いわゆる半同
軸共振器として作用する。
縦断面図である。第1〜第3の実施形態では、誘電体コ
ア3に孔を設けて導体棒4を挿通させるようにしたが、
この図7に示すように、誘電体コア3を導体棒4の頂部
と、それに対向するキャビティの内面(この例ではキャ
ビティ蓋2の下面)との間に配置してもよい。この構造
によれば、誘電体コア3の成型が容易となる。また図7
に示した例のように、導体棒4の頂部に誘電体コア3を
接合すれば、支持台を設けることなく誘電体コア3をキ
ャビティ内に固定することができる。
誘電体コアの構造を示す斜視図である。準TMモードの
共振器をキャビティと共に構成する誘電体コアの形状
は、直方体形状に限らず、この図8に示すように、六面
体以外の多面体形状であってもよい。また円柱形状であ
ってもよい。
長手方向の中心部の面積を広くすることによって、中心
に通る導体棒の影響によるTMモードのQの劣化を抑
え、Q値を高めることができる。
の、それぞれ異なったキャビティの断面形状の例を示し
ている。キャビティの軸方向に垂直な面での断面形状は
正方形に限らず、(A)のような多角形であってもよ
く、(B)のような円形であってもよい。また(C)の
ように、キャビティの内壁面は曲面と平面を組み合わせ
たものであってもよい。更に、導体棒4の形状も円柱形
に限らず、(B)のように角柱形状であってもよい。そ
れにあわせて誘電体コア3の孔も角穴とすれば、キャビ
ティ内における誘電体コア3の軸方向を、誘電体コア3
と導体棒4との係合によって位置決めすることができ
る。
構成を図10を参照して説明する。図10の(A)は上
記キャビティ蓋を取り付ける前の上面図、(B)はキャ
ビティ蓋を取り付けた状態での中央縦断面図である。こ
の例では、導体棒4の頂部をキャビティ蓋2の内面に導
通させている。したがって、この導体棒4とキャビティ
本体1およびキャビティ蓋2から成るキャビティとによ
って同軸共振器を構成する。この同軸共振器は、半波長
同軸共振器として作用する。
め、誘電体コア3の比誘電率を40とすれば、TM01
0モードの共振周波数は1349MHz、TEMモード
の共振周波数は1585MHzとなる。
=11mm、h=15mm、i=15mm、m=49mm、n=
47.5mm、p=7.5mm 次に、第8の実施形態に係る共振器装置の構成を図11
〜図15を参照して説明する。図11は共振器装置の分
解斜視図である。キャビティ本体1の中心軸には導体棒
4を設けていて、この導体棒4が誘電体コア3に設けた
孔に挿通するように、誘電体コア3をキャビティ本体1
の内部に設けている。キャビティ本体1の上部開口面に
はキャビティ蓋2を取り付ける。
ける前の上面図、(B)は縦断面図である。以上に示し
た各実施形態ではシングルの準TMモードの共振器を構
成したが、この第7の実施形態では、誘電体コア3を、
導体棒または準TEMモードの軸に垂直な面での断面形
状を正方形として、2重の準TMモードの共振器を構成
している。
ドの電磁界分布の例を示している。(A)はTM010
-xモード、(B)はTM010-yモードであり、この2
つの共振モードは縮退関係にある。また(C)はキャビ
ティと導体棒4による準TEMモードの電磁界分布を示
している。図中の実線の矢印は電界ベクトル、破線の矢
印は磁界ベクトルを示している。
モードと同様に、ここでは、誘電体コアが直方体形状で
あるが、モードの表記としては円柱座標系を採り、hを
伝搬方向、θを伝搬方向に垂直な面の面内周回方向、r
を伝搬方向に垂直な面の面内の放射(半径)方向にとっ
て、それぞれの電界強度分布の波の数を、TMθrhの
順に表すものとする。さらに、伝搬方向を添字で表すも
のとする。したがって、TM010-xモードは、誘電体
コアのy−z面に平行に磁界ベクトルが回るモード、T
M010-yモードは、誘電体コアのx−z面に平行に磁
界ベクトルが回るモードである。
結合させるための構造の例を示している。ここで、h1
は上記準TEMモードとTM010-xモードとを結合さ
せるための結合用調整孔である。すなわちTM010-x
モードと準TEMモードの電界ベクトルが平行にはしる
方向での、導体棒を中心とする対称位置の一方に孔を設
けることによって、上記対称位置における準TEMモー
ドとTM010-xモードの電界強度のバランスを崩し、
このことよって両モード間を結合させる。同様に、h2
は上記準TEMモードとTM010-yモードとを結合さ
せるための結合用調整孔である。すなわちTM010-y
モードと準TEMモードの電界ベクトルが平行にはしる
方向での、導体棒を中心とする対称位置の一方に孔を設
けることによって、上記対称位置における準TEMモー
ドとTM010-yモードの電界強度のバランスを崩し、
このことによって両モード間を結合させる。
-xモードとTM010-yモードとの間を結合させる結合
調整用孔である。この結合調整用孔h3によって、2つ
のモードの結合モードである奇モードと偶モードの共振
周波数に差を生じさせて、両モードの縮退関係を解き、
両モードを結合させる。
させて、3段の共振器からなるフィルタを構成する場合
の2つの例を示している。TEMモードの磁界は共振器
の下部の方が強く、また、TMモードの磁界は誘電体コ
ア3から離れるにしたがって弱くなる。図15の(A)
に示す例では、導体棒4とキャビティからなる準TEM
モードの磁界が結合ループ10aを過るので、結合ルー
プ10aは準TEMモードと結合する。このとき、結合
ループ10aとTMモードとの結合は無視できる程度に
小さい。またTM010-xモードの磁界は結合ループ1
0bを過るため、結合ループ10bはTM010-xモー
ドと結合する。また、結合調整用孔h2は準TEMモー
ドとTM010-yモードとを結合させ、結合調整用孔h
3はTM010-xモードとTM010-yモードとを結合
させる。従って、結合ループ10aを入力部、結合ルー
プ10bを出力部とする場合に、準TEMモード→TM
010-yモード→TM010-xモードの順に結合して、
3段の共振器から成るフィルタとして作用する。
-yモードの磁界は結合ループ10aを過るため、結合ル
ープ10aはTM010-yモードと結合する。また、T
M010-xモードの磁界は結合ループ10bを過るた
め、結合ループ10bはTM010-xモードと結合す
る。結合調整用孔h1は準TEMモードとTM010-x
モードとを結合させ、結合調整用孔h2は準TEMモー
ドとTM010-yモードとを結合させる。従って、結合
ループ10aを入力部、結合ループ10bを出力部とす
る場合に、TM010-yモード→準TEMモード→TM
010-xモードの順に結合して、3段の共振器から成る
フィルタとして作用する。
め、誘電体コア3の比誘電率を40とすれば、TM01
0-xモードの共振周波数は1072MHz、TM010
-yモードの共振周波数は1072MHz、準TEMモー
ドの共振周波数は983MHzとなる。
=12mm、e=4mm、h=35mm、i=26mm、m=4
9mm、n=52.5mm 次に、第9の実施形態に係る共振器装置の構成を図16
を参照して説明する。図16の(A)は上記キャビティ
蓋を取り付ける前の上面図、(B)はキャビティ蓋を取
り付けた状態での中央縦断面図である。この例では、導
体棒4の頂部をキャビティ蓋2の内面に導通させてい
る。したがって、この導体棒4とキャビティ本体1およ
びキャビティ蓋2から成るキャビティとによって同軸共
振器を構成する。この同軸共振器は、半波長同軸共振器
として作用する。
め、誘電体コア3の比誘電率を40とすれば、TM01
0-xモードの共振周波数は2047MHz、TM010
-yモードの共振周波数は2047MHz、TEMモード
の共振周波数は1970MHzとなる。
=26mm、h=5mm、m=49mm、n=17.5mm 図17〜図19は第10の実施形態に係る共振器装置の
誘電体コアの種々の構造およびキャビティ内への種々の
取り付け例を示している。これらの図は何れも導体棒4
の軸方向を見た上面図である。図17の(A)に示す例
では、誘電体コア3を十字形状にしたものである。また
(B)の例は正方形板の四隅を切り落としたような形状
としたものである。これらの形状により、キャビティに
接する誘電体コアの面積が減り、導体でのQの劣化が抑
えられる。図18に示す例は、誘電体コアの二方向の面
をキャビティの内壁面から離間させた例である。(A)
は正方形板状の誘電体コアを用いた例、(B)は十字形
状の誘電体コアを用いた例、(C)は八角形板状の誘電
体コアを用いた例である。また、これらの図の左側は導
体棒4をキャビティの中心軸に配置した例、右側は導体
棒4を誘電体コアの中心部に配置した例である。このよ
うに誘電体コアの隣接する二端面をキャビティの内壁面
から離間したときの2つのモードは、TM01δ-xモー
ドとTM01δ-yモードと表すことができる。なお、こ
の構造によれば、対向するキャビティ内壁面間の静電容
量を減少させることができ、その分キャビティを大きく
することによって共振器のQを高めることができる。
面をキャビティの内壁面からそれぞれ離間させた例であ
る。これらの構造により、共振器のQを更に高めること
ができる。
の構成を図20〜図23を参照して説明する。図20は
共振器装置の分解斜視図である。ここで1は、略直方体
形状の、上面が開口し、下面が閉塞したキャビティ本
体、2はキャビティ本体1の開口面を覆うキャビティ蓋
である。キャビティ本体1の内底面の中央には、それぞ
れのキャビティの内壁面に平行な方向に導体棒4を突出
させている。また図中の3は誘電体コアであり、略正方
形板状を成し、導体棒4を挿通させる孔を有している。
付ける前の上面図、(B)はキャビティ蓋を取り付けた
状態での中央縦断面図である。導体棒4はキャビティ本
体1と一体に成形していて、その頂部とキャビティ蓋2
の内面との間を所定間隔としている。また、誘電体コア
3をネジ7とナット11でキャビティ内の所定高さに固
定している。なお、導体棒4はキャビティ本体1とは別
体として、キャビティ本体1に固定してもよい。
電磁界分布の例を示している。(A)は上面図、(B)
は正面図であり、図中の実線の矢印は電界ベクトル、破
線の矢印は磁界ベクトルをそれぞれ示している。誘電体
コア3によるTEモードは、誘電体コアの面内方向に電
界ベクトルがループを成し、その電界の向きに直交する
方向に磁界のループがトーラス状に分布する。ここで
は、誘電体コアが正方形板状であるが、モードの表記と
しては円柱座標系を採り、hを伝搬方向、θを伝搬方向
に垂直な面の面内周回方向、rを伝搬方向に垂直な面の
面内の放射(半径)方向にとって、それぞれの磁界強度
分布の波の数を、TEθrhの順に表すものとする。し
たがって、この例では、TE01δモードとなる。但
し、誘電体コア3は円板形状または円柱形状ではないの
で、ここでは準TEモードと呼ぶ。
れまでに示した実施形態の場合と同様に準TEMモード
の共振モードが生じる。
す図である。(A)はキャビティ蓋2を取り付ける前の
上面図、(B)は縦断面図である。この例では、キャビ
ティ本体1の内部に、誘電体コア3の底面を支持するた
めの段差部を設けていて、低誘電率のスペーサ6を介し
てネジ7によって、その段差部に誘電体コア3をネジ止
め固定している。このような構造により、誘電体コアの
固定強度(剛性)を高めることができる。
共振器装置の、誘電体コアの形状およびその取り付け位
置の異なった幾つかの例を示している。これらの図は何
れも導体棒の軸方向を見た上面図である。図24の
(A)に示す例では、誘電体コア3を正方形板状の誘電
体板の四隅を切り落としたような八角形板状としてい
る。また、導体棒4を角柱形状とし、誘電体コア3の孔
も断面正方形として、誘電体コア3の軸回りの位置決め
も行っている。
3を用いた例である。このような構造により、用いるT
E01δモード以外のスプリアスモードの生じにくい共
振器が得られる。なお、この誘電体コア3の形状に合わ
せて、キャビティの内壁面を円筒形状にしてもよい。
接する2つの面に接合させた例である。また図26はキ
ャビティの内壁面の何れの面にも誘電体コア3を接合ま
たは当接させた例である。
について説明する。本発明の共振器装置は、キャビティ
と誘電体コアによる上記準TMモードの共振周波数と、
キャビティと導電性を有する棒とによる上記準TEMモ
ードの共振周波数とを略同一にして、両モード間の結合
をとるようにするが、ここで問題となるのは、このよう
な異なったモードの温度特性(温度変化に対する共振周
波数の変化の特性)が一般に大きく異なる点である。上
記いずれの共振モードでも、キャビティの大きさが共振
周波数を決定する要素の1つであるので、温度変化に対
するキャビティの変形によって、上記2つのモードの共
振周波数が変化する。そこで、キャビティとして例えば
インバーなどの線膨張係数の小さな金属材料を用いれ
ば、上記2つのモードの温度特性を安定化することがで
きる。しかしながら、上記インバーなどの線膨張係数の
小さな金属材料は高価であり、共振器装置全体のコスト
アップは避けられない。そこで、以下に示す実施形態で
は、キャビティとして安価で一体成型可能な、例えばア
ルミニウムなどの金属材料を用い、且つ温度特性に優れ
た共振器装置を製造する。
造で、誘電体コア3の比誘電率を変化させた時の、準T
Mモードと準TEMモードの共振周波数の変化を測定し
た。次の表はその結果である。
比誘電率に大きく依存するのに対し、準TEMモードの
共振周波数は、誘電体コアの比誘電率にほとんど依存し
ない。
よって、準TMモードおよび準TEMモードの共振周波
数が変化するが、温度変化に対する共振周波数の変化
は、いずれも負の係数を示す。したがって、後述するよ
うに、誘電体コアの比誘電率の温度係数が負の値を示す
誘電体材料を用いれば、準TMモードの共振周波数の温
度特性を安定化させる方向に定めることができる。
の変化量との関係を測定した結果を図32に示す。ここ
で、キャビティ本体1をアルミニウムで構成し、導体棒
4をインバー、鉄、銅、アルミニウムの4種類のうちい
ずれかで構成し、温度を60℃変化させた時の共振周波
数の変化Δfを示している。
あっても導体棒の長さは殆ど変化しない。また、温度上
昇に伴うキャビティの膨張により、導体棒4の先端部と
キャビティ蓋2との間隙が大きくなり、そこに生じる静
電容量が小さくなるため、準TEMモードの共振周波数
は上昇方向に大きく変化する。
ニウムであれば、温度変化によって、キャビティと共に
導体棒4が膨張・収縮するため、導体棒の先端部とキャ
ビティ蓋2との間隙はあまり大きく変動しない。これに
対し、温度上昇に伴う導体棒の伸びによって、準TEM
モードの共振周波数は低下方向に変化する。
膨張係数の小さな銅や鉄を用いれば、それぞれの線膨張
係数に応じて、温度変化に対する準TEMモードの共振
周波数が変化する。
体棒の材料や伸縮にほとんど依存せず一定である。した
がって、準TEMモードの温度変化に対する共振周波数
の変化が略一定となるような線膨張係数を有する金属材
料を選定すれば、準TMモードの特性とは独立して準T
EMモードの温度特性を定めることができる。図32に
示した例では、導体棒の材料として鉄を用いれば、温度
変化に対する準TEMモードの共振周波数の安定化が図
れる。
2つのモードについて、共振周波数の温度特性を制御す
る手順について示している。
ャビティ本体1の材質と同じものとし、比誘電率εrの
温度係数が0である誘電体材料で誘電体コア3を作成
し、その時の両モードの共振周波数の温度特性を測定す
る。図33の(A)は、その特性を示している。上述し
たように、準TMモードの共振周波数は、温度上昇に伴
ってキャビティ内空間の拡大により共振周波数は低下す
る。また、準TEMモードについても上述したように、
温度上昇に伴う導体棒4の軸長の伸びによって共振周波
数は低下する。
界解析により、誘電体コアの比誘電率εrを変化させた
時の共振周波数の変化量を求め、ステップ1で求めた、
温度変化に対する準TMモードの共振周波数の変化分を
打ち消すように、誘電体コアの比誘電率の温度特性を定
める。すなわち、誘電体コアの比誘電率εrの温度係数
が負の所定値であって、温度変化に対する準TMモード
の共振周波数が一定となるような誘電体材料を選定す
る。図33の(B)は、そのときの特性を示している。
なお、表1に示したように、誘電体コアの比誘電率の変
化により準TMモードの共振周波数も変化するが、この
変化分は次に示すステップ3で吸収することができる。
って結果的に定まる、温度変化に対する準TEMモード
の共振周波数が略一定となるように導体棒4の線膨張係
数を定める。すなわち図32に示したように、温度変化
に対する準TEMモードの共振周波数が略一定となる線
膨張係数を有する材料を導体棒4の材料として選定す
る。図33の(C)は、そのときの特性を示している。
の温度補償を行い、続いて準TEMモードの温度補償を
行なうようにしたが、誘電体コアの比誘電率の変化に対
する準TEMモードの共振周波数の温度変化は少ないの
で、先に準TEMモードの温度補償を行ない、続いて準
TMモードの温度補償を行なうようにしてもよい。
の構成を図34を参照して説明する。 この共振器装置
の全体の基本的な構成は、第1の実施形態として図1〜
図3に示したものと同様であり、図34の(A)はキャ
ビティ蓋を取り付ける前の上面図、(B)はキャビティ
蓋を取り付けた状態での中央縦断面図である。第1の実
施形態と異なるのは、キャビティ蓋2に、準TEMモー
ドの共振周波数を調整するための周波数調整用ネジ14
を設けた点である。この周波数調整用ネジ14は、周波
数調整用ネジ14のキャビティ本体1内部への突出量の
調整により、導体棒4の先端部との間に生じる静電容量
の大きさを調整する。この静電容量の大きさの調整によ
って準TEMモードの共振周波数を調整する。
ムを成型して、その外面にAgメッキ膜を施すことによ
って構成している。また、導体棒4は鉄製の丸棒とし、
周波数調整用ネジ14は黄銅により構成する。このよう
に周波数調整用ネジ14を設けた構造では、キャビティ
内への導体棒4と周波数調整用ネジ14のそれぞれの突
出量と、両者の線膨張係数とによって、準TEMモード
の温度特性が変化する。すなわち図34において、4で
示す導体棒と周波数調整用ネジ14とを含めた全体が、
準TEMモードの中心導体として作用するので、導体棒
4と周波数調整用ネジ14の線膨張係数および両者のキ
ャビティ本体2内部での長さによって合成線膨張係数が
定まる。したがって、導体棒4および周波数調整用ネジ
14の材料およびそれぞれの長さを定めることによっ
て、温度変化に対する準TEMモードの共振周波数の変
化が安定化するように設計する。
用ネジを設ける場合には、請求項8における「棒の材
料」は、図34に示した導体棒4および周波数調整用ネ
ジ14のそれぞれについての材料を意味する。
温度変化に対する準TMモードの共振周波数が略一定と
なるように、比誘電率の温度係数τfを−15(ppm
/℃)に選んだ。この特性を有する材料として(Zr,
Sn)TiO4 の誘電体セラミックを用いることができ
る。
して図27を参照して説明する。ここでは、キャビティ
を二点鎖線で表している。導体棒4a,4bの頂部はキ
ャビティの内壁面から離間している。この構造により、
導体棒4aとその周囲のキャビティとによって準TEM
モードの共振器として作用し、誘電体コア3aと周囲の
キャビティとによって準TMモードの共振器として作用
する。同様に導体棒4bとその周囲のキャビティとによ
って準TEMモードの共振器として作用し、誘電体コア
3bと周囲のキャビティとによって準TMモードの共振
器として作用する。8a,8bはそれぞれ同軸コネクタ
であり、それらの中心導体とキャビティの内面との間を
結合ループ9a,9bで接続している。これらの結合ル
ープ9a,9bは、それらのループ面に上記準TMモー
ドの磁界が鎖交し、且つ準TEMモードの磁界が殆ど鎖
交しないように配置している。したがって、これらの結
合ループ9a,9bは上記準TMモードと磁界結合す
る。
に示したhに相当する結合調整用孔であり、これにより
準TMモードと準TEMモードとを結合させている。更
に隣接する2つのキャビティの壁面に窓を設けて、その
窓を跨ぐように結合ループ10を設けている。この結合
ループ10のループ面は、準TMモードの磁界が鎖交せ
ず、準TEMモードの磁界が鎖交する向きに配置してい
るので、二つのキャビティ内に生じる準TEMモードに
それぞれ磁界結合する。したがって、同軸コネクタ8a
から8bにかけて、準TMモード→準TEMモード→準
TEMモード→準TMモードの順に結合して、全体とし
て4段の共振器から成る帯域通過特性を有するフィルタ
として作用する。
態として図28を参照して説明する。図28の(A)
は、フィルタの斜視図、(B)はその上面図である。2
点鎖線はキャビティを表している。キャビティ内には誘
電体コア3とその中央部の孔に挿通する導体棒4を設け
ている。この構造により、キャビティと導体棒4とによ
る準TEMモードの共振器と誘電体コア3による準TE
モードの共振器とを多重化している。キャビティ内には
2つの結合ループ10a,10bを設けるとともに、そ
の間を電気長1/4波長のケーブル12で接続してい
る。結合ループ10aは準TEMモードの磁界に鎖交
し、準TEモードの磁界に鎖交しない向きに設けてい
て、結合ループ10bは、逆に、準TEモードの磁界に
鎖交し、準TEMモードの磁界に鎖交しない向きに設け
ている。このため、準TEMモードの共振器と準TEモ
ードの共振器は、1/4波長のケーブル12を介して結
合する。このフィルタを帯域除去フィルタとして使用す
る場合、準TEMモードまたは準TEモードに磁界結合
する他の結合ループを設け、この2段の共振器からなる
フィルタを、伝送路と接地との間に接続すればよい。
である。このように2段の共振器の共振周波数を減衰さ
せる帯域除去フィルタ特性を得る。
す。ここで送信フィルタと受信フィルタは上記誘電体フ
ィルタの構成から成る帯域通過フィルタであり、送信フ
ィルタは送信信号の周波数を、受信フィルタは受信信号
の周波数を、それぞれ通過させる。送信フィルタの出力
ポートと受信フィルタの入力ポートとの接続位置は、そ
の接続点から、送信フィルタの最終段の共振器の等価的
な短絡面までの電気長が、受信信号の周波数の波長で1
/4波長の奇数倍となり、且つ上記接続点から、受信フ
ィルタの初段の共振器の等価的な短絡面までの電気長
が、送信信号の周波数の波長で1/4波長の奇数倍とな
る関係としている。これにより、送信信号と受信信号と
を確実に分岐させる。
ポートとの間に複数の誘電体フィルタを設けることによ
って、同様にしてダイプレクサやマルチプレクサを構成
することができる。
を用いた通信装置の構成を示すブロック図である。この
ように、送信フィルタの入力ポートに送信回路、受信フ
ィルタの出力ポートに受信回路をそれぞれ接続し、デュ
プレクサの入出力ポートにアンテナを接続することによ
って、通信装置の高周波部を構成する。
プレクサ、合成器、分配器等の回路素子を上記誘電体共
振器装置で構成して、これらの回路素子を用いて通信装
置を構成することにより、小型の通信装置が得られる。
つのキャビティ内に共振器を多重化することができ、所
定の段数を要する共振器装置を構成する際に全体の小型
化が図れる。
ば中央部などの任意の位置に配置することができる。
ティと誘電体コアによる共振モードの共振周波数を決定
する容量成分を大きくすることができ、そのため、キャ
ビティの寸法を小さくして共振器を小型化できる。
ティと誘電体コアによる共振モードの共振周波数を決定
する容量成分を小さくすることができ、そのため、キャ
ビティの寸法がある程度大きくなって共振器のQが向上
する。
キャビティ内に3つの共振器を構成することになるた
め、さらに小型化を図ることができる。
ティと誘電体コアによる共振モード、および導体棒とキ
ャビティによる共振モード、のそれぞれの共振周波数の
温度特性を容易に安定化できる。
ば、多段の共振器からなるフィルタ、複合フィルタ装置
およびデュプレクサを容易に構成することができる。
で且つQが高い共振器を用いたことにより、全体に小型
で低損失・高利得な通信装置を容易に構成することがで
きる。
を示す図
について示す図
び断面図
体コアの斜視図
とキャビティ内壁面の形状を示す図
よび断面図
図
布の例を示す図
について示す図
視図
よび断面図
アとキャビティ内壁面の形状の例を示す図
内壁面の形状の例を示す図
ャビティ内壁面の形状の例を示す図
示す分解斜視図
磁界分布の例を示す図
コアとキャビティ内壁面の形状の例を示す図
内壁面の形状の例を示す図
ャビティ内壁面の形状の例を示す図
す図
す図
を示す図
す図
に伴う2つのモードの共振周波数の変化の例を示す図
示す図
Claims (10)
- 【請求項1】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電性を有する
棒とともに誘電体コアを設け、前記キャビティと前記棒
による共振モードの共振周波数と、前記キャビティと前
記誘電体コアによる共振モードの共振周波数とを、略同
一にし、 前記誘電体コアに孔を形成し、該孔に前記棒を挿通さ
せ、 前記キャビティと前記棒による共振モードを準TEMモ
ードとし、前記キャビティと前記誘電体コアによる共振
モードを準TMモードとし、前記誘電体コアの長手方向
の一方の端部から中央部までの電界強度と、他方の端部
から中央部までの電界強度とのバランスを崩すことによ
って両モードを結合させ、この2つの共振モードを2重
化したことを特徴とする共振器装置。 - 【請求項2】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電性を有する
棒とともに誘電体コアを設け、前記キャビティと前記棒
による共振モードの共振周波数と、前記キャビティと前
記誘電体コアによる共振モードの共振周波数とを、略同
一にし、 前記誘電体コアに孔を形成し、該孔に前記棒を挿通さ
せ、 前記キャビティと前記棒による共振モードを準TEMモ
ードとし、前記キャビティと前記誘電体コアによる共振
モードを準TEモードとし、前記誘電体コアの長手方向
の一方の端部から中央部までの電界強度と、他方の端部
から中央部までの電界強度とのバランスを崩すことによ
って両モードを結合させ、この2つの共振モードを2重
化したことを特徴とする共振器装置。 - 【請求項3】 導電性を有するキャビティ内に、少なく
とも一端が前記キャビティ内に導通した導電性を有する
棒とともに誘電体コアを設け、前記キャビティと前記棒
による共振モードの共振周波数と、前記キャビティと前
記誘電体コアによる共振モードの共振周波数とを、略同
一にし、 前記誘電体コアに孔を形成し、該孔に前記棒を挿通さ
せ、 前記キャビティと前記棒による共振モードを準TEMモ
ードとし、前記キャビティと前記誘電体コアによる共振
モードを2重の準TMモードとし、前記誘電体コアの長
手方向の一方の端部から中央部までの電界強度と、他方
の端部から中央部までの電界強度とのバランスを崩すこ
とによって両モードを結合させ、全体に3重化したこと
を特徴とする共振器装置。 - 【請求項4】 前記誘電体コアを前記キャビティの内面
に接合したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれ
かに記載の共振器装置。 - 【請求項5】 前記誘電体コアを支持台を介して前記キ
ャビティ内に支持するとともに、前記誘電体コアを前記
キャビティの内面から離間させたことを特徴とする請求
項1〜3のうちいずれかに記載の共振器装置。 - 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の共
振器装置の製造方法であって、前記キャビティと前記誘
電体コアによる共振モードの、温度変化に対する共振周
波数の変化が略一定となるように、前記誘電体コアの材
料を選定するステップと、 前記キャビティと前記棒とによる共振モードの、温度変
化に対する共振周波数の変化が略一定となるように、前
記棒の材料を選定するステップとを含んで成る共振器装
置の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の共
振器装置に、または請求項6に記載の製造方法により製
造された共振器装置に、前記共振モードのうち所定の共
振モードに結合して信号の入出力を行う入出力導体を設
けて成るフィルタ。 - 【請求項8】 請求項7に記載のフィルタを複数組設け
て成る複合フィルタ装置。 - 【請求項9】 請求項7に記載のフィルタを2組設け、
第1のフィルタの入力ポートを送信信号入力ポートと
し、第2のフィルタの出力ポートを受信信号出力ポート
とし、第1と第2のフィルタの共用の入出力ポートをア
ンテナポートとしてなるデュプレクサ。 - 【請求項10】 請求項7に記載のフィルタ、請求項8
に記載の複合フィルタ装置または請求項9に記載のデュ
プレクサを設けて成る通信装置。
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