JP3389673B2 - Tm多重モード誘電体共振器装置 - Google Patents

Tm多重モード誘電体共振器装置

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JP3389673B2 JP07210294A JP7210294A JP3389673B2 JP 3389673 B2 JP3389673 B2 JP 3389673B2 JP 07210294 A JP07210294 A JP 07210294A JP 7210294 A JP7210294 A JP 7210294A JP 3389673 B2 JP3389673 B2 JP 3389673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キャビティ内に誘電
体柱を配置したTM多重モード誘電体共振器装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】TM110 モードなどのTMモードを用い
た誘電体共振器を小型化する目的で、同一キャビティ内
に複数のTMモード誘電体共振器を構成するとともに、
それぞれのモードを交差させたTM多重モード誘電体共
振器装置が例えばマイクロ波帯における帯域通過フィル
タなどとして用いられている。
【0003】このような多重モードの誘電体共振器装置
を用いて複数段の共振器からなる帯域通過フィルタなど
を構成する場合、互いに交差する誘電体柱の交差部に溝
を形成して、その交差する2つの誘電体柱に生じる偶モ
ードと奇モードの共振周波数に差を生じさせることによ
って2つの共振器同士を結合させている。
【0004】図12に従来のTM二重モード誘電体共振
器装置における共振モードの例を示す。図12において
1xはX方向の誘電体柱、1yはY方向の誘電体柱、g
はこの2つの誘電体柱の交差部に設けた溝である。図1
2の(A)を偶モード、(B)を奇モードの電気力線を
それぞれ示すものとすれば、偶モードの共振周波数fev
enと奇モードの共振周波数fodd は異なり、2つの誘電
体柱1x,1yからなる2つの共振器に結合が生じる。
一般に結合係数kは次式で示される。
【0005】 fodd およびfevenは溝gの幅および/または深さによ
って変化するため、溝gの幅および/または深さが結合
係数の決定要素の1つとして設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなTM多重モ
ード誘電体共振器装置を例えば帯域通過フィルタなどと
して構成する場合、要求される通過帯域幅に応じて共振
器間の結合係数を設定すればよいが、中心周波数が異な
る場合や所望の通過帯域特性を得るためには、各共振器
の共振周波数を変えなければならず、そのために従来は
誘電体柱の厚み(図12に示した例では、紙面に垂直方
向の寸法)を変えることによって共振周波数を設定して
いた。その結果、各共振器の共振周波数の差に応じて各
誘電体柱の厚みが異なるものとなり、要求される特性に
応じて多種類の成形金型を用意しなければならなかっ
た。また、誘電体柱の厚みが一定でないため、隣接する
他のTM多重モード誘電体共振器装置の誘電体柱との間
隔が不定となり、また初段または終段の共振器となる誘
電体柱と信号入出力用の結合ループなどの結合素子との
距離も不定となり、誘電体柱の厚み寸法の差により、共
振器間の結合係数およびQeが変化する。そのため、場
合によっては隣接するTM多重モード誘電体共振器装置
間に挿入する仕切窓の寸法や結合素子の大きさを変更す
る必要が生じる。
【0007】特に、1.5GHz以上の周波数帯域にな
ると、誘電体柱のサイズが小さくなり、誘電体柱の厚み
寸法の変化による結合係数およびQeの変化は相対的に
大きくなって上述の問題が顕著になる。
【0008】この発明の目的は、各誘電体柱の全体の寸
法を一定としたまま各誘電体柱による共振器の共振周波
数を可変し得るTM多重モード誘電体共振器装置を提供
することにある。
【0009】この発明の他の目的は結合係数とは独立し
て各誘電体柱による共振器の共振周波数を可変としたT
M多重モード誘電体共振器装置を提供することにある。
【0010】この発明のさらに他の目的は複数の誘電体
柱による共振器のうち少なくとも1つの共振器の共振周
波数を一定にしたまま他の共振器の共振周波数を可変と
したTM多重モード誘電体共振器装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るTM多重モード誘電体共振器装置は、複数の誘電体柱
を互いに交差させてキャビティ内に配置するとともに、
誘電体柱同士の交差部に生じるコーナ部に溝を形成し
て、複数の誘電体柱による複数の共振器同士を結合させ
た多重TMモード誘電体共振器装置において、前記複数
の誘電体柱のうち互いに交差する2つの誘電体柱の交差
角を2分割する角度方向以外の方向に前記溝を形成し
て、この2つの誘電体柱の交差部での各誘電体柱の幅を
互いに異ならせたことを特徴とする。この発明の請求項
に係るTM多重モード誘電体共振器装置は、複数の誘
電体柱を互いに交差させてキャビティ内に配置するとと
もに、誘電体柱同士の交差部に生じるコーナ部に溝を形
成して、複数の誘電体柱による複数の共振器同士を結合
させた多重TMモード誘電体共振器装置において、前記
複数の誘電体柱のうち互いに交差する2つの誘電体柱の
交差部に設けられた隣接する2つの溝の大きさにより2
つの誘電体柱による各共振器の共振周波数を定めるとと
もに、前記2つの溝の大きさの差によって前記2つの誘
電体柱による2つの共振器間の結合係数を定めたことを
特徴とする。
【0012】
【0013】
【作用】この発明の請求項1に係るTM多重モード誘電
体共振器装置では、複数の誘電体柱のうち互いに交差す
る2つの誘電体柱の交差角を2分割する角度方向以外の
方向に、誘電体柱同士の交差部に溝が形成されているた
め、この2つの誘電体柱の交差部での誘電体柱の幅に差
が生じる。これにより上記2つの誘電体柱による共振器
の共振周波数が異なった値となる。 また、この発明の請
求項に係るTM多重モード誘電体共振器装置では、複
数の誘電体柱のうち互いに交差する2つの誘電体柱の交
差部に設けられた隣接する2つの溝の大きさによって2
つの誘電体柱による各共振器の共振周波数が定められ、
さらに両溝の大きさの差によって2つの誘電体柱による
2つの共振器間の結合係数が定められる。即ち上記少な
くとも2つの溝が誘電体柱の交差部に設けられることに
よって、その交差部における誘電体柱の幅が狭くなり、
この幅に応じて上記2つの誘電体柱による共振器の各共
振周波数は定められる。一方、上記2つの溝の大きさの
差によって偶モードの共振周波数と奇モードの共振周波
数とに差が生じ、2つの溝の大きさの差によって2つの
誘電体柱による2つの共振器間の結合係数が定められ
る。
【0014】ここで、1つのTM多重モード誘電体共振
器装置の特性と溝との関係について説明する。
【0015】図4はTM多重モード誘電体共振器装置の
一方の開口部から見た正面図であり、(A)は溝を形成
していない場合、(B)は溝g,gを形成している場合
を示す。(A)のように、溝を形成していないときの誘
電体柱1xによる共振器の共振周波数をfx0、誘電体
柱1yによる共振器の共振周波数をfy0とすると、誘
電体柱1xと1yの各部が同一寸法であればfx0=f
y0となる。一方、溝g,gによる偶モードの共振周波
数と奇モードの共振周波数が等しいため、結合係数ko
は0となる。同図(B)のように、誘電体柱の交差部に
おいて対角する2つの位置に溝g,gを形成すれば、誘
電体柱の交差部における誘電体柱1xの幅はRWx、誘
電体柱1yの幅はRWyと狭くなる。これにより誘電体
柱1xによる共振器の共振周波数fx1と誘電体柱1y
による共振器の共振周波数fy1はともに上昇する。こ
の例のように2つの溝g,gを対角方向に同じ大きさで
設けた場合、RWxとRWyは等しいためfx1=fy
1の関係となる。一方、溝g,gによる偶モードの共振
周波数と奇モードの共振周波数に差が生じ、その差に応
じた結合係数k1で2つの共振器が結合する。
【0016】図5は図4(B)に示した状態から溝g,
gの寸法を大きくした例を示す。図5(A)は溝g,g
の深さを大きくした場合、図5(B)は溝g,gの幅を
大きくした場合について示している。何れの場合でも、
誘電体柱の交差部における誘電体柱1xの幅RWxと誘
電体柱1yの幅RWyがより狭くなり、誘電体柱1x,
1yによる共振器の共振周波数がともに上昇し、且つ結
合係数が増大する。
【0017】さて、ここで図6のように、溝を形成した
場合について考える。図6(A)と(B)との差異は溝
g2,g4の有無である。(A)の場合、図4(B)ま
たは図5(A),(B)の場合と同様に、誘電体柱1
x,1yによる2つの共振器の共振周波数は、誘電体柱
1xと1yの交差部における溝g1とg3による誘電体
柱の幅RWx,RWyに応じた周波数となる。また、溝
g1,g3による偶モードの共振周波数と奇モードの共
振周波数の差に応じた結合係数k4で2つの共振器間が
結合する。一方、(B)の場合、(A)に比較して交差
部における誘電体柱の幅RWx,RWyがより狭くな
り、2つの共振器の共振周波数はそれに応じてより高く
なる。また、溝g2,g4は溝g1,g3に対して隣接
する位置にあるため、溝g1,g3により生じる偶モー
ドの共振周波数と奇モードの共振周波数の差を小さくす
る方向に作用する。即ち、溝g1,g3が例えば偶モー
ドにおける電気力線の通路を狭めるように作用する場
合、溝g2,g4は奇モードにおける電気力線の通路を
狭めるように作用する。そのため、溝g1,g3により
生じる偶モードの共振周波数と奇モードの共振周波数と
の差を、溝g2,g4が減少させる方向に作用する。そ
のため、結合係数k5は(A)の結合係数k4に比較し
て低下する。
【0018】図7は図4〜図6に示した各溝の形成位置
と寸法の関係をまとめて示したものである。このよう
に、溝g1,g2,g3,g4の深さまたは幅によっ
て、誘電体柱1xにおける溝の深さgdx1,gdx
2,gdx3,gdx4および誘電体柱1yにおける溝
の深さgdy1,gdy2,gdy3,gdy4がそれ
ぞれ変わり、交差部における誘電体柱の幅RWxおよび
RWyが変わって共振器の共振周波数が定まる。また、
隣接する2つの溝の間、即ち溝g1−g2間,溝g2−
g3間,溝g3−g4間,溝g4−g1間の大きさ(深
さおよび/または幅)の差によって結合係数が定まる。
【0019】
【0020】次に、図8を基に、複数の誘電体柱のうち
互いに交差する2つの誘電体柱の交差角を2分割する角
度方向以外の方向に、誘電体柱同士の交差部に溝を形成
した場合の作用を説明する。図8は、溝g1,g3の方
向を45°からずれた方向に形成した例を示す。(A)
の場合、交差部における誘電体柱1yの幅RWyは誘電
体柱1xの交差部における幅RWxより小さくなるた
め、この2つの溝g1,g3の存在によって、誘電体柱
1yによる共振器の共振周波数fyは誘電体柱1xによ
る共振器の共振周波数fxより高くなる。また、溝g
1,g3の深さを深くすることによって、fx<fyの
関係で両共振器の結合係数を設定することができる。一
方、(B)の場合、交差部における誘電体柱1yの幅R
Wxは誘電体柱1yの交差部における幅RWyより小さ
くなるため、この2つの溝g1,g3の存在によって、
誘電体柱1xによる共振器の共振周波数fxは誘電体柱
1yによる共振器の共振周波数fyより高くなる。ま
た、溝g1,g3の深さを深くすることによって、fx
>fyの関係で両共振器の結合係数を設定することがで
きる。このように、2つの誘電体柱の交差角を二分割す
る角度方向(この例では2つの誘電体柱1x,1yの交
差角が90°であるため、45°方向)以外の方向に溝
を形成することによって、2つの誘電体柱の交差部での
各誘電体柱の幅に差が生じる。これにより結合係数を略
一定としたまま上記2つの誘電体柱による共振器の共振
周波数を異なった値に設定することができる。
【0021】
【実施例】この発明の実施例であるTM多重モード誘電
体共振器装置の構成を図1〜図3に示す。
【0022】図1は1ユニット分のTM多重モード誘電
体共振器装置の分解斜視図である。
【0023】図1において1は十字型の誘電体柱、2は
その外面にシールド導体を形成したキャビティである。
この誘電体柱1とキャビティ2は誘電体セラミック材料
の一体成形から成る。また同図において3はキャビティ
2の一方の開口部を被うセラミック板であり、その一方
の主面には複数のスリット状導体開口部33を配列する
とともに、その主面と4側面にシールド導体30を形成
している。
【0024】図2は図1に示したTM多重モード誘電体
共振器装置を3つ配列して成るフィルタ装置の構成を示
す図であり、(A)は金属カバー(不図示)を取り外し
た状態における平面図、(B)は同じく金属カバーを取
り外した状態における正面図である。同図において2
a,2b,2cはそれぞれ図1に示したTM多重モード
誘電体共振器装置におけるキャビティを示し、3a,3
cは図1に示したセラミック板3と同一構造の仕切り板
としてのセラミック板である。キャビティ2bの2つの
開口部には仕切り板を設けず、キャビティ2a,2cの
それぞれの一方の開口部にセラミック板3a,3cを接
合することによって、隣接する共振器間に電磁界結合用
窓を構成している。隣接するキャビティの上部同士は金
属板10を介して半田付けなどにより接合している。ま
た金属ケース9にはコネクタ5,6を取り付け、コネク
タ5,6の中心導体と金属ケース9との間に7,8で示
す結合ループをそれぞれ形成している。このようにして
同図に示す例では、コネクタ5,6との間に6段の共振
器から成る帯域通過フィルタを構成している。
【0025】図3は図1に示した誘電体柱1部分の構造
を示す斜視図である。図3に示すように、誘電体柱1は
X方向の誘電体柱1xとY方向の誘電体柱1yとが直交
した形状を成し、その交差部には対角位置に2つの溝
g,gを設けている。一方の誘電体柱1yに注目する
と、誘電体柱の幅RW、誘電体中の厚みRTおよび誘電
体中の長さRLのそれぞれについて、寸法が大きくなれ
ば誘電体柱1yによる共振器の共振周波数が低下し、寸
法が小さくなれば共振周波数が上昇する。この関係は誘
電体柱1xについても同様である。誘電体柱による共振
器の共振周波数は上記RW,RT,RLの各寸法と溝の
形状、大きさおよび形成位置によって定める。
【0026】図9は、図1および図3に示したTM多重
モード誘電体共振器の2つの例を示す正面図である。作
用の説明で用いた図6(B)の場合とは異なり、図9
(A)では、溝g2,g4を誘電体柱1yの幅RWyの
みを減少させる方向に形成している。溝g2,g4によ
っては誘電体柱1xの交差部における幅RWxが減少し
ないため、交差部において2つの誘電体柱の幅に差が生
じ、この場合には誘電体柱1yによる共振器の共振周波
数fy6が誘電体柱1xによる共振器の共振周波数より
上昇し、誘電体柱1xによる共振器の共振周波数fx6
は図6(A)の共振周波数fx4に等しい。また、溝g
2,g4は溝g1,g3により生じる偶モードの共振周
波数と奇モードの共振周波数との差を減少させるため、
結合係数k6は図6(A)の場合の結合係数k4より減
少する。一方、図9(B)では、溝g2,g4を誘電体
柱1xの幅RWxのみを減少させる方向に形成してい
る。溝g2,g4によっては誘電体柱1yの交差部にお
ける幅RWyが減少しないため、交差部において2つの
誘電体柱の幅に差が生じ、この場合には誘電体柱1xに
よる共振器の共振周波数fy7が誘電体柱1yによる共
振器の共振周波数より上昇し、誘電体柱1yによる共振
器の共振周波数fy7は図6(A)の共振周波数fy4
に等しい。また、溝g2,g4は溝g1,g3により生
じる偶モードの共振周波数と奇モードの共振周波数との
差を減少させるため、結合係数k7は図6(A)の場合
の結合係数k4より減少する。
【0027】図10は図1および図3に示したTM多重
モード誘電体共振器の他の2つの例を示す正面図であ
る。同図(A)の場合、4つの溝のすべてを誘電体柱1
yの幅を狭める方向に設けたため、誘電体柱1yの交差
部における幅RWyのみが減少し、誘電体柱1xの交差
部における幅RWxは減少しないため、誘電体柱1yに
よる共振器の共振周波数fyは誘電体柱1xによる共振
器の共振周波数fxより上昇することになる。同図
(B)の場合は、4つの溝のすべてを誘電体柱1xの幅
を狭める方向に設けたため、誘電体柱1xの交差部にお
ける幅RWxのみが減少し、誘電体柱1yの交差部にお
ける幅RWyは減少しないため、誘電体柱1xによる共
振器の共振周波数fxは誘電体柱1yによる共振器の共
振周波数fyより上昇することになる。このように図9
および図10に示した構成により、複数の誘電体柱によ
る共振器のうち少なくとも1つの共振器の共振周波数を
一定にしたまま他の共振器の共振周波数を可変設定する
ことができる。
【0028】以上に示した何れの例でも、溝は2つの誘
電体柱の交差部に生じる4箇所のコーナ部のうち互いに
対角位置にある2つのコーナ部を対として溝を形成した
例を示したが、溝は対角位置に2つずつ設ける必要性は
なく、何れか一方にのみ形成してもよい。その例を図1
1に示す。図11(A)の場合、誘電体柱1xと1yの
交差部における溝g1とg4による誘電体柱の幅はRW
x>RWyであるため、誘電体柱1x,1yによる共振
器の共振周波数fx,fyはfx<fyの関係となる。
また、2つの共振器は溝g1とg4による偶モードの共
振周波数と奇モードの共振周波数の差に応じた結合係数
で結合する。同図(B)の場合、誘電体柱1xと1yの
交差部における溝g1とg2による誘電体柱の幅はRW
x<RWyであるため、誘電体柱1x,1yによる共振
器の共振周波数fx,fyはfx>fyの関係となる。
また、2つの共振器は溝g1とg2による偶モードの共
振周波数と奇モードの共振周波数の差に応じた結合係数
で結合するが、溝g2と溝g4が同一の大きさであれ
ば、図11の(A)と(B)とでは結合係数が等しくな
る。
【0029】
【発明の効果】請求項1に係るTM多重モード誘電体共
振器装置によれば、複数の誘電体柱のうち互いに交差す
る2つの誘電体柱の交差角を2分割する角度方向以外の
方向に、誘電体柱同士の交差部に溝が形成されているた
め、この2つの誘電体柱の交差部での誘電体柱の幅に差
が生じ、2つの誘電体柱による共振器の共振周波数が異
なった値となる。これにより結合係数とは独立して各誘
電体柱による共振器の共振周波数を設定することがで
き、また、複数の誘電体柱による共振器のうち少なくと
も1つの共振器の共振周波数を一定にしたまま他の共振
器の共振周波数を設定することができる。そのため設計
が容易となり、所望の特性を有する誘電体共振器装置が
容易に得られる。 また、請求項に係るTM多重モード
誘電体共振器装置によれば、複数の誘電体柱のうち互い
に交差する2つの誘電体柱の交差部に設けられた隣接す
る2つの溝の大きさによって2つの誘電体柱による各共
振器の共振周波数が定められ、さらに両溝の大きさの差
によって2つの誘電体柱による2つの共振器間の結合係
数が定められるため、各誘電体柱の全体の寸法を一定と
したまま、各誘電体柱による共振器の共振周波数を設定
することができる。そのため結合ループ等の結合素子の
大きさや仕切窓の寸法を変更する必要がなく、設計が容
易となり、所望の特性を有する誘電体共振器装置が容易
に得られる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるTM多重モード誘電体
共振器装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すTM多重モード誘電体共振器装置を
用いて構成したフィルタ装置の構成を示す図であり、
(A)はカバーを取り外した状態における平面図、
(B)はカバーを取り外した状態における正面図であ
る。
【図3】図1に示すTM多重モード誘電体共振器装置に
おける誘電体柱の構成を示す斜視図である。
【図4】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、溝の形成による共振周波数と結合係数の変化を示す
図である。
【図5】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、溝の大きさと共振周波数および結合係数との関係を
示す図である。
【図6】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、溝の形成位置と共振周波数および結合係数との関係
を示す図である。
【図7】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、各溝の形成位置と寸法の関係をまとめて示す図であ
る。
【図8】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、溝の形成方向と共振周波数および結合係数との関係
を示す図である。
【図9】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図であ
り、溝の形成位置、形成方向、共振周波数および結合係
数の関係を示す図である。
【図10】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図で
あり、溝の形成位置、形成方向、共振周波数および結合
係数の関係を示す図である。
【図11】TM多重モード誘電体共振器装置の正面図で
あり、溝の形成位置、形成方向、共振周波数および結合
係数の関係を示す図である。
【図12】TM多重モード誘電体共振器装置の共振モー
ドを説明する図である。
【符号の説明】
1,1x,1y,1z−誘電体柱 2−キャビティ 3−セラミック板 5,6−コネクタ 7,8−結合ループ 9−金属ケース 10−金属板 30−シールド導体 33−スリット状導体開口部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−67905(JP,A) 特開 平7−142912(JP,A) 特開 平7−202530(JP,A) 小西良弘,通信用フィルタ回路の設計 とその応用,日本,総合電子出版社, 1994年 2月 1日,第1版,PP. 131−135 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体柱を互いに交差させてキャ
    ビティ内に配置するとともに、誘電体柱同士の交差部に
    生じるコーナ部に溝を形成して、複数の誘電体柱による
    複数の共振器同士を結合させたTM多重モード誘電体共
    振器装置において、 前記複数の誘電体柱のうち互いに交差する2つの誘電体
    柱の交差角を2分割する角度方向以外の方向に前記溝を
    形成して、この2つの誘電体柱の交差部での各誘電体柱
    の幅を互いに異ならせたことを特徴とするTM多重モー
    ド誘電体共振器装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の誘電体柱のうち互いに交差す
    る2つの誘電体柱の交差部に設けられた隣接する2つの
    溝の大きさにより2つの誘電体柱による各共振器の共振
    周波数を定めるとともに、前記2つの溝の大きさの差に
    よって前記2つの誘電体柱による2つの共振器間の結合
    係数を定めた請求項1に記載のTM多重モード誘電体共
    振器装置。
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